説明

インプリント方法およびそのような方法で作製されたモールド部材

【課題】欠損のない微細な陽極酸化膜パターンを高精度に形成することが可能な電圧印加インプリント方法を提供することを目的とする。
欠損のない高解像パターンを迅速に形成することが可能なインプリント装置を提供する。
【解決手段】本発明では、基板と、パターン形成面を有するモールドとを、前記パターン形成面が前記基板と対向するように配置させる工程と、前記モールドと前記基板の間に電圧を印加する工程と、前記モールドおよび/または基板用の駆動装置を用いて、前記モールドのパターン形成面と前記基板の間の接触/非接触状態を切り替えることにより、前記基板の被酸化膜形成領域の湿度を維持する工程とを有するインプリント方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント方法に関し、より詳しくは、微細パターンの製造技術に利用し得る、モールドを基板に押し当ててパターンを形成するインプリント方法に関する。さらに、本発明は、そのような方法により作製されたモールド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、極微細パターンが必要となる。このようなパターンは、露光、現像、洗浄(リンス)を経て形成されるレジストパターンやエッチング、洗浄(水洗)を経て形成されるエッチングパターンである。レジストとは光、X線、電子線などに感光する高分子材料であり、粉末状もしくは高粘性液体を有機溶媒に溶解したものが使われる。露光は、回路設計に基づいて形成されたパターンを有するマスクを介して、レジスト上に光や電子線を照射して行われる。しかしながら、露光に使用される装置は、ステッパと称される数十億円の価格の装置が主体となっている。そのため、安価に微細パターンが形成できる装置が要望されてきた。
【0003】
そこで、近年インプリントリソグラフィと呼ばれる手法が着目されてきた。この方法は、従来DVD作製で用いられているインプリント法を応用したものである。インプリント法では、先ず、公知のリソグラフィ技術を用いて、所望のパターンを形成したシリコン製のモールドを作製し、この表面に、電解メッキでニッケルを堆積させる。次に、このニッケル膜をモールドから剥離させると、ニッケル膜上にモールドのパターンが転写される。このニッケル膜をアルミニウム板の上から押し付けることにより、ニッケル膜のパターンがアルミニウム板に転写される。さらに、アルミニウム板に対してニッケル膜のインプリント処理を繰り返すことにより、所望のパターンを得ることができる。
【0004】
インプリントリソグラフィは、前述のアルミニウム板をレジストに置き換えたものであり、この方法では、パターンが形成されたモールドをレジスト膜に押し付けて、パターンを転写した後、エッチング処理を行うことにより、半導体に必要な所望の薄膜パターンを得ることができる。すなわち、公知の露光法で形成したパターンを有するシリコン等からなるモールドをPMMA等からなるレジスト膜に押し付けて、モールドのパターンをレジスト膜に転写することにより、レジストパターンを得ることができる。
【0005】
また最近では、単にモールドを基板に押し付けるだけではなく、両者を接触させる際に、モールドと基板の間に電圧を印加して、パターンを形成する方法、すなわち「電圧印加インプリント法」が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。
【0006】
この電圧印加インプリント法を図1を用いて説明する。この方法では、加湿空気導入口20から供給される加湿空気によって、チャンバ10の湿度が制御される。このチャンバ10内には、シリコンまたはガリウム・ヒ素等の基板14と、シリコンからなるモールド11とが設置される。また、チャンバ10の外側には、基板14とモールド11の間に電圧を印加する、電圧制御系12が準備される(図1(a))。次に、図1(b)に示すように、基板14とモールド11が「接触」され(微視的には、基板14とモールド11の間には、水分50が存在するので、両者は、極近接状態にある)、電圧制御系12によって、両者間に電圧が印加される。あるいは、電圧を印加した状態で、基板14とモールド11を「接触」させても良い。電圧印加の際には、基板14は陽極、モールド11は陰極となるように極性が選択される。この電圧印加により、基板14とモールド11の間に存在する水分50によって、陽極である基板14の表面が酸化され、酸化膜16が形成される(図1(c))。この酸化膜16は、基板14のモールド11と接触した部分にしか形成されない。これは、モールド11の凹部と基板14の間には、十分な電界が発生せず、基板14とモールド11の非接触部分では、陽極酸化反応が生じないためである。次に、図1(d)に示すように、モールド11が基板14から遠ざけられる。さらに、必要であれば、モールド11(または基板14)を水平方向に移動させ、別の領域に同様の酸化膜16を生成させ、酸化膜のパターンを形成しても良い。最後に、この酸化膜のパターンをマスクとして使用し、基板14をエッチング処理することにより、図1(e)に示すように、基板14に所望のパターンが形成される。この方法では、水分50を介して、モールド11の凸部と基板14の間にのみ電流が流れる。また、この際に水が電気分解されて水酸基イオンが生じ、これらのイオンにより、基板表面が酸化される。
【0007】
前述の電圧印加インプリント法は、走査型トンネル顕微鏡(STM)および原子間力顕微鏡(AFM)において利用されているような、探針で基板を酸化させる方法と同様の原理を利用している(非特許文献2)。すなわち、これらの装置では、AFMの探針と基板の間に予め電圧が印加されている場合、探針が基板に接近すると、基板に吸着した水がメニスカス作用で探針の方に吸い上げられ、これにより基板の微細領域に陽極酸化が生じるという原理を利用している。
【特許文献1】特開2007−069301号公報
【非特許文献1】Japanese Journal of Applied Physics,Vol.42,Part 2,No.2A,pp.L92−L94(2003)
【非特許文献2】Applied Physics Letters,Vol.66,pp.1729−1731(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、基板とモールドの間に電圧を印加する電圧印加インプリント法では、基本反応(原理)として、基板上での水の電気分解による陽極酸化反応が利用される。従って、基板表面に微細な陽極酸化膜パターンを形成するためには、基板の被酸化膜形成領域の湿度を高い精度で制御、維持する必要がある。
【0009】
例えば、実験の結果では、良好な陽極酸化膜パターンを形成するには、基板の被酸化膜形成領域の湿度を75%以上、好ましくは80〜90%程度とする必要があることが示されている。例えば、基板/モールド間の湿度が50%未満では、パターンの形成が困難になったり、パターンの一部が欠損したりすることが報告されている。また、逆に基板/モールド間の湿度が高くなりすぎると、被酸化膜形成領域以外の領域まで酸化されてしまい、高精度にパターン形成を行うことができなくなってしまう。このため、通常、電圧印加インプリント法は、湿度(さらに温度)が制御されたチャンバ内で実施される。
【0010】
しかしながら、基板表面に高精度に微細パターンを形成しようとした場合、従来のような湿度の制御では、不十分である。基板の被酸化膜形成領域の湿度と、チャンバ内の平均的な湿度は、しばしば、異なる場合が生じ得るからである。例えば、いったん電圧印加インプリント処理が開始されると、モールドと接触する基板の被酸化膜形成領域では、陽極酸化膜の形成反応に水が消費されるため、反応直後の当該領域およびその近傍では、水分濃度(すなわち湿度)が一時的に低下する。従って、当該領域の近傍で後続の処理を実施した場合、環境側から十分な水分の補給がなされず、適正な陽極酸化膜形成を行うことができなくなる。さらに、この問題に対処するため、基板の被酸化膜形成領域の湿度を正確に制御し、これを維持しようとすると、そのようなパラメータの制御のためには、更に追加の制御器、センサ等の部材が必要になり、インプリント装置が複雑化するとともに、装置のコストが上昇してしまう。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、被酸化膜形成領域の湿度を精密に制御したり、管理したりしなくても、欠損のない微細な陽極酸化膜パターンを高精度に形成することが可能な電圧印加インプリント方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様では、
基板と、パターン形成面を有するモールドとを、前記パターン形成面が前記基板と対向するように配置させる工程と、
前記モールドと前記基板の間に電圧を印加する工程と、
前記モールドおよび/または基板用の駆動装置を用いて、前記モールドのパターン形成面と前記基板の間の接触/非接触状態を切り替えることにより、前記基板の被酸化膜形成領域の湿度を維持する工程と、
を有するインプリント方法が提供される。
【0013】
ここで、前記モールドのパターン形成面と前記基板の間の接触/非接触状態の切り替えは、前記モールドのパターン形成面を、同時に前記基板に接触させたり、同時に前記基板から離したりすることにより行われても良い。
【0014】
また、本発明の第2の態様では、
基板と、パターン形成面を有するモールドとを、前記パターン形成面が前記基板と対向するように配置させる工程と、
前記モールドと前記基板の間に電圧を印加する工程と、
を有するインプリント方法であって、
前記モールドは、前記パターン形成面の一部が、前記基板に接触するように配置され、前記基板の前記モールドのパターン形成面と接触している領域以外の少なくとも一部の領域が、被酸化膜形成領域となり、該被酸化膜形成領域に、陽極酸化膜が形成され、
前記モールドを前記基板上で回転させることにより、前記モールドの前記基板との接触領域、および前記基板の被酸化膜形成領域が切り替えられることを特徴とする方法が提供される。
【0015】
なお、本願に使用される「(モールドの)回転」という用語は、1点(または1本)の固定中心点(軸)を中心にモールドが同じ位置で回る(正逆両方向を含む)運動、いわゆる「公転」の他、中心点(軸)が基板表面に沿って、あるいは別の基準に対して移動した状態で、モールドがこの中心点(軸)を中心に回転する運動、いわゆる「移動回転」を含む概念であることに留意する必要がある。
【0016】
ここで、前記モールドは、パターン形成面が凸状となるように構成されていることが好ましい。
【0017】
また、前記基板の被酸化膜形成領域は、前記モールドのパターン形成面と接触している前記基板の領域に隣接する領域であっても良い。
【0018】
また、前記モールドは、導電性の母材に酸化膜のパターンが形成されているものであっても良い。
【0019】
また、前記モールドの前記酸化膜のパターンは、酸素を含むガスプラズマ処理により構成されたものであっても良い。
【0020】
さらに、本発明の第3の態様では、前述のいずれかの方法で作製された酸化膜のパターンを有するモールド部材が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、被酸化膜形成領域の湿度を精密に制御したり、管理したりしなくても、基板表面に欠損のない微細な陽極酸化膜パターンを高精度に形成することが可能な電圧印加インプリント方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明では、電圧印加インプリント処理の間、必然的に基板の被酸化膜形成領域に水分が継続的に供給される。従って、基板の被酸化膜形成領域の湿度を外部から精密に制御、管理しなくても、基板表面に所望の微細パターンを形成することができる。
【0023】
本発明について詳細を説明する前に、本発明の効果の理解をより容易にするため、まず、従来の電圧印加インプリント法について説明する。
【0024】
図2は、従来の電圧印加インプリント法により、基板表面に陽極酸化膜パターンを形成する際に、基板の被酸化膜形成領域における湿度が、陽極酸化膜パターンに及ぼす影響を模式的に示したものである。
【0025】
従来の電圧印加インプリント法で基板14に陽極酸化膜パターンを形成する場合、モールド11および基板14は、温度および湿度を制御したチャンバ10内に設置され、モールド11が基板14に近接するように動かされる(図2(a))。
【0026】
しかしながら、図2(b)のように、基板の被酸化膜形成領域の湿度が低く、基板とモールドの間に存在する水50が、基板14の被酸化膜形成領域に層を形成することができない程少ない場合には、図2(c)に示すように、電圧印加インプリント法で陽極酸化処理を行っても、基板表面には、陽極酸化膜16の適正なパターンが形成されず、部分的にパターン欠損16'が生じる。一方、基板表面近傍の湿度が高く、基板上に存在する水50'が多い場合には(図2(e))、図2(f)に示すように、基板14の被酸化膜形成領域以外の領域も酸化されてしまい、過剰に広がった酸化膜16''が得られ、微細なパターンが形成されなくなる。さらに、これらの欠損した酸化膜16'または過剰に広がった酸化膜16''を有する状態で、基板のエッチング処理を行うと、図2(g)に示すようなパターンが得られ、基板表面に適正なパターンを得ることができなくなってしまう。
【0027】
このように、電圧印加インプリント法で適正なパターン形成を行う場合、基板の被酸化膜形成領域の湿度を適正に制御することは、極めて重要である。
【0028】
なお、電圧印加インプリント法では、陽極酸化に水の電気分解反応が利用されるため、基板とモールド間には、この反応を生じさせるための電界が形成される必要がある。そこで次に、図3を用いて、電界の影響について説明する。
【0029】
図3は、電圧印加インプリント法における基板とモールド間の電界の発生状態を示したものである。図において、モールドは、負極、基板は、正極となるように構成されている。
【0030】
通常の場合、水の電気分解反応に必要な電界は、モールド11と基板14との間に形成される。ただし、適正な電界を得るには、モールド11と基板14を、相互に適正な距離だけ離して配置する必要がある。例えば、図3Aには、導電性モールド11Aを使用した場合の例を模式的に示すが、この図のように、導電性モールド11Aと基板14Aは、両者間に極僅かの隙間(例えば、10nm〜1μm程度)が形成されるように配置されている。両者がこのように配置された場合、基板14から導電性モールド11Aのパターン40Aの先端部の方向に向かって電気力線60Aが形成され、この電気力線に沿って、大きな電界が生じることになる。ただし、モールド11Aのパターンのない部分、すなわち、表面41Aの露出部分と、基板14Aのこれに対向する箇所の間には、実質的に酸化反応を生じさせるような電界は生じない。両者の距離は、大きく離れているためである。
【0031】
なお、モールド上のパターンが絶縁性の場合は、図3Bに示すように、モールド11B(導電性)の本体表面41Bの露出部分と、基板14Bの間の隙間が適正な距離(例えば、10nm〜1μm程度)となるように、両者が配置される。この場合、基板14Bから本体表面(導電性)41Bの露出部分に向かって電気力線60Bが形成され、この電気力線に沿って、陽極酸化が生じ得る十分に大きな電界が生じることになる。なお、図3Bの場合、絶縁部分、すなわちパターン40Bは、薄いほど好ましい。モールド11Bと基板14B間の距離がより短くなり、両者間の電界強度がいっそう増大するためである。
【0032】
このように、適正な電界を得るには、モールドと基板の間の距離が極めて重要となる。しかしながら、モールドと基板の間の距離は、基板の被酸化膜形成領域の湿度にも影響を及ぼす。これを図4を用いて説明する。
【0033】
図4は、モールドと基板の間の距離が、基板表面の湿度、およびモールドと基板の間の電界に及ぼす影響を模式的に示したものである。
【0034】
前述のように、電圧印加インプリント処理を適正に行うには、基板表面(被酸化膜形成領域)に適正な水分が存在するとともに、モールド/基板間の電界強度が、水の電気分解反応が可能なほど、十分に大きいことが必要となる。従って、実際の電圧印加インプリント処理では、両方の影響を考慮して、基板とモールドの距離を定めなければならない。
【0035】
例えば、図4Aのように、基板14とモールド11を接触させた場合(モールドのパターンが絶縁性の場合)、または極めて接近させた場合(モールドのパターンが導電性の場合)、モールド11の導電性表面41(モールドのパターンが絶縁性の場合)またはパターン40の先端部(モールドのパターンが導電性の場合)と、基板14の間の距離は、短くなる。従って、電界強度は大きくなる傾向にある。しかしながら、この場合、モールド11と基板14の間には、隙間がないか、僅かの隙間しかないため、周囲からの水分を含む雰囲気ガス(例えば空気)は、この領域には十分に供給されない。従って、この領域では、一度湿度低下が生じると、基板の被酸化膜形成領域における水分量が不足し、以降、十分な反応を生じさせることができなくなる場合がある。本願発明者らの実験によれば、周囲ガスの十分な流通のためには、モールドと基板の間に、少なくとも1μm以上の隙間がある必要があることが示されている。
【0036】
一方、図4Bのように、基板14とモールド11の間に十分な隙間を確保した場合、周囲ガスからの基板14の被酸化膜形成領域への水分の供給は、容易となる。しかしながら、モールド11と基板14間の距離が離れすぎているため、両者間の電界強度が低下し、この場合も、十分な反応を生じさせることはできなくなる。
【0037】
これに対して、本発明によるインプリント方法では、処理の際に、例えば、モールドを駆動させる駆動装置を用いて、モールドと基板の間の接触/非接触状態を切り替え、これにより基板の被酸化膜形成領域の湿度を適正に維持することを特徴とする。
【0038】
そのようなモールドと基板の間の接触/非接触状態の切り替えは、例えば、パターン形成面が凸状となるように構成されたモールドを使用することにより、容易に行うことができる。
【0039】
以下、そのようなモールドと基板の間の接触/非接触状態の切り替えの効果を、図5を用いて説明する。図5は、本発明のインプリント方法による、モールド311と基板314の間の電界発生状態(拡大図)を模式的に示したものである。
【0040】
図5には、パターン形成面が凸状となるように構成されたモールド311のパターン340(導電性であると仮定する)の一部と、このパターン形成面の一部と接触するように配置された基板314が示されている。この状態で、基板314とモールド311の間に電圧を印加した場合、パターン形成面のうち基板314と接触しているパターン部分340C、Dには、電流Iが流れる。ただし、電圧は、モールド311全体に印加されているため、基板314から、基板314と接触しているパターン340C、Dのそれぞれの隣接パターン340B、E部分に向かって、電気力線360が生じる。またこれにより、電気力線で結ばれたモールドと基板の間には、大きな電界が生じる。さらに、このような状態では、モールドパターン340B、Eと基板314の間の隙間の存在により、周囲側からの水分の供給も比較的容易に行われる。従って、モールドと基板の被酸化膜形成領域316B、316E(それぞれ、パターン340B、Eと対向する基板314の領域)の間に、十分に大きな電界強度が得られるとともに、この領域では、反応に必要な水分も確保されることになる。その結果、基板の被酸化膜形成領域、316B、Eには、陽極酸化膜パターンが適正に形成されることになる。
【0041】
次に、駆動装置(図示されていない)を用いて、モールドを、例えば、図のPの方向に幾分(パターンの1ピッチ分)回転させると、今度は、モールド311のパターン340Dおよび340Eが基板314と接触することになる。これに伴い、基板314から、基板314と接触しているパターン340D、Eのそれぞれに隣接するパターン340C、F部分に向かって、電気力線360が生じる。また、電気力線で結ばれたモールドと基板の間に、大きな電界が生じる。さらに、モールドパターン340C、Fと基板314の間では、隙間の存在により、周囲側からの水分の供給も比較的容易に行われる。このため、モールド311と基板の被酸化膜形成領域316C、316F(それぞれ、パターン340C、Fと対向する基板314の領域)の間に、十分に大きな電界強度が得られるとともに、この領域では、反応に必要な水分も確保されることになる。その結果、基板の被酸化膜形成領域316C、Fには、陽極酸化膜パターンが適正に形成される。
【0042】
このような処理を繰り返すことにより、モールドと基板の間の接触/非接触部分が順次切り替えられ、最終的に基板の表面全体に、所望の陽極酸化膜のパターンを形成することができる。
【0043】
このように、本発明では、基板表面近傍の湿度を外部から積極的に制御しなくても、処理の際に、必然的に湿度が適正な範囲に調整される。従って、本発明では、基板表面に所望のパターン高精度で形成することが可能となり、さらに、そのような基板を高い歩留まりで安価に製造することができる。
【0044】
次に、本発明のインプリント方法を用いて、基板表面に、所定のパターンを形成する方法について説明する。図6は、本発明のインプリント方法により、基板表面に所定のパターンが形成されるまでの過程を示したものである。
【0045】
本発明のインプリント方法では、まず、図6(a)に示すように、基板314と、モールド311とが、チャンバ310内に配置される。基板314は、例えば、シリコンまたはガリウム・ヒ素等で構成される。モールド311は、複数のパターン340(図の例では、340X、Y、Z、W)が形成された表面(ここでは、導電性表面であると仮定する)を有し、前述のように、この表面は、凸形状となっている。モールド311は、該モールド311の裏面側が、駆動系330のヘッド部分と当接するようにして取り付けられる。この駆動系330は、ヘッド部分に連結された回転軸を介して、モールド311を回転させることができる。なお、チャンバ310は、加湿空気導入口320を介して、加湿空気を供給することにより、雰囲気内の湿度を制御することが可能な構成となっている。
【0046】
次に、基板314とモールド311のパターン340の一部(例えば、340Y、Z)が接触した状態で(図6(b))、基板314とモールド311の間に、電圧制御系312を介して、電圧が印加される。電圧は、例えば、10V〜30V程度であり、基板314が正極となり、モールド311が負極となるように印加される。この操作により、モールドのパターン340Y、Zに隣接するパターン340X、Wと、基板314との間には、強い電界が生じ、基板表面のパターン340X、Wと対向する領域が酸化される(図6(b))。
【0047】
次に、基板314とモールド311の間に電圧を印加した状態で、モールドのパターン340Z、Wが基板と接するように、モールド駆動系330により、モールド311が僅かに回転される。この操作により、基板のパターン340Yと対向する表面領域に、周囲環境から水分が供給されるとともに、基板314とモールドのパターン340Yとの間に生じる強い電界により、基板のパターン340Yと対向する表面領域が酸化される。なお、この際に、基板のパターン340Xと対向する表面領域は、さらなる酸化を受けない。基板314とモールドのパターン340Xとの間には十分な距離があり、両者間には、さらなる酸化が生じる程の強い電界は生じないからである。
【0048】
次に、モールドのパターン340X、Yが基板と接するように、モールド駆動系330により、モールド311が反対方向に僅かに回転される(図6(c))。この操作により、基板のパターン340Zと対向する表面領域には、周囲環境から水分が供給されるとともに、基板314とモールドのパターン340Zとの間に生じる強い電界により、基板のパターン340Zと対向する表面領域が酸化される。なお、この際に、基板のパターン340Wと対向する表面領域は、さらなる酸化を受けない。基板314とモールドのパターン340Wとの間には十分な距離があり、両者間には、さらなる酸化が生じる程の強い電界は生じないからである。
【0049】
次に、モールド311を上昇させ、基板314から離し、(図6(d))、モールド311(または基板314)を基板314(またはモールド311)に対して平行に移動させる。その後、同様の方法により、基板314の別の表面領域に、陽極酸化膜のパターンが形成される(図6(e)〜(f))。
【0050】
次に、このように処理された基板314がチャンバ310から取り出される。さらに、基板表面に形成された酸化膜パターンをマスクとして使用し、基板314をエッチング処理することにより、基板表面に所望のパターンが形成される(図6(g))。
【0051】
なお、図6の例では、駆動系330を用いて、モールド311を左右方向に少しずつ回転させることにより、基板表面に接触させるモールドのパターン部分と、このパターン部分に隣接し、基板表面を酸化させるパターン部分とを順次切り替えて、基板表面に所定の酸化膜パターンを形成した。
【0052】
しかしながら、本発明は、このような態様に限られるものではない。例えば、駆動系330によるモールド311の回転方向は、一方向であっても良い。例えば、図7に示すように、最初、モールド311の最も外側のパターン340outを基板314表面に接触させておき、駆動系330により、図7のP方向にモールド311を少しずつ回転させながら、基板314上に酸化膜のパターン316を形成させても良い。
【0053】
なおこれらの駆動系330によるモールド311の駆動には、通常の場合、モールド311と駆動系330をつなぐ単一の駆動軸を適宜傾斜(回転)させることにより、モールド311を基板上で回転させる方式が採用される。しかしながらこのような方式に代えて、図8に示すように、例えば、駆動系332を多軸構成とし、各軸の上下移動の組み合わせを制御することにより、モールド311を回転させても良い。
【0054】
さらに、本発明のインプリント方法では、モールド311は、必ずしも回転させる必要はない。例えば、駆動系333は、図9に示すように、モールド(または基板)が基板(またはモールド)と接触した状態と、ある程度離れた状態との間を、繰り返し切り替えることが可能な駆動系であっても良い。例えば、駆動系333を用いて、数十から数百Hz程度の周期でモールド311を上下に移動させると、モールドと基板が接触した状態から、離れた状態に切り替わった際に、両者の隙間に瞬間的に負圧が生じるため、周囲環境の水分をモールドと基板の間に自動的に供給することができる。従って、この方式においても、基板の被酸化膜形成領域の湿度が必然的に適正に維持されることになり、前述の駆動系330、332を使用した場合と同様、微細な陽極酸化膜パターンを基板表面に適正に形成することができる。このようなモールドを上下移動させる駆動系331は、例えば、ピエゾ素子を使用することにより、簡単に構成することができる。またはモータにより機械的に、上下移動を行っても良い。
【0055】
なお、図9に示す上下移動式の駆動方式とする場合、モールド311は、シリコンで製作されることが好ましい。
【0056】
シリコンは酸化すると、体積が約2倍に増加し、酸化物は、表面から外方および内方の双方に成長する。このため酸化領域では、母材の高さが基板の元の表面より高くなる。例えば、酸化膜を2nmの厚さで形成した場合、酸化膜の表面高さは、基板の高さよりも約1nm高くなる。従って、シリコン母材の表面に酸化膜のパターンを形成すれば、前述の図3(B)で示したような、パターン部分が絶縁性のモールド部材を容易に作製することができる。
【0057】
より具体的には、シリコン製のモールド部材は、例えば、以下のようにして製作することができる。まずシリコン母材の上に、公知の技術でレジストパターンを形成した後、表面を酸化処理する。酸化処理には、低温酸化処理を用いても、酸素プラズマを用いても良い。その後、レジストを溶解除去することにより、母材表面に、所定の酸化膜パターンを有するモールドを形成することができる。あるいは、シリコン基板に、本発明による電圧印加インプリント法で酸化膜パターンを形成させることにより、パターン部分が絶縁性のシリコンモールド部材を作製しても良い。
【0058】
さらに、予めパターン部分の高さ(すなわち、シリコン表面から突出した酸化膜部分の厚さ)が適正な値となるように、酸化膜のパターンを作製しておけば、このようなモールド部材では、パターンの先端を基板に接触させた状態が、図3(B)に示すような、モールドの導電性表面41Bと基板314の間に適正な電界が生じる状態に一致する。従って、このようなモールドでは、駆動系の上下移動のストローク量を高精度に制御する必要がなくなるという利点が得られる。
【0059】
ただし、このようなシリコン製のモールドは、図9に示す駆動方式以外の駆動方式(例えば、図7、8に示すような駆動方式)と組み合わせても良いことは、明らかであろう。
【0060】
なお、本発明は、前述の実施形態に特に限られないことは、当業者には明らかである。すなわち、本発明において重要なことは、駆動系のモールド(または基板)に対する作用により、環境側から、基板の被酸化膜形成領域への水分の供給が可能となり、これにより被酸化膜形成領域の湿度が適正に維持されることであり、これが維持される限り、モールド(または基板)の駆動方式は、いかなる態様であっても良い。
【0061】
また本願では、モールドを駆動させるための駆動系を前提に、本発明の構成を説明した。しかしながら、基板とモールドの相対関係を考慮すれば、これとは別に、またはこれに加えて、同様の駆動機構を有する、基板駆動用の駆動系を使用しても良いことは、明らかであろう。例えば、基板を下側(被処理表面とは反対の側)から部分的に押し上げて、基板の被処理面を凸状にしても良く、この場合、モールドは、平面形状であっても良い。
【0062】
以下、実施例を用いて、本発明をより詳しく説明する。
【実施例1】
【0063】
厚さが200μmのシリコン母材上に、公知の電子線リソグラフィを用いて、50〜300nmの幅のレジストパターンを形成した。
【0064】
次に、塩素プラズマを用いて、200nmの深さまでシリコン母材をエッチング加工した後、酸素プラズマ処理によりレジストを除去することにより、一方の表面(以下、「パターン形成面」と称する)にパターンが形成されたシリコン製モールドを作製した。
【0065】
次に、このシリコン製モールドのパターン形成面とは反対側の表面を、凸状面を有する金型に押し付けることにより、パターン形成面が凸状に形成されたシリコン製モールドを作製した。
【0066】
シリコン基板を準備し、フッ酸水溶液中でこの表面を洗浄した。このシリコン基板を、前述のシリコン製のモールドとともに、チャンバ内に配置した。モールドは、該モールドの裏面(すなわち、パターン形成面とは反対側の表面)の一部が、駆動系のヘッド部分と当接するようにして取り付けた。この駆動系は、ヘッド部分に連結された回転軸を介して、モールドを回転させることにより、モールドの任意のパターン位置を基板に部分的に密着させることができる。なお、チャンバには、常時、温度23℃、湿度60%の加湿空気が供給されており、これにより、チャンバ内の温度および湿度が制御されている。
【0067】
次に、以下の方法により、チャンバ内で、基板表面に所定の陽極酸化膜パターンを形成させた。まず、押し付け圧力5kgの加重で、モールドのパターン形成面の一端を基板表面に密着させた。この状態で、モールドと基板の間に、20Vのパルス電圧を印加した。また電圧を印加させた状態で、基板のモールドとの接触箇所が一方向(図7に示すように左から右)に移動するように、モールドの駆動系(すなわち回転軸)を制御しながら、モールドのパターンを、順次基板表面に押し付けた。最終的には、モールドのパターン形成面に形成されているパターンの全てを、基板表面に密着させた。この操作により、基板表面のモールドと接触した位置には、シリコンの酸化膜パターンが形成された。
【0068】
その後、基板をチャンバから取り出し、塩素ガスのエレクトロンサイクロトロン共鳴プラズマを用いて、基板をエッチング処理した。最終的に、基板表面には、酸化膜のパターンに対応して、50〜300nm幅の微細パターンが欠損なく形成されていることが確認された。
【実施例2】
【0069】
厚さが200μmのシリコン母材上に、厚さが30nmの炭化珪素薄膜を形成した。次に、この炭化珪素薄膜上に、公知の電子線リソグラフィを用いて、50〜300nmの幅のレジストパターンを形成した。
【0070】
次に、フッ素含有プラズマを用いて、30nmの深さまで炭化珪素薄膜をエッチング加工した後、酸素プラズマ処理によりレジストを除去することにより、一方の表面(以下、「パターン形成面」と称する)に、炭化珪素のパターンを有するシリコンモールドを製作した。
【0071】
シリコン基板を準備し、フッ酸水溶液中でこの表面を洗浄した。このシリコン基板を、前述のシリコンモールドとともに、チャンバ内に相互に対向するように配置した。モールドは、モールドの裏面(すなわち、パターン形成面とは反対側の表面)の一部が、駆動系のヘッド部分と当接するようにして取り付けた。この駆動系では、ヘッド部分は、互いに平行に上下方向に配設された5本のピエゾ素子で構成されている。従って、5本のピエゾ素子の上下方向の動きを制御することにより、モールドを回転させ、モールドの任意のパターン位置を基板に部分的に密着させることができる。なお、チャンバには、常時、温度23℃、湿度60%の加湿空気が供給されており、これにより、チャンバ内の温度および湿度が制御されている。
【0072】
次に、以下の方法により、チャンバ内で、基板表面に陽極酸化膜パターンを形成させた。まず、モールドと基板の間に、20Vのパルス電圧を印加した。次に、電圧を印加させた状態で、5本のピエゾ素子のモールドに対する押し付け圧力を制御することにより、基板のモールドとの接触箇所が一方向(図8に示すように左から右)に移動するようにして、モールドのパターンを、順次基板表面に押し付けた。最終的には、モールドのパターン形成面に形成されているパターンの全てを、基板表面に密着させた。この操作により、基板表面のモールドと接触した位置には、シリコンの酸化膜パターンが形成された。
【0073】
その後、基板をチャンバから取り出し、塩素ガスのエレクトロンサイクロトロン共鳴プラズマを用いて、基板をエッチング処理した。最終的に、基板表面には、酸化膜のパターンに対応して、50〜300nm幅の微細パターンが欠損なく形成されていることが確認された。
【実施例3】
【0074】
フッ酸処理したシリコン母材上に、公知の電子線リソグラフィ技術を用いて、50〜300nmの幅のレジストパターンを形成した。次に、この母材を酸素プラズマで処理した後、アセトンでレジストを除去することにより、一方の表面(以下、「パターン形成面」と称する)に薄膜酸化膜のパターン(厚さ20nm)を有するシリコン製のモールドを作製した。次に、このシリコン製モールドのパターン形成面とは反対側の表面を、凸状面を有する金型に押し付けることにより、パターン形成面が凸状に形成されたシリコン製モールドを作製した。
【0075】
アルミニウム製の基板を、上記シリコン製モールドとともに、チャンバ内に設置した。モールドは、モールドの裏面(すなわち、パターン形成面とは反対側の表面)の一部が、駆動系のヘッド部分と当接するようにして取り付けた。この駆動系は、ヘッド部分に連結された回転軸を介して、モールドを回転させることにより、モールドの任意のパターン位置を基板に部分的に密着させることができる。なおチャンバには、常時、温度23℃、湿度60%の加湿空気を供給されており、これにより、チャンバ内の温度および湿度が制御されている。
【0076】
次に、以下の方法により、チャンバ内で、基板表面に所定の陽極酸化膜パターンを形成させた。まず、押し付け圧力5kgの加重で、モールドのパターン形成面(絶縁性)の一端を基板表面に密着させた。次に、電圧を印加させた状態で、基板のモールドとの接触箇所が一方向(図7に示すように左から右)に移動するように、モールドの駆動系(すなわち回転軸)を制御しながら、モールドのパターンを、順次基板表面に押し付けた。最終的には、モールドのパターン形成面に形成されているパターンの全てを、基板表面に密着させた。この操作により、基板表面のモールドと接触した位置と隣接する領域(すなわち非接触領域)には、アルミニウムの酸化膜パターンが形成された。また最終的に、基板表面には、50〜300nm幅の微細パターンが欠損なく形成されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、微細パターンの製造技術に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来の電圧印加インプリント方法の一例を説明する図である。
【図2】従来の電圧印加インプリント方法において、湿度の影響により、欠損した酸化膜または過剰反応した酸化膜が形成される様子を示す図である。
【図3】モールドと基板の間の電界の発生状態を説明する図である。
【図4】モールドと基板間の距離が基板の被酸化膜形成領域での湿度および電界に及ぼす影響を説明する図である。
【図5】本発明のインプリント方法による、モールドと基板の間の接触/非接触状態の切り替えを説明する図である。
【図6】本発明によるインプリント方法により、基板表面に酸化膜パターンを形成するプロセスを示した図である。
【図7】本発明によるインプリント方法に使用される駆動系の一例を示す図である。
【図8】本発明によるインプリント方法に使用される駆動系の別の例を示す図である。
【図9】本発明によるインプリント方法に使用される駆動系のさらに別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
10 チャンバ
11、11A、11B モールド
12 電圧制御系
14、14A、14B 基板
16 陽極酸化膜
16' 欠損した陽極酸化膜
16" 過剰反応した陽極酸化膜
20 加湿空気導入口
40、40A、40B モールドのパターン部分
41、41A、41B モールドの本体表面
50、50' 水
60A、60B 電気力線
310 チャンバ
311 モールド
312 電圧制御系
314 基板
316、316B、316C、316E、316F 被酸化膜形成領域(または陽極酸化膜)
320 加湿空気導入口
330、332、333 駆動系
340、340A〜340G、340X、340Y、340Z、340W モールドのパターン部分
360 電気力線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、パターン形成面を有するモールドとを、前記パターン形成面が前記基板と対向するように配置させる工程と、
前記モールドと前記基板の間に電圧を印加する工程と、
前記モールドおよび/または基板用の駆動装置を用いて、前記モールドのパターン形成面と前記基板の間の接触/非接触状態を切り替えることにより、前記基板の被酸化膜形成領域の湿度を維持する工程と、
を有するインプリント方法。
【請求項2】
前記モールドのパターン形成面と前記基板の間の接触/非接触状態の切り替えは、前記モールドのパターン形成面を、同時に前記基板に接触させたり、同時に前記基板から離したりすることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基板と、パターン形成面を有するモールドとを、前記パターン形成面が前記基板と対向するように配置させる工程と、
前記モールドと前記基板の間に電圧を印加する工程と、
を有するインプリント方法であって、
前記モールドは、前記パターン形成面の一部が、前記基板に接触するように配置され、前記基板の前記モールドのパターン形成面と接触している領域以外の少なくとも一部の領域が、被酸化膜形成領域となり、該被酸化膜形成領域に、陽極酸化膜が形成され、
前記モールドを前記基板上で回転させることにより、前記モールドの前記基板との接触領域、および前記基板の被酸化膜形成領域が切り替えられることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記モールドは、パターン形成面が凸状となるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板の被酸化膜形成領域は、前記モールドのパターン形成面と接触している前記基板の領域に隣接する領域であることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記モールドは、導電性の母材に酸化膜のパターンが形成されて構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記酸化膜のパターンは、酸素を含むガスプラズマ処理により構成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法で作製された酸化膜のパターンを有するモールド部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−88369(P2009−88369A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258335(P2007−258335)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構『ナノテクノロジープログラム「ナノテク・先端部材実用化研究開発」「電界印加ナノインプリント法による30nm級微細構造体形成法の研究開発」』委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【Fターム(参考)】