説明

カテプシンシステインプロテアーゼ阻害剤

本発明は、これらに限定されないが、カテプシンK、L,SおよびBの阻害剤を含めて、システインプロテアーゼ阻害剤である一般式(I)をもつ化合物群に関する。これらの化合物は、骨粗鬆症のような骨吸収の阻害の存在が示される疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ヒトおよび他の哺乳動物における様々な障害が、異常な骨吸収を伴うか、あるいはそれに関連している。このような障害には、これらに限定されないが、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、骨パジェット病、異常に速い骨の代謝回転、歯周疾患、歯の喪失、骨折、関節リウマチ、骨関節炎、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全症、転移性の骨病、悪性高カルシウム血症、および多発性骨髄腫が含まれる。これらの障害の中で最も普通に見られるものは骨粗鬆症であり、これは閉経後の女性に最も頻発する。骨粗鬆症は低い骨密度と骨組織の微細構造の劣化に特徴があり、結果的に骨の脆弱性と骨折し易さが増大する全身性骨格疾患である。骨粗鬆症骨折は老齢者群における罹患率と死亡率の主な原因である。女性の50%と男性の3分の1に達する多くの者が骨粗鬆症骨折を経験するであろう。老齢者群の大部分で、すでに、骨密度が低く、骨折の危険が高い。骨粗鬆症と、骨吸収に関連する他の病状とを防止し、治療することが大いに求められている。一般に、骨粗鬆症は骨の喪失に伴う他の障害と同様に慢性的な病状であるために、適切な薬物治療は、通常、長い間続く治療を必要とするであろうと考えられている。
【0002】
骨粗鬆症は、骨強度の低下と骨折率の増加に至る、骨構造の進行性の喪失および石灰化に特徴がある。骨格は、新しい骨を構築する骨芽細胞と、骨を破壊または再吸収する破骨細胞との間の均衡により、常に再構築されている。いくつかの病状および加齢において、骨の形成と吸収との間の均衡が乱れ、より速い速度で骨が除去される。形成を吸収が凌ぐというこのような長期の不均衡により、骨の構造は弱くなり、骨折の危険が高まる。
【0003】
骨吸収は、主に、多核で巨大な破骨細胞により行われる。破骨細胞は、最初に骨組織に細胞接着し、次に、細胞外小室または小腔を形成することにより、骨を再吸収する。小腔は、プロトン−ATPポンプにより低pHに保たれている。小腔の酸性環境により、最初に骨の無機成分の消失が、次に、システインプロテアーゼのようなプロテアーゼによる骨タンパク質またはコラーゲンの分解が起こる。Delaisse,J.M.et al.,1980,Biochem J 192:365−368;Delaisse,J.et al.,1984,Biochem Biophys Res Commun:441−447;Delaisse,J.M.et al.,1987,Bone 8:305−313(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。コラーゲンは骨の有機マトリックスの95%を成す。したがって、コラーゲンの分解に関与するプロテアーゼは、骨の代謝回転の、また結果として、骨粗鬆症の進展と進行の本質的な成分である。
【0004】
カテプシンはシステインプロテアーゼのパパインスーパーファミリーに属する。これらのプロテアーゼは、結合組織の正常な生理学的分解ならびに異常な分解において作用する。カテプシンは細胞内タンパク質分解および代謝回転とリモデリングにおいて主な役割を果たす。今日までに、いくつかの産生源から、いくつかのカテプシンが確認され配列決定された。これらのカテプシンは、様々な組織において天然に見出される。例えば、カテプシンB、C、F、H、L、K、O、S、V、W、およびZがクローン化された。カテプシンK(これは、cat Kという省略形によっても知られている)は、カテプシンOおよびカテプシンOとしても知られている。1996年5月9日に公開された、Khepri Pharmaceuticals,Inc.のPCT出願WO 96/13523(これは参照を通じて本明細書にその全体が組み込まれる)を参照。カテプシンLは、リソソームでの正常なタンパク質分解ならびにいくつかの病的状態(これに限定されないが、黒色腫の転移が含まれる)に関係している。カテプシンSは、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患および、特定の自己免疫疾患(これらに限定されないが、若年型糖尿病、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチおよび橋本甲状腺炎が含まれる)、アレルギー疾患(これに限定されないが、喘息が含まれる)、ならびに、同種異系(allogenic)免疫応答(これに限定されないが、臓器移植または組織移植の拒絶反応が含まれる)に関係している。カテプシンBレベルの増加とこの酵素の再分布は腫瘍に見出され、腫瘍の湿潤と転移における役割を示唆している。さらに、異常なカテプシンBの活性は、間接リウマチ、骨関節炎、カリニ肺炎、急性膵炎、炎症性気道疾患と骨および関節の障害のような病状に関係している。
【0005】
哺乳動物のカテプシンは、原生動物、扁形動物、線虫および節足動物の群からのものを含めて、病気の原因となる寄生生物により発現されるパパイン様システインプロテアーゼと相関がある。これらのシステインプロテアーゼは、これらの有機体の生活環において本質的な役割を演じている。
【0006】
E−64(trans−エポキシスクシニル−L−ロイシルアミド−(4−グアニジノ)ブタン)のようなシステインプロテアーゼ阻害剤が、骨吸収の抑制に有効であることが知られている。Delaisse,J.M.et al.,1987,Bone 8:305−313(これは参照を通じて本明細書にその全体が組み込まれる。)を参照。最近、カプテシンKのクローニングが行われ、破骨細胞において特に発現していることが見出された。Tezuka,K.et al.,1994;J.Biol Chem 269:1106−1109;Shi,G.P.et al.,1995,FEBS Lett 357:129−134;Bromme,D.and Okamoto,K.,1995,Biol Chem Hoppe Seyler 376:379−384;Bromme,D.et al.,1996,J Biol Chem 271:2126−2132;Drake,F.H.et al.,1996,J Biol Chem 271:12511−12516(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる。)を参照。クローニングと同時に、骨吸収の低下を伴う大理石骨病表現型により特徴付けられる常染色体劣性遺伝疾患の濃化異骨症が、カテプシンKの遺伝子に存在する変異に位置付けされた。今日までに、カテプシンK遺伝子において確認された全ての変異が、コラゲナーゼ活性を無くすることが知られている。Gelb,B.D.et al.,1996,Science 273:1236−1238;Johnson,M.R.et al.,1996,Genome Res 6:1050−1055;Hou,W.−S.et al.,1999 J.Clin.Invest.103,731−738(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。したがって、カプテシンKは、破骨細胞が行う骨吸収に関与していると思われる。
【0007】
カテプシンKは、37kDaのプレプロ酵素として合成され、これはリソソーム小胞に局在しており、そこで、恐らく、プレプロ酵素は、低pHで27kDaの成熟酵素に自己活性化される。McQueney,M.S.et al.,1997,J Biol Chem 272:13955−13960;Littlewood−Evans,A.et al.,1997,Bone 20:81−86(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。カテプシンKは、アミノ酸レベルで56%の配列が同じであるカテプシンSに最も密接に相関している。カテプシンKのS基質特異性はカテプシンSのそれに似ており、PおよびPの位置はそれぞれ、アルギニンのような正電荷をもつ残基と、フェニルアラニンまたはロイシンのような疎水性残基である場合が多い。Bromme,D.et al.,1996,J Biol Chem 271:2126−2132;Bossard,M.J.et al.,1996,J Biol Chem 271:12517−12524(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。カテプシンKは、pH4〜8の間でかなりの活性をもち、広いpH範囲で活性であるため、pHが約4〜5である破骨細胞の吸収小腔における触媒活性は良好である。
【0008】
骨の主なコラーゲンであるヒトI型コラーゲンはカテプシンKの良い基質である。Kafienah,W.,et al.,1998,Biochem J 331:727−732(これは参照を通じてそれの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。カプテシンKに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いるインビトロの実験において、インビトロでの骨吸収の減少が示されたが、これは、恐らく、カプテシンKのmRNAの翻訳における低下による。Inui,T.,et al.,1997,J Biol Chem 272:8109−8112(これは参照を通じてそれの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。カプテシンKの結晶構造は解明されている。McGrath,M.E.,et al.,1997,Nat Struct Biol 4:105−109;Zhao,B.,et al.,1997 Nat Struct Biol 4:109−11(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。また、カテプシンKのペプチド系選択的阻害剤が開発されている。Bromme,D.,et al.,1996,Biochem J 315:85.89;Thompson,S.K.,et al.,1997,Proc Natl Acad Sci U S A 94:14249−14254(これらは参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照。よって、カテプシンKの阻害剤は骨吸収を減らすことができる。このような阻害剤は、骨吸収に関連する疾患、例えば骨粗鬆症の治療において有用であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、治療を必要としている哺乳動物におけるカテプシンに依存する病状または病的状態を治療および/または防止できる化合物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、式Iの化合物ならびにその薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシド誘導体により例示される。
【0011】
【化2】

【0012】
本発明は次の化学式:
【0013】
【化3】

【0014】
の化合物、ならびに、それらの薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシド誘導体に関する。
[式中
は、水素、C1〜6アルキルもしくはC2〜6アルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニル基は、C3〜6シクロアルキル、−SR、−SR、−SOR、−SOR、−SO、−SO、−SOCH(R)(R)、−OR、−OR、−N(R、1から6個のハロ、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルにより場合によっては置換されており、前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロル基は、C1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素、C1〜6アルキルもしくはC2〜6アルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニル基は、C3〜6シクロアルキル、−SR、−SR、−SOR、−SOR、−SO、−SO、−SOCH(R)(R)、−OR、−OR、−N(R、1から6個のハロ、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルにより場合によっては置換されており、前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロル基は、C1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されているか;あるいは
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリル環を形成していてもよく、前記環系はC1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルおよびハロからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されており;
各Rは、水素、ハロおよびC1〜2アルキルからなる群から独立に選択され、前記アルキル基は、ハロにより場合によっては置換されているか;あるいは
2個のR基が、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜4シクロアルキル環を形成していてもよく、前記の基はハロにより場合によっては置換されており;
Dは、C1〜3アルキル、C2〜3アルケニル、C2〜3アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記の各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、単環でも2環でもよく、C1〜6アルキル、ハロアルキル、ハロ、ケト、アルコキシ、−SR、−SR、−OR、−OR、N(R、−SOおよび−SOからなる群から独立に選択される1から5個の置換基により、炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
Eは、C2〜3アルケニル、C2〜3アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記の各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、単環でも2環でもよく、C1〜6アルキル、ハロアルキル、ハロ、ケト、アルコキシ、−SR、−SR、−OR、−OR、−N(R、−SOおよび−SOからなる群から独立に選択される1から5個の置換基により、炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルオキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(O)OR、−C(O)OSi[CH(CH、−OR、−OR、−C(O)R、−RC(O)R、−C(O)R、−C(O)N(R)(R)、−C(O)N(R)(R)、−C(O)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−SO、−SO、RSR、−R、−C(R、−C(R)(R)N(R、NRC(O)NRS(O)、−SON(R)(R)、−SOCH(R)(R)、−SO(C1〜6アルキル)C(O)(C0〜6アルキル)NR10、−SO(C1〜6アルキル)N(R10、−SO(C1〜6アルキル)R10;−SO(C3〜8シクロアルキル)R10;−SON(R)C(O)(R)、−SO(R)C(O)N(R、−OSO、−N(R)(R)、−N(R)C(O)N(R)(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)SO(R)、−C(R)(R)NRC(R)(R)R、−C(R)(R)N(R)R、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)SC(R)(R)(R)、RS−、−C(R)(R)NrC(R)(R)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)C(R)(R)N(R)(R)、−C(O)C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)N(R)C(O)R、−C(O)C(R)(R)S(R)、C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−B(OH)、−OCHO−または4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル;
であり;前記の基は、C1〜6アルキル、ハロ、ケト、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−OR、−NO、−NH、−NHS(O)、−RSO、−SO、−SO(R)、−SR、−SR、−SON(R)(R)、−SON(R)C(O)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−COOH、−C(O)(O)(R)、−C(O)(O)C(R、−C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−C(O)(R)、−N(R)C(R)(R)(R)、−N(R)CO(R)、−NH(CHOH、−NHC(O)OR、−Si(CH、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜4アルキル)ヘテロアリールおよび(C1〜4アルキル)アリール;
からなる群から独立に選択される1から5個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
は、水素、アリール、アリール(C1〜4)アルキル、(C1〜4アルキル)アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜4)アルキル、(C1〜4アルキル)ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル(C1〜4)アルキル、もしくはヘテロシクリル(C1〜4)アルキルであり、前記の基は、ハロ、アルコキシおよび−SOからなる群から独立に選択される1、2または3個の置換基により場合によっては置換されていてもよく;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキルは、ハロ、アルコキシ、シアノ、−N(R)(R)および−SRからなる群から独立に選択される1、2、3個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
10は、水素、C1〜6アルキル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、SOヘテロアリール、(C=N)O(C1〜6アルキル)もしくは(C1〜6アルキル)NH(SO)ヘテロアリールであり;
は、水素、C1〜6アルキル、(C1〜6アルキル)アリール、(C1〜6アルキル)ヒドロキシル、−O(C1〜6アルキル)、ヒドロキシル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記のアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、C1〜6アルキルもしくはハロから独立に選択される、1、2または3個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されていてもよく;
は、水素、C1〜6アルキル、(C1〜6アルキル)アリール、(C1〜6アルキル)ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記のアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、C1〜6アルキルもしくはハロから独立に選択される、1、2または3個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されていてもよく;あるいは、
およびRは、それらが結合しているか、あるいはそれらの間にある炭素原子と一緒になってC3〜8シクロアルキル環もしくはC3〜8ヘテロシクリル環を形成していてもよく、前記の3〜8員環系は、C1〜6アルキルおよびハロから独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されていてもよく;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキル基は、ハロおよび−ORからなる群から独立に選択される、1、2または3個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキルはハロおよび−ORからなる群から独立に選択される、1、2または3個の置換基により場合によっては置換されているか;あるいは
およびRは、それらが結合しているか、あるいはそれらの間にある窒素原子と一緒になってC3〜8ヘテロシクリル環を形成していてもよく、この環はC1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されていており;
nは1から3の整数であり;
mはゼロから2の整数であり;
pは1から3の整数である。
【0015】
本発明の一実施形態において、RおよびRはそれぞれ水素である。本発明の別の実施形態において、RおよびRは、同じ炭素原子上にある時、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3〜8員環のシクロアルキル環系を形成していてもよく、前記環系は、C1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルおよびハロにより場合によっては置換されている。形成され得る環系の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。好ましい実施形態は、シクロプロピルが形成される場合である。
【0016】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3〜8員環のヘテロシクリル環系を形成し、前記環系は、C1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルもしくはハロにより場合によっては置換されていている。形成され得る環系の例には、ピペリジニル、ピロリジニル、もしくはテトラヒドロピラニルが含まれる。
【0017】
本発明の一実施形態において、各Rは水素もしくはハロである。一群の実施形態においては、2個のR基が、同じ炭素原子に結合している(ジェミナル置換)。下位の群において、各Rはハロである。さらなる下位の群において、各Rはフルオロである。
【0018】
本発明の一実施形態において、Dはアリールもしくはヘテロアリールである、好ましいヘテロアリール基の例は、ピリジン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、イミダゾールおよびチアジアゾールである。本発明の一実施形態において、Eはアリールまたはヘテロアリールである。
【0019】
本発明の一実施形態において、Rは、−SO、−SO、−RSR、SON(R)(R)、−SOCH(R)(R)、−SO(C1〜6アルキル)C(O)(C0〜6アルキル)NR10、−SO(C1〜6アルキル)N(Rl0、−SO(C1〜6アルキル)R10、−SO(C3〜8シクロアルキル)R10、−SON(R)C(O)(R)もしくは−SO(R)C(O)N(Rであり;前記の基は、C1〜6アルキル、ハロ、ケト、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−OR、−NO、−NH、−NHS(O)、−RSO、−SO、−SO(R)、−SR、−SR、−SON(R)(R)、−SON(R)C(O)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−COOH、−C(O)(O)(R)、−C(O)(O)C(R、−C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−C(O)(R)、−N(R)C(R)(R)(R)、−N(R)CO(R)、−NH(CHOH、−NHC(O)OR、−Si(CH、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜4アルキル)ヘテロアリールおよび(C1〜4アルキル)アリール
からなる群から独立に選択される1から5個の置換基により炭素上またはヘテロ原子上で場合によっては置換されている。
【0020】
本発明の一実施形態において、nは2である。
【0021】
本発明の一実施形態において、pは1である。本発明の別の実施形態において、pは2である。本発明の別の実施形態において、pは3である。
【0022】
本発明の一実施形態において、RおよびRは、それらが結合している炭素もしくは窒素と一緒になって、各環が5〜7員である単環もしくは2環の炭素環または複素環を形成していてもよいと定められている。複素環は、窒素以外に、N、OおよびSから選択される1または2個のさらなるヘテロ原子を場合によっては含んでいてもよい。前記の炭素環および複素環は、C1〜6アルキルおよびハロから選択される1個または複数の置換基により場合によっては置換されていてもよい。
【0023】
前記の好ましい実施形態への参照では、そうではないと言われない限り、特定の好ましい基の全ての組合せが含まれるものとする。
【0024】
本発明の具体的な実施形態には、これらに限定されないが、以下のもの、ならびに、それらの薬学的に許容される塩、立体異性体およびN−オキシド誘導体が含まれる:
2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[4’−(ベンジルオキシ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ビニル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−シクロプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[5−(メチルスルホニル)−4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[5−(メチルスルホニル)−4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{4’−[(フルオロメチル)チオ]−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−エチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−プロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−イソプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−クロロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボン酸;
2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸;
N−(シアノメチル)−2−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−エトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−エトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−イソプロポキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソプロポキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−フェノキシ−1,1’−ビフェニル−2イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[2’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(エチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−アミノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(ジメチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−ニトロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[3’−(アセチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソブチル−1,1’−ビフェニル−2イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−ピリジン−4−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−キノリン−8−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[2−(2−メトキシピリミジン−5−イル)フェニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−ピリジン−3−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−チエン−3−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−アセチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(1,1’:2’,1”−ターフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−シアノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−シアノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
6−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキス−3−エン−1−カルボキサミド;
2−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
tert−ブチル4−[3’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ピペラジン−1−イル−1,1’−ビフェニル−3−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−4−メチルシクロペンタンカルボキサミド;
(4R)−2−(3ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−4−メチルシクロペンタンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5フェニル−1,3−オキサゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−フェニルシクロヘキサンカルボキサミド;
5,5−ジクロロ−N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{1−メチル−3−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
6−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)スピロ[2.5]オクタン−5−カルボキサミド;
2−(3−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−6−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]スピロ[2.5]オクタン−5−カルボキサミド;
2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジクロロ−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5,5−ジクロロ−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{(Z)−2−[4−(メチルチオ)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{2−[4−(メチルチオ)フェニル]エチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{(Z)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−((Z)−2−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エテニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{(E)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−エチニルシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(メチルチオ)フェニル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−({4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エチニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(フェニルエチニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(4−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−4−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[(3−フルオロフェニル)エチニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(3−クロロフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[(4−ピリジン−4−イルフェニル)エチニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(3−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(2−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−2−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(6−メトキシピリジン−2−イル)チエン−3−イル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{4’−[(シアノメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(2−アミノ−2−オキソエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−({2−[(シアノメチル)アミノ]−2−オキソエチル}チオ)ビフェニル−2−イル]−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(2−ピリジン−2−イルエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−3−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−4−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−6−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−イミダゾール−4−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({[1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]メチル}チオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1H−イミダゾール−2−イル]エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[(1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1−メチルピペリジン−4−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[2’−フルオロ−4’−(メチルチオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]チオ}ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(2−ピリジン−4−イルエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({2−[(ピリジン−2−イルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−((ピリジン−2−イルスルホニル){2−[(ピリジン−2−イルスルホニル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1−シアノシクロプロピル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
メチル1−{[2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}−4,4−ジフルオロシクロヘキシル)ビフェニル−4−イル]チオ}シクロプロパンカルボキシイミデート;
2−(4’−{[2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−7−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド。
【0025】
本発明の範囲にやはり含まれるのは、前記の式Iの化合物と薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物である。本発明はまた、薬学的に許容される担体と、本出願において具体的に開示されている化合物の何れかとからなる医薬組成物を包含すると意図されている。本発明のこれらおよび他の態様は、本明細書に含まれる教示により明らかとなるであろう。
【0026】
有用性
本発明の化合物は、カテプシンの阻害剤であり、したがって、哺乳動物、好ましくはヒトにおけるカテプシンに依存する疾患または病状を治療もしくは防止するのに有用である。より詳細には、本発明の化合物はカテプシンKの阻害剤であり、したがって、哺乳動物、好ましくはヒトにおけるカテプシンKに依存する疾患または病状を治療もしくは防止するのに有用である。
【0027】
「カテプシンに依存する疾患または病状」は、1種または複数のカテプシンの活性に依存する病的状態を表す。「カテプシンKに依存する疾患または病状」は、カテプシンKの活性に依存する病的状態を表す。カテプシンKの活性に関連する疾患には、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、骨パジェット病、異常に速い骨の代謝回転、歯周疾患、歯の喪失、骨折、関節リウマチ、骨関節炎、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全症、アテローム性動脈硬化、肥満、慢性閉塞性肺疾患および癌(転移性の骨病、悪性高カルシウム血症、および多発性骨髄腫が含まれる)が含まれる。本発明で特許請求される化合物によるこのような病状の治療において、必要とされる治療薬物の量は具体的疾患に応じて変わり、当業者により容易に確定可能である。治療および防止の何れも本発明の範囲として想定されているが、これらの病状の治療が好ましい使用である。
【0028】
本発明の一実施形態は、哺乳動物に、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を投与することを含む、カテプシンの活性の抑制を必要としている哺乳動物におけるカテプシンの活性を抑制する方法である。
【0029】
本発明の一群の実施形態は、前記のカテプシンの活性がカテプシンKの活性である方法である。
【0030】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、カテプシンに依存する病状の治療または防止を必要としている哺乳動物におけるカテプシンに依存する病状の治療または防止方法である。
【0031】
一群の実施形態は、前記のカテプシンの活性がカテプシンKの活性である方法である。
【0032】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、骨の喪失の抑制を必要としている哺乳動物における骨の喪失の抑制方法である。本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、骨の喪失の低減を必要としている哺乳動物における骨の喪失の低減方法である。骨吸収の抑制におけるカテプシンK阻害剤の有用性は文献において知られている(Stroup,G.B.,Lark,M.W.,Veber,DF.,Bhattacharrya,A.,Blake,S.,Dare,L.C.,Erhard,K.F.,Hoffman,S.J.,James,I.E.,Marquis.R.w.,Ru,Y.,Vasko−Moser,J.A.,Smith,B.R.,Tomaszek,T.and Gowen,M.「Potent and selective inhibition of human cathepsin K leads to inhibition of bone resorption in vivo in a nonhuman primate(ヒトカテプシンKの強力で選択的な阻害により、ヒト以外の霊長類におけるin vivoでの骨吸収が抑制される)」,J.Bone Miner.Res.,16:1739−1746;2001;および、Votta,B.J.,Levy,M.A.,Badger,A.,Dodds,R,A.,James,I.E.,Thompson,S.,Bossard,M.J.,Carr,T.,Connor,J.R.,Tomaszek,T.A.,Szewczuk,L.,Drake,F.H.,Veber,D.,and Gowen,M.「Peptide aldehyde inhibitors of cathepsin K inhibit bone resorption both in vivo and in vitro(カテプシンKのペプチドアルデヒド阻害剤は、in vivoでもin vitroでも骨吸収を抑制する)」,J.Bone Miner.Res.12:1396−1406;1997を参照)。
【0033】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、骨粗鬆症の治療または防止を必要としている哺乳動物における骨粗鬆症の治療または防止方法である。骨粗鬆症の治療または防止におけるカテプシンK阻害剤の有用性は、文献において知られている(Saftig,P.,Hunziker,E.,Wehmeyer,O.,Jones,S.,Boyde,A.,Rommerskirch,W.,Moritz,J.D.,Schu,P.,and Vonfigura,K.「Impaired osteoclast bone resorption leads to osteopetrosis in cathepsin K−deficient mice(カテプシンK欠損マウスでは、破骨細胞の骨吸収が減少するために大理石骨病になる)」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:13453−13458;1998を参照)。
【0034】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、関節リウマチの病状の治療または防止を必要としている哺乳動物における関節リウマチの病状の治療または防止方法である。関節周囲の骨の進行性破壊が関節リウマチ(RA)患者における関節機能不全および欠陥の主な原因であるということは文献において知られている(Goldring SR,「Pathogenesis of bone erosions in rheumatoid arthritis(関節リウマチにおける骨びらんの病因)」,Curr.Opin.Rheumatol.2002;14:406−10、を参照)。RAの患者からの関節組織の分析により、カテプシンK陽性破骨細胞がリウマチ性滑膜障害に伴う巣状骨吸収に介在する細胞型であるという証拠が得られている(Hou,W−S,Li,W,Keyszer,G,Weber,E,Levy,R,Klein,MJ,Gravallese,EM,Goldring,SR,Bromme,D,「Comparison of Cathepsin K and S expression within the Rheumatoid and Osteoarthritic Synovium(リウマチおよび骨関節炎滑膜内のカテプシンKとSの発現の比較)」,Arthritis Rheumatism 2002;46:663−74、を参照)。さらに、全身性の骨の喪失は、重いRAに伴う死亡率の主な原因である。臀部および背骨の骨折の頻度は慢性のRA患者においてかなり増加する(Gould A,Sambrook,P,Devlin J et al,「Osteoclastic activation is the principal mechanism leading to secondary osteoporosis in rheumatoid arthritis(破骨細胞活性化が関節リウマチにおける続発性骨粗鬆症に至る主たる機序である)」,J.Rheumatol.1998;25:1282−9、を参照)。下関節骨(subarticular bone)の吸収および全身性の骨の喪失の治療または防止におけるカテプシンK阻害剤の利用は、関節リウマチの進行の際の薬理学的介入の理に適った手法の典型である。
【0035】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、骨関節炎の治療または防止を必要としている哺乳動物における骨関節炎の治療または防止方法である。骨関節炎(OA)は、関節軟骨表面のびらん、関節周囲の軟骨内の骨化/骨棘症、ならびに軟骨下骨硬化症および嚢胞形成を含めて、関節における明確に規定される変化を伴うことが文献において知られている(Oettmeier R,Abendroth,.K,「Osteoarthritis and bone:osteologic types of osteoarthritis of the hip(骨関節炎と骨:臀部骨関節炎の骨組織型)」,Skeletal Radial.1989;18:165−74、を参照)。最近、OAの開始および進行に対する軟骨下骨硬化症の寄与の可能性が示唆された。関節が衝撃的な繰返し荷重に応答する際に、堅くなった軟骨下骨は、関節全体に力を和らげ分散させることが少ししかできないので、軟骨下骨は関節軟骨表面に渡ってより大きな機械的応力を受ける。これは、次には、軟骨の磨耗を加速し、微小繊維化を起こす(Radin,EL and Rose RM,「Role of subchondral bone in the initiation and progression of cartilage damage(軟骨損傷の開始と進行における軟骨下骨の役割)」,Clin.Orthop.1986;213:34−40、を参照)。カテプシンK阻害剤のような骨吸収抑制剤(anti−resorptive agent)による過剰な下関節骨吸収の抑制は、軟骨下骨の代謝回転を抑制するので、OAの進行に好ましい影響を及ぼし得る。
【0036】
上の仮説に加えて、最近、OA患者に由来する滑膜および関節軟骨標本からの滑膜線維芽細胞、マクロファージ様細胞、ならびに軟骨細胞におけるカテプシンKタンパク質の発現が確認された(Hou,W−S,Li,W,Keyszer,G,Weber,E,Levy,R,Klein,MJ,Gravallese,EM,Goldring,SR,Bromme,D,「Comparison of Cathepsin K and S expression within the Rheumatoid and Osteoarthritic Synovium(リウマチおよび骨関節炎の滑膜内のカテプシンKおよびSの発現の比較)」,Arthritis Rheumatism 2002;46:663−74;および、Dodd,RA,Connor,JR,Drake,FH,Gowen,M,「Expression of Cathepsin K messenger RNA in giant cells and their precursors in human osteoarthritic synovial tissues(ヒト骨関節炎の滑膜組織の巨細胞とそれらの前駆体におけるカテプシンKメッセンジャーRNAの発現)」,Arthritis Rheumatism 1999;42:1588−93;および、Konttinen,YT,Mandelin,J,Li,T−F,Salo,J,Lassus,J et al.「Acidic cysteine endoproteinase cathepsin K in the degeneration of the superficial articular hyaline cartilage in osteoarthritis(骨関節炎の表在性関節硝子軟骨の変性における酸性システインエンドプロテイナーゼカテプシンK)」,Arthritis Rheumatism 2002;46:953−60、を参照)。こうして、これらの最近の研究は、骨関節炎の進行に付随する関節軟骨のコラーゲンII型の破壊におけるカテプシンKの役割を暗示している。したがって、本発明において記載されている、骨関節炎の治療と防止におけるカテプシンK阻害剤の有用性は2つの異なる機序からなり、1つは、破骨細胞による軟骨下骨の代謝回転の抑制により、2つ目は、OA患者の滑膜および軟骨におけるコラーゲンII型の変性の直接的な抑制による。
【0037】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、癌の治療を必要としている哺乳動物における癌の治療方法である。カテプシンKは、ヒトの乳癌、前立腺癌および脊索腫において発現し、マトリックスを退行させ得ることが文献において知られている(Littlewood−Evans AJ,Bilbe G,Bowler WB,Farley D,Wlodarski B,Kokubo T,Inaoka T,Sloane J,Evans DB,Gallagher JA,「The osteoclast−associated protease cathepsin K is expressed in human breast carcinoma(破骨細胞関連プロテアーゼカテプシンKはヒト乳癌において発現する)」,Cancer Res 1997 Dec 1;57(23):5386−90,Brubaker KD,Vessella RL,True LD,Thomas R,Corey E 「Cathepsin K mRNA and protein expression in prostate cancer progression.(前立腺癌の進行におけるカテプシンKmRNAおよびタンパク質の発現)」,J Bone Miner Res 2003 18,222−30,Haeckel C,Krueger S,Kuester D,Ostertag H,Samii M,Buehling F,Broemme D,Czerniak B,Roessner A.「Expression of cathepsin K in chordoma.(脊索腫におけるカテプシンKの発現)」 Hum Pathol 2000 Jul;31(7) 834−40、を参照)。
【0038】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、アテローム性動脈硬化の治療を必要としている哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化の治療方法である。カテプシンKはヒトのアテロームにおいて発現し、かなりのエラスターゼ活性をもつことが文献において知られている(Sukhova GK,Shi GP,Simon DI,Chapman HA,Libby P.「Expression of the elastolytic cathepsins S and K in human atheroma and regulation of their production in smooth muscle cells(ヒトアテロームにおけるエラスチン分解性カテプシンSおよびKの発現と平滑筋細胞におけるそれらの産出の調節)」,J Clin Invest 1998 Aug 102,576−83、を参照)。
【0039】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、肥満の治療を必要としている哺乳動物における肥満の治療方法である。カテプシンKmRNAが、肥満のいくつかのマウスモデルの脂肪組織において、また、肥満女性の脂肪組織において増加するということが文献において知られている(Chiellini C,Costa M,Novelli SE,Amri EZ,Benzi L,Bertacca A,Cohen P,Del Prato S,Friedman JM,Maffei M.「Identification of cathepsin K as a novel marker of adiposity in white adipose tissue(白色脂肪組織における脂肪過多の新規なマーカーとしてのカテプシンKの確認)」,J Cell Physiol 2003,195,309−21、を参照)。
【0040】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、慢性閉塞性肺疾患の治療を必要としている哺乳動物における慢性閉塞性肺疾患の治療方法である。カテプシンKは肺線維症に役割を演じていることが文献において知られている(Buhling,F.,et al.,「Pivotal role of cathepsin K in lung fibrosis(肺繊維症におけるカテプシンKの中心的役割)」,Am J Pathol.2004 Jun;164(6):2203−16、を参照)。
【0041】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、寄生生物感染の治療を必要としている哺乳動物における寄生生物感染の治療方法である。ヒトカテプシンは、これらの寄生生物の生活環において重要な役割を果たすパパイン様システインプロテアーゼに相関があることが文献において知られている。このような寄生生物は、マラリア、アメリカトリパノソーマ症、アフリカトリパノソーマ症、リーシュマニア症、ジアルジア症、トリコモナス症、アメーバ赤痢、住血吸虫症、肝蛭症、肺吸虫症および腸の回虫(roundworm)の疾患に関与している(Lecaille F,Kaleta J,Bromme D.,「Human and parasitic papain−like cysteine proteases:their role in physiology and pathology and recent developments in inhibitor design(ヒトおよび寄生生物のパパイン様システインプロテアーゼ:生理学および病理学におけるそれらの役割と阻害剤設計における最近の進歩)」,Chem Rev 2002 102,4459−88、を参照)。
【0042】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、重症急性呼吸器症候群を必要としている哺乳動物における重症急性呼吸器症候群(SARS)の治療方法である。
【0043】
本発明の別の実施形態は、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、転移性の骨病の治療を必要としている哺乳動物における転移性の骨病の治療方法である。破骨細胞は骨吸収を担っており、また、転移性の腫瘍により引き起こされる骨の破壊および高カルシウム血症は、破骨細胞により行われることが文献において知られている。したがって、破骨細胞の抑制は、骨の破壊と骨の転移を防ぐことができる(Miyamoto,T.and Suda,T.,「Differentiation and function of osteoclasts(破骨細胞の分化と機能)」,Keio J Med 2003 Mar;52(1):l−7、を参照)。
【0044】
本発明の別の実施形態は、カテプシンSに関連する哺乳動物の疾患(アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患、癌および特定の自己免疫疾患(これらに限定されないが、若年型糖尿病、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチおよび橋本甲状腺炎が含まれる);およびアレルギー疾患(これに限定されないが、喘息が含まれる);ならびに、同種異系免疫応答(これに限定されないが、臓器移植または組織移植の拒絶反応が含まれる))の治療のために、治療有効量の前記の化合物または医薬組成物を哺乳動物に投与することである。カテプシンSの活性は上の病状に関連している(Munger JS,Haass C,Lemere CA,Shi GP,Wong WS,Teplow DB,Selkoe DJ,Chapman HA.「Lysosomal processing of amyloid precursor protein to A beta peptides:a distinct role for cathepsin S(アミロイド前駆体タンパク質のAβペプチドへの、リソソームでのプロセッシング:カテプシンSの異なる役割)」,Biochem J 1995 311,299−305,Sukhova GK,Zhang Y,Pan JH,Wada Y,Yamamoto T,Naito M,Kodama T,Tsimikas S,Witztum JL,Lu ML,Sakara Y,Chin MT,Libby P,Shi GP.「Deficiency of cathepsin S reduces atherosclerosis in LDL receptor−deficient mice(カテプシンSの欠乏がLDL受容体欠損マウスにおけるアテローム性動脈硬化を減少させる)」,J.Clin Invest 2003 111,897−906,Zheng T,Zhu Z,Wang Z,Homer RJ,Ma B,Riese RJ Jr,Chapman HA Jr,Shapiro SD,Elias JA.「Inducible targeting of IL−13 to the adult lung causes matrix metalloproteinase− and cathepsin−dependent emphysema(成人の肺へのIL−13の誘導ターゲッティングはマトリックスメタロプロテイナーゼ−およびカテプシン−依存性の肺気腫を引き起こす)」,J Clin invest 2000 106,1081−93,Shi GP,Sukhova GK,Kuzuya M,Ye Q,Du J,Zhang Y,Pan JH,Lu ML,Cheng XW,Iguchi A,Perrey S,Lee AM,Chapman HA,Libby P.「Deficiency of the cysteine protease cathepsin S impairs microvessel growth(システインプロテアーゼカテプシンSの不足は微小血管の成長を損なう)」,Circ Res 2003 92,493−500,Nakagawa TY,Brissette WH,Lira PD,Griffiths RJ,Petrushova N,Stock J,McNeish JD,Eastman SE,Howard ED,Clarke SR,Rosloniec EF,Elliott EA,Rudensky AY.「Impaired invariant chain degradation and antigen presentation and diminished collagen−induced arthritis in cathepsin S null mice(カテプシンS欠損マウスにおける低下したインバリアント鎖の分解および抗原提示とコラーゲンの減少による関節炎)」,Immunity 1999 10,207−17、を参照)。
【0045】
本発明の例示として、骨粗鬆症の治療およびまたは防止を必要とする哺乳動物における骨粗鬆症の治療および/または防止のための治療薬の調製における前記化合物の使用がある。さらなる本発明の例示として、骨の喪失、骨吸収、骨折、カテプシン機能に関連する転移性骨疾患および/または障害の治療および/または防止のための治療薬の調製における前記化合物の使用がある。
【0046】
本発明の化合物は、標準的な薬学の慣例に従って、それだけで、あるいは、好ましくは、薬学的に許容される担体または希釈剤と(場合によっては、知られているアジュバント(例えば明礬)と)、医薬組成物として組み合わせて、哺乳動物(好ましくはヒト)に投与され得る。本発明の化合物は、経口的に、あるいは非経口的に(静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸および局所の投与経路が含まれる)投与され得る。
【0047】
経口使用の錠剤の場合、一般的に使用されている担体には、ラクトースおよびコーンスターチ、ならびに滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム)が含まれ、それらは通常に添加される。カプセルの形態における経口投与では、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。本発明による治療薬物化合物の経口使用では、選択された化合物は、例えば、錠剤またはカプセルの形態において、あるいは、水溶液または懸濁液として投与され得る。錠剤またはカプセルの形態における経口投与では、活性薬剤成分を、毒性のない薬学的に許容される経口用の不活性担体、例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどと組み合わせることができ、液状での経口投与では、経口薬剤成分を、毒性のない薬学的に許容される経口用の不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。さらに、望まれるか、または必要である場合には、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤もまた混合物に組み入れることができる。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然の糖(例えば、グルコースもしくはβ−ラクトース)、トウモロコシ甘味料、天然および合成ガム(例えば、アカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの投薬形態において使用される滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定ではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、ザンサンガムなどが含まれる。経口投与で水性懸濁液が必要とされる場合には、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わせられる。望まれる場合には、特定の甘味料および/または芳香剤を加えてもよい。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内使用では、活性成分の滅菌溶液が通常調製され、それらの溶液のpHは、適切に調整されるか、あるいは、緩衝液を加えられるべきである。静脈内使用では、溶質の全濃度は、製剤を等張にするように調節されるべきである。
【0048】
本発明の化合物はまた、リポソームデリバリーシステムの形態(例えば、小さな単層のベシクル、大きな単層のベシクルおよび多層のベシクル)としても投与され得る。リポソームは様々なリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成され得る。
【0049】
本発明の化合物はまた、この化合物分子がそれと組み合わされる個別の担体としてのモノクローナル抗体を使用することによって送達され得る。本発明の化合物を、標的指向性薬剤担体としての可溶性ポリマーと組み合わせてもよい。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルトアミド−フェノール、または、パルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシンが含まれ得る。さらに、本発明の化合物を、薬剤の制御放出を実現するのに有用な一群の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよび、ヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロック共重合体と組み合わせてもよい。
【0050】
本発明の化合物はまた、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、骨パジェット病、異常に速い骨の代謝回転、歯周疾患、歯の喪失、骨折、関節リウマチ、骨関節炎、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全症、転移性の骨病、悪性高カルシウム血症、および多発性骨髄腫の治療または防止に有用な知られている薬剤と組み合わせにおいて有用である。本発明で開示されている化合物と、骨粗鬆症および他の骨の障害の治療または防止に有用な他の薬剤との組合せは本発明の範囲内にある。当業者は、薬剤と関与する疾患の特定の性質に基づいて、薬剤の何れの組合せが有用と思われるかを識別できるであろう。このような薬剤には、以下が含まれる:有機ビスホスホネート;エストロゲン受容体モジュレーター;アンドロゲン受容体モジュレーター;破骨細胞プロトンATPaseの阻害剤;HMG−CoAレダクターゼの阻害剤;インテグリン受容体アンタゴニスト;骨芽細胞のアナボリック剤、例えばPTH;非ステロイド抗炎症剤;選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤;インターロイキン−1βの阻害剤;LOX/COXの阻害剤;ならびに、これらの薬学的に許容される塩と混合物。好ましい組合せは、本発明の化合物と有機ビスホスホネートである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物とエストロゲン受容体モジュレーターである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物とアンドロゲン受容体モジュレーターである。別の好ましい組合せは、本発明の化合物と骨芽細胞のアナボリック剤である。
【0051】
「有機ビスホスホネート」には、これらに限定されないが、次の化学式の化合物が含まれる。
【0052】
【化4】

(式中、nは、0から7の整数であり、AおよびXは、H、OH、ハロゲン、NH、SH、フェニル、C1〜30アルキル、C3〜30の分岐もしくはシクロアルキル、2もしくは3個のNを含む2環構造、C1〜30の置換アルキル、C1〜10アルキル置換NH、C3〜10の分岐もしくはシクロアルキル置換NH、C1〜10ジアルキル置換NH、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルキル置換チオ、チオフェニル、ハロフェニルチオ、C1〜10アルキル置換フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、およびベンジルからなる群から独立に選択され(但し、nが0である場合には、AおよびXの両方はHまたはOHからは選択されない);あるいは、AおよびXは、それらが結合している1個または複数の原子と一緒になってC3〜10の環を形成している。)
【0053】
前記の化学式において、アルキル基は、線状、分岐状、または環状であってよい(それらの化学式に十分な原子が選ばれている場合)。C1〜30置換アルキルは、多様な置換基を含み得るが、これら置換基の非限定的な例としては、フェニル、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル、NH、C1〜10アルキルまたはジアルキル置換NH、OH、SH、およびC1〜10アルコキシからなる群から選択されるものが含まれる。
【0054】
前記の化学式では、Aおよび/またはX置換基として、複合した炭素環式、芳香族およびヘテロ原子の構造もまた包含されると想定されており、これらの非限定的な例としては、ナフチル、キノリル、イソキノリル、アダマンチル、およびクロロフェニルチオが含まれる。
【0055】
ビスホスホネートの薬学的に許容される塩と誘導体もまた本発明において有用である。塩の非限定的な例には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、および、モノ−、ジ−、トリ−、もしくはテトラ−C1〜10−アルカリ置換アンモニウムの塩からなる群から選択されるものが含まれる。好ましい塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウムの塩からなる群から選択されるものである。より好ましいのはナトリウム塩である。誘導体の非限定的な例には、エステル、水和物、およびアミドからなる群から選択されるものが含まれる。
【0056】
本発明の治療薬剤との関連で本明細書において使用される「ビスホスホネート」および「ビスホスホネート類」という用語は、ジホスホネート(diphosphonate)、ビホスホン酸(biphosphonic acid)、およびジホスホン酸(diphosphonic acid)、ならびにこれらの物質の塩と誘導体もまた包含するものであることが注意されるべきである。ビスホスホネートまたはビホスホネート類を参照する際の特定の命名法の使用は、特に指摘されなければ、本発明の範囲を限定しようとするものではない。命名法が現在では当業者により混用されているために、本発明におけるビスホスホネート化合物の特定の重量もしくはパーセンテージへの参照は、そうではないと本明細書で指摘されなければ、酸活性薬剤重量を基準にしている。例えば、「アレンドロネート、薬学的に許容されるそれらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、アレンドロン酸活性薬剤重量基準で約5mgの骨吸収阻害性ビスホスホネート」という句は、選択されたビスホスホネート化合物の量は、5mgのアレンドロン酸を基準にして計算されるということを意味している。
【0057】
本発明において有用なビスホスホネートの非限定的例には、以下が含まれる。
【0058】
アレンドロネート、これはアレンドロン酸、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸、アレンドロン酸ナトリウムまたはアレンドロン酸ナトリウム三水和物、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸ナトリウム三水和物としても知られている。
【0059】
アレンドロネートは、1990年5月1日に発行されたKieczykowski他の米国特許第4922007号、1991年5月28日に発行されたKieczykowski他の米国特許第5019651号、1996年4月23日に発行されたDauer他の米国特許第5510517号、1997年7月15日に発行された米国特許第5648491号に記載されており、これらの特許の全ては参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
シクロヘプチルアミノメチレン−1,1−ビスホスホン酸、YM175、山之内(インカドロネート、以前はシマドロネートとしても知られていた)、1990年11月13日に発行されたIsomura他の米国特許第4970335号に記載されている(この特許は参照を通じてそれの全体が本明細書に組み込まれる)。
【0061】
1,1−ジクロロメチレン−1,1−ジホスホン酸(クロドロン酸)、および二ナトリウム塩(クロドロネート、プロクターアンドギャンブル)は、ベルギー特許第672205号(1966年)、および、J.Org.Chem 32,4111(1967)に記載されており、これらの何れも参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0062】
1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピルデン−1,1−ビスホスホン酸(EB−1053)。
【0063】
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)。
【0064】
1−ヒドロキシ−3−(N−メチル−N−ペンチルアミノ)プロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(BM−210955、Boehringer−Mannheim(イバンドロネート)としても知られている)は、1990年5月22日に発行された米国特許第4927814号に記載されており、この特許は参照を通じてそれの全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−イル)エチリデン(ミノドロネート)。
【0066】
6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシルデン−1,1−ビスホスホン酸(neridronate)。
【0067】
3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(olpadronate)。
【0068】
3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ビスホスホン酸(パミドロネート)。
【0069】
[2−(2−ピリジニル)エチリデン]―1,1−ビスホスホン酸(piridronate)は、米国特許第4761406号に記載されており、この特許は参照を通じてそれの全体が組み込まれる。
【0070】
1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)。
(4−クロロフェニル)チオメタン−1,1−ビスホスホン酸(ティルドロネート)、1989年10月24日に発行されたBreliere他の米国特許第4876248号に記載(この特許は参照を通じてそれの全体が本明細書に組み込まれる)。
【0071】
1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(ゾレドロネート)。
【0072】
ビスホスホネートの非限定的な例には、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、ピリドロネート、リセドロネート、ティルドロネートおよびゾレドロネート、ならびに、薬学的に許容されるこれらの塩とエステルが含まれる。特に好ましいビスホスホネートは、アレンドロネート、特に、アレンドロン酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアンモニウム塩である。好ましいビスホスホネートの例としては、アレンドロン酸のナトリウム塩、特にアレンドロン酸の水和ナトリウム塩がある。この塩は完全なモル数の水で水和されていても、不完全なモル数の水で水和されていてもよい。好ましいビスホスホネートをさらに例示すると、アレンドロン酸の水和ナトリウム塩があり、特に、水和塩がアレンドロン酸ナトリウム三水和物の場合である。
【0073】
2種以上のビスホスホネート活性薬剤の混合物を用いてもよいと理解されている。
【0074】
有機ビスホスホネートの実際の投薬量は、投薬計画、選択された特定のビスホスホネート、年齢、背格好、哺乳動物もしくはヒトの性別と病状、治療される障害の性質と重さ、ならびに、他の関連する医療および物理的要素により変わるであろう。このように、実際の薬学的に有効な量を前もって指定することはできず、治療従事者または臨床医がそれを容易に決定することができる。適量は、慣例となっている実験によって動物モデルとヒトの臨床研究から求められ得る。一般に、ビスホスホネートの適量は、骨吸収抑制効果が得られるように選択される、すなわち、骨吸収を抑制する量のビスホスホネートが投与される。ヒトでは、ビスホスホネートの有効な経口投薬量は通常、約1.5から約6000μg/体重1kg、好ましくは、約10から約2000μg/体重1kgである。アレンドロン酸ナトリウム三水和物では、投与されるヒトへの普通の投薬量は、通常約2mg/日から約40mg/日、好ましくは約5mg/日から約40mg/日の範囲である。米国においては、アレンドロン酸ナトリウム三水和物について現在認定されている投薬量は、骨粗鬆症の防止には5mg/日、骨粗鬆症の治療には10mg/日、また、骨パジェット病の治療には40mg/日である。
【0075】
別の投薬計画においては、ビスホスホネートは、毎日の投与以外の間隔、例えば、週1回の投薬、週2回の投薬、2週間毎の投薬、および月2回の投薬で投与され得る。週1回の投薬計画においては、アレンドロン酸ナトリウム三水和物は、35mg/週または70mg/週の投薬量で投与されるであろう。
【0076】
「選択的エストロゲン受容体モジュレーター」は、機序がどうであれ、受容体へのエストロゲンの結合を妨げる、または阻害する化合物を表す。エストロゲン受容体モジュレーターの例には、これらに限定されないが、エストロゲン、プロゲストーゲン、エストラジオール、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、TSE−424、タモキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキシプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、およびSH646が含まれる。
【0077】
「エストロゲン受容体βモジュレーター」は、エストロゲン受容体βに選択的に作動する、あるいは拮抗する化合物である(ER□。ER□の作動は、ER□介在事象による、トリプトファンヒドロキシラーゼ遺伝子(TPH、セロトニン合成における重要な酵素)の転写を増大させる。エストロゲン受容体βアゴニストの例を、2001年11月08日に公開されたPCT国際出願WO 01/82923、および、2002年5月20日に公開されたWO 02/41835に見出すことができ、これら2つの特許は参照を通じてそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0078】
「アンドロゲン受容体モジュレーター」は、機序がどうであれ、受容体へのアンドロゲンの結合を妨げる、または阻害する化合物を表す。アンドロゲン受容体モジュレーターの例には、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、ならびに、アビラテロンアセタートが含まれる。
【0079】
「破骨細胞プロトンATPaseの阻害剤」は、破骨細胞の頂端膜に見出され、骨吸収過程において重要な役割を果たすと報告されているプロトンATPaseの阻害剤を表す。このプロトンポンプは、骨吸収阻害剤の設計では魅力的な標的の代表であり、骨粗鬆症および関連する代謝疾患の治療と防止に有用である可能性がある(C.Farina et al.,「Selective inhibitors of the osteoclast vacuolar proton ATPase as novel bone antiresorptive agents(新規骨吸収抑制剤としての液胞性プロトンATPaseの選択的阻害剤)」,DDT,4:163−172(1999)、を参照、この特許は参照を通じてその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0080】
「HMG−CoAレダクターゼの阻害剤」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼの阻害剤を表す。HMG−CoAレダクターゼに対する阻害活性をもつ化合物は、当技術分野においてよく知られているアッセイを用いることにより容易に確認され得る。例えば、米国特許第4231938号の6欄、およびWO 84/02131の30〜33頁に記載または引用されているアッセイを参照。本明細書では、「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」および「HMG−CoAレダクターゼの阻害剤」という用語は同じ意味である。
【0081】
使用され得るHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例は、これらに限定されないが、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許第4231938号、米国特許第4294926号および米国特許第4319039号を参照)、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4444784号、米国特許第4820850号および米国特許第4916239号を参照)、プラバスタチン(PRAVACHOR(登録商標);米国特許第4346227号、米国特許第4537859号、米国特許第4410629号、米国特許第5030447号および米国特許第5180589号を参照)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許第5354772号、米国特許第4911165号、米国特許第4929437号、米国特許第5189164号、米国特許第5118853号、米国特許第5290946号および米国特許第5356896号を参照)、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標);米国特許第5273995号、米国特許第4681893号、米国特許第5489691号および米国特許第5342952号を参照)、ならびに、セリバスタチン(リバスタチンおよびBAYCHOL(登録商標)としても知られている;米国特許第5177080号を参照)が含まれる。本発明の方法において使用され得る、これらおよびさらなるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の構造式は、M.Yalpaniの「Cholesterol Lowering Drugs(コレステロール低下剤)」(Chemistry & Industry、85−89頁(1996年2月5日))の87頁、ならびに米国特許第4782084号および米国特許第4885314号に記載されている。本明細書では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤という用語は、HMG−CoAレダクターゼ阻害活性をもつ化合物の、薬学的に許容されるラクトンおよび開環した酸の形(すなわち、ラクトン環が開いて遊離酸となっている)、ならびに塩およびエステル形の全てを含み、したがって、このような塩、エステル、開環した酸およびラクトンの形の使用は本発明の範囲内に含まれている。ラクトン部分とそれに対応する開環した酸の形の例は、下に、構造IおよびIIとして示されている。
【0082】
【化5】

【0083】
開環した酸の形が存在し得るHMG−CoAレダクターゼ阻害剤において、塩およびエステルの形は、好ましくは、開環した酸から形成され、本明細書では、このような全ての形は、「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」という用語の意味に含まれている。好ましくは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、ロバスタチンおよびシンバスタチンから選択され、最も好ましくは、シンバスタチンである。本明細書において、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤との関連での「薬学的に許容される塩」という用語は、遊離酸と適切な有機もしくは無機の塩基とを反応させることにより通常調製される、本発明において用いられる毒性のない化合物の塩、特に、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛およびテトラメチルアンモニウムのような陽イオンから生成される塩、ならびに、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−p−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イル−メチルベンズ−イミダゾール、ジエチルアミン、ピペラジン、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのようなアミンから生成される塩を意味する。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の塩の形のさらなる例には、これらに限定されないが、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素酸、硫酸水素酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物イオン塩、エデト酸カルシウム塩、カムシル酸塩、炭酸塩、塩素イオン塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシラート、エストレート、エシラート、フマル酸塩、グルセプタート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ素イオン塩、イソチアン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、および吉草酸が含まれる。
【0084】
前記のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤化合物のエステル誘導体は、温血動物の血流に吸収された時に、薬剤形を放出し、その薬剤の治療効力を向上させることを可能にするような仕方で開裂し得るプロドラッグとして機能し得る。
【0085】
前記の「インテグリン受容体アンタゴニスト」は、生理学的リガンドの□ν□3インテグリンへの結合と選択的に拮抗し、それを阻害し、あるいは妨害する化合物、生理学的リガンドの□ν□5インテグリンへの結合と選択的に拮抗し、それを阻害し、あるいは妨害する化合物、生理学的リガンドの□ν□3インテグリンおよび□ν□5インテグリンへの結合と選択的に拮抗し、それを阻害し、あるいは妨害する化合物、ならびに、毛細血管の内皮細胞で発現される特定の(複数の)インテグリンの活性と拮抗し、それを阻害し、あるいは妨害する化合物を表す。この用語はまた、□ν□6、□ν□8、□1□1、□2□1、□5□1、□6□1および□6□4インテグリンのアンタゴニストも表す。この用語はまた、□ν□3、□ν□5、□ν□6、□ν□8、□1□1、□2□1、□5□1、□6□1および□6□4インテグリンの任意の組合せのアンタゴニストも表す。PNAS USA 96:1591−1596(1999)において、H.N.Lode他は、自発的な腫瘍転移の根絶における、抗血管新生□νインテグリンのアンタゴノストと腫瘍特異性抗体−サイトカイン(インターロイキン−2)融合タンパク質との間の相乗効果を認めている。彼らの結果は、この組合せを癌と転移性腫瘍成長の治療に可能性があるものとして示唆している。ανβインテグリン受容体アンタゴニストは、現在入手できる全ての薬剤のそれと異なる新しい機序により骨吸収を抑制する。インテグリンは、細胞−細胞と、細胞−マトリックスの相互作用を媒介する、ヘテロ二量体膜貫通接着受容体である。このαおよびβインテグリンサブユニットは非共有結合的に相互作用し、2価カチオンに依存する仕方で細胞外マトリックスリガンドと結合する。破骨細胞で最も豊富なインテグリンはανβ(>10/1個の破骨細胞)であり、これは、細胞移動と極性形成にとって重要な細胞骨格の構築において、速度を制限する役割を果たしていると思われる。このανβに拮抗する効果は、骨吸収の抑制、再狭窄の抑制、黄斑変性の抑制、関節炎の抑制、ならびに、癌と転移成長の抑制から選択される。
【0086】
「骨芽細胞のアナボリック剤」は、骨を構築する作用剤、例えばPTHを表す。副甲状腺ホルモン(PTH)またはそのアミノ末端フラグメントおよびアナローグの間歇的な投与は、骨の喪失を防止し、抑え、部分的に反転させ、また、動物およびヒトにおける骨の形成を促すことが示されている。解説には、D.W.Dempster et al.,「Anabolic actions of parathyroid hormone on bone(骨への副甲状腺ホルモンのアナボリック作用)」,Endocr Rev 14:690−709(1993)、を参照。複数の研究が、骨形成の促進による骨の質量と強度の増加における、副甲状腺ホルモンの臨床的利点を実際に示している。これらの結果は、RM Neer等により、New Eng J Med 344 1434−1441(2001)において報告された。
【0087】
さらに、副甲状腺ホルモンに関連するタンパク質フラグメントまたはアナローグ、例えば、PTHrP−(1〜36)は、強力な抗高カルシウム尿症の作用を示し[M.A.Syed et al.、「Parathyroid hormone−related protein−(1−36) stimulates renal tubular calcium reabsorption in normal human volunteers:implications for the pathogenesis of humoral hypercalcemia of malignancy(副甲状腺ホルモンに関連するタンパク質−(1〜36)は正常なヒトの志願者における尿細管のカルシウム再吸収を促進する:悪性腫瘍液性因子による高カルシウム血症の病因に対する密接な関係),JCEM 86:1525−1531(2001)を参照]、また、骨粗鬆症を治療するアナボリック剤としても可能性があり得る。
【0088】
「非ステロイド抗炎症剤」またはNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ(COX)−1およびCOX−2による、アラキドン酸の炎症性(proinflammatory)プロスタグランジンへの代謝を抑制する。NSADIの非限定的な例には、以下が含まれる:アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、フルビプロフェン、インドメタシン(indomethacin)、ケトプロフェン、ケトロラック、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、ジフルニサル、メクロフェナメートおよびフェニルブタゾン。
【0089】
「選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤」、またはCOX−2阻害剤は、身体における痛みと炎症を助長するCOX酵素を阻害するタイプの非ステロイド型抗炎症剤(NSAID)を表す。COX−2阻害剤の非限定的な例には、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびルミラコキシブが含まれる。
【0090】
「インターロイキン−1βの阻害剤」またはIL−1□は、単球、マクロファージおよび他の細胞により産出される可溶性因子であり、Tリンパ球を活性化し、マイトジェンと抗原へのそれらの応答を強化するIL−1の阻害剤を表す。IL−1B阻害剤の非限定的な例には、ジアセレインおよびrheinが含まれる。
【0091】
「LOX/COXの阻害剤」は、アラキドン酸経路に関与する主な3つの酵素全て、すなわち、5−LOX、COX−1およびCOX−2の阻害剤を表す。LOX/COX阻害剤の非限定的な例はリコフェロンである。
【0092】
固定投薬量として処方される場合は、組合せ医薬品は、下に記載されている投薬範囲内の本発明の化合物と、認可された投薬範囲内の活性薬剤とを用いる。あるいは、組合せ処方が不適切である場合は、本発明の化合物は、知られている薬学的に許容される薬剤と逐次的に使用され得る。
【0093】
本発明の化合物と関連する「投与」という用語とその異形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療を必要としている動物の系に本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグが、1種または複数の他の活性薬剤(例えば、細胞障害性薬剤など)との組合せとして提供される場合、「投与」とその異形はそれぞれ、本発明の化合物またはそのプロドラッグと他の薬剤の同時および逐次的な導入を含むと理解される。本発明は、その範囲内に本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは、必要とされる化合物にインビボで容易に変換される本発明の化合物の機能的誘導体である。このように、本発明の治療方法において、「投与する」という用語は、はっきりと限定されて開示された化合物によるか、あるいは、はっきりと限定されて開示されていないかもしれないが、患者に投与された後にインビボではっきりと限定された化合物に変換される化合物による、記載された様々な病状の治療を包含するであろう。適切なプロドラッグ誘導体の選択と調製のための通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs(プロドラッグの設計)」(H.Bundgaard編、Elsevier、1985年)(これは参照を通じてその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。これらの化合物の代謝産物は、生体環境への本発明の化合物の導入で生成される活性化学種を含んでいる。
【0094】
本明細書では、「組成物」という用語は、指定成分を指定量で含む医薬品、ならびに、指定量の指定成分の組合せから直接または間接に得られる医薬品を包含すると想定されている。
【0095】
本明細書では、「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医者または他の臨床医により得ようとされている、組織、系、動物またはヒトにおける生体反応または薬効を示す反応を引き出す活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0096】
本明細書では、「治療する」または疾患の「治療」という用語には以下が含まれる:疾患を防止すること、すなわち、疾患に曝されているか、または罹る傾向があるかもしれないが、その疾患の症状をまだ経験していないか、または示してない哺乳動物において、その疾患の臨床症状を示さないようにすること;疾患を抑制すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の進展を阻む、もしくは遅くすること;あるいは、疾患を和らげること、すなわち、疾患またはその臨床症状を軽減させること。
【0097】
本明細書では、「骨吸収」という用語は、破骨細胞が骨を劣化させる過程を表す。
【0098】
本発明はまた、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と共に、もしくはそれら無しで、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む、骨粗鬆症または他の骨の疾患の治療において有用である医薬組成物も包含している。本発明の適切な組成物には、本発明の化合物と薬理学的許容される担体(例えば、pHレベルが例えば7.4の生理的食塩水)とを含む水溶液が含まれる。これらの溶液は局所ボーラス注入により患者の血流に導入され得る。
【0099】
本発明による化合物が患者に投与される場合、1日の投薬量は処方医により通常決めら、投薬量は通常、年齢、体重、および個々の患者の反応、ならびに、患者の症状の重さに応じて変わるであろう。
【0100】
1つの例示的用法において、適切な量の本発明の化合物が、カテプシンに依存する病状の治療を受けている哺乳動物に投与される。本発明での経口投薬量は、指定された効果を求めて使用される場合、1日当たり体重1kg当たり約0.01mg(mg/kg/日)から約100mg/kg/日、好ましくは、0.01から10mg/kg/日、最も好ましくは、0.1から5.0mg/kg/日の間の範囲であろう。経口投与では、好ましくは、本発明の組成物は、治療される患者への投薬量が症状に合わせて加減されるように、0.10、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100および500mgの活性成分を含む錠剤の形で提供される。
【0101】
治療薬は通常、約0.01mgから約500mgの活性成分、好ましくは、約1mgから約10mgの活性成分を含む。静脈内投与では、最も好ましい投薬量は、一定速度での注入の間、約0.1から約10mg/kg/分の範囲であろう。有利にも、本発明の化合物は1日1回の投薬で投与されてもよく、あるいは、1日分の全投薬量が1日当たり2、3もしくは4回の分割投薬として投与されてもよい。さらに、本発明の好ましい化合物は、適切な鼻腔内ビヒクルの局所使用による鼻腔内投与形態において、あるいは、当業者によく知られている経皮用皮膚パッチを用いる経皮経路により、投与され得る。経皮デリバリーシステムの形態で投与されると、投薬量の投与は、言うまでもなく、投薬計画を通して間歇的であるより連続的であろう。
【0102】
本発明の化合を、カテプシンが介在する病状の治療に有用な他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。このような組合せの個々の成分は、薬物治療の途中で別の時刻に別々に、あるいは、分割されるかまたは単一の組合せとして同時に投与され得る。したがって、本発明は同時もしくは交互のこのような治療計画の全てを含むと理解されるべきであり、「投与する」という用語は、それに応じて解釈されるべきである。本発明の化合物と、カテプシンが介在する病状の治療に有用な他の薬剤との組合せの範囲は、エストロゲンの働きに関連する疾患の治療に有用な医薬組成物との組合せを、原則として含むと理解されるであろう。
【0103】
したがって、本発明の範囲は、本発において特許請求されている化合物を、以下から選択される第2の薬剤と組み合わせて使用することを包含する:有機ビスホスホネート;エストロゲン受容体モジュレーター;アンドロゲン受容体モジュレーター;破骨細胞プロトンATPaseの阻害剤;HMG−CoAレダクターゼの阻害剤;インテグリン受容体アンタゴニスト;骨芽細胞のアナボリック剤、例えばPTH;非ステロイド抗炎症剤;選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤;インターロイキン−1βの阻害剤;LOX/COXの阻害剤;ならびに、これらの薬学的に許容される塩と混合物。これらおよび他の本発明の態様は、本明細書に含まれる教示により明らかであろう。
【0104】
定義
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸、およびキラル面(E.L.Eliel and S.H.Wilen,「Stereochemistry of Carbon Compounds(炭素化合物の立体化学)」(John Wiley & Sons、ニューヨーク、1994年)の1119−1190頁に記載されている)をもつことができ、ラセミ体、ラセミ混合物、および個々のジアステレオマーとして存在し、光学異性体を含めて全ての可能な異性体およびそれらの混合物は本発明に含まれる。さらに、本明細書において開示さている化合物は、互変異性体として存在することができ、互変異性構造の1つだけが示されているとしても、両方の互変異性形が本発明の範囲内に包含されていると想定されている。例えば、下の化合物Aに関する請求範囲は、互変異性構造Bを、またその逆を、ならびに、これらの混合物を含むと理解されている。
【0105】
【化6】

【0106】
構成成分において2回以上、ある可変項(例えば、R、R、Rなど)が現れる場合、出現する毎にその指定は他の全ての出現とは独立である。また、構成成分および可変項の組合せは、組合せにより安定な化合物が得られる場合にのみ許される。置換基から環系内に向けて引かれている線は、示された結合が置換可能な環内炭素原子の何れに結合していてもよいことを示す。環系が多環である場合、その結合は近い環の適切な炭素原子の何れかとだけ結合していると想定されている。
【0107】
本発明の化合物での置換基と置換様式は、化学的に安定であり、また、当技術分野において知られている方法および下に記載されている方法によって容易に入手できる出発物質から容易に合成され得る化合物が得られるように、当業者により選択され得ると理解されている。置換基それ自体が2個以上の基により置換されている場合、これらの複数の基は、安定な構造になる限り、同じ炭素上にあっても異なる炭素上にあってもよいと理解されている。「1個または複数の置換基により場合によっては置換されている」という句は、「少なくとも1個の置換基により場合によっては置換されている」という句と同じであると見なされるべきであり、このような場合には、好ましい実施形態はゼロから3個の置換基をもつであろう。
【0108】
本明細書では、特に指定されない限り、「アルキル」には、1から10個の炭素原子をもつ、分岐鎖および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基が含まれると想定されている。例えば、「C〜C10アルキル」におけるC〜C10は、線状、分岐状、または環状構造の、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素をもつ基を含むと定義されている。例えば、「C〜C10アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど具体的には含む。
【0109】
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、特に指定されない限り、前記アルキル基が架橋酸素を介して結合している前記アルキルを表す。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシなどが含まれる。
【0110】
「シクロアルキル」または「炭素環」は、特に指定されない限り、全炭素数が3から8個の、すなわち、この範囲内の任意の数のアルカンの環(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)を意味するであろう。
【0111】
炭素数が指定されてない場合には、「アルケニル」という用語は、線状または分岐状で、2から10個の炭素原子と、少なくとも1個の炭素・炭素2重結合を含む非芳香族炭化水素基を表す。好ましくは、1個の炭素・炭素2重結合が存在し、4個までの非芳香族性の炭素・炭素2重結合が存在し得る。こうして、「C〜Cアルケニル」は、2から6個の炭素原子をもつアルケニル基を意味する。アルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニルおよびシクロへキセニルが含まれる。アルキルに関して上で記載したように、アルケニル基の線状、分岐状または環状部分が2重結合を含んでいてもよく、置換アルケニル基が指示されている場合には、置換されていてもよい。
【0112】
「アルキニル」という用語は、線状または分岐状で、特に指定されていなければ、2から10個の炭素原子と、少なくとも1個の炭素・炭素3重結合を含む炭化水素基を表す。3個までの炭素・炭素3重結合が存在し得る。かくして、「C〜Cアルキニル」は、2から6個の炭素原子をもつアルキニル基を表す。アルキニル基には、エチニル、ピニピニルおよびブチニルが含まれる。アルキルに関して上で記載したように、アルキニル基の線状、分岐状または環状部分は3重結合を含んでいてもよく、置換アルケニル基が指示されている場合には、置換されていてもよい。
【0113】
特定の例において、置換基は、(C〜C)アルキレン−アリールのように、ゼロを含む炭素の範囲により定義され得る。アリールとしてフェニルを考えれば、この定義は−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどだけでなく、フェニル自体を含むであろう。
【0114】
本明細書では、「アリール」は、それぞれの環では原子が12個までの単環または2環(少なくとも1個の環は芳香族である)の安定な炭素環を意味すると想定されている。このようなアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルが含まれる。このアリール置換基が2環であり、1つの環が非芳香族である場合、芳香族環により結合すると理解されている。
【0115】
本明細書では、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環は芳香族であり、O、NおよびSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を含んでいる、それぞれの環では原子が10個までの安定な単環、2環または3環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基には、これらに限定されないが、以下が含まれる:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル(carbolinyl)、シンノリニル、フラニル、インドリニル、インドリル、インドラジニル(indolazinyl)、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル(tetrazolopyridyl)、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリニル、メチレンジオキシベンゼン、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、および、テトラヒドロキノリン。ヘテロアリール置換基が2環であり、1つの環が非芳香族であるか、あるいはヘテロ原子を含んでいない場合、それぞれ、芳香族環により、またはヘテロ原子含有環により結合すると理解されている。ヘテロアリールが窒素原子を含んでいる場合、対応するそれらのN−オキシドはまた、この定義により包含されると理解されている。
【0116】
当業者により理解されるように、本明細書では、「ハロ」または「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含むと想定されている、「ケト」という用語は、カルボニル(C=O)を意味する。
【0117】
「ハロアルキル」という用語は、特に指定されなければ、1から5個、好ましくは1から3個のハロゲンにより置換されている上で定義されたアルキル基を意味する。代表的な例には、これらに限定されないが、トリフルオロメチル、ジクロロエチルなどが含まれる。
【0118】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1または2個のヒドロキシ基により置換されている(但し、2個のヒドロシル基が存在する場合、両方共同じ炭素上にはない)、1から6個の炭素原子の1価の線状炭化水素基、あるいは、3から6個の炭素原子の1価の分岐状炭化水素基を意味する。代表的な例には、これらに限定されないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルなどが含まれる。
【0119】
本明細書では、「複素環」または「ヘテロシクリル」は、特に指定されなければ、O、N、S、SO、またはSOからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子を含む、5から10員の非芳香族環を意味し、2環の基を含むと想定されている。したがって、「ヘテロシクリル」には、これらに限定されないが、次のものが含まれる:ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピペリジニル、テトラヒドロチオフェニルなど。ヘテロシクリルが窒素を含んでいる場合、対応するそれらのN−オキシドはまたこの定義により包含されると理解されている。
【0120】
本発明は、式Iの化合物のN−オキシド誘導体と保護された誘導体もまた含む。例えば、式Iの化合物が酸化され得る窒素原子を含んでいる場合、その窒素原子は、当技術分野においてよく知られている方法により、N−オキシドに変換され得る。また、式Iの化合物が、ヒドロキシ、カルボキシ、チオールまたは(複数の)窒素原子を含む基のような基を含んでいる場合、これらの基は、適切な保護基により保護され得る。適切な保護基の包括的なリストを、T.W.Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)」(John Wiley & Sons,Inc.1981年)に見出すことができ、その開示は参照を通じてその全体が本明細書に組み込まれる。式Iの化合物の保護誘導体は、当技術分野においてよく知られている方法により調製され得る。
【0121】
「アルキル」または「アリール」あるいは、これらの接頭辞語根の何れかが置換基の名前(例えば、アリールC0〜8アルキル)に現れる際には常に、「アルキル」および「アリール」に対して上で与えられている制限を含むと解釈される。炭素原子の明示された数(例えば、C1〜10)は、アルキルまたは環状アルキル基における炭素原子の数、あるいは、アルキルがその接頭辞語根に現れるより大きな置換基のアルキル部分に対する炭素原子の数を独立に表す。
【0122】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、無機または有機の酸から形成された、本発明の化合物の毒性のない通常の塩が含まれる。例えば、毒性のない通常の塩には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導された塩、ならびに、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などから調製された塩が含まれる。前記の薬学的に許容される塩および他の典型的な薬学的に許容される塩の調製は、より詳細に、Berg et al.,「Pharmaceutical Salts(医薬塩)」,J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19(参照を通じて本明細書に組み込まれる)に記載されている。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性の部分を含む本発明の化合物から、通常の化学的方法により合成され得る。一般に、塩基性の化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーにより、あるいは、遊離塩基と、化学量論的な量または過剰量の、望みの塩を生成する無機もしくは有機の酸とを、適切な溶剤または様々に組み合わせた溶剤中で反応させることにより調整され得る。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機または有機の塩基との反応により生成される。
【0123】
本明細書では、以下の略語は示されている意味をもつ。
BuLi = n−ブチルリチウム
CBr = テトラブロモメタン
CHCl = 塩化メチレン
CHCl = クロロホルム
(CHO)CO = 炭酸ジメチル
DAST = ジメチルアミノ硫黄トリフルオリド
DIBAL−H = 水素化アルミニウムジイソブチル
DIPEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
EtN = トリエチルアミン
EtOH = エタノール
KHPO = リン酸二水素カリウム
HCl = 塩酸
MeOH = メタノール
MgBr = 臭化マグネシウム
MgSO = 硫酸マグネシウム
NaCO = 炭酸ナトリウム
NaOMe = ナトリウムメトキシド
NaSO = 硫酸ナトリウム
PCl = 五塩化リン
PdCl(dppf) = [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PG =保護基
PPh =トリフェニルホスフィン
PrNEt =N,N−ジイソプロピルエチルアミン
PyBOP =ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリ(ピロリジノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェイト
rt = 室温
sat.aq. = 飽和水溶液
TBAF = フッ化テトラブチルアンモニウム
TfO = トリフルオロメタンスルホナート
THF = テトラヒドロフラン
tlc = 薄層クロマトグラフィー
TMSBr = ブロモトリメチルシラン
Me = メチル
Et = エチル
n−Pr = n−プロピル
i−Pr = イソプロピル
n−Bu = n−ブチル
i−Bu = イソブチル
s−Bu = sec−ブチル
t−Bu = tert−ブチル
【0124】
本発明の新規な化合物を、適切な原料を用いて以下の一般的な手順により調製することができ、それらはそれに続く具体的な実施例によりさらに例示される。しかし、実施例において例示される化合物は、本発明と考えられる1つの部類のみを成すと解釈されるべきである。後の実施例は本発明の化合物の調製の詳細をさらに例示する。当業者は以下の調製手順の条件および方法の知られている変形形態を、これらの化合物を調製するために用いることができることを容易に理解するであろう。全ての温度は、特に指定されなければ、セルシウス度である。
【0125】
スキーム
本発明の化合物を下に示されるスキーム1により調製することができる。このように、不飽和もしくは飽和(オレフィンの水素化により得られる)環状カルボン酸(Sakito,Y.;Suzukamo,G.Chem.Lett.1986,621−624(n=1)および、Morin,R.;Manuel,C.;Mazmanian,C.Eur.J.Med.Chem.1976,11,493−499(n=2)を参照)を、適切に置換されたアミノアセトニトリルとカップリングさせて、本発明の化合物を得ることができる。D系上の置換基がハロゲンである場合、示されているように、適切なボロン酸とのパラジウム触媒鈴木カップリングにより本発明のさらなる化合物が得られる。
【0126】
【化7】

【0127】
本発明の化合物は、下に示されるように、スキーム2により調製され得る。このように、スキーム1の不飽和酸を、TMSBr/DMSO/DIPEAを用いてブロモラクトンに変換することができる(Miyashita,K.;Tanaka,A.;Mizuno,H.;Tanaka,M.;Iwata,C.J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1994,847−851、を参照)。メトキシド触媒によるラクトンの開環により、ブロモヒドロキシエステルが得られ、それは、アルコールの酸化と、それに続く、例えば亜鉛による還元的脱ブロム化により、対応するケトンに変換される。次に、このケトンは、DASTまたはPClによる処理により、それぞれ対応するgem−ジフルオロ(R、R=F)またはgem−ジクロロ(R、R=Cl)化合物に変換される。別法として、メチルトリフェニルホスホニウム塩を用いるウィッティヒ反応により、このケトンを対応するexo−メチレン化合物に、さらに、シモンズ−スミス型のシクロプロパン化反応によりスピロシクロプロパン誘導体に、さらに、そのシクロプロパン生成物を適切な触媒の存在下に水素で処理することにより、gem−ジメチル(R、R=CH)誘導体に変換することができる。塩基水溶液によるエステル官能基の加水分解、そして、スキーム1において記載されたペプチドカップリングと鈴木反応により、シクロアルキルフラグメントに様々な置換基をもつ、本発明の化合物が得られる。
【0128】
【化8】

【0129】
本発明の化合物をスキーム3によっても調製することができる。このように、適切に置換されたシクロアルカノン(例えば、R、R=F;Cl;スピロ−シクロプロピルまたはCH;それぞれ、Patrick,T.B.;Scheibel,J.J.;Cantrell,G.L.J.Org.Chem.1981,46,3917−3918;Harmata,M.;Shao,L.Synthesis 1999,1534−1540;Crandall,J.K.;Seidewand,R.J.J.Org.Chem.1970,35,697−701;または、Negishi,E.;Chatterjee,S.Tetrahedron Lett.1983,24,1341−1344;を参照)を、水素化ナトリウムのような適切な塩基による処理と、それにより生じるエノラート陰イオンの炭酸ジメチルによる続いてのクエンチング、その後のPhSeCl/pyr/Hによる酸化により、□,□−不飽和ケトエステルに変換することができる。次に、この化合物は、様々な求核剤(例えば、これらに限定されないが、2官能性有機銅試薬)による共役付加反応において求電子剤として機能することができる。トシルヒドラゾンを経由して(Taber,D.F;Malcolm,S.C.J.Org.Chem.1998,63,3717−3721、を参照)、あるいは別法として、対応するチオアセタールのラネーニッケルによる脱硫(Newman,M.S.;Walborsky,H.M.J.Am.Chem.Soc.,1950,72,4296−4297、を参照)によるケトン官能基の還元的除去と、実施例2に記載されたその後のエステル加水分解とペプチドカップリングにより、本発明の化合物が得られる。Xが保護された酸素官能基である場合、鈴木反応(トリフラートによると)と、その後の、実施例2に記載されたエステル加水分解とペプチドカップリングにより、本発明の化合物が得られる。
【0130】
【化9】

【0131】
Dが複素環である本発明の化合物の多様な系列が、スキーム4に示されるようにして調製され得る。ビニルリチウムまたはマグネシウム化合物の、スキーム3による□,□−不飽和ケトエステルへの銅が介在する共役付加と、それに続くスキーム2に記載されたケトン除去により、様々なオレフィン中間体(四角で囲まれている)が得られ、この中間体は、1つの場合には、ロジウム触媒を用いるハイドロボレーション(Hayashi,T.;Matsumoto,Y.Tetrahedron.Asymmetry 1991,2,601−612、およびその中の参考文献を参照)とそれに続く酸化(あるいは別法として、ワッカー酸化)を、別の場合には、エポキシ化と、それに続く酸触媒によるエポキシドの転移(Ranu,B.C.;Jana,U.J.Org.Chem,1998,63,8212−16、およびその中の参考文献を参照)を、それに行うことにより、2種の位置異性体ケトンの一方に選択的に変換され得る(E=アリールまたはヘテロアリールの場合)。これらのケトンはまた、対応する□−フェニルスルフェニルケトンを経由する一連のカルボニル転置(Trost,B.M.;Hiroi,K.;Kurozumi,S.J.Am.Chem.Soc.,1975,97,438−440、を参照)により相互に変換され得る。次に、これらの□−メチレン−ケトンの各々は、十分に確立された文献の先例(Gauthier,J.Y.et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.1996,6,87−92、およびその中の参考文献を参照)に従って、様々な複素環、例えば、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアジアゾールなどにさらに転換され得る。エステルの加水分解とスキーム1のようなペプチドカップリングにより、本発明の化合物が得られる。
【0132】
【化10】

【0133】
本発明の化合物はスキーム5aによってもまた調製され得る。
適切な銅(I)触媒の存在の下での、スキーム3による□,□−不飽和ケトエステルへのビニル(m=0)またはアリル(m=1)グリニャール試薬の付加は、共役付加生成物を与える。ケトンの還元的除去とオゾンとの反応により対応するアルデヒドとなる。□,□−不飽和ケトエステルへのビニル(m=0)グリニャール試薬の共役付加に由来するこのアルデヒドを、CBr、PPh、そして塩基により末端アルキンに変換することができる。次に、示されているように、園頭反応により、D=アルケン、アルキンまたは複素環である本発明の化合物を調製するために利用され得る別の多様な中間体(四角で囲まれている)が得られる。
別法として、スキーム5bに示されているように、この中間体を、前記のスキーム3による□,□−不飽和ケトエステルへのアルキンフラグメントの直接的な1,4−付加(Eriksson,M.;Iliefski,T.;Nilsson,M.;Olsson,T.J.Org.Chem.1997,62,182−187、を参照)により得ることもできる。
【0134】
【化11】

【0135】
【化12】

【0136】
本発明の化合物を、スキーム5cに概略が示される化学により調製してもよい。このように、スキーム5aにおいて対応する末端オレフィンのオゾン分解により生成したアルデヒド同族中間体への(m=0、m=1)へのグリニャール付加と、それに続く、得られたアルコールの酸化により、位置異性体の□−メチレンケトンが、次に、スキーム4により本発明の化合物が得られる。
【0137】
【化13】

【0138】
本発明の化合物はスキーム6によってもまた調製され得る。シクロヘプタ−4−1−オン(Louis,J.;Bielawski,C.W.;Grubbs,R.H.J.Am.Chem.Soc.2001,123,11312−11313)を、スキーム2に伴う説明に従って、様々なgem−二置換誘導体に、さらに、Schreiberオゾン分解(Schreiber,S.L.;Claus,R.E.;Reagen,J.Tetrahedron Lett.1982,23,3867−3870)により末端で分化したアルデヒド−エステルに変換することができる。一連の、適切な□−ホスホニルケトンを用いるHorner−Wadsworth−Emmons型のオレフィン化と、分子内1,4−付加により、□−メチレンケトンとなり、これは、スキーム4により本発明の化合物に変換され得る。
【0139】
【化14】

【0140】
本発明の化合物をスキーム7により調製してもよい。様々なアルデヒドとエトキシ(エトキシカルボニル)メチル−トリフェニルホスホニウムクロリドとのウィッティヒ反応により、エノール−エーテルとエステル官能基の加水分解の後、□−ケト酸誘導体が得られる(Bach,K.K.;El−Seedi,H.R.;Jensen,H.M.;Nielsen,H.B.;Thomsen,I.;Torssell,K.B.G.Tetrahedron 1994,50,7543−7556;を参照)。次に、一連のロビンソン環化(annelation)/還元(Ziegler,F.E.;Condon,M.E.J.Org.Chem.1971,36,3707−3713、を参照)により、スキーム2に従って本発明の化合物に変換され得るシクロヘキサノン中間体が得られる。
【0141】
【化15】

【0142】
本発明の化合物はスキーム8によっても調製され得る。このように、DASTによる、あるいは別法としてPClによる、知られている□,□−不飽和ケトエステルの処理(Webster,F.X.;Silverstein,R.M.Synthesis 1987,922−924、を参照)により、それぞれ対応するgem−ジフルオロ(R、R=F)およびgem−ジクロロ(R、R=F)化合物が得られる。一連の還元/酸化により、エステルから□,□−不飽和アルデヒドが得られる。メチルケトンから誘導されたエノール−シリルエーテルの、イミニウムイオン触媒によるMukaiyama−マイケル付加(Brown,S.P.;Goodwin,N.C.;Macmillan D.W.C.J.Am.Chem.Soc.2003,125,1192−94、を参照)、アルデヒドの酸への酸化、そしてジアゾメタンによるエステル化により、スキーム4に従って本発明の化合物に変換され得るケト−エステルが得られる。有機合成の習熟者により、スキーム8における□,□−不飽和アルデヒド中間体(四角で囲まれている)は、スキーム3から5a〜cにおいて詳述された共役付加の方法により、本発明の化合物に変換され得ることが理解されるであろう。この件はスキーム9において例示される(スキーム5bとの類似に注意)。
【0143】
【化16】

【0144】
【化17】

【実施例】
【0145】
以下の実施例は選ばれた本発明の化合物の合成を記載する。
【0146】
(実施例1)
(1R,2R)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロへキサンカルボキサミドの合成
【0147】
【化18】

【0148】
ブロモトリメチルシラン(1.96mL、15.1mmol)を、ジメチルスルホキシド(1.10mL、15.5mmol)の0℃のクロロホルム(15mL)溶液に滴下し、この温度で30分間攪拌した。(−)−(IR,6R)−6−(2−ブロモフェニル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸(4.24g、15.1mmol;1,3−ブタジエンと2−ブロモケイ皮酸との間のディールス−アルダー反応によるラセミ付加体[Morin,R.;Manuel,C.;Mazmanian,C.Eur.J.Med.Chem.1976,11,493−499、を参照]の(R)−フェネチルアミンを用いる分割により、93%eeで調製、[□]=−62°(c=1.0、CHCl))を固体として加え、室温で1時間攪拌し、その後、ジイソプロピルエチルアミン(2.65mL、15.2mmol)を0℃で加え、24時間還流した。次に、反応容器の内容物をrtまで冷却し、酢酸エチルで希釈して、順次、水、5%HCl、水および塩水(brine)で洗い、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。真空で濃縮することにより、油状の固体として、(IR,2R,4R,5S)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オンを得た。
【0149】
新たに調製したナトリウムメトキシド(メタノール中0.45M)を、(IR,2R,4R,5S)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(5.43g、15.1mmol)のメタノール(20mL)溶液に加え、室温で1.5時間攪拌した。次に、この混合物を0.5MのHCl(50ml)で処理し、減圧下に回転エバポレーターによりメタノールを除去した。残留物を、水と酢酸エチルとの間で分配させ、相分離させた。水性相をさらなる酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を、水、5%NaCO(2×75mL)および塩水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮して、エーテル/ヘキサンに微細分散させた後、薄い黄色の固体として、メチル(1R,2R,4R,5S)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレートを得た。
【0150】
新たに調製したジョーンズ試薬(2.7M、7.0mL)を、(1R,2R,4R,5S)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−5−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレート(2.50g、6.38mmol)の0℃のアセトン(25mL)溶液に加え、室温で40分間攪拌した。次に、この混合物を水で希釈し、エーテル(3×)で抽出した。合わせた抽出物を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および塩溶液で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮して、無色の濃厚なシロップとして、メチル(1R,2R,4R)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−5−オキソシクロヘキサンカルボキシレートを得た。
【0151】
KHPOの1M溶液(32mL)を、THF(58mL)中のメチル(1R,2R,4R)−4−ブロモ−2−(2−ブロモフェニル)−5−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(2.49g、6.38mmol)と亜鉛ダスト(21g、330mmol)のスラリに加え、室温で激しく1時間攪拌した。次に、混合物を濾過し(Celite)、酢酸エチルおよび/または水でパッドをよく洗った。濾過液を分液漏斗に移し、振り、相分離させた。有機相を塩水で洗い乾燥した(NsSO)。真空で濃縮して、無色の固体として、メチル(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5−オキソシクロへキサンカルボキシレートを得た。
【0152】
メチル(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5−オキソシクロへキサンカルボキシレート(1.69g、5.46mmol)のCHCl(23mL)溶液を、−20℃で攪拌しながら、メタノール(22□L、10mol%)およびジメチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)(1.73mL、13.1mmol)で処理し、1.5時間かけて室温までゆっくりと温め、室温で30分間さらに攪拌した。飽和炭酸水素溶液を0℃で注意しながら加えることにより、過剰の試薬を失活させた。次に、反応容器内容物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮して、茶色の濃厚なシロップとして、メチル(IR,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキシレートを得た。
【0153】
水酸化リチウムの2M水溶液(26mL)を、メチル(IR,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキシレート(1.81g、5.46mmol)のメタノール(20mL)とTHF(10mL)の混合物の溶液に加え、室温で15時間激しく攪拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、エーテルで抽出し、その後、2MのHClでpH2の酸性にし、続いて、酢酸エチル(2×)で抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせて、塩水で洗い、乾燥し(NaSO)、濃縮して、黄褐色の発泡体として、(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸を得た。
【0154】
N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中の、(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(820mg、2.58mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(1.49g、2.86mmol)およびアミノアセトニトリル塩酸塩(530mg、5.73mmol)の混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.26mL,9.04mmol)で処理した。得られたスラリを室温で2.5時間攪拌し、次に、水に注ぎ、酢酸エチル(×3)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮し、残留物を、2/3 EtOAc/ヘキサンにより溶離させるシリカでのクロマトグラフィーにかけて、薄い黄色の発泡体として、(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミドを得た。
【0155】
(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド(579mg、1.62mmol)、4−(メチルチオ)フェニルホウ酸(342mg、2.04mmol)、PdCl(dppf)CHCl(68mg、0.083mmol)および2.0MのNaCO水溶液(1.22mL、2.44mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4.6mL)中、窒素雰囲気下に85℃に加熱した。この温度で17時間後に、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水の間で分配させ、相分離させた。水性相をさらなる酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を塩水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮し、残留物を、35/65 EtOAc/ヘキサンにより溶離させるシリカでのクロマトグラフィーにかけて、薄い黄色の発泡体として表題の化合物を得た。[□□]=−10°(c=1.2、CHCl)、MS(−ESI):399.2[M−H]
【0156】
(実施例2)
(IR,2R)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフロオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミドの合成
【0157】
【化19】

【0158】
N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中の、実施例1による、(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(820g、2.58mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロフォスフェイト(1.48g、2.85mmol)および1−アミノシクロプロパンカルボニトリル塩酸塩(674mg、5.68mmol)を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.26mL,9.04mmol)で処理した。得られたスラリを室温で2.5時間攪拌し、次に、水に注ぎ、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮し、残留物を、38/62 EtOAc/ヘキサンにより溶離させるシリカでのクロマトグラフィーにかけて、薄い黄色の固体として、(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミドを得た。
【0159】
(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド(518mg、1.35mmol)、4−(メチルチオ)フェニルホウ酸(285mg、1.70mmol)、PdCl(dppf)CHCl(61mg、0.075mmol)および2.0MのNaCO水溶液(1.02mL、2.04mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)中、窒素雰囲気下に85℃に加熱した。この温度で17時間後に、反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルと水の間で分配させ、相分離させた。水性相をさらなる酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を塩水で洗い、乾燥した(NaSO)。真空で濃縮し、残留物を、30/70 EtOAc/ヘキサンにより溶離させるシリカでのクロマトグラフィーにかけて、薄い黄色の発泡体として表題の化合物を得た。[□□]=−41°(c=0.95、CHCl)、MS(−ESI):425.3[M−H]
【0160】
(実施例3)
(1R/S,2R/S)−N−(シアノメチル)−5,5−ジクロロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミドの合成
【0161】
【化20】

【0162】
実施例1による、メチル(1R/S,2R/S2)−(2−ブロモフェニル)−5−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(663mg、2.13mmol)のトルエン(1.5mL)溶液を攪拌しながら、PCl(1.1g、5.3mmol)で処理し、室温で4時間攪拌した。次に、2Mの水酸化ナトリウム溶液を、0℃に冷却しながら、注意して加えた。混合物を水とエーテルとの間で分配させ、相分離させた。水性相をさらなるエーテルで抽出し、合わせた抽出物を水と塩水で洗い、MgSOで乾燥した。真空で濃縮して、残留物を、5/95 EtOAc/ヘキサンにより溶離させるシリカでのクロマトグラフィーにかけて、無色の固体として、メチル(1R/S,2R/S)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジクロロシクロヘキサンカルボキシレートを得た。
【0163】
メチル(1R,2R)−2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキシレートから、(1R,2R)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミドを調製するのに用いた手法(実施例1参照)に従って、メチル(1R/S,2R/S)−2−(2ブロモフェニル)−5,5−ジクロロシクロヘキサンカルボキシレートから、無色の固体として、表題の化合物(MS(+ESI):433.1[M+H])を調製した。
【0164】
(実施例4)
N−(シアノメチル)−5,5−ジフロオロ−2−{1−メチル−3−[4−(メチルチオ)フェニル]−1h−ピラゾール−4−イル}シクロヘキサンカルボキサミドの合成
【0165】
【化21】

【0166】
4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(1.00g、5.29mmol)、マロン酸(825md、7.94mmol)およびピペリジン(0.12mL、1.2mmol)の、ピリジン(0.60mL)溶液を、3時間加熱還流した。次に、混合物を10%のHClに注ぎ、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた抽出物を、乾燥し(NaSO)、真空で濃縮して、無色の固体として、(2E)−3−(4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)プロパ−2−エン酸を得た。
(−)−(1R,6R)−6−(2−ブロモフェニル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と1,3−ブタジエンから、(1R,2R)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミドを調製するのに用いられた手法(実施例1参照)に従って、(2E)−3−(4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)プロパ−2−エン酸から、無色の発泡体として表題の化合物(MS(+ES1):405.2[M+H])を得た。
【0167】
(実施例5〜31)
以下の化合物をこれまでの実施例に記載されたものに類似の方法を用いて調製した。
【0168】
【表1】








【0169】
医薬組成物
本発明の具体実施形態として、100mgの、(1R,2R)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロへキサンカルボキサミドを、十分細かく砕いたラクトースと共に処方し、全量で580から590gmgを得て、サイズ0のハードゼラチンカプセルに充填する。
【0170】
本出願に開示された化合物は、以下のアッセイにおいて活性を示した。さらに、本出願に開示された化合物では、これまでに開示された化合物に比べて、薬理学的特性が向上している。
【0171】
カテプシンKアッセイ
500μMから0.0085μMまでの試験化合物の系列希釈(1/3)をジメチルスルホキシド(DMSO)で調製した。次に、各希釈液からの2μLのDMSOを50μLのアッセイバッファ(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;DTT、2.5mMおよび10%DMSO)と、25μLのアッセイバッファ溶液中のヒトカテプシンK(0.4nM)に加えた。アッセイ溶液をプレートシェーカー上で5〜10秒間混合し、室温で15分間インキュベーションを行った。25μLのアッセイバッファ中のZ−Leu−Arg−AMC(8μM)をアッセイ溶液に加えた。クマリン脱離基(AMC)の加水分解を、10分間、分光蛍光分析(Exλ=355nm;Emλ=460nm)により追跡した。阻害パーセントを、投薬と応答の曲線に対する標準的な数学的モデルへの実験値のフィッティングにより計算した。
【0172】
カテプシンLアッセイ
500μMから0.0085μMまでの試験化合物の系列希釈(1/3)をジメチルスルホキシド(DMSO)で調製した。次に、各希釈液からの2μLのDMSOを50μLのアッセイバッファ(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;DTT、2.5mMおよび10%DMSO)と、25μLのアッセイバッファ溶液中のヒトカテプシンL(0.5nM)に加えた。アッセイ溶液をプレートシェーカー上で5〜10秒間混合し、室温で15分間インキュベーションを行った。25μLのアッセイバッファ中のZ−Leu−Arg−AMC(8μM)をアッセイ溶液に加えた。クマリン脱離基(AMC)の加水分解を、10分間、分光蛍光分析(Exλ=355nm;Emλ=460nm)により追跡した。阻害パーセントを、投薬と応答の曲線に対する標準的な数学的モデルへの実験値のフィッティングにより、計算した。
【0173】
カテプシンBアッセイ
500μMから0.0085μMまでの試験化合物の系列希釈(1/3)をジメチルスルホキシド(DMSO)で調製した。次に、各希釈液からの2μLのDMSOを50μLのアッセイバッファ(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;DTT、2.5mMおよび10%DMSO)と、25μLのアッセイバッファ溶液中のヒトカテプシンB(4.0nM)に加えた。アッセイ溶液をプレートシェーカー上で5〜10秒間混合し、室温で15分間インキュベーションを行った。25μLのアッセイバッファ中のZ−Leu−Arg−AMC(8μM)をアッセイ溶液に加えた。クマリン脱離基(AMC)の加水分解を、10分間、分光蛍光分析(Exλ=355nm;Emλ=460nm)により追跡した。阻害パーセントを、投薬と応答の曲線に対する標準的な数学的モデルへの実験値のフィッティングにより、計算した。
【0174】
カテプシンSアッセイ
500μMから0.0085μMまでの試験化合物の系列希釈(1/3)をジメチルスルホキシド(DMSO)で調製した。次に、各希釈液からの2μLのDMSOを50μLのアッセイバッファ(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;DTT、2.5mMおよび10%DMSO)と、25μLのアッセイバッファ溶液中のヒトカテプシンS(20nM)に加えた。アッセイ溶液をプレートシェーカー上で5〜10秒間混合し、室温で15分間インキュベーションを行った。25μLのアッセイバッファ中のZ−Leu−Arg−AMC(8μM)をアッセイ溶液に加えた。クマリン脱離基(AMC)の加水分解を、10分間、分光蛍光分析(Exλ=355nm;Emλ=460nm)により追跡した。阻害パーセントを、投薬と応答の曲線に対する標準的な数学的モデルへの実験値のフィッティングにより、計算した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式の化合物またはその薬学的に許容される塩、立体異性体もしくはN−オキシド誘導体。
【化1】

[式中、
は、水素、C1〜6アルキルもしくはC2〜6アルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニル基は、C3〜6シクロアルキル、−SR、−SR、−SOR、−SOR、−SO、−SO、−SOCH(R)(R)、−OR、−OR、−N(R、1から6個のハロ、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルにより場合によっては置換されており、前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロル基は、C1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素、C1〜6アルキルもしくはC2〜6アルケニルであり、前記アルキルおよびアルケニル基は、C3〜6シクロアルキル、−SR、−SR、−SOR、−SOR、−SO、−SO、−SOCH(R)(R)、−OR、−OR、−N(R、1から6個のハロ、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルにより場合によっては置換されており、前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロル基は、C1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されているか;あるいは
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリル環を形成していてもよく、前記環系は、C1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルおよびハロからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されており;
各Rは、水素、ハロおよびC1〜2アルキルからなる群から独立に選択され、前記アルキル基は、ハロにより場合によっては置換されているか;あるいは
2個のR基が、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜4シクロアルキル環を形成していてもよく、前記の基はハロにより場合によっては置換されており;
Dは、C1〜3アルキル、C2〜3アルケニル、C2〜3アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記の各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、単環でも2環でもよく、C1〜6アルキル、ハロアルキル、ハロ、ケト、アルコキシ、−SR、−SR、−OR、−OR、−N(R、−SOおよび−SOからなる群から独立に選択される1から5個の置換基により、炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
Eは、C2〜3アルケニル、C2〜3アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記の各アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、単環でも2環でもよく、C1〜6アルキル、ハロアルキル、ハロ、ケト、アルコキシ、−SR、−SR、−OR、−OR、N(R、−SOおよび−SOからなる群から独立に選択される1から5個の置換基により、炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルオキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(O)OR、−C(O)OSi[CH(CH、−OR、−OR、−C(O)R、−RC(O)R、−C(O)R、−C(O)N(R)(R)、−C(O)N(R)(R)、−C(O)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−SO、−SO、RSR、−R、−C(R、−C(R)(R)N(R、NRC(O)NRS(O)、−SON(R)(R)、−SOCH(R)(R)、−SO(C1〜6アルキル)C(O)(C0〜6アルキル)NR10、−SO(C1〜6アルキル)N(R10、−SO(C1〜6アルキル)R10;−SO(C3〜8シクロアルキル)R10;−SON(R)C(O)(R)、−SO(R)C(O)N(R、−OSO、−N(R)(R)、−N(R)C(O)N(R)(R)、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)SO(R)、−C(R)(R)NRC(R)(R)R、−C(R)(R)N(R)R、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)SC(R)(R)(R)、RS−、−C(R)(R)NrC(R)(R)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)C(R)(R)N(R)(R)、−C(O)C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)N(R)C(O)R、−C(O)C(R)(R)S(R)、C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−B(OH)、−OCHO−または4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル;
であり;前記の基は、C1〜6アルキル、ハロ、ケト、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−OR、−NO、−NH、−NHS(O)、−RSO、−SO、−SO(R)、−SR、−SR、−SON(R)(R)、−SON(R)C(O)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−COOH、−C(O)(O)(R)、−C(O)(O)C(R、−C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−C(O)(R)、−N(R)C(R)(R)(R)、−N(R)CO(R)、−NH(CHOH、−NHC(O)OR、−Si(CH、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜4アルキル)ヘテロアリールおよび(C1〜4アルキル)アリール;
からなる群から独立に選択される1から5個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されており;
は、水素、アリール、アリール(C1〜4)アルキル、(C1〜4アルキル)アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1〜4)アルキル、(C1〜4アルキル)ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキル(C1〜4)アルキル、もしくはヘテロシクリル(C1〜4)アルキルであり、前記の基は、ハロ、アルコキシおよび−SOからなる群から独立に選択される1、2または3個の置換基により場合によっては置換されていてもよく;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキルは、ハロ、アルコキシ、シアノ、−N(R)(R)および−SRからなる群から独立に選択される1、2、3個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり;
10は、水素、C1〜6アルキル、シアノ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、SOヘテロアリール、(C=N)O(C1〜6アルキル)もしくは(C1〜6アルキル)NH(SO)ヘテロアリールであり;
は、水素、C1〜6アルキル、(C1〜6アルキル)アリール、(C1〜6アルキル)ヒドロキシル、−O(C1〜6アルキル)、ヒドロキシル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記のアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、C1〜6アルキルもしくはハロから独立に選択される、1、2または3個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されていてもよく;
は、水素、C1〜6アルキル、(C1〜6アルキル)アリール、(C1〜6アルキル)ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルもしくはヘテロシクリルであり、前記のアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3〜8シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、C1〜6アルキルもしくはハロから独立に選択される、1、2または3個の置換基により炭素上もしくはヘテロ原子上で場合によっては置換されていてもよく;あるいは、
およびRは、それらが結合しているか、あるいはそれらの間にある炭素原子と一緒になってC3〜8シクロアルキル環もしくはC3〜8ヘテロシクリル環を形成していてもよく、前記の3〜8員環系は、C1〜6アルキルおよびハロから独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されていてもよく;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキル基は、ハロおよび−ORからなる群から独立に選択される、1、2または3個の置換基により場合によっては置換されており;
は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、このアルキルはハロおよび−ORからなる群から独立に選択される、1、2または3個の置換基により場合によっては置換されているか;あるいは
およびRは、それらが結合しているか、あるいはそれらの間にある窒素原子と一緒になってC3〜8ヘテロシクリル環を形成していてもよく、この環はC1〜6アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびケトからなる群から独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されていており;
nは1から3の整数であり;
mはゼロから2の整数であり;
pは1から3の整数である。]
【請求項2】
nが2である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Dがアリールもしくはヘテロアリールであり、Eがアリールもしくはヘテロアリールである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
各Rが水素またはハロから独立に選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、−SO、−SO、−RSR、SON(R)(R)、−SOCH(R)(R)、−SO(C1〜6アルキル)C(O)(C0〜6アルキル)NR10、−SO(C1〜6アルキル)N(R10、−SO(C1〜6アルキル)R10、−SO(C3〜8シクロアルキル)R10、−SON(R)C(O)(R)もしくは−SO(R)C(O)N(Rであり;前記の基が、C1〜6アルキル、ハロ、ケト、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、−OR、−OR、−NO、−NH、−NHS(O)、−RSO、−SO、−SO(R)、−SR、−SR、−SON(R)(R)、−SON(R)C(O)(R)、−C(R)(R)N(R)(R)、−C(R)(R)OH、−COOH、−C(O)(O)(R)、−C(O)(O)C(R、−C(R)(R)C(O)N(R)(R)、−C(O)(R)、−N(R)C(R)(R)(R)、−N(R)CO(R)、−NH(CHOH、−NHC(O)OR、−Si(CH、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜4アルキル)ヘテロアリールおよび(C1〜4アルキル)アリール
からなる群から独立に選択される1から5個の置換基により炭素上またはヘテロ原子上で場合によっては置換されている請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
が水素であり、Rが水素であるか、または、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜8シクロアルキル環を形成しており、前記環系は、C1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルもしくはハロから独立に選択される1または2個の置換基により場合によっては置換されている請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
以下から選択される請求項1に記載の化合物、あるいは、その薬学的に許容される塩または立体異性体:
2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[4’−(ベンジルオキシ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ビニル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−シクロプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[5−(メチルスルホニル)−4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(1−シアノシクロプロピル)−5,5−ジフルオロ−2−[5−(メチルスルホニル)−4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{4’−[(フルオロメチル)チオ]−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−メチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−エチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−プロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−イソプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソプロピル−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−クロロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−クロロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボン酸;
2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸;
N−(シアノメチル)−2−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2’−エトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−エトキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−イソプロポキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソプロポキシ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−フェノキシ−1,1’−ビフェニル−2イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[2’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[3’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(エチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−アミノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(ジメチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(3’−ニトロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[3’−(アセチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−イソブチル−1,1’−ビフェニル−2イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−ピリジン−4−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−キノリン−8−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[2−(2−メトキシピリミジン−5−イル)フェニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−ピリジン−3−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−チエン−3−イルフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−アセチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(1,1’:2’,1”−ターフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(4’−シアノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3’−シアノ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
6−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキス−3−エン−1−カルボキサミド;
2−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
tert−ブチル4−[3’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}シクロヘキシル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート;
N−(シアノメチル)−2−(4’−ピペラジン−1−イル−1,1’−ビフェニル−3−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)−4−メチルシクロペンタンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5フェニル−1,3−オキサゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(5−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−フェニルシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジクロロ−2−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{1−メチル−3−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
6−(2−ブロモフェニル)−N−(シアノメチル)スピロ[2.5]オクタン−5−カルボキサミド;
2−(3−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−6−[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]スピロ[2.5]オクタン−5−カルボキサミド;
2−(2−ブロモフェニル)−5,5−ジクロロ−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(3−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5,5−ジクロロ−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{(Z)−2−[4−(メチルチオ)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{2−[4−(メチルチオ)フェニル]エチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{(Z)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−((Z)−2−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エテニル)シクロヘキサンカルボキサミド;N−(シアノメチル)−2−{(E)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]エテニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(2−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−エチニルシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(メチルチオ)フェニル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(メチルスルホニル)フェニル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−({4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}エチニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−(フェニルエチニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(4−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−4−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4’−(メチルチオ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[(3−フルオロフェニル)エチニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(3−クロロフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[(4−ピリジン−4−イルフェニル)エチニル]シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(3−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−[(2−ブロモフェニル)エチニル]−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1,1’−ビフェニル−2−イルエチニル)−N−(シアノメチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{[4−(6−メトキシピリジン−2−イル)チエン−3−イル]エチニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−{4’−[(シアノメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(2−アミノ−2−オキソエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−2−[4’−({2−[(シアノメチル)アミノ]−2−オキソエチル}チオ)ビフェニル−2−イル]−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(2−ピリジン−2−イルエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−3−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(ピリジン−4−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−6−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−イミダゾール−4−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({[1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]メチル}チオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1H−イミダゾール−2−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[(1−メチルピペリジン−4−イル)メチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−(1−メチルピペリジン−4−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[2’−フルオロ−4’−(メチルチオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(2−ピリジン−4−イルエチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({2−[(ピリジン−2−イルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{[2−((ピリジン−2−イルスルホニル){2−[(ピリジン−2−イルスルホニル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−{4’−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}シクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1−シアノシクロプロピル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
メチル1−{[2’−(2−{[(シアノメチル)アミノ]カルボニル}−4,4−ジフルオロシクロヘキシル)ビフェニル−4−イル]チオ}シクロプロパンカルボキシイミデート;
2−(4’−{[2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エチル]チオ}ビフェニル−2−イル)−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
2−{4’−[(1H−ベンズイミダゾール−7−イルメチル)チオ]ビフェニル−2−イル}−N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−[4’−({2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}チオ)ビフェニル−2−イル]シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5,5−ジフルオロ−2−(4’−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ビフェニル−2−イル)シクロヘキサンカルボキサミド。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、立体異性体もしくはN−オキシド誘導体と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、骨パジェット病、異常に速い骨の代謝回転、歯周疾患、歯の喪失、骨折、関節リウマチ、骨関節炎、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全症、アテローム性動脈硬化、肥満、慢性閉塞性肺疾患、転移性の骨病、悪性高カルシウム血症もしくは多発性骨髄腫の治療のために有用な、治療を必要としている哺乳動物における治療薬の調製における請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、立体異性体もしくはN−オキシド誘導体の使用。(治療有効量の請求項1に記載の化合物)
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、立体異性体もしくはN−オキシド誘導体と、以下からなる群:有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、エストロゲン受容体βモジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPaseの阻害剤、HMG−CoAレダクターゼの阻害剤、インテグリン受容体アンタゴニスト、骨芽細胞のアナボリック剤、非ステロイド抗炎症剤、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン−1βの阻害剤、LOX/COX阻害剤、およびこれらの薬学的に許容される塩と混合物;から選択される別の薬剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
治療を必要としている哺乳動物における、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、骨パジェット病、異常に速い骨の代謝回転、歯周疾患、歯の喪失、骨折、関節リウマチ、骨関節炎、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全症、アテローム性動脈硬化、肥満、慢性閉塞性肺疾患、転移性の骨病、悪性高カルシウム血症もしくは多発性骨髄腫の治療のために有用な治療薬の調製における請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、立体異性体またはN−オキシド誘導体と、以下からなる群:有機ビスホスホネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、破骨細胞プロトンATPaseの阻害剤、HMG−CoAレダクターゼの阻害剤、インテグリン受容体アンタゴニスト、骨芽細胞のアナボリック剤、非ステロイド抗炎症剤、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン−1βの阻害剤、LOX/COX阻害剤、およびこれらの薬学的に許容される塩と混合物;から選択される別の薬剤との使用。

【公表番号】特表2007−505031(P2007−505031A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517916(P2006−517916)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000948
【国際公開番号】WO2005/000800
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】