説明

クラッチ装置及び該クラッチ装置を備えた自動二輪車

【課題】隙間管理を精度良く行うことによって、安定した制動タイミングが得られるクラッチ装置を提供する。
【解決手段】クランクケース18側に設けられた支持部材51により制動部材52を支持し、該制動部材52をプレッシャプレート37の外表面に所定の隙間tをあけて対向するよう配置し、操作機構によりプレッシャプレート37をクラッチ切断方向cに移動させたとき該プレッシャプレート37に前記制動部材52が摺接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン動力を車輪に伝達又は遮断するようにした多板式のクラッチ装置及び該クラッチ装置を備えた自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動二輪車では、発進時,変速時にクラッチ装置の切断操作を行うときに生じるシフトショックを低減するようにしたクラッチ装置を備える場合がある。例えば、特許文献1では、クランクケースに取り付けられたクラッチカバーに円板状の制動部材を、プレッシャプレートに所定の隙間をあけて対向するよう取り付け、クラッチ切断操作により該プレッシャプレートが移動したときに前記制動部材に摺接するようにしている。
【特許文献1】特開2000−230573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来のクラッチ装置では、制動部材をクラッチカバーに取り付ける構造を採用しており、このため制動部材とクランクケースに配置されたプレッシャプレートとの隙間管理に対する精度が低く、安定した制動タイミングが得られないという懸念がある。
【0004】
即ち、クラッチカバーはガスケットを介在させてクランクケースの合面に取り付けられることから、クランクケースに対するクラッチカバーの位置精度を確保しにくく、このため制動部材とプレッシャプレートとの隙間を精度良く管理することが難しくなる。その結果、クラッチ切断時の制動タイミングにばらつきが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、前記従来の実情に鑑みてなされたもので、隙間管理を精度良く行うことができ、安定した制動タイミングが得られるクラッチ装置及び該クラッチ装置を備えた自動二輪車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入力軸により回転駆動され、アウタプレートが係止されたアウタハウジングと、クランクケースにより回転自在に支持された出力軸の該クランクケースから突出する部分に共に回転するよう装着され、前記アウタプレートと交互に配置されたインナプレートが係止されたインナハウジングと、前記アウタプレートとインナプレートを圧接させるプレッシャプレートと、該プレッシャプレートを前記圧接方向と反対方向に移動させる操作機構とを備えたクラッチ装置であって、前記クランクケースに設けられた支持部材により制動部材を支持し、該制動部材を前記プレッシャプレートの外表面に所定の隙間をあけて対向するよう配置し、前記操作機構によりプレッシャプレートをクラッチ切断方向に移動させたとき該プレッシャプレートに前記制動部材が摺接することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るクラッチ装置によれば、クランクケースに設けられた支持部材により制動部材を支持し、該制動部材をプレッシャプレートに所定隙間をあけて対向するよう配置したので、制動部材をプレッシャプレートと共通のクランクケースに取り付けたこととなり、該制動部材とプレッシャプレートとの隙間管理を容易にかつ精度良く行うことができ、クラッチ切断時に安定した制動タンミングを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1ないし図6は、本発明の一実施形態によるクラッチ装置を備えた自動二輪車を説明するための図である。なお、本実施形態の説明のなかで前後,左右という場合は、特記なき限り、シートに着座した状態で見た場合の前後,左右を意味する。
【0010】
図において、1は本実施形態のクラッチ装置15を備えた自動二輪車を示している。該自動二輪車1は、アンダーボーン型の車体フレーム2と、該車体フレーム2に懸架支持されたエンジンユニット3と、前記車体フレーム2のエンジンユニット3の上方に配設された鞍乗型のシート4と、該車体フレーム2の前端部に左,右操向可能に支持され、下端部に前輪5が上端部に操向ハンドル6が配設されたフロントフォーク7と、前記車体フレーム2の後端部に上下揺動可能に支持され、後端部に後輪8が配設されたリヤアーム9とを備えている。
【0011】
前記車体フレーム2は車体カバー10で覆われており、前記操向ハンドル6はハンドルカバー11で覆われている。
【0012】
前記エンジンユニット3は、エンジン本体3aと、前記クラッチ装置15と、変速装置16とを一体化した構造を有する。
【0013】
エンジン本体3aは、クランクケース18の上合面18aにシリンダブロック19,シリンダヘッド20,ヘッドカバー21を積層して接続した構造を有し、該シリンダヘッド20の後壁部には吸気装置22が、前壁部には排気装置23がそれぞれ接続されている。
【0014】
前記クランクケース18内には、車幅方向に向けて配置されたクランク軸24と、該クランク軸24の後側に配置された前記変速装置16とが収容されている。
【0015】
また前記クランクケース18の車幅方向右側合面18bには、前記クラッチ装置15を収容するクラッチカバー28が不図示のガスケットを介在させてボルト締め固定されている。
【0016】
前記クランクケース18の左,右側壁部18cには、クランクボス孔18dが形成されている。前記クランク軸24は、該左,右のクランクボス孔18dに軸受29を介して支持されている。
【0017】
前記クランク軸24の軸方向右側端部24aは、前記右側壁部18cからクラッチカバー28内に突出しており、該右側端部24aには、減速小ギヤ30が共に回転するようキー嵌合により結合されている。
【0018】
前記変速装置16は、クランク軸24と平行に配置されたメイン軸27及びドライブ軸(不図示)とを有する。前記メイン軸27には、複数の変速入力ギヤ26a,26b,26cが装着され、前記ドライブ軸には前記変速入力ギヤ26a〜26cに噛合する不図示の変速出力ギヤが装着されている。
【0019】
シフトペダルの切り替え操作により、中央に位置する変速入力ギヤ26bが軸方向に移動し、エンジン回転が低速段から高速段の間で切り替えられ、ドライブ軸から動力伝達機構(不図示)を介して前記後輪5に伝達される。
【0020】
前記メイン軸27は、前記クランクケース18の左,右側壁部18cに形成された変速ボス孔18eに変速軸受31を介して支持されている。
【0021】
該メイン軸27の軸方向右側端部27aは、右側壁部18cからクラッチカバー28内に突出しており、該右側端部27aに前記クラッチ装置15が配設されている。
【0022】
前記クラッチ装置15は、前記クランク軸(入力軸)24により回転駆動され、複数のアウタプレート33が係止されたアウタハウジング34と、前記メイン軸(出力軸)27の右側端部27aに共に回転するよう装着され、前記アウタプレート33と交互に配置された複数のインナプレート35が係止されたインナハウジング36と、前記アウタプレート33とインナプレート35とを圧接させるプレッシャプレート37と、該プレッシャプレート37を前記圧接方向と反対方向に移動させる操作機構(不図示)とを備えている。該操作機構は、前記操向ハンドル6に配設されたクラッチレバーである。
【0023】
前記アウタハウジング34は、メイン軸27のインナハウジング36の軸方向内側に相対回転自在に装着されており、該アウタハウジング34には、ダンパクラッチ38を介在させて前記減速小ギヤ30に噛合する減速大ギヤ39が共に回転するよう結合されている。
【0024】
前記インナハウジング36は、アウタハウジング34内に配置され、前記メイン軸27にスプライン嵌合され、ロックナット40により軸方向移動不能に固定されている。
【0025】
前記プレッシャプレート37は、メイン軸27と同軸をなすようインナハウジング36の軸方向外側に、かつ該インナハウジング36と共に回転するよう配置され、その外周部37aが前記アウタプレート33に対向するよう配置されている。
【0026】
前記プレッシャプレート37には、4つのばね受け筒部37bが周方向に所定角度間隔をあけて、かつインナハウジング36側に突出するよう形成されている。また前記インナハウジング36にはインナボス部36aが形成されており、該各インナボス部36aは前記各ばね受け筒部37b内に挿入されている。
【0027】
前記各インナボス部36aの外端面には、ワッシャ41がボルト42により取り付けられており、該ワッシャ41とばね受け筒部37bの底部との間には、プレッシャプレート37をインナハウジング36側に常時付勢するクラッチばね43が介設されている。該クラッチばね43により、各アウタプレート33,インナプレート35は、インナハウジング36とプレッシャプレート37とで互いに圧接するよう挟持されている。
【0028】
これにより、クランク軸24の回転は、減速小ギヤ30,減速大ギヤ39により減速され、アウタハウジング34からアウタプレート33,インナプレート35を介してインナハウジング36に伝達され、該インナハウジング36と共にメイン軸27が回転する。
【0029】
前記プレッシャプレート37の中心部には支持孔37cが形成され、該支持孔37c内には、軸受45を介在させてプレッシャロッド44が挿入されている。該プレッシャロッド44は、メイン軸27と同軸をなすよう配置されている。
【0030】
前記プレッシャロッド44は、前記クラッチカバー28の内側壁に形成された円筒状のプレッシャボス部28a内に挿入され、該プレッシャボス部28aにより軸方向に移動可能に支持されている。
【0031】
前記プレッシャロッド44には、軸直角方向に延びるクラッチカム46が係合しており、該クラッチカム46は前述のクラッチレバーにクラッチケーブル(不図示)を介して連結されている。
【0032】
前記クラッチレバーを握ると、クラッチカム46が図4の矢印a方向に回動し、プレッシャロッド44がクラッチばね43の付勢力に抗して軸方向外側に移動する。これによりプレッシャプレート37が圧接方向と反対方向のクラッチ切断方向cに移動し、アウタプレート33とインナプレート35との圧接が開放され、クラッチ切断状態となる。このクラッチ切断操作に続いて、前述のシフトペダルを操作して何れかの変速段に切り替えることとなる。
【0033】
前記クラッチ装置15は、クラッチ切断時にプレッシャプレート37に制動力を付与する2つの制動機構50を備えている。各制動機構50は、プレッシャプレート37の中心を通る直線D上に対称をなすよう配置されている(図3参照)。
【0034】
前記制動機構50は、クランクケース18に設けられた支持部材51により制動部材52を支持し、該制動部材52をプレッシャプレート37の外周部37aに対向するよう配置し、前記クラッチレバーの切断操作によりプレッシャプレート37を前記クラッチ切断方向cに移動させたとき、該プレッシャプレート37の外周部37aに前記制動部材52が摺接するよう構成されており、詳細には以下の構造を有する。
【0035】
図5,図6に示すように、前記支持部材51は、前記クランクケース18の右側壁部18cに固定された固定ピン53と、該固定ピン53に軸方向にスライド可能に支持された棒状の作動シャフト54と、該作動シャフト54を制動方向bに付勢するばね55とを備えている。
【0036】
前記固定ピン53は、メイン軸27と平行となるように配置され、前記右側壁部18cに形成された孔18fに圧入又は溶接により固定されている。
【0037】
前記作動シャフト54は、前記右側壁部18cに当接するベース部54aと、該ベース部54aから車幅方向右外方に延びるシャフト部54bとを有する。該シャフト部54bには軸方向に延びる支持孔54cが形成され,該支持孔54c内に前記固定ピン53が相対移動可能に挿入されている。
【0038】
前記ベース部54aには、ボルト挿通孔54dが形成され、該ボルト挿通孔54dには支持ボルト56が相対移動可能に挿入され、該支持ボルト56は前記クランクケース18に形成されたねじ孔18gに締め付け固定されている。該支持ボルト56とベース部54aとの間に前記ばね55が介設されている。
【0039】
ここで、前記支持ボルト56とばね55との間に、ワッシャ57をこれの板厚,枚数を選定して介在させることにより、ばね55の付勢力,つまりプレッシャプレート37への制動力が調整可能となっている。
【0040】
前記制動部材52は、前記作動シャフト54の外端部に取り付けられ、該作動シャフト54からプレッシャプレート37の外周部37aに所定の隙間tをあけて対向するよう延びる短冊板状のアーム部52aと、該アーム部52aのプレッシャプレート対向面に取り付けられた摩擦板52bとを有する。ここで、前記隙間tは、クラッチ切断操作によりプレッシャプレート37が移動開始すると略同時に摩擦板52bと外周部37aが摺接する間隔に設定されている。
【0041】
前記アーム部52aは、アーム固定ボルト59によりシャフト部54bの外端面に回り止めピン58を介在させて締結固定されている。
【0042】
このようにして制動部材52は、前記支持部材51により軸方向にスライド可能にかつ制動方向bに付勢されて支持されている。
【0043】
クラッチレバーの切断操作により、プレッシャプレート37がクラッチ切断方向cに移動すると、略同時に制動部材52がプレッシャプレート37の外周部37aに摺接し、該プレッシャプレート37がさらにクラッチ切断位置(図4,図6の二点鎖線参照)に移動すると、ばね55の付勢力に抗して制動部材52が作動シャフト54とともにdだけスライドする。これによりプレッシャプレート37にばね22の付勢力に応じた制動力が加わり、インナハウジング36ひいてはメイン軸27の回転が抑えられ、シフト切り替え時の噛み合い音やシフトショックが軽減される。
【0044】
図7は、本実施形態の制動機構による効果を検証するために行った試験結果を示す特性図である。この試験では、前述のワッシャ57として、板厚1.4mm(曲線B)、1.6mm(曲線C)のものを使用してばね55のばね力、ひいては制動力を変化させ、アイドリング運転状態(730rpm)から、クラッチの切断操作をしたときのメイン軸の回転数の変化を測定した。また比較するために、制動機構を備えていない場合についても同様の測定した(曲線A)。
【0045】
同図からも明らかなように、制動機構を備えていない場合は、クラッチを切ると、メイン軸は惰性で回転し、回転数が徐々に下がり、例えば600rpmまで下がるのに1.2秒を要している。
【0046】
これに対して、本実施形態の制動機構を備えた場合には、メイン軸の回転は、クラッチを切ると略同時に急激に下がっていることが分かる。例えば600rpmまで下がるのに、曲線Bでは0.45秒程度、曲線Aでは0.3秒程度の短時間で済んでいる。
【0047】
このように本実施形態によれば、クランクケース18に取り付けられた支持部材51により制動部材52を支持し、該制動部材52をプレッシャプレート37に所定の隙間tをあけて対向するよう配置したので、つまり制動部材52及びプレッシャプレート37の両方共をクランクケース18側に取り付けることによって、該制動部材52とプレッシャプレート37との隙間tの管理を容易にかつ精度良く行うことができ、クラッチ切断操作と略同時にプレッシャプレート37を制動することができ、素早い制動タンミングを得ることができる。その結果、変速段の切替時に異音やシフトショックが生じるのを低減できる。
【0048】
本実施形態では、制動部材52を、支持部材51により軸方向にスライド可能にかつ制動方向bに付勢させて支持したので、ワッシャ57の厚さを適宜選択することにより、制動部材52による制動力を最適な大きさに調整できる。また制動部材52をプレッシャプレート37の移動にスムーズに追従させてスライドさせることができ、制動部材52による制動力が過剰になるのを防止できる。
【0049】
本実施形態では、制動機構50を、プレッシャプレート37の中心を挟んだ対称位置に一対配置したので、簡単な構造により必要十分な制動力を得ることができ、また制動力がプレッシャプレート37をメイン軸27の軸線に対して倒す方向に作用することもない。
【0050】
本実施形態では、支持部材51を、クランクケース18に固定された固定ピン53と、該固定ピン53に軸方向にスライド可能に支持された棒状の作動シャフト54と、該作動シャフト54を制動方向bに付勢するばね55とを有するものとし、制動部材52を作動シャフト54の先端部に取り付けたので、必要最小限の部品点数で、制動機構50を構成できる。
【0051】
また、制動機構50を取り付ける場合、クランクケースカバー28を外した状態で、外側から前記作動シャフト54を固定ピン53に装着し、ベース部54aを支持ボルト56でクランクケース側に締め付け固定するだけで良く、制動機構50の組立作業が容易である。
【0052】
本実施形態では、制動部材52を、作動シャフト54からプレッシャプレート37の外周部37aに対向するよう延びる短冊板状のアーム部52aと、該アーム部52aのプレッシャプレート対向面に取り付けられた摩擦板52bとを有するものとしたので、制動部材52を簡単な構造で、かつ安価に構成できる。
【0053】
なお、前記実施形態では、2組の制動機構50,50が分離されていたが、両方の制動部材52,52を結合することも可能であり、このようにすればより安定した制動力をプレッシャプレート37に作用させることが可能となる。
【0054】
また前記実施形態では、制動機構50を2組設けたが、本発明の制動機構は、1組でも、あるいは3組以上でも良い。
【0055】
また前記実施形態では、自動二輪車のクラッチ装置を例に説明したが、本発明のクラッチ装置は、小型三,四輪車等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態によるクラッチ装置を備えた自動二輪車の側面図である。
【図2】前記クラッチ装置が配設されたエンジンユニットの側面図である。
【図3】前記クラッチ装置の側面図である。
【図4】前記クラッチ装置の断面図である。
【図5】前記クラッチ装置の制動機構の分解状態の断面図である。
【図6】前記制動機構の作動状態の断面図である。
【図7】本実施形態の制動機構による効果を確認するために行った試験結果の特性図である。
【符号の説明】
【0057】
1 自動二輪車
15 クラッチ装置
18 クランクケース
24 クランク軸(入力軸)
27 メイン軸(出力軸)
33 アウタプレート
34 アウタハウジング
35 インナプレート
36 インナハウジング
37 プレッシャプレート
37a 外周部
51 支持部材
52 制動部材
52a アーム部
52b 摩擦板
53 固定ピン
54 作動シャフト
55 ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸により回転駆動され、アウタプレートが係止されたアウタハウジングと、
クランクケースにより回転自在に支持された出力軸の該クランクケースから突出する部分に共に回転するよう装着され、前記アウタプレートと交互に配置されたインナプレートが係止されたインナハウジングと、
前記アウタプレートとインナプレートを圧接させるプレッシャプレートと、該プレッシャプレートを前記圧接方向と反対方向に移動させる操作機構とを備えたクラッチ装置であって、
前記クランクケースに設けられた支持部材により制動部材を支持し、該制動部材を前記プレッシャプレートの外表面に所定の隙間をあけて対向するよう配置し、
前記操作機構によりプレッシャプレートをクラッチ切断方向に移動させたとき該プレッシャプレートに前記制動部材が摺接することを特徴とするクラッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のクラッチ装置において、
前記制動部材は、前記支持部材により軸方向にスライド可能にかつ制動方向に付勢させて支持されていることを特徴とするクラッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクラッチ装置において、
前記支持部材は、前記プレッシャプレートの径方向外側に少なくとも一対配置され、前記クランクケースに固定された固定ピンと、該固定ピンに軸方向にスライド可能に支持された棒状の作動シャフトと、該作動シャフトを制動方向に付勢するばねとを有し、前記制動部材は、前記作動シャフトの先端部に取り付けられていることを特徴とするクラッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のクラッチ装置において、
前記制動部材は、前記作動シャフトからプレッシャプレートの外周部に対向するよう延びる短冊板状のアーム部と、該アーム部のプレッシャプレート対向面に取り付けられた摩擦板とを有することを特徴とするクラッチ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかに記載のクラッチ装置を備えたことを特徴とする自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−168200(P2009−168200A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8829(P2008−8829)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】