説明

コンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、プログラム

【課題】ユーザが次に切り換えて視聴する可能性の高いコンテンツを予め選択して或る段階までの再生処理(待機再生処理)を実行させておくのにあたって、GUI画面上でチャンネル選択・決定操作を行えるようにされた環境に対応して適切なコンテンツが待機再生処理対象として選択されるようにする。
【解決手段】チャネル受信選局から或る段階の再生処理段階までを実行可能な受信再生処理系を2系統備える。そして、操作画面上で選択対象となっている番組(選択対象番組)が変更されるのに応じては、2系統の受信再生処理系のうちで、現在の再生出力に使用していない方の受信再生処理系により選択対象番組を受信させ再生処理を実行させておく。そして、実際に、この選択対象番組の視聴に切り換える操作が行われた場合には、待機再生処理の出力を、以降の再生出力処理系に出力させるようにして信号切り換えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コンテンツを成す信号・データなどを受信して再生処理を施して出力するコンテンツ再生装置と、このコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法に関する。また、このようなコンテンツ再生装置が実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビジョン放送としては、デジタル衛星放送、地上デジタル放送などのデジタル放送が行われており、これに対応してデジタル放送を受信可能に構成されたチューナ、テレビジョン受像機などのデジタル放送受信装置が普及している。
【0003】
また、テレビジョン放送受信装置にあって、受信選局すべきチャンネル(放送局)の選択操作としては、以前から、テレビジョン放送受信装置本体、若しくはリモートコントローラなどに備えられる操作子に対する操作により、チャンネル番号を直接的に指定したり、あるいは、チャンネル番号を1つずつ送る、あるいは戻すようにして指定することが行われている。
これに対して、最近のテレビジョン放送受信装置では、チャンネル選択機能を有するユーザインターフェイス画像(チャンネル選択画像)を表示させ、このチャンネル選択画像に対する操作によりチャンネル選択が行えるようにしたものも知られるようになってきている。
【0004】
また、デジタルテレビジョン放送受信装置にあっては、所望のチャンネルのコンテンツを受信して再生出力するまでの処理をデジタル信号処理により行うようにされるが、この過程においては或る程度の処理遅延が発生する。このために、例えばチャンネルを切り換える操作に応じて、指定された新たなチャンネルのデータを受信取得してデコード処理を開始させることとしていた場合には、チャンネル切り換え後の画像が実際に表示出力されるまでの間に相応の遅延が生じることとなり、これが問題となっていた。
そこで、例えば特許文献1に記載されるようにして、現在表示出力中のチャンネル以外で、或る所定の規則に従って選択したチャンネル(先行デコードチャンネル)のデータを受信信号から分離抽出して予めデコードしておき、この先行デコードチャンネルを選択する操作が行われたのであれば、このデコードしていたデータを再生出力させるようにした構成が提案されている。この場合には、チャンネル切り換え操作の以前からデコード出力が行われていることから、チャンネル切り換え操作に応じて即座に新たなチャンネルの画像を表示出力させることが可能になる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−274304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、上記特許文献1では、先行デコードチャンネルを決定するときの規則として、現在表示出力中のチャンネルに対して前後となる番号のチャンネルを先行デコードチャンネルとすることが記載されている。
このような先行デコードチャンネルの決定規則は、順送り選局キーに対する操作など、操作子(キー)に対する操作そのものが、チャンネル番号を指定するものとなるような場合には有効である。しかしながら、例えば先にも述べたような、GUI(Graphical User Interface)によりチャンネル切り替え操作を行うような場合には、上記したような先行デコードチャンネルの決定規則のままでは対応することが難しい。換言すれば、例えばコンテンツを選択的に受信して再生出力するようにされたコンテンツ再生装置にあっては、そのGUIが要求する操作態様に応じて、より適切に、上記先行デコードチャンネルに相当するコンテンツが決定されるようにすることが求められるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、コンテンツ再生装置として次のように構成する。
つまり、複数の異なるコンテンツを同時的に送出可能なコンテンツ送出源から送出されるコンテンツを受信可能とされるとともに、受信したコンテンツの1つを対象として所定段階までの再生処理を実行するようにされた複数の再生処理手段と、上記複数の再生処理手段による再生処理を経て出力されるコンテンツのうちから、実際に再生出力させるべき1つのコンテンツを選択して出力するコンテンツ出力手段と、上記コンテンツ送出源から送出可能とされているコンテンツのうちから、1つのコンテンツを選択する結果となる選択操作と、選択中にあるコンテンツの再生出力を指定する結果となる決定操作とを少なくとも可能とする操作画面を表示出力させるための制御を実行する操作画面表示制御手段と、上記操作画面に対する上記選択操作によりコンテンツが新たに選択されたことに応じて、上記複数の再生処理手段から選択した1つの再生処理手段により、新たに選択されたコンテンツを基準にして所定規則に従って指定したコンテンツについての再生処理である待機再生処理を開始させる再生処理制御手段と、上記操作画面に対して上記決定操作が行われたときに、この決定操作により再生出力が指定されたコンテンツについての上記待機再生処理を実行中の再生処理手段がある場合には、この再生処理手段の再生処理を経て出力されるコンテンツが実際に再生出力されるようにして上記コンテンツ出力手段を制御する出力切換制御手段とを備えることとした。
【0008】
上記構成によるコンテンツ再生装置では、先ず、コンテンツ送出源から送出可能とされているコンテンツのうちから、1つのコンテンツを選択する選択操作と、選択中にあるコンテンツの再生出力を指定するための決定操作とが可能とされた操作画面を表示出力することが可能とされている。
そのうえで、上記操作画面に対して選択操作が行われたことにより、新たにコンテンツが選択されたことに応じては、この新たに選択されたコンテンツを基準にして所定規則に従ってコンテンツを指定するようにされる。これが、上記の先行デコードチャンネルに対応したコンテンツとなる。そして、このようにして指定されたコンテンツについて、所定段階までの再生処理を行っておくようにされる。そして、この所定段階までの再生処理の対象となったコンテンツの選択を決定する決定操作が行われたときには、この所定段階までの再生処理中にあったコンテンツを出力することになる。これにより、このコンテンツは、決定操作に応じたタイミングで、即座に、画像音声として再生出力されることになる。
【発明の効果】
【0009】
即ち、本願発明では、コンテンツの選択操作・決定操作が可能とされるように構成された操作画面に対する選択操作に対応して、先行して再生出力のため処理を行っておくべきコンテンツが適切に決定(指定)されるものである。そして、これにより、コンテンツの選択・決定のための操作画面に対してコンテンツの決定操作を行ったときには、この操作に応じて即座にコンテンツの再生出力が開始されることになるものであり、ユーザが不快感やストレスを感じることはなく、コンテンツ選択・決定操作に関して快適な操作感を提供できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明することとし、先ず、第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態としては、地上デジタル放送に対応した放送受信装置(デジタル放送受信装置1)に対して本願発明を適用している。地上デジタル放送をはじめ、放送波を送出する側のシステムは、異なるチャンネルごとの複数のコンテンツを同時的に送出することのできるコンテンツの送出源であると見ることができる。
【0011】
図1は、第1の実施の形態としてのデジタル放送受信装置1の構成例を示している。
この図に示されるデジタル放送受信装置1に対してはアンテナ2を接続している。このアンテナ2は、地上デジタル放送に対応して例えばUHF(Ultra-High Frequency)アンテナとされる。アンテナ2では、地上デジタル放送の放送波を受信し、これにより得られた受信信号を、デジタル放送受信装置1内の第1受信再生処理系23、第2受信再生処理系24に対して分岐して出力する。
【0012】
先ず、第1受信再生処理系23は、図示するようにして、チューナ3a、復調器4a、デスクランブラ5a、デマルチプレクサ6a、及びバッファ7aを備えて成る。
チューナ3aは、CPU13の制御に応じて、入力された受信信号から指定されたチャンネルに対応するキャリア信号を抽出し、復調器4aに出力する。復調器4aにおいては、入力信号を例えばデジタル信号に変換したうえで、キャリア復調に対応する復調処理、及び誤り訂正処理などをはじめとする処理を施して、例えばTS(Transport Stream)に対応した形式の信号を得る。
【0013】
この場合におけるTSとしては、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group Layer2)方式によって、選局されたチャンネルのコンテンツ(番組)についての圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号と、各種の付加情報が多重化されているものとなる。また、必要に応じて字幕放送用データなども多重化されている。
【0014】
上記のようにして得られたTSとしての信号は、放送局側からの送出時においてスクランブル処理が施されている場合には、デスクランブラ5aにより、このスクランブルを解くためのデスクランブル処理が施されたうえで、デマルチプレクサ6aに対して出力される。
【0015】
デマルチプレクサ6aは、入力されたTSについて、データ種別ごとに抽出分離を行う。つまり、TSからは、先ず、圧縮ビデオ信号と、この圧縮ビデオ信号とともに同期して再生されるべき圧縮オーディオ信号と、各種の付加情報とに分離する。さらに、字幕放送用データなども多重化されていた場合には、これらのデータについても分離抽出して取得するようにされる。
なお、デマルチプレクサ6aは、上記の抽出分離処理を行って得られた圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号(及び字幕放送用データ)などを、逐次、バッファ7aに転送して一時的に蓄積(バッファリング)するようにされる。そして、例えば再生時間などを考慮した所定のタイミングで、これらの蓄積された圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号(及び字幕放送用データ)を、例えば所定の再生単位に対応する一定量ずつ読み出すようにして後段に出力するようにされている。
【0016】
そして、上記のようにしてデマルチプレクサ6aにより分離抽出された圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、及び字幕放送用データについては、後述するようにして、それぞれ、信号切換部20内のスイッチ部20a、20b、20cにおける所定の端子に対して出力するようにされる。そして、これらスイッチ部20a、20b、20cのそれぞれにおいて所定の端子接続状態が得られることに応じて、これらの圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、及び字幕放送用データは、それぞれ、映像デコーダ8、音声デコーダ9、及び字幕デコーダ10に対して入力されるようになっている。また、デマルチプレクサ6aにて得られた各種の付加情報は、例えばCPU13が取り込み、必要に応じてRAM16に保持させたうえで、所定の制御、処理の実行時に利用するようにされる。
【0017】
第2受信再生処理系24は、チューナ3b、復調器4b、デスクランブラ5a、デマルチプレクサ6b、バッファ7aの各部を備えて構成される。これらの部位の動作としては、上記第1受信再生処理系におけるチューナ3a、復調器4a、デスクランブラ5a、デマルチプレクサ6a、及びバッファ7aと同様となることからここでの説明は省略する。
【0018】
信号切換部20内のスイッチ部20a、20b、20cは、それぞれ端子t1、端子t2、端子t3を備え、端子t3に対して端子t1、t2の何れかが択一的に接続されるようにして切り換えが行われる。また、このような端子切り換えの動作は、CPU13の制御により、スイッチ部20a、20b、20cの間で連動して行われるようにされている。
スイッチ部20a、20b、20cの端子t1に対しては、それぞれ、第1受信再生処理系23のデマルチプレクサ6aからの圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、字幕放送用データが出力されるようになっている。また、スイッチ部20a、20b、20cの端子t2に対しては、それぞれ、第2受信再生処理系24のデマルチプレクサ6bからの圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、字幕放送用データが出力されるようになっている。スイッチ部20a、20b、20cの端子t3は、それぞれ、映像デコーダ8、音声デコーダ9、字幕デコーダ10の入力段と接続されている。
従って、スイッチ部20a、20b、20cの端子t1と端子t3とがそれぞれ連動して接続された状態では、第1受信再生処理系23側から出力される圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、字幕放送用データが、それぞれ、映像デコーダ8、音声デコーダ9、字幕デコーダ10に対して入力されることになる。また、スイッチ部20a、20b、20cの端子t2と端子t3とがそれぞれ連動して接続された状態では、第2受信再生処理系24側から出力される圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号、字幕放送用データが、それぞれ、映像デコーダ8、音声デコーダ9、字幕デコーダ10に対して入力されることになる。
【0019】
映像デコーダ8は、入力される圧縮ビデオ信号について、そのビデオ圧縮符号化方式に対応した復号処理(伸長処理)を実行し、映像信号処理回路11に対して出力する。
また、字幕デコーダ10は、入力される字幕放送用データについて、伝送時に対応した所定のデコード(復調)処理を施し、字幕としての画像信号(字幕画像信号)を得るようにされる。そして、この字幕画像信号を映像信号処理回路11に対して出力するようにされる。
【0020】
映像信号処理回路11は、映像デコーダ8から入力されるビデオ信号を主たる対象として所要の信号処理を実行するものとされ、字幕デコーダ10から字幕画像信号も出力されてくる場合には、主画像となる映像デコーダ8からのビデオ信号に対して字幕画像信号を合成したうえで表示用画像信号を生成し、これを表示部26に対して出力する。
また、映像信号処理回路11は、CPU13の制御に応じて、GUI画像としての画像信号を生成することも可能とされている。このようなGUI画像が、例えば映像デコーダ8からのビデオ信号を主画像として、これに重畳表示させるようなものである場合には、映像デコーダ8からのビデオ信号にGUI画像のビデオ信号を合成する処理を実行して表示用画像信号を生成することになる。確認のために述べておくと、GUI画像のみを表示させるときには、映像デコーダ8からのビデオ信号に代えて、このGUI画像のビデオ信号から表示用画像信号を生成して表示部26に出力させることになる。
【0021】
表示部26は、例えば本実施の形態のデジタル放送受信装置1のビデオ信号出力と接続される、所定方式のディスプレイデバイスとされるもので、上記のようにして映像信号処理回路11から出力される表示用画像信号を入力して画像表示を行う。
【0022】
また、音声デコーダ9は、入力される圧縮オーディオ信号について、その音声圧縮符号化方式に対応した復号処理を実行して、例えば所定のPCM形式によるデジタルオーディオ信号に変換し、映像デコーダ8から出力されるビデオ信号との同期(リップシンク)が保たれるタイミングにより出力するようにされる。この場合、音声デコーダ9から出力されるデジタルオーディオ信号は、D/A変換器12によりアナログオーディオ信号に変換されたうえで、外部の音声出力部27に対して出力されるようになっている。
【0023】
この場合の音声出力部27は、例えばアナログオーディオ信号についての音質調整などをはじめとする信号処理と増幅を行って、最終的には、スピーカであるとかヘッドフォンなどを駆動する信号を出力するようにされる。
【0024】
CPU13は、デジタル放送受信装置1の動作制御を実行するもので、その動作は、例えばROM17に記憶されているプログラムを実行することにより得られる。
【0025】
操作部14は、デジタル放送受信装置1の本体に設けられる各種操作子と、これらの操作子に対する操作に応じた操作信号を出力する部位とを一括して示したものである。また、受信部15は、リモートコントローラ19から無線送信される、コマンド信号を受信し、このコマンド信号に対応する操作信号をCPU13に対して出力する。CPU13は、このようにして入力される操作信号に応じて所要の処理を実行する。
【0026】
RAM16は、揮発性のメモリ素子から成り、CPU13の主記憶装置として利用され、例えばCPU13の演算処理結果などが保持される。また、CPU13が実行すべきプログラムは、このRAM16に展開される形式で保持されることで、実際のCPU13によるプログラムの実行が可能となる。
【0027】
ROM17には、例えば、CPU13が実行すべきプログラムの他、各種の設定データなどが記憶される。また、このROM17に代えて、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶素子を用いるようにしてもよい。
【0028】
この場合の電源部25は、例えば、商用交流電源を入力して最終的には所定値の直流電源電圧Vccに変換し、図1に示される各機能回路部に対して電力源として供給する。
【0029】
また、本実施の形態にあっては、第1受信再生処理系23と第2受信再生処理系24への電力供給は、それぞれの受信再生処理系ごとに独立してCPU13が制御することが可能に構成されている。
即ち、第1受信再生処理系23側には電力を供給する一方で、第2受信再生処理系24に対しては電力供給を停止する、あるいは、これとは逆に、第1受信再生処理系23側への電力供給を停止する一方で、第2受信再生処理系24に対しては電力を供給するようにして電力制御を行うことが可能である。また、第1受信再生処理系23と第2受信再生処理系24の双方に対して電力を供給することも可能であるし、これとは逆に、双方に電力を供給しないようにすることも可能である。
【0030】
上記のようにして構成される本実施の形態(第1の実施の形態)のデジタル放送受信装置1では、ユーザ操作に応じて、図2に示す態様の二軸式操作画面を、表示部26の表示画面部30に表示させることが可能とされている。
この二軸式操作画面は、デジタル放送受信装置1に関する各種操作を統合的に行えるように構成されたGUI画面とされ、主としては、横(水平)方向にアイコンを配列させたメニュー選択バー31と、縦(垂直)方向にアイコン、文字などを配列させたメニュー内項目バー32とを交差させた態様を有している。
メニュー選択バー31には、各種のメニュー項目ごとに応じたアイコンが示される。例えば、リモートコントローラ19等に対する操作として、左右方向への移動に対応した操作を行うことに応じて、メニュー内項目バー32に位置させるメニュー選択バー31内のアイコンを左右に1つずつずらしていくようにして変更できるようになっている。メニュー内項目バー32においては、そのときに、位置しているメニュー選択バー31内のアイコンが示す機能に応じた選択項目が表示されるようになっている。そして、メニュー内項目バー32の所定位置には、図示するようにして選択指示枠33が配置表示されており、例えばリモートコントローラ19等に対する操作として、上下方向への移動に対応した操作を行うことに応じて、この選択指示枠33に配置させる選択項目を、上下方向にそって1つずつずらしていくようにして変更することができる。
【0031】
図2(a)には、メニュー選択バー31内のアイコンのうちで、地上デジタル放送のチャンネルを選択する操作に対応したアイコンがメニュー内項目バー32に位置している状態を示している。この状態では、メニュー内項目バー32内の選択項目としては、地上デジタル放送のチャンネルが配列表示されることになる。つまり、この図2(a)に示す状態では、地上デジタル放送のチャンネルを選択することが可能とされている。
【0032】
また、この図2(a)に示される表示状態の二軸式操作画面は、それまでチャンネル「051」の地上デジタル放送を受信して表示出力させていた状態の下で、二軸式操作画面を表示させるための操作を行ったときに、最初に表示される内容を示している。つまり、この二軸式操作画面においては、これを表示させる直前の動作状態を反映させて、先ず、地上デジタル放送のチャンネルを選択するメニューをアクティブとしたうえで、選択指示枠33に対して、これまでユーザが視聴していたとするチャンネル「051」を配置させた状態としているものである。
なお、このようにして地上デジタル放送のチャンネルを選択するメニューがアクティブとなっている状態では、そのときに選択指示枠33に配置させているチャンネルに関する情報が同時に表示されるようになっている。つまり、選択指示枠33に近接した位置に対して、番組名・放送局表示領域34、及び放送時間表示領域35が表示され、これらの領域において、現時刻において放送されている番組名、具体的な放送局名と、現時刻において放送されている番組の放送時間帯が示される。
また、ここでは図示していないが、実際においては、この図2(a)の内容の二軸式操作画面を表示させているときにも、これまで表示出力させていたチャンネル「051」の画像は継続して表示されている。つまり、二軸式操作画面は、これを表示開始させる直前において表示させていたコンテンツの画像が継続して背景画像的に表示されている状態の下で、このコンテンツの画像に重畳されるようにして表示されるものである。また、このときには音声出力部27より、チャンネル「051」の音声も再生出力されているものである。
【0033】
そして、例えばユーザが、図2(a)に示した表示状態の下で、メニュー内項目バー32を1つ上に移動させる操作を行ったとする。すると、図2(a)から図2(b)への遷移として示すようにして、選択指示枠32には、チャンネル「051」の下において表示されていたチャンネル「061」が移動してきて配置される状態となる。なお、これに応じて、番組名・放送局表示領域34、及び放送時間表示領域35に表示される内容も変化している。但し、単に選択指示枠33に配置させるメニュー内項目を移動させただけでは、チャンネル切り換えの候補が選択されているに過ぎず、例えば二軸式操作画面の背景としては、これまでと同様にして、チャンネル「051」の画像の表示と音声の出力が継続されている。
【0034】
そして、例えば、この図2(b)に示す状態の下で、現在チャンネル切り換え候補として選択されている(選択指示枠33内に配置されている)チャンネルへの切り換えを決定するために決定操作が行われたとする。この操作に応じては、図示は省略するが、表示画面部30においては、これまで表示されていた二軸式操作画面は消去され、これと同時に、チャンネル「061」を受信して得られる画像の表示に切り換わるようにされる。また、これに伴い、再生出力される音声も、チャンネル「061」のものに切り換わることになる。
なお、例えば図2(a)あるいは図2(b)に示す表示状態の下で、二軸式操作画面を消去させる操作を行った場合には、二軸式操作画面が消去されると同時に、これまで背景として表示されていたチャンネル「051」が、改めて主画像として表示される状態に戻ることになる。
【0035】
上記のようにして、本実施の形態のデジタル放送受信装置1においては、統合メニュー画面としての機能を有する二軸式操作画面に対する操作により、チャンネル切り換えの操作を行うことが可能とされている。このようなGUIを利用してのチャンネル切り換え操作は、例えば、番組名・放送局表示領域34及び放送時間表示領域35に表示される、チャンネルごとの番組関連の情報を視覚的に確認することができるために、単に、チャンネル送りキーであるとか、数字キーなどを操作してチャンネル切り換えを行うような場合よりも、効率的で無駄のないチャンネル選択が行える。また、現在のデジタル衛星放送などは、アナログ地上波などと比較するとチャンネル数も膨大であり、地上デジタル放送としても、今後、チャンネル数がさらに多くなる可能性がある。このような観点からすると、図2に示した二軸式操作画面のようにして、複数のチャンネルを表示させて、ここから所望のチャンネルを選択するという操作は、多チャンネルに対して効率的で良好な操作性も提供できることになり、好ましい。
【0036】
ところで、本実施の形態のようなデジタル放送受信機では、チューナにより受信選局するチャンネルを切り換えると、切り換え先(切り換えられた後)のチャンネルの画像(及び音声)の再生出力が開始されるまでには相応の時間を要する。これは、本実施の形態のデジタル放送受信装置1の場合では、デマルチプレクサ6a、6bが主たるボトルネックとなって生じるものとされている。
つまり、デマルチプレクサ6aにおいては、例えば入力されるTS形式の信号に多重化される伝送制御情報であるPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)などを参照して、TS形式の信号を形成するパケットから、ビデオ信号、オーディオ信号、字幕放送用データなどを弁別することにより、これらの信号・データの分離抽出処理を実行する。この際において、例えばPAT、PMTをTSから検索して取得するのに要する時間、また、取得したPAT、PMTによりTSパケットごとの内容を弁別する処理などに多くの時間を必要とする。
このために、例えば、1系統のみの受信再生処理系により再生出力を行っているとすると、チャンネルの切り換え操作が行われる都度、その切り換え後のチャンネルの画像が表示出力されるまでには、或る程度の遅れが生じることになってしまう。また、当然のこととして、再生音声は、画像とのリップシンクが図られることから、音声の再生出力タイミングも、画像と共に遅れることとなる。
【0037】
例えば、上記のような問題を解消するために、先に述べた特許文献1では、テレビジョン放送を受信して所定段階まで再生処理を行う系について2系統を設けることとして、そのときに再生出力されているチャンネルに応じて、次にユーザが切り換える可能性が高いと判断されるチャンネルを決定し、この決定されたチャンネルの受信と再生処理を、再生出力を行っていない側の系により行うようにしている(先行デコード)。
【0038】
本実施の形態としても、図1に示したように、2系統の受信再生信号処理系(23、24)を備えることで、特許文献1における先行デコードと同等の動作を実行させることは可能とされる。
しかしながら、特許文献1に記載されている先行デコードチャンネルについての決定規則では、上記図2に示したような操作画面上でのチャンネル切り換え操作を前提とした場合には、対応しきれなくなってくる。このために、例えば仮に、上記した二軸式操作画面に対する操作によりチャンネル切り換えを行ったときに、この操作に応じて新たに切り換わることとなったチャンネルの受信画像の表示の開始が遅延してしまうような状態のままであるとすると、ユーザは、二軸式操作画面の操作性が良くないと感じることになり、例えば、上記したような二軸式操作画面が本来有する高い操作性を十分に発揮できなくなる。
そこで、本実施の形態(第1の実施の形態)としては、二軸式操作画面に対するチャンネル切り換え操作に対応するものとして、切り換わり後のチャンネルの画像の表示出力が遅延無く開始されるようにするための技術構成を提案するものである。以降、この点について説明を行う。
【0039】
図3のフローチャートは、二軸式操作画面に対するチャンネル選択・決定操作に対応してデジタル放送受信装置1が実行するものとされる処理手順例を示している。なお、この図に示す手順は、CPU13がプログラムを実行することにより実現される制御・処理であるものとしてみることができる。
また、この図3の処理の説明にあたっては、第1受信再生処理系23及び第2受信再生処理系24のそれぞれについて、そのときのデジタル放送受信装置1の動作状態に応じて「表示受信再生処理系」若しくは「非表示受信再生処理系」の何れかの名称を用いる場合がある。「表示受信再生処理系」とは、第1受信再生処理系23及び第2受信再生処理系24のうちで、そのときに自身が受信・再生処理を実行しているチャンネルの圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号(及び字幕放送用データ)が、信号切換部20を介してデコーダ系(映像デコーダ8、音声デコーダ9(及び字幕デコーダ10))に対して出力されているほうの受信再生処理系をいう。従って、表示受信再生処理系が受信・再生処理を行っているチャンネルの画像音声は、表示部26及び音声出力部27により再生出力されている(二軸式操作画面が重畳表示されている状態時も含む)ことになる。
一方、「非表示受信再生処理系」は、電源供給が停止されて処理を実行していない、あるいは、処理を実行してはいるが、信号切換部20において出力が遮断されて、以降のデコード処理と、画像音声による再生出力が行われてはいない状態の受信再生処理系をいう。
【0040】
また、ここでは、説明の便宜上、図3に示す処理が開始される段階においては、デジタル放送受信装置1は、地上デジタル放送における何らかのチャンネルを受信選局して再生出力させている状態にあるものとする。このような状態においては、第1受信再生処理系23と第2受信再生処理系24の何れか一方の受信再生処理系が、「表示受信再生処理系」として動作しているのに対して、他方の受信再生処理系は、「非表示受信再生処理系」として、電源供給が停止されていることで動作も停止している状態にあるものとされる。また、実際の二軸式操作画面に対する操作としては、メニュー選択バー31内のアイコンを左右方向に移動させる操作、即ち、アクティブとするメニュー項目を変更する操作が可能であるが、これについても、ここでは説明の便宜のために、先ずは、このようなメニュー項目変更操作は行われることが無いものとする。ただし、二軸式操作画面の消去操作は可能であることとする。図3のフローチャートも、このことを前提とした手順としている。
【0041】
先ず、デジタル放送受信装置1は、ステップS101において、上記のようにして何らかの地上デジタル放送のチャンネルを受信して再生出力させている状態の下で、二軸式操作画面を表示させるための操作が行われるのを待機するようにされる。そして、この操作が行われたことを判別すると、ステップS102以降の手順に進むようにされる。
【0042】
ステップS102においては、二軸式操作画面の表示を開始させるための表示制御処理を実行する。このためには、例えばCPU13が映像信号処理回路11を制御して、二軸式操作画面の表示用画像データを生成し、例えば映像デコーダ8からのビデオ信号と合成させるなどしたうえで、表示部26に対して出力させる。
この段階において最初に表示される二軸式操作画面の内容は、先に図2(a)にて説明したように、先ずは、地上デジタル放送のチャンネル選択がアクティブとされたうえで、これまでに再生出力させていたチャンネル(図2(a)ではチャンネル「051」)を示す番号が、選択指示枠33内に配置された状態となっているものである。
【0043】
次のステップS103においては、現在において電源供給が停止されていたことで動作も停止状態にあった非表示受信再生処理系に対して電源の供給を開始する。これにより、非表示受信再生処理系は起動してその動作を開始可能な状態となる。
【0044】
続くステップS104によっては、現在表示中の二軸式操作画面上に対する操作として、選択指示枠33内に位置させるチャンネル(選択対象チャンネル)の番号を変更する操作が行われたか否かについての判別を行うようにされる。
【0045】
先ず、ステップS104にて、選択対象チャンネルを変更する操作は行われないとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS113により二軸式操作画面の消去操作が行われたか否かを判別し、ここで肯定の判別結果が得られたのであれば、後述するステップS111に進み、否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS108に進むようにされる。
【0046】
一方、ステップS104にて、選択対象チャンネルを変更する操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS105に進む。
ステップS105では、例えばCPU13がRAM16に保持させているとされる、現在における選択対象チャンネルを示す情報の更新を行う。つまり、上記ステップS104により判別された操作に応じた、選択対象チャンネルについての変更設定を行う。また、これとともに、二軸式操作画面についての表示制御としては、変更設定された選択対象チャンネルが反映されるようにして、選択指示枠33に配置させるチャンネルの番号を変更させる。
【0047】
次のステップS106では、最後に実行したステップS104に対応して変更された後の選択対象チャンネルについて、現在において再生出力中のものであるか否かについての判別を行うようにされる。現在において再生出力中のチャンネルとは、例えば、今回の二軸式操作画面の表示を開始させる直前までは主画像として表示出力していたチャンネルであり、その画像は、二軸式操作画面の背景画像として表示が継続されているものである。従って、この再生出力中のチャンネルについては、このときの表示受信再生処理系により受信・再生処理が行われているものである。
【0048】
先ず、ステップS106にて肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS107をスキップしてステップS108に進むようにされる。これに対して、否定の判別結果が得られた場合には、ステップS107に進む。
【0049】
ステップS107においては、最後に実行したステップS104の操作に応じて変更された選択対象チャンネルを、第1受信再生処理系23と第2受信再生処理系24のうちで非表示受信再生処理系とされている側の受信再生処理系により受信選局させ、デマルチプレクサ(6a又は6b)によりデマルチプレクスさせる段階までの受信・再生処理を開始させる。ただし、このときには、信号切換部20においては、表示受信再生処理系から出力される圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号(及び字幕放送用データ)を、後段の映像デコーダ8、音声デコーダ9、及び字幕デコーダ10に対して出力させる状態を継続させる。従って、非表示受信再生処理系にて受信・再生処理を実行しているチャンネルの画像音声がユーザに知覚される態様で出力されることにはならない。ここでは、このようにして表示、音声出力までは行われないものの、非表示受信再生処理系が実行するものとされる、指定チャンネルの受信選局からデマルチプレクスまでの処理を、「待機再生処理」ということにする。
【0050】
ステップS108においては、二軸式操作画面に対する操作として、現在の選択対象チャンネルを、切り換え先のチャンネルとして決定するための操作(チャンネル決定操作)が行われたか否かを判別することとしており、チャンネル決定操作が行われていなければステップS104に戻るようにされる。このようにして、チャンネル決定操作が行われるまでは、ステップS104〜S108の処理をループさせることができるが、これにより、ユーザが行った選択対象チャンネルの変更操作に応じて、二軸式操作画面上で選択指示枠33内に位置するチャンネルの番号は変更されることになる。そして、これとともに、非表示受信再生処理系が受信・再生処理の対象とするチャンネルも、選択対象チャンネルが変更されることに応じて変更されることになる。
一方、ステップS108においてチャンネル決定操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS109に進むようにされる。
【0051】
ステップS109においては、上記ステップS108に対応して判別されたチャンネル決定操作により決定されたチャンネルは、現在において二軸式操作画面とともに再生出力中のものであるか否かについての判別を行うようにされる。つまり、ステップS104〜ステップS108の手順を繰り返し実行している間においては、例えば、再生出力中のチャンネル以外のチャンネルを選択したが、また、再生出力中のチャンネルを選択した状態に戻すというユーザ操作が行われる可能性がある。ステップS109は、このような可能性があることに基づいて、決定されたチャンネルが現在再生出力中であるか否かについて判別することとしているものである。
【0052】
先ず、ステップS109において否定の判別結果が得られた場合であるが、この場合には、ステップS108に対応して決定操作が行われたチャンネルについては、非表示受信再生処理系により待機再生処理を実行中であることになる。そこで、この場合には、ステップS110により、これまでの表示受信再生処理系と非表示受信再生処理系とについて、これを交替させるための処理を実行する。
例えば、このステップS110に至ったときの状態が次のようなものであったとする。つまり、第1受信再生処理系23が表示受信再生処理系とされて、自身が受信・再生処理を実行して得られたチャンネルの画像音声が、二軸式操作画面の表示と共に再生出力されており、一方で、第2受信再生処理系24は非表示受信再生処理系とされて、選択対象チャンネルについての待機再生処理を行っていたとする。すると、ステップS110では、信号切換部20におけるスイッチ部20a、20b、20cについて、端子t1と端子t3が接続されていた状態から、端子t2と端子t3とが接続される状態に切り換えるようにされる。これにより、デコーダ系(映像デコーダ8、音声デコーダ9(字幕デコーダ10))に対しては、第1受信再生処理系23からの信号・データが入力されていた状態から、第2受信再生処理系24からの信号・データが入力される状態に切り換わることになる。これに応じて、再生出力される画像音声としても、第1受信再生処理系により受信・再生処理を行っていたチャンネルのものから、第2受信再生処理系24により受信・再生処理を行っていたチャンネルのものに切り換わることになる。そして、この結果、表示受信再生処理系が第2受信再生処理系24となり、非表示受信再生処理系が第1受信再生処理系23となるようにして入れ替わる。このような動作が、ステップS110による表示受信再生処理系と非表示受信再生処理系とについての交替処理の1つの例となる。
【0053】
そして、ステップS110による処理を実行した後は、ステップS111により、現在の非表示受信再生処理系に対する電源供給を停止するようにされる。この処理により、非表示受信再生処理系は、次に、チャンネル切り換えのメニューがアクティブとされた二軸式操作画面が表示されるまで、電源供給が停止されることになるものであり、その分の消費電力の節減が図られることになる。
次に、ステップS112により、これまで表示させていた二軸式操作画面の画像を消去するようにされる。この結果、表示部26の表示画面部30においては、二軸式操作画面が消去されると同時に、背景画像として表示されていた以前のチャンネルの画像から、ユーザが決定操作を行ったチャンネルの画像の表示に切り換わることになる。また、これとともに、音声出力部27から再生出力される音声も、以前のチャンネルの画像から、ユーザが決定操作を行ったチャンネルの音声に切り換わる。
【0054】
また、ステップS109において肯定の判別結果が得られた場合であるが、この場合には、これまでの表示受信再生処理系による受信・再生処理により得られていた画像音声の再生出力(画像は二軸式操作画面の背景として表示されていたものである)を継続させればよいことになる。そこで、この場合には、ステップS110をスキップして、信号切換部20における端子切り換えを行うことなく、ステップS111に進む。このときのステップS111においては、これまでにおいて待機再生処理を実行していた非表示受信再生処理系の電源供給を停止させることになり、そのうえで、ステップS112により二軸式操作画面の画像を消去させる。このようにして、二軸式操作画面の画像を消去した結果として、これまでにおいて二軸式操作画面の画像と合成されて出力されていた、表示受信再生処理系からの画像が主画像として表示されることになる。
また、先のステップS113において二軸式操作画面を消去して、元のチャンネル画像の表示に戻すための操作が行われたとして、肯定の判別結果が得られた場合にも、ステップS111、S112の処理に進むようにされる。この結果、上記のステップS109からステップS111に至った場合と同様にして、二軸式操作画面が消去されたうえで、これまでの表示受信再生処理系による受信・再生処理により得られていた画像音声の再生出力が継続されることになる。
【0055】
先に図2により説明した二軸式操作画面によるチャンネル切り換え操作によれば、チャンネルを切り換える結果を生じるためには、先ず、選択指示枠33内に所望のチャンネル番号を位置させたうえで決定操作を行うべきことになる。このことからすれば、チャンネル(コンテンツ)の選択操作により選択指示枠33内に位置することとなったチャンネルが、その時点では、最も切り換え先となるチャンネルとなる可能性が高いということがいえる。
この考えに基づいて、第1の実施の形態においては、チャンネル選択操作により選択指示枠33内に配置されることとなったチャンネル(選択対象チャンネル)を非表示受信再生処理系による待機再生処理を開始させるチャンネルとして決定するという規則を規定しているものである。
そのうえで、例えば本実施の形態のデジタル放送受信装置1の場合、1つのチャンネルを受信選局して再生出力するまでのデジタル信号処理系の遅延は、デマルチプレクサ(6a、6b)における信号・データの分離抽出処理(デマルチプレクス処理)における処理時間が支配的とされている。そこで、本実施の形態としては、待機再生処理として、デマルチプレクサ(6a、6b)までの処理を予め行っておくように構成しているものである。
そして、決定操作が行われたときには、信号切換部20における各スイッチ部の端子切り換えを行って、これまでの非表示受信再生処理系からの信号・データをデコーダ系に出力させることとして、決定操作に応答して即座に、切り換え先のチャンネルの再生出力が開始されるようにしている。
このようにして、本実施の形態(第1実施の形態)は、二軸式操作画面によるチャンネル切り換え操作に適合させて、待機再生処理を行っておくべきチャンネルを決定しているものである。この結果、二軸式操作画面上でのチャンネル切り換えの操作は、ユーザにとって快適なものとなる。
【0056】
ところで、現在においては、上記の二軸式操作画面の他に、EPG(電子番組ガイド: Electrical Program Guide)を利用して、番組(コンテンツ)の選択、予約録画設定などを行うようにされた放送受信装置が普及してきている状況にあるが、図1に示した本実施の形態のデジタル放送受信装置1も、EPGに対応した構成を与えることができる。
つまり、デジタル放送受信装置1は、EPGデータを外部より取得して保持しておき、ユーザ操作などに応じて、このEPGデータを基に、EPGといわれる番組表のGUI画像を生成して表示出力させる。そして、このEPG画像に対する操作に応じて、選択決定された番組に対応するチャンネルへの切り換えであるとか、予約録画設定に移行するなどの動作を実行するようにされる。なお、EPGデータの取得の仕方については、これまでに知られている手法が採用されればよい。例えばEPGデータを放送信号に多重化させて送出している場合には、デジタル放送受信装置1は、デマルチプレクサ(6a、6b)によりEPGデータの分離抽出を行って、例えばRAM17に保持しておくようにされる。そして、ユーザ操作に応答しては、CPU13がEPGデータの読み出しを行い、映像信号処理回路11に対する制御を実行して、EPG画像の表示用画像データを生成させ、この表示用画像データが所定の表示態様により出力されるようにするものである。
【0057】
次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態のデジタル放送受信装置1における、EPG画像を利用した番組選択(チャンネル切り換え)に関する操作例について説明する。
例えば、デジタル放送受信装置1により或る地上デジタル放送のチャンネルを受信選局して再生出力させていた状態の下で、ユーザがEPG画像を表示させるための操作を行ったとされる。これに応じて、図4(a)に示すEPG画像が表示画面部30に表示されたものとする。
【0058】
この図4(a)に示されるEPG画像は、横(水平)方向についてはチャンネルごとに区分し、縦(垂直)方向については時間により区分したマトリクス形式を採る。そのうえで、個々の番組を示す枠(番組単位枠)が、チャンネルごとの列において、放送時間帯ごとに区切られるようにして提示されるようになっている。
そのうえで、このEPG画像上においては、選択指示枠41が、1つの番組単位枠を囲むようにして表示される。この選択指示枠41は、ユーザ操作に応じて、上下方向(時間方向)及び左右方向(チャンネル間方向)に沿って、番組単位枠間を移動可能とされている。そして、この選択指示枠41が配置される番組単位枠が示す番組が、そのときに選択中にあるとされる番組(選択対象番組)であることになる。
【0059】
図4(a)においては、「関央TV」(チャンネル番号051)という放送局の午後8:00から放送されている「世界の自然を歩く」というタイトルの番組の番組単位枠に対して選択指示枠41が配置されている。この図4(a)の表示内容は、EPG画像の表示を指示する操作に応じて、最初に表示されたものであるが、この最初の表示内容には、今回のEPG画像を表示させる直前までのデジタル放送受信装置1の動作が反映されている。つまり、今回のEPG画像を表示させる直前までは、「関央TV」(チャンネル番号051)を受信選局して、番組「世界の自然を歩く」を主画像として再生出力していたものであり、図4(a)においては、これを反映して、番組「世界の自然を歩く」の番組単位枠に対して選択指示枠41を配置させているものである。
また、ここでは図示を省略しているが、例えば実際においては、番組「世界の自然を歩く」を放送しているチャンネルについての、映像音声のデコード処理は継続されている。この場合には、番組「世界の自然を歩く」の画像は、EPG画像が表示画面部30全体において表示されていることで表示されてはいないが、受信・再生処理は継続されており、その画像音声の信号は、映像信号処理回路11と音声出力部27に対しては出力されている状態にある。映像信号処理回路11においては、EPG画像を表示させるときには、映像デコーダ8から入力されるビデオ信号については、表示部26に対して出力させるのに代えて、EPG画像のビデオ信号を出力する。あるいは、EPG画像データに透明度を設定して、映像デコーダ8から入力される番組の画像が透過して見えるような表示を行うようにしてもよい。いずれにせよ、このときに、EPG画像の表示直前まで再生出力されていた番組のチャンネルについての受信・再生処理については、「表示受信再生処理系」となる第1受信再生処理系23、第2受信再生処理系24の何れかにおいて実行されており、デコーダ系に対して出力を行っている。これに伴い、番組「世界の自然を歩く」の音声は再生出力されている状態にあるものとする。
【0060】
また、このEPG画像においては、その上部において、放送局・チャンネル表示領域43、及び現在日時表示領域44が設けられる。放送局・チャンネル表示領域43は、EPG画像の表示と共に、「表示受信再生処理系」により処理を行っている番組の放送局・チャンネルを示す領域である。現在日時表示領域44は、現在日時を示す領域である。
【0061】
そして、例えば図4(a)に示す状態の下で、ユーザが右方向に1つ分、選択指示枠41を移動させるための操作を行ったものとする。この操作に応じて、選択指示枠41は、図4(b)に示すようにして、「関央TV」(チャンネル番号051)の右隣の列において、ほぼ同じ上下位置に在るとされる、東テレビ(チャンネル番号061)で、午後8:00から放送している番組「サッカー」の番組単位枠に移動して配置されることになる。
【0062】
ここで、例えば上記図4(b)に示す状態の下で、チャンネルについての決定操作を行ったものとする。この決定操作は、そのときに選択指示枠41が配置されている番組単位枠が示す番組を対象とするものである。従って、図4(b)の場合には、番組「サッカー」を対象として決定操作行ったことになるが、この番組「サッカー」は、午後8:00から9:54に至るまでの時間帯で放送される。現在時刻は、現在日時表示領域44によると、午後8:03なので、番組「サッカー」は、現在時刻において放送中であることになる。
このようにして、EPG上で現在において放送中とされている番組(コンテンツ)についての選択決定が行われた場合には、例えばEPG画像を消去した上で、デジタル放送受信装置1は、この選択決定された番組のチャンネルの受信選局に切り換えて、これを再生出力させるように動作するようにされる。つまり、この場合においては、図4(b)に示すEPG画像の表示が消去されると同時に、表示画面部30には番組「サッカー」の画像の表示に切り換わり、これとともに、再生出力される音声も、番組「サッカー」のものに切り換わるようにされる。
そして、本実施の形態においては、このようにしてEPG画像上でチャンネル切り換えに相当する番組選択決定の操作を行ったときにも、後述する構成により、切り換え先のチャンネルの番組の画像(この場合には、番組「サッカー」の画像)を即座に表示させることが可能とされており、良好なEPG画像の操作感覚が得られるようにされている。
【0063】
また、例えば図4(b)に示す状態において、チャンネル決定操作を行うことなく、さらに選択指示枠41を移動させる操作を行い、図5に示すようにして東テレビ(チャンネル番号061)において午後10:00から放送が開始される番組「ドキュメント・東京」番組単位枠に対して選択指示枠41を配置させたとする。そして、この状態において、チャンネル決定操作を行ったものとする。
この場合、決定操作の対象となった番組「ドキュメント・東京」の放送開始時刻は午後10:00からであるのに対して、現在時刻は午後8:03であるから、この番組「ドキュメント・東京」は放送されていない。つまり、現在においてコンテンツ送出源とされる放送局側からは送出することは不可であり、従って、受信取得して再生出力することはできないコンテンツである。
このようにして、現時刻において送出側において送出を行っておらず、従って現時刻では受信取得することのできない番組が選択決定された場合には、ここでは図示していないが、例えば選択決定された番組を予約録画するための操作画面に移行するようにされる。図5の場合には、番組「ドキュメント・東京」についての予約録画設定のための操作画面に移行することとなる。
【0064】
また、例えば図4(a)(b)、及び図5などに示す状態の下で、チャンネル決定操作を行うことなく、EPG画像の表示を消去するための操作を行った場合には、EPG画像が消去され、EPG画像表示前の表示状態に戻る。つまり、「関央TV」(チャンネル番号051)の番組「世界の自然を歩く」の画像が表示される。
【0065】
図6のフローチャートは、上記したようなEPG画像に対する番組選択・決定操作に対応してデジタル放送受信装置1が実行するものとされる処理手順例を示している。なお、この図の説明にあっても、第1受信再生処理系23及び第2受信再生処理系24のそれぞれについて、「表示受信再生処理系」若しくは「非表示受信再生処理系」の何れかの名称を用いる。
【0066】
先ず、デジタル放送受信装置1は、ステップS201において、先の説明のようにして、或る地上デジタル放送のチャンネルを受信して再生出力させている状態の下で、EPG画像を表示させるための操作が行われるのを待機し、この操作が行われたのであれば、ステップS202以降の手順に進むようにされる。
【0067】
ステップS202においては、例えば先に述べた表示制御により、EPG画像の表示を開始させるための表示制御処理を実行する。なお、この表示開始時において表示されるEPG画像の内容は、先に図4(a)にて説明したように、先ずは、これまでに再生出力させていた番組の番組単位枠に対して、選択指示枠41が配置された状態となっているものである。
【0068】
次のステップS203においては、現在において電源供給が停止されていたことで動作も停止状態にあった非表示受信再生処理系に対して電源の供給を開始し、以降において、いつでも非表示受信再生処理系が動作を開始可能な状態とする。
【0069】
ステップS204においては、EPG画像に対する操作として、選択指示枠41を移動させる操作、即ち、選択対象番組を変更する操作が行われたか否かについての判別を行うようにされる。
このステップS204にて、選択対象番組を変更する操作は行われないとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS215によりEPG画像の消去操作が行われたか否かを判別し、ここで肯定の判別結果が得られたのであれば、後述するステップS213に進み、否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS209に進むようにされる。
一方、ステップS204にて、選択対象番組を変更する操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS205に進む。
【0070】
ステップS205では、例えばCPU13がRAM16に保持させているとされる、現在における選択対象番組を示す情報の更新を行う。つまり、上記ステップS204により判別された操作に応じた、選択対象番組についての変更設定を行う。また、これとともに、EPG画像についての表示制御としては、選択指示枠41の移動操作が反映されるようにして、選択指示枠41を、新たに設定された番組の番組単位枠に対して移動させて配置させる。
【0071】
次のステップS206では、最後に実行したステップS204に対応して変更された後の選択対象番組について、現在時刻において放送されているものであって受信して再生処理を行うことが可能なものであるか否かについて判別する。この判別にあたっては、CPU13が有するものとされる時計機能により計時している現在時刻が、EPGデータの内容から認識した選択対象番組の放送時間帯に含まれているかどうかを判断すればよい。
ステップS206において否定の判別結果が得られた場合には、次に説明するステップS207、S208の手順をスキップしてステップS209に進む。これに対して、肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS207に進む。
【0072】
ステップS207に至った場合には、選択対象番組は現時刻において受信可能であることになるが、このステップS207においては、この選択対象番組が、現在において、表示受信再生処理系により受信・再生処理が行われているチャンネルのものであるか否かについて判別する。ここで肯定の判別結果が得られた場合には、選択対象番組は、既に表示受信再生処理系により受信・再生処理を実行中であるために、新たに、非表示受信再生処理系により受信・再生処理を開始させる必要はない、ということになる。そこで、この場合には、ステップS208の処理をスキップしてステップS209に進む。
これに対してステップS207にて否定の判別結果が得られた場合には、ステップS208に進むようにされる。
ステップS208においては、非表示受信再生処理系により選択対象番組のチャンネルについての待機再生処理を開始させるための制御を実行し、ステップS209に進む。
【0073】
ここで、先のステップS206にて、選択対象番組が現時刻において放送されていない(受信不可)であるとして否定の判別結果が得られた場合には、上記のステップS208の処理をスキップして、ステップS209に至るようにされている。つまり、選択対象番組のチャンネルについての待機再生処理を意図的に実行させないようにしている。この場合には、選択対象番組が現時刻において放送されていないのであるから、仮に、選択対象番組を放送予定のチャンネルについて、非表示受信再生処理系により受信・再生処理を行ったとしても、選択対象番組とは異なる番組を対象として受信・再生処理を行うことになってしまう。このような受信・再生処理は、無駄な動作であって、例えば処理負担や電力消費の増加につながる可能性がある。そこで、ステップS206にて否定の判別結果が得られた場合には、新たな待機再生処理を開始させないこととしたものである。
【0074】
次のステップS209においては、EPG画像に対する操作として、現在の選択対象番組を決定するための操作(番組決定操作)が行われたか否かを判別することとしており、番組決定操作が行われていなければステップS204に戻るようにされる。このようにして番組決定操作が行われるまでは、ステップS204〜S209の処理をループさせることで、選択対象番組の変更操作(選択指示枠41の移動操作である)を行うことが可能とされる。そして、これとともに、非表示受信再生処理系が受信・再生処理の対象とするチャンネルも、選択対象番組がチャンネル(放送局)間で変更されることに応じて変更されることになる。
これに対して、ステップS209においてチャンネル決定操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS210に進むようにされる。
【0075】
ステップS210においては、上記ステップS208に対応する番組決定操作により決定された番組のチャンネルについては、現在において表示受信再生処理系により受信・再生処理を行っているか否かについての判別を行うようにされる。
ここで先ず、肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS213により、非表示受信再生処理系に対する電源供給を停止するとともに、ステップS214により、EPG画像を消去するようにされる。このEPG画像の消去に伴い、映像信号処理回路11は、映像デコーダ8から入力されるビデオ信号の画像を表示部26の表示画面部30に表示させるように制御される。つまり、今回のEPG画像を表示させる直前まで表示させていた番組(チャンネル)の画像が、再び主画像として表示されることになる。これは、ステップS215にて肯定の判別結果が得られてステップS213、S214の手順を実行した場合にも、上記と同様にして、今回のEPG画像表示前の状態に戻ることになる。
【0076】
また、ステップS210において否定の判別結果が得られた場合には、ステップS211により下記の判別処理を実行する。
ステップS211では、今回の番組決定操作により決定された番組のチャンネルは、現在において、非表示受信再生処理系により受信・再生処理中の状態であるか否かについて判別するようにされる。先に、図5により説明したように、EPG画像に対する番組選択操作にあっては、現在時刻において放送していない、将来の或る時間に放送予定の番組も選択することが可能とされている。そして、このような将来において放送予定の番組が新たに選択対象番組とされたとしても、そのときには、選択対象番組のチャンネルについてのステップS208による待機再生処理は行わないようにされている。従って、EPG画像に対する選択決定操作に対応しては、非表示受信再生処理系が、番組決定操作により決定された番組のチャンネル以外のチャンネルについて受信・再生処理を行っている場合がある。ステップS211は、この状態であるかどうかを判断しているものである。
【0077】
ステップS211において肯定の判別結果が得られた場合には、番組決定操作により決定された番組のチャンネルは、非表示受信再生処理系により受信・再生処理を実行中であることになる。そこで、この場合には、ステップS212により、先の図3のステップS110と同様にして、表示受信再生処理系と非表示受信再生処理系とについての交替処理を実行する。そのうえで、ステップS213、S214を実行する。
このステップS211からステップS212、S213、S214に至る処理が、例えば図4(b)の状態の下で、EPG画像表示前とは異なる新たな番組について番組決定操作を行った場合に応答した動作として現れることになる。そして、このときには、それまで非表示受信再生処理系により受信・再生処理を行ってバッファ7aにバッファリングされていたデマルチプレクス処理後の信号・データをデコーダ系に出力することになる。つまり、切り換え先の番組(チャンネル)の画像音声は即座に再生出力されることになる。
【0078】
これに対して、ステップS211にて否定の判別結果が得られた場合であるが、このときの選択決定操作により決定された番組は、将来に放送が予定されている番組であることになる。そこで、この場合には、ステップS216により、この決定された番組についての予約録画設定を行うための操作画面を表示させる。
【0079】
また、本実施の形態のデジタル放送受信装置1においては、EPG画像について、図7に示す態様により表示させることも可能とされている。なお、図4、図5と同一とされる部分については同一符号を付して説明を省略する。
図4、図5においては、表示画面部30の表示領域全体を利用してEPG画像を表示させていた。これに対して、図7においては、番組の画像を表示させている表示画面部30のほぼ下側半分の領域であるEPG表示領域51において、番組の画像の上に重ねるようにしてEPG画像を表示させるようにされる。これにより、番組の画像は、表示画面部30における番組画像表示領域50において、ほぼ上半分の部分が表示されることになる。なお、番組画像表示領域50において表示されている番組の画像は、例えば、EPG表示領域51にEPG画像を表示させる直前までは、表示画面部30全体を使用するようにして主画面として表示されていたものである。
このような表示では、EPG画像上において一度に提示できる時間帯の幅は狭くはなるものの、番組の画像は上半分が明確に見えることになる。つまり、図7の表示態様は、EPG画像は利用したいが、これまで視聴していた番組の画像がほとんど見えなくなるのは不都合だとユーザが思うような状況において有用となる。
【0080】
この図7に示すEPG画像の表示態様にあっても、番組についての選択操作、決定操作は、図4、図5にて説明したのと同様にして行うことが可能とされる。なお、放送時間帯については、縦方向に沿ったスクロールを行うことで、現時刻から或る将来の時刻までを表示させていくことが可能とされている。
そのうえで、この図7に示すEPG画像に対する番組選択・決定操作に対応してデジタル放送受信装置1が実行する処理手順としても、先に図6のフローチャートに準ずればよいものとされる。
【0081】
これまでに説明してきた、第1の実施の形態としてのコンテンツ再生装置であるデジタル放送受信装置1は、デジタル地上波によるテレビジョン放送を受信して再生出力するものとされていた。つまり、送出側から一方的に電波などとして送出されてくる、いわゆる放送を受信するものとされる。
しかし、現状にあっては、インターネットなどのネットワークの普及、進化にともなって、IPTVなどともいわれる、番組(コンテンツ)をネットワーク経由で放送(配信)する技術も実用化されるようになってきている。そこで、第2の実施の形態としては、このようなIPTVに対応した受信装置に本願発明を適用するものである。
【0082】
図8は、第2の実施の形態としてのコンテンツ再生装置である、IPTV受信装置100の構成例を示している。なお、この図において図1と同一部分には同一符号を付して、ここでの説明は省略する。
【0083】
このIPTV受信装置100は、ネットワーク上に設けられるIPTVサーバ(ここでは図示を省略)とネットワーク経由で通信を行い、IPTVサーバから番組単位のコンテンツをダウンロードして受信取得する。IPTVサーバは、番組単位の画像・音声によるコンテンツのデータを多数蓄積しており、IPTV受信装置100からのコンテンツの送信要求に応答して、要求された番組(コンテンツ)のデータを、例えばストリーミング方式(あるいはダウンロード方式)により送出するようにされている。ここで、IPTVサーバとしては、例えばほぼ受信した複数のコンテンツ送信要求ごとに応じて、時分割的に、異なる番組のデータを送出することが可能とされている。これは、単位期間においては、IPTVサーバ(コンテンツ送出源)が複数の異なるコンテンツを同時的に送出可能とされているものであると見ることができる。
【0084】
IPTV受信装置100において、ネットワークインターフェイス21は、上記のようにしてIPTVこのために設けられる。ネットワークインターフェイス21は、ネットワークに対応した通信プロトコルに従って、IPTVサーバを含むネットワーク上の他の機器と通信を可能とするための構成を有している。
【0085】
上記のようにしてネットワークインターフェイス21を備えるIPTV受信装置100が、IPTVサーバから目的とする番組のデータをダウンロードし、これを再生出力するまでの動作について説明しておく。
IPTV受信装置100により番組のデータをダウンロードするときには、例えばCPU13の制御により、ネットワークインターフェイス21からIPTVサーバに対して、目的とする番組のデータ(番組データ)のダウンロード要求を送信するようにされる。この要求に応答して、IPTVサーバ100は、要求された番組データを、要求元のIPTV受信装置100に対して送信する。IPTV受信装置100は、このようにして送信されてくる番組データを、ネットワークインターフェイス21により受信することになる。ネットワーク経由でのデータの送信は周知のようにして、所定の通信プロトコルに従ってパケット化されて伝送されてくる。ネットワークインターフェイス21では、このようにしてパケット化されて伝送されてくる番組データを受信してパケット化を解き、番組データを復元して出力するようにされる。この場合においては、このようにしてネットワークインターフェイス21から出力される段階の番組データは、例えば、図1に示したデジタル放送受信装置1において、デマルチプレクサ(6a、6b)に入力される段階のTSと同等の構造、形式によるものであるとする。
【0086】
ネットワークインターフェイス21にて得られた番組データは、デマルチプレクサ(6a、6b)に対して出力させることになる。例えばネットワークインターフェイス21は、CPU13の制御に応じて、番組データを、デマルチプレクサ6a、6bの何れか一方を出力先として指定して出力させることができるようにされている。デマルチプレクサ6a、6bは、自身が出力先として指定されたのであれば、ネットワークインターフェイス21からの番組データを入力して取り込み、例えば圧縮ビデオ信号、圧縮オーディオ信号を分離抽出し、バッファ7aにバッファリングさせていくようにされる。さらに字幕放送用データや各種付加情報が多重化されていたのであれば、これらのデータ、情報も分離抽出し、バッファリングあるいはRAM17への格納などを行うようにされる。
【0087】
なお、ここでは、デマルチプレクサ6a及びバッファ7aから成る部位を第1再生処理系23Aとし、デマルチプレクサ6b及びバッファ7bから成る部位を第2再生処理系24Aとしている。第1再生処理系23Aと第2再生処理系24Aは、それぞれ、図1の第1受信再生処理系23、第2受信再生処理系24に相当する部位となる。
【0088】
デマルチプレクサ6a、6bより後段の構成は、図1と同様となる。IPTV受信装置100としては、ネットワーク経由でIPTVサーバからダウンロードしてきた番組データについて、第1再生処理系23A若しくは第2再生処理系24Aにより再生処理(デマルチプレクス処理)を行ったうえで、デコーダ系(映像デコーダ8、音声デコーダ9(及び字幕デコーダ10))によりデコード処理を実行し、最終的に画像音声として再生出力させることが可能とされているものである。
このようにしてIPTV受信装置100は、例えばストリーミング方式(あるいはダウンロード方式)によりIPTVサーバからダウンロードした番組のデータを、画像音声として再生出力することが可能とされている。
【0089】
また、CPU13、操作部14、受信部15、RAM16、ROM17、電源部25などの構成も、図1と同様となる。また、この場合においても、第1再生処理系23Aと第2再生処理系24Aに対する電源供給については、それぞれ独立してオン/オフコントロールを行うことが可能とされている。
【0090】
また、この第2の実施の形態に対応しては、IPTVサーバにおいて、このIPTVサーバが提供(放送)する番組の検索に用いることのできる、電子番組表(IPTV−EPG)のデータを用意しているものとされる。IPTV−EPGは、IPTVサーバにより提供可能な番組に関する情報を有して成るものとされる。そして、IPTV受信装置100は、例えばネットワークインターフェイス21経由で、IPTVサーバから、IPTVサーバが提供する番組を検索する電子番組表(IPTV−EPG)のデータをダウンロードし、このIPTV−EPGのデータに基づいてEPG画像(IPTV−EPG画像)を表示させることが可能とされている。IPTV受信装置100のユーザは、このIPTV−EPG画像に対する番組選択・決定操作を行うことで、所望の番組をダウンロードして再生出力させ、視聴することができる。なお、IPTV−EPG画像の表示態様例の図示による説明は省略する。
【0091】
図9のフローチャートは、上記したようなEPG画像に対する番組選択・決定操作に対応してIPTV受信装置100が実行するものとされる処理手順例を示している。
なお、この図に示す手順も、これまでの実施の形態の場合と同様にして、図9に示す処理が開始される段階においては、IPTV受信装置100は、何らかのチャンネルを受信選局して再生出力させている状態にあるものとする。また、この図の説明にあっても、第1再生処理系23A及び第2再生処理系24Aのそれぞれについて、「表示再生処理系」若しくは「非表示再生処理系」の何れかの名称を用いる。「表示再生処理系」「非表示再生処理系」の意義は、それぞれ、第1の実施の形態における「表示受信再生処理系」「非表示受信再生処理系」に準ずる。
【0092】
先ず、IPTV受信装置100は、ステップS301において、既に或るIPTVの番組のデータを受信して再生出力させている状態の下で、IPTV−EPG画像を表示させるための操作が行われるのを待機し、この操作が行われたのであれば、ステップS302以降の手順に進むようにされる。
【0093】
ステップS302においては、上記の操作に応じて、例えば先に述べたようにしてIPTVサーバからIPTV−EPGデータをダウンロードし、IPTV−EPG画像の表示出力を開始させる。なお、図示は省略するが、この表示開始時において表示されるIPTV−EPG画像の内容としても、先の実施の形態の場合と同様に、先ずは、これまでに再生出力させていた番組についての選択が所定の態様による選択指示表示によって行われている状態にあるものとする。つまり、これまでに再生出力させていた番組が選択対象番組とされているものである。
【0094】
ステップS303においては、これまで電源供給が停止されていたとする非表示再生処理系に対して電源の供給を開始し、以降において、この非表示再生処理系が、いつでも有効な再生処理動作を開始可能な状態とする。
【0095】
ステップS304においては、IPTV−EPG画像に対する操作として、選択対象番組を変更する操作が行われたか否かについての判別を行うようにされる。
このステップS304にて、選択対象番組を変更する操作は行われないとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS314によりIPTV−EPG画像の消去操作が行われたか否かを判別し、ここで肯定の判別結果が得られたのであれば、後述するステップS312に進み、否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS309に進むようにされる。
一方、ステップS304にて、選択対象番組を変更する操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS305に進む。
ステップS305では、例えばCPU13がRAM16に保持させているとされる、現在における選択対象番組を示す情報の更新を行う。つまり、上記ステップS304により判別された操作に応じた、選択対象番組についての変更設定を行う。また、これとともに、IPTV−EPG画像については、変更設定された選択対象番組が選択中にあることが示されるようにして表示制御を行うようにされる。
【0096】
続いて、ステップS306においては、この選択対象番組が、現在において、表示再生処理系により受信・再生処理が行われているチャンネルのものであるか否かについて判別する。ここで肯定の判別結果が得られた場合には、選択対象番組は、既に表示再生処理系により受信・再生処理を実行中であるために、新たに、非表示再生処理系により受信・再生処理を開始させる必要はない。そこで、この場合には、ステップS307、S308の手順をスキップしてステップS309に進む。
これに対してステップS306にて否定の判別結果が得られた場合には、ステップS307に進むようにされる。
【0097】
ステップS307においては、この新たに選択対象番組とされた番組(コンテンツ)のデータの送信をIPTVサーバに要求するともに、この要求に応答して送信されてくるデータを受信取得するための制御処理を開始する。つまり、IPTV受信装置100のCPU13は、ネットワークインターフェイス21からネットワーク経由で、上記選択対象番組とされた番組(コンテンツ)のデータについての送信要求(コンテンツ送信要求)を送信する。IPTVサーバでは、このコンテンツ送信要求を受信すると、要求された番組のデータの送信を、要求元のIPTV受信装置100に対して開始するようにされる。IPTV受信装置100では、送信されてくる番組のデータをネットワークインターフェイス21により受信して、例えば前述したようにTSに相当する形式により出力するようにされる。
そして、これとともに、ステップS308により、上記のようにして得られたTS形式相当の番組のデータを非表示再生処理系により入力させるとともに、待機再生処理を開始させる。
【0098】
次のステップS310においては、IPTV−EPG画像に対する操作として、現在の選択対象番組を決定するための操作(番組決定操作)が行われたか否かを判別し、番組決定操作が行われていなければステップS304に戻るようにされる。これに対して、ステップS309においてチャンネル決定操作が行われたとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS310に進むようにされる。
【0099】
ステップS310においては、上記ステップS308に対応する番組決定操作により決定された番組のチャンネルは、現在において表示再生処理系により受信・再生処理を行っているか否かについての判別を行うようにされる。
先ず、ステップS310において肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS312により、非表示再生処理系に対する電源供給を停止するとともに、ステップS314により、IPTV−EPG画像を消去するようにされる。このIPTV−EPG画像の消去に伴い、映像信号処理回路11は、映像デコーダ8から入力されるビデオ信号の画像を表示部26の表示画面部30に表示させるように制御する。これにより、今回のIPTV−EPG画像を表示させる直前まで表示させていた番組の画像を、再度、主画像として表示させるようにされる。なお、ステップS314にて肯定の判別結果が得られてステップS312、S313の手順を実行した場合にも、上記と同様にして、今回のIPTV−EPG画像表示前の状態に戻る。
【0100】
一方、ステップS310において否定の判別結果が得られた場合には、ステップS311に進む。ステップS311に至った場合、今回の番組決定操作により決定された番組のチャンネルは、非表示再生処理系により再生処理を実行中であることになる。そこで、この場合には、ステップS311により、図3のステップS110と同様にして、表示再生処理系と非表示再生処理系とについての交替処理を実行する。そのうえで、ステップS312、S313の手順を実行する。
【0101】
IPTV受信装置100の場合には、デマルチプレクサ6a、6bによる番組のデータについてのデマルチプレクス処理による処理時間のほか、番組データの送信要求をIPTVサーバに送信してから、これに応答したIPTVサーバによる番組のデータ送信が開始されるまでの時間と、この送信されてきたデータの受信取得開始するまでの時間などにも、相当の長さが必要になる。このために、例えば仮に、IPTV−EPG画像上で視聴する番組の決定操作に応じてダウンロード要求を送信するように構成したとすれば、この番組決定操作に応じて番組が再生出力開始されるまでには、やはり相当の遅延が生じてしまうこととなって、IPTV−EPG画像の操作感を損なうことになる。そこで、IPTV受信装置100についても、これまでに説明したような構成を与えることとすれば、番組の決定操作に応答して迅速に再生出力が開始されることが可能となって有効である。
【0102】
なお、これまでの実施の形態では、待機再生処理として、チャンネル、番組などとしてのコンテンツの情報(信号・データ)を受信取得して、デマルチプレクス処理までの段階の処理を行うこととしている。しかし、待機再生処理として、どの段階までの処理とするのかについては、例えば実際に応じて適宜変更されて良い。実施の形態として示した図1のデジタル放送受信装置1についての一例としては、デコーダ系(映像デコーダ8、音声デコーダ9、字幕デコーダ10)についても2系統を設けて、それぞれにデマルチプレクサ6a、6bにより分離抽出されたビデオ信号、オーディオ信号、及び字幕放送用データを入力させるようにし、このデコーダ系までの信号処理系を、第1受信再生処理系23、第2受信再生処理系24とするようにされる。そして、これらの第1受信再生処理系23、第2受信再生処理系24から出力されるデコード後のビデオ信号、オーディオ信号、及び字幕放送用データの何れか一方が、映像信号処理回路11とD/A変換器12に対して入力されるようにするものである。
【0103】
また、これまでの実施の形態においては、受信再生処理系(あるいは再生処理系)を2系統備えることとしているが、3系統以上を設けることとしてもよい。このようにして3系統を設けることとした場合には、非表示受信再生処理系(非表示再生処理系)が複数系統設けられることになるのであるが、例えば1つの非表示受信再生処理系には、これまでの実施の形態と同様に選択対象チャンネル(選択対象番組)について待機再生処理を実行させ、残りの非表示受信再生処理系については、そのときの選択対象チャンネル(選択対象番組)に次いで将来的に選択決定される可能性が高いとされるチャンネル(番組)を所定の規則によって選択し、これらの選択されたチャンネル(番組)を対象として再生待機処理を実行させるようにすることが考えられる。
【0104】
また、コンテンツ送出源としては、第1、第2の実施の形態に対応する地上デジタル放送の送出システム、装置やIPTVサーバの他にも考えられるものである。例えば地上デジタル放送以外のデジタル又はアナログテレビジョン放送に対応する送出システム、装置の他、ラジオ放送なども考えることができる。
また、これに伴って、本願発明が適用される装置としては、所定の放送若しくはサーバなどを始めとするコンテンツの送出源から送出可能とされている複数のコンテンツから選択を行って、これを再生出力するようにされた装置であればよく、地上デジタル放送受信装置、IPTV受信装置などのみに限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明における第1の実施の形態となる、デジタル放送受信装置の構成例示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態のデジタル放送受信装置により表示される二軸式操作画面を利用したチャンネル選択・決定のための操作手順例を示す図である。
【図3】二軸式操作画面に対する番組の選択・決定操作に応じて、第1の実施の形態のデジタル放送受信装置が実行する処理手順例について示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態のデジタル放送受信装置により表示されるEPG画像を利用したチャンネル選択・決定のための操作手順例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態のデジタル放送受信装置により表示されるEPG画像を利用したチャンネル選択・決定のための操作手順例を示す図である。
【図6】EPG画像に対する番組の選択・決定操作に応じて、第1の実施の形態のデジタル放送受信装置が実行する処理手順例について示すフローチャートである。
【図7】EPG画像についての他の表示態様例を示す図である。
【図8】本願発明における第2の実施の形態となる、IPTV受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態のIPTV受信装置により表示されるIPTV−EPG画像を利用したチャンネル選択・決定のための操作手順例を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1 デジタル放送受信装置、2 アンテナ、3a・3b チューナ、4a・4b 復調器、5a・5b デスクランブラ、6a・6b デマルチプレクサ、7a・7b バッファ、8 映像デコーダ、9 音声デコーダ、10 字幕デコーダ、11 映像信号処理回路、12 D/A変換器、13 CPU、14 操作部、15 受信部、16 RAM、17 ROM、19 リモートコントローラ、20 信号切り換え部、20a、20b、20c スイッチ部、21 ネットワークI/F、23 第1受信再生処理系、24 第2受信再生処理系、23A 第1再生処理系、24A 第2再生処理系、25 電源部、26 表示部、27 音声出力部、30 表示画面部、31 メニュー選択バー、32 メニュー内項目バー、33、41 選択指示枠、43 放送局・チャンネル表示領域、44 現在日時表示領域、50 番組画像表示領域、51 EPG表示領域、100 IPTV受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるコンテンツを同時的に送出可能なコンテンツ送出源から送出されるコンテンツを受信可能とされるとともに、受信したコンテンツの1つを対象として所定段階までの再生処理を実行するようにされた複数の再生処理手段と、
上記複数の再生処理手段による再生処理を経て出力されるコンテンツのうちから、実際に再生出力させるべき1つのコンテンツを選択して出力するコンテンツ出力手段と、
上記コンテンツ送出源から送出可能とされているコンテンツのうちから、1つのコンテンツを選択する結果となる選択操作と、選択中にあるコンテンツの再生出力を指定する結果となる決定操作とを少なくとも可能とする操作画面を表示出力させるための制御を実行する操作画面表示制御手段と、
上記操作画面に対する上記選択操作によりコンテンツが新たに選択されたことに応じて、上記複数の再生処理手段から選択した1つの再生処理手段により、新たに選択されたコンテンツを基準にして所定規則に従って指定したコンテンツについての再生処理である待機再生処理を開始させる、再生処理制御手段と、
上記操作画面に対して上記決定操作が行われたときに、この決定操作により再生出力が指定されたコンテンツについての上記待機再生処理を実行中の再生処理手段がある場合には、この再生処理手段の再生処理を経たコンテンツが実際に再生出力されるようにして上記コンテンツ出力手段を制御する、出力切換制御手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
上記再生処理制御手段は、上記操作画面に対して、上記コンテンツ送出源より送出可能なコンテンツのうち、現在時刻では送出を行わないコンテンツの選択操作が新たに行われた場合に応じては、上記待機再生処理を上記再生処理手段に開始させない、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
複数の異なるコンテンツを同時的に送出可能なコンテンツ送出源から送出されたコンテンツを受信し、受信したコンテンツの1つを対象として所定段階までの再生処理を実行するようにされた複数の再生処理手段による再生処理を経て出力されるコンテンツのうちから、実際に再生出力させるべき1つのコンテンツを選択して出力するコンテンツ出力手順と、
上記コンテンツ送出源から送出可能とされているコンテンツのうちから、1つのコンテンツを選択する結果となる選択操作と、選択中にあるコンテンツの再生出力を指定する結果となる決定操作とを少なくとも可能とする操作画面を表示出力させるための制御を実行する操作画面表示制御手順と、
上記操作画面に対する上記選択操作によりコンテンツが新たに選択されたことに応じて、上記複数の再生処理手段から選択した1つの再生処理手段により、新たに選択されたコンテンツを基準にして所定規則に従って指定したコンテンツについての再生処理である待機再生処理を開始させる、再生処理制御手順と、
上記操作画面に対して上記決定操作が行われたときに、この決定操作により再生出力が指定されたコンテンツについての上記待機再生処理を実行中の再生処理手段がある場合には、上記コンテンツ出力手順により、この再生処理手段の再生処理を経たコンテンツが実際に再生出力されるようにして制御する、出力切換制御手順と、
を備えることを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項4】
複数の異なるコンテンツを同時的に送出可能なコンテンツ送出源から送出されたコンテンツを受信し、受信したコンテンツの1つを対象として所定段階までの再生処理を実行するようにされた複数の再生処理手段による再生処理を経て出力されるコンテンツのうちから、実際に再生出力させるべき1つのコンテンツを選択して出力するコンテンツ出力手順と、
上記コンテンツ送出源から送出可能とされているコンテンツのうちから、1つのコンテンツを選択する結果となる選択操作と、選択中にあるコンテンツの再生出力を指定する結果となる決定操作とを少なくとも可能とする操作画面を表示出力させるための制御を実行する操作画面表示制御手順と、
上記操作画面に対する上記選択操作によりコンテンツが新たに選択されたことに応じて、上記複数の再生処理手段から選択した1つの再生処理手段により、新たに選択されたコンテンツを基準にして所定規則に従って指定したコンテンツについての再生処理である待機再生処理を開始させる、再生処理制御手順と、
上記操作画面に対して上記決定操作が行われたときに、この決定操作により再生出力が指定されたコンテンツについての上記待機再生処理を実行中の再生処理手段がある場合には、上記コンテンツ出力手順により、この再生処理手段の再生処理を経て出力されるコンテンツが実際に再生出力されるようにして制御する、出力切換制御手順と、
をコンテンツ再生装置に実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−5233(P2009−5233A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166117(P2007−166117)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】