説明

コンバイン

【課題】 例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際に、該走行灯が所定位置を正確に照らすことができるように刈取部を保持する保持操作を簡単容易に行うことができるコンバインを提供する。
【解決手段】 機体と、前記機体の前方に該機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結された刈取部Aであって、前方を照らす走行灯Lが設けられた刈取部Aと、刈取部Aを前記回動軸線回りに昇降させるように、固定側部材82が前記機体に連結され且つ可動側部材81が前記刈取部Aに係合可能とされた油圧シリンダ8とを備えたコンバイン100は、刈取部Aと係合して、走行灯Lが所定位置を照らす位置に該刈取部Aを保持するストッパー部材40を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインとして、機体と、該機体の前方に昇降可能に連結された刈取部と、該刈取部を昇降させる油圧シリンダとを備えたものがある。
そして、前記刈取部には、前方を照らす為の走行灯が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
このような、刈取部に走行灯が設けられたコンバインにおいては、前記刈取部の昇降位置によって走行灯の照射領域が画される。
従って、例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際には、前記走行灯が前方の望ましい所定の領域を照らすように、前記刈取部の昇降位置を保持する必要がある。
【特許文献1】特開2004−229521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記したような従来のコンバインでは、路上走行等の場合において走行灯を点灯させる際に、該走行灯が所定位置を正確に照らすことができるように刈取部を保持する保持操作は油圧シリンダの作動による該刈取部の昇降位置の調整によって行われており、該刈取部の保持操作が煩わしいといった問題がある。
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際に、該走行灯が所定位置を正確に照らすことができるように刈取部を保持する保持操作を簡単容易に行うことができるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、機体と、前記機体の前方に該機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結された刈取部であって、前方を照らす走行灯が設けられた刈取部と、前記刈取部を前記回動軸線回りに昇降させるように、固定側部材が前記機体に連結され且つ可動側部材が前記刈取部に係合可能とされた油圧シリンダとを備えたコンバインであって、前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持するストッパー部材を備えていることを特徴とするコンバインを提供する。
【0007】
本発明に係るコンバインでは、前記ストッパー部材が、前記刈取部と係合して、前記走行灯が前記所定位置を照らす位置に該刈取部が保持される。このとき、前記刈取部の保持操作は、前記ストッパー部材を操作するだけでよく、従来の如く前記油圧シリンダの作動による前記刈取部の昇降位置を調整しなくてもよい。そして、前記刈取部における前記走行灯は、前記ストッパー部材によって前記所定位置を照らす位置に保持されているので、該所定位置を正確に照らすことができる。
【0008】
このように本発明に係るコンバインによれば、前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持する前記ストッパー部材を備えているので、例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際に、該走行灯が所定位置を正確に照らすことができるように前記刈取部を保持する保持操作を簡単容易に行うことができる。
【0009】
前記ストッパー部材の具体的態様としては、前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持する保持位置と、前記刈取部の昇降軌跡から退避された解除位置とをとり得るように、前記固定側部材に揺動可能に連結されている場合を例示できる。
【0010】
このように、前記保持位置と前記解除位置とをとり得るように、前記固定側部材に揺動可能に連結されている前記ストッパー部材を備えたコンバインについて、基端部が前記固定側部材に前記機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結され且つ先端部が出退可能とされた刈取位置決め調整用部材であって、該先端部が前記刈取部と係合して、該刈取部の刈取下端位置を画する刈取位置と、前記刈取部の昇降軌跡から退避する退避位置とをとり得るように構成された刈取位置決め調整用部材をさらに備えていてもよい。この場合、前記ストッパー部材は、基端部が前記刈取位置決め調整用部材の回動軸線回りに揺動自在とされていることが好ましい。このように、前記ストッパー部材の基端部を前記刈取位置決め調整用部材の回動軸線回りに揺動自在とすることで、コンパクト化を実現できると共に部品点数を減少させることができ、それだけ部品コストを低減させることができる。
【0011】
本発明に係るコンバインにおいて、前記ストッパー部材を作動させるストッパー作動装置をさらに備え、前記ストッパー部材が、運転席に設けられた操作レバーによって、前記ストッパー作動装置を介して、前記保持位置又は前記解除位置をとり得るように構成されていてもよい。この場合、運転席から前記操作レバーを遠隔操作することで、該運転席にいながらにして前記ストッパー部材が作動し、該ストッパー部材にて前記刈取部を保持することができる。これにより、前記刈取部の保持操作をさらに簡単容易に行うことができる。この場合、前記ストッパー作動装置としては、前記ストッパー部材を作動させ得るように前記操作レバーに連動連結された機械的なストッパーリンク機構を含むものや、前記操作レバーに設けられたスイッチに電気的に接続されたストッパー駆動装置であって、前記ストッパー部材を電気的に作動させるためのストッパー駆動装置を含むものを例示できる。
【0012】
なお、前記ストッパー部材が前記刈取部と係合する際に、或いは、前記刈取位置決め調整用部材を備える場合には該調整用部材が前記刈取部と係合する際に、前記油圧シリンダの前記可動側部材が前記刈取部に係合可能とされる状態には、前記油圧シリンダの前記可動側部材が前記刈取部に連結されている状態であって、該油圧シリンダが縮小方向に作動しても該可動側部材が該刈取部から離間せずに、該可動側部材と該刈取部との係合状態が維持されるような状態や、前記油圧シリンダの前記可動側部材が前記刈取部に係止される状態であって、該油圧シリンダが縮小方向に作動して該可動側部材が該刈取部から離間するような状態を含む。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明に係るコンバインによると、前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持する前記ストッパー部材を備えているので、例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際に、該走行灯が所定位置を正確に照らすことができるように前記刈取部を保持する保持操作を簡単容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態であるコンバイン100の概略構成を示す全体側面図である。
【0015】
まず、図1を用いてコンバイン100の全体構成について説明する。このコンバイン100は、クローラ走行装置G上に回動可能にフレームFが装着されており、該フレームFにおいて、機体幅方向一方側(本実施形態では進行方向右側)前方に運転席D1を覆う運転用キャビンD、その後方にグレンタンクEが配置されており、該フレームFの機体幅方向他方側(本実施形態では進行方向左側)には、上部で脱穀部Bが、下部で選別部Cが配設されている。このように構成された機体の前方には刈取部Aが配設されている。
【0016】
前記刈取部Aは、刈取部ケース1内において穀稈が前方に突出した分草板2により分草されて、該分草板2の後方に立設された穀稈引き起こし装置3から突出されたタインにより引き起こされ、該刈取部ケース1の後部に配設された刈刃4にて株元側から刈り取られる。
【0017】
前記刈取部Aの後方には扱胴10等を備える前記脱穀部Bが配置され、前記刈取部Aと前記脱穀部Bとの間に穀稈の搬送装置5が配設されている。さらに、該搬送装置5の後方であって、前記脱穀部Bの側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記刈取部Aで刈り取られた穀稈は前記搬送装置5からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穂先側が前記脱穀部B内に突入された状態で穀稈が後方へ搬送されて、該脱穀部Bの前記扱胴10等によって脱穀が行われる。
【0018】
次に図2から図5を用いて前記刈取部Aを中心に説明する。図2は図1に示すコンバイン100の前記刈取部A部分の概略構成を中心に示す側面図である。
【0019】
前記刈取部Aには、図2に示すように、前方を照らす走行灯L(図1も参照)が設けられている。さらに言えば、前記刈取部Aは、該刈取部Aの上下方向略中央部であって機体幅方向両端部(図1及び図2では進行方向左側のみ図示)に一対の走行灯Lが設けられている。この一対の走行灯Lは、例えば、夕方や夜間などに前方を照らすために用いられるものである。
【0020】
また、前記刈取部Aは、前記機体の前方に該機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結されている。詳しくは、図2に示すように、前記フレームFの前端から脱穀部Bの前側に軸受台17を立ち上げ、この軸受台17の上面に左右の半割軸受18を設ける一方、刈取入力軸7を内蔵する軸管である刈取入力ケース20を前記刈取部Aに設け、前記刈取入力ケース20の両端部を前記左右の半割軸受18によって前記軸受台17に回転自在に軸受けし、前記刈取入力ケース20を前記脱穀部Bの前側にて機体左右方向に水平に横架支持している。
【0021】
また、刈取入力ケース20の外面から前斜下方に向けて一体延設する縦伝動ケース6と、該縦伝動ケース6の先端に中間部外面を一体連結して該縦伝動ケース6の先端にて機体左右方向に水平に横架支持する横伝動ケース22と、後部を横連結フレーム23によって一体連結した刈取フレーム24とを設け、該刈取フレーム24の後部を前記横伝動ケース22に一体連結して該刈取フレーム24を該横伝動ケース22から機体前方に向けて平行に一体延設し、これら一体の前記刈取入力軸20、前記縦伝動ケース6、前記横伝動ケース22、前記刈取フレーム24を前記刈取部Aのメインフレームとし、前記クローラ走行装置Gと前記縦伝動ケース6との間に刈取部昇降用油圧シリンダー8(油圧シリンダの一例)を張架し、該油圧シリンダー8を伸縮させることによって前記刈取部Aを刈取入力ケース20を中心に(支点に)上下方向に回動させるように構成している。
【0022】
即ち、前記刈取部Aにおける前記穀稈搬送装置5の下方には、前記刈取部Aの駆動力を伝動する前記縦伝動ケース6が配設されており、この刈取部A全体が、前記縦伝動ケース6の回動軸となっている前記刈取入力軸7を回動支点として、前記刈取部昇降用油圧シリンダー8にて上下に回動できるようになっている。
【0023】
図3及び図4は刈取部昇降用油圧シリンダー8の刈取部Aとの係合部分の概略構成を拡大して示す側面図であって、図3は該油圧シリンダー8における刈取位置決め調整用部材30が刈取部Aに係合している状態を示し、図4は該油圧シリンダー8におけるストッパー部材40が刈取部Aに係合している状態を示している。また、図5は刈取部昇降用油圧シリンダー8の刈取部Aとの係合部分の分解斜視図である。
【0024】
前記油圧シリンダー8は、図3から図5に示すように、ピストンロッド81とシリンダー部82とからなり、前記刈取部Aを前記回動軸線回りに昇降させるように、固定側部材(本実施形態ではシリンダー部82)が前記機体に連結され且つ可動側部材(本実施形態ではピストン部81)が前記刈取部Aに係合可能とされている。本実施形態では、前記シリンダー部82が前記クローラ式走行装置G上におけるトラックフレームG1に第1シリンダーピンP1を枢支軸として回動自在に連結されていて、前記ピストンロッド81がシリンダーブラケット21を介して該縦伝動ケース6に連結されている。
【0025】
さらに説明すると、前記シリンダーブラケット21は、第1ブラケット部211と該第1ブラケット部211に揺動可能に設けられた第2ブラケット部212とからなり、前記第1ブラケット部211が前記縦伝動ケース6に固設されており、前記第2ブラケット部212において第2シリンダピンP2を機体幅方向に貫通する貫通孔21aが設けられていると共に、該貫通孔21a上方に、後述する刈取位置決め調整用部材30及びストッパー部材40が当接する当接面21bを有している。前記油圧シリンダー8の前記ピストンロッド81は、先端部に前記第2シリンダピンP2を機体幅方向に貫通する貫通孔81aが設けられており、該貫通孔81aに該第2シリンダピンP2が前記シリンダーブラケット21の前記第2ブラケット部212における前記貫通孔21aと共に貫通することで、該シリンダーブラケット21に該第2シリンダピンP2を枢支軸として回動自在に連結されている。また、前記油圧シリンダー8の前記シリンダー部82には、先端部に前記刈取位置決め調整用部材30及びストッパー部材40を支持するブラケット82aが設けられている。このブラケット82aには、ストッパー支点ピンP3を機体幅方向に貫通する貫通孔82bが設けられている。なお、図5において、前記シリンダーブラケット21は下方に開いた状態を示しているが、前記油圧シリンダー8が前記縦伝動ケース6を支持する際は、前記第1ブラケット部211が図中矢印方向に閉じた状態となる。
【0026】
このコンバイン100は、前記した刈取位置決め調整用部材30及びストッパー部材40をさらに備えている。
【0027】
前記刈取位置決め調整用部材30は、図3から図5に示すように、基端部31が前記シリンダー部82に前記機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結され且つ先端部32が出退可能とされており、該先端部32が前記刈取部Aと係合して、該刈取部Aの刈取下端位置を画する刈取位置と、前記刈取部Aの昇降軌跡から退避する退避位置とをとり得るように構成されている。詳しくは、前記先端部32は、ボルト部材からなり、また前記基端部31は、貫通孔31aが設けられた円筒状の円筒部材311と、該円筒部材311の腹部に連結された円柱部材312とからなる「T」字状の部材である。前記円柱部材312の頂部には、ボルト部材からなる前記先端部32を螺合する螺子穴31bを有するナット313が設けられており、前記先端部32が前記基端部31の前記螺子穴31bに螺合した状態で、該先端部32の頂面32aが前記シリンダーブラケット21の前記当接面21bと当接することで、前記刈取部Aの刈取下端位置を調整できるようになっている。また、このように構成された前記調整用部材30は、前記基端部31における前記円筒部材311の前記貫通孔31aに前記ストッパー支点ピンP3が前記ブラケット82aにおける前記貫通孔82bと共に貫通することで、前記刈取位置と前記退避位置とをとることができるように回動自在となっている。
【0028】
前記ストッパー部材40は、前記刈取部Aと係合して、前記走行灯Lが所定位置を照らす位置に該刈取部Aを保持するものであり、本実施形態では、前記刈取部Aと係合して、前記走行灯Lが所定位置を照らす位置に該刈取部Aを保持する保持位置(ここでは地面から前記刈取部Aの刈取下端位置までの距離d(図2参照)が20cm程度となるような保持位置)と、前記刈取部Aの昇降軌跡から退避された解除位置とをとり得るように、前記シリンダー部82に揺動可能に連結されている。また、前記ストッパー部材40は、前記調整用部材30を覆うように、基端部40’が該調整用部材30の回動軸線回りに揺動自在とされている。さらに説明すると、前記ストッパー部材40は、図3から図5に示すように、機体幅方向と直交方向に延びる基部41の機体幅方向両端部が略直角に屈曲した左右一対の側部42を有する断面「コ」の字形状の長尺部材であり、前記両側部42の長手方向一方側の基端部40’には、前記ストッパー支点ピンP3を機体幅方向に貫通する貫通孔42aが、他方側の先端部には、前記シリンダーブラケット21の前記当接面21bと当接する当接部43が設けられている。そして、前記ストッパー部材40における前記両側部42の前記貫通孔42aに前記ストッパー支点ピンP3が前記調整用部材30における前記基端部31の前記貫通孔31a及び前記ブラケット82aにおける前記貫通孔82bと共に貫通することで、前記保持位置と前記解除位置とをとることができるように回動自在となっている。
【0029】
以上説明したコンバイン100では、前記刈取部Aを保持する保持操作を行うにあたり、作業者の手動操作によって、前記ストッパー部材40が前記解除位置から前記ストッパー支点ピンP3を支点として前記保持位置に向けて回動される。そして、前記油圧シリンダ8が縮小方向に作動されると、図4に示すように、前記ストッパー部材40の前記当接部43が、前記刈取部Aにおける前記シリンダーブラケット21の前記当接面21bと係合して、前記走行灯Lが前記所定位置を照らす位置に該刈取部Aが保持される。このとき、前記刈取部Aの保持操作は、前記ストッパー部材40を操作するだけでよく、従来の如く前記油圧シリンダ8の作動による前記刈取部Aの昇降位置を調整しなくてもよい。なお、前記縦伝動ケース6に前記シリンダーブラケット21を介して連結されている前記ピストンロッド81は、前記油圧シリンダ8が縮小方向に作動しても、そのまま該縦伝動ケース6から離間せずに、該ピストンロッド81と該縦伝動ケース6との係合状態が維持されている。かくして、前記刈取部Aにおける前記走行灯Lは、前記ストッパー部材40によって前記所定位置を照らす位置に保持されており、従って、該所定位置を正確に照らすことができる。
【0030】
このように本実施形態に係るコンバイン100によれば、前記刈取部Aと係合して、前記走行灯Lが所定位置を照らす位置に該刈取部Aを保持する前記ストッパー部材40を備えているので、例えば、路上走行等の場合において夕方や夜間などに走行灯を点灯させる際に、該走行灯Lが所定位置を正確に照らすことができるように前記刈取部Aを保持する保持操作を簡単容易に行うことができる。
【0031】
また、前記ストッパー部材40は、前記基端部40’が前記刈取位置決め調整用部材30の回動軸線回りに揺動自在とされているので、コンパクト化を実現できると共に部品点数を減少させることができ、それだけ部品コストを低減させることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、前記ストッパー部材140及び前記刈取位置決め調整用部材130が前記刈取部Aと係合する際に、前記油圧シリンダ8の前記ピストンロッド81が前記刈取部Aに係合可能な状態は、前記油圧シリンダ8の前記ピストンロッド81が前記刈取部Aの前記縦伝動ケース6に連結されている状態であって、該油圧シリンダ8が縮小方向に作動しても該ピストンロッド81が該縦伝動ケース6から離間せずに、該ピストンロッド81と該縦伝動ケース6との係合状態が維持されるような状態としているが、それに限定されるものではなく、前記ピストンロッド81が前記刈取部Aの前記縦伝動ケース6に係止される状態であって、該油圧シリンダ8が縮小方向に作動して該ピストンロッド81が該縦伝動ケース6から離間するような状態としてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、作業者の手動操作によって、前記ストッパー部材40を操作するように構成されているが、前記ストッパー部材40を作動させるストッパー作動装置(例えば、前記ストッパー部材40を作動させ得るように前記操作レバーD2に連動連結された機械的なストッパーリンク機構を含むものや、前記操作レバーD2に設けられたスイッチに電気的に接続されたストッパー駆動装置であって、前記ストッパー部材40を電気的に作動させるためのストッパー駆動装置を含むもの等)をさらに備え、前記ストッパー部材40が、前記運転席D1に設けられた操作レバーD2によって、前記ストッパー作動装置を介して、前記保持位置又は前記解除位置をとり得るように構成されていてもよい。この場合、前記運転席D1から前記操作レバーD2を遠隔操作することで、該運転席D1にいながらにして前記ストッパー部材40が作動し、該ストッパー部材40にて前記刈取部Aを保持することができる。これにより、前記刈取部Aの保持操作をさらに簡単容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるコンバインの概略構成を示す全体側面図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの刈取部部分を中心に示す概略側面図である。
【図3】図3は、刈取部昇降用油圧シリンダーの刈取部との係合部分の概略構成を拡大して示す側面図であって、該油圧シリンダーにおける刈取位置決め調整用部材が刈取部に係合している状態を示している。
【図4】図4は、刈取部昇降用油圧シリンダーの刈取部との係合部分の概略構成を拡大して示す側面図であって、該油圧シリンダーにおけるストッパー部材が刈取部に係合している状態を示している。
【図5】図5は、刈取部昇降用油圧シリンダーの刈取部との係合部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
8…油圧シリンダ 30…刈取位置決め調整用部材 31…調整用部材の基端部
32…調整用部材の先端部 40…ストッパー部材 40’…ストッパー部材の基端部
81…ピストンロッド(可動側部材の一例) 82…シリンダー部(固定側部材の一例)
100…コンバイン A…刈取部 L…走行灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、前記機体の前方に該機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結された刈取部であって、前方を照らす走行灯が設けられた刈取部と、前記刈取部を前記回動軸線回りに昇降させるように、固定側部材が前記機体に連結され且つ可動側部材が前記刈取部に係合可能とされた油圧シリンダとを備えたコンバインであって、
前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持するストッパー部材を備えていることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記ストッパー部材は、前記刈取部と係合して、前記走行灯が所定位置を照らす位置に該刈取部を保持する保持位置と、前記刈取部の昇降軌跡から退避された解除位置とをとり得るように、前記固定側部材に揺動可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
基端部が前記固定側部材に前記機体の幅方向に沿った回動軸線回り揺動自在に連結され且つ先端部が出退可能とされた刈取位置決め調整用部材であって、該先端部が前記刈取部と係合して、該刈取部の刈取下端位置を画する刈取位置と、前記刈取部の昇降軌跡から退避する退避位置とをとり得るように構成された刈取位置決め調整用部材をさらに備え、
前記ストッパー部材は、基端部が前記刈取位置決め調整用部材の回動軸線回りに揺動自在とされていることを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ストッパー部材を作動させるストッパー作動装置をさらに備え、
前記ストッパー部材は、運転席に設けられた操作レバーによって、前記ストッパー作動装置を介して、前記保持位置又は前記解除位置をとり得るように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−254821(P2006−254821A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78486(P2005−78486)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】