サイドターンランプ付きドアミラー
【課題】 簡単な構成により、クリア感,奥行き感が向上すると共に、外観の見栄えが向上するようにした、極めて優れたサイドターンランプ付きドアミラーを提供する。
【解決手段】 自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバー11に備えられて前面から外側面まで回り込むように形成した窓部11aと、窓部に嵌め込み、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成したアウターレンズ13と、アウターレンズ13の内側端面13aに対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装した少なくとも一つのLED15bとを含むように、サイドターンランプ付きドアミラー10を構成する。
【解決手段】 自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバー11に備えられて前面から外側面まで回り込むように形成した窓部11aと、窓部に嵌め込み、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成したアウターレンズ13と、アウターレンズ13の内側端面13aに対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装した少なくとも一つのLED15bとを含むように、サイドターンランプ付きドアミラー10を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED式のサイドターンランプ付きドアミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、図4に示すように、自動車のドアミラー1に対して、サイドターンランプ2を埋め込んで、右折,左折等の場合に、このサイドターンランプを点滅させることにより、視認性を向上させて、安全性を高める方法が広く採用されてきている。
このようなサイドターンランプ付きドアミラーにおけるサイドターンランプは、その取付けスペースの観点から、一般的に光源としてLEDが広く使用されている。
【0003】
ところで、このようなドアミラーに取り付けられるサイドターンランプにおいても、その配光特性が厳密に規定されており、この配光特性を満たすためには、サイドターンランプ2は、例えば図5に示すように構成されている。
図5において、サイドターンランプ2は、左側のドアミラー1に取り付けられるサイドターンランプであって、ドアミラー1の前側のミラーカバー1aの表面に沿って湾曲して、ハウジング3,アウターレンズ4及びLED光源5から構成されている。
【0004】
上記ハウジング3は、不透光性材料から構成されており、アウターレンズ4と共にLED光源5を収容すべき密閉空間を画成している。上記アウターレンズ4は、ミラーカバー1aの表面に沿って配置されており、好ましくは内面に断面が鋸歯状のレンズステップ部4aを備えている。
【0005】
上記LED光源5は、上記ハウジング3及びアウターレンズ4により画成される密閉空間内に沿って延びる基板5aと、この基板5a上にて適宜の間隔で外向きに実装された複数個(図示の場合、5個)のLED5bとから構成されている。これらのLED5bは、前述したサイドターンランプ2の配光特性を満たすように、それぞれ所定の方向を向いて基板5a上に実装されている。
【0006】
このような構成のサイドターンランプ2によれば、自動車のターン時または非常時等に、サイドターンランプまたはハザードランプとして図示しない駆動制御部によりLED光源5が間欠駆動されることにより、LED光源5の各LED5bが点滅して、所定の配光特性で外部にアンバー色光または橙色光を出射するようになっている。
【0007】
ところで、このようなサイドターンランプ2においては、その配光特性を満たすように機能優先で設計されていることから、外部からアウターレンズ4を介して内側のLED基板5a及びLED5bが視認され得る。このため、外観見栄えが損なわれてしまい、デザイン性の観点から好ましくない。
【0008】
また、投光を拡散させる為にアウターレンズ4の内面にレンズステップ部4aを備えている場合には、内側のLED基板5a及びLED5bは視認されにくくなるものの、レンズステップ部4aのボツボツ感を視認でき、上記同様に見栄えが損なわれてしまうことになる。
【0009】
これに対して、特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置によれば、ドアミラー先端付近に埋め込まれたLEDから出射する光をアウターレンズの内面に設けたプリズムにより配光制御して、斜め後方に向かって出射させるようにしている。
【特許文献1】特開2005−186669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置においては、光源としてのLEDが、ドアミラーの先端付近に埋め込まれていることから、所定の機能特性を備えるアウトサイドミラーの外側にLEDが配置されることになり、ドアミラー全体が大型化し、外側により大きく張り出すことになってしまう。
また、特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置において、ランプレンズのうち、サイドターンランプとして視認され得るドアミラー前側に位置する部分は、内面に装飾用のランプ(その他の灯火)として機能するLEDが埋め込まれており、前述したサイドターンランプ2の場合と同様に、内部空間にフレキシブル基板及びLEDが設けられていることから、外観上、これらのフレキシブル基板及びLEDが視認され、外観見栄えが損なわれてしまう。
【0011】
本発明は、以上の点にかんがみ、簡単な構成により、クリア感,奥行き感が向上すると共に、外観見栄えが向上するようにしたサイドターンランプ付きドアミラーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明によれば、自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバーに備えられた前面から外側面まで回り込むように形成された窓部と、この窓部に嵌め込まれ、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されたアウターレンズと、上記アウターレンズの内側端面に対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装された少なくとも一つのLEDと、を含んでいることを特徴とする、サイドターンランプ付きドアミラーにより、達成される。
【0013】
本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーは、好ましくは、このアウターレンズの裏側に間隔をあけてハウジングが配置されており、上記ハウジングの表面に加飾リブを備えている。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、LEDが発光すると、LEDから出射した光が、アウターレンズの内側端面から内部に入射し、徐々に肉薄になる先端に向かって全反射を繰り返して進むことになる。そして、上記アウターレンズの先端付近に達した光は、アウターレンズから外部へ出射して、所定範囲内に照射される。
【0015】
この場合、LED光源はドアミラーのカバーの裏側に配置されて外部から視認され得るようなことはなく、また上記アウターレンズの内面には、従来のようなレンズステップ部が備えられていないことから、アウターレンズに関してクリア感,奥行き感があるので、外観見栄えが向上されることになる。
【0016】
上記ハウジングの表面に、加飾リブを備えている場合には、この加飾リブがアウターレンズを介して外部から視認され得ることになるので、サイドターンランプのデザインの自由度が大きくなり、多彩なデザインが可能となる。
【0017】
このようにして、本発明によれば、サイドターンランプを構成するアウターレンズを、LED光の入射口から射出口に向かって徐々に肉薄になるように形成したことにより、アウターレンズの入射口から入射した光が、先端に向かって全反射を繰り返して進む際に、効率良く先端に導かれる。
【0018】
また、LED光源をミラー外側から隠れるドアミラーのカバーの裏側に配置したので、LED光源が視認されないようにアウターレンズの内面にレンズステップ部を設ける必要がない。したがって、アウターレンズのクリア感及び奥行き感が向上すると共に、サイドターンランプの外観見栄えが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の第一の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラーの構成を示している。図1において、サイドターンランプ付きドアミラー10は、自動車の右側(運転席側)のドアミラーとして構成されており、従来と同様に、そのドアミラーカバー11の前面から外側面に回り込むように形成された窓部11aに埋め込まれたサイドターンランプ12を備えている。
【0020】
上記サイドターンランプ12は、図2に示すように、ドアミラーカバー11の表面に沿って配置されると共に、上記窓部11a内に嵌め込まれたアウターレンズ13と、このアウターレンズ13の裏側に所定間隔をあけて配置されたハウジング14と、このアウターレンズ13の内側端面13aに対向して配置されたLED光源15と、から構成されている。
【0021】
上記アウターレンズ13は、透光性材料、例えば透明材料から構成されており、上記ドアミラーカバー11の表面に沿って湾曲するように形成されていると共に、その内側端面13aから外側の先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されている。
【0022】
さらに、上記アウターレンズ13は、その先端付近にレンズカット部13bを備えている。このレンズカット部13bは、上記アウターレンズ13内で先端に向かって進んできた光を外部に出射させて、所定の配光特性を備えるように、所定の角度θの範囲で照射させるように形成されている。
【0023】
上記ハウジング14は、少なくとも表面が不透光性材料から成り、さらに表面が反射性を備えるように例えばアルミ蒸着処理が施されている。
ここで、上記ハウジング14は、上記アウターレンズ13と組み合わせられたとき、その間に所定間隔の空間を画成するように、根元部分に凸部14aを備えると共に、先端部分に係合部14bを備えている。これにより、上記凸部14aが、アウターレンズ13の根元付近の内面に当接すると共に、上記係合部14bが、アウターレンズ13の先端付近と係合することにより、ハウジング14がアウターレンズ13に対して所定位置に固定される。
【0024】
上記LED光源15は、アウターレンズ13の光入射口、即ちアウターレンズ13の内側端面13aに対応して、ドアミラーカバー11の裏側に配置されている。図示を省略するが、LED光源15は基板15aに例えば3個のLED15bを実装している。
【0025】
本発明の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラー10は、以上のように構成されており以下のように動作する。
自動車のターン時または非常時等には、サイドターンランプまたはハザードランプとして図示しない駆動制御部によりLED光源15が間欠駆動されて上記LED光源15の各LED15bが点滅し、外部にアンバー色光または橙色光を出射する。
【0026】
ここで、各LED15bから出射した光Lは、上記アウターレンズ13の内側端面13aからアウターレンズ13内に入射し、図2において矢印で示すように、全反射を繰り返しながら、より肉薄の先端に向かって進むことになる。
その際、上記アウターレンズ13が先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されていることにより、その内側端面13aから入射した光が、先端に向かって集束されることになり、より効率良く先端に向かって導かれるようになっている。
【0027】
そして、上記アウターレンズ13の先端付近に達した光Lは、アウターレンズ13の先端付近に設けられたレンズカット部13bから外部へ出射する。その際、上記レンズカット部13bの形状に基づいて、光Lは、図2にてθで示す角度範囲内に照射され、所定のサイドターンランプの配光特性を形成することになる。
【0028】
この場合、上記アウターレンズ13とハウジング14との間にLED光源が配置されていないので、アウターレンズ13を介してLED光源が見えることがなく、外観の見栄えが向上することになる。
さらに、上記アウターレンズ13の裏面に、LED光源を見えなくするためのレンズステップ部が存在しないので、アウターレンズ13のクリア感,奥行き感が向上することになり、より一層外観見栄えが向上する。
【0029】
図3は、本発明の第二の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラーの構成を示している。図3において、サイドターンランプ付きドアミラー20は、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
上記サイドターンランプ付きドアミラー20は、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10と比較して、ハウジング14の表面に、加飾リブ21を備えている点でのみ異なる構成になっている。
この加飾リブ21は任意の意匠を有しており、アウターレンズ13を介して外部から視認され得るようになっている。
【0031】
このような構成のサイドターンランプ付きドアミラー20によれば、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10とほぼ同様に作用すると共に、上記ハウジング14の表面に上記加飾リブ21が備えられているので、外部からアウターレンズ13を観察したとき、アウターレンズ13を介して加飾リブ21が視認される。
【0032】
したがって、上記アウターレンズ13が内面にレンズステップ部を備えていないことにより、クリア感及び奥行き感が向上すると共に、さらに上記アウターレンズ13を介して上記加飾リブ21が視認され得るので、サイドターンランプの意匠性が向上し、デザインの自由度が大きくなると共に、サイドターンランプの外観見栄えがより一層向上することになる。
【0033】
以上説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの第一の実施形態の外観を示す概略正面図である。
【図2】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す図1のA−A線部分拡大断面図である。
【図3】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】従来のサイドターンランプ付きドアミラーの一例の外観を示す概略正面図である。
【図5】従来のサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す図4のA−A線部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10,20 サイドターンランプ付きドアミラー
11 ドアミラーカバー
11a 窓部
12 サイドターンランプ
13 アウターレンズ
13a 内側端面
13b レンズカット部
14 ハウジング
14a 凸部
14b 係合部
15 LED光源
15a 基板
15b LED
21 加飾リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED式のサイドターンランプ付きドアミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、図4に示すように、自動車のドアミラー1に対して、サイドターンランプ2を埋め込んで、右折,左折等の場合に、このサイドターンランプを点滅させることにより、視認性を向上させて、安全性を高める方法が広く採用されてきている。
このようなサイドターンランプ付きドアミラーにおけるサイドターンランプは、その取付けスペースの観点から、一般的に光源としてLEDが広く使用されている。
【0003】
ところで、このようなドアミラーに取り付けられるサイドターンランプにおいても、その配光特性が厳密に規定されており、この配光特性を満たすためには、サイドターンランプ2は、例えば図5に示すように構成されている。
図5において、サイドターンランプ2は、左側のドアミラー1に取り付けられるサイドターンランプであって、ドアミラー1の前側のミラーカバー1aの表面に沿って湾曲して、ハウジング3,アウターレンズ4及びLED光源5から構成されている。
【0004】
上記ハウジング3は、不透光性材料から構成されており、アウターレンズ4と共にLED光源5を収容すべき密閉空間を画成している。上記アウターレンズ4は、ミラーカバー1aの表面に沿って配置されており、好ましくは内面に断面が鋸歯状のレンズステップ部4aを備えている。
【0005】
上記LED光源5は、上記ハウジング3及びアウターレンズ4により画成される密閉空間内に沿って延びる基板5aと、この基板5a上にて適宜の間隔で外向きに実装された複数個(図示の場合、5個)のLED5bとから構成されている。これらのLED5bは、前述したサイドターンランプ2の配光特性を満たすように、それぞれ所定の方向を向いて基板5a上に実装されている。
【0006】
このような構成のサイドターンランプ2によれば、自動車のターン時または非常時等に、サイドターンランプまたはハザードランプとして図示しない駆動制御部によりLED光源5が間欠駆動されることにより、LED光源5の各LED5bが点滅して、所定の配光特性で外部にアンバー色光または橙色光を出射するようになっている。
【0007】
ところで、このようなサイドターンランプ2においては、その配光特性を満たすように機能優先で設計されていることから、外部からアウターレンズ4を介して内側のLED基板5a及びLED5bが視認され得る。このため、外観見栄えが損なわれてしまい、デザイン性の観点から好ましくない。
【0008】
また、投光を拡散させる為にアウターレンズ4の内面にレンズステップ部4aを備えている場合には、内側のLED基板5a及びLED5bは視認されにくくなるものの、レンズステップ部4aのボツボツ感を視認でき、上記同様に見栄えが損なわれてしまうことになる。
【0009】
これに対して、特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置によれば、ドアミラー先端付近に埋め込まれたLEDから出射する光をアウターレンズの内面に設けたプリズムにより配光制御して、斜め後方に向かって出射させるようにしている。
【特許文献1】特開2005−186669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置においては、光源としてのLEDが、ドアミラーの先端付近に埋め込まれていることから、所定の機能特性を備えるアウトサイドミラーの外側にLEDが配置されることになり、ドアミラー全体が大型化し、外側により大きく張り出すことになってしまう。
また、特許文献1による車両用アウトサイドミラー装置において、ランプレンズのうち、サイドターンランプとして視認され得るドアミラー前側に位置する部分は、内面に装飾用のランプ(その他の灯火)として機能するLEDが埋め込まれており、前述したサイドターンランプ2の場合と同様に、内部空間にフレキシブル基板及びLEDが設けられていることから、外観上、これらのフレキシブル基板及びLEDが視認され、外観見栄えが損なわれてしまう。
【0011】
本発明は、以上の点にかんがみ、簡単な構成により、クリア感,奥行き感が向上すると共に、外観見栄えが向上するようにしたサイドターンランプ付きドアミラーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明によれば、自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバーに備えられた前面から外側面まで回り込むように形成された窓部と、この窓部に嵌め込まれ、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されたアウターレンズと、上記アウターレンズの内側端面に対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装された少なくとも一つのLEDと、を含んでいることを特徴とする、サイドターンランプ付きドアミラーにより、達成される。
【0013】
本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーは、好ましくは、このアウターレンズの裏側に間隔をあけてハウジングが配置されており、上記ハウジングの表面に加飾リブを備えている。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、LEDが発光すると、LEDから出射した光が、アウターレンズの内側端面から内部に入射し、徐々に肉薄になる先端に向かって全反射を繰り返して進むことになる。そして、上記アウターレンズの先端付近に達した光は、アウターレンズから外部へ出射して、所定範囲内に照射される。
【0015】
この場合、LED光源はドアミラーのカバーの裏側に配置されて外部から視認され得るようなことはなく、また上記アウターレンズの内面には、従来のようなレンズステップ部が備えられていないことから、アウターレンズに関してクリア感,奥行き感があるので、外観見栄えが向上されることになる。
【0016】
上記ハウジングの表面に、加飾リブを備えている場合には、この加飾リブがアウターレンズを介して外部から視認され得ることになるので、サイドターンランプのデザインの自由度が大きくなり、多彩なデザインが可能となる。
【0017】
このようにして、本発明によれば、サイドターンランプを構成するアウターレンズを、LED光の入射口から射出口に向かって徐々に肉薄になるように形成したことにより、アウターレンズの入射口から入射した光が、先端に向かって全反射を繰り返して進む際に、効率良く先端に導かれる。
【0018】
また、LED光源をミラー外側から隠れるドアミラーのカバーの裏側に配置したので、LED光源が視認されないようにアウターレンズの内面にレンズステップ部を設ける必要がない。したがって、アウターレンズのクリア感及び奥行き感が向上すると共に、サイドターンランプの外観見栄えが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の第一の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラーの構成を示している。図1において、サイドターンランプ付きドアミラー10は、自動車の右側(運転席側)のドアミラーとして構成されており、従来と同様に、そのドアミラーカバー11の前面から外側面に回り込むように形成された窓部11aに埋め込まれたサイドターンランプ12を備えている。
【0020】
上記サイドターンランプ12は、図2に示すように、ドアミラーカバー11の表面に沿って配置されると共に、上記窓部11a内に嵌め込まれたアウターレンズ13と、このアウターレンズ13の裏側に所定間隔をあけて配置されたハウジング14と、このアウターレンズ13の内側端面13aに対向して配置されたLED光源15と、から構成されている。
【0021】
上記アウターレンズ13は、透光性材料、例えば透明材料から構成されており、上記ドアミラーカバー11の表面に沿って湾曲するように形成されていると共に、その内側端面13aから外側の先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されている。
【0022】
さらに、上記アウターレンズ13は、その先端付近にレンズカット部13bを備えている。このレンズカット部13bは、上記アウターレンズ13内で先端に向かって進んできた光を外部に出射させて、所定の配光特性を備えるように、所定の角度θの範囲で照射させるように形成されている。
【0023】
上記ハウジング14は、少なくとも表面が不透光性材料から成り、さらに表面が反射性を備えるように例えばアルミ蒸着処理が施されている。
ここで、上記ハウジング14は、上記アウターレンズ13と組み合わせられたとき、その間に所定間隔の空間を画成するように、根元部分に凸部14aを備えると共に、先端部分に係合部14bを備えている。これにより、上記凸部14aが、アウターレンズ13の根元付近の内面に当接すると共に、上記係合部14bが、アウターレンズ13の先端付近と係合することにより、ハウジング14がアウターレンズ13に対して所定位置に固定される。
【0024】
上記LED光源15は、アウターレンズ13の光入射口、即ちアウターレンズ13の内側端面13aに対応して、ドアミラーカバー11の裏側に配置されている。図示を省略するが、LED光源15は基板15aに例えば3個のLED15bを実装している。
【0025】
本発明の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラー10は、以上のように構成されており以下のように動作する。
自動車のターン時または非常時等には、サイドターンランプまたはハザードランプとして図示しない駆動制御部によりLED光源15が間欠駆動されて上記LED光源15の各LED15bが点滅し、外部にアンバー色光または橙色光を出射する。
【0026】
ここで、各LED15bから出射した光Lは、上記アウターレンズ13の内側端面13aからアウターレンズ13内に入射し、図2において矢印で示すように、全反射を繰り返しながら、より肉薄の先端に向かって進むことになる。
その際、上記アウターレンズ13が先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されていることにより、その内側端面13aから入射した光が、先端に向かって集束されることになり、より効率良く先端に向かって導かれるようになっている。
【0027】
そして、上記アウターレンズ13の先端付近に達した光Lは、アウターレンズ13の先端付近に設けられたレンズカット部13bから外部へ出射する。その際、上記レンズカット部13bの形状に基づいて、光Lは、図2にてθで示す角度範囲内に照射され、所定のサイドターンランプの配光特性を形成することになる。
【0028】
この場合、上記アウターレンズ13とハウジング14との間にLED光源が配置されていないので、アウターレンズ13を介してLED光源が見えることがなく、外観の見栄えが向上することになる。
さらに、上記アウターレンズ13の裏面に、LED光源を見えなくするためのレンズステップ部が存在しないので、アウターレンズ13のクリア感,奥行き感が向上することになり、より一層外観見栄えが向上する。
【0029】
図3は、本発明の第二の実施形態に係るサイドターンランプ付きドアミラーの構成を示している。図3において、サイドターンランプ付きドアミラー20は、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
上記サイドターンランプ付きドアミラー20は、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10と比較して、ハウジング14の表面に、加飾リブ21を備えている点でのみ異なる構成になっている。
この加飾リブ21は任意の意匠を有しており、アウターレンズ13を介して外部から視認され得るようになっている。
【0031】
このような構成のサイドターンランプ付きドアミラー20によれば、図1及び図2に示したサイドターンランプ付きドアミラー10とほぼ同様に作用すると共に、上記ハウジング14の表面に上記加飾リブ21が備えられているので、外部からアウターレンズ13を観察したとき、アウターレンズ13を介して加飾リブ21が視認される。
【0032】
したがって、上記アウターレンズ13が内面にレンズステップ部を備えていないことにより、クリア感及び奥行き感が向上すると共に、さらに上記アウターレンズ13を介して上記加飾リブ21が視認され得るので、サイドターンランプの意匠性が向上し、デザインの自由度が大きくなると共に、サイドターンランプの外観見栄えがより一層向上することになる。
【0033】
以上説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの第一の実施形態の外観を示す概略正面図である。
【図2】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す図1のA−A線部分拡大断面図である。
【図3】本発明によるサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】従来のサイドターンランプ付きドアミラーの一例の外観を示す概略正面図である。
【図5】従来のサイドターンランプ付きドアミラーの要部の内部構成を示す図4のA−A線部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10,20 サイドターンランプ付きドアミラー
11 ドアミラーカバー
11a 窓部
12 サイドターンランプ
13 アウターレンズ
13a 内側端面
13b レンズカット部
14 ハウジング
14a 凸部
14b 係合部
15 LED光源
15a 基板
15b LED
21 加飾リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバーに備えられて前面から外側面まで回り込むように形成された窓部と、
上記窓部に嵌め込まれ、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されたアウターレンズと、
上記アウターレンズの内側端面に対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装された少なくとも一つのLEDと、を含んでいることを特徴とする、サイドターンランプ付きドアミラー。
【請求項2】
前記アウターレンズの裏側に間隔をあけてハウジングが配置されており、
このハウジングの表面に、加飾リブを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のサイドターンランプ付きドアミラー。
【請求項1】
自動車用のドアミラーにおけるドアミラーカバーに備えられて前面から外側面まで回り込むように形成された窓部と、
上記窓部に嵌め込まれ、ドアミラーの先端に向かって徐々に肉薄になるように形成されたアウターレンズと、
上記アウターレンズの内側端面に対向するように、ドアミラーカバーの裏側にて基板上に実装された少なくとも一つのLEDと、を含んでいることを特徴とする、サイドターンランプ付きドアミラー。
【請求項2】
前記アウターレンズの裏側に間隔をあけてハウジングが配置されており、
このハウジングの表面に、加飾リブを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のサイドターンランプ付きドアミラー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−83740(P2007−83740A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271166(P2005−271166)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】
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