説明

サイド用ロードポート、EFEM

【課題】ウェーハ搬送室内に搬送可能なウェーハの数を効果的に増大させることができ、EFEMに用いた場合にはウェーハ搬送の処理能力を向上させることが可能な装置を提供する。
【解決手段】ウェーハ搬送室B及びロードポートCとともにEFEMを構成し、載置テーブルを、ロードポートCがFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す位置と同一直線L上に設定したFOUP受渡位置と、ウェーハ搬送室Bの側面にFOUPxを密着させ得る位置に設定したウェーハ出入位置との間で移動させる移動機構を備えたサイド用ロードポート1を案出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルーム内においてウェーハ搬送室の側面に設置可能なサイド用ロードポートというこれまでに着想されていない斬新な装置に関するものであるとともに、このようなサイド用ロードポートを備えたEFEM(Equipment Front End Module)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程においては、歩留まりや品質の向上のため、クリーンルーム内でのウェーハの処理がなされている。しかしながら、素子の高集積化や回路の微細化、ウェーハの大型化が進んでいる今日では、小さな塵をクリーンルーム内の全体で管理することは、コスト的にも技術的にも困難となってきている。このため、近年では、クリーンルーム内全体の清浄度向上に代わる方法として、ウェーハの周囲の局所的な空間についてのみ清浄度をより向上させる「ミニエンバイロメント方式」を取り入れ、ウェーハの搬送その他の処理を行う手段が採用されている。ミニエンバイロメント方式では、ウェーハを高清浄な環境で搬送・保管するためのFOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれる格納用容器が用いられ、ウェーハ搬送室とともにEFEM(Equipment Front End Module)を構成し、FOUP内のウェーハをウェーハ搬送室との間で出し入れする際や、FOUP搬送装置との間でFOUPの受け渡しを行う際のインターフェース部として機能するロードポート(Load Port)が重要な装置として利用されている。
【0003】
そして、ロードポートに設けたドア部をFOUPの背面に設けた扉に密着させた状態でこれらドア部及び扉が同時に開けられ、ウェーハ搬送室内に設けたアームロボット等のウェーハ搬送ロボットによって、FOUP内のウェーハをウェーハ搬送室内に取り出したり、ウェーハをウェーハ搬送室内からロードポートを通じてFOUP内に収納できるように構成されている。このようなウェーハ搬送ロボットを配置した空間であるウェーハ搬送室、及びロードポートとからなるモジュールは、EFEM(Equipment Front End Module)と呼ばれている。
【0004】
ここで、ロードポートはウェーハ搬送室の前面に配置され、ロードポーロを介してウェーハ搬送ロボットによってFOUP内からウェーハ搬送室内に搬送されたウェーハは、ウェーハ搬送室の背面に配置された半導体処理装置で種々の処理または加工が施された後にウェーハ搬送室内からロードポートを通じてFOUP内に再度収容される。
【0005】
そして、EFEM全体のウェーハ処理能力の向上を図るべく、ウェーハ搬送室の前面に複数のロードポートを並列した構成が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。各ロードポートの載置テーブルには、ロードポートの並列方向に平行な直線状の搬送ラインに沿って作動するFOUP搬送装置によって上方からFOUPが移載されるとともに、処理済みのウェーハを収容したFOUPは、載置テープル上からFOUP搬送装置に移載されるように構成されている。このように、FOUP搬送装置の搬送ラインを各ロードポートの載置テーブルを連続して横切る単純な直線状に設定することによって、搬送ラインの単純化を実現することができるとともに、FOUP搬送装置と各ロードポートの載置テーブルとの間におけるFOUPの受け渡しをスムーズ且つ適切に搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−093227号公報
【特許文献2】特開2009−016604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ウェーハ搬送室の側面にロードポートを配置するという構成はこれまで採用されることがなかった。これは、ウェーハ搬送室の側面に従来と同様のロードポートを配置した場合には、FOUP搬送装置の搬送ラインとして、ウェーハ搬送室の前面に沿った直線状のラインのみならず、ウェーハ搬送室の側面に配置したロードポートの載置テーブル上にFOUPを搬送するためのライン、すなわち、ウェーハ搬送室の側面に沿ったラインも必要となり、搬送ラインの複雑化ひいてはFOUP搬送処理の煩雑化及び搬送処理能力の低下を招来するおそれがあるからである。
【0008】
このような事情から、ウェーハ搬送室の側面にロードポートを配置する構成は採用されなかったが、本発明者は、ウェーハ搬送室の前面のみならず、ウェーハ搬送室の側面からもウェーハ搬送室内にウェーハが出し入れ可能な構成を実現すべく、鋭意熟慮した結果、ウェーハ搬送室内に搬送可能(アクセス可能)なウェーハの数を効果的に増大させることができ、EFEMに用いた場合にはウェーハ搬送の処理能力を向上させることが可能なサイド用ロードポート、及びこのようなサイド用ロードポートを備えたEFEMを発明した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、前面にロードポートが配置されるウェーハ搬送室の少なくとも一方の側面に配置され、これらウェーハ搬送室及びロードポートとともにEFEMを構成するサイド用ロードポートに関するものである。ここで、ウェーハ搬送室の前面には1台のロードポートが配置されてもよく、複数のロードポートが並設されたものであってもよい。本発明のサイド用ロードポートは、ウェーハ搬送室の側面の一方又は両方に配置可能なものである。
【0010】
そして、本発明のサイド用ロードポートは、内部にウェーハを収容可能なFOUPを載置可能な載置テーブルと、載置テーブルを、各ロードポートがFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す位置と同一直線上に設定したFOUP受渡位置と、ウェーハ搬送室の側面にFOUPを密着させ得る位置に設定したウェーハ出入位置との間で移動させる移動機構とを備え、載置テーブルをFOUP受渡位置に配置した状態でFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡すことが可能であるとともに、載置テーブルをウェーハ出入位置に配置した状態でFOUP内に格納されているウェーハをウェーハ搬送室内との間で出し入れ可能なものであることを特徴としている。
【0011】
このようなサイド用ロードポートであれば、FOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡し可能なFOUP受渡位置を、ウェーハ搬送室の前面に設置したロードポートがFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す位置と同一直線上に設定しているため、FOUP搬送装置の搬送ラインがウェーハ搬送室の前面に沿って延びる単純な直線である既知のFOUP搬送装置との間でFOUPを好適に受け渡すことができる。さらに、本実施形態に係るサイド用ロードポートは、移動機構によって載置テーブルをFOUP受渡位置からウェーハ出入位置に移動させることにより、載置テーブルに載置したFOUP内のウェーハをウェーハ搬送室の側面からウェーハ搬送室内に出し入れすることが可能になり、ウェーハ搬送室に対するウェーハのアクセス経路が増加する。したがって、このようなサイド用ロードポートをEFEMに用いれば、ウェーハ搬送処理能力を大きく向上させることができる。
【0012】
特に、本発明のサイド用ロードポートが、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点におけるFOUPの向きと、ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点におけるFOUPの向きとを異ならせる旋回機構を備えたものであれば、FOUP受渡位置におけるFOUPの向きをウェーハ搬送室の前面に配置したロードポート上に積載したFOUPの向きと一致させて、これらロードポートとFOUP搬送装置との間でのFOUPの受け渡し処理と同様の手順でサイド用ロードポートとFOUP搬送装置との間でFOUPの受け渡し処理を行うことができるように設定することが可能になるとともに、ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う場合には、FOUPのウェーハ搬出入用開口部がウェーハ搬送室の側面を向くようにFOUPの向きを設定することが可能になり、ウェーハの出し入れ処理をスムーズに行うことができる。
【0013】
さらに、本発明のサイド用ロードポートが、旋回機構によってFOUPの向きを変える旋回処理時の載置テーブルの高さ位置を、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点及びウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点の載置テーブルの高さ位置よりも高くする昇降機構を備えたものであれば、旋回処理時に載置テーブル及び載置テーブル上のFOUPが他の部材と不意に干渉することを防止することができ、スムーズな旋回処理を実現することができる。
【0014】
また、本発明に係るEFEMは、1台以上のサイド用ロードポートと、サイド用ロードポートを側面に隣接して設けたウェーハ搬送室と、ウェーハ搬送室の前面に隣接して設けたロードポートとによって構成したことを特徴としている。ここで、本発明のEFEMは、ウェーハ搬送室の両側面にそれぞれサイド用ロードポートを設けたものであってもよいし、ウェーハ搬送室の何れか一方の側面にのみサイド用ロードポートを設けたものであってもよい。また、ウェーハ搬送室の前面に配置されるロードポートの台数も限定されるものではない。
【0015】
このようなEFEMであれば、上述した作用効果を奏するサイド用ロードポートを備えているため、ウェーハ搬送装置の搬送ラインの複雑化を招来することなく、EFEM全体のウェーハ搬送処理能力が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、FOUP載置用の載置テーブルを移動機構によって上述した所定のFOUP受渡位置と所定のウェーハ出入位置との間で移動させるという斬新な技術的思想を採用したことによって、ウェーハ搬送室内に搬送可能(アクセス可能)なウェーハの数を効果的に増大させることができ、EFEMに用いた場合にはウェーハ搬送の処理能力を向上させることが可能なサイド用ロードポート、及びこのようなサイド用ロードポートを備えたEFEMを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るサイド用ロードポートを備えたEFEMと半導体処理装置との相対位置関係を模式的に示す平面図。
【図2】図1のa方向矢視図。
【図3】同実施形態においてFOUP受渡処理時のサイド用ロードポートの全体概略図。
【図4】同実施形態に係るサイド用ロードポートの平面模式図。
【図5】図3の状態から載置テーブルを上昇させた時点(旋回処理直前)のサイド用ロードポートを示す図。
【図6】同実施形態において旋回処理直後のサイド用ロードポートを示す図。
【図7】図6の状態から載置テーブルをスライド移動させた状態のサイド用ロードポートを示す図。
【図8】同実施形態においてウェーハ出入処理時のサイド用ロードポートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、例えば半導体の製造工程において用いられ、図1に示すように、共通のクリーンルームA内においてウェーハ搬送室Bの側面に隣接して配置されるものである。このサイド用ロードポート1は、ウェーハ搬送室B、及びウェーハ搬送室Bの前面に並べて配置した複数のロードポートCと共にEFEM(Equipment Front End Module)を構成する。また、ウェーハ搬送室Bの背面には例えばウェーハ処理装置Dが隣接して設けられ、クリーンルームAにおいて、ウェーハ処理装置D内、ウェーハ搬送室B内、及びFOUPx内は高清浄度に維持される一方、ロードポートC及びサイド用ロードポート1を配置した空間、換言すればウェーハ処理装置D外、ウェーハ搬送室B外、及びFOUPx外は比較的低清浄度となる。
【0020】
ここで、図1はサイド用ロードポート1とその周辺を上から見た平面図として、クリーンルームAにおけるサイド用ロードポート1、ロードポートC、及びウェーハ搬送室Bの相対位置関係を模式的に示すとともに、これらサイド用ロードポート1、ロードポートC、及びウェーハ搬送室Bによって構成されるEFEMとウェーハ処理装置Dとの相対位置関係を模式的に示している。
【0021】
以下では、先ずロードポートC、ウェーハ搬送室B及びウェーハ処理装置Dの構造を簡単に説明し、その後にサイド用ロードポート1について詳述する。
【0022】
各ロードポートCは、図1及び図2に示すように、ほぼ矩形板状をなし略鉛直姿勢で配置されるフレームC1と、このフレームC1の高さ方向中央部からやや上方寄りの位置に略水平姿勢で設けた載置テーブルC2とを備え、フレームC1のうち載置テーブルC2とほぼ同じ高さ位置に開口下縁を設定しウェーハ搬送室B内に連通し得る開口部を、ドア部によって開閉可能に構成したものである。このようなロードポートCは、ウェーハ搬送室Bの前面に隣接して配置されるものであり、FOUPxの扉x3(図3参照)を密着させて開閉し、ウェーハ搬送室Bの前面側からウェーハをFOUPx内とウェーハ搬送室B内との間で出し入れするために用いられるものである。本実施形態では、フレームC1の背面がウェーハ搬送室Bの前面に接した状態でロードポートCをウェーハ搬送室Bの前面に複数並べて配置し、ウェーハ搬送室Bの前面に沿って延伸する直線上の搬送ラインL(動線)で作動するFOUP搬送装置によって搬送されたFOUPxを各ロードポートCの上方から載置テーブルC2上に搬送して載置できるとともに、所定の処理(本実施形態では洗浄処理)を終えたウェーハを格納したFOUPxを各ロードポートCの載置テーブルC2上からFOUP搬送装置に引き渡すことができるように設定している。なお、各ロードポートCは、既知のものを適用することができるため、詳細な構造や使用方法については説明を省略する。
【0023】
内部に複数のウェーハを高さ方向に多段状に収容可能なFOUPxは、OHP(Overhead Hoist
Transfer)などのFOUP搬送装置によって把持可能なフランジ部x1を上面に設け、両側面にはハンドルx2を設けた既知のものであり、詳細な説明は省略する。なお、後出の図5乃至図8ではFOUPxの外観を模式的に示すとともに、FOUPxの向きを直感的に把握できるようにハンドルx2を簡略化して示している。
【0024】
ウェーハ搬送室B内には、図1に示すように、FOUPx内のウェーハをウェーハ処理装置D内に搬送したり、ウェーハ処理装置D内で適宜の処理が施されたウェーハをFOUPx内に搬送可能なウェーハ搬送ロボットB1を設けている。本実施形態では、ウェーハ搬送ロボットB1を、ウェーハ搬送室Bの幅方向に延伸するスライドレールB2に沿ってスライド可能に設定し、各ロードポートC及びサイド用ロードポート1にそれぞれ載置されたFOUPx内にアクセス可能に構成している。ここで、ウェーハ搬送ロボットB1は、ウェーハを1枚ずつ搬送可能なものであってもよいし、ウェーハを複数枚ずつ搬送可能なものや、或いはFOUP内の全てのウェーハ部を一度に搬送可能なものであってもよい。また、ウェーハ搬送室B内に、ウェーハ搬送ロボットB1に代えて、又は加えて、FOUPx内とウェーハ処理装置D内との間でウェーハを複数枚格納したカセットごと搬送可能なカセット搬送機構を設けることも可能である。
【0025】
このようなウェーハ搬送室B及びウェーハ搬送室Bの前面に並べて配置した複数のロードポートCと共にEFEMを構成するサイド用ロードポート1は、図1乃至図4(図3はサイド用ロードポート1を一部省略して示す全体概略図であり、図4はサイド用ロードポート1の平面図である)に示すように、ウェーハ搬送装置Hとの間でFOUPxを受け渡すことが可能なFOUP受渡ステージ2と、FOUPx内に収容されたウェーハをウェーハ処理装置D内に払い出すとともに、ウェーハ処理装置Dで処理されたウェーハをFOUPx内に収容可能なウェーハ出入ステージ3(オープナステージ)と、これらFOUP受渡ステージ2及びウェーハ出入ステージ3を支持する共通のベースフレーム4と、FOUPxを載置した状態でFOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で移動可能な載置テーブル5と備えたものである。
【0026】
FOUP受渡ステージ2は、ほぼ矩形板状をなし略鉛直姿勢で配置されるFOUP受渡ステージ側フレーム21と、このFOUP受渡ステージ側フレーム21の上端部に略水平姿勢で設けたFOUP受渡ステージ側載置板22と備えたものである(図3参照)。本実施形態のサイド用ロードポート1は、このFOUP受渡ステージ2を、ロードポートCの載置テーブルC2と同様にFOUP搬送装置の直線状の搬送ラインLが横切る位置に配置している(図1参照)。
【0027】
FOUP受渡ステージ側載置板22は、図4に示すように、載置テーブル5との干渉を避けるFOUP受渡ステージ側切欠部22aを形成したものである。また、このFOUP受渡ステージ側載置板22には、上向きに突出させた3つの突起22bを形成しており、これらの突起22bをFOUPxの底面に形成された穴(図示省略)に係合させることで、FOUP受渡ステージ側載置板22上におけるFOUPxの位置決めを図っている。
【0028】
ウェーハ出入ステージ3は、ほぼ矩形板状をなし略鉛直姿勢で配置されるウェーハ出入ステージ側フレーム31と、このウェーハ出入ステージ側フレーム31の高さ方向中央部よりやや上方寄りの位置に略水平姿勢で設けたウェーハ出入ステージ側載置板32と、ウェーハ出入ステージ側フレーム31のうちウェーハ出入ステージ側載置板32とほぼ同じ高さ位置に開口下縁を設定しウェーハ搬送室B内に連通し得る開口部33と、この開口部33を開閉するドア部34とを備えたものである(図3参照)。
【0029】
ここで、本実施形態のサイド用ロードポート1は、ウェーハ出入ステージ側フレーム31の高さ寸法をロードポートCのフレームC1とほぼ同じ高さ寸法に設定する一方で、FOUP受渡ステージ側フレーム21の高さ寸法をウェーハ出入ステージ側フレーム31よりも小さく設定し、FOUP搬送装置により搬送ラインLに沿って搬送されるFOUPxがFOUP受渡ステージ側フレーム21及びFOUP受渡ステージ側載置板22に不意に干渉する事態を回避している。
【0030】
ウェーハ出入ステージ側載置板32は、図4に示すように、載置テーブル5との干渉を避けるウェーハ出入ステージ側切欠部32aを形成したものである。また、このウェーハ出入ステージ側載置板32には、上向きに突出させた3つの突起32bを形成している。これら3つの突起32bは、FOUP受渡ステージ側載置板22に設けた3つの突起22bと対応する箇所に設けたものであり、これら3つの突起32bをFOUPxの底面に形成された穴(図示省略)に係合させることで、ウェーハ出入ステージ側載置板32上におけるFOUPxの位置決めを図っている。本実施形態では、ウェーハ出入ステージ側載置板32の高さ位置をFOUP受渡ステージ側載置板22と同一又はほぼ同一高さ位置に設定している。また、これらウェーハ出入ステージ側載置板32及びFOUP受渡ステージ側載置板22の高さ位置は、ロードポートCの載置テーブルC2とほぼ高さ位置である。
【0031】
ウェーハ出入ステージ3のドア部34は、FOUPxをウェーハ出入ステージ側載置板32に載置した状態においてFOUPxの背面に設けた扉x3に密着した状態でその扉x3を開ける開状態と、隣接するウェーハ搬送室Bの内部空間とFOUPxの内部空間とを遮断する閉状態との間で作動可能なものであり、具体的な開閉構造は既知のものに準じたものである。
【0032】
また、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、ウェーハ出入ステージ3に、FOUPx内に格納されたウェーハの枚数や位置をマッピングするマッピング装置を設けたり、FOUP受渡ステージ2又はウェーハ出入ステージ3の何れか一方または両方にパージポートを設けることもできる。
【0033】
本実施形態のサイド用ロードポート1では、図1に示すように、FOUP受渡ステージ2及びウェーハ出入ステージ3がウェーハ搬送室Bの側方においてウェーハ搬送室Bの前後方向に沿って並ぶとともに、これらFOUP受渡ステージ2及びウェーハ出入ステージ3の並び方向を、ウェーハ搬送室Bの前面に並べた複数のロードポートCの並び方向(搬送ラインLの延伸方向と一致する方向)とほぼ直交する方向に設定している。このようなレイアウトを採用することにより、FOUP受渡ステージ2は搬送ラインLを横切る位置に配置され、ウェーハ出入ステージ3は搬送ラインLを横切らない位置に配置される。
【0034】
ベースフレーム4は、ウェーハ出入ステージ側フレーム31を重ね合わせた状態で固定する第1固定領域41と、FOUP受渡ステージ側フレーム21を重ね合わせた状態で固定する第2固定領域42とを一体に有するものである(図3及び図4参照)。本実施形態のサイド用ロードポート1は、第1固定領域41をウェーハ搬送室Bの側面に隣接させるとともに、第2固定領域42をFOUP搬送装置の搬送ラインLが横切る位置に配置している。なお、第2固定領域42の上端は、FOUP受渡ステージ2の上端とほぼ同じ高さ位置である。
【0035】
FOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で移動可能な載置テーブル5は、図3及び図4に示すように、例えば平面視略三角形状をなす板状の部材であり、上向きに突出させた3つの突起5aを形成しており、これらの突起5aをFOUPxの底面に形成された前述とは異なる穴(図示省略)に係合させることで、載置テーブル5上におけるFOUPxの位置決めを図っている。すなわちFOUPxの底面には、6つの位置決め用の穴が形成されており、そのうちの3つを載置テーブル5の突起5aと、残りの3つをFOUP受渡ステージ側載置板22の突起22b又はウェーハ出入ステージ側載置板32の突起32bと、それぞれ係合させ得るようにしている。
【0036】
そして、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、載置テーブル5をFOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で移動させる移動機構6と、水平面内におけるFOUPxの向きを変更させる旋回機構7と、載置テーブル5を昇降させる昇降機構8とを備えている。
【0037】
移動機構6は、FOUPxを上面に載せ置くことが可能な載置テーブル5をFOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で水平移動させることによって、FOUPxをFOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で移動させるものである。本実施形態の移動機構6は、載置テーブル5を、少なくとも平面視においてFOUP受渡ステージ側載置板22のFOUP受渡ステージ側切欠部22a内に収まるFOUP受渡位置(図1乃至図3中に実線で示す位置)と、少なくとも平面視においてウェーハ出入ステージ側載置板32のウェーハ出入ステージ側切欠部32a内に収まるウェーハ出入位置との間で水平移動させるものである。
【0038】
この移動機構6による載置テーブル5の移動方向(言い換えれば移動機構6によるFOUPxの移動方向)は、FOUP搬送装置の搬送ラインLの延伸方向とほぼ直交する方向である。本実施形態では、図3及び図5(図5は図3の状態から載置テーブル5を上昇させた時点(旋回処理直前)のサイド用ロードポート1を示す図である)に示すように、FOUP受渡ステージ側フレーム21及びウェーハ出入ステージ側フレーム31に亘る領域に水平姿勢に設けられ、且つ長手方向をFOUP受渡ステージ2及びウェーハ出入ステージ3の並び方向に一致させたレール61(図示例では2本のレール61)と、レール61に沿って移動可能な台車62とを備えた移動機構6を適用している。本実施形態のサイド用ロードポート1では、台車62上に旋回機構7、昇降機構8及び載置テーブル5を配設している。
【0039】
旋回機構7は、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す時点におけるFOUPxの向き及びウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点におけるFOUPxの向きを相互に異ならせるものである。本実施形態の旋回機構7は、載置テーブル5を水平面内で回転させることによって、載置テーブル5上のFOUPxの向きを変更するものである。具体的には、図3、図5及び図6(図6は旋回処理直後のサイド用ロードポート1を示す図である)に示すように、台車62上に設けた回転ステージ71を用いて旋回機構7を構成し、回転ステージ71を鉛直軸回りに回転させることによって載置テーブル5を旋回させ、載置テーブル5上に載置したFOUPxの向きを変更可能に設定している。
【0040】
昇降機構8は、載置テーブル5を、FOUP受渡ステージ側載置板22及びウェーハ出入ステージ側載置板32よりも低位置に設定可能な通常位置(図3参照)と、FOUP受渡ステージ側載置板22及びウェーハ出入ステージ側載置板32よりも高位置に設定可能な上昇位置(図5参照)との間で昇降動作させるものである。昇降機構8は、上端部を載置テーブル5に固定した複数の伸縮可能な複数の例えば液圧式又はガス圧式のシリンダ81を用いて構成することができる。各シリンダ81の下端部側領域はカバー体9によって被覆され、このカバー体9の上部に、各シリンダ81を伸縮動作可能に支持するシリンダ支持部91を設けている。本実施形態では、このカバー体9を回転ステージ71上に取り付けている。また、本実施形態では、載置テーブル5を通常位置に位置付けた状態で、FOUPxをFOUP受渡ステージ側載置板22又はウェーハ出入ステージ側載置板32上に載置した場合に、載置テーブル5がFOUPxに接触しないように設定している(図3参照)。
【0041】
これら移動機構6、旋回機構7及び昇降機構8の各動作は図示しない制御部によって制御されている。なお、メンテナンスや部品交換時などを除いた通常使用時は、移動機構6、旋回機構7及び昇降機構8を共通のカバーで覆っているが、図3及び図4では説明の便宜上、この共通のカバーを取り外した状態を示している。また、サイド用ロードポート1が、載置テーブル5に載置しているFOUPxをドア部34に接離するように載置テーブル5を移動させる機能を有するものであってもよい。
【0042】
次に、このような本実施形態に係るサイド用ロードポート1の使用方法及びEFEMの使用方法について、サイド用ロードポート1を用いてFOUP搬送装置との間でFOUP受け渡す際のサイド用ロードポート1の動作手順、及びサイド用ロードポート1を介してFOUPx内のウェーハをウェーハ搬送室Bひいてはウェーハ処理装置Dに出し入れする際のサイド用ロードポート1の動作手順を中心に説明する。
【0043】
先ず、搬送ラインLに沿ってFOUP搬送装置により搬送されたFOUPxを受け取る場合には、予めサイド用ロードポート1の載置テーブル5をFOUP受渡位置に配置しておく。このFOUP受渡位置は、ウェーハ搬送室Bの前面に配置した各ロードポートCによるFOUPxの受渡位置と同一直線上にあり、FOUP搬送装置の搬送ラインLと一致する。つまり、本実施形態のサイド用ロードポート1は、FOUP搬送装置の搬送ラインLと一致する各ロードポートCの載置テーブルC2を結ぶ受渡ライン上にFOUP受渡位置を設定している。また、FOUP搬送装置により搬送されたFOUPxを受け取る場合には、予め載置テーブル5の高さ位置を通常位置に設定しておく。
【0044】
載置テーブル5の位置をこのような位置(FOUP受渡位置であって且つ通常位置)に設定した状態で、FOUP搬送装置によってサイド用ロードポート1のうちFOUP受渡ステージ2上に搬送されたFOUPxをFOUP受渡ステージ側載置板22上に受け取る(図3参照)。この際、FOUP受渡ステージ側載置板22上に設けた突起22bがFOUPxの底部に形成した穴に係合する。なお、通常位置にある載置テーブル5は、FOUPxの底面よりも下方に位置付けられているため、FOUPxに接触することはない。
【0045】
この時点では、図1に示すようにサイド用ロードポート1の載置テーブル5上に載置されたFOUPxは、ウェーハ搬送室Bの前面に配置したロードポートCの載置テーブルC2上に載置されるFOUPxと同じ向きであり、FOUPxの背面に設けた扉x3がウェーハ搬送室Bの後方を向く姿勢である。
【0046】
次いで、本実施形態のサイド用ロードポート1は、昇降機構8によって載置テーブル5を通常位置から上昇位置へ上昇移動させる。具体的には昇降機構8を構成するシリンダ81を伸長させる。これにより、載置テーブル5は、載置テーブル5上に設けた突起5aをFOUPxの底部に形成した穴に係合させた状態でFOUPxを保持し、FOUP受渡ステージ側載置板22よりも高い位置に位置付けられる(図5参照)。FOUP受渡位置において通常位置と上昇位置との間で昇降移動する載置テーブル5は、FOUP受渡ステージ側切欠部22aを通過することにより、FOUP受渡ステージ側載置板22と干渉することはない。
【0047】
このようにしてFOUPxをFOUP受渡ステージ側載置板22から載置テーブル5上に移載したサイド用ロードポート1は、続いて旋回機構7によって載置テーブル5を旋回させてFOUPxの向きを変更する。具体的には、回転ステージ71を例えば所定方向に90度回転させることによって、回転ステージ71の上方に配置している載置テーブル5を同じ角度分だけ回転させて、FOUPxの背面に設けた扉x3がウェーハ搬送室Bの側面に対面し得る姿勢(言い換えれば載置テーブル5上のFOUPxの扉x3がウェーハ搬送室Bの前面に設けたロードポートC上に載置されるFOUPxの側方を向く姿勢)にFOUPxの向きを変更する(図6参照)。本実施形態では、回転ステージ71上に昇降機構8を設けているため、旋回機構7による載置テーブル5の旋回処理に伴って昇降機構8(具体的には伸縮シリンダ81)全体も旋回することになる。
【0048】
このようにして上昇位置にある載置テーブル5を90度旋回させた後に、本実施形態のサイド用ロードポート1は、移動機構6によって載置テーブル5をFOUP受渡位置からウェーハ出入位置へスライド移動させる。その結果、FOUPxの扉x4をウェーハ搬送室Bの側面に向けた姿勢に保持した状態で載置テーブル5はウェーハ出入位置に到達する(図7参照)。
【0049】
引き続いて、本実施形態のサイド用ロードポート1は、昇降機構8によって載置テーブル5を上昇位置から通常位置へ下降移動させる。具体的には昇降機構8を構成するシリンダ81の長さを縮小させる。これにより、ウェーハ出入ステージ側載置板32上に設けた突起32bがFOUPxの底部に形成した穴に係合した状態でFOUPxをウェーハ出入ステージ側載置板32上に載置する(図8参照)。このようにして、FOUPxを載置テーブル5からウェーハ出入ステージ側載置板32上に移載した状態では、載置テーブル5の突起5aとFOUPxの底部に形成した穴との係合状態は解除され、FOUPxの扉x3がウェーハ出入ステージ3のドア部C4と真正面に向き合う。なお、ウェーハ出入位置において上昇位置と通常位置との間で昇降移動する載置テーブル5は、ウェーハ出入ステージ側切欠部32aを通過することにより、ウェーハ出入ステージ側載置板32と干渉することはない。
【0050】
次に、本実施形態のサイド用ロードポート1は、FOUPx内のウェーハをサイド用ロードポート1の開口部33を経由してウェーハ搬送室B内に順次払い出す処理を行う。この払い出し処理は、サイド用ロードポート1のドア部34をFOUPxの扉x3に密着させた状態で閉状態から開状態とし、開口部33を開放した状態で、マッピング処理工程において異常が検出されなかったウェーハをウェーハ搬送ロボットB1のアーム部上に載置した状態でFOUPx外へ払い出す処理である。本実施形態では、ウェーハ搬送室Bの前面に配置した各ロードポートC上に載置されたFOUPx内へアクセス可能なウェーハ搬送ロボットB1が、サイド用ロードポート1上においてFOUP受渡位置からウェーハ出入位置へスライド移動させ且つ上昇位置から通常位置へ下降移動させた載置テーブル5上からウェーハ出入ステージ側載置板32上に移載したFOUPx内へもアクセス可能に構成している。なお、サイド用ロードポート1にマッピング装置を設けている場合には、マッピング処理後に、マッピング処理工程において異常が検出されなかったウェーハをウェーハ搬送ロボットB1のアーム部上に載置した状態でFOUPx外へ払い出すようにすればよい。
【0051】
引き続いて、ウェーハ搬送室B内のウェーハ搬送ロボットB1によって、ウェーハ搬送室Bを経由してウェーハをウェーハ処理装置D内に搬送する。ウェーハ処理装置D内で適宜の処理を施したウェーハを、ウェーハ搬送ロボットB1によりウェーハ搬送室B内及びサイド用ロードポート1の開口部33を経由してFOUPx内に移送して収納する。次いで、サイド用ロードポート1のドア部34をFOUPxの扉x3に密着させた状態で開状態から閉状態にする。この後のサイド用ロードポート1の動作手順は上述した手順と逆になる。
【0052】
詳述すると、本実施形態のサイド用ロードポート1は、昇降機構8によって載置テーブル5を通常位置から上方位置へ上昇移動させる。具体的には昇降機構8を構成するシリンダ81を伸長させる。これにより、載置テーブル5は、載置テーブル5上に設けた突起5aをFOUPxの底部に形成した穴に係合させた状態でFOUPxを保持し、ウェーハ出入ステージ側載置板32よりも高い位置に位置付けられる(図7参照)。引き続いて、本実施形態のサイド用ロードポート1は、移動機構6によって載置テーブル5をウェーハ出入位置からFOUP受渡位置へスライド移動させる(図6参照)。
【0053】
次いで、本実施形態のサイド用ロードポート1は、旋回機構7によって載置テーブル5を旋回させてFOUPxの向きを変更する。具体的には、回転ステージ71を例えばウェーハ処理前における回転方向(正方向)とは逆方向に90度回転させることにより、回転ステージ71の上方に配置している載置テーブル5を同じ角度分だけ回転させて、ウェーハ搬送室Bの前面に設けたロードポートC上に載置されるFOUPxと同じ方向を向く姿勢にFOUPxの向きを変更する(図5参照)。
【0054】
続いて、本実施形態のサイド用ロードポート1は、昇降機構8によって載置テーブル5を上昇位置から通常位置へ下降移動させる。具体的には昇降機構8を構成するシリンダ81の長さを縮小させる。これにより、FOUP受渡ステージ側載置板22上に設けた突起22bがFOUPxの底部に形成した穴に係合した状態でFOUPxをFOUP受渡ステージ側載置板22上に載置する(図3参照)。なお、通常位置にある載置テーブル5の突起5aとFOUPxの底部に形成した穴との係合状態は解除される。
【0055】
以上の工程を経て、本実施形態のサイド用ロードポート1は、密閉された内部空間に処理済みのウェーハを収納しているFOUPxをFOUP受渡位置に位置付け、さらに、FOUP受渡ステージ側載置板22上においてFOUPxをウェーハ搬送室Bの前面に配置した各ロードポートC上のFOUPxと同じ高さ位置及び同じ向きに保持することができる。その結果、本実施形態のサイド用ロードポート1は、直線上の搬送ラインLに従ってFOUPxを搬送するFOUP搬送装置に、FOUP受渡ステージ2上のFOUPxを引き渡すことが可能である。
【0056】
このように、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、FOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡し可能なFOUP受渡位置を、ロードポートCがFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す位置と同一直線上に設定しているため、搬送ラインLが単純な直線に設定されている既存のFOUP搬送装置との間でFOUPxを好適に受け渡すことができる。また、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、FOUPx内に格納されているウェーハをウェーハ搬送室B内との間で出し入れ可能なウェーハ出入位置をウェーハ搬送室Bの側面にFOUPxを密着させ得る位置に設定し、FOUPxをFOUP受渡位置とウェーハ出入位置との間で移動させる移動機構6を備えているため、移動機構6によってFOUPxをFOUP受渡位置からウェーハ出入位置に移動させることにより、ウェーハ出入位置にあるFOUPx内のウェーハをウェーハ搬送室B内に搬送可能(アクセス可能)な状態にすることができる。このようなサイド用ロードポート1をウェーハ搬送室Bの側面に隣接する位置に配置することにより、ウェーハ搬送室Bの前面に配置したロードポートCに加えて、ウェーハ搬送室Bの側面からもこのサイド用ロードポート1を経由してFOUPx内のウェーハがウェーハ搬送室B内ひいてはウェーハ処理装置D内にアクセス可能な状態になり、大量のウェーハを処理することができる。
【0057】
特に、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、ウェーハ搬送室Bの側面に直接隣接する位置に配置可能なウェーハ出入ステージ3と、ウェーハ搬送室Bの前面に配置した複数のロードポートCの載置テーブル5を結ぶ直線と同一直線上でFOUPxをFOUP搬送装置との間で受け渡し可能なFOUP受渡ステージ2と、FOUPxを保持した状態でFOUP受渡ステージ2とウェーハ出入ステージ3との間で移動可能な載置テーブル5とを備えているため、載置テーブル5のみを移動させることによってFOUPxをFOUP受渡位置とウェーハ出入位置との間で移動させることができる。したがって、移動機構6がサイド用ロードポート全体を移動させるものである場合と比較して、大掛かりな移動機構が不要となり、移動機構6の簡素化及び小型化を図ることができ、大幅なコストアップも回避することができる。
【0058】
また、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す時点におけるFOUPxの向きと、ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点におけるFOUPxの向きとを異ならせる旋回機構7を備えているため、FOUP受渡位置におけるFOUPxの向きをウェーハ搬送室Bの前面に配置したロードポートC上に積載したFOUPxの向きと一致させて、これらロードポートCとFOUP搬送装置との間でのFOUPxの受け渡し処理と同様の手順・要領でサイド用ロードポート1とFOUP搬送装置との間でFOUPxの受け渡し処理を行うことができるように設定することが可能になるとともに、ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う場合には、FOUPxの扉がウェーハ搬送室Bの側面を向くようにFOUPxの向き(姿勢)を設定することが可能になる。
【0059】
さらに、本実施形態に係るサイド用ロードポート1は、旋回機構7によってFOUPxの向きを変える旋回処理時の載置テーブル5の高さ位置を、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す時点及びウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点のFOUPxの高さ位置よりも高くする昇降機構8を備えているため、旋回処理時に載置テーブル5及びFOUPxが他の部材と不意に干渉することを防止することができ、スムーズな旋回処理を実現することができる。加えて、本実施形態に係るサイド用ロードポート1では、この昇降機構8によって、FOUP受渡位置とウェーハ出入位置との間の移動時におけるFOUPxの高さ位置を、FOUP受渡位置においてFOUP搬送装置との間でFOUPxを受け渡す時点及びウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点のFOUPxの高さ位置よりも高く設定しているため、FOUP受渡位置とウェーハ出入位置との間の移動時に載置テーブル5及びFOUPxが他の部材と不意に干渉することも防止することができ、載置テーブル5及びFOUPxのスムーズな移動を実現している。
【0060】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、サイド用ロードポートをウェーハ搬送室の一方の側面にのみ配置しても構わない。特に、ウェーハ搬送室内においてウェーハ搬送ロボットと干渉しない領域、具体的には少なくとも何れか一方のサイド領域にウェーハのアライメントを行うアライナを設置している場合には、アライナを設置したサイドからウェーハをウェーハ搬送室内に出し入れすることは困難または不可能であるため、アライナを設置していないサイドからウェーハをウェーハ搬送室内に出し入れできるようにすべく、ウェーハ搬送室の一方の側面にのみサイド用ロードポートを設けることが好ましい。
【0061】
また、移動機構が、載置テーブルを含むサイド用ロードポート全体を移動させることで載置テーブルをFOUP受渡位置とウェーハ出入位置との間で移動させるものであってもよい。
【0062】
また、移動機構、旋回機構、昇降機構の具体的な構成は、上述した構成に限られることはない。また、これら各機構(移動機構、旋回機構、昇降機構)の駆動源は共通のものであってもよく、それぞれ個別の駆動源であっても構わない。
【0063】
上述した実施形態では、サイド用ロードポートとFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点では、載置テーブルを、FOUP受渡ステージのFOUP受渡ステージ側載置板よりも下方に配置して、載置テーブル上にはFOUPを直接載置しない態様を例示したが、サイド用ロードポートとFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点で載置テーブル上にFOUPを直接載置できるように構成しても構わない。これと同様に、サイド用ロードポートを介してFOUP内のウェーハをウェーハ搬送室内に出し入れする時点でも、載置テーブル上にFOUPを直接載置できるように構成することができる。
【0064】
また、載置テーブルを旋回させるタイミングを、載置テーブルを一旦上昇させた状態で行う態様を例示したが、載置テーブルやFOUPが他の部材と干渉することなくスムーズに旋回可能な環境であれば、FOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡した処理の直後、或いはFOUP内とウェーハ搬送室内との間でウェーハを出し入れした処理の直後に、載置テーブルを上昇させることなく旋回させるようにしても構わない。
【0065】
さらに、ウェーハ搬送装置自体がFOUPの向きを調整する機能を有するものであれば、旋回機構を備えていないサイド用ロードポートであってもよい。
【0066】
また、ウェーハ搬送室の前面に1台のロードポートを配置した態様など、その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…サイド用ロードポート
6…移動機構
7…旋回機構
8…昇降機構
B…ウェーハ搬送室
C…ロードポート
D…ウェーハ処理装置
L…搬送ライン
x…FOUP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にロードポートが配置されるウェーハ搬送室の少なくとも一方の側面に配置され、これらウェーハ搬送室及びロードポートとともにEFEMを構成するサイド用ロードポートであり、
内部にウェーハを収容可能なFOUPを載置可能な載置テーブルと、
前記載置テーブルを、前記各ロードポートがFOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す位置と同一直線上に設定したFOUP受渡位置と、前記ウェーハ搬送室の側面に前記FOUPを密着させ得る位置に設定したウェーハ出入位置との間で移動させる移動機構とを備え、
前記載置テーブルを前記FOUP受渡位置に配置した状態で前記FOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡すことが可能であるとともに、前記載置テーブルを前記ウェーハ出入位置に配置した状態でFOUP内に格納されているウェーハを前記ウェーハ搬送室内との間で出し入れ可能なものであることを特徴とするサイド用ロードポート。
【請求項2】
前記FOUP受渡位置において前記FOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点におけるFOUPの向きと、前記ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点におけるFOUPの向きとを異ならせる旋回機構を備えている請求項1に記載のサイド用ロードポート。
【請求項3】
前記旋回機構によって前記FOUPの向きを変える旋回処理時の前記載置テーブルの高さ位置を、前記FOUP受渡位置において前記FOUP搬送装置との間でFOUPを受け渡す時点及び前記ウェーハ出入位置においてウェーハの出し入れ処理を行う時点の前記載置テーブルの高さ位置よりも高くする昇降機構を備えている請求項1又は2に記載のサイド用ロードポート。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の1台以上のサイド用ロードポートと、当該サイド用ロードポートを側面に隣接して設けたウェーハ搬送室と、当該ウェーハ搬送室の前面に隣接して設けたロードポートとによって構成したことを特徴とするEFEM。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74183(P2013−74183A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213025(P2011−213025)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】