説明

シール構造、回転軸支持装置および電動式動力舵取装置

【課題】第1ハウジングと第2ハウジングの接合部分である第1嵌合部の肉厚を厚くすることなく所望の剛性の得られるシール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】第1ハウジングである第1ラックハウジング12の端部に、嵌合外周面18bと嵌合外周面18bに直角なショルダ端面18cとを有するとともに中心穴18aを穿設した第1嵌合部18を形成し、第2ハウジングであるモータハウジング14の端部に、嵌合外周面18bに嵌合する嵌合内周面19aとショルダ端面18cと当接する当接端面19bとを有する第2嵌合部19を形成し、第1嵌合部18の嵌合外周面18bに外周環状溝24を外周環状溝24の一側面がショルダ端面18cと面一になるよう刻設し、第2嵌合部19の嵌合内周面19bにショルダ端面18c側に開口する段差部25を外周環状溝24と整合して形成し、外周環状溝24と段差部25との間にOリング51を挿入した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合部にOリングを挿入して成るシール構造、さらに、このシール構造を用いた回転軸支持装置、および電動式動力舵取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドルに加えられたトルクを検出し、このトルクに応じたアシスト力を電動モータによってラックシャフトに付与する電動式動力舵取装置は、特許文献1に示されるように公知である。
【0003】
この特許文献1に示されるような電動式動力舵取装置は、特許文献1の図1,図2に示され、電動式パワーステアリング(電動式動力舵取装置)10のギヤハウジング11は、モータハウジング14と、モータハウジング14の両側に結合されたラックハウジング12、13から構成される。モータハウジング14には、内周に電気モータ(モータ)30のステータ31が固定され、ステータ31と対向して永久磁石を外周に接着されたロータが中空円筒状に形成されたモータシャフト32に嵌合されている。モータシャフト32の中空穴には、ハンドル軸に連結された図略のピニオンと噛合うラック歯15Aおよびボールねじ溝15Bが形成されたラック軸(ラックシャフト)15が貫通挿入され、ボールねじ溝15Bとともにボールねじ装置(ボールねじ機構)37を構成するナット38がモータシャフト32の中空穴に固定されている。この構成によって、モータシャフト32の回転をボールねじ装置37の作用によってラック軸15の軸線方向移動に変換し、ハンドルトルクに応じたアシスト力をラック軸15に付与してラック軸15に連結された図略の車輪を転舵させる。
【0004】
ところで、特許文献1に記載されるような電動式動力舵取装置10では、モータシャフト32を複列アンギュラベアリング33、およびラジアルベアリング34により回転可能に軸承している。本明細書に添付した図7に示すように、複列アンギュラベアリング33は、内輪33aおよび外輪33bがそれぞれモータシャフト32とラックハウジング12に嵌合されている。内輪33aは、モータシャフト32に形成された第2嵌合段部32aとロックナット52によって挟持されてモータシャフト32に固定され、外輪33bはラックハウジング12の内周面に形成された第1嵌合段部12cとロックナット50によって挟持され、ラックハウジング12に固定されている。
【0005】
また、本明細書に添付した図7に示すように、ラックハウジング12とモータハウジング14は、互いに軸方向に突設された第1嵌合部12aと第2嵌合部14aを備え、ラックハウジング12の第1嵌合部12aの外周面に形成された環状のOリング溝12bにOリング51が収納されることにより、ラックハウジング12の第1嵌合部12aの外周面とモータハウジング14の第2嵌合部14aの内周面の間がシールされている。
【特許文献1】特開2003−335249号公報(段落番号[0012]から[0021]、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、モータシャフト32のラックハウジング12に対する軸線方向の移動は複列アンギュラベアリング33により規制されていた。上記構成では、ラック軸15にボールねじ装置37を介して連結されたモータシャフト32がラックハウジング12に軸線方向にリジッドな状態で複列アンギュラベアリング33に支持されているため、ラック軸15に連結された車輪から軸方向力が逆入力された場合、軸方向力がそのままモータシャフト32に伝達され、この伝達された軸方向力は緩衝されることなく複列アンギュラベアリング33に伝達され、ラックハウジング12によって受止められることとなる。このため、ラックハウジング12には、車輪からの逆入力を受止めるだけの剛性が必要となる。
【0007】
ところが、複列アンギュラベアリング33の外輪33bを固定するラックハウジング12の端部には、モータハウジング14の第2嵌合部14aと嵌合する第1嵌合部12aが形成され、第1嵌合部12aには、Oリング51を保持するためのOリング溝12bが形成されていた。このため、Oリング溝12bが形成された部分の第1嵌合部12aの肉厚を車輪からの逆入力を受止めるだけの剛性が得られる厚みBに形成することが必要となり、ラックハウジング12が大型化し、結果として電動式動力舵取装置10が大型化する問題があった。
【0008】
従って、本発明は、第1嵌合部の肉厚を厚くすることなく所望の剛性の得られるシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、第1ハウジングの端部に、嵌合外周面と該嵌合外周面に直角なショルダ端面とを有する第1嵌合部を形成し、第2ハウジングの端部に、嵌合外周面に嵌合する嵌合内周面とショルダ端面に当接する当接端面とを有する第2嵌合部を形成し、第1嵌合部の嵌合外周面に外周環状溝を該外周環状溝の一側面が前記ショルダ端面と面一になるよう刻設し、第2嵌合部の嵌合内周面にショルダ端面側に開口する段差部を外周環状溝と整合して形成し、第1ハウジングの外周環状溝にOリングを挿入し、第1ハウジングに第2ハウジングの段差部が前記Oリングを圧接するように第2ハウジングを嵌合することである。
【0010】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、第1および第2ハウジングが、ともに中空円筒状に形成されており、段差部が、第2ハウジング端部の内周縁部を径方向および軸方向に後退させることである。
【0011】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、段差部が、ショルダ端面側へ拡径するテーパ状に形成されていることである。
【0012】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載のシール構造における第1ハウジングの第1嵌合部に穿設された中心穴に軸受を配置し、第2ハウジングに穿設した貫通穴を貫通する回転軸を回転可能に軸承したことである。
【0013】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、ハンドル操作に応じて車輪を転向させる転舵軸と、この転舵軸とボールねじ機構を介して連結されたモータと、これら転舵軸およびモータを、軸方向に少なくとも二分割されたハウジング内に収容した電動式動力舵取装置において、少なくとも二分割されたハウジングが、請求項1に記載の第1、第2ハウジングを構成しており、これらハウジングどうしの嵌合部に請求項1に記載のシール構造を用いたことである。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、第1ハウジングの嵌合外周面に形成された外周環状溝および第2ハウジングの嵌合内周面に形成された段差部との間にOリングが保持される。これにより、組み付け時にOリングを位置決め可能な深さ、好適にはOリングの線径の1/2〜1/3程度に外周環状溝の溝深さとすることができる。この結果、第1嵌合部のOリングを保持する部分における肉厚を厚くでき、第1嵌合部の強度を向上することができる。また、Oリングを外周環状溝に保持させた状態で第1嵌合部の嵌合外周面に第2嵌合部の嵌合内周面を嵌合して第1ハウジングと第2ハウジングを容易に組み付けることができる。
【0015】
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、第1ハウジングの第1嵌合部と第2ハウジングの第2嵌合部が嵌合されたとき、段差部がショルダ端面にOリングを押付けることから、第1ハウジングと第2ハウジングの間を確実にシールすることができる。
【0016】
上記のように構成した請求項3係る発明によれば、段差部をテーパ形状としたことにより、段差部がショルダ端面にOリングを適度な力で押付けることから、第1ハウジングと第2ハウジングの間を確実にシールすることができる。
【0017】
上記のように構成した請求項4係る発明によれば、第1嵌合部の嵌合外周面に形成された外周環状溝と第2嵌合部の嵌合内周面に形成された段差部によってOリングが保持される。これにより、第1嵌合部の中心穴に軸受を介して回転軸を軸承する回転軸支持装置において、回転軸を支持するのに第1嵌合部のOリングが保持される部分の肉厚を厚くでき、従来の第1嵌合部より薄い肉厚で得ることができる。この結果、小型で高剛性の回転軸支持装置を提供することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項5に係る発明によれば、ラックハジングの嵌合外周面に形成された外周環状溝およびモータハウジングの嵌合内周面に形成された段差部との間にOリングが保持される。これにより、ラックハウジングの第1嵌合部のOリングを保持する部分における肉厚を厚くでき、モータハウジングおよびラックハウジングの外形寸法を変更することなく、第1嵌合部の強度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を電動式動力舵取装置に具体化した実施の形態を図1ないし図3に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1に電動式動力舵取装置10を示す。電動式動力舵取装置10のギヤハウジング11は、それぞれ中空円筒状の第1,第2ラックハウジング(第1ハウジング)12,13およびモータハウジング(第2ハウジング)14を備えている。第1,第2ラックハウジング12,13は、モータハウジング14の両側に同軸的に結合され、第1,第2ラックハウジング12,13に形成された取付部16を介して、図示しない車両のボディにねじ止めされて支持されている。
【0021】
第1ラックハウジング12およびモータハウジング14の互いに対向する端面には、図2に示すように、それぞれ第1嵌合部18および第2嵌合部19が形成されている。第1嵌合部18は、中心穴18aが穿設された小径円筒状を成し、第1ラックハウジング12の端部から軸線方向に突設され、外周に嵌合外周面18bが形成され、嵌合外周面18bと直角にショルダ端面18cが形成されている。モータハウジング14に形成された第2嵌合部19には、嵌合外周面18bに嵌合する嵌合内周面19aとショルダ端面18cと当接する当接端面19bが形成されている。第1嵌合部18の嵌合外周面18bには、図3に示すように、外周環状溝20が、外周環状溝20の一側面がショルダ端面18cと面一になるよう刻設されている。第2嵌合部19の嵌合内周面19aには、ショルダ端面18c側に開口するテーパ状の段差部21が外周環状溝20と整合して形成され、これら外周環状溝20と段差部21との間にOリング51が挿入されている。また、同様に図4に示すように、第2ラックハウジング13およびモータハウジング14の互いに対向する端面には、それぞれ第3嵌合部22および第4嵌合部23が形成されている。図5に示すように、第3嵌合部22は、中心穴22aが穿設された小径円筒状を成し、第2ラックハウジング13の端部から軸線方向に突設され、外周に嵌合外周面22bが形成され、嵌合外周面22bと直角にショルダ端面22cが形成されている。モータハウジング14に形成された第4嵌合部23には、嵌合外周面22bに嵌合する嵌合内周面23aとショルダ端面22cと当接する当接端面23bが形成されている。第3嵌合部22の嵌合外周面22bには、外周環状溝24が、外周環状溝24の一側面がショルダ端面22cと面一になるよう刻設されている。第4嵌合部23の嵌合内周面23aには、ショルダ端面22c側に開口する段差部25が前記外周環状溝24と整合して形成され、これら外周環状溝24と段差部25との間にOリング51が挿入されている。このOリング51により、モータハウジング14と第1,第2ラックハウジング12,13との嵌合部から内部への水、油等の液体の侵入を防止している。なお、外周環状溝20,24は、組み付けの際にOリング51を位置決め固定できるだけの深さ、好適にはOリング51の線径の1/2〜1/3程度に形成される。
【0022】
第1,第2ラックハウジング12,13およびモータハウジング14には、第1,第2ラックハウジング12,13に形成された貫通穴26,27を貫通して回転不能かつ軸線方向に移動可能にラックシャフト(転舵軸)15が内蔵されており、ラックシャフト15の両端部に連結される図示しないタイロッドを介して左右の車輪が連結される。ラックシャフト15は、第1ラックハウジング12に設けられたピニオンギヤ17を介して図示しないハンドルに連結されている。ラックシャフト15とピニオンシャフト17は、ラックシャフトに形成されたラック歯15Aによって噛合している。
【0023】
モータハウジング14の内周には巻線が施されたステータ31が嵌合され、ラックシャフト15の軸線方向の中間部には、回転軸である中空円筒状のモータシャフト32が同軸的にラックシャフト15の外側に遊嵌されている。
【0024】
モータシャフト32は、一端側(ラック歯15A側)に第2嵌合段部32aが形成され、同第2嵌合段部32aが軸受を構成する複列アンギュラベアリング33を介して第1ラックハウジング12に回転可能に軸承されている。前記複列アンギュラベアリング33は、外輪33bを第1ラックハウジング12に形成された端部内周面の第1嵌合段部12cに対して内嵌固定され、第1嵌合部18の内周面(中心穴18aの内周面)に形成されたねじ部に螺合されるロックナット50にて締め付けられることにより、軸線方向に押圧されて第1ラックハウジング12に対して固定されている。また、複列アンギュラベアリング33は、内輪33aがモータシャフト32端部に螺合されたロックナット52にて締め付けられることにより、軸線方向に押圧されてモータシャフト32に対して固定されている。この構成により、第1ラックハウジング12に内嵌された複列アンギュラベアリング33を介して、モータシャフト32の軸線方向の動きが規制されることとなる。本実施の形態において軸受は、複列アンギュラベアリング33およびロックナット50,52により構成される。また、同モータシャフト32の外周にはロータ36としての永久磁石がステータ31に対向するように固定され、このステータ31とロータ36によりモータ30が構成されている。第1嵌合部18とステータ31の間には、モータ30の回転角を検出する回転角センサとして、公知のレゾルバが配置されている。
【0025】
モータシャフト32の他端側(ラック歯15A側と反対側)は、中間部分よりも拡径された中空円筒状のナット保持部32bが一体に形成されている。また、モータハウジング14の他端側内周面には、周回する第3嵌合段部32cが形成されている。第3嵌合段部32cにはラジアルベアリング34が嵌合固定され、モータシャフト32は、第2嵌合段部14bに固定されたラジアルベアリング34に内嵌されることにより自身の軸心の回りで回動自在に支持されている。ラジアルベアリング34は、モータハウジング14の第3嵌合段部32cと第2ラックハウジング13の端部との間で軸線方向に動くことが可能な構成となっている。
【0026】
以上の構成により、モータシャフト32の両端はモータハウジング14の両端に設けた複列アンギュラベアリング33とラジアルベアリング34とにより回転可能に支持される。
【0027】
モータシャフト32のナット保持部32b内にはボールねじナット28が同軸的に内嵌されている。このボールねじナット28は、周知のキー構造等によりモータシャフト32に対して回り止めされたうえ、ナット保持部32b内に抜け止めナット29を内嵌状態で螺入することにより、抜け止め固定されている。
【0028】
ラックシャフト15の外周面には軸線方向の所定範囲に螺旋状のボールねじ溝15Bが設けられている。また、ボールねじナット28の内周面には螺旋状のボールねじ溝28aが設けられ、ボールねじ溝15Bとボールねじ溝28aとの間には、多数のボール35が転動可能に受容されている。このように、ラックシャフト15のボールねじ溝15Bとボールねじナット28とによりボールねじ機構37が形成されている。そして、このボールねじ機構37によりモータシャフト32の正逆回転の回転トルクをラックシャフト15の軸線方向の往復動のアシスト力に変換して、ピニオンギヤ17に連結された図示しないハンドルの操舵力を軽減するようになっている。
【0029】
このように構成された本実施の形態における電動式動力舵取装置10では、ハンドルの操舵力がピニオンギヤ17からラックシャフト15のラック歯15Aに伝達されると、操舵力に応じたトルクでモータ30が起動されてロータ36が回転される。モータ30のロータ28が回転すると、これとともにモータシャフト32が回転され、ボールねじ機構37を介してラックシャフト15に伝達され、ラックシャフト15が軸線方向に移動されて車輪が転舵される。
【0030】
また、ラックシャフト15を介して図略の車輪から入力される軸方向力(逆入力)が、ボールねじ機構37を介してモータシャフト32に伝達される。モータシャフト32は、複列アンギュラベアリング33によって軸方向移動を規制して回転を許容され、複列アンギュラベアリング33は外輪33bが第1嵌合段部12cおよびロックナット50に挟持されていることから、上記逆入力は第1ラックハウジング12の第1嵌合部18で受止められる。第1ラックハウジング12の第1嵌合部18とモータハウジング14の第2嵌合部19は上記のように構成されているので、外周環状溝20を形成した部分の第1嵌合部18の肉厚Aを厚くすることができ、第1嵌合部18の剛性を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施の形態において、段差部21はテーパ状に形成するようにしたが、これに限られることなく、例えば図6(a)に示すように段差部21をモータハウジング14に形成された第2嵌合部19端部の内周縁部を径方向および軸方向に後退させ形成する。あるいは図6(b)に示すように、Oリングの外形に沿った曲面の段差部21を形成するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施の形態におけるシール構造は、ハンドルと電動式動力舵取装置が機械的に連結された舵取装置に限られることなく、ステアバイワイヤ式の舵取装置に適用できる。
【0033】
さらに、第1ラックハウジング12およびモータハウジング14が一体形成され、第2ラックハウジング13のみが別体とされた二分割ハウジングとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態に係る電動式動力舵取装置の断面図。
【図2】本実施の形態に係る電動式動力舵取装置の要部を拡大した断面図。
【図3】図2におけるシール構造部分を拡大した断面図。
【図4】本実施の形態に係る電動式動力舵取装置の要部を拡大した断面図。
【図5】図4におけるシール構造部分を拡大した断面図。
【図6】シール構造の他の実施の形態を示した断面図。
【図7】従来の電動式動力舵取装置の要部を拡大した断面図。
【符号の説明】
【0035】
10…電動式動力舵取装置、11…ギヤハウジング、12…ラックハウジング(第1ハウジング)、12a…第1嵌合部、12b…Oリング溝、12c…第1嵌合段部、13…ラックハウジング(第1ハウジング)、14…モータハウジング(第2ハウジング)、14a…第2嵌合部、15…ラックシャフト、15A…ラック歯、15B…ボールねじ溝、16…取付部、17…ピニオンギヤ、18…第1嵌合部、18a…中心穴、18b…嵌合外周面、18c…ショルダ端面、19…第2嵌合部、19a…嵌合内周面、19b…当接端面、20…外周環状溝、21…段差部、22…第3嵌合部、22a…中心穴、22b…嵌合外周面、22c…ショルダ端面、23…第4嵌合部、23a…嵌合内周面、23b…当接端面、24…外周環状溝、25…段差部、26…貫通穴、27…貫通穴、28…ボールねじナット、28a…ボールねじ溝、29…抜け止めナット、30…モータ、31…ステータ、32…モータシャフト、32a…第2嵌合段部、32b…ナット保持部、32c…第3嵌合段部、33…複列アンギュラベアリング、33a…内輪、33b…外輪、34…ラジアルベアリング、35…ボール、36…ロータ、37…ボールねじ機構、38…レゾルバ、50…ロックナット、51…Oリング、52…ロックナット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングの端部に、嵌合外周面と該嵌合外周面に直角なショルダ端面とを有する第1嵌合部を形成し、
第2ハウジングの端部に、前記嵌合外周面に嵌合する嵌合内周面と前記ショルダ端面に当接する当接端面とを有する第2嵌合部を形成し、
前記第1嵌合部の嵌合外周面に外周環状溝を該外周環状溝の一側面が前記ショルダ端面と面一になるよう刻設し、
前記第2嵌合部の嵌合内周面に前記ショルダ端面側に開口する段差部を前記外周環状溝と整合して形成し、
前記第1ハウジングの外周環状溝にOリングを挿入し、該第1ハウジングに前記第2ハウジングの前記段差部が前記Oリングを圧接するように該第2ハウジングを嵌合することを特徴とするハウジングのシール構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1および第2ハウジングが、ともに中空円筒状に形成されており、
前記段差部が、第2ハウジング端部の内周縁部を径方向および軸方向に後退させることにより形成されていることを特徴とするシール構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記段差部が、前記ショルダ端面側へ拡径するテーパ状に形成されていることを特徴とするシール構造。
【請求項4】
請求項1に記載のシール構造における第1ハウジングの第1嵌合部に穿設された中心穴に軸受を配置し、前記第2ハウジングに穿設した貫通穴を貫通する回転軸を回転可能に軸承したことを特徴とする回転軸支持装置。
【請求項5】
ハンドルの操作に応じて車輪を転向させる転舵軸と、この転舵軸とボールねじ機構を介して連結されたモータと、これら転舵軸およびモータを、軸方向に少なくとも二分割されたハウジング内に収容した電動式動力舵取装置において、
前記少なくとも二分割されたハウジングが、請求項1に記載の第1、第2ハウジングを構成しており、これらハウジングどうしの嵌合部に請求項1に記載のシール構造を用いたことを特徴とする電動式動力舵取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−256528(P2006−256528A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78617(P2005−78617)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(302066630)株式会社ファーベス (138)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】