説明

セルラ無線システム用の電力削減方法及び装置

セルラ無線システムの方法及び装置において、1つ以上のセルがスリープモードに移行することが許可されるなら、その結果として得られるエネルギー消費が現在のエネルギー消費と比較される。これにより、セルラ無線システムにおけるエネルギー消費を継続的に最適化することが可能なシステムが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルラ無線システム用の電力削減方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー効率は無線通信システムの重要な特徴である。多くの解決策があり、それらはプロトコル、アルゴリズム、ハードウェアなどに見出される。通常、無線ネットワークにおけるトラフィック負荷は変化する。即ち、資源の利用は夜(通常は低く)と昼(通常は高い)との間で変動する。夜間には、空きの容量が無線ネットワークで用いられないまま運用される。例えば、午後10時から午前4時までの間のようなトラフィックが低い時間帯には一部の無線資源を停止させることも1つのアプローチである。
【0003】
しかしながら、従来の無線通信システムではエネルギー効率を念頭において具体的に構築されている訳ではないので、多くの解決策はしばしば、ひどく雑なものであった。例えば、送信から受信まで完全にセルを停止する(不連続送信)ことが可能であるだけかもしれない。このアプローチを用いると、その結果、カバレッジを喪失してしまう。なぜなら、そのセルがダウンするので容量が失われてしまうからである。その結果、セル送信を停止後にサービスを受けていた領域においても無線カバレッジがあることが最初に検証されねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギー効率がますます重要になってきているので、そして、エネルギー効率のより良い無線システムに対する要求があるので、無線システムにおけるエネルギーの効率的な管理を提供する方法及びシステムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上述したことの関係する問題のいくつかを克服するか、或いは、少なくとも低減することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、セルラ無線システムにおいて自動的にエネルギー消費を最適化するために動作する方法及び装置を提供することにある。
【0007】
上述の目的の内の少なくとも1つは、添付した請求の範囲に説明された方法及び装置により達成される。従って、1つ以上のセルがスリープモードに移行することが許可されるなら、その結果として得られるエネルギー消費を現在のエネルギー消費と自動的に比較することにより、セルラ無線システムにおけるエネルギー消費を継続的に最適化することが可能なシステムが得られる。
【0008】
1実施例によれば、第1のセルがいつスリープモードに移行するのかを自動的に判断するセルラ無線ネットワークにおける方法が備えられる。その方法によれば、まず、前記第1のセルがスリープモードに移行したときに、第2のセルのセットの結果として得られるエネルギー消費が判断され、それから、その判断される結果として得られるエネルギー消費に基づいて、前記第1のセルがスリープモードに移行することが許可される。これにより、スリープモードに移行することが許可されるセルのセットは、実際に全体的な電力消費を削減するときに複数のセルだけがスリープモードに移行することを許可するように制御される。1実施例では、複数の第2のセルのセットはスリープモードに移行する第1のセルにより影響を受ける全てのセルを含む。
【0009】
1実施例によれば、前記第1のセルと前記第2のセルのセットとのエネルギー消費の総量が前記第1のセルがスリープモードに移行する場合に削減されると判断されたなら、前記第1のセルがスリープモードに移行することが許可される。
【0010】
1実施例によれば、前記第1のセルによりサービスを受けるユーザ機器の負荷とチャネル品質とに基づいて、前記第2のセルのセットのエネルギー消費が判断される。
【0011】
1実施例によれば、前記第2のセルのセットのエネルギー消費は測定履歴に基づいて判断される。
【0012】
1実施例によれば、2つ以上の第1のセルがスリープモードに移行することが許可される場合、これら2つ以上の第1のセルは、エネルギー削減が最大のセルからエネルギー削減が最小のセルまで降順にスリープモードに移行することが許可される。
【0013】
本発明はまた、上記事項に従う方法を実施するように構成された装置にまで拡張するものである。
【0014】
次に、本発明について、非限定的な例と添付図面とを参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】セルラ無線システムの管理システムを例示した図である。
【図2】セルの負荷に関係した電力消費を例示した図である。
【図3】セルラ無線システムにおけるエネルギー消費を最適化するシステムを示す図である。
【図4】セルラ無線システムにおけるエネルギー消費を最適化する場合に実行されるいくつかの手順のステップを示すフローチャートである。
【図5】、
【図6】セルラ無線システムの複数のセルにおけるエネルギー消費を示す図である。
【図7】SINR−スペクトラム効率の曲線を描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に従えば、カバレッジ要求情報が決定される。その決定されたカバレッジ要求はまた、カバレッジに決定された領域に存在する関係する無線アクセス技術も考慮することができる。そのような情報は、特定の第1のセルについて、その第1のセルの全サービス領域にわたるカバレッジを提供する第2のセルのセットを記述している。また、そのサービス領域のある程度まで部分的なカバレッジを考慮することも可能である。カバレッジ要求情報は、例えば、国際特許出願PCT/SE2009/051008に記載されているように決定される。
【0017】
この情報は、例えば、全ての考慮されるセルに関して、スリープモードにあることが可能な全てのセルを含むカバレッジ要求マトリクスとしてデータベースに格納される。以下に代表的なマトリクスを示す。即ち、
D[1 1 0 0]
A B C D
である。
【0018】
上記の代表的なマトリクスの場合には、セルDだけがスリープモードになれる。対応する行は、カバレッジを損なうことなく、セルDがスリープモードになれるために、アクティブモードにある必要がある他のセルを示している。この例では、セルAとBが、カバレッジを失うリスクを冒すことなく、セルDがスリープモードに移行することができるためにアクティブである必要がある。
【0019】
カバレッジ要求情報を生成するための1つの代表的な手順は、サービス領域についてのパス利得或いは受信信号強度情報に基いており、それらはおそらくは局部的に集中した複数の移動局によりレポートされるか、或いは、セル計画ツールにより準備される。その情報は、アップリンクのカバレッジとダウンリンクのカバレッジで分離することができる。もし、第1のセルのサービス領域がある割合のレベルで複数の第2のセルのセットによりカバーされているなら、そのサービス領域は、たとえ第1のセルがスリープモードにあってもカバーされる。
【0020】
図1には代表的な管理システムが描写されている。eノードBとして言及されるノード要素(NE)が、運用サポートシステム(OSS)としても言及されるドメインマネージャ(DM)により管理されている。DMはさらに、ネットワークマネージャ(NM)により管理されても良い。2つのNEはX2インタフェースにより互いに接続される一方、2つのDMの間のインタフェースはItf−P2Pインタフェースとして言及される。
【0021】
本発明に従って、もし第1のセルがスリープモードに移行する場合にカバレッジを危険にさらすことを回避するために複数の第2のセルのどのセットがアクティブである必要があるのかについての情報を提供するカバレッジ情報が、例えば、UE測定により取得される。カバレッジが複数の第2のセルにより保証されると仮定するなら、その時には、第1のセルをスリープモードに置くことが明らかに複数の第2のセルにおける負荷が増大し、従って、複数の第2のセルのエネルギー消費が増大するという結果を招くことになる。その動作が、例えば、エネルギーを節約するために第1のセルを不連続送信(DTX)モードに置くことにより、第1のセルをスリープモードに置くためには、複数の第2のセルにおけるエネルギー消費の増加が、第1のセルにおける削減よりも小さいことが必要である。
【0022】
図2にはセルの負荷の関数として無線基地局の典型的なエネルギー消費曲線が描かれている。基地局におけるエネルギー消費は通常、負荷が零でもゼロではなく、基地局における負荷が増大するにつれて非線形に増加する。負荷が零におけるエネルギー消費は固定経費として言及され、それは基地局のタイプに依存して変化するものである。さらに、エネルギー消費曲線の傾きや形状は、基地局に依存して変化するかもしれない。
【0023】
本発明に従えば、第1のセルがスリープモードに置かれることが許される条件をスリープモード移行基準が決定する。従って、複数の第2のセルのエネルギー消費の総量が、(第1のセルが動作中の場合に)第1のセルと複数の第2のセルのエネルギー消費の総量よりも少ない場合に、第1のセルをスリープモードに置くことができる。それは結果的にシステムにおける全体的なエネルギー節約になるであろう。
【0024】
エネルギー節約がなされることを決定するために、カギとなる特性がシステムにより分析される。1実施例に従えば、第1のセルと複数の第2のセルのトラフィック負荷とエネルギー消費とが判断される。第1のセルと複数の第2のセルのトラフィック負荷とエネルギー消費とに基いて、第1のセルがスリープモードに置かれる場合には、複数の第2のセルの結果としてもたらされる付加的なエネルギー消費量が決定される。もし、第1のセルにおける電力削減と複数の第2のセルにおける電力の付加的な増加との差、或いは、第1のセルにおける電力削減に対する複数の第2のセルにおける電力の付加的な増加の比が予め定義された閾値未満であれば、システムは第1のセルがスリープモードに移行することを許可するように構成される。特に、第2のセルにおける増加が第1のセルにおける減少よりも少ないと判断されるなら、そのシステムは第1のセルがスリープモードに移行することを許可するように構成される。
【0025】
図3には、異なるエンティティとそのようなエンティティのシステム内における情報のシグナリングの論理的な概要が描かれている。図3におけるシステムは、ここで説明する処理に従って、セルがスリープモード/DTXモードに移行することを許可することを自動的に決定するために用いられる。
【0026】
図3は、エネルギー最適化器301を描いている。それは通常、エネルギー最適化器301のメモリ304に格納されたソフトウェア命令のセットで動作するマイクロコントローラ302を用いて実装される。そのエネルギー最適化器は、例えば、図1で描写した無線システムのような無線システムのネットワーク構成要素、或いは、ドメインマネージャ、或いは、何か他の適切なノードのような、無線システムの何らかの適切なネットワークノードに設置される。エネルギー最適化器301は、カバレッジ要求及びパス損失情報データベース303とトラフィック負荷推定器305とエネルギー消費量推定器307とからの情報を受信する。カバレッジ要求及びパス損失情報データベース303は通常、無線ネットワークが所与の時間に成し遂げる必要のある最新の観点からの現在の要求を提供する。トラフィック負荷推定器305は、無線システムの全体或いは一部についての現在のトラフィック負荷推定を生成する。特に、そのトラフィック負荷はセル毎(或いはサイト毎)に推定される。エネルギー消費量推定器307は、無線システム内における電力消費、特に、各セル(或いはサイト)についての電力消費の推定値を提供する。これらのエンティティ303、305、307からの情報に基いて、エネルギー最適化器は、そのネットワーク内の電力消費を最適化する(最小化する)とともに同時にサービスレベルを維持するためにアクティブであることが許される複数のセルの最適なセットを示す出力を計算する。その出力は、例えば、DTXモードコントローラ309に提供され、DTXモードコントローラ309は次に、エネルギー最適化器301から受信した結果に基いて、DTXモードにおかれることになる複数のセル(サイト)を選択する。DTXモードコントローラは、例えば、メモリ313に格納されたコンピュータプログラム命令セットで動作するマイクロコントローラ或いはマイクロプロセッサ311を用いて実装される。
【0027】
1実施例に従えば、カバレッジ要求及びパス損失情報が用いられてふさわしい第1のセルのセット、即ち、スリープモードとなる候補となるセルを見出す。他のセルによりカバーされないセルは考慮されない。エネルギー最適化器301はそれから、第1のセルの候補のセットを選択し、ネットワークのエネルギー消費と負荷を評価する。これは、エネルギー消費量推定器とトラフィック負荷推定器とによりなされる。エネルギー最適化器はそれから、第1のセルの候補の他のセットを選択し、これにそのエネルギー消費の新しい推定が続く。このサイクルは、結果として最低のエネルギー消費となる第1のセルのセットに到達するまで続く。複数の第1のセルのいずれの組合せも評価されることは明白である。説明を簡単にするため、ここでは、ただ1つの第1のセルがある場合について説明する。もちろん、このことは、複数の第1のセルのいずれかのセット(第1のセルの数>1)を含むように一般化される。
【0028】
図4には、セルがスリープモードに移行することを自動的に許可することを判断する場合に実行するいくつかの手順のステップを示したフローチャートが描かれている。まず、ステップ401では、1つのセルがスリープモードにおかれた場合に結果としてのシステムのエネルギー消費の基礎とするための情報が収集される。その情報は、例えば、第1のセルがスリープモードに移行した場合に、第1のセルと影響を受ける複数の第2のセルのセットのトラフィック負荷とエネルギー消費との内の少なくともいずれかで良い。第1のセルと複数の第2のセルとに関係した収集された情報に基いて、第1のセルがスリープモードにおかれた場合の結果における複数の第2のセルの付加的なエネルギー消費がステップ403において判断される。複数の第2のセルのセットにおける判断された結果的なエネルギー消費に基いて、第1のセルはスリープモードに移行することが許可される。例えば、第1のセルにおける電力削減と複数の第2のセルにおける電力の付加的な増加との差、或いは、第1のセルにおける電力削減に対する複数の第2のセルにおける電力の付加的な増加の比が予め定義された閾値未満であれば、システムは第1のセルがスリープモードに移行することを許可するように構成される。特に、第2のセルにおける増加が第1のセルにおける減少よりも少ないと判断されるなら、そのシステムは第1のセルがスリープモードに移行することを許可するように構成される。
【0029】
以下、いくつかの可能性のある実施形の詳細な例について説明する。
【0030】
エネルギー消費量推定の例
エネルギー消費量推定は、第1のセルがスリープモードにおかれる場合における複数の第2のセルのエネルギー消費の総量を決定する。ここで、
・PFは第1のセルFのエネルギー消費量、
・PSは第1のセルFが動作中の場合における複数の第2のセルのエネルギー消費量、
・P'Sは第1のセルFがスリープモードにある場合の複数の第2のセルのエネルギー消費量
である。
【0031】
そのような実施例が図5と図6に描かれている。
【0032】
図5において、実線は、第1のセルが動作中の場合における第1のセルと第2のセルのエネルギー消費量を示している。破線は、第1のセルがスリープモードにある場合の第2のセルのエネルギー消費量を示している。負荷とエネルギー消費における増大は、第2のセルが第1のセルからのトラフィックを引き継いだことの結果である。この場合、P'S<PS+PFであり、第1のセルがスリープモードに置かれることには益がある。
【0033】
図6において、実線は、第1のセルが動作中の場合における第1のセルと第2のセルのエネルギー消費量を示している。破線は、第1のセルがスリープモードにある場合の第2のセルのエネルギー消費量を示している。P'S<PS+PFである場合、それ自体では、第1のセルがスリープモードに置かれることには益はない。
【0034】
同様に、Lがセルにおける負荷を表わすとする。第1のセルがスリープモードにおかれた場合に複数の第2のセルのエネルギー消費量の変化、即ち、P'Sの変化を推定するための1つの方法は、複数の第2のセルの負荷、即ち、L'Sの変化を推定することである。このことは多くの異なる方法でなされる。その内の2つについて、予測と測定履歴を用いて、以下に説明する。
【0035】
予測
予測は、第1のセルがスリープモードに置かれた場合に、複数の第2のセルに対する付加的な負荷を与えるべきである。このことは、次のこと、即ち、
・第1のセルにおけるトラフィック要求、
・第1のセルにある複数のUEから複数の第2のセルへのチャネル品質、例えば、パス損失
を考慮することによりなされる。
【0036】
明らかに、第1のセルにおけるトラフィック要求が増加するときに、その結果は、複数の第2のセルに適用される負荷の増加である。複数の第2のセルに対するチャネル品質を利用することにより、
・第1のセルの複数のUEとそれらの負荷要求[ビット/秒]とを複数の第2のセルの間で分割することを決定し、
・第1のセルにより以前にサービスを受けていた複数のUE(以下、“UEs”として言及)のスペクトラム効率[ビット/Hz]を導出できる。
【0037】
複数の第2のセル間での負荷分割
このステップでは、第1のセルで要求された負荷を複数の第2のセルの間で分割する。要求された負荷の複数の第2のセルでの分割は、第1のセルのUEsの2番目に最良のサーバを考慮することによりなされる。この情報は、第1のセルが動作中の場合に通常の動作中にシステムにより収集され、次のことにより例証される。第1のセルにあるUEsの40%、35%、25%が通常、2番目に最良のサービングセルであるセルA、セルB、セルCにそれぞれレポートを行うと仮定する。この情報を用いて、システムは第1のセルにいるUEsの40%が第2のセルであるセルAなどでサービスを受けるであろうと予測できる。従って、負荷分割は、レポートされた最良のサービングセルに基いて、システムにより決定される。
【0038】
スペクトラム効率の導出
第1のセルにあるUEsのスペクトラム効率の導出は、SINRを推定し、図7に示すSINR−スペクトラム効率曲線を用いることにより実行される。複数の第2のセルに対するSINRはパス損失情報を用いて推定される。例えば、第1のセルがスリープモードにおかれると、2番目に最良のサーバ、即ち、第2のセルに対するパス損失は5dBだけ増加する。このことは、ダウンリンクのSINRにおける5dBの劣化を示唆している。アップリンクにおいても、さらに、別のユーザ機器(UE)測定、例えば、電力余裕レポートを用いて、対応する方法が用いられる。SINRを推定すると、スペクトラム効率[ビット/Hz]が導出される。
【0039】
スペクトラム効率が得られると、システムは複数の第2のセルにおける負荷、即ち、L'Sにおける増加を、第1のセルにいるUEsのトラフィック要求を考慮して推定することができる。UEsが第1のセルにおいて受信していたスループットと同様のスループットを望んでいると仮定すると、システムは、上述したスペクトラム効率を利用することにより、平均的にスケジュールされるのが必要なバンド幅と、これにより、リソースブロックの数を計算することができる。平均的な意味でトータルなリソースブロック割当てを加算することにより、システムはL'Sを計算することができる。
【0040】
負荷移転情報
上述のように、例えば、作業負荷の分散を決定し、スペクトラム効率を推定すると、システムは、第1のセルがスリープモードに置かれたとした場合に複数の第2のセルの負荷を導出することができる。この情報は、UEの測定、例えば、動作中の作業負荷分散の変化に基いて、継続的に更新される。或いは、第1のセルをスリープモードにおくことの実際の結果に基いた、修正ファクタが負荷移転に導入されても良い。例えば、第2のセルの負荷がその推定値より10%大きいなら、これが負荷移転の将来の推定のための結果を修正するのに用いられる。
【0041】
エネルギー最適化器
エネルギー最適化器は、エネルギー消費量推定のブロックと負荷推定のブロックにタスクを与えるために構成される。その最適化器は、おそらくは良い結果を与えるセル−負荷が軽くなるセルを識別することでそのタスクを開始できる。1実施例に従えば、その最適化器は、一度にただ1つのセルを考慮するように構成される。そのような実施例では、第1のセル各々に対してエネルギー最適化器がP'Sを計算する。最大のPS+PF−P'Sを生成する第1のセルがスリープモードに移行するように最初に選択される。それから、2番目に最も大きいPS+PF−P'Sをもつ第1のセルがスリープモードに移行するように選択される。以下、同様である。その結果、複数のセルが、エネルギー削減が最大のセルからエネルギー削減が最小のセルまで降順にスリープモードに移行することが許可される。このことは、しかしながら、次善の解決策になるに過ぎない。最適なアプローチは、スリープ状態にある複数の第1のセルの全ての組合せに対してテストすることであろう。これはより大きな計算資源を必要とするという欠点がある。
【0042】
もし、最適化器が第1のセルが複数の第2のセルによりカバーできない場合を考慮しないなら、即ち、カバレッジ情報を用いるなら利点がある。従って、1実施例に従えば、本当のネットワークからの結果が推定器にフィードバックされ、モデリングが更新されると良い。例えば、推定が一旦準備され、複数のセルがスリープモードに置かれると、情報が運用中のネットワークから収集されて、その推定値が現実の値と比較されるようにする。もし、その差が大きいなら、そのモデルを更新することは有益である。
【0043】
ここで説明した方法と装置を用いることで、スリープモードに移行することに利点がある条件下で、関係する基地局のエネルギー消費が最小化され、過負荷やサービス品質(QoS)の低下が回避されるように自動的な導出が提供されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセルがいつスリープモードに移行するのかを自動的に判断するセルラ無線ネットワークにおける方法であって、前記方法は、
前記第1のセルがスリープモードに移行したときに、第2のセルのセットの結果として得られるエネルギー消費を判断する工程(403)と、
前記判断される結果として得られるエネルギー消費に基づいて、前記第1のセルがスリープモードに移行するのを許可する工程(401)とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のセルと前記第2のセルのセットとのエネルギー消費の総量が、前記第1のセルがスリープモードに移行する場合に削減されると判断されたなら、前記第1のセルがスリープモードに移行することが許可されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のセルによりサービスを受けるユーザ機器の負荷とチャネル品質とに基づいて、前記第2のセルのセットのエネルギー消費が判断されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のセルのセットのエネルギー消費は測定履歴に基づいて判断されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のセルのセットは、前記第1のセルがスリープモードに移行することにより影響を受ける全てのセルを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
2つ以上の第1のセルがスリープモードに移行することが許可される場合、前記2つ以上の第1のセルは、エネルギー削減が最大のセルからエネルギー削減が最小のセルまで降順にスリープモードに移行することが許可されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第1のセルがいつスリープモードに移行するのかを自動的に判断する、セルラ無線ネットワークにおいて用いられる装置であって、前記装置は、
前記第1のセルがスリープモードに移行したときに、第2のセルのセットの結果として得られるエネルギー消費を判断する手段(302)と、
前記判断される結果として得られるエネルギー消費に基づいて、前記第1のセルがスリープモードに移行するのを許可する手段(302)とを有することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記装置は、前記第1のセルと前記第2のセルのセットとのエネルギー消費の総量が、前記第1のセルがスリープモードに移行する場合に削減されると判断されたなら、前記第1のセルがスリープモードに移行することを許可するよう構成されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記第1のセルによりサービスを受けるユーザ機器の負荷とチャネル品質とに基づいて、前記第2のセルのセットのエネルギー消費を判断するよう構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、前記第2のセルのセットのエネルギー消費を測定履歴に基づいて判断するよう構成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のセルのセットは、前記第1のセルがスリープモードに移行することにより影響を受ける全てのセルを含むことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、2つ以上の第1のセルがスリープモードに移行することが許可される場合、前記2つ以上の第1のセルを、エネルギー削減が最大のセルからエネルギー削減が最小のセルまで降順にスリープモードに移行することを許可するよう構成されていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−519292(P2013−519292A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551943(P2012−551943)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050148
【国際公開番号】WO2011/096867
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】