説明

デュオサーボ型のドラムブレーキ装置

【課題】 坂道などで駐車させた際にブレーキペダルを緩めても車両を移動させることなく制動状態にて保持し続け得る保持機構を備えるデュオサーボ型のドラムブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 一対のブレーキシュー10をドラム20に押付ける押付け機構と、一対のブレーキシュー10の間に張出すアンカ18と、駐車の際に一対のブレーキシュー10をドラムに押付けた制動状態にて保持する保持機構3を有するデュオサーボ型のドラムブレーキ装置1であって、保持機構3は、押付け機構によって一対のブレーキシュー10をドラム20に押付けた際に、一対のブレーキシュー10とアンカ18との間に形成される隙間を埋めることによって制動状態を保持し続ける構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のブレーキシューの一端部同士を回動可能に連結する連結機構と、一対のブレーキシューの他端部間を拡開して一対のブレーキシューをドラムに押付ける押付け機構と、一対のブレーキシューの他端部間に張出すアンカと、駐車の際に一対のブレーキシューをドラムに押付けた制動状態にて保持する保持機構を有するデュオサーボ型のドラムブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラムブレーキ装置は、従来、様々なタイプのものが知られている。
例えば、特許文献1に記載のドラムブレーキ装置は、駐車の際に電動モータによってブレーキシューをドラムに押付ける押付け機構を有している。
特許文献2に記載のドラムブレーキ装置は、デュオサーボ型のドラムブレーキ装置であって、一対のブレーキシューの一端部同士を回動可能に連結する連結機構と、一対のブレーキシューの他端部間を拡開する油圧ピストンと、一対のブレーキシューの他端部間に張出すアンカと、駐車の際に一対のブレーキシューをドラムに押付けた制動状態にて保持する保持機構を有している。
保持機構は、油圧ピストンによって一対のブレーキシューをドラムに押付けた制動状態にて、一対のブレーキシューの間で突っ張る構成になっている。
【特許文献1】特開平11−105680号公報
【特許文献2】米国特許5127495号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし特許文献2に係るドラムブレーキ装置は、デュオサーボ型のドラムブレーキ装置であるため、ブレーキシューをドラムに押付けた際に一対のブレーキシューとアンカとの間に隙間が形成されてしまう。そのため車両を停車させた後にブレーキペダルを緩めた場合に車両が少しだけ移動し、乗員がひやりと感じる場合がある。例えば、特許文献2に係るドラムブレーキ装置を後輪側に有し、ディスクブレーキを前輪側に有する車両において、車両を上り坂にて停車させる場合、ドラムブレーキ装置は、ブレーキシューがドラムに押し当てられて一方のブレーキシューがアンカに当たる。そして保持機構にてブレーキシューがドラムに押付けられた状態にて保持される。
【0004】
そしてその状態にてブレーキペダルを緩める。これにより前輪側のディスクブレーキの制動状態が解除される。一方、ドラムブレーキ装置は、アンカに当たっていなかった他方のブレーキシューがアンカに当たるまでドラムがブレーキシューともに回転してしまう。そのため車両が少しだけ後退し、乗員がひやりと感じてしまう。
そこで本発明は、坂道などで駐車させた際にブレーキペダルを緩めても車両を移動させることなく制動状態にて保持し続け得る保持機構を備えるデュオサーボ型のドラムブレーキ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備えるデュオサーボ型のドラムブレーキ装置であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によると、保持機構は、押付け機構によって一対のブレーキシューをドラムに押付けた際に、一対のブレーキシューとアンカとの間に形成される隙間を埋めることによって制動状態を保持し続ける構成になっている。
したがって押付け機構を緩めた際にも制動状態が保持機構によって保持され続ける。しかも保持機構は、ブレーキシューとアンカとの間の隙間を埋める構成になっている。そのため坂道などで停車させた際にブレーキペダルを緩めてもブレーキシューは、ドラムに押付けられた状態のままアンカに対して回転しない。その結果、坂道などで駐車させた際にブレーキペダルを緩めても車両は、移動しない。
【0006】
請求項2に記載の発明によると、保持機構は、押付け機構によって一対のブレーキシューをドラムに押付けた状態において、一対の各ブレーキシューとアンカとの間に差し込まれてこれらの間に形成される隙間を埋める一対のくさびと、一対のくさびを各ブレーキシューとアンカとの間に差し込む差込手段とを備えている。
したがってブレーキシューとアンカとの間に生じる隙間がくさびによって埋められる。
【0007】
請求項3に記載の発明によると、くさびとアンカの間には、くさびをアンカとブレーキシューとの間に差し込むことで弾性変形されるスプリングが設けられており、そのスプリングの弾性力によってくさびが元の位置に戻る構成になっている。
したがってくさびは、スプリングの弾性力を利用して元の位置に戻る。そのため差込手段の構造などを簡易にすることができる。例えば差込手段に動力の方向を反転させる構造などを設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施の形態1)
実施の形態1を図1〜5にしたがって説明する。
ドラムブレーキ装置1は、図1に示すようにデュオサーボ型のドラムブレーキ装置であって、裏板10と、一対のブレーキシュー11と、一対のブレーキシュー11の一端部11a間を回動可能に連結する連結機構19と、一対のブレーキシュー11の他端部11b間を拡開して一対のブレーキシュー11をドラム20に押付ける押付け機構16と、他端部11b間に張出すアンカ18とを有している。
【0009】
またドラムブレーキ装置1は、図2に示すようにブレーキシュー11をドラム20に押付けた制動状態において保持する保持機構3を備えている。
裏板10は、ドーナツ円盤状であって、車体側の部材(キャリア)21に固定される取付孔10aを有している。
ブレーキシュー11は、図1に示すように裏板10上に可動的に装架されており、円弧状のリブ12と、リブ12の外周面に取付けられたライニング13を有している。
【0010】
連結機構19は、図1に示すようにアジャスタ14と戻りばね15を有している。
アジャスタ14は、一対のブレーキシュー11の一端部11a間に掛け止められており、かつ一端部11a間の距離を調節する機構を備えている。戻りばね15は、一対のブレーキシュー11の間に取付けられており、弾性的に一対のブレーキシュー11の一端部11a間を近接する方向に付勢する。
【0011】
アンカ18は、図2に示すように一対のブレーキシュー11の他端部11b間に張出すアンカピン18aと、アンカピン18aの先端に形成されたフランジ18bと、車体側の部材21に取付けられる取付部18cとを一体に有している。
アンカ18と各ブレーキシュー11の間には、図1に示すように戻りばね17が取付けられており、各戻りばね17が各ブレーキシュー11をアンカ18に向けて付勢している。
【0012】
押付け機構16は、一対のブレーキシュー11の他端部11b寄りに形成された一対のブレーキシュー11の掛止部11c間に掛け止められる。
押付け機構16は、ホイルシリンダであって、液圧によってブレーキシュー11を押す一対のピストンを備えている。
裏板10の表側には、図2に示すようにドラム20が取付けられる。
ドラム20は、円筒状の筒部と、筒部の一端側を覆う蓋部とを一体に有している。ドラム20は、蓋部が車軸側の部材に固定され、車輪とともに回転し、筒部に内設された一対のブレーキシュー11が筒部の内周面に押付けられる(図3参照)。
【0013】
保持機構3は、図2に示すようにくさび30,31と、くさび30,31を移動させる差込手段32を有している。
差込手段32は、アクチュエータ33と棒部材34とリンク部材35を有している。
アクチュエータ33は、電動モータ、油圧モータなどを有し、棒部材34を軸方向に移動させる。棒部材34の先端には、リンク部材35の中央部が回動可能に連結されている。そしてリンク部材35の両端部にくさび30,31の基端部が回動可能に連結されている。
【0014】
くさび30,31は、裏板10の裏側からアンカ18の先端に向けて延出しており、先端ほど径が細くなっている。例えば、図2に示すようにくさび30,31は、基端部から先端に向けて大径部30c,31c、中径部30b,31b、小径部30a,31aを有しており、その順番で径が細い構成になっている。
【0015】
保持機構3は、図2に示すようにコイル状の圧縮ばねであるスプリング37,38を有している。スプリング37は、くさび30の先端とアンカピン18のフランジ18bとの間に取付られている。一方、スプリング38は、くさび31の先端とアンカピン18のフランジ18bとの間に取付けられている。そのため各くさび30,31が各スプリング37,38によって裏側(図2上側)に付勢されている。
また保持機構3は、図2などへの詳細な記載を省略しているが、アクチュエータ33が固定されるハウジング36を有しており、ハウジング36が車体側の部材21に取付けられる。
【0016】
以下にドラムブレーキ装置1の操作方法について説明する。
ドラムブレーキ装置1は、図2,4に示すように非制動状態においてアンカ18とブレーキシュー11との間にくさび30,31の小径部30a,31aが差し込まれた状態になっている。
車両を減速させる際には、押付け機構16内に液圧を印加して、一対のブレーキシュー11をドラム20に押付ける。これにより一対のブレーキシュー11がドラム20とともに回転し、一対のブレーキシュー11の一方がくさび30,31の一つを介してアンカ18に当たり、ドラム20の回転が規制される。そしてブレーキシュー11とドラム20との間に摩擦力が生じ、制動力が生じる(制動状態)。
【0017】
車両を駐車させる際には、図4,5に示すように押付け機構16内に液圧を印加して、図3に示すように一対のブレーキシュー11をドラム20に押付ける。そしてドラム20が回転している際には、あるいはブレーキシュー11がドラム20に押付けられた状態にてドラム20が回転した際には、ブレーキシュー11がドラム20とともに回転しようとする。例えば、図5に示すようにブレーキシュー11が矢印B方向に回転した際には、アンカ18の回転下流側(図5右側)に位置するブレーキシュー11が回転上流側(図5左側)のブレーキシュー11に比べてアンカ18に対し多く離間した状態になる。
【0018】
そして差込手段32を押付け機構16への液圧印加と同時に、あるいはこれに遅れて直ぐに図3に示すように作動させ、くさび30,31を表側(図3下方)に移動させる。
これにより右側のブレーキシュー11とアンカ18との間には、くさび30の大径部30cが差し込まれる。一方、左側のブレーキシュー11とアンカ18との間には、くさび31の中径部31bが差し込まれる。かくしてブレーキシュー11とアンカ18との間に形成される隙間がくさび30,31によって埋められる。
【0019】
その結果、ブレーキシュー11は、アンカ18に対していずれの方向にも回転できない状態になる。そのため押付け機構16への液圧を減圧させても、一対のブレーキシュー11は、ドラム20に押付けられた制動状態の位置にて保持され続ける。そのためドラムブレーキ装置1は、制動状態にて保持される。
【0020】
制動状態を保持した状態から非制動状態にする際には、制動状態にするために押付け機構16内に印加した液圧よりも高い液圧を押付け機構16内に印加する。これにより一対のブレーキシュー11が押付け機構16に押されて、一対のブレーキシュー11とくさび30,31との間に隙間が生じる。
一方、くさび30,31は、図3に示すように制動状態の際に弾性変形されたスプリング37,38の弾性力によって元の位置に戻る。その後、押付け機構16内の液圧を減圧する。かくしてドラムブレーキ装置1は、非制動状態に戻る。
【0021】
以上のようにして実施の形態1が形成されている。
すなわち保持機構3は、押付け機構16によって一対のブレーキシュー11をドラム20に押付けた際に、一対のブレーキシュー11とアンカ18との間に形成される隙間を埋めることによって制動状態を保持し続ける構成になっている。
したがって押付け機構16を緩めた際にも制動状態が保持機構3によって保持され続ける。しかも保持機構3は、ブレーキシュー11とアンカ18との間の隙間を埋める構成になっている。そのため坂道などで停車させる際にブレーキペダルを緩めてもブレーキシュー11は、ドラム20に押付けられた状態のままアンカ18に対して回転しない。その結果、保持機構3は、坂道などで駐車させた際にブレーキペダルを緩めても車両は、移動しない。
【0022】
また保持機構3は、押付け機構16によって一対のブレーキシュー11をドラム20に押付けた状態において、図2に示すように一対の各ブレーキシュー11とアンカ18との間に差し込まれてこれらの間に形成される隙間を埋める一対のくさび30,31と、一対のくさび30,31を各ブレーキシュー11とアンカ18との間に差し込む差込手段32とを備えている。
したがってブレーキシュー11とアンカ18との間に生じる隙間がくさび30,31によって埋められる。
【0023】
またくさび30,31とアンカ18の間には、図2,3に示すようにくさび30,31をアンカ18とブレーキシュー11との間に差し込むことで弾性変形されるスプリング37,38が設けられており、そのスプリング37,38の弾性力によってくさび30,31が元の位置に戻る構成になっている。
したがってくさび30,31は、スプリング37,38の弾性力を利用して元の位置(非制動状態の位置)に戻る。そのため差込手段32の構造などを簡易にすることができる。例えば差込手段32に動力の方向を反転させる構造などを設ける必要がない。
【0024】
また保持機構3は、図2に示すように一対のスプリング37,38を有している。そして各くさび30,31が各スプリング37,38によって裏側へ付勢されている。
ところで保持機構2を作動させている場合の一対のブレーキシュー10は、いずれか一つがくさび30,31の一つを介してアンカ18に押付けられ、他の一つは、アンカ18に押付けられていない状態になる場合が多い(図3参照)。そのためくさび30,31の一つがブレーキシュー10によってアンカ18に強く押付けられる場合が多い。
【0025】
この状態にて保持状態を解除させる場合は、一対のブレーキシュー11を押付け機構16によって拡張する。これによってアンカ18に押付けられていない側のブレーキシュー11とアンカ18との間に隙間が生じ、アンカ18に押付けられていない側のくさび(30,31)がスプリング(37,38)の弾性力を利用して裏側へ移動する。
そしてその後に押付け機構6への圧力を解除する。この場合、くさび(30,31)の一つが既に裏側に移動しているために、ブレーキシュー11によってアンカ18に押付けられていたくさび(30,31)の押付け力が小さくなることができる。そのためブレーキシュー11によってアンカ18に押付けられていた側のくさび(30,31)もスプリング(37,38)の弾性力を利用して裏側へ移動することができる。
したがって本形態によると、両くさび30,31がスプリング37,38によって確実に元の位置に戻ることができる。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1とほぼ同様に形成されている。しかし実施の形態2に係る保持機構4は、図2に示すくさび30,31に代えて図6に示すくさび40,41を有している。以下、相違点を中心に実施の形態2について説明する。
【0027】
保持機構4は、図6に示すようにくさび40,41と、差込手段32を有している。
くさび40,41は、裏板10の裏側からアンカ18先端に向けて延出しており、先端部に先細り状の先細り部40a,41aを有している。
先細り部40a,41aは、図6に示すように非制動状態においてブレーキシュー11とアンカ18との間に径の細い先端の一部のみが差し込まれている。
【0028】
車両を駐車させる際には、押付け機構(図1の16)に液圧を印加して、一対のブレーキシュー11をドラム20に押付ける。そしてこれと同時にあるいは、これに遅れて直ぐに差込手段32を作動させ、くさび40,41をブレーキシュー11とアンカ18との間に深く差し込む。
これによりブレーキシュー11とアンカ18との間に形成される隙間がくさび40,41によって埋められる。その結果、ブレーキシュー11は、アンカ18に対していずれの方向にも回転できなくなり、押付け機構への液圧を減圧させても、一対のブレーキシュー11は、ドラム20に押付けられた制動状態の位置にて保持され続ける。そのためドラムブレーキ装置1は、制動状態にて保持され続ける。
【0029】
制動状態を保持した状態から非制動状態にする際には、制動状態にするために押付け機構(図1の16)に印加した液圧よりも高い液圧を押付け機構に印加して、一対のブレーキシュー11を拡張する。そしてその後、押付け機構への液圧を減圧させる。これにより各くさび40,41は、各スプリング37,38の弾性力を利用して元の位置に戻る。かくしてドラムブレーキ装置は、非制動状態に戻る。
【0030】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2とほぼ同様に形成されている。しかし実施の形態3に係る保持機構5は、図6に示すスプリング37,38に代えて図7に示すスプリング50,51を有している。以下、相違点を中心に実施の形態3について説明する。
【0031】
保持機構5は、図7に示すようにくさび40,41と、差込手段32と、一対のスプリング50,51を有している。差込手段32は、アクチュエータ33と、棒部材34と、リンク部材35を有している。
スプリング50,51は、コイル状の圧縮ばねであって、くさび40,41周りに取付けられている。そしてスプリング50,51は、一端部がリンク部材35に当接され、他端部がアンカ部材18の取付部18cに当接されている。
したがって各くさび30,31は、各スプリング42,43によって裏側(図7上側)に付勢されている。その結果、各くさび30,31が各スプリング42,43の弾性力を利用して元の位置に戻ることができる構成になっている。
【0032】
(他の実施の形態)
本発明は、実施の形態1〜3に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち実施の形態1〜3に係るドラムブレーキ装置は、パーキングブレーキとして利用され得る構成であると同時に、車両を減速する際のサービスブレーキとしても利用され得る構成になっていた。しかしパーキングブレーキとしてのみに利用され得る構成であって、サービスブレーキとして利用されない形態であっても良い。例えば、いわゆるドラムインディスクブレーキであって、外周部にサービス用のディスクブレーキ装置を有し、中央部に駐車用のドラムブレーキ装置を有している形態などであっても良い。
(2)実施の形態1〜3に係る押付け機構は、液圧を利用してブレーキシューをドラムに押付ける形態になっていた。しかし押付け機構がケーブルによって引張られてブレーキシューをドラムに押付ける機構(例えば、いわゆるトグル機構)を有する形態などであっても良い。
(3)実施の形態1〜3に係る保持機構は、くさびを有する構成になっていた。しかし保持機構は、一対のブレーキシューとアンカとの間に形成される隙間を埋める構成であればどんな形態であっても良い。例えばブレーキシューとアンカとの間において回転する非円形のカム部材を設け、そのカム部材を回転させることでブレーキシューとアンカとの間に形成される隙間を埋める形態などであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施の形態1に係るドラムブレーキ装置の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】制動状態を保持した際の図2に相当するドラムブレーキ装置の断面図である。
【図4】ドラムブレーキ装置の正面拡大図であって、アンカのフランジと戻しばねとを取除いた状態の図である。
【図5】制動状態を保持した際の図4に相当するドラムブレーキ装置の正面図である。
【図6】実施の形態2に係る図2に相当するブレーキ装置の断面図である。
【図7】実施の形態3に係る図2に相当するブレーキ装置の断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…ドラムブレーキ装置
3,4,5…保持機構
11…ブレーキシュー
14…アジャスタ
16…押付け機構
18…アンカ
19…連結機構
20…ドラム
32…差込手段
37,38,50,51…スプリング



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のブレーキシューの一端部同士を回動可能に連結する連結機構と、前記一対のブレーキシューの他端部間を拡開して前記一対のブレーキシューをドラムに押付ける押付け機構と、前記一対のブレーキシューの他端部間に張出すアンカと、駐車の際に前記一対のブレーキシューをドラムに押付けた制動状態にて保持する保持機構を有するデュオサーボ型のドラムブレーキ装置であって、
前記保持機構は、前記押付け機構によって前記一対のブレーキシューを前記ドラムに押付けた際に、前記一対のブレーキシューと前記アンカとの間に形成される隙間を埋めることによって制動状態を保持し続ける構成になっていることを特徴とするデュオサーボ型のドラムブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデュオサーボ型のドラムブレーキ装置であって、
保持機構は、押付け機構によって一対のブレーキシューをドラムに押付けた状態において、前記一対の各ブレーキシューとアンカとの間に差し込まれてこれらの間に形成される隙間を埋める一対のくさびと、前記一対のくさびを前記各ブレーキシューと前記アンカとの間に差し込む差込手段とを備えていることを特徴とするデュオサーボ型のドラムブレーキ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデュオサーボ型のドラムブレーキ装置であって、
くさびとアンカの間には、前記くさびを前記アンカとブレーキシューとの間に差し込むことで弾性変形されるスプリングが設けられており、そのスプリングの弾性力によって前記くさびが元の位置に戻る構成になっていることを特徴とするデュオサーボ型のドラムブレーキ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−170241(P2006−170241A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359834(P2004−359834)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】