説明

ナノスケール電子素子製造のための表面上へのナノワイヤのパターン形成

本発明は、基板の規定された領域に、基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる少なくとも1つの化合物(C1)を接触させて、基板表面上に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板の規定された領域に、基板表面と結合し且つナノワイヤの結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を接触させて、基板表面上に非結合サイトのパターンを提供し、且つ、基板表面を液体媒体中のナノワイヤの懸濁液と接触させて適用したナノワイヤの少なくとも一部分を、(C1)で被覆されている、および/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分と結合させる工程を含む、基板表面へのナノワイヤの堆積方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板表面上へのナノワイヤの堆積方法に関する。
【0002】
関連技術の記載
マイクロエレクトロニクスの分野では、可能な限り低い不良率で、都合良く且つ低価格で再現できる、より微細な素子要素の開発が常に必要とされている。集積回路(IC)製造のためのリソグラフィー技術は当該技術分野でよく知られている。しかしながら、素子が小さくなるほど、より困難になり、結果として製造がより高価になる。さらには、分子スケールの半導体製造において、リソグラフィー的なアプローチは、解像度とアライメントによって課されるリソグラフィーの制約のために失敗するかもしれない。それゆえに、回路構成を所望の形に組織化させる駆動力を使用する技術(電子回路構成の自己組織化)によるICの製造が望ましい。
【0003】
一次元ナノ構造、例えばナノワイヤは、効率的な電子輸送およびナノスケールエレクトロニクスの階層的な組織化への可能性のあるツールとして最小の公知の次元である。それゆえに将来的なアプローチは、大面積電子および光電子素子への構成単位としての導電性あるいは半導体性ナノワイヤの使用を必要とする。最近、ナノ、マイクロ電子機械(MEM)およびナノ電子機械(NEM)素子用途における構成単位としての潜在的な重要性のために、ナノワイヤの製造が探求されている。例えば、現在のアプローチは、例えばシリコン(Si)、Si−Ge、InPおよびGaNの材料から作製された様々な半導体ナノワイヤの、ナノ演算システムの作製における使用を提案している。金属ナノワイヤは、相互配線およびナノワイヤの鋭い先端が電界放出効果を効率的にする目的で潜在的な興味が持たれている。
【0004】
基板上への、本質的に一次元のマイクロ物体の自己組織化のための種々の方法が知られている。第一の自己組織化技術は、印加電界あるいは磁界による物体のパターン形成を使用する。基板の電気的あるいは磁気的接触面は予め作製された。外部電界あるいは磁界の印加により、物体は基板上の特定の領域に配列あるいは設置できた。
【0005】
さらなる自己組織化技術は流体による配列を使用し、ここで一次元物体は、基板内にエッチングされた受容サイトあるいは"孔"に合致するように用いられる。前記の物体はキャリア液体内に懸濁しており、基板上に分配され、液体の流れの力を借りて受容サイトに向かって落ちていく。この組織化方法の背後にある駆動力は流体の剪断力である。流れの方向を制御するため、マイクロチャネルが設計され得る。
【0006】
Yu Huang、Xiangfeng Duan、Qingqiao WeiおよびCharles M.Lieberは、サイエンス、2001、291、630−633内で、機能性ネットワーク内への一次元ナノ構造の、方向性を持った組織化を記載している。ナノワイヤは流体による配列と表面へのパターン形成技術を組み合わせることによって、並列のアレイの中に組織化された。半導体ナノワイヤはレーザー支援触媒成長によって合成され、エタノール溶液中に懸濁された。組織化したアレイは、ポリ(ジメチルシロキサン)型と平坦な基板との間に形成された流体チャネル構造を通して懸濁液が通過することによって得られた。平行および交差したアレイが、単一および逐次の交差した流れによってそれぞれ実現された。本文献は、マイクロ接触プリンティング("スタンピング")を使用して基板表面に結合パターンを形成し、基板上へのナノワイヤの配列を可能にすることについて教示していない。
【0007】
さらなる自己組織化技術は、機械的な延伸を利用する。本方法によれば、ポリマー膜内に包含された一次元物体は、ポリマーが延伸される方向に、それらの長軸が配向し得る。
【0008】
さらなる自己組織化技術は、表面相互作用を使用する。修飾を得るために、基板表面は種々の化学的官能性および/または正/負電荷を有する領域にパターン形成され得る。従って、例えば基板は疎水性/親水性領域あるいは正および/または負電荷を有する領域にパターン形成される。マイクロ物体もまた修飾された表面を有し、これは化学的相互作用、静電気力あるいは生体分子相互作用によって選択された領域にパターン形成され得る。
【0009】
さらなる自己組織化技術は、ラングミュア・ブロジェット相互作用(LB技術)を使用する。一次元物体の表面を(例えば長いアルキル鎖を有する)有機分子で官能化し、そしてその後、前記物体を適した溶剤に分散することができる。この分散液は下層表面上に滴下しながら広がることができる。物体は空気−水界面に単分子層を形成し、それはゆっくりと圧縮される。この単分子層は圧縮過程の間/後に、他の基板の上に転写され得る。一次元物体はこの方法によって配列できる。
【0010】
さらなる自己組織化技術は、電子スピンを使用する。この方法によれば、一次元物体はポリマー溶液と混合され、粘弾性スピン可能な溶液を実現する。前記電子スピン技術は静電気力に基づいている。ポリマー溶液の噴出物は、静電気的に引き起こされた不安定性のために高い伸びを経て、細いナノ繊維を形成する。一次元ナノ構造は、最初に吸い込み流れによって、続いて電子スピンされた吐出物の高い張力によって配列する。
【0011】
さらなる自己組織化技術は、その場成長(in situ growth)を使用する。成長サイトおよび/または一次元ナノ構造の成長方向は、テンプレート、例えばDNA、ナノ細孔、あるいはステップ−エッジあるいは外部電界の印加の使用によって制御できる。
【0012】
US2004/0061104号A1は、有機半導体素子内の活性チャネルとして有機半導体微結晶が機能する集積回路(IC)の製造方法を開示している。前記方法は、基板上に配置された吸着サイトの予備選択されたパターンを有し、且つ有機半導体の微結晶が吸着できる表面を有する基板の提供を含む。本文献は、マイクロ接触プリンティング("スタンピング")を使用して基板表面に半導体パターンを形成することについては教示していない。
【0013】
未公開の同時係属中の米国出願第11/353,934号は、少なくとも1つの結晶性化合物で基板表面にパターン形成する方法で、基板表面と結合でき且つ少なくとも1つの結晶性化合物と結合できる少なくとも1つの化合物(C1)および/または基板表面と結合でき且つ結晶性化合物の結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を基板表面に堆積する工程を含む方法を開示している。
【0014】
先行技術によるパターン形成方法は少なくとも1つの以下の欠点を示す:
高いコストおよび/または低いスループット(例えば印加電界あるいは磁界による物体の配列のために、公知のパターン形成技術によって基板の電気的あるいは磁気的接触面を予め製造する必要がある。分子スケールでの基板パターンの製造は、基板パターンの作製に、精巧且つ高価な技術、例えば光学あるいは電子ビームリソグラフィーを必要とする)。
【0015】
複雑性(複数の工程段階、および/または特別な器材装置が必要とされる、例えばその場成長によるパターン形成)。
【0016】
一般的な応用性がない(例えば、表面特性(化学的、電気的、磁気的修飾)上の高い要求およびマイクロ物体の寸法;一般にナノワイヤをそれらの特性を変えずに機能化するのには問題が多い)。
【0017】
物体間スペース上および/または物体配向における制御性がほとんどない(特に機械延伸、磁場による自己組織化による)。
【0018】
ほとんどの技術によってナノワイヤパターンの階層的組織が実現されない;例えば一次元物体は表面相互作用および機械的延伸により一方向に配列され得るだけである。
【0019】
いくつかの技術が望ましくない材料の包含に基づいている;例えば、一次元物体の機械的延伸による配向は、ポリマーと混合しなければならない。従って、得られた配列ナノワイヤをポリマーの分離なしに直接電子素子に組み込むのが困難である。
【0020】
発明の要約
第一の側面において、本発明は基板表面へのナノワイヤの堆積方法において、以下の工程:
基板の規定された領域に、基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる少なくとも1つの化合物(C1)を接触させて、基板表面上に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板の規定された領域に、基板表面と結合し且つナノワイヤの結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を接触させて、基板表面上に非結合サイトのパターンを提供する工程、および
基板表面を液体媒体中のナノワイヤの懸濁液と接触させ、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が、(C1)で被覆されている、および/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分と結合することを可能にする工程
を含む方法を提供する。
【0021】
第一の実施態様は、以下の工程:
(a)表面内に形成された、凹凸パターンを規定する複数の凹部を含む表面を有するスタンプを提供し、その際、前記の凹部はスタンピング表面と隣接し、且つスタンピングパターンを規定する工程、
(b)少なくとも一つの化合物(C1)で前記のスタンピング表面を被覆する工程、
(c)基板表面の少なくとも一部分と前記のスタンピング表面とを接触させて、基板上に前記化合物(C1)を堆積させる工程、
(d)前記のスタンピング表面を離して、基板表面上に結合サイトのパターンを提供する工程、
(e)基板表面にナノワイヤの懸濁液を適用し、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が基板表面上の少なくとも一部分の結合サイトと結合することを可能にする工程
を含む方法である。
【0022】
段階d)で得られる基板の使用していない表面領域は、修飾しないままにしておいてもよいし、例えば基板表面と結合でき且つナノワイヤの結合を阻止する、少なくとも一つの化合物(C2)で被覆してもよい。
【0023】
第二の実施態様は、以下の工程:
(a)表面内に形成された、凹凸パターンを規定する複数の凹部を含む表面を有するスタンプを提供し、その際、前記の凹部はスタンピング表面と隣接し、且つスタンピングパターンを規定する工程、
(b)少なくとも一つの化合物(C2)で前記のスタンピング表面を被覆する工程、
(c)基板表面の少なくとも一部分と前記のスタンピング表面とを接触させて、基板上に前記化合物(C2)を堆積させる工程、
(d)前記のスタンピング表面を離して、基板表面上にナノワイヤの結合を阻止するサイトのパターンを提供する工程、
(e)基板表面にナノワイヤの懸濁液を適用し、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が、(C2)で被覆されていない基板表面上の少なくとも一部分と結合することを可能にする工程、
を含む方法である。
【0024】
段階d)で得られる基板の使用していない表面領域は、修飾しないままにしておいてもよいし、例えば基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる、少なくとも一つの化合物(C1)で被覆してもよい。
【0025】
さらなる側面において、本発明は、追加的に以下の工程:
基板の規定された領域を、基板表面と結合でき且つ少なくとも1つの有機半導体化合物(S)と結合できる少なくとも1つの化合物(C3)と接触させ、および/または基板の規定された領域を、基板表面と結合でき且つ化合物(S)の結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C4)と接触させる工程、
基板表面に化合物(S)を適用し、適用した化合物(S)の少なくとも一部分が(C3)で被覆されたおよび/または(C4)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分と結合することを可能にする工程
を含む方法を提供する。
【0026】
好ましい実施態様において、前記化合物(C3)は、化合物(C1)および(C2)から選択される。さらに好ましい実施態様において、前記化合物(C4)もまた、化合物(C1)および(C2)から選択される。
【0027】
さらなる側面において、本発明は、基板上へのナノワイヤの堆積工程を含む電子素子の製造方法において、さらに以下の工程:
基板の規定された領域を、基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる少なくとも1つの化合物(C1)と接触させ、基板表面上に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板の規定した領域を、基板表面と結合し且つナノワイヤの結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を接触させ、基板表面上に非結合サイトのパターンを提供する工程、および
基板表面を液体媒体中のナノワイヤの懸濁液と接触させ、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が、(C1)で被覆されている、および/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分と結合することを可能にする工程
を含む方法を提供する。
【0028】
図面の簡単な説明
図1aおよび図1bは、ヘキサデカンチオールでパターン形成(100μm×100μm角)したAu基板上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤ(長さ6μm、直径約250nm)を示す;ランダムに配向した金属ナノワイヤのパターンは、導電電極として使用できる;パターン形成された半導体ナノワイヤネットワークは、FETを製造するために使用できる。
【0029】
図2は、ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板(パターン形成された線幅=0.834μm;即ち、線幅がナノワイヤの長さ(長軸)よりも狭い)上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤ(長さ6μm、直径250nm)を示し、ナノワイヤは基板上の親水パターンによって閉じこめられ、且つ配列している。
【0030】
図3は、ヘキサデカンチオールでパターン形成されたTiO2表面(パターン形成された線幅=0.834μm)上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤを示す;Au基板に、マイクロ接触プリンティングを用いてヘキサデカンチオールでパターン形成し、その後、露出したAu表面を、ヘキサデカンチオールをマスクとして使用してエッチングで除去し、それが交互のTiO2の線とヘキサデカンチオールの線に至る;後から、ナノワイヤを基板に適用した。
【0031】
図4aは、ヘキサデカンチオールの20μmの線でパターン形成したAu基板を示す。
【0032】
図4bは、メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤを適用した後の図4aの基板を示す。
【0033】
図5aおよび5bは、ヘキサデカンチオールでパターン形成(線幅=2μm)されたAu基板上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤ(長さ6μm、直径250nm)を示す。
図6は、メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤおよび銅フタロシアニン結晶でパターン形成されたAu基板(100μm×100μm角のヘキサデカンチオール)を示す。
【0034】
図7は、ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板(線幅=2μm)上の、Pd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤ(長さ6μm、直径250nm)を示す;最初のパターン形成後、ヘキサデカンチオールを加熱によって除去し、後から2μmのヘキサデカンチオールの線を、前のプリンティングと垂直の方向に基板上に再度、マイクロ接触プリンティングし、線幅2μmの"電極"が、露出したAu領域をエッチングで除去することによって後から製造された。
【0035】
図8aは、階層的な自己組織化の概念図を表す。
【0036】
図8bは、ヘキサデカンチオールで処理されたAu基板(線幅=2μm)上で、図8aの図式で得られたナノワイヤのパターンを示す。
【0037】
図9aは、ヘキサデカンチオールおよび3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩でパターン形成されたAu基板上の、Pd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤ(長さ6μm、直径250nm)を示す;負に帯電したナノワイヤを、20μmのSO3-Na+/20μmのヘキサデカンチオールパターンの基板の、負に帯電したSO3-Na+領域にパターン形成できた。
【0038】
図9bは、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩(20μm角)およびヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板上のPd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤ(長さ6μm、直径250nm)の光学顕微鏡写真を示す;負に帯電したナノワイヤを、基板の負に帯電したSO3-Na+領域にパターン形成できた;挿入図は、同一の基板上にパターン形成されたナノワイヤの走査型電子顕微鏡像を示す。
【0039】
図10aは、除去される前に流体媒体で希釈された、基板上のナノワイヤ懸濁液を表す。
【0040】
図10bおよび10cは、除去される前にナノワイヤ懸濁液が大量の水で希釈された場合、ナノワイヤのパターン形成が観察されなかったことを示す。
【0041】
図11aは、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)によるOFETの製造のための図式を表す(SおよびDは、それぞれソースおよびドレインに対応する)。
【0042】
図11b(本発明による)および図11cは、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)から得られたOFETのトランジスタ特性を示す。
【0043】
発明の好ましい実施態様の詳細な説明
本願の目的では、用語"ナノワイヤ"は、一般に縦方向の伸長が横方向の伸長よりも大きい、任意の細長い導電性あるいは半導体材料を指す。前記直径(断面寸法、幅の広さ)は、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、特に300nm以下である。縦方向の伸長(長さ)は、好ましくは少なくとも500nm、より好ましくは少なくとも1000nm(1μm)、特に少なくとも2μmである。好ましくは、前記ナノワイヤは5より大きい、好ましくは10より大きい、そして特に20より大きいアスペクト比(長さ:幅)を有する。ナノワイヤの断面は、任意の形状を有していてよく、限定されずに、円形、正方形、長方形、楕円形および管形を含む。規則的および不規則な形状が含まれる。
【0044】
種々のナノワイヤが本発明での使用に適している。原則として、ナノワイヤを形成できる任意の電気的に伝導性の、あるいは電気的に半導体の材料を用いることができる。適した材料は、金属、好ましくは周期律表8、9、10あるいは11族の金属、例えばPd、Au、Ag、Cuを含む。好ましい電気的に伝導性の材料は、約10-3より低い、より好ましくは約10-4より低い、最も好ましくは約10-6あるいは10-7オームメートルより低い抵抗率を有している。
【0045】
ナノワイヤに適した材料は、さらに半導体、例えばダイヤモンド(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、アルミニウムアンチモン(AlSb)、アルミニウムヒ素(AlAs)、アルミニウムナイトライド(AlN)、アルミニウム燐(AlP)、ボロンナイトライド(BN)、ボロンヒ素(BAs)、ガリウムアンチモン(GaSb)、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムナイトライド(GaN)、ガリウム燐(GaP)、インジウムアンチモン(InSb)、インジウムヒ素(InAs)、インジウムナイトライド(InN)、インジウム燐(InP)、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs、AlxGa1-xAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs、InxGa1-xAs)、アルミニウムインジウムアンチモン(AlInSb)、ガリウムヒ素ナイトライド(GaAsN)、ガリウムヒ素燐(GaAsP)、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)、アルミニウムガリウム燐(AlGaP)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)、インジウムヒ素アンチモン(InAsSb)、インジウムガリウムアンチモン(InGaSb)、アルミニウムガリウムインジウム燐(AlGaInP、同じくInAlGaP、InGaAlP、AlInGaP)、アルミニウムガリウムヒ素燐(AlGaAsP)、インジウムガリウムヒ素燐(InGaAsP)、アルミニウムインジウムヒ素燐(AlInAsP)、アルミニウムガリウムヒ素ナイトライド(AlGaAsN)、インジウムガリウムヒ素ナイトライド(InGaAsN)、インジウムアルミニウムヒ素ナイトライド(InAlAsN)、ガリウムインジウムナイトライドヒ素アンチモン(GaInNAsSb)、カドミウムセレン(CdSe)、カドミウム硫黄(CdS)、カドミウムテルル(CdTe)、亜鉛オキサイド(ZnO)、亜鉛セレン(ZnSe)、亜鉛硫黄(ZnS)、亜鉛テルル(ZnTe)、カドミウム亜鉛テルル(CdZnTe、CZT)、水銀カドミウムテルル(HgCdTe)、水銀亜鉛テルル(HgZnTe)、水銀亜鉛セレン(HgZnSe)、銅クロリド(CuCl)、鉛セレン(PbSe)、鉛燐(PbS)、鉛テルル(PbTe)、錫燐(SnS)、錫テルル(SnTe)、鉛錫テルル(PbSnTe)、タリウム錫テルル(Tl2SnTe5)、タリウムゲルマニウムテルル(Tl2GeTe5)、ビスマステルル(Bi2Te3)、カドミウム燐(Cd32)、カドミウムヒ素(Cd3As2)、カドミウムアンチモン(Cd3Sb2)、亜鉛燐(Zn32)、亜鉛ヒ素(Zn3As2)、亜鉛アンチモン(Zn3Sb2)を含む。
【0046】
さらには、前記半導体は、p型ドーパントおよびn型ドーパントから選択されるドーパントを含んでもよい。例えば、亜鉛、カドミウム、あるいはマグネシウムがp型半導体を形成するのに使用でき、且つ、テルル、硫黄、セレン、あるいはゲルマニウムがn型半導体を形成するドーパントとして使用できる。
【0047】
ナノワイヤ合成に使用される従来の方法は、パルスレーザー気化成長および化学気相成長を含む。半導体ナノワイヤを製造する1つの技術は、酸素アシスト成長を含む。この技術は、ワイヤに成長させられる特定の金属あるいは合金の酸化物、並びに前記酸化物を溶発するレーザーを必要とする(例えば、Shi et al."Oxide Assisted Growth and Optical Characterization of Gallium−Arsenide Nanowires"78、Applied Physics Letters、3304(2001)および米国特許第6,313,015号参照)。米国特許第2004/023471号は、熱蒸着による半導体の結晶性ナノワイヤの製造について記載している。金属性ナノワイヤは、Nanoplex technologies社、Mountain View,CAより市販されている。適した合成方法は、以下の文献に開示されている:サイエンス、2001、294、137;Electranal.Chem.2002、522、95−103。
【0048】
本願の目的では、用語"結合"は、広義に理解される。これは化合物(C1)および/または化合物(C2)と、基板表面との間の全種類の結合相互作用、並びに化合物(C1)とナノワイヤとの間の全種類の結合相互作用を包含する。結合相互作用のタイプは、化学結合(共有結合)、イオン結合、配位性相互作用、ファンデルワールス相互作用(例えば双極子−双極子相互作用)など、およびそれらの組み合わせの構成を含む。1つの好ましい実施態様において、化合物(C1)、基板表面および結晶性化合物との間の少なくとも1つの結合相互作用は、接着性の相互作用である。
【0049】
適した化合物(C2)は、未処理の基板、あるいはもし存在するならば(C1)よりも低いナノワイヤへの親和性を有する化合物である。基板が少なくとも1つの化合物(C2)のみで被覆されている場合、(C2)および基板の、ナノワイヤとの結合相互作用の強さが、(C2)でパターン形成されていない基板領域上にナノワイヤが本質的に堆積されるのに充分な程度異なっていることが、決定的に重要である。基板が少なくとも1つの化合物(C1)および少なくとも1つの化合物(C2)で被覆されている場合、(C1)および(C2)の、ナノワイヤとの結合相互作用の強さが、(C1)でパターン形成された基板領域上にナノワイヤが本質的に堆積されるのに充分な程度異なっていることが、決定的に重要である。好ましい実施態様において、(C2)とナノワイヤとの間の相互作用は、反発性相互作用である。本願の目的では、用語"反発性相互作用"は、広義に理解され、化合物(C2)でパターン形成された基板領域上へのナノワイヤの堆積を阻止する全種類の相互作用を包含する。
【0050】
従って、本発明は少なくとも1つの自己組織化工程を用いて少なくとも1つのタイプのナノワイヤで基板表面にパターン形成する方法を提供する。前記方法は、基板上に配置された結合サイトの予備選択パターンを有する表面を有する基板の提供を含む。結合サイトはナノワイヤと結合することができる。さらなる実施態様において、本発明の方法で用いられるナノワイヤ表面の少なくとも一部分もまた、基板表面の特定の領域に結合することのできる少なくとも1つの化合物によって修飾される。
【0051】
従って、本発明は、基板表面上でナノスケールのワイヤの組織化あるいは制御した設置を可能にする。基板表面を化合物(C1)および/または(C2)でパターン形成すること、および随意にナノワイヤ表面を修飾することに加えて、ナノワイヤの配列は、とりわけ:
基板パターンとナノワイヤの適した寸法の選択、
ナノワイヤの適用方法(パターン形成時間、未結合ナノワイヤの基板からの除去、化合物(C1)および/または(C2)およびナノワイヤの適用での基板のパターン形成の繰り返しなど)
によって支えられる。
【0052】
ナノワイヤの配列は、例えば基板内あるいは基板上に配置されたコンタクト電極間の距離を渡って接続する。従って、個々のコンタクト位置を、基板上に配列させることができ、それらの位置の間に結合サイトを生成することができ(例えば、マイクロプリンティングによって前記の位置の間に化合物(C1)を配置することによる)、それは単一あるいは配列した多数のナノワイヤを引きつけ、前記位置の間の距離を渡し、それによって前記位置の間に導電経路を形成する。従って、個々のナノワイヤあるいは配列した多数のナノワイヤは電気的コンタクトのそれぞれの対の間に集められ得る。ナノワイヤの階層的な自己組織化は、(i)基板上の規定した領域に少なくとも1つの化合物(C1)および/または(C2)を接触させること、および(ii)基板表面にナノワイヤの懸濁液を接触させてそれらの少なくとも一部分を(C1)で被覆されたおよび/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合させる工程を、一度あるいは何度も繰り返すことによって得られる。従って、例えば、多重交差(第一の方向の多数の平行なワイヤが第二の方向(例えば本質的に垂直方向)の多数の平行なワイヤと交差している)を含む、交差したワイヤの配列が形成され得る。
【0053】
本発明による方法を、多種の素子を提供するために使用できる。前記素子は、電気素子、光学素子、光電子素子たとえば(通信及び他の用途の半導体素子、例えば発光ダイオード、電気吸収型変調器およびレーザー)、機械素子、およびそれらの組み合わせを含んでよい。本発明の方法によるナノワイヤから組織化された機能性素子は、様々なICアーキテクチャを製造するために使用され得る。例えば、本発明のナノワイヤを従来の半導体素子、例えばダイオード、発光ダイオード(LED)、インバータ、センサー、およびバイポーラトランジスタのナノスケール版に組織化できる。それらは単一、自立ナノワイヤ、交差したナノスケールのワイヤ、あるいは単一ナノワイヤの組み合わせあるいは他の要素と組み合わされた配列ナノワイヤを含んでよい。金属性ナノワイヤは、2つの素子の間、あるいは素子と外部回路あるいはシステムとの間の相互配線として、それらの素子の接続に使用できる。さらには、例えば種々のドーパント、ドーピングレベルあるいはドーパントの組み合わせを有する半導体ナノワイヤは、それらの素子を製造するために使用できる。前記ナノワイヤは、多重の領域を有してもよく、それぞれが異なる組成を有してよい。特別な実施態様において、単一ナノワイヤは機能性素子あるいは機能性素子の一部、例えば半導体として機能できる。本発明の1つの側面は、隣接したn型および/またはp型半導体要素からの電子素子の製造のための本発明の方法の使用を含む。これは、当業者が半導体を使って希望通りに作製する、本発明の方法によって製造され得る任意の素子を含む。前記素子の例は、限定されずに、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、トンネルダイオード、モジュレーションドープ超格子、相補型インバータ、発光素子、光感知素子、生体系イメージャー、生体および化学検知器あるいはセンサー、熱あるいは温度検知器、ジョセフソン接合(Josephine Junctions)、ナノスケール光源、光検知器、例えば分極感知型光検知器、ゲート、インバータ、AND、NAND、NOT、OR、TORおよびNORゲート、ラッチ、フリップフロップ、抵抗器、スイッチ、クロック回路、スタティックあるいはダイナミックメモリ素子およびアレイ、状態機械、ゲートアレイ、およびプログラム可能な回路を含む、任意の他のダイナミックあるいは連続ロジックあるいは他のデジタル素子を含む。
【0054】
従って本発明は、予め製造され、且つ随意に表面を修飾されたナノワイヤを"自己組織化"によってそれ自身でマイクロ電子素子に組織化させる方法を提供する。マイクロプリンティングを介した付着サイトの予備選択パターンの製造によって、本方法は基板上にナノワイヤ、随意にさらなる素子の微細なパターンを製造することができる。特に好ましいさらなる素子は、電界効果トランジスタ(FET)である。FETは状態、従って半導体材料内のチャネルの導電性の制御が電界に基づいているトランジスタである。FETは一般に4端子を有し、それらはゲート、ドレイン、ソースおよび基板/ベースとして知られている。FETの特別な実施態様は金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)および有機電界効果トランジスタ(OFET)である。
【0055】
本発明のさらなる側面は、OFETのアレイを有する基板に関する。好ましくは、それぞれのOFETは、独立した有機半導体の微結晶、ゲート構造、および微結晶のチャネル部の対向する端に配置された導電性のソースおよびドレイン電極を含む。前記の微結晶は基板上に配置されており、微結晶材料の連続した経路によって他のトランジスタの微結晶と接続されていない、即ち、異なるOFETの微結晶はそれぞれ独立している。ゲート構造は、微結晶のチャネル部の導電性を制御するように位置付けられている。ナノワイヤは接続に使用される。
【0056】
本発明のさらなる側面は、トランジスタ用途のための基板上への半導体ナノワイヤネットワークの堆積方法に関する。
【0057】
基板上のナノワイヤの自己組織化の背後にある主な駆動力、例えば各々の分子同士および基板表面の局所的結合相互作用は、原子スケールである。本発明の方法を使用すれば、基板上にナノワイヤを位置付けするのに流体的な配列あるいはマイクロ流体チャネルを使用する必要はない。さらには、基板にナノワイヤを適用するために電界あるいは磁界を使用する必要がない。
【0058】
本発明による方法は、以下の利点を含む:
a)本方法は一般に種々の材料の一次元物体を、そのサイズ、表面特性、およびモフォロジーによらず配列するために使用できる。前記物体が特別な電気的あるいは磁気的特性を有している必要はない。
b)本方法は、キーとなる段階(スタンピングおよび滴下流し込み)が高スループット工程であるため、高スループットが可能になる。
c)本方法は、単純でコスト効率がよい(複雑なデザインが要らず、高価なナノワイヤ懸濁液が再利用できる)。
d)ナノワイヤの配列が実現できる(例えば、適した形状および適した寸法のナノワイヤのパターンを選択することによる)。
e)階層的組織が実現できる(基板にパターン形成およびナノワイヤを多数回、配列することが実現可能である。従って、種々の方向に配列したナノワイヤが得られる)。
f)不純物がほとんど包含されない(多くの場合、水が液体媒体として使用され得る。ナノワイヤの自己組織化のために、特にさらなる媒体、例えばポリマーを使用する必要がない)。
g)環境に優しい(環境汚染を生じる物質を使用しない)。
【0059】
少なくとも1つの化合物(C1)で表面にパターン形成できる任意の材料を基板として使用できる。好ましい基板は、半導体素子を製造するのに適した材料から選択される。適した基板は、例えば金属(好ましくは周期律表の8、9、10あるいは11族の金属、例えばAu、Ag、Cu)、酸化物材料(ガラス、石英、セラミックス、SiO2など)、半導体(例えばドープしたSi、ドープしたGe)、金属合金(例えばAu、Ag、Cuなどに基づく)、半導体合金、ポリマー(例えばポリビニルクロリド、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリエステル、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリスチレンおよびそれらの混合物および複合材)、無機固体(例えば塩化アンモニウム)、およびそれらの組み合わせを含む。前記基板は、所望の用途の要請によって、フレキシブルあるいは曲面または平面の形状を有するフレキシブルではない固体基板であってよい。
【0060】
半導体素子のための典型的な基板は、母材(例えば石英あるいはポリマー母材)および随意に、誘電性の最表面層(例えばSiO2)を含む。前記基板は一般に電極、例えば通常基板上に配置される(例えば誘電性の最表面層の非導電性の表面上に堆積される)、FETのドレインおよびソース電極も含む。前記基板は、一般に、典型的には誘電性の最表面層(即ちゲート絶縁膜)の下に配置されるFETの導電性ゲート電極も含む。当然、基板は、半導体素子あるいはICに通常用いられるさらなる部品、例えば絶縁体、抵抗構造、キャパシタ構造、メタル配線などを含んでもよい。
【0061】
前記化合物(C1)は、通常、基板表面と相互作用できる少なくとも1つの官能基、およびナノワイヤ材料と相互作用できる少なくとも1つの官能基も含む。基板表面と相互作用できる官能基はナノワイヤ材料と相互作用できる官能基と同一であってもよい。選択的に、化合物(C1)は、一方は基板との相互作用のため、他方はナノワイヤとの相互作用のための2つの異なる種の官能基を含んでもよい。
【0062】
以下において、用語"炭化水素基"は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびそれらの組み合わせを含む。
【0063】
以下において、表記"アルキル"は、直鎖および分岐鎖アルキル基を含む。それらの基は、好ましくは直鎖あるいは分岐鎖のC1−C20−アルキル基、より好ましくはC1−C12−アルキル基、特に好ましくはC1−C8−アルキル基および最も好ましくはC1−C4−アルキル基である。アルキル基の例は、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、ノニル、デシルである。適した長鎖C8−C30−アルキルあるいはC8−C30−アルケニル基は、直鎖あるいは分岐鎖アルキルあるいはアルケニル基である。オクチル(エン)、ノニル(エン)、デシル(エン)、ウンデシル(エン)、ドデシル(エン)、トリデシル(エン)、テトラデシル(エン)、ペンタデシル(エン)、ヘキサデシル(エン)、ヘプタデシル(エン)、オクタデシル(エン)、およびノナデシル(エン)など。
【0064】
表記"アルキル"および"アルキレン"もまた、一般に、シクロアルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、NE12、NE123、COOH、カルボン酸、−SO3Hおよびスルホネートの中から選択される、1、2、3、4あるいは5つの置換基、好ましくは1、2あるいは3つの置換基、そして特に好ましくは1つの置換基を有し得る置換アルキル基を含む。
【0065】
"シクロアルキル"は、好ましくはC5−C8−シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルあるいはシクロオクチルである。
【0066】
本発明の目的として、用語"ヘテロシクロアルキル"は、一般に4〜7、好ましくは5あるいは6つの環原子を有し、その環炭素原子の1あるいは2つは、酸素、窒素あるいは硫黄の元素から選択されるヘテロ原子で置き換えられ、随意に置換されてよい飽和脂環式基を含む。置換の場合には、それらの複素脂環式基は、アルキル、アリール、COORa、COO-+およびNE12、好ましくはアルキルから選択される1、2あるいは3つ、好ましくは1あるいは2つ、特に好ましくは1つの置換基を有してよい。
【0067】
挙げられる複素脂環式基の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびジオキサニルである。
【0068】
"アリール"は、非置換あるいは置換されたアリール基を含み、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、および特にフェニル、トリル、キシリルあるいはメシチルである。
【0069】
"ヘタリール"は、好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、カルバゾリル、ピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルあるいはピラジニルである。
【0070】
NE12基は、好ましくはN,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N,N−ジ−n−ブチルアミノ、N,N−ジ−t−ブチルアミノ、N,N−ジシクロヘキシルアミノあるいはN,N−ジフェニルアミノである。
【0071】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0072】
第一の好ましい実施態様において、化合物(C1)は、基板表面および/またはナノワイヤに共有結合性の相互作用を介して結合する。この実施態様によれば、化合物(C1)は、基板および/またはナノワイヤの相補型官能基と反応できる少なくとも1つの官能基
を含む。本発明の文脈において、"相補型官能基"は、共有結合の形成の下で、互いに反応し得る一対の官能基を意味する。好ましくは、相補型官能基は縮合あるいは付加反応において互いに反応する。
【0073】
共有結合性の相互作用に適した官能基は、好ましくはヒドロキシル、一級あるいは二級アミノ、チオール、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキサミド、カルボン酸無水物、スルホン酸、スルホン酸エステル、イソシアネート、ブロックトイソシアネート、ウレタン、ウレア、エーテルおよびエポキシ基から選択される。
【0074】
反応に適した対の例は、一方で、例えばアルコール、一級および二級アミンおよびチオール基を含有する化合物から選択される活性水素原子を有する化合物であり、且つ、他方で、例えばカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキサミド、カルボン酸無水物、イソシアネート、ウレタン、ウレア、アルコール、エーテルおよびエポキシ基から選択される、それらと反応性のある基を有する化合物である。適した対のさらなる例は、一方にエポキシ基、他方にカルボン酸基を含有する化合物である。一般に、どの官能基対が化合物(C1)を媒介しているか、およびどの基板あるいはナノワイヤ材料かは決定的ではない。
【0075】
表1は相補型官能基の適した対を例示する。
表1:相補型官能基
【表1】

【0076】
得られる共有結合は好ましくは、エステル結合、アミド結合、スルホンアミド結合、イミノ結合、アミジノ結合、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、チオウレア結合、スルフィド結合、スルホニル結合、エーテル結合およびアミノ結合から選択される。
【0077】
適した相補型官能基は、ラジカル重合可能なC=C二重結合であり、上述の(メタ)アクリレート基に加えて、ビニルエーテルおよびビニルエステル基も含む。
【0078】
第二の好ましい実施態様において、化合物(C1)は、基板表面および/またはナノワイヤとイオン性相互作用を介して結合している。本実施態様によれば、化合物(C1)は、基板表面および/またはナノワイヤとイオン性の相互作用をし得る少なくとも一つの官能基を含む。
【0079】
第三の好ましい実施態様において、化合物(C1)は、基板表面および/またはナノワイヤと双極子相互作用、例えばファンデルワールス力を介して結合している。
【0080】
(C1)と基板の間および/または(C1)とナノワイヤ材料の間の相互作用は、好ましくは親水−親水相互作用の引力あるいは疎水−疎水相互作用の引力である。親水−親水相互作用および疎水−疎水相互作用は、なかでも、イオン対あるいは水素結合の形成を含むことができ、さらなるファンデルワールス力を含んでいてもよい。親水性あるいは疎水性は、水に対する親和性によって定義される。ほとんどの親水性の化合物あるいは材料表面は、水、および一般に他の親水性の化合物あるいは材料表面と高レベルの相互作用を有し、一方で、ほとんどの疎水性の化合物あるいは材料は、水あるいは水性の液体によって、濡れないあるいはほんのわずかだけ濡れる。基板表面の親水/疎水特性の適した評価方法は、それぞれの表面上での水の接触角の測定である。一般的な定義によれば、"疎水表面"は、水の接触角が90゜より大きい表面である。"親水表面"は、水の接触角が90゜より小さい表面である。親水基で修飾された化合物あるいは材料表面は、修飾されない化合物あるいは材料よりも小さい接触角を有している。疎水基で修飾された化合物あるいは材料表面は、修飾されない化合物あるいは材料よりも大きな接触角を有している。
【0081】
化合物(C1)(同様に(C2)および/またはナノワイヤ)に適した親水基は、イオノゲン基、イオン性基、および非イオン性親水基から選択されるものである。イオノゲン基あるいはイオン性基は、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基、窒素含有基(アミン類)、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、および/または第四級化あるいはプロトン化された窒素含有基である。適した非イオン性親水基は、例えばポリアルキレンオキシド基である。化合物(C1)(同様に(C2)および/またはナノワイヤ)に適した疎水基は、上述の炭化水素基から選択されるものである。それらは、好ましくは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、あるいはアリール基であり、前記基は、随意に、例えば1、2、3、4、5あるいは5つより多くのフッ素原子で置換されてもよい。
【0082】
化合物(C1)のさらなる適した官能基は、基板および/またはナノワイヤとの追加的な配位結合を形成できる配位金属イオンが可能なリガンド基でもある。リガンドとして適した官能基は、例えばカルボン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、SH基、オキシム基、アルデヒド基、ケト基、およびピリジン、キノリン、イミダゾールあるいはオキサゾールなどの複素環式基である。
【0083】
基板表面を大量の官能基で修飾するために、酸あるいは塩基で活性化することができる。さらには、基板表面は酸化、電子線照射あるいはプラズマ処理で活性化できる。さらには、官能基を含む物質を基板表面に化学気相成長(CVD)で適用することができる。
【0084】
基板との相互作用に適した官能基は、以下のものを含む:
シラン、ホスホン酸、カルボン酸、およびヒドロキサム酸:
シラン基を含む、適した化合物(C1)は、アルキルトリクロロシラン、例えばn−(オクタデシル)トリクロロシラン(OTS);トリアルコキシシラン基の化合物、例えばトリアルコキシアミノアルキルシラン、例えば、トリエトキシアミノプロピルシランおよびN[(3−トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン;トリアルコキシアルキル−3−グリシジルエーテルシラン、例えばトリエトキシプロピル−3−グリシジルエーテルシラン;トリアルコキシアリルシラン、例えばアリルトリメトキシシラン;トリアルコキシ(イソシアナトアルキル)シラン;トリアルコキシシリル(メタ)アクリオキシアルカンおよびトリアルコキシシリル(メタ)アクリルアミドアルカン、例えば1−トリエトキシシリル−3−アクリルオキシプロパンである。
(これらの基は好ましくは、シリコン二酸化物、アルミニウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物およびニッケル酸化物などの金属酸化物表面との結合に用いられる。)
アミン、ホスフィン、および硫黄含有官能基、特にチオール:
(これらの基は好ましくは金、銀、パラジウム、白金、および銅などの金属基板、およびシリコン、ガリウムヒ素などの半導体表面との結合に用いられる。)
好ましい実施態様において、化合物(C1)はC8−C30−アルキルチオールから選択され、特にヘキサデカンチオールである。これらの化合物は、より疎水性の基板、例えばAu並びにより親水性の基板、例えばNH4Clの表面に、ナノワイヤを適用することを可能にする。
【0085】
さらなる好ましい実施態様において、化合物(C1)はメルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸およびアルカリ金属あるいはそれらのアンモニウム塩から選択される。それらの化合物の例は、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸、メルカプトオクタン酸、メルカプトウンデカン酸、メルカプトラウリン酸、メルカプトミリスチン酸、メルカプトパルミチン酸、メルカプトステアリン酸、メルカプトアラキジン酸、メルカプトコハク酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸およびアルカリ金属あるいはそれらのアンモニウム塩、例えばナトリウムあるいはカリウム塩である。それらの化合物は、より疎水性の基板表面の親水化に適している。
【0086】
さらなる好ましい実施態様において、化合物(C1)は、アルキルトリクロロシランから選択され、特にn−(オクタデシル)トリクロロシラン(OTS)である。これらの化合物は、SiO2などのより疎水性の基板表面へのナノワイヤの適用を可能にする。
【0087】
基板上の前記化合物(C1)の堆積に加えて、あるいはその代わりとして、基板は、基板表面と結合することができ、並びにナノワイヤ材料と相互作用して化合物(C1)でパターン形成されていない基板領域上でナノワイヤの堆積を阻止できる、少なくとも1つの化合物(C2)と接触させることができる。
【0088】
第一の実施態様によれば、化合物(C2)は上述の化合物(C1)の群から選択され得る。特定の化合物が(C1)として、あるいは(C2)として作用するかどうかは、ナノワイヤとの相互作用の強さに依存している。(C1)および(C2)のナノワイヤとの結合相互作用の強さが、本質的にナノワイヤが(C1)でパターン形成された基板領域上に堆積されるのに充分な程度に異なっていることが決定的に重要である。
【0089】
さらなる実施態様によれば、化合物(C2)は、ナノワイヤと反発性の親水−疎水相互作用をする化合物から選択される。特定のナノワイヤ材料と反発性の相互作用をする、適した官能基は、炭化水素基および(部分的または完全に)ハロゲン化された炭化水素基である。前記炭化水素あるいはハロゲン化された炭化水素は、純粋に脂肪族または芳香族であってよく、あるいは脂肪族および芳香族基の組み合わせを有することができる。ハロゲン化された炭化水素は、以下のハロゲン基の1つあるいは1つより多く(例えば2、3、4、5あるいは5つより多く)を有してよい:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素あるいはそれらの組み合わせ。好ましくは、部分的または完全にハロゲン化された炭化水素は、部分的または完全にフッ化された炭化水素あるいはクロロフルオロカーボンである。前記の炭化水素あるいはハロゲン化された炭化水素は、随意にハロゲンに加えてさらなる置換基を有してもよい。
【0090】
前述のように、第一の実施態様において、本発明は、基板表面に少なくとも1つのナノワイヤでパターン形成する方法において、基板表面と結合でき、且つ少なくとも一つのナノワイヤ材料と結合できる少なくとも一つの化合物(C1)を基板表面上に堆積する段階を含む方法を提供する。本実施態様によれば、好ましくは少なくとも90質量%、さらに好ましくは少なくとも95質量%、特に少なくとも99質量%の、基板表面に結合しているナノワイヤが、(C1)でパターン形成されている表面領域に結合される(且つ、基板のパターン形成されていない部分、あるいはもし存在すれば(C2)で被覆された基板領域には結合されない)。
【0091】
第二の実施態様は、少なくとも1つのナノワイヤで基板表面にパターン形成する方法において、基板表面と結合でき、且つナノワイヤ材料の結合を阻止できる少なくとも一つの化合物(C2)を、基板表面上に堆積する段階を含む方法である。本実施態様によれば、好ましくは少なくとも90質量%、さらに好ましくは少なくとも95質量%、特に少なくとも99質量%の、基板表面に結合しているナノワイヤが、(C2)でパターン形成されていない表面領域(即ち、基板のパターン形成されてない領域、あるいはもし存在すれば、(C1)で被覆された領域)に結合される。
【0092】
本発明による方法の好ましい実施態様において、ナノワイヤはそれらの表面の少なくとも一部分に、少なくとも1つの化合物(C1)および/または少なくとも1つの化合物(C2)を有するものが用いられる。それらの表面の修飾のために、ナノワイヤは少なくとも1つの化合物(C1)および/または少なくとも1つの化合物(C2)と公知の方法で接触され得る。好ましくは、前記のナノワイヤは液体物質内の化合物(C1)および/または(C2)の溶液と混合される。本質的にナノワイヤの電気特性に影響しない結合剤が追加的に用いられても良い。適した液体物質は、無機および有機液体およびそれらの混合物から選択される。それらは水、非水性の無機溶剤、有機溶剤、例えば一価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、シクロヘキサノール)、ポリオール(例えば、エチレングリコール、グリセロール)、エーテルあるいはグリコールエーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノ−、ジ−、トリ−、ポリアルキレングリコールエーテル)、ケトン(例えば、アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン)、エステル(例えば、エチルアセテート、グリコールエステル)、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン)、炭化水素(例えば、ベンゼン、石油エーテル、リグロイン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、芳香族、例えばベンゼン、トルエン、キシレン)および上述の溶剤の混合物を含む。前記液体物質は、好ましくは水、水混和性のある有機化合物、およびそれらの混合物から選択される。慣例の方法、例えば吹き付け、液浸等によって、ナノワイヤを(C1)および/または(C2)の溶液と接触させることによって前記の方法を実行することが可能である。被覆ナノワイヤの形成に至るさらなる方法は、化合物(C1)および/または(C2)からの前駆ゾルを製造し、ナノワイヤを前記の前駆ゾルに接触させる(ゾル−ゲル法)ことである。前記のゾルは、公知の技術によって製造できる。本発明によって用いられるさらなる方法は、溶解された成分(C1)および/または(C2)の混合物の、例えば、溶剤の一部を除去することによる、過飽和溶液の冷却などによる不安定化である。本発明の方法において、ナノワイヤ上への化合物(C1)および/または(C2)の堆積の間に、例えばポンピングあるいは攪拌によって、反応溶液あるいは反応混合物の充分な循環を確実にするのが有利であることが判明している。
【0093】
本発明の方法は、基板表面に液体媒体中のナノワイヤの懸濁液を接触させ、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が基板表面の少なくとも一部分に結合するのを可能にする工程を含む。
【0094】
好ましくは、ナノワイヤ材料(もし存在すればそれらの表面層を含む)は、25℃/1013mbarにて、液体媒体中で10g/l以下、より好ましくは5g/l以下、特に1g/l以下の溶解性を有する。
【0095】
前記の液体媒体は、好ましくは水および水と少なくとも1つの水混和性の有機溶剤との混合物から選択される。水と少なくとも1つの水混和性の有機溶剤との混合物は、好ましくは20質量%以下の有機溶剤を含む。適した水混和性の有機溶剤は、C3−C4−ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、環状エーテル、例えばジオキサンおよびテトラヒドロフラン、C1−C4−アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、ポリオールおよびそれらのモノ−およびジメチルエーテル、例えばグリコール、プロパンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、グリセリン、C2−C3−ニトリル、例えばアセトニトリルおよびプロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ブチロラクトン、2−ピロリドンおよびN−メチルピロリドンである。液体媒体として好ましいのは、水および水と少なくとも1つのC1−C4−アルカノールとの混合物である。
【0096】
本発明の方法で使用されるナノワイヤの懸濁液は、ナノワイヤ粒子の安定化のために少なくとも1つの界面活性剤を含んでよい。前記の界面活性剤は、好ましくは非イオン系界面活性剤である。しかしながら、イオン系界面活性剤、たとえば陰イオン性乳化剤、陰イオン性保護コロイド、陽イオン性乳化剤、陽イオン性保護コロイドおよび両イオン性(ベタイン性)乳化剤もまた適している。好ましい実施態様においては、界面活性剤は用いていない。
【0097】
懸濁液の固体含有率は、一般的に0.001〜20質量%の範囲であり、特に0.1〜10質量%の範囲である。
【0098】
ナノワイヤを液体媒体中に分散してナノワイヤの懸濁液を製造し、充分な時間の間、音波粉砕して安定な懸濁液を得てもよい。
【0099】
基板にナノワイヤ懸濁液を適用するために、基板上に懸濁液の液体層を形成できる公知の液体適用技術を使用できる。前記の方法は、ピペット操作、キャスティングあるいは種々の塗布技術、例えば、エアブレード塗布、ナイフ塗布、エアナイフ塗布、含浸、ロール塗布、グラビア塗布、キス塗布、スプレー塗布、スピン塗布あるいはプリンティング工程を含む。ピペット操作の場合には、ナノワイヤの懸濁液をパターン形成した基板に滴下しながら加える。キャスティングの場合には、パターン形成した基板をナノワイヤの懸濁液で満たす。ナノワイヤ懸濁液を適用した層の厚さは、好ましくは0.05〜50mm、特に0.1〜10mmである。
【0100】
通常、ナノワイヤは適用工程の間に自発的に配向する。好ましくは、本発明の方法(特に工程e)は、ナノワイヤの懸濁液を適用し、そして適用したナノワイヤの少なくとも一部分が表面の少なくとも一部分に結合するために充分な時間の間、それを基板表面に接触させ、そして未結合のナノワイヤ懸濁液を基板表面から除去することを含む。接触時間は好ましくは30秒〜12時間の範囲、より好ましくは1分〜6時間、および特に2分〜2時間以内である。懸濁液の量は例えば液体媒体の一部が気化することによって、典型的には自発的な蒸発によって、適用の間に減少させることができる。蒸発速度は、加熱、減圧、通風、およびその種のものなどの、当該技術分野で公知の1つあるいはそれ以上の方法で加速できる。液相の減少は、乾燥が完了する前に少なくとも短く停止される。適用した懸濁液の量の、好ましくは50%以下、より好ましくは70%以下、特に90%以下を、懸濁液が基板に接触している間に除去する。好ましくは、前記懸濁液(未結合のナノワイヤを含む)を、懸濁液の液相が完全に気化する前に除去する。好ましくは、未結合のナノワイヤ懸濁液を、液体媒体での希釈なしで基板から除去する。未結合ナノワイヤの懸濁液を、好ましくは例えばピペットによる吸い出しによって基板から取り除く。
【0101】
ナノワイヤの高度の配列を得るために、好ましくは線形の結合サイトを含むパターンが基板表面に提供され、ここで線幅はナノワイヤの長さ(長軸)よりも短い。好ましくは、長さ/幅の比は1.1より大きく、好ましくは2より大きく、そして特に5より大きい。
【0102】
本発明の好ましい実施態様は、工程:
基板の規定された領域を少なくとも1つの化合物(C1)と接触させて基板表面に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板の規定された領域を少なくとも1つの化合物(C2)と接触させて基板表面に非結合サイトのパターンを提供する工程、および
基板表面を液体媒体中のナノワイヤ懸濁液と接触させて、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が(C1)で被覆されたおよび/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合するのを可能にする工程
を一度あるいは複数回繰り返す。
【0103】
好ましくは、それぞれの繰り返しの後、そこにナノワイヤが結合していない化合物(C1)および/または化合物(C2)を基板から除去する。除去は、基板表面を適したスクラブ液で処理することによって行うことができる。さらには、いくつかの化合物(C1)および/または(C2)は熱によって除去できる。
【0104】
さらなる側面において、本発明は基板表面をナノワイヤ以外の少なくとも1つのさらなる化合物でパターン形成する方法を提供する。
【0105】
好ましくは、前記のさらなる化合物は結晶性化合物の中から選択される。幅広い種類の結晶性化合物が本発明における使用に適している。原則として、室温で固体結晶相を形成する任意の電気的に伝導性のある、電気的に伝導性のないあるいは電気的に半導体の材料を用いることができる。好ましくは、少なくとも1つの有機半導体化合物(S)の微結晶を結晶性化合物として使用する。
【0106】
有利なことに、本発明の方法において液体媒体中の固体半導体粒子の懸濁液は、基板表面への有機半導体(S)の微結晶の適用に使用できる。有機半導体(S)は、ナノワイヤの適用に先行して、同時に、あるいは引き続いて適用できる。当然、ナノワイヤの適用および半導体化合物の適用を、一度あるいは複数回、どんな順番であっても繰り返すことができる。
【0107】
本発明のさらなる側面は、OFETのアレイを有する基板に関する。それぞれのOFETは、独立した有機半導体の微結晶、ゲート構造、および微結晶のチャネル部の対向する端に配置された導電性のソースおよびドレイン電極を含む。前記の微結晶は基板上に配置されており、微結晶材料の連続した経路によって他のトランジスタの微結晶と接続されていない、即ち、異なるOFETの微結晶はそれぞれ独立している。ゲート構造は、微結晶のチャネル部の導電性を制御するように位置付けられている。
【0108】
有用な有機半導体化合物(S)は、原則として当業者には公知である。それらはアセン、例えばアントラセン、テトラセン、ペンタセン、および置換されたアセンを含む。好ましいアセンは、ルブレン(5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン)である。本発明における有機半導体として有用な置換アセン化合物は、好ましくは、電子供与性の置換基(例えば、アルキル、アルコキシ、エステル、カルボキシレート、あるいはチオアルコキシ)、電子求引性の置換基(例えば、ハロゲン、ニトロあるいはシアノ)あるいはそれらの組み合わせから成る基から選択される、少なくとも1つの置換基を含む。有用な置換ペンタセンは、例えばアルキル基が1から12個の炭素を有する2,9−ジアルキルペンタセンおよび2,10−ジアルキルペンタセン、2,10−ジアルコキシペンタセン、および1,4,8,11−テトラアルコキシペンタセンである。適した置換ペンタセンは、米国出願公開第2003/0100779号、および米国特許第6,864,396号に記載されている。さらなる有用な有機半導体の例は、ペリレン、フラーレン、フタロシアニン、オリゴチオフェン、およびそれらの置換誘導体を含む。適したオリゴチオフェンは、クアテルチオフェン、キンクチオフェン、セキシチオフェン、α,ω−ジ(C1−C8)−アルキルオリゴチオフェン、例えばα,ω−ジヘキシルクアテルチオフェン、α,ω−ジヘキシルキンクチオフェンおよびα,ω−ジヘキシルセキシチオフェン、ポリ(アルキルチオフェン)、例えばポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ビス(ジチエノチオフェン)、アントラジチオフェンおよびジアルキルアントラジチオフェン、例えばジヘキシルアントラジチオフェン、フェニレン−チオフェン(P−T)オリゴマーおよびそれらの誘導体であって、特にα,ω−アルキル置換されたフェニレン−チオフェンオリゴマー、例えばtert−ブチル−P−T−T−P−tertブチルオリゴマーである。さらなる有用な有機半導体の例は、ポリアセチレン、ポリチエニレンビニレン、C60を含む。特に好ましいのは、銅(II)フタロシアニンおよびルブレンである。
【0109】
好ましくは、本発明の方法は、追加的に以下の工程:
基板の規定された領域を、基板表面と結合でき且つ少なくとも1つの有機半導体化合物(S)と結合できる少なくとも1つの化合物(C3)と接触させ、および/または基板の規定された領域を、基板表面と結合でき且つ化合物(S)の結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C4)と接触させる工程、
基板表面に化合物(S)を適用し、適用した化合物(S)の少なくとも一部分が(C3)で被覆されたおよび/または(C4)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合することを可能にする工程
を含む。
【0110】
(C3)との結合相互作用および/または(C4)との反発性相互作用のために、半導体(S)は、反応を受け、かかる相互作用をし得る官能基を導入できる。共有結合、イオン結合、ファンデルワールス、配位および他の相互作用に適した官能基は、成分(C2)の上述の基である。これらの基は、例えば縮合反応あるいは付加反応が可能な(S)の官能基、及び(S)の基と相補型の少なくとも1つの官能基を有する化合物から選択される少なくとも1つの化合物であって、(C3)および/または(C4)と相互作用し得る少なくとも1つの官能基も有する化合物と反応させることによって、化合物(S)に導入することができる。多くの場合に、半導体(S)は官能化を受ける必要はない。それというのも、基板表面および(S)と相互作用し得る化合物(C3)と、場合により(C4)は直ちに使用可能であるためである。ゆえに、例えば上述のC8−C30−アルキルチオール(C3)および特にヘキサデカンチオールが炭化水素基、例えば芳香環あるいはアルキル鎖を有する化合物(S)を引きつけることができる。
【0111】
好ましくは、化合物(C3)は化合物(C1)および(C2)を構成する基から選択される。特に、化合物(C3)は化合物(C1)と一致する。
【0112】
好ましくは、化合物(C4)は化合物(C1)および(C2)を構成する基から選択される。特に、化合物(C4)は化合物(C2)と一致する。
【0113】
好ましくは、有機半導体化合物(S)は、微結晶の形態で用いられる。本発明の目的では、用語"微結晶"は、最大寸法5ミリメートルの小さい単結晶を指す。例示的な微結晶は、最大寸法1mmあるいはそれ未満を有し、好ましくはより小さい寸法(しばしば500μm未満、特に200μm未満、例えば0.01〜150μmの範囲、好ましくは0.05〜100μmの範囲)であるため、前記の微結晶は基板上で微細なパターンを形成できる。ここで、個々の微結晶は単結晶ドメインを有しているが、前記のドメインは、1つ以上のクラックを含んでよく、但し、そのクラックは、前記微結晶を1つより多くの結晶ドメインに分割しない。規定の微結晶の粒子サイズおよび結晶学的特性は、直接X線分析によって測定できる。
【0114】
半導体化合物(S)の粒子は、規則的あるいは不規則な形状であってもよい。例えば、前記粒子は、球状、または実質的に球状の形態、あるいは針状の形態で存在しうる。
【0115】
好ましくは、有機半導体(S)は、粒子の形態で用いられ、長さ/幅の比(L/W)は少なくとも1.05、より好ましくは少なくとも1.5、特に少なくとも3である。
【0116】
有機電界効果トランジスタ(OFET)において、単一の有機半導体結晶で製造されたチャネルは、典型的には、有機半導体の多結晶で製造されたチャネルよりも移動度が高い。移動度が高いのは、単結晶チャネルには粒界がない事実に起因する。粒界は、多結晶有機半導体膜で製造されたOFETチャネルの導電性および移動度を低下させる。
【0117】
例えば1〜10ミクロンあるいはそれ以上の直径の有機半導体微結晶が直ちに使用可能である。前記の有機半導体微結晶は、R.A.Laudiseらが"有機半導体の物理気相成長"Journal of Crystal Growth 187 (1998) 449−454ページ内、および"α−ヘキサチオフェンのセンチメートルサイズ結晶の物理気相成長"Journal of Crystal Growth 182 (1997) 416−427ページ内に記述した方法によって製造できる。Laudiseらのこれら両方の文献は、参照をもって、その全体が開示されたものとする。Laudiseらが記述した方法は、有機半導体が蒸発するのに充分なほど高い温度に維持して、有機半導体基板上に不活性ガスを通過させることを含む。Laudiseらが記述した方法は、有機半導体で飽和したガスを冷却して、自発的な有機半導体微結晶の凝縮を引き起こすことも含む。前記の有機半導体微結晶もまた市販である。例えば、3000 Continental Drive−North、Mount Olive、N.J.07828−1234のBASF社は、有機半導体のピグメントの微結晶を販売している。1つの前記の微結晶は、銅フタロシアニンで形成されている。有機半導体微結晶が直ちに使用可能であることは、高品質チャネルのOFETの製造を可能にする。
【0118】
好ましくは、液体媒体中の固体半導体粒子の懸濁液を、有機半導体(S)の多数の微結晶の基板表面への適用に用いることができる。
【0119】
好ましくは、半導体化合物(S)は液体媒体中で、25℃/1013mbarにおいて、10g/l以下、より好ましくは5g/l以下、特に1g/l以下の溶解性を有する。
【0120】
液体媒体は、好ましくは水および水と少なくとも1つの水混和性の有機溶剤との混合物から選択される。適した液体媒体はナノワイヤ懸濁液の製造のための上述のものである。半導体粒子の懸濁液は、少なくとも1つの界面活性剤を含んで半導体粒子を安定化させてもよい。適した界面活性剤は上述のものである。好ましい実施態様においては、界面活性剤は用いていない。半導体化合物の懸濁液の固体含有率は、一般的に0.001〜20質量%の範囲であり、特に0.1〜10質量%の範囲である。基板に有機半導体化合物の微結晶を適用するために、溶液ベースの技術、例えばピペット操作、スピンあるいは液浸コーティング、即ちディップコーティングを使用することができる。ピペット操作の場合には、半導体微結晶の懸濁液をパターン形成した基板に滴下しながら加える。スピンコーティングの場合には、パターン形成した基板を半導体微結晶の懸濁液で満たし、そして回転させて基板と懸濁物の密な接触を得る。液浸コーティング(ディップコーティング)の場合には、パターン形成した基板を、好ましくは懸濁液をかき混ぜながら、半導体微結晶を含む懸濁液に浸し、そして懸濁液から引き上げる。全ての場合において、好ましくは、適用の後、溶剤で濯ぐことによって、液体媒体を基板から除去する。好ましくは、前記溶剤は微結晶の適用に用いられる懸濁液の液体媒体に一致する。後で、典型的には自然蒸発によって、溶剤を除去する。蒸発速度は、加熱、減圧、通風、およびその種のものなどの、当該技術分野で公知の1つあるいはそれ以上の手法で加速できる。
【0121】
本発明による方法の、工程a)において、表面に形成された凹凸のパターンを規定する複数の凹部を含む表面を有し、前記の凹部がスタンピング表面と隣接してスタンピングパターンを規定するスタンプが提供される。
【0122】
本発明において有用なスタンプは、当該技術分野において公知であり、市販である。一般的に、それらのスタンプはポリマー材料を、所望のパターンを有するモールドに流し込むことで製造できる。スタンプ形成に選定される特定の材料は、本発明では重要ではないが、一定の物理的性質を満足していなければならない。好ましい実施態様においては、スタンプはエラストマーである。スタンプ製造において用いるのに適したポリマー材料は、直鎖あるいは分岐骨格を有していてもよく、架橋しているか、あるいは架橋していなくてもよく、それは特定のポリマーおよびスタンプの所望の成形性の程度による。様々なエラストマーポリマー材料が前記の製造に適しており、特にシリコーンポリマー、エポキシポリマーおよびアクリレートポリマーの一般的な類のポリマーである。スタンプとして用いるのに適したシリコーンエラストマーの例は、クロロシランを含む前駆体から形成されるもの、例えばメチルクロロシラン、エチルクロロシラン、フェニルクロロシランおよびその類を含む。特に好ましいシリコーンエラストマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。例示的なシリコーンポリマーは、GE Advanced MaterialsによってRTVの商標の下で販売されるもの、およびDow Chemical Company、Midland、Mich.によってSylgardの商標の下で販売されるものを含み、特にSylgard 182、Sylgard 184、およびSylgard 186である。
【0123】
スタンプは、凹凸によって規定された種々の特徴を有するスタンピング表面を含む。凹凸の形状および寸法は、基板上に形成される電子デバイスの性質による(例えば、分子サイズのトランジスタ、配線など)。従って、スタンピング表面は、種々の水平方向の寸法を有する特徴を含んでいてもよい。基板上の様々なパターンは、本発明の方法によって得られる。スタンピングパターンを規定するスタンプの隆起は、同一か、あるいは異なった形状を有してよい。好ましくは、凹凸は均一であり、且つ例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11あるいは12の角を有する多角形の形状である。好ましくは、凹凸は、長方形、楕円形、あるいは円形である。それぞれの凹凸は少なくとも50nm、好ましくは少なくとも100nm、より好ましくは少なくとも500nmの最小寸法を有する。それぞれの凹凸は5mmまで、好ましくは1mmまで、より好ましくは500μmの最大寸法を有することができる。典型的な凹凸は、10μm〜100μmの正方形、5〜100μmの線、および10〜100μmのドットである。隣接した2つの凹凸間の距離は、好ましくは少なくとも50nm、より好ましくは少なくとも100nm、特に少なくとも500nmである。
【0124】
スタンプを製造するのに適した方法は、光分解法である。例えば、スタンプ表面と照射光源との間にマスクを置いてもよく、表面は、マスクを通して予め決められた時間の間、照射される。部分的な表面が、前記の照射によって分解し、前記の分解部分を取り除くことにより、表面に凹部を形成する。本方法によれば、種々のパターンが、種々の利用可能なマスクによって、スタンプに非常に都合よく形成され得る。加えて、光分解法は、モールド表面上の硬化性流体の硬化を含む上記の方法と組み合わせて用いることができる。例えば、硬化性流体をモールド表面と接触させ、硬化させ、予め決められたスタンピング表面を有するスタンプを形成することができる。加えて、予め決められたスタンピング表面を、マスクを通して照射して、スタンピング表面上に追加の造形を創ることができる。本方法によれば、フォトレジストはスタンプ材料そのものとして使用できる。上記の光分解法を用いてパターン形成できる特定のタイプのポリマー、フォトパターン形成に好ましい波長および光分解時間の長さは、当該技術分野では公知である。
【0125】
スタンプの原盤として働くモールド表面は、任意のモフォロジーの特徴を含んでいてもよく、それは望ましくは基板表面上の半導体のパターン形成用のスタンプ製造のためのテンプレートとして働き得る。例えば、ICなどのマイクロ電子素子がテンプレートとして働きうる。モールド表面は、種々のやり方で形成される。1つによれば、モールド表面は金属などの材料から微細加工される。他によれば、モールド表面はリソグラフィー的に、基板を提供し、基板上へ膜の材料を堆積し、露出した材料表面へレジストを塗布し、予め決められたパターンによってレジストを照射し、照射された部分のレジストを材料表面から除去し、材料表面を、そこで化学的に反応させるように選択され、且つ、レジストに関して化学的に不活性であるように選択された作用物質と接触させ、予め決められたパターンに従って材料の部分が分解し、分解した部分を除去し、そしてレジストを除去して予め決められたパターンに従って形成された部分の覆いを除去し、モールド表面を形成することによって形成される。モールド表面形成のための他の手法によれば、基板を提供し、レジストで被覆してもよい。続いて、予め決められた特定のパターンに従ってレジストの一部を照射する。レジストの照射された部分を、その後基板から除去し、予め決められたパターンに従った部分の基板表面を露出してもよく、めっき試薬と接触させ、予め規定されたパターンに従って露出した部分をめっきしてもよい。そこで、レジストを除去して露出した基板の覆いを外し、予め決められたパターンに従ってめっきで縁取られた基板の部分がモールド表面を形成する。
【0126】
本発明による方法の工程b)においては、スタンピング表面を少なくとも1つの化合物(C1)または(C2)で被覆する(即ち、少なくとも1つの化合物C1あるいはC2でスタンプを"インク付け"する)。前記スタンプを、スタンプに吸着される化合物(C1)または(C2)を含む溶液でインク付けしてもよい。従って、インク付けは、たとえばスタンプをインクで湿らせた材料(即ち、紙、スポンジ)と接触させること、スタンプ上にインクを直接注ぐこと、適切な塗布器具(例えば綿棒、ブラシ、霧吹き、注射器など)でインクをスタンプに適用すること、あるいは(C1)または(C2)を含む溶液にスタンプ表面を浸すことで実現される。前記化合物は、スタンプ上で乾燥させてもよいし、ブローで乾燥させてもよい。
【0127】
本発明による方法の工程c)においては、基板表面の少なくとも一部分をスタンピング表面と接触させ、基板上に化合物(C1)または(C2)を堆積することができる。
【0128】
インク付けされたスタンプを、その後、化合物(C1)または(C2)が基板表面に転写するのに充分な長さの時間、官能化されたポリマー表面と接触させるように置く。スタンピング工程の所要時間の長さは、当然、用いられる化合物(C1)および(C2)、スタンプ材料および基板によって異なる。当業者は、適した長さの時間を規定できる。例えば、スタンピング表面を基板表面におよそ1秒から5分(例えば、5〜60秒)の範囲の時間、接触させることは、一般的に充分な転写を実施するのに適しているが、必要あるいは適正である場合には、より長いあるいはより短い時間、接触を維持してもよい。
【0129】
本発明による方法の工程d)においては、スタンピング表面を離し、基板表面に結合サイトを提供する。それらの結合サイトは、上述のメカニズムによってナノワイヤおよび/または有機半導体化合物(S)の微結晶を結合できる。
【0130】
本発明の1つの実施態様においては、基板は、例えば基板表面上に異なる型の結合サイトを製造するために、一回より多くスタンプされてもよい。種々の結合サイトの存在は、複雑な回路を組み立てるのに有用であり得る。例えば、種々の結合サイトは異なる化合物(C1)で修飾することができ、従ってナノワイヤおよびさらなる構成材料、例えば半導体(S)、あるいは種々のナノワイヤあるいは種々の半導体(S)を基板に結合し得る。
【0131】
結合サイトのパターンを形成された基板が、本発明の第一の実施態様による方法によって、工程d)で得られ、上で定義されたように少なくとも1つの化合物(C2)と随意に接触させてもよい。化合物(C2)は通常、結合サイトを有さない基板領域を被覆するのに用いられる。化合物(C2)は通常、化合物(C1)で形成された結合サイトと反発性相互作用を示し、結合サイトを置き換え、あるいは被覆することができず、それらは適した溶剤中の少なくとも1つの化合物(C2)の溶液と基板表面を接触させることで適用できる。基板表面に(C2)が結合するのに充分な時間範囲の後、前記の溶液を、好ましくは溶剤によって濯ぐことで基板から除去する。当然、基板の定義された領域も、本発明によるパターン形成技術を用いて、少なくとも1つの化合物(C2)でパターン形成できる。
【0132】
本発明の第二の実施態様による方法によって工程d)で得られる、表面上にナノワイヤおよび/または結晶性化合物の結合を阻止するサイトのパターンを有する基板を、少なくとも1つの化合物(C1)と随意に接触させて、化合物(C2)でパターン形成されていない基板領域上にナノワイヤおよび/または結晶性化合物を堆積できる。前述の通り、化合物(C2)は通常、化合物(C1)と反発性相互作用を示し、化合物(C1)は通常、既に(C2)によって被覆されたサイトを置き換え、あるいは被覆することができない。それゆえに、(C1)は通常、適した溶剤中の少なくとも1つの化合物(C1)の溶液と基板表面を接触させることで、それらの基板に適用できる。基板表面に(C1)が結合するのに充分な時間範囲の後、前記の溶液を、好ましくは溶剤によって濯ぐことで基板から除去する。当然、基板の定義された領域も、(C2)適用のためのパターン形成技術を用いて、少なくとも1つの化合物(C1)でパターン形成できる。
【0133】
添付の図および以下の実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。
実施例
一般的な方法:
わずかに音波粉砕することにより、メルカプトウンデカン酸で表面を官能化したナノワイヤを水に分散し得た。親水/疎水領域を有する基板は、以下のマイクロ接触プリンティング方法によってパターン形成できた:PDMS前駆体および架橋剤(質量比約10:1、Dow ChemicalのSilguard 184)を、Siの原型に注ぎ、65℃で8時間硬化させて、様々なパターンを有するPDMSスタンプを製造した。得られたPDMSスタンプを、Q−チップで数mMの溶液(例えばチオールあるいはシラン)を叩くことによって、物質(C1)でインク付けし、そして気流によって乾燥させた。基板表面を、約20秒間PDMSスタンプと接触させ、溶剤で濯ぎ、空気中で乾燥させることによってパターン形成することができた。スタンプに接触しなかった領域は、随意に、異なる分子(C2)の1mM溶液に約30分間浸して充填でき、続いて溶剤で濯ぎ、空気中で乾燥させた。ナノワイヤおよび半導体化合物(S)の結晶は、滴下流し込みによって結晶懸濁液から基板上にパターン形成できた。未結合化合物の懸濁液はピペット操作によって除去した。
【0134】
実施例1:
懸濁媒体として水を使用し、mlあたり約106〜107本のナノワイヤのナノワイヤ濃度を有するナノワイヤ懸濁液から、メルカプトウンデカン酸で被覆したAgナノワイヤをヘキサデカンチオールでパターン形成したAu基板(100μm×100μm角)に適用した。ナノワイヤはピペット操作で適用され、パターン形成時間は約10分であった。得られるパターンを図1aおよび1bに示す。
【0135】
実施例2:
メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを、修飾されていない金の0.834μmの縞およびヘキサデカンチオールでパターン形成された0.834μmの縞を有するAu基板に適用した(ナノワイヤ濃度:mlあたり約106〜107本のナノワイヤ;溶剤:水;パターン形成時間:約10分)。得られるパターンを図2に示す。
【0136】
実施例3:
メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを、TiO2の0.834μmの縞およびヘキサデカンチオールでパターン形成された0.834μmの縞を有するAu基板に適用した(ナノワイヤ濃度:mlあたり約106〜107本のナノワイヤ;溶剤:水;パターン形成時間:約10分)。得られるパターンを図3に示す。
【0137】
実施例4:
メルカプトウンデカン酸で被覆したAgナノワイヤを、修飾されていないAuの20μmの縞およびヘキサデカンチオールでパターン形成された20μmの縞を有するAu基板に適用した。
図4aは、ヘキサデカンチオールの線でパターン形成されたAu基板を示す。
図4bは、Agナノワイヤの適用後の図4aの基板を示す。
【0138】
実施例5:
メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを、修飾されていないAuの2μmの縞およびヘキサデカンチオールでパターン形成された2μmの縞を有するAu基板に適用した。得られるパターンを図5aおよび5bに示す。
【0139】
実施例6:
メルカプトウンデカン酸で被覆したAgナノワイヤおよびCuPc結晶をヘキサデカンチオールでパターン形成したAu基板(100μm×100μm角)に適用した。得られるパターンを図6に示す。
【0140】
実施例7:
メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを、修飾されていないAuの2μmの縞およびヘキサデカンチオールでパターン形成された2μmの縞を有するAu基板に適用した。ヘキサデカンチオールは加熱によって除去した。後から、2μmのヘキサデカンチオールの線を再度、先のプリンティングに対して垂直な方向で基板上にマイクロ接触プリントし、メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを適用した。得られるパターンを図7に示す。
【0141】
実施例8:
図8aは、階層的自己組織化の概念図を表し、図8bはヘキサデカンチオールで処理されたAu基板上にこの図式で得られたナノワイヤのパターンを示す(線幅=2μm)。
【0142】
実施例9:
ヘキサデカンチオールおよび3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩で金基板にパターン形成し、基板表面に20μmの親水/疎水性の線を設計した。メルカプトウンデカン酸で被覆したPdナノワイヤを基板に適用した。得られるパターンを図9aに示す。図9bは、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩(20μm角)およびヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板上のPd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤ(長さ:6μm、直径250nm)の光学顕微鏡写真を示す。
【0143】
実施例10:
図10aは、除去される前に流体媒体で希釈されている、基板上のナノワイヤ懸濁液を表す。図10bおよび10cは、ナノワイヤの懸濁液を除去する前に何回も希釈した場合、ナノワイヤのパターン形成が観察されなかったことを示す。これはナノワイヤと基板との間の静電引力が、本発明による自己組織化工程に決定的ではないことを示している。
【0144】
実施例11:
有機電界効果トランジスタの製造
ゲート電極として高ドープSiおよび誘電層として熱成長シリコン二酸化膜(300nm)を用いた基板を製造した。OFETの製造のため、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)結晶を基板に適用した。図11aは素子構造を表す。SおよびDはそれぞれソースおよびドレインに対応する。得られたトランジスタの特性曲線を図11bおよび11cに示す。図11b(A)による素子において、100nmの間隔のナノワイヤ電極をソースおよびドレイン電極として使用する。図11b(B)による素子(比較例)においては、ナノワイヤなしでコンタクトパッド(チャネル幅W=250μm、チャネル長L=4μm)を使用した。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1a】ヘキサデカンチオールでパターン形成したAu基板上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤを示す図である。
【図1b】ヘキサデカンチオールでパターン形成したAu基板上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤを示す図である。
【図2】ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤを示す図である。
【図3】ヘキサデカンチオールでパターン形成されたTiO2表面上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤを示す図である。
【図4a】ヘキサデカンチオールの線で20μmにパターン形成したAu基板を示す図である。
【図4b】メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤを適用した後の図4aの基板を示す図である。
【図5a】ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板表面上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤを示す図である。
【図5b】ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板表面上の、メルカプトウンデカン酸で被覆されたPdナノワイヤを示す図である。
【図6】メルカプトウンデカン酸で被覆されたAgナノワイヤおよび銅フタロシアニン結晶でパターン形成されたAu基板を示す図である。
【図7】ヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板上の、Pd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤを示す図である。
【図8a】階層的な自己組織化の概念図を表す図である。
【図8b】ヘキサデカンチオール処理されたAu基板上で、図8aの図式で得られたナノワイヤのパターンを示す図である。
【図9a】ヘキサデカンチオールおよび3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩でパターン形成されたAu基板上の、Pd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤを示す図である。
【図9b】3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸のナトリウム塩およびヘキサデカンチオールでパターン形成されたAu基板上のPd/メルカプトウンデカン酸ナノワイヤの光学顕微鏡写真を示す図である。
【図10a】ポリ(3−ヘキシルチオフェン)によるOFETの製造のための図式を示す図である。
【図10b】除去される前にナノワイヤ懸濁液が大量の水で希釈された場合、ナノワイヤのパターン形成が観察されなかったことを示す図である。
【図10c】除去される前にナノワイヤ懸濁液が大量の水で希釈された場合、ナノワイヤのパターン形成が観察されなかったことを示す図である。
【図11a】ポリ(3−ヘキシルチオフェン)によるOFETの製造のための図式を示す図である。
【図11b】ポリ(3−ヘキシルチオフェン)から得られたOFETのトランジスタ特性を示す図である。
【図11c】ポリ(3−ヘキシルチオフェン)から得られたOFETのトランジスタ特性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上へのナノワイヤの堆積方法において、
基板の規定された領域に、基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる少なくとも1つの化合物(C1)を接触させて、基板表面上に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板の規定した領域に、基板表面と結合し且つナノワイヤの結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を接触させて、基板表面上に非結合サイトのパターンを提供し、且つ
基板表面を液体媒体中のナノワイヤの懸濁液と接触させ、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が、(C1)で被覆されている、および/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分と結合することを可能にする
工程を含む方法。
【請求項2】
(a)表面内に形成された、凹凸パターンを規定する複数の凹部を含む表面を有するスタンプを提供し、その際、前記の凹部はスタンピング表面と隣接し、且つスタンピングパターンを規定し、
(b)少なくとも一つの化合物(C1)で前記のスタンピング表面を被覆し、
(c)基板表面の少なくとも一部分と前記のスタンピング表面とを接触させて、基板上に前記化合物(C1)を堆積させ、
(d)前記のスタンピング表面を離して、基板表面上に結合サイトのパターンを提供し、
(e)基板表面にナノワイヤの懸濁液を適用し、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が基板表面上の少なくとも一部分の結合サイトと結合することを可能にする
工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程d)で得られる結合サイトのパターンを有する基板を、少なくとも1つの化合物(C2)と接触させ、化合物(C1)でパターン形成されていない基板領域上でのナノワイヤの堆積を阻止することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)表面内に形成された、凹凸パターンを規定する複数の凹部を含む表面を有するスタンプを提供し、その際、前記の凹部はスタンピング表面と隣接し、且つスタンピングパターンを規定し、
(b)少なくとも一つの化合物(C2)で前記のスタンピング表面を被覆し、
(c)基板表面の少なくとも一部分と前記のスタンピング表面とを接触させて、基板上に前記化合物(C2)を堆積させ、
(d)前記のスタンピング表面を離して、基板表面上にナノワイヤの結合を阻止するサイトのパターンを提供し、
(e)基板表面にナノワイヤの懸濁液を適用し、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が、(C2)で被覆されていない基板表面上の少なくとも一部分と結合することを可能にする
工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程d)で得られるナノワイヤの結合を阻止するサイトのパターンを表面上に有する基板を、少なくとも1つの化合物(C1)と接触させ、化合物(C2)でパターン形成されていない基板領域上にナノワイヤを堆積させることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
使用されるナノワイヤがそれらの表面の少なくとも一部分に、少なくとも1つの化合物(C1)および/または少なくとも1つの化合物(C2)を有していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程e)が、ナノワイヤの懸濁液を、適用したナノワイヤの少なくとも一部分が表面の少なくとも一部分と結合するのに充分な時間の間、基板表面と接触させ、そして未結合のナノワイヤを基板から除去することを含むことを特徴とする、請求項2から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
接触時間が、30秒〜12時間、好ましくは1分〜6時間、より好ましくは2分〜2時間の範囲であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
懸濁液を、懸濁液の液相が完全に気化する前に除去することを特徴とする、請求項7あるいは8に記載の方法。
【請求項10】
工程e)において、未結合のナノワイヤの懸濁液を液体媒体での希釈なしで基板から除去することを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程e)において、未結合のナノワイヤの懸濁液を、特にピペットによる吸い出しによって基板から取り除くことを特徴とする、請求項7から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
線形の結合サイトを含むパターンを基板表面に提供し、その線幅がナノワイヤの長さよりも狭いことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
基板上の規定した領域に少なくとも1つの化合物(C1)を接触させて基板表面に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板上の規定した領域に少なくとも1つの化合物(C2)を接触させて基板表面に非結合サイトのパターンを提供し、
基板表面に液体媒体中のナノワイヤの懸濁液を接触させて、適用したナノワイヤの少なくとも一部分を(C1)で被覆されたおよび/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合させる
工程を、一度あるいは複数回繰り返すことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
それぞれの繰り返しの後に、そこにナノワイヤの結合していない化合物(C1)および/または化合物(C2)を基板から除去することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
追加的に、
基板上の規定した領域に、基板表面と結合でき且つ少なくとも1つの有機半導体化合物(S)と結合できる少なくとも1つの化合物(C3)を接触させ、および/または基板上の規定した領域に、基板表面と結合でき且つ化合物(S)の結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C4)を接触させ、
基板表面に化合物(S)を適用し、適用した化合物(S)の少なくとも一部分を(C3)で被覆されたおよび/または(C4)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合させる
工程を含む、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
化合物(C3)が、化合物(C1)および(C2)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
化合物(C4)が、化合物(C1)および(C2)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15あるいは16に記載の方法。
【請求項18】
有機半導体化合物(S)が、微結晶の形態で用いられることを特徴とする、請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
液体媒体が、水および水と少なくとも1つの水混和性の有機溶剤との混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
基板上にナノワイヤを提供する工程を含む電子素子の製造方法において、
基板上の規定した領域に、基板表面と結合でき且つナノワイヤと結合できる少なくとも1つの化合物(C1)を接触させて基板表面に結合サイトのパターンを提供し、および/または基板上の規定した領域に、基板表面と結合でき且つナノワイヤの結合を阻止する少なくとも1つの化合物(C2)を接触させて基板表面に非結合サイトのパターンを提供し、且つ
基板表面に液体媒体中のナノワイヤの懸濁液を接触させて、適用したナノワイヤの少なくとも一部分を(C1)で被覆されたおよび/または(C2)で被覆されていない基板表面の少なくとも一部分に結合させる
工程を含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、電子素子が有機電界効果トランジスタのパターンを含み、各トランジスタが
基板上に配置された有機半導体(S);
微結晶のチャネル部分を制御するように位置付けられたゲート構造、および
チャネル部の対向する端に配置された導電性のソースおよびドレイン電極を含み、
該トランジスタの少なくとも一部が請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法によって得られたナノワイヤを含むあるいはそれによって相互配線されていることを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a−4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b−10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【公表番号】特表2009−537978(P2009−537978A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510460(P2009−510460)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054793
【国際公開番号】WO2007/135076
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(503174475)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ リーランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (41)
【Fターム(参考)】