説明

ネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置

【課題】可変容量型油圧ポンプにおいて、エンジン停止時に、同ポンプの吐出量が最小となる斜板の傾転角を保持するための手段を提供する。
【解決手段】ポンプVPM内部に配置された斜板SBの傾転角は容量調整機構50のパワーピストン20の位置に応じて定められる。レギュレータREGの機能は、ネガコン圧信号Piに対応して斜板傾転角を制御する。パワーピストン室PWRとレギュレータとの間の流路上に切換弁12が設けられ、同切換弁への操作圧信号Pxは、高圧および低圧の状態でそれぞれ切換弁12を連通、遮断する。この信号Pxとしてパイロット圧を利用する。パワーピストン室PWRと対向する油室REにバネ23が設けられる。この油室は流路ラインL3を介してポンプの自己圧Pdの流路ラインL4と接続される。エンジンが停止されるとパイロット圧もほぼ同時にゼロとなり切換弁は遮断される。よって、パワーピストンの位置がそのまま保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に使用されるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプに係り、特に、同油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械においては、近年、省エネが求められている。例えば、特許文献1では、建設機械のブームや旋回台など比較的大きな慣性体の運動エネルギおよび/または位置エネルギの回生方法および装置が提案されており、具体的には、同文献の図2に示されるように、ブームシリンダBCYのヘッド側油室RM1およびロッド側油室RM2はラインL1、L2を介してブームシリンダ用制御弁VL1のポートBP、APに接続される。油圧ポンプ32の左側には回生専用の油圧モータ38が回転軸30aと同軸上に設けられ、その斜板38aは斜板調整部36によって制御される。ヘッド側油室からの油はラインL2を介してポートBPに到り、さらに流路FL4からスプールSPrの径小部r1、流路FLを経てポートTP1へ戻り、さらに戻りラインBLを介して油圧モータ38の供給口38bに与えられる。ポートTP1は操作圧信号Paが与えられたときのみ径小部r1を介してブームシリンダのヘッド側油室からの戻り油を油圧モータ38へ供給する。この戻り油の圧力はライン34Lを介して流量調整機構34に供給され油圧ポンプの馬力特性を増大するよう構成した発明が開示されている。
【0003】
上記の特許文献1は建設機械の稼動中における省エネに効果のある提案であるが、一方、建設機械の分野において、排ガス規制によるエンジンの環境負荷低減が急務となっており排気量を下げターボチャージャや排気ガス再循環EGR(Exhaust Gas Recirculation)などを利用することで大排気量のエンジンと同レベルの出力を維持しつつ、窒素酸化物NOx、粒子状物質PM(Particulate Matter)を低減する対策が遂行されている。しかしながらその場合、始動時の出力が低く、エンジンの始動性が悪いため、油圧ポンプの負荷を低減する必要がある。
【0004】
従来のネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプでは、特許文献1の図5、図7に示されるように、自己圧力とスプリングにより斜板を制御しており、無負荷の場合は斜板が最小吐出量の傾転角となるように制御されているが、エンジンが停止し同ポンプの自己圧力が低下していくと斜板の傾転角はスプリング力によって増加し、エンジン再始動時に可変容量型油圧ポンプの自己圧力が上昇する過程において、スプリング力が自己圧力に勝る範囲では停止時の傾転角で作動油を吐出するのでエンジンへの負荷が最小とならない。それ故、特に低温時など油圧系統の負荷が大きくなる環境下ではエンジンがスムースに始動しないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−232307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおいて、エンジン停止時に、同ポンプの吐出量が最小となる斜板の傾転角を保持させるための手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明によるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置は、斜板および同斜板の傾転角を定めるパワーピストンを内蔵したポンプ本体および、前記パワーピストンとリンクレバーを介して結合され、外部信号に基づいて前記リンクレバーの揺動を制御するレギュレータとを備えエンジンにより回転駆動される可変容量型油圧ポンプにおいて、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンの位置を保持する手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
その場合、前記パワーピストンの位置を保持する手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室内の作動油の流出を阻止する手段を設けることができる。
【0009】
またその場合、前記作動油の流出を阻止する手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室と前記レギュレータ側のパワーピストン室通路とを遮断する遮断装置を設け前記パワーピストン室の作動油が流出するのを阻止することができる。
【0010】
さらにその場合、前記遮断手段は切換弁からなることが好ましい。また前記切換弁は前記油圧ポンプ内に配置することが可能である。さらにまた、前記切換弁は前記エンジンのオン・オフに対応する電気信号に応答する電磁弁で構成することが可能である。
【0011】
さらにまた、前記油圧ポンプには同ポンプの回転駆動軸により従駆動されるパイロット圧発生用の小型ポンプを備えており、前記切換弁は前記小型ポンプの吐出圧により切換えられることが可能である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、斜板および同斜板の傾転角を定めるパワーピストンを内蔵したポンプ本体および、前記パワーピストンとリンクレバーを介して結合され、外部信号に基づいて前記リンクレバーの揺動を制御するレギュレータとを備えエンジンにより回転駆動されるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおいて、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンの位置を保持する手段を設けたので、斜板の傾転角はエンジン停止時の状態を保持することが可能である。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、前記パワーピストンの位置を保持する手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室内の作動油の流出を阻止する手段を設けたので、パワーピストンの位置が保持され、従って斜板の傾転角はエンジン停止時の状態を保持することが可能である。
【0014】
請求項3記載の本発明によれば、前記パワーピストン室内の作動油の流出を阻止する手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室と前記レギュレータ側のパワーピストン室通路とを遮断する遮断装置を設けたので作動油の流出が阻止され、従って斜板の傾転角はエンジン停止時の状態を保持することが可能である。
【0015】
請求項4記載の本発明によれば、前記遮断装置は切換弁で構成することにより、当該切換弁の切換を前記エンジンのオン・オフ状態に対応して生成される信号と連動させることが容易に可能となる。
【0016】
請求項5記載の本発明によれば、前記切換弁を油圧ポンプ内部に配置したので、油圧ポンプ装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0017】
請求項6記載の本発明によれば、前記切換弁は前記エンジンのオン・オフに対応する電気信号に応答する電磁弁で構成したので、切換を瞬時に遂行することができる。
【0018】
請求項7記載の本発明によれば、前記油圧ポンプには同ポンプの回転駆動軸により従駆動されるパイロット圧発生用の小型ポンプを備えており、前記切換弁は前記小型ポンプの吐出圧により切換えられるよう構成したので、電磁弁の場合に必要な電気配線は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による実施例の油圧回路図である。
【図2】図1における切換弁の構成を示し、(a)はその油圧回路図、(b)はその構造を示すスプール軸方向断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の油圧回路図である。
【図4】本発明の適用されるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおけるポンプ本体とレギュレータとの軸方向断面を示す図である。
【図5】図4においてレギュレータとポンプ本体に配置されたパワーピストン室との間の圧油の流れを説明する図である。
【図6】ネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプの流量特性をポジコン制御方式と対比して示すグラフである。
【実施例】
【0020】
以下に本発明の好適な実施例について、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、ネガコン制御方式の実施例の油圧回路である。同図1において、参照符号10は油圧回路の全体を示している。同油圧回路には図示していないエンジン側からの駆動軸14によって回転駆動されるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプVPMが配置されている。参照符号SBは油圧ポンプVPMの内部に配置されている斜板である。また参照符号50は、油圧ポンプVPMの容量調整機構であって機能的に、1つのシリンダ系として図示されている。参照符号REGはサーボシリンダからなるレギュレータである。
【0022】
また、参照符号Sは作動油タンクに通じる吸い込み側ラインである。参照符号Dは油圧ポンプVPMの吐出口側のラインである。油圧ポンプVPMの吐出流量は前記斜板SBの傾転角により定められる。また、斜板SBの傾転角は容量調整機構50のパワーピストン20の位置に応じて定められる。参照符号LKは容量調整機構50とパワーピストン20とをリンク結合しているリンクレバーに相当する部分である。前記サーボシリンダからなるレギュレータREGの上部シリンダには圧油信号Piが常時供給されている。この圧油信号Piは通常ネガコン圧と称されており、タンク側への戻り油の流路に設けられた絞りの上流側の圧力に対応している。レギュレータREGの機能は、後で説明されるように、信号Piに対応して斜板SBの傾転角を制御することにある。
【0023】
参照符号12は、2位置タイプの切換弁であって、容量調整機構50のパワーピストン室PWRとレギュレータREGとの間の流路上に設けられている。参照符号L1はパワーピストン室側の流路ライン、L2はレギュレータ側の流路ラインである。切換弁12への操作圧信号Pxは、高圧状態で切換弁12を動通させ、低圧状態で遮断する。この信号Pxは例えばパイロット圧を利用することが可能であるが、それに限定されない。すなわち、エンジンの駆動、停止に対応して生成される圧油信号であればよい。
【0024】
さらに、容量調整機構50内の油室REは、パワーピストン室PWRと対向する油室でありその中にバネ23が設けられている。前記油室REは流路ラインL3を介して油圧ポンプVPMの自己圧Pdの流路ラインL4と接続されている。
【0025】
切換弁12が配置されておらずラインL1とラインL2が直接接続されている従来の場合、建設機械の稼動が終了し、無負荷状態となったところでエンジンを停止するとパワーピストン室PWRにある作動油の圧力も低下するのでパワーピストン20はバネ23の弾発力により図の上方へ移動されその結果斜板SBはエンジン停止時よりも傾転角が大きくなった状態の所定バランス位置で停止保持される。しかしながら、本実施例では、エンジンを停止すると直ちにパイロット圧信号Pxがほぼゼロと低圧になり切換弁12は遮断されるのでパワーピストン室PWRにある作動油は流出を阻止されしたがって、バネ23の弾発力が作用していてもパワーピストン20の位置はそのまま保持されることとなる。
【0026】
図2は、図1における切換弁の構成を示し、図2(a)はその油圧回路図、(b)はその構造を示すスプール軸方向断面図である。図2(a)には破線で示すドレンDrが示されており、ポートA、Bがブロックされている状態で作動油がドレンDrへ流出する恐れがあるが、実際には、エンジン停止により、斜板SBの背面側Ba(図4参照)の一部を摺動可能に支持するグレイドルとの間の摺動面の油膜もなくなり動摩擦状態から静止摩擦状態に移行し、この静止摩擦による抵抗は前記バネ23の弾発力よりも大きいのでドレンDrへ流出することもない。なお、前記静止摩擦や切換弁12は本発明におけるパワーピストン20の位置を保持する手段を構成している。
【0027】
図2(b)は前記 切換弁12のスプール12aの軸方向断面を示し、各ポートDr,A、B、Pxおよび、ブロック用のバネ12bの配置を示す。同図ではPxがゼロ(低圧状態)であり、A、Bポート間が遮断状態にあることを示している。
【0028】
図3は、本発明の他の実施例の油圧回路図であって、同図3では切換弁として電磁弁12Aが設けられている。同電磁弁12Aの切換信号として、例えばエンジンEgの停止または始動に対応する電気的なON、OFFのエンジン信号Segを用いることができる。図3の例においても図1と同様、エンジン停止時のワーピストン20の位置を保持することが可能である。電磁弁の場合は弁の切換が200msec程度であり、図1の油圧式切換弁よりも遮断速度が速い。
【0029】
なお、前記の信号Px、Segはそれぞれパイロット圧源の圧力、エンジンのON、OFF電気信号とした例であるが、これらはエンジンの停止および稼動状態に対応して生成される油圧信号、電気信号であればよい。
【0030】
図4は、本発明の適用される、ネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおけるポンプ本体とレギュレータとの軸方向断面を示す図である。
【0031】
同図4において、可変容量型油圧ポンプVPM本体のハウジング200内には回転部、斜板部、カバー部が組み込まれている。回転部は、ベアリング3、17により回転可能に支持されている駆動軸14と一体的に構成されたシリンダ9と、同シリンダ9内に配置された複数のピストン8で構成される。また、斜板部は、ハウジング200に取付けられたクレイドル上を、カム機能を有する斜板SBが摺動するよう組み込まれ、図示しないバネにより斜板SBは常に、クレイドルへ押し付けられている。
【0032】
さらに、カバー部は、吸込・吐出ポート用のカバー(図示せず)、バネ13の力とブッシュに作用する油圧力とによりシリンダ9端面に押し付けられているポートプレート10a、斜板SBを適正位置に制御するパワーピストン20、ロッド19、ならびに、斜板SBを最大傾転角側すなわち、最大吐出側に押し戻すためのピストン22ロッド21等から構成される。
【0033】
レギュレータREGは、各種制御を遂行するためのロッド27、スリーブ28、パワーピストン20の動きをスリーブ28にフィードバックしているリンク29、馬力特性を決定しているバネ25、26等で構成される。なお、レギュレータREGの右端部油室にはネガコン圧Piが導入されている。このネガコン圧Piはピストン32を左方へ押圧することで、その押圧力は斜線部の油路を介してロッド27の位置を制御する。参照符号30はスリーブ28の外周に結合されているピンであって、リンク29、ピン20a、20bを介してパワーピストン20の動きを前記スリーブ28に伝達する。
【0034】
参照符号TPMは駆動軸14の右端部にカップリング100を介して結合された小型のギヤポンプであって、建設機械を稼動中、各方向切換弁への操作圧信号を形成するための圧力源となるパイロット圧を発生させる。
【0035】
参照符号PSGは、レギュレータREGと油圧ポンプVPM側のパワーピストン室PWRへ通じる流路のポートであり破線で示すラインL1とL2の間には図1で示した切換弁12が配置されることを示す。参照符号Pdは油圧ポンプVPMの自己圧(自己吐出圧力)の導入ポートである。なお、切換弁12は、レギュレータREG側に配置されているよう示したが、油圧ポンプ本体200側に設けられることも可能である。
【0036】
図5は、図4においてレギュレータREGと油圧ポンプ本体200に配置されたパワーピストン室PWRとの間の圧油の流れを説明する図である。同図4においては、斜板SBを矢視(イ)の方へと傾転角αを小さくしてポンプの吐出量を減少させる場合の様子を示す。すなわち、ネガコン圧Piが増加しロッド27が左方へ移動すると流路ポートPSGに自己圧Pdが与えられその結果、パワーピストン室PWRに自己圧が与えられるのでパワーピストン20は左方へ移動しロッド19を介して斜板SBの上部を押す。図1に示されるように、油室REにはポンプ自己圧Pdが供給されているので、図4の下方側のピストン22もバネ23と協働してロッド21を左方へ押すがピストン22の受圧面積はパワーピストン室PWRより小さく設定されているのでパワーピストン20の方が優勢となり、したがって、傾転角αを減少させることとなる。
【0037】
図6は、ネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプの流量特性をポジコン制御方式と対比して示すグラフであって、太い実線NEGがネガコン制御によるポンプ吐出圧力Pdと吐出流量の関係を示しており、折れ点の圧力P1、P2、P3で近似されるように、馬力一定制御が行われる。細い実線POSはポジコン制御によるポンプ吐出圧力Pdと吐出流量の関係を示す。
【0038】
以上本発明の好適な実施例について図1乃至6を参照して説明したが、本発明はこれら図面に示したものに限定されない。当業者であれば、これら図面に開示された好適実施例の知見に基づいて種々変形することができる。
【0039】
例えば、切換弁に代わり、エンジン停止時のパワーピストン20の位置を直接保持するため、エンジン停止時のパワーピストン20の右端面と接するようにストッパー部材をバネ力を利用してパワーピストン室内に突き出すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
3、17 ベアリング
8 ピストン
9 シリンダ
10 実施例油圧回路
10A 他の実施例油圧回路
10a ポートプレート
12 切換弁
12A 電磁弁
12a スプール
12b バネ
13、23、25、26 バネ
14 駆動軸
19、21、27 ロッド
22、31 ピストン
20 パワーピストン
20a、20b、30 ピン
28 スリーブ
29 リンク
50 容量調整機構
100 カップリング部
200 油圧ポンプ本体
Dr ドレン
Eg エンジン
L1、L2、L3、L4 流路ライン
Pd ポンプ自己圧
Pi ネガコン圧
PWR パワーピストン室
Px 操作圧信号
RE 油室
REG レギュレータ
Seg エンジン信号
TPM トロコイドポンプ
VPM 可変容量型油圧ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜板および同斜板の傾転角を定めるパワーピストンを内蔵したポンプ本体および、前記パワーピストンとリンクレバーを介して結合され、外部信号に基づいて前記リンクレバーの揺動を制御するレギュレータとを備えエンジンにより回転駆動されるネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおいて、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンの位置を保持する手段を設けたことを特徴とするネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項2】
前記パワーピストンの位置保持手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室内の作動油の流出を阻止する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項3】
前記作動油の流出を阻止する手段として、前記エンジン停止状態において前記パワーピストンのパワーピストン室と前記レギュレータ側のパワーピストン室通路とを遮断する遮断装置を設け前記パワーピストン室の作動油が流出するのを阻止することを特徴とする請求項2に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項4】
前記遮断手段は切換弁からなることを特徴とする請求項3に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項5】
前記切換弁は前記油圧ポンプ内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項6】
前記切換弁は前記エンジンのオン・オフに対応する電気信号に応答する電磁弁であることを特徴とする請求項4または5に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。
【請求項7】
前記油圧ポンプには同ポンプの回転駆動軸により従駆動されるパイロット圧発生用の小型ポンプを備えており、前記切換弁は前記小型ポンプの吐出圧により切換えられることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載されたネガコン制御方式の可変容量型油圧ポンプにおける始動抵抗の低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−47385(P2011−47385A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198915(P2009−198915)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】