ヒンジ機構及びそれを組み込んだ電子機器、その組み立て方法
【課題】 従来の2軸ヒンジでは水平軸部に貫通穴を設け、そこに垂直軸部を通すことで、2軸ヒンジを構成していた。この構成では、水平軸部に貫通口が開くため、水平軸部の剛性が低下し、部品の合成確保のためヒンジの大型化が避けがたかった。
【解決手段】 従来の水平軸部を2分し、垂直軸部とあわせて3軸構成にする。それらをヒンジ本体で固定することで各部品にかかる応力、モーメントを低減でき、結果、2軸ヒンジ全体の小型化を実現できる。
【解決手段】 従来の水平軸部を2分し、垂直軸部とあわせて3軸構成にする。それらをヒンジ本体で固定することで各部品にかかる応力、モーメントを低減でき、結果、2軸ヒンジ全体の小型化を実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、ビデオカムレコーダ、デジタルカメラ等の携帯電子機器の機構部品である2軸ヒンジ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機器及びPHS(パーソナルハンディフォンシステム)は、双方の全契約者数が国内で8700万人を越え(2004年5月末時点)、一般的に所持されるアイテムとなっている。これらの機器は通話をその主な機能としているものの、近年では電子メール閲覧機能、ウェブブラウジング機能、撮影機能等を盛り込んだ複合的な形態へと進化している。かかる機能の高度化に従来の単純な折り畳み形状では対応できなくなりつつあり、従来回動動作のみ行った1軸ヒンジの変わりに2軸ヒンジが使用される事例が見受けられる。ここで「2軸ヒンジ」とは回転軸が2つ存在するヒンジのことであり、この2つの軸は直行して配設されるのが一般的である。
【0003】
図1から図5は2軸ヒンジが採用された折り畳み型携帯電話機1の上部筐体2の状態変化を説明するための図面である。これらの図に記載した折り畳み型携帯電話1では、下部筐体3の短辺近傍に「固定」された回転軸を中心に、他方の回転軸が回動する2軸ヒンジを有することを特徴とする。なお以降の説明では、下部筐体3の短辺と略平行に設けられた2軸ヒンジ21の軸を水平軸101と、下部筐体3の短辺と略垂直に設けられた2軸ヒンジ21の軸を垂直軸102として説明する。
【0004】
図1は折り畳んだ状態での2軸ヒンジを有する携帯電話機である。この状態では表示部11は下部筐体2と対向する形で格納されている。図2は、下部筐体3と対向していた上部筐体2を水平軸101を中心に略90度開けた状態を表す図面である。図3は図2の状態から上部筐体2を垂直軸102を中心に略90度旋回させた図面である。図4は図3の状態からさらに90度垂直軸102を中心に旋回させ、表示部11が下部筐体3と背向する状態になった図面である。ここから水平軸101を中心に上部筐体2を略90度閉じると、表示部11を外部に露出した状態で上部筐体2と下部筐体3を閉じることができる。図5はこの表示部11が外部に露出した形での状態である。この状態で電子メールの確認を行ったり、広い画面で撮影機能を用いたりすることが可能になる。
【0005】
図6は従来の2軸ヒンジに関する3面図である。この2軸ヒンジは水平軸部701と垂直軸部702及び水平軸固定部(ブラケット)703から構成される。そして、水平軸部701は垂直軸部702を貫通させる垂直貫通穴711を有する。これにより、垂直軸部702は水平軸部701により構成される水平軸101を中心として回動することが可能になり、また、垂直軸102を中心として旋回することが可能になる。水平軸固定部703は水平軸部701を一定の位置に固定するための部材である。また旋回時に適当なトルク与えるため水平軸部701と垂直軸部702の接触面に板ばね704をかませることで上部筐体の旋回時に一定のトルクを発生させている。
【0006】
水平軸固定部703によって水平軸部701は下部筐体3に固定され、これにより水平軸101は下部筐体や基板に固定される。
【0007】
なお、通常の折り畳み型携帯電話機(図示せず)では上部筐体2を折り畳むとき若しくは開く時に、適切なトルクを湧出するために、水平軸部(図示せず)は複数のパーツで構成されている。そして従来の2軸ヒンジを用いた折り畳み型携帯電話機においても水平軸部701はバネ等の複数のパーツで構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−247384号(図2番号30)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、かかる構成にすると以下のような問題点を生ずる。
【0010】
すなわち、水平軸部701には垂直貫通穴711を開ける必要があるためかかる穴以上で設計強度を満たす太さを水平軸部701に要求する点である。このため、2軸ヒンジ自体の大きさもそれに応じて大きくなり、小型化の妨げとなる点である。
【0011】
また水平軸部701に垂直貫通穴711を設けると、応力集中が生じるため部品の破損が考えられる点である。さらに水平軸部701の軸長が伸びると長さと力により求められるモーメントの大きさが大きくなり、ねじり・ひねり等の問題が生じることも考えられる。
【0012】
さらに垂直軸部702へのトルク付与のために板ばね704を用いると、垂直軸部702の旋回角度にかかわらず同じトルクがかかるため、所定の角度での吸い込みトルクを与える際に、水平軸部701や上部筐体2に加工を行う必要が生じる。
【0013】
本発明はこれらの諸問題を解決することを目的として、従来の水平軸部701を三分割し、それぞれに適当な部材を用いることで部品の強度問題を解決することを目的とする。また、部材に応じて加工方法を変更できるため、部品価格の原価低減を図ることが可能である。
【0014】
また、垂直軸にDカットを施し、水平軸の垂直軸接触端面に溝を施すことで、水平軸を適当な角度に開かなければ垂直軸方向の旋回をできなくすることで、筐体相互の接触を避け、筐体表面の塗料はげなどを防止し、あわせて水平軸方向にバネを設けることで、垂直軸の旋回角度に応じて適当なトルクを付与し、吸い込みトルクを発生させることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかわる2軸ヒンジは3つの軸部品より構成される。
【0016】
またこの3つの軸部品は第1水平軸部、第2水平軸部及び垂直軸部であり、第1水平軸部と第2水平軸部は同一の水平軸上に配され、垂直軸部は第1水平軸部の軸端と第2水平軸部の軸端の間に配されることを特徴とする。
【0017】
この垂直軸部は軸側面を第1水平軸部の軸端と第2水平軸部の軸端に接して配しても良い。
【0018】
さらに垂直軸部の軸側面の略対向する2面を切り欠き、第1水平軸部の垂直軸部と接する端面に溝を施しても良い。
【0019】
この第2水平軸部は受け皿、弾性体及び第2水平軸部本体より構成され垂直軸部の旋回時にトルクを付与することもできる。
【0020】
また、第2水平軸部を構成する弾性体はコイルバネでもよい。
【0021】
さらに第1水平軸部の溝は水平軸上に配しても、水平軸上からずらして配しても良い。
【0022】
さらに第2水平軸部はストッパによって固定され、このストッパはスナップフィットによって前記第2水平軸部を固定しても良い。
【0023】
また、本発明にかかわる2軸ヒンジの製造方法では水平軸上に開口面をひとつ有し前記開口面に対向する面及び垂直軸上の2面にそれぞれ軸貫通穴を有する軸本体部、1つの垂直軸部品、第1の水平軸部品及び第2の水平軸部品からなる2軸ヒンジを、第1の水平軸部品を開口面から水平軸上の軸貫通穴に挿入し、その後、垂直軸上の2つの軸貫通穴に垂直軸部品を挿入したのち、第2の水平軸部品を水平軸上に前記開口面から露出するように配することを特徴とする。
【0024】
さらに軸本体部はさらにストッパ換装穴を有し、第2の水平軸部品配した後にストッパをストッパ換装穴に挿入して第2の水平軸部品を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明により2軸ヒンジを構成する各構成部品の小型化を図ることができ、結果2軸ヒンジ全体の小型化が可能になる。さらには2軸ヒンジの小型化に伴い、2軸ヒンジを組み込んだ電子機器自体の小型化も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明で解決しようとする課題ごとに応じて実施例の説明を行う。なお、以下の実施例を一部実施しても、組み合わせて実施しても良い。なお携帯電話機本体の構成は従来のものと相違ないので図1から図5はそのまま用いる。
【実施例1】
【0027】
図7及び図8を用いて本実施例にかかわるヒンジ200の構成を説明する。
【0028】
図7は本実施例における構造部材であるヒンジ本体部201を表す4面図及びヒンジストッパ205の平面図であり、図8は組み立て手順を表す工程図である。
【0029】
本実施例における2軸ヒンジ200はヒンジ本体部201、第1水平軸部202、第2水平軸部203、垂直軸部204及びストッパ205から構成される。
【0030】
ヒンジ本体部201は各部を固定するための構造部材であり、機械的強度が要求される部材である。
【0031】
第1水平軸部202と第2水平軸部203は図6の水平軸部701に相当する部材であり、この2つで水平軸101を形成する。この2つは端面で垂直軸部204を挟み込むように固定される。なお、実際にはこれらは水平軸101を中心とした旋回動作の際に適切なトルクを発生させるために、複数のパーツで構成されているが本発明の実施例では簡略化のために2つの第1水平軸部202と第2水平軸部203として説明する。なお実際の使用状況では、水平軸は基板や筐体に固定される。本実施例においても実際の使用に際しては第1水平軸部202と第2水平軸部203は下部筐体3等に固定されるが、その方法は問わない。
【0032】
垂直軸部204は垂直軸102を構成する部材である。本実施例では特に従来例と相違するものではない。
【0033】
ヒンジストッパ205は第2水平軸部203をヒンジ本体部201に固定するための部材である。本実施例ではスナップフィットにより固定することを想定して図面を記載しているが固定方法は特にスナップフィットに限定されるものではない。
【0034】
図7は本実施例におけるヒンジ本体部201の四面図及びヒンジストッパ205の平面図を表す。ここではヒンジ本体部201がメタル・インジェクション・モールドで作成されることを想定しているが、必ずしも工法に制限はない。ただし本部品は構造部材であるため、組上げ後に十分な強度を保持するようにすることが必須である。
【0035】
ヒンジ本体部201は中空の略直方体をしている。六面のうちの上面には垂直軸部204を通すための垂直貫通穴211及びヒンジストッパ205を通すためのストッパ穴212が設けられている。同様に、ヒンジ本体部201の下面には垂直軸部204を通すための垂直貫通穴213が設けられている。
【0036】
ヒンジ本体部201のうち、水平軸101と垂直に交わる面の一方には第1水平軸部202を通すための第1水平軸貫通穴214が開けられている。一方、他の水平軸101と垂直に交わる面は開放されている。この開放面を通して第1水平軸部202と第2水平軸部203をヒンジ本体部201の内部に組み入れる。
【0037】
次に、ヒンジの具体的な組み立て方法について図8を用いて説明する。
【0038】
ヒンジ本体部201には開放された面から、まず第1水平軸部202を挿入する(図8(a))。次に、垂直軸部204を垂直貫通穴213及び垂直貫通穴211を介して介挿し、2軸ヒンジ200に垂直軸102を構成する(図8(b))。その後、第2水平軸部203を開放面からヒンジ本体201に挿入し(図8(c))、ヒンジストッパ205をストッパ穴212から差込み、第2水平軸部203を固定する(図8(d))。
【0039】
図9は図8のA−A´断面から見た組み立て後の2軸ヒンジ200の断面図である。
【0040】
このようにして2軸ヒンジを構成することで、強度を確保しながら個々の部品の小型化ができ、結果全ての部品を組み立てた2軸ヒンジ全体での小型化を実現することができる。あわせて、この2軸ヒンジを組み込んだ電子機器全体をも小型にすることができる。
【0041】
なお、本実施例ではストッパ穴212はヒンジ本体部201の上面に配しているが必ずしもこれに拘るものではない。例えばヒンジ本体部201の側面または下面に配しても良い。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明の第2の実施例を、図10から図12を用いて説明する。本実施例においては、第1水平軸部202と第2水平軸部203が下部筐体等に固定されている点に着目して垂直軸部の旋回に規制を掛けることを目的としている。なお特に説明の無い部材については、実施例1のものをそのまま用いている。
【0043】
図10は本実施例に用いる第1水平軸部302の3面図、図11は垂直軸部304の2面図である。
【0044】
本実施例に用いる第1水平軸部302は、垂直軸部304に接する軸端部に溝311を掘っている。一方、垂直軸部304は軸部側面の垂直軸102に向かって対向する2箇所(二面)をDカットにより垂直に切り落としている。以降この切り欠きを切り欠き面321と切り欠き面322という。これを組み合わせることで、上部筐体2と下部筐体3を特定の角度で開けたときにのみ垂直軸部304を旋回可能にする。
【0045】
図12は第1水平軸部302及び垂直軸部304を用いて組み立てた2軸ヒンジ301の断面がどのような形で動くかを表した図である(第1実施例の図9相当)。この図は図1から図5の2軸ヒンジを用いた折り畳み型携帯電話機の筐体状態の変化に応じてヒンジがどのように動作するかを説明する。なお、この図で用いられる五角形の矢印は、表示部2がどちらの方向に向いているかを表す。
【0046】
筐体が閉じられているときには(図1)、溝311は切り欠き部321に直交する。したがって垂直軸部304を旋回させようとしても、その切り欠き部321が第1水平軸部302に規制される。このため、垂直軸102を中心として上部筐体2を旋回させることはできない(図12(a))。
【0047】
次に上部筐体2を開け下部筐体3と直行するところまで開けると(図2)、溝311は切り欠き部321と平行になる(図12(b))。このようにすると垂直軸102から溝311までの距離が第1水平軸部302に接する垂直軸部304の半径よりも長くなるため、垂直軸部304の旋回動作に第1水平軸部302が規制を掛けることが無くなる。したがって、図3に表されるように垂直軸102を中心に上部筐体2を旋回することが可能になる(図12(c))。この状態になると、垂直軸部304の切り欠き部321及び切り欠き部322を施されていない箇所が溝311に食いこむことになる。したがって、水平軸101を中心に上部筐体2を閉じようとする動作はできなくなる。
【0048】
表示部を180度回転させると(図4)、切り欠き面322が第1水平軸部302と対向する状態になる(図12(d))。これにより、上部筐体2を閉じる動作が可能になり、図5の状態にして収納することが可能になる。図12(e)は図5の状態にしたときのヒンジの内部構造である。
【0049】
以上のように第1水平軸部302及び垂直軸部304の構造を改善することで、設計時に想定していない動作を操作者が取ることを防止する。これにより筐体の表面を傷つけたりすることなく携帯電話を使用することが可能になる。
【実施例3】
【0050】
以上の実施例のようにすることで、部品の小型化及び操作者による不測の動作の制限を行うことができる。次に垂直軸102を中心とした上部筐体2の旋回動作に適切なトルク(吸い込みトルク)を付与するための構造について説明する。なお、本実施例においては、第1の実施例における第2水平軸部203を複数のパーツで構成し、垂直軸部に対してトルクを付与する構造をとる。ヒンジストッパ405を除き、他の部品については実施例2と同じものを使う。
【0051】
図13は本実施例における第2水平軸部403の垂直軸部304に接する端部の構成を表す図である。第2水平軸部403は受け皿411、ばね(弾性体)412及び第2水平軸部本体413の3つの部品から構成される。
【0052】
ばね412は垂直軸部304に対してばね応力をトルクとして付与するパーツである。そしてばね412が発生するばね応力を受け止め、均等に垂直軸部304にばね応力を伝達するために受け皿411を設ける。
【0053】
第1の実施例のヒンジストッパ205同様、ヒンジストッパ405は第2水平軸部403を固定するための部材である。ただし、第1の実施例では第2水平軸部403は1つの部品だったため、ヒンジストッパ205は最後に取り付けられていたが本実施例では第2水平軸部本体413よりも前にヒンジストッパ405を取り付ける。
【0054】
第2水平軸部本体413は水平軸201にトルクを与えるための機構等を含む部材である。
【0055】
ヒンジストッパ405は実施例1同様スナップフィット構造である。ただし、差し込むべき第2水平軸部本体413の径が相違する。
【0056】
次に、図14を用いて第3の実施例に基づく2軸ヒンジ401の組み方について説明する。なお、図8(b)までの工程については共通するため、図面では省略している。なお、この工程ではジグ431を用いて作業する。このジグ431はマイナスドライバのように先端がつぶれた棒である。
【0057】
垂直軸部304をヒンジ本体201に組み入れた後(図8(b))、ジグ431を用いて受け皿411及びばね412をヒンジ本体201に挿入する(図14(a))。その後、ジグ431で抑えたままの状態で、ヒンジストッパ405を差し込む(図14(b))。この際、ジグ431を縦にしておくとヒンジストッパ405の開口部に沿わせてヒンジストッパ405を介挿することができるため作業性が向上する。
【0058】
ヒンジストッパ405を介挿することで受け皿411及びばね412は固定される。この後、ジグ431を引き抜いても、安定した状態で保持される(図14(c))。この状態からヒンジストッパ405に第2水平軸部本体413を差し込むことで2軸ヒンジ401は完成する。
【0059】
次に、2軸ヒンジ401がどのように動作するか図15をもって説明する。なお、図15(a)から(c)は図12の(b)から(d)に対応する。
【0060】
上部筐体2を適切な角度に水平軸101を中心に開くことで、垂直軸102を中心に上部筐体2を旋回させることができる(図15(a))。この状況で上部筐体2を旋回させると(図15(b))、切り欠き面321を乗り越え、垂直軸102から受け皿411までの距離が長くなる。これによりバネ412に対して力が加えられバネ応力が生じる。このバネ応力が垂直軸部304に伝わりトルク感を操作者に伝えることが可能になる。
【0061】
そして、一定の角度を旋回させると、切り欠き面322に到達するため、反力が急速に小さくなる。これにより所定の角度に吸い込みトルクを生じさせることができる。
【0062】
以上のように2軸ヒンジ401を構成することで、水平軸101を中心とした上部筐体2の開閉動作だけでなく、垂直軸102を中心とした上部筐体2の旋回動作にも適切なトルクを付与し、吸い込みトルクを生じさせることができる。また従来例では板ばね704を用いていたが、それをより耐久性に優れたコイルバネの使用が可能となり、結果として2軸ヒンジ全体の信頼性が従来よりも向上する。
【実施例4】
【0063】
上記各実施例では垂直軸部204及び垂直軸部304の旋回に対してトルクを付与することができる。しかし、現実には上部筐体2と下部筐体3との間には各種配線がなされている。よって、上部筐体2の旋回角度には一定の制限を加えられることが望ましい。
【0064】
本実施例においては、上部筐体2の旋回時の回転軸となる垂直軸部504の回転角度制限するための方法について説明する。
【0065】
図16は本実施例において用いる垂直軸部504を表した2面図である。一方図17は本実施例において用いられるヒンジ本体部501及び垂直軸部504を組み立てたときの2面図である。
【0066】
ヒンジ本体部501とヒンジ本体部201の相違点は、突出部513を有するか否かでである。そして、垂直軸部504と垂直軸部304の相違点は、エラ511及びエラ512を有するか否かである。垂直軸504の中心である垂直軸102からエラ511若しくはエラ512の最遠部までの距離は、ヒンジ本体部501の垂直軸102から突出部513までの距離より長いものとする。このようにすると、配線に影響を与えるような状態でヒンジ本体部501と垂直軸部504を組み付けたりすることはない。
【0067】
次に2軸ヒンジ500の底面から見た垂直軸部504の動作を表す図18を用いて、本実施例における垂直軸部504の動作を説明する。ここでも表示部11の向きを五角形の矢印で示す。
【0068】
図18(a)はエラ511を用いて垂直軸部504の旋回動作を制限しているところを表す図である。この状態では、垂直軸部504を反時計回り(左周り)にまわすことはできない。突出部513にエラ511が干渉するためである。一方、時計回り(右回り)方向には何らの制約もないために自由にまわすことができる。
【0069】
図18(b)は垂直軸部504を略90度回転させたときの状態を表す。この状態だと、左右どちらの方向にも旋回させることができる。エラ511及びエラ512による制約を受けることはないためである。
【0070】
図18(c)は垂直軸部504をさらに略90度(図18(a)から略180度)回転させたときの状態を表す。この状態になると、エラ512が突出部513に干渉するために、時計回り(右回り)に旋回させることはできない。
【0071】
以上のようにエラ511とエラ512、突出部513を組み合わせることで、垂直軸部504の動作を制限する。これにより上部筐体2と下部筐体3をつなぐ配線の断線を防止することが可能になる。
【0072】
なお、本実施例においては、エラ511とエラ512の厚みを他のフランジ部分と同等の厚みにしているが、エラ511とエラ512の部分のみを薄くすることで、想定される動作で生ずる以上の力が加わったときでも、軸の回転動作を保証することができる。すなわち、図19の斜線部(フランジ部)以外のエラ511とエラ512を薄くすることで、垂直方向の膨らみが生じた場合にも、2軸ヒンジ500にある程度の耐性を与え、動作しなくなることを防止することも検討すべきである。これは、実施例3のように第2水平軸部が垂直軸を中心とした旋回時にトルクを付与していることではじめて可能になる。すなわち、従来例にあるように板ばね704によるトルクの発生では垂直軸102方向に応力を発生するため、ある程度ヒンジ本体部501と密着しなければならず、垂直方向の厚みを確保しなければならない。一方、本発明では垂直軸方向の応力は考える必要は無いため薄肉化に障害はない。
【実施例5】
【0073】
実施例2の図10では第1水平軸部302にただの溝をつけた。しかし、耐障害性の観点から工業製品には一定の「遊び」が必要である。そこで図20のように軸の中心線を境界としてテーパをつけることで垂直軸部の動作に「遊び」を設けることができる。
【実施例6】
【0074】
実施例1から4では、垂直軸102は水平軸101と直交(文字通り一点で交わる)する関係にあった。しかし、上部筐体2の厚みを調整する観点から見ると、このようにすることは設計上の足かせとなる。
【0075】
図21は従来の2軸ヒンジで用いる水平軸部801を直上から見た図である。この図では垂直軸102は水平軸101を直交させないようにした際の問題点を表す。この従来例では、水平軸部801を貫通して垂直軸部(図示せず)を通す。これにより、垂直軸102を水平軸101と直交しないようにすると、薄肉の箇所(Δn)と厚肉の箇所(Δt)が生じ強度設計上問題となる。
【0076】
図22は本実施例を表す組み立て後の2軸ヒンジ600の断面図である(第2の実施例の図10相当)。この図でも明らかな通り、第1水平軸602に施した溝611の幅を第2の実施例の溝311より広げることで、水平軸101と垂直軸102との間でΔdのズレを作ることを可能にする。すなわち、もとより第1水平軸602と第2水平軸603に分割されているため、水平軸部の強度を配慮する必要が無い。
【0077】
また図23のようにΔdのズレの分だけ溝もずらすことで水平軸101と垂直軸102とのズレに対応することも可能である(ずらしていない元の図は図20)。
【0078】
このようにすると、簡単に垂直軸102をΔdだけずらして配置することが可能になり上部筐体2の厚みについての設計上の自由度が増すことになる。
【0079】
この際、垂直軸部604が水平軸部101から偏って位置するため、予期せぬモーメントが生ずるため、期待する上部筐体2の角度が出ないことも考えられる。これを改善するために対向する垂直軸部604の両切り欠き部の一方または双方の角度をあらかじめ傾けておくことも一策である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は前述の通り、携帯電話機やPHS(パーソナルハンディフォンシステム)、IP電話の他、コードレス電話などが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】表示部を格納した状態で筐体を閉じたときの2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図2】上部筐体を開いた2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図3】上部筐体旋回中の2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図4】上部筐体を180度旋回させた後の2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図5】表示部を露出した状態で筐体を閉じたときの2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図6】従来の2軸ヒンジを表す3面図である。
【図7】本発明の第1の実施例にかかわるヒンジ本体部の4面図及びヒンジストッパの平面図である。
【図8】本発明の第1の実施例にかかわる2軸ヒンジの組立工程を表す図面である。
【図9】本発明の第1の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例にかかわる第1水平軸部の3面図である。
【図11】本発明の第2の実施例にかかわる垂直軸部の2面図である。
【図12】本発明の第2の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す断面動作図である。
【図13】本発明の第3の実施例にかかわる第2水平軸部の構成図である。
【図14】本発明の第3の実施例にかかわる2軸ヒンジの組立工程を表す図面である。
【図15】本発明の第3の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す断面動作図である。
【図16】本発明の第4の実施例にかかわる垂直軸部の2面図である。
【図17】本発明の第4の実施例にかかわるヒンジ本体部及び垂直軸部を組み合わせたものの2面図である。
【図18】本発明の第4の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す下面図である。
【図19】本発明の第4の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面を表す図である。
【図20】本発明の第5の実施例にかかわる第1水平軸部の溝形状を表す図である。
【図21】従来の2軸ヒンジの問題点を説明する図である。
【図22】本発明の第6の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面図である。
【図23】本発明の第6の実施例にかかわる第1水平軸部の溝形状のひとつを表す図である。
【符号の説明】
【0082】
2 上部筐体
3 下部筐体
11 表示部
101 水平軸
102 垂直軸
201 ヒンジ本体部
202 第1水平軸部
203 第2水平軸部
204 垂直軸部
205 ヒンジストッパ
311 溝
321、322 切り欠き面
411 受け皿
412 ばね(弾性体)
413 第2水平軸部本体
511、512 エラ
513 突出部
611 溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、ビデオカムレコーダ、デジタルカメラ等の携帯電子機器の機構部品である2軸ヒンジ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機器及びPHS(パーソナルハンディフォンシステム)は、双方の全契約者数が国内で8700万人を越え(2004年5月末時点)、一般的に所持されるアイテムとなっている。これらの機器は通話をその主な機能としているものの、近年では電子メール閲覧機能、ウェブブラウジング機能、撮影機能等を盛り込んだ複合的な形態へと進化している。かかる機能の高度化に従来の単純な折り畳み形状では対応できなくなりつつあり、従来回動動作のみ行った1軸ヒンジの変わりに2軸ヒンジが使用される事例が見受けられる。ここで「2軸ヒンジ」とは回転軸が2つ存在するヒンジのことであり、この2つの軸は直行して配設されるのが一般的である。
【0003】
図1から図5は2軸ヒンジが採用された折り畳み型携帯電話機1の上部筐体2の状態変化を説明するための図面である。これらの図に記載した折り畳み型携帯電話1では、下部筐体3の短辺近傍に「固定」された回転軸を中心に、他方の回転軸が回動する2軸ヒンジを有することを特徴とする。なお以降の説明では、下部筐体3の短辺と略平行に設けられた2軸ヒンジ21の軸を水平軸101と、下部筐体3の短辺と略垂直に設けられた2軸ヒンジ21の軸を垂直軸102として説明する。
【0004】
図1は折り畳んだ状態での2軸ヒンジを有する携帯電話機である。この状態では表示部11は下部筐体2と対向する形で格納されている。図2は、下部筐体3と対向していた上部筐体2を水平軸101を中心に略90度開けた状態を表す図面である。図3は図2の状態から上部筐体2を垂直軸102を中心に略90度旋回させた図面である。図4は図3の状態からさらに90度垂直軸102を中心に旋回させ、表示部11が下部筐体3と背向する状態になった図面である。ここから水平軸101を中心に上部筐体2を略90度閉じると、表示部11を外部に露出した状態で上部筐体2と下部筐体3を閉じることができる。図5はこの表示部11が外部に露出した形での状態である。この状態で電子メールの確認を行ったり、広い画面で撮影機能を用いたりすることが可能になる。
【0005】
図6は従来の2軸ヒンジに関する3面図である。この2軸ヒンジは水平軸部701と垂直軸部702及び水平軸固定部(ブラケット)703から構成される。そして、水平軸部701は垂直軸部702を貫通させる垂直貫通穴711を有する。これにより、垂直軸部702は水平軸部701により構成される水平軸101を中心として回動することが可能になり、また、垂直軸102を中心として旋回することが可能になる。水平軸固定部703は水平軸部701を一定の位置に固定するための部材である。また旋回時に適当なトルク与えるため水平軸部701と垂直軸部702の接触面に板ばね704をかませることで上部筐体の旋回時に一定のトルクを発生させている。
【0006】
水平軸固定部703によって水平軸部701は下部筐体3に固定され、これにより水平軸101は下部筐体や基板に固定される。
【0007】
なお、通常の折り畳み型携帯電話機(図示せず)では上部筐体2を折り畳むとき若しくは開く時に、適切なトルクを湧出するために、水平軸部(図示せず)は複数のパーツで構成されている。そして従来の2軸ヒンジを用いた折り畳み型携帯電話機においても水平軸部701はバネ等の複数のパーツで構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−247384号(図2番号30)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、かかる構成にすると以下のような問題点を生ずる。
【0010】
すなわち、水平軸部701には垂直貫通穴711を開ける必要があるためかかる穴以上で設計強度を満たす太さを水平軸部701に要求する点である。このため、2軸ヒンジ自体の大きさもそれに応じて大きくなり、小型化の妨げとなる点である。
【0011】
また水平軸部701に垂直貫通穴711を設けると、応力集中が生じるため部品の破損が考えられる点である。さらに水平軸部701の軸長が伸びると長さと力により求められるモーメントの大きさが大きくなり、ねじり・ひねり等の問題が生じることも考えられる。
【0012】
さらに垂直軸部702へのトルク付与のために板ばね704を用いると、垂直軸部702の旋回角度にかかわらず同じトルクがかかるため、所定の角度での吸い込みトルクを与える際に、水平軸部701や上部筐体2に加工を行う必要が生じる。
【0013】
本発明はこれらの諸問題を解決することを目的として、従来の水平軸部701を三分割し、それぞれに適当な部材を用いることで部品の強度問題を解決することを目的とする。また、部材に応じて加工方法を変更できるため、部品価格の原価低減を図ることが可能である。
【0014】
また、垂直軸にDカットを施し、水平軸の垂直軸接触端面に溝を施すことで、水平軸を適当な角度に開かなければ垂直軸方向の旋回をできなくすることで、筐体相互の接触を避け、筐体表面の塗料はげなどを防止し、あわせて水平軸方向にバネを設けることで、垂直軸の旋回角度に応じて適当なトルクを付与し、吸い込みトルクを発生させることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかわる2軸ヒンジは3つの軸部品より構成される。
【0016】
またこの3つの軸部品は第1水平軸部、第2水平軸部及び垂直軸部であり、第1水平軸部と第2水平軸部は同一の水平軸上に配され、垂直軸部は第1水平軸部の軸端と第2水平軸部の軸端の間に配されることを特徴とする。
【0017】
この垂直軸部は軸側面を第1水平軸部の軸端と第2水平軸部の軸端に接して配しても良い。
【0018】
さらに垂直軸部の軸側面の略対向する2面を切り欠き、第1水平軸部の垂直軸部と接する端面に溝を施しても良い。
【0019】
この第2水平軸部は受け皿、弾性体及び第2水平軸部本体より構成され垂直軸部の旋回時にトルクを付与することもできる。
【0020】
また、第2水平軸部を構成する弾性体はコイルバネでもよい。
【0021】
さらに第1水平軸部の溝は水平軸上に配しても、水平軸上からずらして配しても良い。
【0022】
さらに第2水平軸部はストッパによって固定され、このストッパはスナップフィットによって前記第2水平軸部を固定しても良い。
【0023】
また、本発明にかかわる2軸ヒンジの製造方法では水平軸上に開口面をひとつ有し前記開口面に対向する面及び垂直軸上の2面にそれぞれ軸貫通穴を有する軸本体部、1つの垂直軸部品、第1の水平軸部品及び第2の水平軸部品からなる2軸ヒンジを、第1の水平軸部品を開口面から水平軸上の軸貫通穴に挿入し、その後、垂直軸上の2つの軸貫通穴に垂直軸部品を挿入したのち、第2の水平軸部品を水平軸上に前記開口面から露出するように配することを特徴とする。
【0024】
さらに軸本体部はさらにストッパ換装穴を有し、第2の水平軸部品配した後にストッパをストッパ換装穴に挿入して第2の水平軸部品を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明により2軸ヒンジを構成する各構成部品の小型化を図ることができ、結果2軸ヒンジ全体の小型化が可能になる。さらには2軸ヒンジの小型化に伴い、2軸ヒンジを組み込んだ電子機器自体の小型化も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明で解決しようとする課題ごとに応じて実施例の説明を行う。なお、以下の実施例を一部実施しても、組み合わせて実施しても良い。なお携帯電話機本体の構成は従来のものと相違ないので図1から図5はそのまま用いる。
【実施例1】
【0027】
図7及び図8を用いて本実施例にかかわるヒンジ200の構成を説明する。
【0028】
図7は本実施例における構造部材であるヒンジ本体部201を表す4面図及びヒンジストッパ205の平面図であり、図8は組み立て手順を表す工程図である。
【0029】
本実施例における2軸ヒンジ200はヒンジ本体部201、第1水平軸部202、第2水平軸部203、垂直軸部204及びストッパ205から構成される。
【0030】
ヒンジ本体部201は各部を固定するための構造部材であり、機械的強度が要求される部材である。
【0031】
第1水平軸部202と第2水平軸部203は図6の水平軸部701に相当する部材であり、この2つで水平軸101を形成する。この2つは端面で垂直軸部204を挟み込むように固定される。なお、実際にはこれらは水平軸101を中心とした旋回動作の際に適切なトルクを発生させるために、複数のパーツで構成されているが本発明の実施例では簡略化のために2つの第1水平軸部202と第2水平軸部203として説明する。なお実際の使用状況では、水平軸は基板や筐体に固定される。本実施例においても実際の使用に際しては第1水平軸部202と第2水平軸部203は下部筐体3等に固定されるが、その方法は問わない。
【0032】
垂直軸部204は垂直軸102を構成する部材である。本実施例では特に従来例と相違するものではない。
【0033】
ヒンジストッパ205は第2水平軸部203をヒンジ本体部201に固定するための部材である。本実施例ではスナップフィットにより固定することを想定して図面を記載しているが固定方法は特にスナップフィットに限定されるものではない。
【0034】
図7は本実施例におけるヒンジ本体部201の四面図及びヒンジストッパ205の平面図を表す。ここではヒンジ本体部201がメタル・インジェクション・モールドで作成されることを想定しているが、必ずしも工法に制限はない。ただし本部品は構造部材であるため、組上げ後に十分な強度を保持するようにすることが必須である。
【0035】
ヒンジ本体部201は中空の略直方体をしている。六面のうちの上面には垂直軸部204を通すための垂直貫通穴211及びヒンジストッパ205を通すためのストッパ穴212が設けられている。同様に、ヒンジ本体部201の下面には垂直軸部204を通すための垂直貫通穴213が設けられている。
【0036】
ヒンジ本体部201のうち、水平軸101と垂直に交わる面の一方には第1水平軸部202を通すための第1水平軸貫通穴214が開けられている。一方、他の水平軸101と垂直に交わる面は開放されている。この開放面を通して第1水平軸部202と第2水平軸部203をヒンジ本体部201の内部に組み入れる。
【0037】
次に、ヒンジの具体的な組み立て方法について図8を用いて説明する。
【0038】
ヒンジ本体部201には開放された面から、まず第1水平軸部202を挿入する(図8(a))。次に、垂直軸部204を垂直貫通穴213及び垂直貫通穴211を介して介挿し、2軸ヒンジ200に垂直軸102を構成する(図8(b))。その後、第2水平軸部203を開放面からヒンジ本体201に挿入し(図8(c))、ヒンジストッパ205をストッパ穴212から差込み、第2水平軸部203を固定する(図8(d))。
【0039】
図9は図8のA−A´断面から見た組み立て後の2軸ヒンジ200の断面図である。
【0040】
このようにして2軸ヒンジを構成することで、強度を確保しながら個々の部品の小型化ができ、結果全ての部品を組み立てた2軸ヒンジ全体での小型化を実現することができる。あわせて、この2軸ヒンジを組み込んだ電子機器全体をも小型にすることができる。
【0041】
なお、本実施例ではストッパ穴212はヒンジ本体部201の上面に配しているが必ずしもこれに拘るものではない。例えばヒンジ本体部201の側面または下面に配しても良い。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明の第2の実施例を、図10から図12を用いて説明する。本実施例においては、第1水平軸部202と第2水平軸部203が下部筐体等に固定されている点に着目して垂直軸部の旋回に規制を掛けることを目的としている。なお特に説明の無い部材については、実施例1のものをそのまま用いている。
【0043】
図10は本実施例に用いる第1水平軸部302の3面図、図11は垂直軸部304の2面図である。
【0044】
本実施例に用いる第1水平軸部302は、垂直軸部304に接する軸端部に溝311を掘っている。一方、垂直軸部304は軸部側面の垂直軸102に向かって対向する2箇所(二面)をDカットにより垂直に切り落としている。以降この切り欠きを切り欠き面321と切り欠き面322という。これを組み合わせることで、上部筐体2と下部筐体3を特定の角度で開けたときにのみ垂直軸部304を旋回可能にする。
【0045】
図12は第1水平軸部302及び垂直軸部304を用いて組み立てた2軸ヒンジ301の断面がどのような形で動くかを表した図である(第1実施例の図9相当)。この図は図1から図5の2軸ヒンジを用いた折り畳み型携帯電話機の筐体状態の変化に応じてヒンジがどのように動作するかを説明する。なお、この図で用いられる五角形の矢印は、表示部2がどちらの方向に向いているかを表す。
【0046】
筐体が閉じられているときには(図1)、溝311は切り欠き部321に直交する。したがって垂直軸部304を旋回させようとしても、その切り欠き部321が第1水平軸部302に規制される。このため、垂直軸102を中心として上部筐体2を旋回させることはできない(図12(a))。
【0047】
次に上部筐体2を開け下部筐体3と直行するところまで開けると(図2)、溝311は切り欠き部321と平行になる(図12(b))。このようにすると垂直軸102から溝311までの距離が第1水平軸部302に接する垂直軸部304の半径よりも長くなるため、垂直軸部304の旋回動作に第1水平軸部302が規制を掛けることが無くなる。したがって、図3に表されるように垂直軸102を中心に上部筐体2を旋回することが可能になる(図12(c))。この状態になると、垂直軸部304の切り欠き部321及び切り欠き部322を施されていない箇所が溝311に食いこむことになる。したがって、水平軸101を中心に上部筐体2を閉じようとする動作はできなくなる。
【0048】
表示部を180度回転させると(図4)、切り欠き面322が第1水平軸部302と対向する状態になる(図12(d))。これにより、上部筐体2を閉じる動作が可能になり、図5の状態にして収納することが可能になる。図12(e)は図5の状態にしたときのヒンジの内部構造である。
【0049】
以上のように第1水平軸部302及び垂直軸部304の構造を改善することで、設計時に想定していない動作を操作者が取ることを防止する。これにより筐体の表面を傷つけたりすることなく携帯電話を使用することが可能になる。
【実施例3】
【0050】
以上の実施例のようにすることで、部品の小型化及び操作者による不測の動作の制限を行うことができる。次に垂直軸102を中心とした上部筐体2の旋回動作に適切なトルク(吸い込みトルク)を付与するための構造について説明する。なお、本実施例においては、第1の実施例における第2水平軸部203を複数のパーツで構成し、垂直軸部に対してトルクを付与する構造をとる。ヒンジストッパ405を除き、他の部品については実施例2と同じものを使う。
【0051】
図13は本実施例における第2水平軸部403の垂直軸部304に接する端部の構成を表す図である。第2水平軸部403は受け皿411、ばね(弾性体)412及び第2水平軸部本体413の3つの部品から構成される。
【0052】
ばね412は垂直軸部304に対してばね応力をトルクとして付与するパーツである。そしてばね412が発生するばね応力を受け止め、均等に垂直軸部304にばね応力を伝達するために受け皿411を設ける。
【0053】
第1の実施例のヒンジストッパ205同様、ヒンジストッパ405は第2水平軸部403を固定するための部材である。ただし、第1の実施例では第2水平軸部403は1つの部品だったため、ヒンジストッパ205は最後に取り付けられていたが本実施例では第2水平軸部本体413よりも前にヒンジストッパ405を取り付ける。
【0054】
第2水平軸部本体413は水平軸201にトルクを与えるための機構等を含む部材である。
【0055】
ヒンジストッパ405は実施例1同様スナップフィット構造である。ただし、差し込むべき第2水平軸部本体413の径が相違する。
【0056】
次に、図14を用いて第3の実施例に基づく2軸ヒンジ401の組み方について説明する。なお、図8(b)までの工程については共通するため、図面では省略している。なお、この工程ではジグ431を用いて作業する。このジグ431はマイナスドライバのように先端がつぶれた棒である。
【0057】
垂直軸部304をヒンジ本体201に組み入れた後(図8(b))、ジグ431を用いて受け皿411及びばね412をヒンジ本体201に挿入する(図14(a))。その後、ジグ431で抑えたままの状態で、ヒンジストッパ405を差し込む(図14(b))。この際、ジグ431を縦にしておくとヒンジストッパ405の開口部に沿わせてヒンジストッパ405を介挿することができるため作業性が向上する。
【0058】
ヒンジストッパ405を介挿することで受け皿411及びばね412は固定される。この後、ジグ431を引き抜いても、安定した状態で保持される(図14(c))。この状態からヒンジストッパ405に第2水平軸部本体413を差し込むことで2軸ヒンジ401は完成する。
【0059】
次に、2軸ヒンジ401がどのように動作するか図15をもって説明する。なお、図15(a)から(c)は図12の(b)から(d)に対応する。
【0060】
上部筐体2を適切な角度に水平軸101を中心に開くことで、垂直軸102を中心に上部筐体2を旋回させることができる(図15(a))。この状況で上部筐体2を旋回させると(図15(b))、切り欠き面321を乗り越え、垂直軸102から受け皿411までの距離が長くなる。これによりバネ412に対して力が加えられバネ応力が生じる。このバネ応力が垂直軸部304に伝わりトルク感を操作者に伝えることが可能になる。
【0061】
そして、一定の角度を旋回させると、切り欠き面322に到達するため、反力が急速に小さくなる。これにより所定の角度に吸い込みトルクを生じさせることができる。
【0062】
以上のように2軸ヒンジ401を構成することで、水平軸101を中心とした上部筐体2の開閉動作だけでなく、垂直軸102を中心とした上部筐体2の旋回動作にも適切なトルクを付与し、吸い込みトルクを生じさせることができる。また従来例では板ばね704を用いていたが、それをより耐久性に優れたコイルバネの使用が可能となり、結果として2軸ヒンジ全体の信頼性が従来よりも向上する。
【実施例4】
【0063】
上記各実施例では垂直軸部204及び垂直軸部304の旋回に対してトルクを付与することができる。しかし、現実には上部筐体2と下部筐体3との間には各種配線がなされている。よって、上部筐体2の旋回角度には一定の制限を加えられることが望ましい。
【0064】
本実施例においては、上部筐体2の旋回時の回転軸となる垂直軸部504の回転角度制限するための方法について説明する。
【0065】
図16は本実施例において用いる垂直軸部504を表した2面図である。一方図17は本実施例において用いられるヒンジ本体部501及び垂直軸部504を組み立てたときの2面図である。
【0066】
ヒンジ本体部501とヒンジ本体部201の相違点は、突出部513を有するか否かでである。そして、垂直軸部504と垂直軸部304の相違点は、エラ511及びエラ512を有するか否かである。垂直軸504の中心である垂直軸102からエラ511若しくはエラ512の最遠部までの距離は、ヒンジ本体部501の垂直軸102から突出部513までの距離より長いものとする。このようにすると、配線に影響を与えるような状態でヒンジ本体部501と垂直軸部504を組み付けたりすることはない。
【0067】
次に2軸ヒンジ500の底面から見た垂直軸部504の動作を表す図18を用いて、本実施例における垂直軸部504の動作を説明する。ここでも表示部11の向きを五角形の矢印で示す。
【0068】
図18(a)はエラ511を用いて垂直軸部504の旋回動作を制限しているところを表す図である。この状態では、垂直軸部504を反時計回り(左周り)にまわすことはできない。突出部513にエラ511が干渉するためである。一方、時計回り(右回り)方向には何らの制約もないために自由にまわすことができる。
【0069】
図18(b)は垂直軸部504を略90度回転させたときの状態を表す。この状態だと、左右どちらの方向にも旋回させることができる。エラ511及びエラ512による制約を受けることはないためである。
【0070】
図18(c)は垂直軸部504をさらに略90度(図18(a)から略180度)回転させたときの状態を表す。この状態になると、エラ512が突出部513に干渉するために、時計回り(右回り)に旋回させることはできない。
【0071】
以上のようにエラ511とエラ512、突出部513を組み合わせることで、垂直軸部504の動作を制限する。これにより上部筐体2と下部筐体3をつなぐ配線の断線を防止することが可能になる。
【0072】
なお、本実施例においては、エラ511とエラ512の厚みを他のフランジ部分と同等の厚みにしているが、エラ511とエラ512の部分のみを薄くすることで、想定される動作で生ずる以上の力が加わったときでも、軸の回転動作を保証することができる。すなわち、図19の斜線部(フランジ部)以外のエラ511とエラ512を薄くすることで、垂直方向の膨らみが生じた場合にも、2軸ヒンジ500にある程度の耐性を与え、動作しなくなることを防止することも検討すべきである。これは、実施例3のように第2水平軸部が垂直軸を中心とした旋回時にトルクを付与していることではじめて可能になる。すなわち、従来例にあるように板ばね704によるトルクの発生では垂直軸102方向に応力を発生するため、ある程度ヒンジ本体部501と密着しなければならず、垂直方向の厚みを確保しなければならない。一方、本発明では垂直軸方向の応力は考える必要は無いため薄肉化に障害はない。
【実施例5】
【0073】
実施例2の図10では第1水平軸部302にただの溝をつけた。しかし、耐障害性の観点から工業製品には一定の「遊び」が必要である。そこで図20のように軸の中心線を境界としてテーパをつけることで垂直軸部の動作に「遊び」を設けることができる。
【実施例6】
【0074】
実施例1から4では、垂直軸102は水平軸101と直交(文字通り一点で交わる)する関係にあった。しかし、上部筐体2の厚みを調整する観点から見ると、このようにすることは設計上の足かせとなる。
【0075】
図21は従来の2軸ヒンジで用いる水平軸部801を直上から見た図である。この図では垂直軸102は水平軸101を直交させないようにした際の問題点を表す。この従来例では、水平軸部801を貫通して垂直軸部(図示せず)を通す。これにより、垂直軸102を水平軸101と直交しないようにすると、薄肉の箇所(Δn)と厚肉の箇所(Δt)が生じ強度設計上問題となる。
【0076】
図22は本実施例を表す組み立て後の2軸ヒンジ600の断面図である(第2の実施例の図10相当)。この図でも明らかな通り、第1水平軸602に施した溝611の幅を第2の実施例の溝311より広げることで、水平軸101と垂直軸102との間でΔdのズレを作ることを可能にする。すなわち、もとより第1水平軸602と第2水平軸603に分割されているため、水平軸部の強度を配慮する必要が無い。
【0077】
また図23のようにΔdのズレの分だけ溝もずらすことで水平軸101と垂直軸102とのズレに対応することも可能である(ずらしていない元の図は図20)。
【0078】
このようにすると、簡単に垂直軸102をΔdだけずらして配置することが可能になり上部筐体2の厚みについての設計上の自由度が増すことになる。
【0079】
この際、垂直軸部604が水平軸部101から偏って位置するため、予期せぬモーメントが生ずるため、期待する上部筐体2の角度が出ないことも考えられる。これを改善するために対向する垂直軸部604の両切り欠き部の一方または双方の角度をあらかじめ傾けておくことも一策である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は前述の通り、携帯電話機やPHS(パーソナルハンディフォンシステム)、IP電話の他、コードレス電話などが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】表示部を格納した状態で筐体を閉じたときの2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図2】上部筐体を開いた2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図3】上部筐体旋回中の2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図4】上部筐体を180度旋回させた後の2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図5】表示部を露出した状態で筐体を閉じたときの2軸ヒンジを採用する携帯電話機の斜視図である。
【図6】従来の2軸ヒンジを表す3面図である。
【図7】本発明の第1の実施例にかかわるヒンジ本体部の4面図及びヒンジストッパの平面図である。
【図8】本発明の第1の実施例にかかわる2軸ヒンジの組立工程を表す図面である。
【図9】本発明の第1の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例にかかわる第1水平軸部の3面図である。
【図11】本発明の第2の実施例にかかわる垂直軸部の2面図である。
【図12】本発明の第2の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す断面動作図である。
【図13】本発明の第3の実施例にかかわる第2水平軸部の構成図である。
【図14】本発明の第3の実施例にかかわる2軸ヒンジの組立工程を表す図面である。
【図15】本発明の第3の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す断面動作図である。
【図16】本発明の第4の実施例にかかわる垂直軸部の2面図である。
【図17】本発明の第4の実施例にかかわるヒンジ本体部及び垂直軸部を組み合わせたものの2面図である。
【図18】本発明の第4の実施例にかかわる2軸ヒンジの動作を表す下面図である。
【図19】本発明の第4の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面を表す図である。
【図20】本発明の第5の実施例にかかわる第1水平軸部の溝形状を表す図である。
【図21】従来の2軸ヒンジの問題点を説明する図である。
【図22】本発明の第6の実施例にかかわる2軸ヒンジの断面図である。
【図23】本発明の第6の実施例にかかわる第1水平軸部の溝形状のひとつを表す図である。
【符号の説明】
【0082】
2 上部筐体
3 下部筐体
11 表示部
101 水平軸
102 垂直軸
201 ヒンジ本体部
202 第1水平軸部
203 第2水平軸部
204 垂直軸部
205 ヒンジストッパ
311 溝
321、322 切り欠き面
411 受け皿
412 ばね(弾性体)
413 第2水平軸部本体
511、512 エラ
513 突出部
611 溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの軸部品より構成される2軸ヒンジ。
【請求項2】
第1水平軸部と第2水平軸部が同一の水平軸上に配され、
垂直軸部は前記第1水平軸部の軸端と前記第2水平軸部の軸端の間に配されることを特徴とする2軸ヒンジ。
【請求項3】
前記垂直軸部は軸側面を前記第1水平軸部の軸端と前記第2水平軸部の軸端に接して配されることを特徴とする請求項2記載の2軸ヒンジ。
【請求項4】
前記垂直軸部の軸側面の略対向する2面を切り欠く事を特徴とする請求項3記載の2軸ヒンジ。
【請求項5】
前記第1水平軸部の垂直軸部と接する端面に溝を施すことを特徴とする請求項4記載の2軸ヒンジ。
【請求項6】
前記第2水平軸部が受け皿、弾性体及び第2水平軸部本体より構成される請求項4または請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項7】
弾性体はコイルバネであることを特徴とする請求項6記載の2軸ヒンジ。
【請求項8】
前記溝は前記水平軸上に配されることを特徴とする請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項9】
前記溝は前記水平軸上からずらして配されることを特徴とする請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項10】
さらにストッパを有し、
前記第2水平軸部はストッパによって固定されることを特徴とする請求項2記載の2軸ヒンジ。
【請求項11】
前記ストッパはスナップフィットによって前記第2水平軸部を固定することを特徴とする請求項10記載の2軸ヒンジ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の2軸ヒンジを有する電子機器。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の2軸ヒンジを有する携帯電話装置。
【請求項14】
水平軸上に開口面を一つ有し前記開口面に対向する面及び垂直軸上の2面にそれぞれ軸貫通穴を有する軸本体部、1つの垂直軸部品、第1の水平軸部品及び第2の水平軸部品からなる2軸ヒンジの製造の方法であって、
前記第1の水平軸部品を前記開口面から前記水平軸上の軸貫通穴に挿入し、
その後、前記垂直軸上の軸貫通穴に前記垂直軸部品を挿入したのち、
前記第2の水平軸部品を前記水平軸上に前記開口面から露出するように配することを特徴とする2軸ヒンジの製造方法。
【請求項15】
前記軸本体部はさらにストッパ換装穴を有し、
前記第2の水平軸部品配した後にストッパを前記ストッパ換装穴に挿入して前記第2の水平軸部品を固定することを特徴とする請求項14記載の2軸ヒンジの製造方法。
【請求項1】
3つの軸部品より構成される2軸ヒンジ。
【請求項2】
第1水平軸部と第2水平軸部が同一の水平軸上に配され、
垂直軸部は前記第1水平軸部の軸端と前記第2水平軸部の軸端の間に配されることを特徴とする2軸ヒンジ。
【請求項3】
前記垂直軸部は軸側面を前記第1水平軸部の軸端と前記第2水平軸部の軸端に接して配されることを特徴とする請求項2記載の2軸ヒンジ。
【請求項4】
前記垂直軸部の軸側面の略対向する2面を切り欠く事を特徴とする請求項3記載の2軸ヒンジ。
【請求項5】
前記第1水平軸部の垂直軸部と接する端面に溝を施すことを特徴とする請求項4記載の2軸ヒンジ。
【請求項6】
前記第2水平軸部が受け皿、弾性体及び第2水平軸部本体より構成される請求項4または請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項7】
弾性体はコイルバネであることを特徴とする請求項6記載の2軸ヒンジ。
【請求項8】
前記溝は前記水平軸上に配されることを特徴とする請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項9】
前記溝は前記水平軸上からずらして配されることを特徴とする請求項5記載の2軸ヒンジ。
【請求項10】
さらにストッパを有し、
前記第2水平軸部はストッパによって固定されることを特徴とする請求項2記載の2軸ヒンジ。
【請求項11】
前記ストッパはスナップフィットによって前記第2水平軸部を固定することを特徴とする請求項10記載の2軸ヒンジ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の2軸ヒンジを有する電子機器。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の2軸ヒンジを有する携帯電話装置。
【請求項14】
水平軸上に開口面を一つ有し前記開口面に対向する面及び垂直軸上の2面にそれぞれ軸貫通穴を有する軸本体部、1つの垂直軸部品、第1の水平軸部品及び第2の水平軸部品からなる2軸ヒンジの製造の方法であって、
前記第1の水平軸部品を前記開口面から前記水平軸上の軸貫通穴に挿入し、
その後、前記垂直軸上の軸貫通穴に前記垂直軸部品を挿入したのち、
前記第2の水平軸部品を前記水平軸上に前記開口面から露出するように配することを特徴とする2軸ヒンジの製造方法。
【請求項15】
前記軸本体部はさらにストッパ換装穴を有し、
前記第2の水平軸部品配した後にストッパを前記ストッパ換装穴に挿入して前記第2の水平軸部品を固定することを特徴とする請求項14記載の2軸ヒンジの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−309332(P2007−309332A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−170193(P2004−170193)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【出願人】(000222990)株式会社テクノアソシエ (11)
【出願人】(502383177)株式会社山本精密 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【出願人】(000222990)株式会社テクノアソシエ (11)
【出願人】(502383177)株式会社山本精密 (15)
【Fターム(参考)】
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