説明

ビームパターンが半導体光源で形成される車両用ヘッドライト

【課題】所望のビームパターンを半導体光源によって放出された光で形成する車両用ヘッドライトシステムを提供する。
【解決手段】本発明のヘッドライトシステム(20)は、少なくとも1つの第1の光源(32)と、少なくとも1つの第2の光源(36)と、所望のビームパターンのスプレッド(広がり)部分を提供するよう少なくとも1つの第1の光源(32)と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第1のレンズ系(48)とを有する。本発明のヘッドライトシステム(20)は、所望のビームパターンのホットスポット部分を提供するよう少なくとも1つの第2の光源(36)と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第1のレンズ系(52)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には車両用ヘッドライトに、詳細には所望のビームパターンが半導体光源によって放出された光で形成される車両用ヘッドライトに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2005年7月11日に出願された米国特許出願第11/827,283号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2005年4月21日に出願された米国特許出願第11/111,534号の継続出願である。
【背景技術】
【0003】
車両用ヘッドライトシステムに関する設計上の検討事項は、最大及び最小照明レベルとビームパターンである。この検討事項に加えて、美観上の要因、及び物理的設計要因も又、ヘッドライトの設計において重要な役割を果たす。従来型白熱灯及びガス放電型ヘッドライトシステムは、これらのコンポーネントのために比較的大きな体積を必要とし、コンパクトなヘッドライトシステムを設計して具体化する余地が制限されていた。したがって、光源としてヘッドライトシステムに半導体光源を採用することが提案されている。
【0004】
半導体光源の製造及び(又は)設計の最近の技術的進歩の結果として、光源、例えば白色発光ダイオード(LED)が比較的高い光出力レベルを達成したが、ヘッドライトに求められる出力レベルを得るためには、依然として多数の半導体光源をヘッドライトシステムに用いる必要がある。さらに、半導体光源は、ヘッドライトシステムに新たな設計上の課題をもたらしている。例えば、半導体光源は、白熱灯及び(又は)ガス放電球よりも理想点光源のように作用するため、従来型ヘッドライト光学設計が、半導体光源に適用できない場合がある。さらに、例えば半導体光源の必要な冷却を行うことが必要であるという課題により、半導体光源を採用するヘッドライトシステムの設計が一段と複雑になる。
【0005】
車両用ヘッドライトの分野において要望されていながら長年解決されていなかったもう一つの課題は、車両の前方の領域ではなく(又は、これに加えて)、車両がこれらか走行しようとする領域を照明できるかどうかということである。従来の試みは、ステアリング可能なヘッドライトを提供してこの課題に取り組むことであり、これら先行技術のシステムの大部分は、ヘッドライト又はヘッドライトに設けられた光学部品(例えば、リフレクタ及び(又はレンズ)の一部分を車両の前輪と共に物理的に方向転換してヘッドライトからの照明を所望の方向に差し向けるための機械的手段を備えていた。ステアリング可能なヘッドライトを制御する種々の技術が開発されたが、このような技術は、車両のステアリング機構を備えた機械的リンク装置からマイクロプロセッサ制御型サーボモータ被駆動システムまで様々である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなシステムは、ヘッドライトを方向転換する制御機構が、極めて複雑且つ高価であり、しかも(或いは)脆弱である場合があるという欠点を持っている。他の先行技術のシステムは、各ヘッドライトに追加の光源を備えており、左側のヘッドライトは、自動車の左側の領域を照明するための追加の光源を有し、右側のヘッドライトは、自動車の右側の領域を照明するための追加の光源を有し、これら追加の光源は、車両の前輪を方向転換するときに適宜オン又はオフにされる。これらシステムは又、追加の光源により照明される領域が固定され、車両速度又は方向転換角度につれて変化せず、結果的に得られるビームパターンが所望の照明を提供しない場合があるという欠点を持っている。
【0007】
したがって、所望のビームパターンが半導体光源によって放出された光で形成される新規且つ改良型の車両用ヘッドライトシステムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、先行技術に係る少なくとも1つの欠点をなくし又は軽減する新規な半導体ヘッドライトシステムを提供することにある。
【0009】
本発明の要旨は、少なくとも1つの第1の光源と、少なくとも1つの第2の光源と、所望のビームパターンのスプレッド成分を提供するよう少なくとも1つの第1の光源と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第1のレンズ系とを有する車両用のヘッドライトシステムにある。本発明は、所望のビームパターンのホットスポット成分を提供するよう少なくとも1つの第2の光源と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第2のレンズ系を更に有する。
【0010】
本発明の別の利用可能な分野は、以下に提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示目的に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【0011】
次に、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明するが、これは例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のヘッドライトシステムの略図である。
【図2】本発明の半導体光源のアレイの略図である。
【図3】半導体光源の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、一方のアレイに属する幾つかの光源が、ロービームパターンのスプレッド(広がり)光を提供するよう点灯され、他方のアレイに属する幾つかの光源が、ロービームパターンのホットスポットを提供するよう点灯されている図である。
【図4】本発明による図3のロービームパターンの略図である。
【図5】図3の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、一方のアレイに属する光源の全てが、ハイビームパターンのスプレッド光を提供するよう点灯され、他方のアレイに属する幾つかの光源が、ハイビームパターンのホットスポットを提供するよう点灯されている状態を示す図である。
【図6】本発明による図5のハイビームパターンの略図である。
【図7】図3のロービームパターンの平面図であり、本発明に従って、ロービームパターンの光の強度を表示している図である。
【図8】図3の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、追加の半導体光要素が、ロービームステアリングホットスポットを提供するよう一方のアレイに属した状態で点灯されている状態を示す図である。
【図9】ロービームパターンの略図であり、本発明に従って、ロービームステアリングホットスポットが、図8のアレイから生じている状態を示す図である。
【図10】図9のロービームパターンの平面図であり、本発明に従って、ロービームステアリングホットスポットが追加された状態でロービームパターンの光の強度を指示している図である。
【図11】図8の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、追加の組をなす半導体光要素が、第2のロービームステアリングホットスポットを提供するよう一方のアレイに属した状態で点灯されている図である。
【図12】ロービームパターンの略図であり、本発明に従って、2つのロービームステアリングホットスポットが、図11のアレイから生じている状態を示す図である。
【図13】図12のロービームパターンの平面図であり、本発明に従って、ステアリングホットスポットが2つ追加された状態でロービームパターンの光の強度を指示している図である。
【図14】図11の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、8つの組をなす追加の半導体光要素が、8つのロービームステアリングホットスポットを生じさせるよう一方のアレイに属した状態で点灯されている図である。
【図15】ロービームパターンの略図であり、本発明に従って、8つのロービームステアリングホットスポットが、図14のアレイから生じている状態を示す図である。
【図16】図15のロービームパターンの平面図であり、本発明に従って、8つのステアリングホットスポットが設けられた状態でロービームパターンの光の強度を指示している図である。
【図17】ハイビームパターンを生じさせる図14の2つのアレイを示す図であり、本発明に従って、8つの追加の組をなす半導体光要素が、これ又8つのハイビームステアリングホットスポットを提供するよう一方のアレイに属した状態で点灯されている図である。
【図18】ハイビームパターンの略図であり、本発明に従って、8つのハイビームステアリングホットスポット及び8つのロービームステアリングホットスポットが、図17のアレイから生じている状態を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に従って第2のレンズ系のレンズからフレームから変位した状態のヘッドライトシステムの略図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に従って、スプレッドビームパターンの一部分を生じさせるために用いられる第1のレンズ系の一群の発光ダイオード及びこれに対応したD光学部品(D-optics)の拡大図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に従って第2のレンズ系及びフレームが取り外された状態で基板に取り付けられた発光ダイオードの斜視図である。
【図22】本発明の第2の実施形態に従って、基板に取り付けられた複数個の発光ダイオード及び一群の対応の光パイプの分解組立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面、特に図1を参照すると、本発明のヘッドライトシステムが、全体を参照符号20で示されている。システム20は、2つの光エンジン24,28を有し、これら光エンジン24,28は、それぞれ、半導体光源35のそれぞれの光源アレイ32,36を有している。図2を参照すると、光源アレイ32は、複数個の半導体光源35が取り付けられた基板34を有している。光源アレイ36をほぼ同じように構成するのが良い。光源アレイ32,36は、それぞれ、別々の基板34を有する状態で図示されているが、両方の光源は、所望ならば共通の基板34を共有しても良く、或いは、各光源は、2つ又は3つ以上の基板34の複合体であっても良い。
【0014】
半導体光源35は、任意適当な半導体光源であって良く、例えば、白色光を放出するLEDデバイス及び(又は)同様なデバイスである。基板34は、半導体光源35、電力を半導体光源35に供給する必要な電気導体及び半導体光源35の動作により生じた廃熱をこれら半導体光源35から運び去るのを助ける熱除去手段を支持することができる任意適当な基板であるのが良い。
【0015】
好ましい実施形態としてのシステム20では、基板34は、半導体光源35が表面実装された多層プリント回路板(PCB)であるのが良い。PCBは、少なくとも1つの熱伝達層、例えば銅又は良好な熱伝達特性を備えた他の材料の層を有し、このような層は、半導体光源35によって生じた廃熱を除去するためにヒートシンクを取り付けることができる熱除去手段として働く。PCBは、電力を半導体光源35に提供するのに必要な導体トレースを有する。当業者には明らかなように、半導体光源35の動作により生じた廃熱を除去するために、PCB熱伝達層に代えて又はこれに加えてヒートパイプ、ウィック又は他の適当な手段を用いるのが良い。
【0016】
各半導体光源35は、個々にアドレス指定可能であり、各半導体光源を他の半導体光源35とは独立して動作状態にし又は非動作状態にすることができ、しかも、種々の出力レベルで作動させることができる。しかしながら、所望ならば、半導体光源35及び電力トレースは、光源35を動作状態にし又は非動作状態にすることができ、又、2つ又は3つ以上の光源35から成る群をなした状態でこれらの出力レベルを選択することができるよう配置できることが想定される。
【0017】
再び図1を参照すると、光エンジン24,28は、それぞれ伝送デバイス40,44を更に有し、これら伝送デバイスは、それぞれ、光源アレイ32,36の半導体光源35によって放出された光をヘッドライトシステム20中の所望の光出力場所に伝送する。システム20のこの実施形態では、伝送デバイス40,44は、光パイプの束を有し、1つの束の各光パイプは、受け入れ端部(例えば、光源アレイ32又は36のそれぞれの半導体光源35に隣接して位置した端部)及び放出端部(例えば、光を放出させることが望ましい場所のところに位置する端部)を有する。伝送デバイス40,44の光パイプは、種々の仕方で構成でき、このような光パイプは、種々の仕方で構成でき、このような光パイプは、光ファイバケーブルであっても良く、ポリカーボネート又は透明なシリコーンゴム若しくは成形可能なアクリル樹脂で作られた光ガイド、例えばニュージャージ州ロックアウェイ所在のサイロ・インダストリーズ(CYRO Industries )社によって販売されているAcrymid (登録商標)815であっても良く、或いは、光源からの光を所望の場所に伝送する任意他の適当な手段であって良い。
【0018】
光パイプは又、内側の光学ガラス部材を第2のガラスで被覆したものから作られても良く、第2のガラスは、光パイプを介する半導体光源35からの光の全反射を促進するために内側光学ガラスよりも低い屈折率を有する。特定の実施形態では、内側光学ガラスの屈折率は、1.81であり、被覆ガラスの屈折率は、1.48であり、その結果、光パイプの開口数は、1.0になる。当業者には明らかなように、他の2種類のガラスの組み合わせを用いると光パイプを製作することができ又は屈折率の比較的高いガラスと屈折率の比較的低い他の被覆材料の組み合わせを用いても、光パイプを製作することができる。
【0019】
伝送デバイス40,44の光パイプは、それぞれ、光源アレイ32,36の半導体光源35によって生じた光のうち比較的多量の光、好ましくは実質的に全てを捕捉するよう公知の仕方で配置されるのが良い。非限定的な一例を挙げると、各半導体光源35に隣接して位置する光パイプの端部は、放出された光の捕捉を促進するための光学的に均一な表面であり、半導体光源35からの放出光をそれぞれ伝送デバイス40,44のそれぞれの光パイプに差し向けるために基板34上の各半導体光源35周りに適当なリフレクタ(図示せず)を設けるのが良い。
【0020】
非限定的な例を挙げると、伝送デバイス40の放出端部は、レンズ系48に隣接して配置されるのが良く、伝送デバイス44の放出端部は、レンズ系52に隣接して配置されるのが良い。レンズ系48,52は、それぞれ、単一レンズ系であっても良く、多レンズ系であっても良い。この実施形態では、レンズ系48,52の各々は、それぞれ、以下において説明するように2レンズ系であるのが良い。
【0021】
さらに、ビームパターンに所望の特徴を生じさせるため、例えば、沿道の標識等を照明するための照明を生じさせるために一方又は両方の伝送デバイス40,44の光パイプの放出端部をこれらのそれぞれのレンズ系48,52に対して垂直に且つ(或いは)水平に間隔を置いても良く、或いは互い違いに配置しても良いことが想定される。さらに、当業者には明らかなように、伝送デバイス40,44を採用することにより、伝送デバイス40,44の放出端部から放出された光の場所及び配置を光源アレイ32,36上の半導体光源35の場所、間隔及び配置とは独立して定めることができる。また、伝送デバイス40,44により、それぞれ、光源アレイ32,36をそれぞれレンズ系48,52から見て遠くに配置でき、必要な冷却機構体、例えば比較的大型の熱交換部材、冷却ファン及び(又は)同様な手段を近位側のレンズ系48,52ではなく、それぞれ美観上受け入れ可能な場所に配置することができる。
【0022】
このようにすると、車両設計者には、車両の美観的及び機能的設計において融通性が得られる。というのは、レンズ系48,52及び伝送デバイス40,44のそれぞれの放出端部をヘッドライトシステムのための従来の設置場所の1つに配置する必要があるだけであり、ヘッドライトシステム20の残部をどこか他の場所に配置することができるからである。
【0023】
ヘッドライトビームパターンは、代表的には、ビームパターンの比較的大部分を比較的一様な照明レベルで照明するスプレッド(広がり)光及び代表的にはスプレッド光の領域上に重ね合わされる照明レベルの増大した比較的狭い領域であるホットスポットを有する。ヘッドライトシステムは、特にビームパターンに関し、スプレッド照明の領域及び照明レベルとホットスポットの領域及び照明レベルの両方が、許容可能な法的限度の範囲内にあるように注意深く設計されると共に構成される必要がある。
【0024】
ヘッドライトシステム20では、以下に説明するように、光エンジン24及びレンズ系48は、好ましくは、スプレッド光を提供するよう用いられ、光エンジン28及びレンズ系52は、ホットスポット光及び動的光を提供するよう用いられる。したがって、レンズ系48は、ヘッドライトシステム20からのビームパターンの所望のスプレッド光を生じさせるために伝送デバイス40の放出端部からの光を差し向けるよう設計されるのが良い。
【0025】
図3を参照すると、光源アレイ32,36がそれぞれ示されており、この場合、点灯されている半導体光源35は、中が白抜きの記号で示され、非点灯状態の半導体光源35は、中が塗り潰された記号で示されている。図示のように、光源アレイ32上の半導体光源35の約半分が点灯されており、これら半導体光源35によって生じる光を伝送デバイス40によってレンズ系48に伝送すると、基準の水平軸線及び垂直軸線に対して図4に示すロービームパターンのスプレッド成分60を生じさせることができる。レンズ系48は、レンズ系48によって生じたビームパターンを垂直方向に制限するのに役立つ第1のレンズを有すると共にレンズ系48によって生じたビームパターンを水平に広げる第2のレンズを更に有している。
【0026】
これ又図示されているように、光源アレイ36上の半導体光源35の約1/4が点灯されており、これら半導体光源35によって生じた光を伝送デバイス44によってレンズ系52に伝送すると、図4に示すロービームパターンのホットスポット成分64を生じさせることができ、このホットスポット成分は、代表的には、高さが約3°、幅が約6°であるのが良い。レンズ系52は、所望のホットスポットを生じさせるために単一レンズを用いることができるが、このような単一レンズは、以下に説明するステアリング可能な光を容易には生じさせることができず、レンズ系52も又、2つのレンズを採用している。レンズ系52の第1のレンズは、伝送デバイス44の放出端部の比較的近くに配置されるのが良く、このような第1のレンズは、伝送デバイス44からの光を投射光の垂直特性に実質的に影響を及ぼすことなく、水平方向に約6°の像中に投射する。レンズ系52の第2のレンズは、第1のレンズから出力された照明パターンを垂直方向に約3°に圧縮するために長い焦点距離を有している。この結果、以下に更に説明するように、レンズ系52は、ステアリング可能な光に適当な曲げを与えてホットスポット64の形状を損なわないで15°に達するようにすることができる。
【0027】
図5を参照すると、図6に示すハイビームパターンを生じさせるよう光源アレイ32,36上でそれぞれ点灯された半導体光源35が示されている。図示のように、光源アレイ32の半導体光源35の全ては、追加的に点灯された(図4のロービームパターンについて点灯された半導体光源に対して)半導体光源35と共に点灯されており、それにより図6に示すハイビームパターンのスプレッドゾーン68が生じている。同様に、光源アレイ36の半導体光源35の別の約1/4が、図6のハイビームホットスポット72を生じさせるよう点灯されている。
【0028】
本発明は、光源アレイ32,36上にそれぞれ設けられる半導体光源35の特定の数には限定されることはなく、生じたビームパターンに所望の出力を得るよう点灯される半導体光源の特定の数に制限されることもないことが当業者には理解できる。これとは異なり、本発明は、採用された特定の半導体光源によって放出される光の量、伝送デバイス40,44及びレンズ系48,52の動作効率並びに所望のビームパターン及びこのような所望のビームパターンの照明レベルによってのみ定められる任意数の半導体光源に利用できる。非限定的な例を挙げると、以下のステアリングホットスポットの説明において、各ホットスポットを生じさせるのに4つの半導体光源が用いられているが、これよりも高い出力半導体光源が採用される場合、このようなホットスポットを生じさせるのに3つ以下の半導体光源を採用できる。
【0029】
図7を参照すると、図4のロービームパターンの概略平面図(下に見た図)が示されており、図示の垂直軸線は、ヘッドライトシステム20からのパターンの水平広がり度を示し、水平軸線は、ヘッドライトシステム20からのパターンの距離を示しており、パターンを支持する線の色は、図示の縮尺に対応したパターンの照明レベルを示している。
【0030】
上述したように、所要のロービーム及びハイビームパターンの生成に加えて、ヘッドライトシステム20からの動的光パターン成分、例えばステアリング可能な光をもたらすことも望ましく、ステアリング可能な光は、車両が直線路から方向転換する際に車両が走行する車両周りの領域を照明する。非限定的な例を挙げると、車両が左側に方向転換しているとき、車両の前の左側の道路の一部分を照明することが望ましい。
【0031】
図示していないコントローラが、以下に説明するように動的照明をもたらすよう光源アレイ36の追加の半導体光源35を照明し又は消灯するよう動作することができる。コントローラは、入力、例えばステアリングホイール位置、車両速度及び車体横揺れ(これらには限定されない)を受け取るのが良く、そして必要に応じて追加の半導体光源を点灯し又は消灯する。このようなコントローラの構成及び動作原理は、当業者の通常の知識の範囲内にあり、本明細書においてはこれ以上説明しない。
【0032】
図8を参照すると、光源アレイ32,36がそれぞれ示されており、この場合、コントローラの受け取った入力に応答してコントローラによってステアリング可能な光の第1の増加分が図3に示すロービームパターンに追加されている。具体的に言えば、光源アレイ36上の4つの追加の半導体光源72が点灯されている。これら4つの追加の光源72により放出された照明光は、図9に示されているようにロービームパターン上に追加のステアリングホットスポット76を生じさせるようレンズ系52によって方向づけられるのが良い。当業者には明らかなように、ヘッドライトシステム20がハイビームを生じさせるよう作動していた場合、光源72の下に位置する4つの半導体光源も又、全部で8つの追加の光源について点灯されてハイビームステアリング可能光パターンを生じさせることができ、これについては、図17及び図18を参照して以下に更に説明する。
【0033】
図10を参照すると、図9のビームパターンの概略平面図が示されている。図示のように、図9のステアリングホットスポット76は、左側への(図示の向きでは、プロットの頂部に向かって)図10のビームパターンの僅かな広がりを生じさせている。
【0034】
図11を参照すると、光源アレイ32,36がそれぞれ示されており、コントローラによってステアリング可能な光の第2の増加分が図9に示されたロービームパターンに加えられている。具体的に言えば、光源アレイ36上の4つの追加の半導体光源80が点灯されている。これら4つの追加の光源80によって放出された照明光は、図12に示されているようにロービームパターン上に第2のステアリングホットスポット84を生じさせるようレンズ系52によって方向づけられるのが良い。
【0035】
図13を参照すると、図12のビームパターンの概略平面図が示されている。図示のように、図12のステアリングホットスポット76,80は、左側への(図示の向きでは、プロットの頂部に向かって)ビームパターンの大きな広がりを生じさせている。所望ならば、ステアリング可能な光の追加の増加分をコントローラによって追加することができる。
【0036】
図14を参照すると、光源アレイ32,36がそれぞれ示されており、ステアリング可能な光88の全部で8つの増加分が、図15に示されているようにステアリングホットスポット76,84,92,96,100,104,108,112をそれぞれ生じさせるようコントローラによって図12のロービームパターンに追加されている。
【0037】
図16を参照すると、図15のビームパターンの概略平面図が示されている。図示のように、ステアリングホットスポット76,84,92,96,100,104,108,112は、それぞれ、左側への(図示の向きでは、プロットの頂部に向かって)ビームパターンの比較的大きな広がりを生じさせている。
【0038】
図14は、8つの増加分88が一度に全て追加された状態を示しているが、このことは、説明を簡単にするために示されており、当業者には明らかなように、コントローラは、コントローラへの入力に基づいて決定される車両の運転条件に応じて、ステアリング可能な光の各増加分を1つずつ又は2つ又は3つ以上の増加分から成る群をなして追加することができる。
【0039】
当業者には明らかなように、ヘッドライトシステム20がハイビームパターンを生じさせているとき、必要な場合、図17及び図18に示されているように光エンジン36上の追加の半導体光源35を点灯することによってもハイビームステアリングホットスポット76a,84a,92a,96a,100a,104a,108a,112aをそれぞれもたらすことができる。
【0040】
図8〜図18は、車両の左側のヘッドライトを示しているが、当業者には明らかなはずであることとして、本発明は、それには制限されず、ヘッドライトシステム20は、右側のヘッドライトとしても左側のヘッドライトとしても使用できる。ヘッドライトシステム20が右側ヘッドライトに用いられている場合、ステアリング可能なホットスポットは、ロービームパターン及びハイビームパターンの右側に投影されることになる。
【0041】
光源アレイ36上の追加の半導体光源35を点灯し又は消灯することにより且つレンズ系52が追加のステアリングホットスポットを作るよう生じた追加の光を、左側に(又は、右側ヘッドライトの場合、右側に)方向づけられる照明光を増大させるように方向づけるによって、ヘッドライトシステム20は、光源又は光学系コンポーネントの機械的動きを必要としないで、ステアリング可能な光をもたらす。
【0042】
さらに、コントローラは、追加の半導体光源35を種々の出力レベルで作動させてステアリング可能な光の所望の照明パターンを達成することができる。例えば、コントローラは、半導体光源35を点灯することができ、これら半導体光源35は、ステアリングホットスポット100,104をそれぞれ生じさせる半導体光源35よりも高い出力レベルでステアリングホットスポット108,112をそれぞれ生じさせる。
【0043】
また、上述の実施形態では、光源アレイ32,36上のそれぞれの各特定の半導体光源35の配設場所相互間に直接的な対応関係が存在する場合があるが、半導体光源35の放出した光が生じたビームパターン中に現れる場合、本発明は、そのような対応関係に限定されることはない。具体的に説明すると、図14の増加分88中の4つの半導体光源35の最も右側の増加分がホットスポット112を生じさせ、増加分88中の4つの半導体光源35の最も左側の増加分がホットスポット76を生じさせている(図8に示されているように)ことが示唆されている。しかしながら、このような直接的な対応関係は、伝送デバイス42,44のそれぞれの光パイプの受け入れ端部及び放出端部が、このような直接的な対応関係をなして配列されている場合にのみ生じる。当業者には明らかなように、このような直接的な対応関係は不要であり、事実、状況によっては望ましくない場合がある。非限定的な例を挙げると、光源アレイ32又は36上の他の半導体光源35と同時に通常通りに点灯されている光源32,36上の半導体光源35が、廃熱の除去具合を向上させることができるよう基板32上で互いに隣接して配置されないことが望ましい場合がある。このような場合、伝送デバイス40,44のそれぞれの光パイプの受け入れ端部及び放出端部が正しく配置されていれば、所望の出力ビームパターンを依然として得ることができる。
【0044】
さらに、図8〜図18には、伝送デバイス40,44の放出端部が互いに密接して配置された状態で示されているが、上述したように、このことが必要であるというわけではなく、多くの状況では、所望のビームパターンを達成するためには伝送デバイス40又は44の放出端部の少なくとも幾つかをこれらのそれぞれのレンズ系48又は52に対して互いに間隔を置いて設けるのが良いことが想定される。
【0045】
本発明は、半導体光源によって送られた光から所望のビームパターンを形成するヘッドライトシステムを提供することが明らかである。このシステムは、所望のビームパターンのスプレッド成分を生じさせるための半導体光源の光源アレイ及びレンズ系を有すると共に所望のビームパターンのホットスポット成分を生じさせるための半導体光源の光源アレイ及びレンズ系を有している。各光源アレイの半導体光源からの光を伝送デバイスによってそれぞれのレンズ系に伝送するのが良く、このような伝送デバイスは、半導体光源によって放出された光を捕捉し、捕捉した光をそれぞれのレンズ系に隣接して放出する一連の光パイプを有している。一方又は両方の光源アレイは、車両が方向転換される車両に隣接した領域を照明するためにビームパターン中の動的ビームパターン成分、例えばステアリングホットスポットをもたらすよう選択的に点灯又は消灯可能な追加の半導体光源を含むのが良い。
【0046】
光源アレイとレンズ系との間に伝送デバイスを用いることにより、光源アレイとレンズ系を互いに間隔を置いて配置することができ、それにより、ヘッドライトシステム20を、レンズ系が光源アレイによって放出された光を直接受け取られなければならない場合では可能ではない小さなサイズ又は形状の容積部内に設置することができる。
【0047】
所望のビームパターンのスプレッド成分をもたらす単一レンズ及び所望のビームパターンのホットスポット成分をもたらす単一レンズを有する本発明の変形実施形態としてのヘッドライトシステムが、図19に全体を参照符号200で示されている。
【0048】
ヘッドライトシステム200は、基板206を受け入れるキャビティ204を備えたフレーム202を有している。フレーム202は、複数の段部210を備えた全体が参照符号208で示されている階段状部分を更に有している。複数の段部の各々には、基板212が取り付けられている。各基板212には、複数個の発光ダイオード(LED)214が取り付けられ、複数個のLED214の全ては、一緒になって、この実施形態では半導体光源の第1のアレイを形成している。好ましくは、3つの基板212が設けられ、3つのLED214が各基板212に取り付けられている。また、基板212の各々には、複数個のレンズ216が取り付けられ、これら複数個のレンズは、一緒になって、所望のビームパターンのスプレッド成分を形成するようLED214と共に用いられる第1のレンズ系を形成している。複数個のレンズ216の各々は、図20に最も良く示されているように、各LED214にそれぞれ用いられている。したがって、1つのLED214から放出された光は、これに対応した1つのレンズ216を通過する。この実施形態では、第1のレンズ系は、全部で9個のレンズ216を有し、これらレンズは、各々が3つのレンズ216から成る3つの群に分割されている。これら群の1つが、図20に最も良く示されており、この場合、2つの外側のレンズ216からの光は、スプレッドビーム成分の低強度部分をもたらし、真ん中のレンズ216は、スプレッドビーム成分の高強度部分をもたらす。3つ全ての群は、同一の仕方で動作し、各群の2つの外側のレンズ216からの光は、スプレッドビームパターンの低強度部分をもたらし、各群の真ん中のレンズ216からの光は、スプレッドビーム成分の高強度部分をもたらす。
【0049】
次に図21及び図22を参照すると、半導体光源の第2のアレイが示されており、このような第2のアレイは、この実施形態では、基板206上に取り付けられた複数個のLED214である。複数個のLED214の各々は、少なくとも1つの光伝送デバイス中に受け入れられる光を放出し、このような光伝送デバイスは、この実施形態では、複数本の光パイプ218である。具体的に説明すると、基板206に取り付けられた15個のLED214及び15本の光パイプ218が設けられ、光パイプ218の各々は、対応のLED214からの光を受け取る。基板206には、ホルダ又はパイプホルダ220が連結されている。パイプホルダ220は、リテーナ又はパイプリテーナ222と一緒に、パイプホルダ220に繋がっており、光パイプ218の位置を基板206上のLED214に対して維持する。基板206上のLED214は、所望のビームパターンの種々の所望のホットスポット成分を生じさせるよう選択的に点灯可能である。加うるに、基板206上のLED214も又、所望のビームパターンのホットスポット成分の高強度部分又は低強度部分を生じさせるよう選択的に点灯可能である。
【0050】
基板206上のLED214から放出された光は、光パイプ218を通過した後、次に、第2のレンズ系を通過し、このような第2のレンズ系は、この実施形態では、100ミリメートルの焦点距離を有する単一レンズ224である。このレンズ224は、所望のビームパターンのホットスポット成分を生じさせると共に所望のビームパターンの水平中心及び垂直中心から±2°の範囲内にある場所にホットスポット成分を位置決めするのに役立つ。
【0051】
本発明の上述の実施形態は、本発明の例であり、当業者であれば、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、このような実施形態の変形例及び改造例を想到できる。
【符号の説明】
【0052】
20 ヘッドライトシステム
24,28 光エンジン
32,36 光源アレイ
34 基板
35 半導体光源
40,44 伝送デバイス
48,52 レンズ系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のヘッドライトシステムであって、
少なくとも1つの第1の光源と、
少なくとも1つの第2の光源と、
所望のビームパターンのスプレッド成分を提供するよう前記少なくとも1つの第1の光源と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第1のレンズ系と、
前記所望のビームパターンのホットスポット成分を提供するよう前記少なくとも1つの第2の光源と作動的に関連している少なくとも1つのレンズを備えた第2のレンズ系とを有する、車両用ヘッドライトシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2の光源から放出された光を前記第2のレンズ系に伝送する少なくとも1つの伝送デバイスを更に有する、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの伝送デバイスを保持するホルダと、
前記ホルダとの間に前記少なくとも1つの伝送デバイスを位置決めするリテーナとを更に有し、前記リテーナは、前記ホルダに選択的に連結される、請求項2記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの伝送デバイスは、前記少なくとも1つの第2の光源に対応した少なくとも1本の光パイプを有し、前記少なくとも1本の光パイプは、前記少なくとも1つの第2の光源に隣接して位置し、前記少なくとも1つの第2の光源から放出された光を捕捉するための第1の端部及び前記捕捉した光を放出して前記第2のレンズ系に当てるための第2の端部を有する、請求項2記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項5】
前記第1のレンズ系は、複数個のレンズを更に有し、前記少なくとも1つの第1の光源は、第1の複数個の光源を更に有し、前記複数個のレンズの少なくとも1つが、前記スプレッドビームパターン成分の高強度部分を形成するよう前記第1の複数個の光源の1つと作動的に関連し、各々が前記第1の複数個の光源の1つに作動的に関連した少なくとも2つの前記レンズの少なくとも1つが、前記スプレッドビームパターン成分の低強度部分を形成する、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項6】
前記第1のレンズ系は、各々が前記第1の複数個の光源の1つの光源と作動的に関連した9個のレンズを更に有し、前記9個のレンズは、各々が3つのレンズから成る3つの群で構成され、前記3つのレンズの2つは、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の低強度部分を生じさせるために用いられ、各群の前記3つのレンズの1つは、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の高強度部分を生じさせるために用いられる、請求項5記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項7】
前記第1のレンズ系は、少なくとも1つのD光学部品を更に有する、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2の光源は、第2の複数個の光源を更に有し、前記第2の複数個の光源の一部は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の低強度部分を生じさせ、前記第2の複数個の光源の一部は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の高強度部分を生じさせる、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の光源及び前記少なくとも1つの第2の光源は、前記所望のビームパターンを形成するよう選択的に点灯され又は消灯される、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項10】
前記所望のビームパターンは、ロービームパターン、ハイビームパターン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の光源は、第1の複数個の光源を更に有し、前記少なくとも1つの第2の光源は、第2の複数個の光源を更に有し、前記第2の複数個の光源の別の光源が、前記所望のビームパターンに加えて少なくとも1つのステアリングホットスポットを生じさせるよう点灯される、請求項9記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項12】
前記所望のビームパターンに加えて生じる前記ステアリングホットスポットの数は、前記車両の運転速度、前記車両のステアリングホイールの位置、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されたパラメータで決まる、請求項11記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の光源は、共通基板に取り付けられている、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項14】
前記所望のビームパターンは、
水平軸線と、
交点を形成するよう前記水平軸線と交差する垂直軸線とを更に有し、前記第2のレンズ系の前記少なくとも1つのレンズは、前記少なくとも1つの第2の光源からの光を前記所望のビームパターンの前記交点から±2°の範囲内に投射することができる、請求項1記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項15】
車両用のヘッドライトシステムであって、
第1の群をなす光源を有し、
前記第1の群をなす光源と作動的に関連した第1のレンズ系を有し、前記第1のレンズ系を通して放出された前記第1の群をなす光源からの光が、所望のビームパターンのスプレッド成分を生じさせ、
第2の群をなす光源を有し、
前記第2の群をなす光源と作動的に関連した少なくとも1つの光伝送デバイスを有し、
前記少なくとも1つの光伝送デバイスを通って前記第2の群をなす光源から伝送された光を受け取る第2のレンズ系を有し、前記第2の群をなす光源から放出された光は、前記少なくとも1つの光伝送デバイスによって前記第2のレンズ系に差し向けられ、前記少なくとも1つの光伝送デバイスを通って伝送されて前記第2のレンズ系を通過した光は、前記所望のビームパターンのホットスポット成分を形成する、車両用ヘッドライトシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの光伝送デバイスを支持するホルダと、
前記ホルダに連結され、前記少なくとも1つの光伝送デバイスを前記ホルダ上に位置決めするリテーナと、
基板とを更に有し、前記第2の群をなす光源は、前記基板に取り付けられ、前記ホルダは、前記第2の群をなす光源に近接して前記基板に取り付けられている、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光伝送デバイスは、複数本の光パイプを更に有し、前記複数本の光パイプの各々は、前記第2の群をなす光源の各々とそれぞれ整列し、前記複数本の光パイプは、前記第2の群をなす光源の各々からの光を受け取る、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項18】
前記第2の群をなす光源の各々は、発光ダイオード(LED)である、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項19】
前記第2の群をなす光源の一部分は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の高強度部分をもたらし、前記第2の群をなす光源の一部分は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の低強度部分を形成する、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項20】
前記第1のレンズ系は、複数個のレンズを更に有し、前記光源の第1の群は、光源の多数の群に更に分割され、前記光源の多数の群の各々は、互いに等しい数の光源を有し、前記光源の多数の群の各々は、基板に取り付けられ、前記第1のレンズ系の前記複数個のレンズの各々は、前記第1の群をなす光源から選択された1つの光源と作動的に関連している、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項21】
前記複数個のレンズの1つのレンズは、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の高強度部分を形成するよう前記多数の群をなす光源の1つの光源と作動的に関連し、前記第1のレンズ系の前記レンズの少なくとも2つは、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の低強度部分を形成するよう前記多数の群をなす光源の各々と作動的に関連している、請求項20記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項22】
前記第1のレンズ系は、少なくとも1つのD光学部品を更に有する、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項23】
前記第1の群をなす光源及び前記第2の群をなす光源の各々は、発光ダイオード(LED)を更に含む、請求項15記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項24】
車両用のヘッドライトシステムであって、
第1の一連の発光ダイオードを有し、
前記第1の一連の発光ダイオードと作動的に関連した複数個のレンズを有し、前記第1の一連の発光ダイオードからの前記複数個のレンズを通過した光が、所望のビームパターンのスプレッド成分を形成し、
第2の一連の発光ダイオードを有し、
前記第2の一連の発光ダイオードと作動的に関連した一連の光伝送デバイスを有し、
前記一連の光伝送デバイスからの光を受け取る少なくとも1つのレンズを有し、前記一連の光伝送デバイスからの前記少なくとも1つのレンズを通過した光が、前記所望のビームパターンのホットスポット成分を形成するようになっている、車両用ヘッドライトシステム。
【請求項25】
前記第2の一連の発光ダイオードを支持する基板と、
前記基板に取り付けられ、前記一連の光伝送デバイスを支持するようになったホルダと、
前記ホルダに連結されたリテーナとを更に有し、前記リテーナは、前記一連の光伝送デバイスを前記第2の一連の発光ダイオードに対して近接関係をなして位置決めしている、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項26】
前記一連の光伝送デバイスは、複数本の光パイプを更に有し、前記複数本の光パイプの各々は、前記第2の一連の発光ダイオードの各々から光を受け取る、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項27】
前記複数個のレンズの各々は、前記第1の一連の発光ダイオードの各々とそれぞれ整列する、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項28】
前記第1の一連の発光ダイオードは、発光ダイオードの3つの群の状態に均等に分割された9個の発光ダイオードで構成される、請求項27記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項29】
前記発光ダイオードの3つの群の1つに属する前記3つの発光ダイオードの2つは、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の低強度部分をもたらし、前記発光ダイオードの3つの群の1つに属する前記3つの発光ダイオードの1つは、前記所望のビームパターンの前記スプレッドビーム成分の高強度部分をもたらす、請求項28記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項30】
前記複数個のレンズの各々は、D光学部品を更に含む、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項31】
前記第1の一連の発光ダイオードの一部分は、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の高強度部分を形成し、前記第1の一連の発光ダイオードの一部分は、前記所望のビームパターンの前記スプレッド成分の低強度部分を形成する、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。
【請求項32】
前記第2の一連の発光ダイオードの一部分は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の高強度部分を形成し、前記第2の一連の発光ダイオードの一部分は、前記所望のビームパターンの前記ホットスポット成分の低強度部分を形成する、請求項24記載の車両用ヘッドライトシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−272307(P2009−272307A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111887(P2009−111887)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(501241575)マグナ インターナショナル インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】