説明

フィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドと真空吸着方法

【課題】フィルム密封ワークを対象とし、あらかじめフィルムの吸着部に穴や切り込みを設けておく必要がなく、別個に切り込み用の装置が不要であり、ばら積みの場合でも、ワークの姿勢にかかわらず把持ができるフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドと真空吸着方法を提供する。
【解決手段】搬送ロボット2のハンド取付部2aに取り付けられフィルム密封ワーク1の外面を真空吸着する真空吸着カップ12と、真空吸着カップ12により吸着されたフィルム密封ワーク1のフィルム1aに穿孔するフィルム穿孔装置20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気密性のフィルムで包囲され接合部が密封されたフィルム密封ワークを把持し搬送するため真空吸着ハンドと真空吸着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願において、「フィルム密封ワーク」とは、ポリエチレンフィルムなどの気密性のフィルムで包囲され、接合部をヒートシールなどによって密封したワークを意味する。
【0003】
このようなフィルム密封ワークを、ロボットを用いて把持し搬送する場合に、ワークを把持するロボットハンドとして、真空吸着装置を用いる場合、真空吸着装置が接する部分は減圧するため、その部分のフィルムがドーム状に膨れて変形し、特にワークが重量物である場合にはフィルムがワークの重量に耐え切れずに破壊してワークが落下してしまうおそれがある。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、例えば特許文献1が既に提案されている。
【0005】
図1は、特許文献1の吸着搬送装置の模式図である。この図において、51は包装フィルム、52は被搬送物、53は吸着装置、54は吸着面、55は切り込み部、56は吸着口、57は柔軟性材、58は網体である。
特許文献1は、上述したフィルム密封ワーク(包装フィルム52+包装フィルム51)を吸着搬送する際、フィルム51を破かないために、あらかじめフィルム51の吸着部に曲線状の切り込み55を形成し、その面を吸着してフィルム51内の空気を吸引しつつワークを吸着するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3063270号公報、「吸着搬送装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、あらかじめ吸着装置53が接するフィルム51の吸着部に曲線状の切り込み55を設けておく必要があり、切り込み用の装置が別途必要となる。
また、あらかじめ設けた切り込み55を含むその周辺に吸着装置53を位置決めする必要がある。
そのため、ワークの任意の場所を把持することはできず、ワークがばら積みの場合、ワークの姿勢によっては把持できない場合がある。
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、フィルム密封ワークを対象とし、あらかじめフィルムの吸着部に穴や切り込みを設けておく必要がなく、別個に切り込み用の装置が不要であり、ばら積みの場合でも、ワークの姿勢にかかわらず把持ができるフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドと真空吸着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、気密性のフィルムで包囲され接合部が密封されたフィルム密封ワークを把持し搬送するためのフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドであって、
搬送ロボットのハンド取付部に取り付けられフィルム密封ワークの外面を真空吸着する真空吸着カップと、
該真空吸着カップにより吸着されたフィルム密封ワークのフィルムに穿孔するフィルム穿孔装置と、を備えたことを特徴とするフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドが提供される。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記真空吸着カップは、一端に開口部を有し、該開口部でフィルム密封ワークの外面を部分的に囲みその内側を真空状態に保持可能なカップ状部材と、
前記開口部から所定の間隔を隔てて前記カップ状部材の内側を気密に仕切り、かつ少なくとも1つの連通穴を有するフィルム支持プレートと、を有し、
前記フィルム穿孔装置は、真空吸着カップにより吸着され前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する。
【0011】
また、前記フィルム穿孔装置は、フィルム支持プレートの前記連通穴に対して先端が出没可能な針状部材と、該針状部材を前記連通穴に対して前後進させるアクチュエータとからなる。
【0012】
また本発明によれば、気密性のフィルムで包囲され接合部が密封されたフィルム密封ワークを把持し搬送するためのフィルム密封ワーク用の真空吸着方法であって、
搬送ロボットのハンド取付部に取り付けられた真空吸着カップにより、フィルム密封ワークの外面を真空吸着し、
フィルム穿孔装置により、真空吸着カップにより吸着されたフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する、ことを特徴とするフィルム密封ワーク用の真空吸着方法が提供される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記真空吸着カップは、一端に開口部を有し、該開口部でフィルム密封ワークの外面を部分的に囲みその内側を真空状態に保持可能なカップ状部材と、
前記開口部から所定の間隔を隔てて前記カップ状部材の内側を気密に仕切り、かつ少なくとも1つの連通穴を有するフィルム支持プレートと、を有し、
前記フィルム穿孔装置は、真空吸着カップにより吸着され前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムを穿孔する。
【0014】
フィルム支持プレートの前記連通穴に対して先端が出没可能な針状部材を、後退位置から前記連通穴に対して前進させて、前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明の装置及び方法によれば、搬送ロボットのハンド取付部に取り付けられた真空吸着カップにより、フィルム密封ワークの外面を真空吸着し、フィルム穿孔装置により、真空吸着カップにより吸着されたフィルム密封ワークのフィルムに穿孔するので、この穿孔による貫通孔(穿孔孔)を通してフィルム密封ワークの内部を減圧し、ワークを確実に吸着することができる。
従って、フィルム密封ワークを対象とする場合でも、あらかじめフィルムの吸着部に穴(開口)を設けておく必要がなく、別個に切り込み用の装置が不要であり、ばら積みの場合でも、ワークの姿勢にかかわらず把持ができる。
また、フィルム穿孔装置を作動させないだけで、フィルム密封ワーク以外のワークも確実に吸着することができる。
【0016】
また、本発明の実施形態によれば、前記真空吸着カップが、カップ状部材とフィルム支持プレートとからなり、フィルム支持プレートは、カップ状部材の内側を気密に仕切りかつ少なくとも1つの連通穴を有するので、真空吸着カップにより吸着され前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムに前記フィルム穿孔装置により穿孔するので、フィルム密封ワークの内部のワークへの穿孔を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】特許文献1の吸着搬送装置の模式図である。
【図2】本発明の真空吸着ハンドを備えたワーク搬送装置の全体構成図である。
【図3】本発明による真空吸着ハンドの構成図である。
【図4】本発明による真空吸着方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図2は、本発明の真空吸着ハンドを備えたワーク搬送装置の全体構成図である。
この図において、1はワーク、2は搬送ロボット、4はハンド制御部、5はロボット制御部、6は総括処理部、7はロボット制御装置、10は本発明の真空吸着ハンドである。
ロボット制御装置7はロボット制御部5と総括処理部6からなる。
【0020】
ワーク1は、被搬送物が気密性のフィルム1aで包囲され、その接合部が密封されたものである。フィルム1aで包囲された被搬送物は、単品でも複数でもよい。以下、このようなワーク1を本出願では、「フィルム密封ワーク」又は単に「ワーク」と呼ぶ。
この図において、フィルム密封ワーク1は、所定の台8の上に載せられている。なお、台上のワーク1は、単品に限定されず、隣接して複数をバラ積みしてもよい。台8は、固定されている必要はなく、例えばコンベア装置等であってもよい。
【0021】
搬送ロボット2は、例えば多関節3次元ロボットであり、真空吸着ハンド10を所定のワーキングエリア内で6自由度の位置及び姿勢を制御できるようになっている。なお、搬送ロボット2は、多関節3次元ロボットに限定されず、その他のロボットであってもよい。
真空吸着ハンド10は、搬送するワーク1の外面を吸着して、1つずつ持ち上げ、別の位置まで搬送するようになっている。
【0022】
ハンド制御部4は、総括処理部6から受信する把持指令9aに応じて真空吸着ハンド10に制御信号を出力し、真空吸着ハンド10から作動状態を示す作動信号を受信してこれを総括処理部6へ送信する。
なおハンド制御部4は必須ではなくこれを省略し、その機能を総括処理部6に含ませてもよい。
【0023】
ロボット制御部5は、総括処理部6から受信したワーク1の位置と姿勢に基づき、搬送ロボット2を制御し、真空吸着ハンド10によりワーク1の外面を吸着して、1つずつ持ち上げ、別の位置まで保持して搬送する。
【0024】
総括処理部6は、本発明の箱状ワーク認識装置10から受信したワークの作動信号をロボット制御部5に送信する。
ロボット制御部5と総括処理部6は、この例ではPC(コンピュータ)である。なお、ロボット制御部5と総括処理部6を同一のPCで構成しても、それぞれ独立のPCで構成してもよい。
【0025】
図3は、本発明による真空吸着ハンドの構成図である。この図において、本発明の真空吸着ハンド10は、フィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドであり、ロボット取付フランジ12、フレーム14、真空吸着カップ16、及びフィルム穿孔装置20からなる。
ロボット取付フランジ12は、搬送ロボット2のハンド取付部2aに取り付けられ、搬送ロボット2により所定のワーキングエリア内で6自由度の位置及び姿勢が制御される。
フレーム14は、ロボット取付フランジ12に固定された真空吸着ハンド10の本体であり、ロボット取付フランジ12と共に一体的に移動する。
【0026】
真空吸着カップ16は、搬送ロボット2のハンド取付部2aに取り付けられ、フィルム密封ワーク1の外面を真空吸着する。
【0027】
この例において、真空吸着カップ16は、カップ状部材17とフィルム支持プレート18を有する。
【0028】
カップ状部材17は、リング状部材17aと平板17bとからなり、一端(図で下端)にリング状部材17aで囲まれた開口部17cを有する。リング状部材17aと平板17bで囲まれた空間には、真空吸引管19が連通しており、図示しない真空装置によりリング状部材17aと平板17bで囲まれた空間を真空状態に減圧できるようになっている。
なお、本出願における真空状態とは、ワークを吸引して安定して把持できる程度の真空度を意味する。
上述した構成により、真空吸着カップ16は、開口部17cでフィルム密封ワーク1の外面を部分的に囲み、その内側を真空状態に保持できるようになっている。
【0029】
フィルム支持プレート18は、開口部17cから所定の間隔h(図では上下方向の距離)を隔ててカップ状部材17の内側を気密に仕切っている。また、フィルム支持プレート18は、少なくとも1つの連通穴18aを有する。連通穴18aは、この例では、4つの円形穴であるが、個数及び形状はこれに限定されない。
間隔hは、フィルム穿孔装置20により、真空吸着カップ16により吸着され連通穴18aを通して連通穴18aの内部又はフィルム支持プレート18の上側に突出したフィルム密封ワーク1のフィルム1aに穿孔する際に、フィルム密封ワーク1の内部のワークへの穿孔を確実に防止するように設定されている。
【0030】
図3において、フィルム穿孔装置20は、フィルム支持プレート18の連通穴18aに対して先端が出没可能な針状部材21と、針状部材21を連通穴18aに対して前後進させるアクチュエータ22と、シール部材23とからなる。
【0031】
針状部材21の先端21aは、真空吸着カップ16により吸着され連通穴18aを通して内部(フィルム支持プレート18の上側)に突出したフィルム密封ワーク1のフィルム1aに確実に穿孔するように鋭利に形成されている。針状部材21はこの例では、連通穴18aの数(4つの円形穴)に対応して4本設けられているが、連通穴18aの数よりも少なくてもよい。
アクチュエータ22は、例えば、電動アクチュエータ又は空気圧アクチュエータ(空圧シリンダ)であり、針状部材21を連通穴18aに対して前後進させる。この場合、後退位置では、針状部材21の先端21aが連通穴18aより上方に位置し、前進位置では、先端21aが連通穴18aより下方に位置するのがよい。
シール部材23は、この例では、平板17bと針状部材21の間に設けられ、平板17bを貫通する針状部材21の周囲を気密に保持する。
【0032】
なお、フィルム穿孔装置20はこの例に限定されず、フィルム密封ワーク1のフィルム1aに確実に穿孔できる限りで他の構成であってもよい。
他の構成としては、かみそりのように鋭利な刃物を、フィルム支持プレート18の上面又は下面に沿って図で水平に移動させる機構、或いは、針状部材21の先端にヒータを設け、フィルム1aを熱で溶して穿孔する機構、等が可能である。
このような機構を採用した場合、上述した間隔hは、フィルム密封ワーク1の内部のワークへの穿孔を確実に防止できる限りで、任意に設定することができる。
【0033】
図4は、本発明による真空吸着方法の説明図である。
この図において、(A)はワークに接触状態、(B)はフィルム吸着状態、(C)はフィルム穿孔状態、(D)は吸着開始状態、(E)は吸着完了状態、(F)は搬送状態を示している。本発明の真空吸着方法では、(A)〜(F)の順でワークを把持し搬送する。
【0034】
ワークに接触状態(A)では、搬送ロボット2のハンド取付部2aに取り付けられた真空吸着カップ16の開口部17cをフィルム密封ワーク1の外面に接触させ、真空吸着カップ16により、フィルム密封ワーク1の外面を真空吸着する。
この真空吸着により、フィルム密封ワーク1のフィルム1aが、真空吸着カップ16により吸着され、フィルム支持プレート18の連通穴18aを通して連通穴18aの内部又はフィルム支持プレート18の上側に突出する(フィルム吸着状態(B))。
【0035】
フィルム吸着状態(B)において、フィルム支持プレート18の連通穴18aに対して先端21aが出没可能な針状部材21を、後退位置から連通穴18aに対して前進させて、連通穴18aを通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワーク1のフィルム1aに穿孔する(フィルム穿孔状態(C))。
フィルム1aに穿孔後、針状部材21を後退位置に戻す(上昇させる)(吸着開始状態(D))。
この穿孔による貫通孔(穿孔孔)を通してフィルム密封ワーク1の内部が減圧され、フィルム密封ワーク1の下面に大気圧が作用し、ワークを確実に吸着する(吸着完了状態(E))。
搬送状態(F)では、吸着完了状態(E)のままワークを搬送し、その後、真空吸着を解除し、フィルム密封ワーク1の内部を大気圧に戻すことにより、ワークをその位置に移載することができる。
【0036】
上述した本発明の装置及び方法によれば、搬送ロボット2のハンド取付部2aに取り付けられた真空吸着カップ16により、フィルム密封ワーク1の外面を真空吸着し、フィルム穿孔装置20により、真空吸着カップ16により吸着されたフィルム密封ワーク1のフィルム1aに穿孔するので、この穿孔による貫通孔(穿孔孔)を通してフィルム密封ワーク1の内部を減圧し、ワーク1を確実に吸着することができる。
従って、フィルム密封ワーク1を対象とする場合でも、あらかじめフィルム1aの吸着部に穴(開口)を設けておく必要がなく、別個に切り込み用の装置が不要であり、ばら積みの場合でも、ワークの姿勢にかかわらず把持ができる。
また、フィルム穿孔装置を作動させないだけで、フィルム密封ワーク以外のワークも確実に吸着することができる。
【0037】
また、上述した実施形態によれば、真空吸着カップ16により吸着され連通穴18aを通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワーク1のフィルム1aにフィルム穿孔装置20により穿孔するので、フィルム密封ワーク1の内部のワークへの穿孔を確実に防止することができる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 フィルム密封ワーク(ワーク)、1aフィルム、
2 搬送ロボット、2a ハンド取付部、
4 ハンド制御部、5 ロボット制御部、
6 総括処理部、7 ロボット制御装置、8 台、
10 真空吸着ハンド、12 ロボット取付フランジ、
14 フレーム、16 真空吸着カップ、
17 カップ状部材、17a リング状部材、
17b 平板、17c 開口部、
18 フィルム支持プレート、18a 連通穴、
19 真空吸引管、20 フィルム穿孔装置、
21 針状部材、21a 先端、22 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密性のフィルムで包囲され接合部が密封されたフィルム密封ワークを把持し搬送するためのフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンドであって、
搬送ロボットのハンド取付部に取り付けられフィルム密封ワークの外面を真空吸着する真空吸着カップと、
該真空吸着カップにより吸着されたフィルム密封ワークのフィルムに穿孔するフィルム穿孔装置と、を備えたことを特徴とするフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンド。
【請求項2】
前記真空吸着カップは、一端に開口部を有し、該開口部でフィルム密封ワークの外面を部分的に囲みその内側を真空状態に保持可能なカップ状部材と、
前記開口部から所定の間隔を隔てて前記カップ状部材の内側を気密に仕切り、かつ少なくとも1つの連通穴を有するフィルム支持プレートと、を有し、
前記フィルム穿孔装置は、真空吸着カップにより吸着され前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンド。
【請求項3】
前記フィルム穿孔装置は、フィルム支持プレートの前記連通穴に対して先端が出没可能な針状部材と、該針状部材を前記連通穴に対して前後進させるアクチュエータとからなる、ことを特徴とする請求項2に記載のフィルム密封ワーク用の真空吸着ハンド。
【請求項4】
気密性のフィルムで包囲され接合部が密封されたフィルム密封ワークを把持し搬送するためのフィルム密封ワーク用の真空吸着方法であって、
搬送ロボットのハンド取付部に取り付けられた真空吸着カップにより、フィルム密封ワークの外面を真空吸着し、
フィルム穿孔装置により、真空吸着カップにより吸着されたフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する、ことを特徴とするフィルム密封ワーク用の真空吸着方法。
【請求項5】
前記真空吸着カップは、一端に開口部を有し、該開口部でフィルム密封ワークの外面を部分的に囲みその内側を真空状態に保持可能なカップ状部材と、
前記開口部から所定の間隔を隔てて前記カップ状部材の内側を気密に仕切り、かつ少なくとも1つの連通穴を有するフィルム支持プレートと、を有し、
前記フィルム穿孔装置は、真空吸着カップにより吸着され前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムを穿孔する、ことを特徴とする請求項4に記載のフィルム密封ワーク用の真空吸着方法。
【請求項6】
フィルム支持プレートの前記連通穴に対して先端が出没可能な針状部材を、後退位置から前記連通穴に対して前進させて、前記連通穴を通して内部又は上部に突出したフィルム密封ワークのフィルムに穿孔する、ことを特徴とする請求項5に記載のフィルム密封ワーク用の真空吸着方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−240750(P2010−240750A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88748(P2009−88748)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】