説明

フロントフォーク

【課題】 最伸長時における長さを規制する規制構造がアウターチューブとインナーチューブとの間における摺動性を阻害しないようにする。
【解決手段】 アウターチューブ1内に入出可能に挿通されたインナーチューブ2がアウターチューブ1内から最突出するときの突出位置を規制する規制構造がアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に配設されるスライドメタルMと、スライドメタルMに当接可能とされるストッパ部材11,21とを有し、スライドメタルMがインナーチューブ2の外周あるいはアウターチューブ1の内周に摺接する摺接部M1と、ストッパ部材を当接させる当接端部M2とを有し、この当接端部M2の内周側部あるいは外周側部が対向するインナーチューブの外周あるいはアウターチューブの内周との間に隙間bを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フロントフォークに関し、特に、二輪車の前輪側に一対に装備されるフロントフォークの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二輪車の前輪側に一対に装備されるフロントフォークにあって、一方のフロントフォークがダンパを内蔵するのに対して、他方のフロントフォークがダンパを内蔵せずして懸架バネだけを内装することがある。
【0003】
ダンパを内蔵するフロントフォークにあっては、シリンダ体内に収装されてロッド体の伸側ストロークに追随する伸び切りバネと、シリンダ体の開口端部に配設されて伸び切りバネに対向するロッドガイドとからなる伸び切り構造によってダンパにおける最伸長時の長さを規制することで、フロントフォークの最伸長時の長さを規制する(特許文献1参照)。
【0004】
それに対して、ダンパを内蔵せずして懸架バネだけを内装するフロントフォークにあっては、たとえば、図4に示すように、アウターチューブ1の内周に形成の段部1sと、インナーチューブ2の上端部の外周に保持されて段部1sに対向するストッパ部材21とからなる規制構造を有する。
【0005】
ちなみに、ストッパ部材21は、ストップリング22でインナーチューブ2の上端部の外周に定着され、スライドメタルMは、アウターチューブ1の内周に保持されて段部1sに直列すると共に内周にインナーチューブ2の外周を摺接させて軸受として機能し、懸架バネSは、上端が上方バネ受S1の下端部に係止されてフロントフォークを伸長方向に附勢する。
【0006】
それゆえ、この図4に示す提案によれば、ダンパを内蔵せずして懸架バネSだけを内装するフロントフォークにあって、アウターチューブ内に入出可能に挿通されるインナーチューブがアウターチューブ内から大きいストロークで突出する最伸長時に、ストッパ部材21が段部1sに当接して、最伸長状態になってもなおインナーチューブがアウターチューブ内からさらに突出する伸長作動を阻止して、フロントフォークの最伸長時の長さを規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−132401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した図4に示す規制構造にあっては、フロントフォークの最伸長時の長さを規制し得る点で、基本的に問題がある訳ではないが、その実施に際して、些か不具合があると指摘される可能性がある。
【0009】
すなわち、近年のフロントフォークにあっては、全体重量の軽減化の一環として、アウターチューブ1をアルミ材で形成することがあるが、上記の規制構造にあって、ストッパ部材21は、従前通り、鉄材からなる。
【0010】
それゆえ、フロントフォークが最伸長作動を繰り返すと、鉄材からなるストッパ部材21とアルミ材からなる段部1sとが当接を繰り返し、したがって、アルミ材からなる段部1sが歪変形することが危惧される。
【0011】
そして、段部1sの歪変形が段部1sの内周側部に出現する場合には、この変形した段部1sの内周側部がインナーチューブ2の外周に干渉する危惧があり、実際に干渉する場合には、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性が阻害される。
【0012】
この発明は、上記した現状を鑑みて創案されたものであって、最伸長時における長さを規制する規制構造がアウターチューブとインナーチューブとの間における摺動性を阻害しないフロントフォークを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、アウターチューブと、このアウターチューブ内に入出可能に挿通されるインナーチューブと、上記アウターチューブ内から突出する上記インナーチューブの最突出長さを規制する規制構造とを有してなるフロントフォークにおいて、上記規制構造が上記アウターチューブの内周あるいは上記インナーチューブの外周に保持されるスライドメタルと、上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周に保持されて上記スライドメタルに対向するストッパ部材とを有すると共に、上記インナーチューブが上記アウターチューブ内から最突出するときに上記スライドメタルと上記ストッパ部材とを当接させる一方で、上記スライドメタルが上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周に摺接する摺接部と、上記ストッパ部材を当接させる当接端部とを有し、この当接端部の内周側部あるいは外周側部が対向する上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周との間に隙間を有してなるとする。
【0014】
それゆえ、この発明にあっては、フロントフォークが最伸長状態になる前の通常の伸長状態にあるときには、規制構造を構成するスライドメタルとストッパ部材とが当接せずしてフロントフォークの伸長作動を妨げない。
【0015】
それに対して、インナーチューブがアウターチューブ内から最突出するときには、規制構造を構成するストッパ部材とスライドメタルとが当接して、インナーチューブがアウターチューブ内からさらに突出することが阻止され、フロントフォークにおける最伸長時長さが規制される。
【0016】
そして、フロントフォークにおいてアウターチューブ内からインナーチューブが大きいストロークで最突出する作動が繰り返されると、規制構造を構成するストッパ部材とスライドメタルとの当接が繰り返され、したがって、スライドメタルにおけるストッパ部材を当接させる当接端を有する当接端部の内周側部あるいは外周側部が歪変形する可能性がある。
【0017】
そしてまた、ストッパ部材とスライドメタルとの当接の繰り返しでスライドメタルにおける当接端部の内周側部あるいは外周側部が歪変形する場合、この内周側部あるいは外周側部があらかじめインナーチューブの外周あるいはアウターチューブの内周からこの内周側部あるいは外周側部の歪変形を許容する隙間を有して離れてなるから、当接端部の内周側部あるいは外周側部が歪変形しても、この内周側部あるいは外周側部とインナーチューブの外周あるいはアウターチューブの内周との間に形成される隙間が歪変形を許容する逃げ部になり、歪変形した内周側部あるいは外周側部がインナーチューブの外周あるいはアウターチューブの内周に干渉しない。
【発明の効果】
【0018】
その結果、この発明によれば、インナーチューブのアウターチューブ内からの最突出長さを規制する規制構造にあって、スライドメタルが当接端部の内周側部あるいは外周側部を歪変形させるとしても、この歪変形した内周側部あるいは外周側部がインナーチューブの外周あるいはアウターチューブの内周に干渉しなくなり、アウターチューブとインナーチューブとの間における摺動性を阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態によるフロントフォークを最収縮状態で上下に分割して示す正面半截縦断面図である。
【図2】図1のフロントフォークにおける要部を拡大して示す部分半截縦断面図で、(A)は、フロントフォークが最収縮状態にあるときの要部を示し、(B)は、フロントフォークが最伸長状態にあるときの要部を示す。
【図3】この発明の他の実施形態によるフロントフォークを図2と同様に示す図である。
【図4】従来例とされる規制構造を備えるフロントフォークにおける要部を図2(B)と同様に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークは、二輪車の前輪側に一対に装備されるフロントフォークにおける一方のフロントフォークとされる。このことから、以下の説明では、要する場合に、この発明によるフロントフォークを一方のフロントフォークと称する。
【0021】
そして、この一方のフロントフォークは、図1に示すように、車体側チューブとされるアウターチューブ1と、車輪側チューブとされるインナーチューブ2とからなるフォーク本体内にダンパを有せずして懸架バネSを有する。
【0022】
ところで、この一方のフロントフォークにあって、フォーク本体は、アウターチューブ1内にインナーチューブ2を挿通するテレスコピック型に設定されて伸縮可能とされ、内装する伸長手段たる懸架バネSでインナーチューブ2がアウターチューブ1内から突出する方向に、すなわち、伸長方向に附勢される。
【0023】
また、この一方のフロントフォークは、二輪車の前輪側に装備されるのに際して、図示しないが、上端部が言わばダンパ内蔵型とされる他方のフロントフォークにおける上端部とブリッジ機構で一体化されて一対とされ、前輪を挟むようになる各フロントフォークの下端部が前輪の車軸を連結させて前輪を懸架する。
【0024】
ちなみに、図示しないが、ダンパ内蔵型とされる他方のフロントフォークは、車体側チューブとされるアウターチューブに対して車輪側チューブとされるインナーチューブが入出可能に挿通されてなるフォーク本体内の軸芯部にダンパを有し、このダンパは、たとえば、インナーチューブの軸芯部にシリンダ体を立設させ、アウターチューブの軸芯部に垂設されるロッド体の下端部たる先端部をシリンダ体内に入出可能に挿通させる。
【0025】
そして、この他方のフロントフォークにおけるダンパにあっては、シリンダ体内に摺動可能に収装のピストン体にロッド体の先端部を連結させ、フォーク本体の伸縮作動時にシリンダ体に対してロッド体が入出して伸縮作動し、この伸縮作動時に、たとえば、ピストン体に設けた減衰部による減衰作用をする。
【0026】
ところで、上記のブリッジ機構は、図示しないが、一対となるフロントフォークを構成する各アウターチューブにおける上端部に連結され、各アウターチューブの上端部における上方側部に連結されるアッパーブラケットと下方側部に連結されるアンダーブラケットとを有し、アッパーブラケットおよびアンダーブラケットが両端部に形成の取り付け孔にそれぞれアウターチューブの上端部を挿通させて一体的に把持する。
【0027】
また、このブリッジ機構は、同じく図示しないが、アッパーブラケットとアンダーブラケットとを一体的に連結する縦方向に配設の一本のステアリングシャフトを有し、このステアリングシャフトが二輪車における車体の先端部を構成する同じく縦方向に配設のヘッドパイプ内に回動可能に導通され、これによって、一対のフロントフォークが二輪車の前輪側で前輪を挟むようにして左右方向に転舵可能とされる。
【0028】
なお、図示する一方のフロントフォークにあって、インナーチューブ2の下端開口は、ボトム部材3で閉塞されるが、このボトム部材3は、キャリパ部3aを有してブレーキ機構(図示せず)などの保持を可能にする一方で、他方のフロントフォークにおけるボトム部材と共に前輪における車軸を連結させて、インナーチューブ2の下端部に前輪を懸架させる。
【0029】
と言うのも、この発明にあって、一方のフロントフォークは、フォーク本体内にダンパを有せずして懸架バネSを有し、かつ、この懸架バネSの長さも後述するように必要最小限度にして、フォーク本体における全体重量の軽減化を可能にしている。
【0030】
それに対して、他方のフロントフォークは、フォーク本体内にダンパを有し、また、ダンパを作動させるための作動流体も有するから、一方のフロントフォークに比較して、全体重量を大きくする、逆に言えば、一方のフロントフォークは、他方のフロントフォークより全体重量を少なくして、言わばバランスが取れない状態になる。
【0031】
そこで、この発明にあっては、ダンパを内蔵しない一方のフロントフォークにおけるボトム部材3は、キャリパ部3aを有してブレーキ機構の保持を可能にし、ブレーキ機構の保持で重量不足を補い、他方のフロントフォークとの間で重量バランスを取れるようにしている。
【0032】
このことからすると、一方のフロントフォークに対して他方のフロントフォークの方が重量で軽くなる設定の場合には、上記のキャリパ部3aが一方のフロントフォークに設けられずして、他方のフロントフォークに設けられるとしても良い。
【0033】
一方、図示する一方のフロントフォークは、大径となるアウターチューブ1を車体側チューブにすると共に、小径となるインナーチューブ2を車輪側チューブにする倒立型に設定されている。
【0034】
しかしながら、この発明が意図するところからすると、フォーク本体がダンパを内蔵することを必須にしないから、たとえば、作動流体における液面云々を言われることがなく、一方のフロントフォークが上記した倒立型と逆の構成、すなわち、大径となるアウターチューブを車輪側チューブにすると共に、小径となるインナーチューブを車体側チューブにする正立型に設定されても良い。
【0035】
そして、図示する一方のフロントフォークにあっては、フォーク本体が伸長手段たる懸架バネSを内装し、この懸架バネSの附勢力でアウターチューブ1内からインナーチューブ2が突出する伸長方向に附勢される。
【0036】
ところで、凡そフロントフォークにあって、フォーク本体内に懸架バネを収装する場合には、この懸架バネの上下端がしかるべき部位に係止され担持される。この懸架バネの上下端がしかるべき部位に係止され担持される点に関しては、図示する一方のフロントフォークにあっても同様であるが、このとき、懸架バネSをいたずらに長尺に設定することによる不具合、たとえば、重量の増大や収縮作動時における座屈現象の発生を回避する上からは、適宜の長さに設定されるのが好ましい。
【0037】
そこで、図示する一方のフロントフォークにあっても、選択された長さの懸架バネSをフォーク本体内に収装するが、このとき、フォーク本体は、懸架バネSを上下方向から挟むようにする上方バネ受S1および下方バネ受S2を有してなる。
【0038】
すなわち、図示する一方のフロントフォークにあって、懸架バネSの上端は、上方バネ受S1の下端部に係止され、懸架バネSの下端は、下方バネ受S2の上端部に担持される。
【0039】
このとき、上方バネ受S1および下方バネ受S2は、懸架バネSの長さを好ましい長さに設定する上で、図中で上下方向となる一方のフロントフォークの伸縮方向沿う軸線方向の長さが適宜に設定されることが肝要となる。
【0040】
そして、図示するところでは、詳しくは図示しないが、特に、下方バネ受S2は、一方のフォーク本体内に収容される潤滑作動のための作動流体の収容量を削減するために、内部にエアを封入するタンク構造に形成されてなる。
【0041】
ちなみに、一方のフォーク本体内に収容の作動流体における液面Oは、このフォーク本体の伸縮作動時にこのフォーク本体内で昇降し、このとき、インナーチューブ2に開穿の連通孔2aを介して作動流体がアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に出現する隙間aに流入し、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における潤滑性を保障する。
【0042】
そして、上記の隙間a、すなわち、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間の隙間aは、アウターチューブ1の内周に離間して保持される上方の軸受として機能する後述のスライドメタル10と下方の軸受4とで画成される。
【0043】
以上からすると、上記の下方バネ受S2については、これが内部にエアを封入するタンク構造に形成されることが効果的となるが、作動流体の収容量の削減を可能にする限りには、単に空洞に形成されるなど任意に構成されて良く、内部にエアを封入するタンク構造に形成されることが必須要件ではない。
【0044】
そして、上方バネ受S1については、これが一方のフォーク本体内で上端側に配在されることからすると、一方のフォーク本体が図示するように最収縮状態になる場合にも、下端がフォーク本体内に収容の作動流体における液面Oの上方に位置決められるであろうから、これが下方バネ受S2のように内部にエアを封入するタンク構造に形成されることは必須要件ではない。
【0045】
ただ、一方のフロントフォークにあって、フォーク本体内における液面Oの上方は、大気を封入する気室Aとされて、この気室Aが下方にある液面Oの昇降の際に膨縮して、エアバネ力を発生することからすると、いたずらに大きく形成されるよりは、小さく形成される方が好ましく、この観点からして、この上方バネ受S1についても、内部にエアを封入するタンク構造あるいは空洞構造に形成されるのが好ましい。
【0046】
なお、上方バネ受S1の上端は、アウターチューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材6の下端軸芯部に嵌装され、下方バネ受S2の下端は、前記したボトム部材3の内底に着座する。
【0047】
そして、上方バネ受S1の下端部は、懸架バネSの縮径加工された上端部に導通されると共に、下方バネ受S2の上端部も、同じく懸架バネSの縮径加工された下端部に導通されて、懸架バネSにおける一方のフォーク本体に対する同芯性を保障する。
【0048】
また、アウターチューブ1の下端開口部は、シールケース部とされて、内周には、内周がインナーチューブ2の外周に摺接するオイルシール5aおよびダストシール5bが保持され、各シール5a,5bによって所定のシール機能の発揮が保障される。
【0049】
なお、前記した気室Aは、所定のエアバネ力を発揮する限りには、所定の不活性ガスなどを収容するガス室とされても良く、また、この気室Aなりガス室における圧力を外部操作などで高低制御し得るように構成されても良い。
【0050】
以上のような前提の下に、この発明による一方のフロントフォークは、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間に、この一方のフロントフォークにおける最伸長時の長さを規制する規制構造を設けてなる。
【0051】
そこで、以下には、この規制構造について説明するが、この規制構造は、アウターチューブ1内に入出可能に挿通されるインナーチューブ2がアウターチューブ1内から大きいストロークで最突出する最伸長時に、最伸長状態になってもなおインナーチューブ2がアウターチューブ1内からさらに突出する伸長作動、つまり、一方のフロントフォークにおける最伸長以上となる伸長作動を阻止する。
【0052】
そのため、この規制構造は、図1に示すところにあって、スライドメタルMと、ストッパ部材21とを有し、一方のフロントフォーク、つまり、一方のフォーク本体にあって、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が大きいストロークで抜け出るようになる最伸長時に、スライドメタルMとストッパ部材21とを当接させることで、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間におけるそれ以上の伸長作動を阻止して、一方のフロントフォークにおける最伸長時の長さを規制する。
【0053】
先ず、スライドメタルMは、図1に示す実施形態では、図2にも示すように、アウターチューブ1における所定の内周位置に軽圧入などで固定的に保持されて、すなわち、外周がアウターチューブ1の内周に密着する状態に保持されて、内周にインナーチューブ2の外周を摺接させる。
【0054】
ちなみに、スライドメタルMの配設位置についてであるが、フォーク本体が最伸長したときでもインナーチューブ2の外周への摺接を保障し得る位置とされるのはもちろんであるが、アウターチューブ1内にインナーチューブ2が大きいストロークで没入して、それ以上の収縮作動が阻止される最収縮時に、つまり、フォーク本体が最短となるときにも、前記した下方の軸受4との間で、もっとも大きいストロークを有することになるように配置される。
【0055】
そして、このスライドメタルMは、内周にインナーチューブ2の外周を摺接させるから、上記の軸受4と同様に、所定の摺動性を保障するために、また、インナーチューブ2の外周に対し傷付き現象を発現させないために、鉄材に比較すると軟質となる、たとえば、銅材からなる。
【0056】
このことから、この発明における規制構造にあっては、銅材からなるスライドメタルMと、鉄材からなるストッパ部材21とが当接を繰り返すと、鉄材に比較して軟らかい材料たる銅材からなるスライドメタルMが歪変形し易くなる。
【0057】
そして、スライドメタルMにあって、実質的にインナーチューブ2の外周に摺接する内周側部たる摺接部M1は、アウターチューブ1の内周に言わば密着される外周側部に比較して摺動性に優れるように、たとえば、PTFE樹脂の摺動層からなるとしても良い。
【0058】
このとき、スライドメタルMは、インナーチューブ2の外周に全周に亘って巻付くエンドレスに形成されても良いが、いわゆる割りを有して、その配設を容易にするように形成されても良い。
【0059】
一方、このスライドメタルMは、図2中で上端となり上方のストッパ部材21に対する対向端をストッパ部材21の当接を許容する当接端(符示せず)としており、この当接端を有する当接端部M2を有する。
【0060】
そして、このスライドメタルMにあって、当接端部M2は、その内周を適宜の隙間b、すなわち、当接端部M2における内周側部(符示せず)の歪変形を許容する隙間bを有して、インナーチューブ2の外周から離してなる。
【0061】
それゆえ、詳しくは後述するが、一方のフロントフォークにおいて最伸長作動が繰り返されると、ストッパ部材21とスライドメタルMにおける当接端との当接が繰り返され、したがって、スライドメタルMにおける当接端部M2の内周側部が歪変形する可能性がある。
【0062】
しかしながら、スライドメタルMは、当接端部M2の内周側部の歪変形をインナーチューブ2の外周に及ばせない隙間bを有して、当接端部M2の内周をインナーチューブ2の外周から離してなる。
【0063】
したがって、当接端部M2は、内周側部における歪変形を逃がす隙間bをインナーチューブ2の外周との間に有するから、当接端部M2の内周側部が歪変形しても、この歪変形の影響がインナーチューブ2の外周に及ばなくなり、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性を阻害しない。
【0064】
ところで、上記のスライドメタルMにあっては、当接端部M2に対して図2中にあってアウターチューブ1あるいはインナーチューブ2における軸線方向に沿う上下方向となる軸線方向の反対側部となる端部M3においても、内周が隙間cを有してインナーチューブ2の外周から離れてなる。
【0065】
そして、この端部M3とインナーチューブ2の外周との間に出現する隙間cは、上記した当接端部M2とインナーチューブ2との間に出現する隙間bと同じ隙間寸法を有してなる。
【0066】
これによって、このスライドメタルMをアウターチューブ1の内周に配設するのに際して、いわゆる天地を逆にする言うなれば誤組があっても、スライドメタルMの機能するところに差異を生じさせない、すなわち、言わば誤組対策となる。
【0067】
ストッパ部材21は、インナーチューブ2の上端部の外周に保持されて、図2中での下端をスライドメタルMの当接端に対向させる。このとき、ストッパ部材21は、インナーチューブ2の上端部の外周に介装されたストップリング22に下方からの上昇が阻止されるように係止される環状体からなる。
【0068】
そして、この環状体たるストッパ部材21は、図2(A)に示すように、インナーチューブ2の上端がアウターチューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材6の下端に当接するときでも、上端がこのキャップ部材6の下端に干渉せず、また、インナーチューブ2の昇降に同期して昇降するときにも、外周がアウターチューブ1の内周に干渉しない態勢にある。
【0069】
それゆえ、以上のように形成された規制構造にあっては、一方のフロントフォークが最収縮状態および最伸長状態になるとき以外の通常のストローク領域にあるときは、インナーチューブ2に保持されているストッパ部材21がアウターチューブ1に保持されているスライドメタルMに干渉せずして一方のフォーク本体の伸縮作動を妨げない。
【0070】
そして、図2(B)に示すように、一方のフロントフォークにあって、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が大きいストロークで突出するように最伸長作動すると、ストッパ部材21がスライドメタルMに当接され、つまり、ストッパ部材21とスライドメタルMとが当接され、インナーチューブ2のアウターチューブ1内からの突出、すなわち、一方のフロントフォークにおけるそれ以上の伸長作動が阻止され、このとき、規制構造によって一方のフロントフォークにおける最伸長時の長さが規制される。
【0071】
そしてまた、一方のフロントフォークにおいて最伸長作動が繰り返されると、ストッパ部材21とスライドメタルMとの当接が繰り返され、したがって、スライドメタルMにおけるストッパ部材21を当接させる当接端を有する当接端部M2が歪変形する可能性がある。
【0072】
そしてさらに、ストッパ部材21とスライドメタルMとの当接の繰り返しでスライドメタルMにおける当接端部M2が歪変形する場合、当接端部M2の内周があらかじめインナーチューブ2の外周から歪変形時の逃げとなる隙間bを有して離れてなるから、当接端部M2が歪変形しても、スライドメタルMにおける当接端部M2の内周がインナーチューブ2の外周に干渉しない。
【0073】
その結果、一方のフロントフォークにおいて、規制構造によって、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性が阻害されることがない。
【0074】
以上からすると、この発明による規制構造は、一方のフロントフォークが最伸長状態になるまでの通常の伸長状態にあるときに、一方のフロントフォークにおける伸縮作動を妨げない限りにおいて自由な構成を選択できる。
【0075】
図3は、上記した規制構造の他の実施形態を示すもので、この実施形態では、一方のフロントフォークにおいて、環状体からなるストッパ部材11がアウターチューブ1の内周にストップリング12の介装下に保持され、スライドメタルMがインナーチューブ2の上端部の外周に上下のストップリング23,24の配設下に保持される。
【0076】
そして、スライドメタルMにあっては、前記した実施形態における場合と同様に形成されてなるとし、具体的には、図3中で下端となり下方のストッパ部材11に対する対向端をストッパ部材11の当接を許容する当接端(符示せず)としており、この当接端を有する当接端部M2を有する。
【0077】
また、このスライドメタルMにあって、当接端部M2は、その外周を適宜の隙間b、すなわち、当接端部M2における外周側部(符示せず)の歪変形を許容する隙間bを有して、アウターチューブ1の内周から離してなる。
【0078】
それゆえ、詳しくは後述するが、フロントフォークにおいて最伸長作動が繰り返されると、ストッパ部材11とスライドメタルMにおける当接端との当接が繰り返され、したがって、スライドメタルMにおける当接端部M2が歪変形する可能性があるが、スライドメタルMは、歪変形をアウターチューブ1の内周に及ばせない言わば逃げとなる隙間bを有して当接端部M2の外周をアウターチューブ1の内周から離すから、当接端部M2が歪変形しても、当接端部M2の外周側部の外周がアウターチューブ1の内周に干渉せず、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性を阻害しない。
【0079】
ところで、この図3に示すスライドメタルMにあっても、当接端部M2に対して図3中にあって上下方向で反対側部となる端部M3も、外周が隙間cを有してアウターチューブ1の内周から離れてなる。
【0080】
そして、この端部M3とアウターチューブ1の内周との間に出現する隙間cは、上記した当接端部M2とアウターチューブ1との間に出現する隙間bと同じ隙間寸法を有する。
【0081】
これによって、このスライドメタルMをインナーチューブ2の外周に配設するのに際して、いわゆる天地を逆にする言うなれば誤組があっても、スライドメタルMの機能するところに差異を生じさせない、すなわち、言わば誤組対策となる。
【0082】
なお、上記の当接端部M2と端部M3との間は、前記したように、摺接部M1とされ、この摺接部M1の外周は、常時アウターチューブ1の内周に摺接する設定とされ、このことから、この摺接部M1の外周側部は、前記したように、たとえば、PTFE樹脂の摺動層からなるとしても良い。
【0083】
ちなみに、図示するところにあって、スライドメタルMの上端に隣設する言わば上方のストップリング23は、インナーチューブ2の上端部、すなわち、スライドメタルMの上方となる部位にあって、インナーチューブ2の外周に介装され、図3(A)に示すように、一方のフォーク本体が最収縮状態となって、インナーチューブ2の上端がアウターチューブ1の上端開口を閉塞するキャップ部材6の下端に当接するときでも、このキャップ部材6の下端に干渉せず、また、インナーチューブ2の昇降に同期して昇降するときにも、外周がアウターチューブ1の内周に干渉しない態勢にある。
【0084】
また、スライドメタルMの下端に隣設する言わば下方のストップリング24は、図示するところにあって、インナーチューブ2の上端部、すなわち、スライドメタルMの下方となる部位にあって、インナーチューブ2の外周に介装され、インナーチューブ2がアウターチューブ1内で昇降する際にアウターチューブ1の内周に干渉しない態勢にある。
【0085】
なお、この下方のストップリング24については、この発明が意図するところからすると、スライドメタルMが所定の配設位置に定着される限りにおいて、その配設が省略されても良く、その場合には部品点数を削減できる点で有利となる。
【0086】
一方、ストッパ部材11は、アウターチューブ1の内周に保持されて、図3中での上端をスライドメタルMの当接端に対向させる。このとき、ストッパ部材11は、アウターチューブ1の内周に介装されたストップリング12に上方からの下降が阻止されるように担持される環状体からなる。
【0087】
そして、この環状体たるストッパ部材11は、インナーチューブ2が昇降するときに、外周がインナーチューブ2の外周に干渉しない態勢にあるのはもちろんである。
【0088】
それゆえ、以上のように形成された図3に示す規制構造にあっても、フォーク本体が最収縮状態および最伸長状態になるとき以外の通常のストローク領域にあるときは、スライドメタルMとストッパ部材11とが当接せずしてフォーク本体の伸縮作動を妨げない。
【0089】
そして、図3(B)に示すように、インナーチューブ2がアウターチューブ1内から大きいストロークで突出して最伸長状態になるときには、ストッパ部材11とスライドメタルMとが当接し、インナーチューブ2のアウターチューブ1内からのさらなる突出、すなわち、一方のフォーク本体におけるさらなる伸長作動が阻止され、このとき、規制構造によって、一方のフォーク本体における最伸長時の長さが規制される。
【0090】
そして、一方のフロントフォークにおいて最伸長作動が繰り返されると、スライドメタルMとストッパ部材11との当接が繰り返され、したがって、スライドメタルMにおける当接端部M2が歪変形する可能性がある。
【0091】
そしてまた、ストッパ部材11とスライドメタルMとの当接の繰り返しでスライドメタルMにおける当接端部M2が歪変形する場合、当接端部M2の外周側部の外周があらかじめアウターチューブ1の内周から逃げとして機能する隙間bを有して離れてなるから、当接端部M2が歪変形しても、スライドメタルMにおける当接端部M2の外周がアウターチューブ1の内周に干渉しない。
【0092】
その結果、この図3に示す実施形態にあっても、一方のフロントフォークにおいて、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性が阻害されないことになる。
【0093】

以上のように、この発明による規制構造は、一方のフロントフォークがフォーク本体内にダンパを有せずして懸架バネSを有し、この懸架バネSの附勢力で伸長方向に附勢されて、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が大きいストロークで突出することになる最伸長時にアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に配在のストッパ部材21(11)とスライドメタルMとの当接で、フォーク本体が、つまり、一方のフロントフォークが最伸長状態になるときの長さが規制される。
【0094】
そして、この発明による規制構造にあっては、一方のフロントフォークが最伸長状態を繰り返し、スライドメタルMにおいて、当接端部M2に対するストッパ部材21(11)の当接が繰り返され、それゆえ、この当接端部M2に歪変形が発現される場合にも、この当接端部M2とこの当接端部M2に対向するインナーチューブ2の外周あるいはアウターチューブ1の内周との間に、上記の歪変形を許容する言わば逃げとして機能する隙間bを有するから、上記の歪変形の影響をインナーチューブ2あるいはアウターチューブ1に波及させず、したがって、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間における摺動性が阻害されない。
【0095】
また、図示する実施形態にあっては、スライドメタルMが当接端部M2を有すると共に、この当接端部M2のいわゆる反対側に端部M3を有し、この端部M3も当接端部M2と同じ仕様とされていわゆる誤組対策を講じるから、スライドメタルMにあって、この端部M3の利用も可能となる。
【0096】
このことからすると、このスライドメタルMにあっては、当接端部M2が歪変形したとき、いわゆる天地を逆にする作業でこのスライドメタルMのさらなる利用継続が可能になる利点がある。
【0097】
そして、このこのスライドメタルMを天地逆にする作業にあっては、一方のフロントフォークをいわゆる分解することになるが、図3に示す実施形態にあっては、アウターチューブ1の上端部からキャップ部材6を取り外すことで、アウターチューブ1をいわゆる下降させることが可能になり、このアウターチューブ1の下降作業でスライドメタルMを露呈させることが可能になり、スライドメタルMをいわゆる天地逆にする際の作業性を良くすることになる。
【0098】
ところで、前記したところでは、一方のフロントフォークがフォーク本体内にダンパを有せずして懸架バネSのみを有するとするが、これに代えて、この一方のフロントフォークがフォーク本体内にダンパをも有するとしても良い。
【0099】
つまり、この発明は、一方のフロントフォークにおける最伸長時の長さを規制するのに規制構造によるとするもので、ダンパにおける規制構造たる伸び切りバネ構造の機能を否定するものではない。
【0100】
よって、この発明の具現化にあって、一方のフロントフォークに規制構造の他に伸び切りバネ構造を併せて設けることを妨げるものではなく、むしろ、伸び切りバネ構造を併用する場合には、伸び切りバネ構造における衝撃吸収機能に完全を期すことが可能になる点で有利となる。
【0101】
ちなみに、一方のフロントフォークにおいて、フォーク本体内にダンパを有する場合には、図示しないが、ダンパを構成するシリンダ体が、たとえば、車輪側チューブたるインナーチューブ内に起立され、このシリンダ体が前記した図1に示すフォーク本体における下方バネ受S2に代わるとしても良い。
【0102】
なお、一方のフロントフォークにおいて、フォーク本体内にダンパを有する場合、シリンダ体内から突出するロッド体は、懸架バネの軸芯部を挿通すると共に筒状に形成された上方バネ受S1の軸芯部を挿通してアウターチューブの上端側に連結されるのが良い。
【0103】
それゆえ、この懸架バネを有しながらダンパを内蔵するこの発明による一方のフロントフォークにあっては、ダンパのみを有する言わば他方のフロントフォークに比較して重量がやや大きくなるだろうが、他方のフロントフォークにあっては、懸架バネを有しない分、重量の軽減を可能にする。
【0104】
したがって、上記の設定の場合には、他方のフロントフォークにあって、ボトム部材がキャリパ部を有してブレーキ機構などの保持を可能にすることで、一方のフロントフォークの重量にほぼバランスする重量を備えるように配慮することが可能になる。
【0105】
そして、一方のフロントフォークにあっては、規制構造で最伸長時の長さを規制する、つまり、伸び切り長さを規制するから、たとえば、二輪車からフロントフォークを取り外していわゆる分解すべくアウターチューブ内からインナーチューブを抜き出すときに、不用意にインナーチューブが抜き出されることで内部に収容する作動流体をいたずらに溢すことになるようないわゆる抜き過ぎをあらかじめ回避できる。
【0106】
また、一方のフロントフォークにあって、フォーク本体内にダンパも有する場合には、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間にこの発明による規制構造が設けられるから、ダンパにおいて最伸長時の長さを規制する伸び切り構造の配設を省略することが可能になり、その分、ダンパにあっては、シリンダ体とロッド体との間におけるシール性を配慮すれば足り、ダンパにおける構造を簡素化し得る。
【0107】
前記したところでは、この発明によるフロントフォークは、フォーク本体が内装する懸架バネSの附勢力で伸長方向に附勢されるとしたが、この発明が意図するところからすると、フォーク本体が懸架バネを内装せずして封入される気圧によって伸長方向に附勢される設定の場合にも、この発明の実施が可能になる。
【0108】
そして、前記したところにあって、この発明の規制構造を具現化するアウターチューブ1がアルミ材からなるか、あるいは、鉄材からなるかについて、限定しないが、この発明の構成からすると、アウターチューブ1の構成材料がアルミ材あるいは鉄材さらには合成樹脂材料などのいずれかに限定されない。
【符号の説明】
【0109】
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
2a 連通孔
3 ボトム部材
3a キャリパ部
4 軸受
5a オイルシール
5b ダストシール
6 キャップ部材
11,21 ストッパ部材
12,22,23,24 ストップリング
a,b,c 隙間
A 気室
M スライドメタル
M1 摺接部
M2 当接端部
M3 端部
O 液面
S 懸架バネ
S1 上方バネ受
S2 下方バネ受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウターチューブと、このアウターチューブ内に入出可能に挿通されるインナーチューブと、上記アウターチューブ内から突出する上記インナーチューブの最突出長さを規制する規制構造とを有してなるフロントフォークにおいて、
上記規制構造が上記アウターチューブの内周あるいは上記インナーチューブの外周に保持されるスライドメタルと、上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周に保持されて上記スライドメタルに対向するストッパ部材とを有すると共に、
上記インナーチューブが上記アウターチューブ内から最突出するときに上記スライドメタルと上記ストッパ部材とを当接させる一方で、
上記スライドメタルが上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周に摺接する摺接部と、上記ストッパ部材を当接させる当接端部とを有し、
この当接端部の内周側部あるいは外周側部が対向する上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周との間に隙間を有してなることを特徴とするフロントフォーク。
【請求項2】
上記アウターチューブの内周に保持されるスライドメタルがアウターチューブの内周に圧入され、あるいは、上記インナーチューブの外周に保持されるスライドメタルが上記インナーチューブの外周に介装のストップリングに係止されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
【請求項3】
上記インナーチューブの外周に保持されるストッパ部材が上記インナーチューブに介装のストップリングに係止され、あるいは、上記アウターチューブの内周に保持されるストッパ部材がアウターチューブの内周に介装のストップリングに担持されてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
【請求項4】
上記スライドメタルにおいて、アウターチューブあるいはインナーチューブの軸線方向に沿って上記当接端部の反対側となる端部の内周側部あるいは外周側部が対向する上記インナーチューブの外周あるいは上記アウターチューブの内周との間に隙間を有してなる請求項1または請求項2に記載のフロントフォーク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−180890(P2012−180890A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43881(P2011−43881)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】