説明

メタルコア基板

【課題】プレスフィット端子を挿着可能なメタルコア基板を提供する。
【解決手段】メタルコア基板10は、第1回路基板11と、第2回路基板12と、第1回路基板11と第2回路基板12との間に配置される金属板13と、を備え、第1回路基板11と第2回路基板12と金属板13とが独立して配置されている。プレスフィット端子21を圧入固定可能な第1貫通穴18が、第1回路基板11、第2回路基板12及び金属板13の板厚方向に貫通している。そして、プレスフィット端子21が第1貫通穴18に圧入される際に第1回路基板11及び第2回路基板12に対する金属板13の微少な相対移動を許容するように、金属板13を第1回路基板11と第2回路基板12との間に保持するプレスフィット固定部材22をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルコア基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、搭載された電気部品の放熱を良好に行う回路基板として、メタルコア基板が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このメタルコア基板を用いれば、メタルコア基板のメタルコア(即ち、金属板)によって均熱化も図られる。
【0003】
ところで、プレスフィット端子が回路基板に圧入固定される形態で用いられるのは周知のことである。例えば、図7に示すように、プリント回路基板を貫いて押し込まれる接触端部である電気接続部71と、プリント回路基板に圧入される柔軟領域である突起部72と、を備え、コネクタ73に収納された状態でプリント回路基板に装着されるプレスフィット端子70が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−119838号公報
【特許文献2】特開昭60−44983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メタルコアに絶縁層をモールドして形成されたメタルコア基板には、プレスフィット端子を用いることができない。それは、プレスフィット端子が圧入で穴に無理やり差し込む構成になっているので、絶縁層の露出している穴の周りの部分に、白化、クラック等が発生してしまう虞があるためである。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレスフィット端子を圧入固定可能なメタルコア基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1)本発明に係るメタルコア基板は、第1回路基板と、第2回路基板と、前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に配置される金属板と、を備え、
前記第1回路基板と前記第2回路基板と前記金属板とが独立して配置され、
プレスフィット端子を圧入固定可能な第1貫通穴が、前記第1回路基板、前記第2回路基板及び前記金属板をそれらの板厚方向に貫通するメタルコア基板であって、
前記プレスフィット端子が前記第1貫通穴に圧入される際に前記第1回路基板及び前記第2回路基板に対する前記金属板の微少な相対移動を許容するように、当該金属板を前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に保持する保持機構をさらに備えていることを特徴としている。
【0008】
上記1)の発明では、プレスフィット端子が第1貫通穴に圧入される際に第1回路基板及び第2回路基板に対する金属板の微少な相対移動を許容するように、保持機構によって、金属板を第1回路基板と第2回路基板との間に保持する。この保持構造により、プレスフィット端子をメタルコア基板に挿着した際の応力が緩和される。
【0009】
2)本発明に係るメタルコア基板は、上記1)のメタルコア基板であって、
前記保持機構が、前記第1回路基板、前記第2回路基板及び前記金属板をそれらの板厚方向に貫通する第2貫通穴と、前記金属板の前記第1回路基板及び前記第2回路基板に対する微少な相対移動を可能とするように前記第2貫通穴の一部と協働して、前記金属板を前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に保持する保持部材と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記2)の発明によれば、保持部材が、第2貫通穴の一部と協働することで、金属板を第1回路基板と第2回路基板との間に保持しながらも第1回路基板及び第2回路基板に対する金属板の微少な相対移動を許容するので、プレスフィット端子をメタルコア基板に挿着した際の応力が緩和される。
【0011】
3)本発明に係るメタルコア基板は、上記2)のメタルコア基板であって、
前記保持部材が、前記第2貫通穴に圧入固定されるプレスフィット固定部材であり、
前記プレスフィット固定部材が、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第1回路基板の内周面に圧接する第1突起部と、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第2回路基板の内周面に圧接する第2突起部と、前記第1突起部と前記第2突起部との間に形成された金属板移動許容部と、を有し、
前記第2貫通穴の前記金属板に形成された部分の径が、前記金属板移動許容部の外径よりも大きいことを特徴としている。
【0012】
上記3)の発明によれば、金属板を第1回路基板及び第2回路基板に対して相対移動自在にしつつも、金属板を第1回路基板と第2回路基板との間に確実に保持することができる。
【0013】
4)本発明に係るメタルコア基板は、上記3)のメタルコア基板であって、
前記第1回路基板と前記第2回路基板とは、各々、絶縁板と、該絶縁板の前記金属板側とは反対側の外側面上に形成された導電性回路パターンと、を有し、
前記プレスフィット固定部材の前記第1突起部が、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第1回路基板の前記絶縁板の内周面に圧接し、
前記プレスフィット固定部材の前記第2突起部が、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第2回路基板の前記絶縁板の内周面に圧接することを特徴としている。
【0014】
上記4)の発明によれば、第1回路基板と第2回路基板とは、片面回路基板であるので、メタルコア基板としてのコストが安価になり、金属板との絶縁を考慮する必要がないので設計自由度が高い。また、絶縁板の白化やクラック等を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プレスフィット端子を支障なく挿着可能なメタルコア基板を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明の複数の好適な実施形態を説明する。
【0017】
(第1実施形態)
本発明に係るメタルコア基板の第1実施形態を説明する。
図1〜図4は本発明に係るメタルコア基板の第1実施形態を説明するものであり、図1は本発明の第1実施形態に係るメタルコア基板が適用される電気接続箱の分解斜視図、図2は図1のメタルコア基板の分解斜視図、図3は図1のメタルコア基板におけるプレスフィット端子及びプレスフィット固定部材周りの縦断面図、そして図4は図1のメタルコア基板における端子金具周りの縦断面図である。
【0018】
図1に示すように、メタルコア基板10は、金属板に絶縁層をモールドして形成された従来のメタルコア基板と異なり、第1回路基板11と、第2回路基板12と、金属板13と、を独立して備えている。即ち、図1では、第1回路基板11と第2回路基板12とで金属板13を挟んだ積層構造を持つメタルコア基板10が、電気接続箱1を構成する上ケース2と下ケース3とに収容される形態が示されている。
【0019】
第1回路基板11は、絶縁性が良好で且つ熱伝導率の低い、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる第1絶縁板14と、所定の回路を形成するように第1絶縁板14の表面に印刷された導電性金属(例えば、銅)からなる第1導電性回路パターン(図3参照)15と、を備えた片面回路基板である。つまり、第1回路基板11は、導電性金属からなるスルーホールを持たない。
【0020】
第2回路基板12は、第1回路基板11と同様に、絶縁性が良好で且つ熱伝導率の低い、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる第2絶縁板16と、所定の回路を形成するように第2絶縁板16の裏面に印刷された導電性金属(例えば、銅)からなる第2導電性回路パターン(図3参照)17と、を備えた片面回路基板である。つまり、第2回路基板12も、導電性金属からなるスルーホールを持たない。
【0021】
金属板13は、熱伝導性に優れた、例えば、銅合金やアルミ合金等の金属製板材であり、予め定められた厚さを有し、第1回路基板11及び第2回路基板12と同一の大きさに形成されている。
【0022】
図2に示すように、第1回路基板11と金属板13と第2回路基板12とは、第1貫通穴18と、第2貫通穴19と、端子金具用貫通穴20とが、所定位置にそれぞれ板厚方向に複数貫通形成されている。
【0023】
第1貫通穴18には、プレスフィット端子21が第1回路基板11の表面または第2回路基板12の裏面から圧入可能である。また、第2貫通穴19には、プレスフィット固定部材22が第1回路基板11の表面または第2回路基板12の裏面から圧入可能である。また、端子金具用貫通穴20には、端子金具23が第1回路基板11の表面または第2回路基板12の裏面から挿入可能である。
【0024】
図3に示すように、第1回路基板11には、その第1絶縁板14の表面に第1導電性回路パターン15が形成されている。また、第2回路基板12には、第2絶縁板16の裏面に第2導電性回路パターン17が形成されている。
【0025】
プレスフィット端子21Aは、プレスフィット型音叉端子であって、電気接続部24と、回路基板側固定部25と、を一体に備えている。この回路基板側固定部25に略楕円状の穴を有する所謂ニードルアイタイプの圧接部分として突起部26が形成されている。
【0026】
プレスフィット固定部材22は、第1回路基板11と金属板13と第2回路基板12とを合わせた厚さに対応した十分な長さを有している。そして、中央に形成された金属板移動許容部27の上側には略楕円状の穴を有する第1突起部28が形成され、そして金属板移動許容部27の下側には同じく略楕円状の穴を有する第2突起部29が形成されている。即ち、第1突起部28と第2突起部29も所謂ニードルアイタイプの圧接部分である。
【0027】
第1貫通穴18は、金属板13部分の内周面30の内径D1が、第1回路基板11部分の内周面31及び第2回路基板12部分の内周面32の内径D2よりも大きく形成されている。そのため、図3中の右側において、第1回路基板11の表面側から、回路基板側固定部25を先にしてプレスフィット端子21が押圧挿入されることで、突起部26が第1貫通穴18の第1絶縁板14部分の内周面31に圧接される。これにより、電気接続部24が第1導電回路パターン15のランド33に電気的に接続される。このとき、プレスフィット端子21Aは、突起部26を除いた回路基板側固定部25が第1貫通穴18の金属板13部分の内周面30及び第2絶縁板16部分の内周面32に隙間を置いて接触しない状態で配置される。
【0028】
また、図3中の左側において、第2回路基板12の裏面側から、回路基板側固定部25を先にして別形態のプレスフィット端子21Bが押圧挿入されることで、略楕円状の穴を有する突起部26が、第1貫通穴18を部分的に画成する第2絶縁板16の部分の内周面に圧接される。これにより、電気接続部24が第2導電回路パターン17のランド34に電気的に接続される。このとき、プレスフィット端子21Bは、突起部26を除いた回路基板側固定部25が第1貫通穴18の金属板13部分の内周面30及び第1絶縁板14部分の内周面31に隙間を置いて接触しない状態で配置される。
【0029】
第2貫通穴19は、金属板13部分の内周面35の内径D3が、第1回路基板11部分の内周面36及び第2回路基板12部分の内周面37の内径D4よりも大きく形成されている。そのため、図3中の中央において、第1回路基板11の表面側から、プレスフィット固定部材22が押圧挿入されることで、第1突起部28が第2貫通穴19を部分的に画成する第1絶縁板14の部分の内周面36に圧接されるとともに、第2突起部29が第2貫通穴19を部分的に画成する第2絶縁板16の部分の内周面37に圧接される。これにより、金属板13を挟んで第1回路基板11と第2回路基板12とが一体的に組み付けられる。このとき、プレスフィット固定部材22は、金属板移動許容部27が金属板13部分の内周面35に隙間を置いて接触しない状態で配置される。なお、前述では、プレスフィット固定部材22を押圧挿入するのを第1回路基板11の表面側からとしたが、第2回路基板12の裏面側からでもよいことは言うまでも無い。
【0030】
次に、メタルコア基板10において、端子金具23が挿着される部分の基板構造を説明する。
【0031】
図4に示すように、端子金具23は、電気接続部38と、回路基板側固定部39と、を一体に備えている。端子金具用貫通穴20は、金属板13部分の内周面40の内径D5が、第1回路基板11部分の内周面41及び第2回路基板12部分の内周面42の内径D6よりも大きく形成されている。
【0032】
図4中の左方側において、端子金具23は、第1回路基板11の表面側から、端子金具23が電気接続部38を先にして端子金具用貫通穴20に挿通され、第2回路基板12の裏面側から電気接続部38部分が貫通される。そして、第1回路基板11の表面側に突出した回路基板側固定部39が、第1導電性回路パターン15のランド33に半田付けされる。これにより、端子金具23が電気接続部38を第2回路基板12上に突出させた状態で組付け固定される。このとき、回路基板側固定部39が第1絶縁板14の内周面41と、金属板13の内周面40と、第2絶縁板16の内周面42とに隙間を置いて接触しない状態に配置される。
【0033】
また、図4中の右方側において、端子金具23は、第2回路基板12の裏面側から、端子金具23が電気接続部38を先にして端子金具用貫通穴20に挿通され、第1回路基板11の表面側から電気接続部38部分が貫通される。そして、第2回路基板12の裏面側に突出した回路基板側固定部39が、第2導電性回路パターン17のランド34に半田付けされる。これにより、端子金具23が電気接続部38を第1回路基板11上に突出させた状態で組付け固定される。このとき、回路基板側固定部39が第1絶縁板14の内周面41と、金属板13の内周面40と、第2絶縁板16の内周面42とに隙間を置いて接触しない状態で配置される。
【0034】
このように、端子金具23は、第1導電性回路パターン15に電気的に接続された少なくとも1つが、端子金具用貫通穴20を貫通して第2回路基板12から突出するとともに、第2導電性回路パターン17に電気的に接続された少なくとも他の1つが、端子金具用貫通穴20を貫通して第1回路基板11から突出する。従って、メタルコア基板10が、スルーホールを有する両面回路基板と同等な機能を持つものとして形成されている。また、第1回路基板11と第2回路基板12それぞれにそれらと同じ厚さの両面回路基板を採用した場合と比較して、金属板13側の半田付け部分の絶縁を考慮する必要がないため、メタルコア基板10を薄く形成することができる。
【0035】
図3に戻って、メタルコア基板10では、プレスフィット固定部材22が第2貫通穴19に圧入されることで、第1回路基板11と第2回路基板12とが一体的に組み付けられる。そして、プレスフィット端子21が第1貫通穴18に圧入されることで、第1回路基板11または第2回路基板12に圧入固定される。また、プレスフィット固定部材22が、第1回路基板11と第2回路基板12に対する金属板13の微少な相対移動を許容するように、金属板13を第1回路基板11と第2回路基板12との間に保持することができる。
【0036】
また、メタルコア基板10は、端子金具23が、第1回路基板11の表面側または第2回路基板12の裏面側から端子金具用貫通穴20に挿通される。そして、第2回路基板12の裏面側の第2導電性回路パターン17のランド34または第1回路基板11の表面側の第1導電性回路パターン15のランド33に半田付けされる。即ち、端子金具用貫通穴20に挿通され且つ第1回路基板11の第1導電性回路パターン15に電気的に接続された端子金具23は、端子金具貫通穴20を貫通して第2回路基板12から突出して配置される。また、端子金具用貫通穴20に挿通され且つ第2回路基板12の第2導電性回路パターン17に電気的に接続された端子金具23は、端子金具貫通穴20を貫通して第1回路基板11から突出して配置される。
【0037】
以上説明したように、本実施形態のメタルコア基板10によれば、プレスフィット固定部材22によって、プレスフィット端子21が第1貫通穴18に圧入される際に第1回路基板11及び第2回路基板12に対する金属板13の微少な相対移動を許容するように、金属板13が第1回路基板11と第2回路基板12との間に確実に保持される。これにより、プレスフィット端子21を挿着した際の応力を緩和できるので、プレスフィット端子21を支障なく挿着することができる。
【0038】
さらに、本実施形態のメタルコア基板10によれば、第1回路基板11と第2回路基板12は、それぞれ片面回路基板であるので、モールド成形により形成されたメタルコア基板に較べてコストが安価になり、金属板との絶縁を考慮する必要がないので設計自由度が高い。また、第1絶縁板14及び第2絶縁板16の白化やクラック等を防止することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明に係るメタルコア基板の第2実施形態を説明する。
図5は本発明に係るメタルコア基板の第2実施形態を示すものであり、図5は本発明の第2実施形態に係るメタルコア基板の縦断面図である。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0040】
図5に示すように、本実施形態に係るメタルコア基板50は、金属板13を挟んで積層された第1回路基板11と第2回路基板12の外側を固定部材51で挟み込んで一体的に組み立てられている。
【0041】
固定部材51は、コ字形状に形成されており、フランジ部52を第1回路基板11の表面と第2回路基板12の裏面とに外嵌させてから、ねじ等の固定手段53を第1回路基板11及び第2回路基板12にねじ込むことによりフランジ部52が第1回路基板11及び第2回路基板12にねじ止め固定されている。
【0042】
本実施形態のメタルコア基板50は、第1実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、プレスフィット固定部材を用いないので、第2貫通穴を形成する必要がなく、第1回路基板11及び第2回路基板12に対する金属板13の微少な相対移動を許容するように、金属板13を第1回路基板11と第2回路基板12との間に保持することができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明に係るメタルコア基板の第3実施形態を説明する。
図6は本発明に係るメタルコア基板の第3実施形態を示すものであり、図6は本発明の第3実施形態に係るメタルコア基板の縦断面図である。
【0044】
図6に示すように、本実施形態に係るメタルコア基板60では、第2貫通穴19にブッシュ61を挿通させ、このブッシュ61に第1回路基板11側及び第2回路基板12側から、それぞれ、ねじ等の固定手段62をねじ込ませることで、ブッシュ61が第1回路基板11側及び第2回路基板12にねじ止め固定されている。
【0045】
本実施形態のメタルコア基板60は、第1実施形態と同様の作用効果を奏するが、特に、プレスフィット固定部材を用いずに、第1回路基板11及び第2回路基板12に対する金属板13の微少な相対移動を許容するように、金属板13を第1回路基板11と第2回路基板12との間に保持することができる。
【0046】
尚、本発明は、上述した各々実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0047】
尚、本発明のメタルコア基板では勿論、金属板(即ち、メタルコア)が2枚の回路基板により挟まれているのだが、該金属板の代わりにシート状の放熱体(放熱ジェル等)を2枚の回路基板で挟む形態も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係るメタルコア基板が適用される電気接続箱の分解斜視図である。
【図2】図1のメタルコア基板の分解斜視図である。
【図3】図1のメタルコア基板におけるプレスフィット端子及びプレスフィット固定部材周りの縦断面図である。
【図4】図1のメタルコア基板における端子金具周りの縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るメタルコア基板の縦断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るメタルコア基板の縦断面図である。
【図7】従来のプレスフィット端子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10,50,60 メタルコア基板
11 第1回路基板
12 第2回路基板
13 金属板
14 第1絶縁板(絶縁板)
15 第1導電性回路パターン(導電性回路パターン)
16 第2絶縁板(絶縁板)
17 第2導電性回路パターン(導電性回路パターン)
18 第1貫通穴
19 第2貫通穴(保持機構)
21 プレスフィット端子
22 プレスフィット固定部材(保持機構、保持部材)
27 金属板移動許容部
28 第1突起部
29 第2突起部
36,37 内周面
51 固定部材(保持機構、保持部材)
61 ブッシュ(保持機構、保持部材)
62 固定手段(保持機構、保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路基板と、
第2回路基板と、
前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に配置される金属板と、
を備え、
前記第1回路基板と前記第2回路基板と前記金属板とが独立して配置され、
プレスフィット端子を圧入固定可能な第1貫通穴が、前記第1回路基板、前記第2回路基板及び前記金属板をそれらの板厚方向に貫通するメタルコア基板であって、
前記プレスフィット端子が前記第1貫通穴に圧入される際に前記第1回路基板及び前記第2回路基板に対する前記金属板の微少な相対移動を許容するように、当該金属板を前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に保持する保持機構をさらに備えていることを特徴とするメタルコア基板。
【請求項2】
前記保持機構が、
前記第1回路基板、前記第2回路基板及び前記金属板をそれらの板厚方向に貫通する第2貫通穴と、
前記金属板の前記第1回路基板及び前記第2回路基板に対する微少な相対移動を可能とするように前記第2貫通穴の一部と協働して、前記金属板を前記第1回路基板と前記第2回路基板との間に保持する保持部材と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のメタルコア基板。
【請求項3】
前記保持部材が、前記第2貫通穴に圧入固定されるプレスフィット固定部材であり、
前記プレスフィット固定部材が、
前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第1回路基板の内周面に圧接する第1突起部と、
前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第2回路基板の内周面に圧接する第2突起部と、
前記第1突起部と前記第2突起部との間に形成された金属板移動許容部と、
を有し、
前記第2貫通穴の前記金属板に形成された部分の径が、前記金属板移動許容部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のメタルコア基板。
【請求項4】
前記第1回路基板と前記第2回路基板とは、各々、絶縁板と、該絶縁板の前記金属板側とは反対側の外側面上に形成された導電性回路パターンと、を有し、
前記プレスフィット固定部材の前記第1突起部が、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第1回路基板の前記絶縁板の内周面に圧接し、
前記プレスフィット固定部材の前記第2突起部が、前記第2貫通穴を部分的に画成する前記第2回路基板の前記絶縁板の内周面に圧接することを特徴とする請求項3に記載のメタルコア基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−258189(P2008−258189A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95377(P2007−95377)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】