説明

中耕除草機

【課題】後列ディスクの条間の土への入り込みをし易くし、作物への培土量を増大可能な中耕除草機を提供する。
【解決手段】メインフレームに取り付けられて進行方向後側へ延びる支持フレームの前側の一方側及び他方側に横方向軸周りに回転自在に支持されて後方斜め外側に傾斜する一対の前列ディスク30と、支持フレームの後側の一方側及び他方側に横方向軸周りに回転自在に支持されて後方斜め外側に傾斜する一対の後列ディスク40とを備え、前列ディスク30及び後列ディスク40が作物Pの条間を進行しながら条間の土を中耕培土する中耕除草機1において、前列ディスク30とこのディスクよりも進行方向後側に配設された後列ディスク40との間で且つ後列ディスク40の条間幅方向内側にチゼル50が設けられ、後列ディスク40とチゼル50との間で且つ一対の前列ディスク30の条間幅方向間に、残耕を条間幅方向外側へ排除する排土機構部60が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のディスク対で中耕除草、培土の管理作業を行う中耕除草機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のディスクを前後に2列配置し、トラクタ又は乗用管理機の牽引前進によってこれらのディスクで条間の土を横方向へ反転移動させて中耕除草作業または培土(土寄せ)作業を行うディスク式中耕除草機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このディスク式中耕除草機は、機体に前端部が上下動可能に接続されて進行方向後側へ延びて機体幅方向に並設された第1アーム及び第2アームと、これらのアームの前側及び後側に横方向軸周りに回転自在に支持されて条間の土を中耕培土する前列ディスク及び後列ディスクを備えている。第1アーム及び第2アームは、機体幅方向に角度調節が可能に設けられている。また、前列ディスク及び後列ディスクは、対応する第1アーム及び第2アームに設けられた回動支点を中心にして回動可能で且つ角度調節可能に支持されている。また一対の前列ディスクの前方にはチゼルが設けられ、このチゼルは一対の前列ディスクの機体幅方向ほぼ中央部の前方に設けられている。
【0004】
このような従来のディスク式中耕除草機は、前列ディスク及び後列ディスクを作物の条間に設置した状態で条間を進行すると、チゼルが条間の土中に貫入して条間の土を膨軟にし、膨軟にされた土は、前列ディスク及び後列ディスクによって中耕培土される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−259812号公報(段落0038、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来のディスク式中耕除草機の後列ディスクは、チゼルによって膨軟にされた土の外側の硬い所を通るため、圃場の条間の土が硬い場合には、後列ディスクが条間の土に入り込み難くなり、作物への培土量が不足する場合がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、後列ディスクが条間の土に入り込み易く、作物への培土量の増大が可能な中耕除草機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、本発明は、条間幅方向に延びて支持されたメインフレームに前端側が接続されて進行方向後側へ延びる支持フレームの前側と後側の各両側に、回転自在に支持され、進行方向前側に対して後側が後方斜め外側に傾斜した一対の前列ディスク及び一対の後列ディスクを備え、前列ディスク及び後列ディスクが作物の条間を進行しながら条間の土を中耕培土する中耕除草機において、一対の前列ディスクの一方側に配設された前列ディスクと一対の後列ディスクの一方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側、及び一対の前列ディスクの他方側に配設された前列ディスクと一対の後列ディスクの他方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側に、一対のチゼルが設けられていることを構成要件とする。
【0009】
チゼルの配設位置の条件の1つである条間幅方向内側とは、後列ディスクの傾き角度や取り付け位置が調節可能である場合には、位置調節された後の後列ディスクの条間幅方向内側をいう。このため、後列ディスクの傾き角度や取り付け位置が調節されて、後列ディスクの条間幅方向内側の領域の位置がずれた場合を考慮して、一対のチゼルは条間幅方向に位置調節可能に設けられている(請求項2)。
【0010】
チゼルの位置調節は、チゼルを条間幅方向の任意の位置に移動させて固定し、また条間幅方向に所定距離毎に移動させて固定してもよい。
【0011】
一対の前列ディスクを進行方向に対して前後にずらさずに取り付け、これらのディスクの角度調整を可能にすると、ディスク間に残耕ができる場合がある。この残耕の発生を防止するため、一対のチゼルと一対の後列ディスクとの間で一対の前列ディスクの条間幅方向間に、一対の前列ディスクによって中耕されない残耕を条間幅方向外側へ排除する排土機構部が設けられている(請求項3)。
【0012】
つまり、一対の前列ディスクが条間幅方向に間隔を有して配設されている場合には、一対の前列ディスク間の土は一対の前列ディスクによって中耕されない。このため、一対のチゼルと一対の後列ディスクとの間で且つ該一対の前列ディスクの条間幅方向間に排土機構部を設けると、一対の前列ディスクでは中耕されない残耕を条間幅方向外側へ排除することができる。排土機構部は前部に排土側チゼル部が配設され、該排土側チゼル部の幅方向両側には後方斜め外側に傾斜する一対の排土板が設けられていることで(請求項4)、排土側チゼル部によって残耕を膨軟にし、膨軟にされた残耕は排土板によって条間幅方向外側へ排除され、この排除された残耕は排土機構部よりも進行方向後側に配設された一対の後列ディスクによって培土される。
【0013】
排土機構部は、後方斜め外側に傾斜する一対の排土板を平面視においてハ字状に配置したものにすると、一対の前列ディスクでは中耕されない残耕を条間幅方向両側に排出して、条間両側の作物に培土することができる。
【0014】
チゼルは、支持フレームに連結された連結支持フレームに前後方向に回動自在に支持されるとともにシャーボルトを介して連結支持フレームに固定されていることを構成要件とする(請求項5)。チゼルの前進時にチゼルに石等の障害物が当接すると、シャーボルトが破断し、チゼルはフリーな状態となって連結支持フレームとの回動支点を中心として後方側に回動する。このため、各フレームやチゼルが損傷する事態を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる中耕除草機によれば、一対の前列ディスクの一方側に配設された前列ディスクと一対の後列ディスクの一方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側、及び一対の前列ディスクの他方側に配設された前列ディスクと一対の後列ディスクの他方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側に、一対のチゼルを設けることで、チゼルによって膨軟にされた土に後列ディスクが深く入り込むことができる。このため、作物への培土量の増加が可能な中耕除草機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる中耕除草機の説明平面図を示し、同図(a)は前列ディスクによって中耕されない残耕とチゼルとの関係を説明する説明平面図であり、同図(b)は前列ディスクによって中耕されない残耕と排土機構部との関係を説明する説明平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる中耕除草機の平面図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係わる中耕除草機の側面図を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係わる中耕除草機に設けられたチゼルを示し、同図(a)はチゼルの平面図であり、同図(b)は同図(a)のIVa−IVa矢視に相当する部分の断面図であり、同図(c)は同図(a)のIVb−IVb矢視に相当する部分の断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる中耕除草機に設けられたチゼルを示し、同図(a)はシャーボルトが非破断時のチゼルの側面図であり、同図(b)はシャーボルトが破断時のチゼルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。中耕除草機は、走行機体による牽引等によって、複数のディスク対を備えた中耕ユニットを作物の条間の圃場面上に接地させた状態で、条間に沿って進行して作業を行うものである。本実施例では、3つの中耕ユニットを備えた中耕除草機を例にして説明する。
【0018】
中耕除草機1は、図2(平面図)及び図3(側面図)に示すように、その幅方向に延びて支持されたメインフレーム3の前部に、走行機体90の後部に設けられた3点リンク連結機構に連結されるマスト6とロアーヒッチピン7を備えた連結部5が設けられて、走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。メインフレーム3の長手方向両側には、前方側へ張り出すゲージ支持アーム9が一対設けられ、このゲージ支持アーム9の先端部にゲージ輪11のゲージ輪支持ロッド12が高さ調整可能に装着されている。この高さ調整は、ゲージ輪支持ロッド12に設けられた調整孔12aをゲージ支持アーム9に設けられた支持孔に合わせて固定ピンで固定することによって行われるものであり、後述する前列ディスク30及び後列ディスク40の中耕深さを調整するために行われる。
【0019】
メインフレーム3の長手方向には、所定間隔を有して条間の土を中耕培土する3つの中耕ユニット20、20'、20'が設けられている。なお、3つの中耕ユニット20、20'は同一構造であるので、機体幅方向中央に配設された中耕ユニット20のみを説明し、他の中耕ユニット20'については、同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。
【0020】
中耕ユニット20は、メインフレーム3に前端側が上下方向に移動可能に接続されて進行方向後側へ延びる支持フレーム21と、支持フレーム21の前側と後側の各両側に回転自在に支持され、進行方向前側に対して後側が後方斜め外側に傾斜した一対の前列ディスク30及び一対の後列ディスク40と、前列ディスク30と後列ディスク40との間で条間幅方向に配設された一対のチゼル50と、チゼル50と後列ディスク40との間に配設された排土機構部60とを有して構成されている。
【0021】
支持フレーム21は、その前端部の幅方向両側に上方及び下方に張り出す一対の連結フレーム22が設けられている。この連結フレーム22の上側とメインフレーム3との間には、前端部がメインフレーム3に回動自在に取り付けられ後端部が連結フレーム22に回動自在に取り付けられて上下方向に並設された一対のフレーム連結部材23が設けられている。この一対のフレーム連結部材23は平行リンク機構の一部として構成されて、中耕ユニット20は略水平のままで上下方向に移動可能である。
【0022】
一対の前列ディスク30は、一対の連結フレーム22の下端部間に後側が垂直方向軸回りに回動自在に取り付けられた揺動アーム24の前端部に取り付けられた回転軸31(図3参照)に回転自在に支持されている。回転軸31は外側端部が内側端部よりも前方に配置されるように斜め前方に延びる。一対の前列ディスク30は、これらの下部間が所定の隙間を有して平面視においてハの字状に配設されている。
【0023】
支持フレーム21の後側には、条間幅方向一方側及び他方側へ突没可能で伸長長さ調節が可能な一対のアーム支持部41が設けられている。
【0024】
アーム支持部41の先端部には、複数のピン挿入孔42aが条間幅方向に所定距離を有して設けられたディスク角調整支持体42が取り付けられている。ディスク角調整支持体42の前側には上部が回動自在に挿入されて下方へ延びるディスク支持ロッド43が回動可能に支持されている。このディスク支持ロッド43の下端部に横方向軸周りに回転自在に支持された後列ディスク40が設けられている。
【0025】
後列ディスク40は、ディスク角調整支持体42に対してディスク支持ロッド43を回動させてロッドの回動角度に対応するピン挿入孔42aに係止ピンを挿入すると、ロッドの回動角度に応じたディスク角度を有した状態でディスク角調整支持体42に固定される。
【0026】
支持フレーム21の前側の一方側に配設された前列ディスク30とこの前列ディスク30よりも進行方向後側に配設された後列ディスク40との間で後列ディスク40の条間幅方向内側、及び支持フレーム21の前側の他方側に配設された前列ディスク30とこの前列ディスク30よりも進行方向後側に配設された後列ディスク40との間で後列ディスク40の条間幅方向内側には、一対のチゼル50が配設されている。
【0027】
チゼル50は、前列ディスク30と後列ディスク40との間に配設された連結支持フレーム14に取り付けられている。連結支持フレーム14は、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、断面が円形状の棒状部材であり、一対の連結フレーム22を介して支持されて条間幅方向に延びている。後列ディスク40の前方に延びる連結支持フレーム14には上下方向へ張り出すフランジ部14aが設けられている。フランジ部14aは一対の後列ディスク40の各ディスクの前方に設けられている。このフランジ部14aの上部には、ボルト15の軸部15aを挿通可能な貫通孔14bが設けられている。
【0028】
チゼル50は、上下方向に延びる支持体部51とこの下側前部に取り付けられたチゼル部52とを有してなる。支持体部51は断面形状が六角状に形成された棒状部材であり、支持体部51の上部にはホルダー54が支持体部軸方向に移動自在に挿着されている。ホルダー54は支持体部51に挿着される筒部54aと、筒部54aの前面側に固着されたホルダ本体部54bとを有してなる。筒部54aは、内側が支持体部51の断面形状と相似形(六角形状)の孔部が設けられている。このため、筒部54a内に支持体部51が挿入されると、支持体部51は筒部54aに対して上下方向に移動自在である一方、筒部周方向への回動は規制される。また筒部54aには、この径方向に螺合して支持体部51の上下方向の移動を規制する固定ボルト55が設けられている。このため、チゼル部52が進行方向前方に向いた状態で支持体部51を筒部54aに挿入して固定ボルト55によって支持体部51を筒部54aに固定すると、チゼル部52は常に進行方向前方に向いた状態で筒部54aに固定することができる。なお、支持体部51の断面形状及び支持体部51を挿通する孔部の形状は、六角形状に限るものではなく、三角状、四角状等の矩形状でもよい。
【0029】
このチゼル50は、ホルダー54のホルダ本体部54b内に挿通された中間支持体57を介して連結支持フレーム14に固定支持されている。中間支持体57は内側に連結支持フレーム14が挿通可能な四角形状の孔部を有した中間筒部57aと、中間筒部57aの一端側に固着されて上方へ張り出す結合板部57bとを有してなる。中間筒部57aの外側の断面形状はホルダ本体部54b内の孔部の断面形状よりも小さな相似形を有して、ホルダ本体部54b内の孔部内に中間筒部57aが挿通されている。結合板部57bの下側には中間筒部57aの孔部と略同一形状の連通孔部が形成されて、連結支持フレーム14が挿通されている。
【0030】
結合板部57bの上部にはボルト15の軸部15aが挿通可能な孔部が設けられている。この孔部は、連結支持フレーム14に中間支持体57を挿通すると、フランジ部14aに設けられた孔部と連通可能な位置に設けられている。このため、連通状態にある孔部にボルト15の軸部15aを挿通してナット17を螺合することで、フランジ部14aに中間支持体57を固定することができる。連通状態にある孔部に挿通されるボルト15については後述する。
【0031】
ホルダ本体部54bの上側及び下側を形成する各側板には、ボルト16が螺合可能なねじ孔(図示せず)が設けられている。このねじ孔にボルト16の軸部を螺合して軸部の先端部を中間支持体57の中間筒部57aの表面に当接させると、ホルダー54を中間支持体57に固定することができる。このため、中間支持体57の長手方向にホルダー54を移動させて中間支持体57に固定することで、ホルダー54を介してチゼル50を条間幅方向に位置調節することができる。
【0032】
結合板部57bの孔部に挿通されてフランジ部14aに締結されるボルト15は、いわゆるシャーボルトである。このため、図5(a)に示すように、チゼル50が矢印A方向に進行しているときに、チゼル50が圃場に存在する石等の障害物に当接して矢印B方向の負荷がチゼル部52に作用すると、チゼル50は、連結支持フレーム14の中心軸線を回動支点Oとして反時計方向に回動しようとしてシャーボルトであるボルト15に剪断力が作用する。この剪断力がシャーボルトを破断させるに必要な力よりも大きい場合には、シャーボルトは破断する。
【0033】
その結果、チゼル50は、図5(b)に示すように、連結支持フレーム14の中心軸線を回動支点Oとして反時計方向に回動し、チゼル50に大きな負荷が作用する事態が防止されて、チゼル50やこれを支持する連結支持フレーム14等の損傷を未然に防止することができる。
【0034】
図2及び図3に示すように、一対の後列ディスク40と一対のチゼル50との間で且つ一対の前列ディスク30の条間幅方向の中間部には、一対の前列ディスク30の条間幅方向間の中耕されない残耕を条間幅方向外側へ排除する排土機構部60が設けられている。
【0035】
排土機構部60は、前部に配設された排土側チゼル部61と、排土側チゼル部61の幅方向両側に配設されて後方斜め外側に傾斜する一対の排土板62と、これら排土側チゼル部61及び排土板62を支持する支持部材63とを有してなる。支持部材63は上下方向に延び、その上端部が連結支持フレーム14に固定されている。支持部材63の下部の前側に排土側チゼル部61が設けられ、この排土側チゼル部61の条間幅方向両側に排土板62が取り付けられている。なお、排土機構部60は、連結支持フレーム14に固定された状態で設けられているが、前述したチゼル50のようにシャーボルトを介して連結支持フレーム14に取り付けて、シャーボルトの破断時には、排土機構部60が進行方向後方側へ回動するようにしてもよい。
【0036】
このように構成された中耕除草機1によって、作物の条間の圃場を中耕培土する場合には、図2に示すように、中耕ユニット20、20'、20'が作物の条間に配置されるように中耕除草機1を設置する。走行機体90が前進走行して中耕除草機1が前進すると、図1(a)に示すように、一対の前列ディスク30によって中耕された土は、前列ディスク30の前面に沿って進行方向後側に流れて作物Pに培土される。
【0037】
前列ディスク30の条間幅方向外側の中耕されずに残った残耕のうちのチゼル側の残耕Z1は、チゼル50によって膨軟にされる。またこの膨軟にされた土よりも条間幅方向内側の土もチゼル50によって膨軟にされる。このため、後列ディスク40の進行方向前方の土はその殆どが膨軟にされた状態になり、後列ディスク40は条間の土に入り込み易くなる。従って、後列ディスク40は所望の深さを有して条間の土に入り込んで作物Pに培土することができ、作物Pへの培土量が不足する虞を無くすことができる。
【0038】
また図1(b)に示すように、一対の前列ディスク30の条間幅方向の中間の土は前列ディスク30によって中耕されることなく残耕Z2として残る。しかし、この残耕Z2は、排土機構部60の排土側チゼル部61(図3参照)によって膨軟にされ、この膨軟にされた残耕Z2の条間幅方向一方側及び他方側の土は、排土機構部60の一対の排土板62によって一対の後列ディスク40の進行方向前方に供給される。このため、一対の後列ディスク40によって作物Pに培土される土の量を増大することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 中耕除草機
3 メインフレーム
15 ボルト(シャーボルト)
21 支持フレーム
30 前列ディスク
40 後列ディスク
50 チゼル
60 排土機構部
61 排土側チゼル部
62 排土板
P 作物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
条間幅方向に延びて支持されたメインフレームに前端側が接続されて進行方向後側へ延びる支持フレームの前側と後側の各両側に、回転自在に支持され、進行方向前側に対して後側が後方斜め外側に傾斜した一対の前列ディスク及び一対の後列ディスクを備え、前記前列ディスク及び前記後列ディスクが作物の条間を進行しながら前記条間の土を中耕培土する中耕除草機において、
前記一対の前列ディスクの一方側に配設された前列ディスクと前記一対の後列ディスクの一方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側、及び前記一対の前列ディスクの他方側に配設された前列ディスクと前記一対の後列ディスクの他方側に配設された後列ディスクとの間で該後列ディスクの条間幅方向内側に、一対のチゼルが設けられていることを特徴とする中耕除草機。
【請求項2】
前記一対のチゼルは、条間幅方向に位置調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の中耕除草機。
【請求項3】
前記一対のチゼルと前記一対の後列ディスクとの間で前記一対の前列ディスクの条間幅方向間に、前記一対の前列ディスクによって中耕されない残耕を条間幅方向外側へ排除する排土機構部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の中耕除草機。
【請求項4】
前記排土機構部は、前部に排土側チゼル部が配設され、該排土側チゼル部の幅方向両側には後方斜め外側に傾斜する一対の排土板が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の中耕除草機。
【請求項5】
前記チゼルは、前記支持フレームに連結された連結支持フレームに前後方向に回動自在に支持されるとともにシャーボルトを介して前記連結支持フレームに固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の中耕除草機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−193776(P2010−193776A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42154(P2009−42154)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【出願人】(390010836)小橋工業株式会社 (198)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【出願人】(000183967)鋤柄農機株式会社 (20)
【Fターム(参考)】