説明

乗用田植機

【課題】ミッドマウント型の田植機において、運転席から圃場に降りることなく予備苗や肥料の補給ができるようにする。
【解決手段】前後車輪の間に昇降自在な植付部を設け、該植付部の前方あるいは後方に、植付部に固定された側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機において、上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場となる肥料補給用ステップを機体フレームに設けると共に、該肥料補給用ステップに作業者が機体の外側から乗り降りできる階段状の補助ステップを設け、該補助ステップの上端を上記肥料補給用ステップあるいは機体に回転自在に軸着して、不要時には機体側に収納できる構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗用型田植機に関し、詳しくは、前後車輪の中間位置に、苗載せ台、植付部および肥料ホッパーを備えた側条施肥機からなるユニットを搭載し、該ユニットの前方あるいは後方に運転席があると共に、最前部にエンジンボンネットがあるミッドマウント型の田植機において、予備苗の補給、側条施肥機の肥料ホッパーへの肥料の補給等の作業を作業者が楽な姿勢で容易に行え、かつ、該作業時に、作業者が圃場に降りることなく畔に移動して行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図10に示すように、植付部をミッドマウント型とした乗用田植機で、運転者と助手との二人乗りタイプでは、機体1の前部1Fのエンジンボンネット2の後方に運転席3が設けられ、運転席3の後部に苗載せ台4a、苗植え機4bおよび側条施肥機4cからなるユニット4を搭載し、最後部1Bに予備苗載せ台5、補助者席7を搭載している。補助者席を無くした一人乗りタイプでは、上記ユニットの前部に運転席を設ける代わりに、ユニットの後部に運転席を設け、最後部の補助者席を無くして予備苗載せ台のみを設けている。
【0003】
この種のミッドマウント型田植機では、エンジンボンネット2の側部にはステップ6が設けられているが、運転席3から最後部へかけて運転者が歩行できるステップは設けられていない。また、施肥機の肥料ホッパーへの肥料補給時に作業者の足場となるステップ等は設けられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
田植え作業時には、運転者が予備苗の補給、側条施肥機への肥料の補給等を行う必要があり、その場合、運転者は田植機から畔へと降りて、畔に置かれている予備苗および肥料を補給する必要があり、また、補給後には運転席へと戻る必要がある。
【0005】
図11(A)に示すように、田植機1を圃場A内で運転して作業する時、図11(B)に示すように、機体前部1Fを畔に付けると、エンジンボンネット側部のステップ6を通って畔Gへと降りることができる。しかしながら、畔Gから予備苗を機体後部の予備苗え台5に載せるためには、一旦、圃場Aに降りなければならない。また、田植え作業途中では、機体前部1Fを畔Gに近づける作業は限定されており、ミッドマウント型の田植機では予備苗、肥料の補給を行う場合、機体後部1Bを畔に近づけた方が作業がやり易く、通常は、図7(C)に示すように、機体後部1Bを畔Gに近付けた状態となる。
【0006】
この場合、運転者は一旦、圃場A内に降りて圃場A内を歩いて機体を迂回し畔Gまで行って畔に上がらなければならなかった。このように、予備苗、肥料の補給毎に、運転者が圃場に降りて機体を迂回しなければならないと、作業性が非常に低下する問題があった。
【0007】
そのため、従来より、機体から圃場に降りることなく、畔に置かれている予備苗や肥料を補給できるようにすることが強く要望されている。
【0008】
また、田植え作業を効率よく行うためには、畔ぎわで行う側条施肥機への肥料補給の回数を減らす必要があり、そのため、肥料ホッパーを大容量化して、一度に多量の肥料が積み込み出来るようにしている。しかしながら、肥料ホッパーを大容量化すると、肥料ホッパーの上面側投入口の位置が地上から高い位置となり、又一度に補給する肥料の量も増える事となり、作業者に取って肥料補給作業は重労働となっている。
【0009】
特に、ミッドマウント型乗用田植機で側条施肥機の肥料ホッパーを植付部の前方に設けると、その位置は機体前部のエンジンボンネットの後方となる。この為、機体前部を畔に近付けても、畔から直接肥料ホッパーへ肥料を補給することができない。かつ、前記したように、機体は畔ぎわで旋回した後で機体後部を畔に近づけてから行うのが一般であり、この場合、作業者は圃場内を通って肥料ホッパーの所まで行き、肥料の補給を行う必要がある。さらに、肥料ホッパーの肥料投入口が高い位置にあるため、多量の肥料を補給する為には、重い肥料袋を高く差し上げなければならない。
【0010】
さらに、機体の左右両側に肥料ホッパーがある時は、機体の周囲を迂回する必要がある。この時、機体の片側は既に苗が植わっている圃場であるので、苗を踏まないように足元に気を使わなければならず、しかも、肥料ホッパーが大容量化している為、重い肥料袋を持って何度も畔と肥料ホッパーの取付位置の間を往復する必要がある。
【0011】
また、側条施肥機の肥料ホッパーを植付部の上部に搭載する場合もある。この場合には、植付部の前方あるいは後方に肥料ホッパーを配置する場合より、肥料ホッパーの肥料投入口の位置は高くなり、かつ、前記したように、肥料ホッパーが大容量化しているために、その投入口は更に高くなってしまう。そのため、機体外から肥料の補給を行うことは困難になる。
【0012】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、運転者が圃場に降りることなく畔まで移動でき、畔におかれている予備苗、肥料を、機体に搭載している予備苗台や施肥機の施肥ホッパーに補給できるようにすることを第一の課題としている。
さらに、大容量化されて肥料投入口が高い位置となっている肥料ホッパーに、大量の肥料を楽な姿勢で容易に補給できるようにすることを第二の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記第一の課題である運転者が圃場に降りることなく畔まで移動できるようにするため、本発明は、機体前部のエンジンボンネットの後方に運転席を配置している乗用型田植機において、
運転席のフロアから機体最後部まで、作業者が歩行出来る通路が設けられていることを特徴とする乗用型田植機を提供している。
【0014】
上記通路は機体を畔に近づけた時に、畔の高さと略等しくなる高さにしている。このように、運転席のフロアから機体最後部に達する通路を設けておくと、機体後部を畔に近づけると、運転者は圃場に降りることなく、運転席から機体後部まで機体上を移動して、畔に降りることができる。よって、畔に置いている予備苗、肥料を機体に搭載している予備苗台や施肥機の施肥ホッパーに、圃場を通ることなく、補給することができる。
【0015】
特に、前後車輪の中間位置に、苗載せ台、植付部や必要に応じて側条施肥機等を備えたユニットを車幅方向に並列に搭載し、その前方に上記運転席を搭載すると共に、最後部に圃場者席と、その両側に予備苗載せ台を搭載しているミッドマウント型の田植機では、前記したように、機体の後部を畔に近づける方が作業能率が良い。よって、運転者が運転席から機体の最後部へと通路を通って移動して畔に降りて、予備苗や肥料の補給ができるようにすると、ミッドマウント型田植機において、田植え作業の能率を飛躍的に高めることができる。
なお、植付部をミッドマウントとした田植機に限らず、他のタイプの田植機においても、運転席から機体の最後部に達する通路を設けておくと、運転者は圃場に降りることなく機体後部から畔へと降りることができ、圃場を歩く必要を無くすことができる。
【0016】
上記通路は、機体前部において上記エンジンボンネットの横側部から運転席のフロアに連続するステップと連続し、機体の最前部から最後部まで作業者が歩行可能な通路が連続している。
【0017】
このように、機体の最前部から最後部まで作業者が歩行可能な通路を連続して設けていると、機体の前部を畔に近づけた場合、あるいは、機体の後部を畔に近づけた場合のいずれの場合でも、運転者は圃場に降りることなく畔に移動することができる。よって、畔に降りる場合に、畔に対する機体の向きを任意とすることができる。
【0018】
上記通路は機体の幅方向の両側に設けていることが好ましい。即ち、予備苗台や肥料ホッパーが幅方向に並列に搭載されている場合、通路も幅方向の両側に設けると、作業者は近い通路側より補給することができ、作業性を高めることができる。しかしながら、必ずしも両側に設ける必要はなく、植付け部が4条植等で機体の車長方向のフレームが幅方向に1本ある場合には、運転席から最後部に達する通路は車幅方向の中央位置に1本設けられる。
【0019】
具体的には、前後車輪の中間位置に、苗載せ台および植付部、必要に応じて側条施肥機も含むユニットを車幅方向に並列に搭載し、該ユニットの前方に上記運転席を設けると共に、上記ユニットの後方に予備苗載せ台を搭載し、最後部に補助者席を搭載しているミッドマウント型の田植機において、
上記通路は上記並列に搭載した上記ユニットの間を通って、予備苗載せ台用の上部ステップに達し、該上部ステップを車体最後部の補助者席両側のステップへと連続させている。上記ユニットを3列搭載した6条植えの場合には、隣接するユニットの間に通路を設けて、左右一対の2つの通路が設けられた状態としている。
【0020】
上記運転席から上記予備苗載せ台用の上部ステップへ達する部分の上記通路は、車長方向の機体フレームの上面を通路として利用している。その場合、フレームの上面に凹凸を設けて滑り止めとしておくことが好ましい。このフレーム上面の通路は機体最後部の補助者席のフロアに達し、よって、運転席のフロア→機体フレーム上面の通路→補助者席フロアと連続した通路となる。
【0021】
このように車長方向の機体フレームを運転席フロアから補助者席両側のステップへと連続させる通路として利用すると、通路用となる専用部材を取り付ける必要が無くなり、スペースをとらず、かつ、構造の簡単化を図ることができ、さらに、通路を設置することによるコスト高を招くことはない。
【0022】
さらに、上記通路の所要箇所には手摺りを設け、歩行時の安全性を確保していることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記第二の課題である肥料ホッパーへの肥料補給を作業者が楽な姿勢で容易に行えるようにするため、
前後車輪の間に昇降自在な植付部を設け、該植付部の前方あるいは後方に、植付部に固定された側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機において、
上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場および肥料袋の一時置き場となる肥料補給用ステップを機体フレームに設けると共に、該肥料補給用ステップに作業者が機体の外側から乗り降りできる階段状の補助ステップを設け、該補助ステップの上端を上記肥料補給用ステップあるいは機体に回転自在に軸着して、不要時には機体側に収納できる構成としている乗用田植機を提供している。
【0024】
上記肥料補給用ステップは、肥料ホッパーの直前あるいは直後の位置で、作業者が肥料補給用ステップの上に立つと投入口の位置よりも高くなるように設定し、かつ、作業者が立つことが出来ると共に、肥料袋を一時置きすることができる面積と強度とを持たせている。
【0025】
上記肥料補給用ステップを設けておくと、作業者が肥料補給用ステップ上に乗って、上方から肥料を肥料ホッパーへ補給でき、従来のように、肥料袋を上方に持ち上げた状態で肥料をホッパーに投入する無理な姿勢を取らなくとも良くなる。かつ、該肥料補給用ステップに一時置きしている肥料袋から、肥料を連続的に肥料ホッパーに供給でき、肥料補給作業を大幅に改善できる。
【0026】
さらに、上記のように、肥料補給用ステップに連続した階段状の補助ステップを設けており、該補助ステップの最下段が地上から55cm以下の低い位置になるようにしている。よって、必要に応じて、作業者はこの補助ステップを通って機体の外側の圃場へ乗り降りすることができる。
また、上記補助ステップを機体外に突出した状態で固定しておくと、機体を畔ぎわで旋回する時、畔に補助ステップが接触してしまう恐れがある事から、該補助ステップとして使用する以外の時は、上方へ収納できるようにして、使い勝手を良くしている。
【0027】
詳しくは、機体前部にエンジンボンネット、機体後部に運転席があり、該運転席と上記エンジンボンネットの間に植付部を設け、該植付部の前方でエンジンボンネットの直後に肥料ホッパーがある場合、上記肥料補給用ステップは、エンジンボンネットの上部の上段ステップとエンジンボンネットの左右両側あるいはいずれか一側の下段ステップとからなり、上記補助ステップの一端は下段ステップの外端と軸着して連続し、収納時には下段ステップの上方に回転させる構成としている。
【0028】
上記肥料補助用の下段ステップおよび該下段ステップに連続する階段状の補助ステップはエンジンボンネットを挟んで機体の左右両側に設けておくことが好ましい。即ち、左右の補助ステップおよび左右の下段ステップおよび中央の上段ステップを連続させることにより、機体を横断できる構成としている。該構成とすると、機体の左右どちらからでも作業者が昇り降りできると共に、肥料ホッパーに対して左右のどちらからでも肥料の補給を行え、作業者の移動・動作が規制されない利点がある。
【0029】
上記肥料補給用ステップは、機体の前後両端或いはいずれか一端まで作業者が歩行できる通路と連続させていることが好ましい。例えば、肥料補給用ステップの下段ステップを前記した機体に設けた通路に連続させておくと、機体の最前部のエンジンボンネットの横側の通路、あるいは、機体の最後部の通路に畔から作業者が乗り込み、前記肥料補給ステップまで移動することができ、圃場に降りなくとも良くなる。
【0030】
また、 前後輪の間に昇降自在に植付部を設け、該植付部の上部に側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機においては、
上記植付部の後方に、上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場となる肥料補給用ステップを機体フレームに突設している。
【0031】
かつ、上記肥料補給用ステップに連続する下段ステップを機体後端に設け、該下段ステップは機体を畔に近接した時に、畔と略同一高さとなる位置に配置している。
この下段ステップおよび上記肥料補給用ステップは、肥料袋の一時置き場としても利用される。
【0032】
上記のように植付部の上部に肥料ホッパーを設けた場合には、植付部の前方あるいは後方に肥料ホッパーを配置した場合と比較して、肥料ホッパーの上面投入口の位置はより高くなる。よって、植付部の後方に機体フレームより肥料補給用ステップを突設して、このステップ上に作業者が乗って肥料を補給出来ると共に、肥料袋を一時置きできるようにしている。
【0033】
なお、植付部の後方に予備苗載せ台を配置している場合には、この予備苗載せ台に予備苗を補給するためのステップを、上記肥料補給用ステップと併用することが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、運転者が機体上の通路を通って機体後部から畔に降りることが可能であるため、補給作業時に水田に降りる必要が無くなり、作業性を高めることができる。特に、運転者が機体の前部に乗り、予備苗載せ台が機体の後部にある乗用田植機では、機体に設けた通路を通って機体の前部から後部まで自在に作業者が移動できる事は、付帯作業の多い田植機にとって非常に効率よく各作業を出来る効果を有する。
【0035】
上記のように、本発明に係わるミッドマウント型の乗用田植機では、側条施肥機の肥料ホッパーへの肥料補給を行う場合、田植機の後部あるいは前部をあぜに近づけて停止し、作業者は予めあぜに置いてある肥料袋を機体上に設けたステップを通って肥料補給用ステップの上に複数を一時置きすることができる。その結果、肥料袋から肥料ホッパーに肥料を投入した後に、その都度、畔に肥料袋を取りに行く必要がなく、作業性を高めることができる。
【0036】
さらに、肥料ホッパーが大容量化して、その投入口が高い位置にあっても、肥料補給用ステップを設けているため、このステップを肥料補給時の足場とすると、肥料補給作業を楽な姿勢で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5に示す第1実施形態の乗用田植機は、前後車輪11、12の中間位置で植付部13を機体10に搭載したミッドマウント型である。植付部13は3つのユニット15A、15B、15Cを並列に配置し、各ユニットでは2条の植え付けを行うため、合計6条植えの田植機となっている。
【0038】
上記乗用田植機の機体10の前部10FにはエンジンEが搭載され、エンジンEの後部で植付部13の間に運転席16があり、植付部13の後部両側に予備苗載せ台18A、18Bを搭載し、機体最後部10Bには中央に補助者席17を設けている。各ユニット15A〜15Cは機体に対して昇降自在に取り付けた植付部21と、該植付部21の上部に配置した肥料ホッパー22を備えた側条施肥機220と、植付部21に後部に配置した苗載せ台20とからなる。上記ユニットの肥料ホッパー22は植付部21の上部に配置しているため、その上面に位置する肥料の投入口22aの高さは機体の前後方向に配置する機体フレームからも高い位置になっている。
【0039】
機体前部の上記エンジンEのボンネット25の両横部には作業者が歩行できるステップ26、27を設けている。これらステップ26、27は前側水平部26a、27aが傾斜部26b、27bへと続き、傾斜部26b、27bが運転席フロア28の両側に連続している。
【0040】
上記運転席フロア28の後端に、前後車輪の間に設けられる車長方向の一対の機体フレーム29、30を連続させる状態で配置している。これら機体フレーム29、30は運転席後部の植付部13のユニット15Aと15Bの間、15Bと15Cの間を通り、後輪12の上方の上部ステップ31へと達している。
【0041】
上記機体フレーム29、30は図5に示すように夫々、間隔をあけて配置した3本の垂直板29a、30aからなり、これら垂直板29a、30aの上面に凹凸29b、30bを設けて滑り止めとして、作業者が歩行できる通路32、33としている。これら機体フレーム29、30からなる通路32、33の後部は上部ステップ31に連続するように傾斜させている。
【0042】
上部ステップ31は肥料補給用ステップであり、肥料ホッパー22に肥料を補給する時に作業者が載るためのステップであるが、予備苗載せ台18A,18Bに予備苗を載せる作業時に作業者が載るステップを兼ねている。この肥料補給用ステップとなる上部ステップ31は作業者が載って肥料を補給する時の足場となると共に、肥料袋を一時置きできるだけの幅と強度を備えている。また、該上部ステップ31に作業者が立つと、肥料ホッパー22の上面の投入口22aよりも作業者の腕の位置が上方となり、肥料袋を持ち上げることなく上方より投入口22aに肥料を投下できるようにしている。
【0043】
上記した上部ステップ31の後方下部で、補助者席17の両側の下段ステップ34、35が位置し、上部ステップ31から下段ステップ34、35への通路が、機体最後部の通路となる。この機体最後部に位置する下段ステップ34、35の高さは、田植機を水田に位置させた時に、畔と略同一高さになるように設定している。
【0044】
このように、運転席フロア28は機体フレーム29、30からなる通路32、33および上部ステップ31を介して、車体最後部の補助者席両側の下段ステップ34、35に連続し、運転席から車体最後部に達する通路が設けられることとなる。
なお、図示していないが、上部ステップ31および通路32、33の所要箇所には手摺りを設けている。
【0045】
上記のように、運転席から機体最後部10Bへ作業者が歩行できる通路を設けておくと、前記図11(C)に示すように、機体最部を畔に近づけた状態で、作業者は、運転席から通路32あるいは33を通り、上部ステップ31を越えて、最後部の補助者席横のステップ34あるいは35に達して、該ステップ34あるいは35から畔に降りることができる。即ち、圃場に一旦降りて機体を回りを迂回して畔に行く必要がなくなる。畔から予備苗、肥料等を機体の予備苗載せ台や肥料ホッパに補給する作業も、通路を歩いて行うことができ、補給作業時に圃場に降りる必要がなく、補給作業の能率を高めることができる。
【0046】
具体的には、畔ぎわで苗、肥料の補給時には次の様な手順で作業するのが最も効率がよい。
(1)畔ぎわで機体を旋回したのち後進し、機体後部を畔に近付けて機械を止める。
(2)運転者は通路を通って機体後部より畔に降りる。
(3)畔に予め配置している苗を機体後部の予備苗等に積み込む。
(4)畔に予め配置している肥料を機体後部から補給する。
(5)運転者は再び通路を通って運転席に戻り田植作業を再開する。
【0047】
上記予備苗および肥料の補給時には、下段ステップ34あるいは35から上部ステップ31に載り、該上部ステップ31に作業者が立って、予備苗を予備苗載せ台18A,18Bに載せると共に、肥料ホッパー22の投入口から肥料を補給している。この時、作業者の腕の位置よりホッパー投入口が下方に位置するため、作業者は楽な姿勢で重い肥料袋から肥料を肥料ホッパー22に補給することができる。
【0048】
なお、機体前部を畔に近付けた場合では、予備苗を1枚1枚、機体後部の予備苗台へ運ばなければならず、同様に、肥料袋をホッパーへ運ばなければならず、作業効率は大変低いものになる。よって、機体後部より畔に降りて上記作業を行えるようにすると、作業効率を高めることができる。
しかしながら、機体前部を畔に近づけた場合も、エンジンボンネットの両側のステップ26、27をへて畔へ移行することができ、圃場に降りることなく、予備苗および肥料の補給を行うことができる。
【0049】
また、田植の付属作業は上記苗、肥料の補給ばかりではなく、植付部の点検確認等のため、機体後部へ行く事もある。さらに、エンジンの燃料の補給等の作業では逆に機体前部を畔に近付けた方が作業がやり易い場合もある。この場合には、運転席フロアがエンジンボンネットの両側のステップ26、27に連続しているため、機体前部からも、圃場に降りることなく、ステップ26あるいは27を通って畔に降りることが出来る。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、4条植えの田植機で、機体フレームが車幅方向に1本の場合には、該機体フレームを利用した通路は、運転席から機体最高部に達する通路は幅方向中央の1本となる。
また、通路として機体フレームを利用すると、スペースの無駄や別部材を取り付ける必要がなくなるが、必ずしも機体フレームを利用した通路とする必要はなく、通路として適宜な部材を付設してもよい。
【0051】
図6乃至図9は第2実施形態を示す。該第2実施形態は一人乗りタイプで、補助者席を設けていない、ミッドマウント型乗用田植機である。なお、上記第1実施形態と同様な部材は同一符号を付す。
【0052】
上記田植機では、機体前部のエンジンボンネット25の後部に近接して肥料ホッパー22を備えた施肥機220を配置し、該施肥機22の後部に昇降自在の植付部21を配置し、該植付部の後側上部に苗載せ台20を配置している。この施肥機220、植付部21、苗載せ台20からなるユニットを、本実施形態では3台備え、エンジンボンネット25の後部に並設している。上記苗載せ台20の後部の中央に運転席16を設けると共に、その左右両側に予備苗載せ台18A、18Bを設けている。
【0053】
上記機体前部にあるエンジンボンネット25の後部上面には、肥料補給用の上段ステップ50を覆いかぶさるように配置すると共に、エンジンボンネットの左右両側に下段ステップ51、52を設け、これら左右の下段ステップ51、52のどちらからでも上段ステップ50に乗り降りできるようにしている。
【0054】
上記エンジンボンネット25上の上段ステップ50は図8(A)(B)に示すように、エンジンボンネット25の直ぐ後ろの機体フレーム53、54から倒U形状の支持フレーム55を立設し、該支持フレーム55の水平横軸部55aに上段ステップ50を回転自在に軸着している。該上段ステップ50が金属製の外周枠50aの内部に、上縁に凹凸を設けた複数の内部枠50bを取り付けた矩形状としている。該上段ステップ50の外周枠50aの両側を上記水平横軸部55aから突設したブラケット55bに軸51を介して回転可に取り付けている。
【0055】
このように上段ステップ50を支持フレーム55に回転自在に取り付けていることにより、肥料補給時には、エンジンボンネット25の上方に水平に位置させて作業者の足場とする一方、図8(B)に示すように、エンジンボンネット25に設けた給油口25bをあけて給油する必要がある場合には上段ステップ50を上向きに起立させて給油口25bを開くことができるようにしている。
【0056】
上記左右の下段ステップ51、52は、図8(A)に示すように、エンジンボンネット25の左右両側の下段部に形成した内側部51a、52aと、機体フレームより外側に突出した水平板56、57上に支持フレーム58、59を介して水平方向に固定した外側部51b、52bとからなる。
上記内側部51a、52aは上面にゴムマットを敷設している一方、外側部51b、52bは上段ステップ50と同様な金属枠から構成している。
【0057】
上記下段ステップの外側部51b、52bの外端には、階段状の補助ステップ60、61の上端を軸62、63で回転自在に軸着している。これら補助ステップ60、61は長方形状の外周枠60a、61aの内部に横軸60b、61bを設けた形状である。該補助ステップ60、61は、運転者が圃場に降りる時には、図9の実線で示すように外側下方へ降ろすようにし、そのとき、最下段60c、61cは接地する車輪下端面より55cm以下の低い位置になるようにしている。よって、必要に応じて、作業者はこの補助ステップを通って機体の外側の圃場へ乗り降りすることができる。不要時には、図9の一点鎖線で示すように、上端を支点として回転させ、収納するようにしている。
【0058】
上記肥料補給用のステップおよび補助ステップは作業者が肥料袋を持って載っても十分なだけの強度と面積を持たせている。かつ、肥料補助用ステップのエンジンボンネット上の上段ステップ50上に作業者が立つと、肥料ホッパー22の上面投入口よりも作業者の腕が上方に位置し、作業者は肥料袋を持ち上げることなく、肥料をホッパーに投入出来るようにしている。
【0059】
上記エンジンボンネット25の左右両側に下段ステップ51、52は、エンジンボンネット25の前端まで連続する左右の緩やかに傾斜したステップ65、66と連続させている。
なお、本実施形態の乗用田植機では、エンジンボンネット25の真後ろに肥料ホッパー22を配置しているため、第1実施形態とは異なり、機体前部を畔に近づけて、エンジンボンネットの側部のステップを通って畔に降り、畔に置かれている肥料を補給を行うようにしている。
【0060】
また、機体後部の運転者席16は機体フレームより突設した上部ステップ31の中央に設ける一方、その両側に予備苗載せ台18A、18Bを取り付けている。該上部ステップ31は予備苗載せ台18A、18Bに予備苗を載せる時に作業者の足場となるものである。かつ、第1実施形態と同様に、上部ステップ31に連続する下段ステップ34を設け、該下段ステップ34を畔と略同一高さとしている。よって、予備苗を補給する場合には、機体後部を畔に近づけて、上部ステップ31より下段ステップ34を通り、畔に降りて、予備苗を補給するようにしている。
【0061】
上記第2実施形態の乗用田植機では、上記した肥料補給ステップおよび補助ステップを設けていることにより、畔ぎわでの肥料補給および予備苗の補給が下記の手順で楽に効率よく行うことができる。
(1)先ず畔に機体前部を近付けて機械を止める。
(2)畔にいる補助者が、畔から肥料袋を持ってエンジンボンネット25の側部の通路65あるいは66を通って、肥料補給ステップ51、52上に肥料袋を一時乗せておく。この時、肥料袋が複数であっても、圃場に入る事なく楽に乗せる事ができる。
(3)機体を畔ぎわで旋回し、機体後部を畔に近付けて機械を止める。
(4)機体後部の下段ステップ34から運転者が畔に降りて、予備苗の積み込み等の作業を行う。
(5)畔から一旦圃場に入り、未だ田植の行われていない側を通って機体前部側の肥料ホッパー22の位置へ行き、機体横側の階段状の補助ステップ60あるいは61を昇って、肥料補給用ステップ51あるいは52に乗る。
(6)肥料補給ステップ51、52上へ一時載せてある肥料袋を持って、エンジンボンネット25上の下段ステップ51あるいは、52から、左右一方側の肥料ホッパー22へ肥料を補給する。この時、作業者が乗っている上段ステップ50も高い位置であるから、肥料ホッパー22の投入口22aの位置が高くても、楽な姿勢で肥料の補給作業を行う事ができる。
(7)エンジンボンネット25上の肥料補給ステップ50を通って、圃場へ降りる事なく機体の反対側へ横断移動し、他の肥料ホッパー22へも順次肥料を補給する。この時、複数の肥料袋をステップ51、52上に一時載せているため、その都度、畔まで肥料袋を取りに戻る必要がなく、一度、ステップ51、52に昇ったらすべての肥料ホッパー22への肥料の補給を行う事ができる。
(8)全ての肥料ホッパー22への肥料の補給が終わったら、昇った側の補助ステップ60あるいは61を通って、未植付側の圃場内へ降りて、畔へ戻ってから運転席へ戻り田植作業を再開する。
【0062】
以上の工程で、肥料補給作業を行う事ができるため、機体前方から肥料袋を畔から直接機体内に搬入して、圃場に入る事なく機体に載せる事ができる。又、肥料ホッパーが大容量ホッパーであっても、肥料補給用ステップに乗って肥料の補給を行うことができるため、上方から肥料を肥料ホッパーに落とし込むように、楽な姿勢で作業する事ができる。かつ、圃場内、特に植付の終わった側の圃場を通って機体の周囲を迂回する必要はなく、機体上に横断的に設けた肥料補給用ステップを通って、機体上で作業者は左右へ移動できる。しかも、該ステップには肥料袋を一時載せておく事ができるため、畔まで肥料袋を持って往復する必要がない。
【0063】
なお、第2実施形態の乗用田植機においても、第1実施形態と同様に、最後部の運転席16からエンジンボンネット25の側部の下段ステップ51、52に連続する通路を機体フレーム上面を利用して形成してもよい。この場合、運転者は上記通路を通って下段ステップ51あるいは52に達し、さらに傾斜ステップ65、66を経て畔に降りることができることとなる。
よって、肥料の補給時にも、圃場に降りることなく作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の田植機の第1実施形態の側面図である。
【図2】上記田植機を前方から見た斜視図である。
【図3】上記田植機を後方から見た斜視図である。
【図4】概略平面図である。
【図5】要部拡大斜視図である。
【図6】第2実施形態の田植機の斜視図である。
【図7】上記第2実施形態の田植機の概略平面図である。
【図8】第2実施形態の要部を示し、(A)は正面側からみた概略斜視図、(B)はエンジンボンネット上のステップの作動を示す斜視図である。
【図9】第2実施形態に設ける補助ステップの作動を示す概略図である。
【図10】従来例を示す図面である。
【図11】(A)(B)(C)は田植作業時における田植機の位置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0065】
10 機体
10F 機体前部
10B 機体後部
13 植付部
15A、15B、15C ユニット
16 運転席
17 補助席
18A、18B 予備苗受け台
20 苗受け台
21 苗植え部
22 側条施肥機
26、27 エンジンボンネット両側のステップ
28 運転席フロア
29、30 機体フレーム
31 上部ステップ
32 33 通路
34、35 補助席両側のステップ
50 肥料補給用の上段ステップ
51、52 肥料補給用の下段ステップ
60、61 補助ステップ
A 圃場
G 畔
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗用型田植機に関し、詳しくは、前後車輪の中間位置に、苗載せ台、植付部および肥料ホッパーを備えた側条施肥機からなるユニットを搭載し、該ユニットの前方あるいは後方に運転席があると共に、最前部にエンジンボンネットがあるミッドマウント型の田植機において、予備苗の補給、側条施肥機の肥料ホッパーへの肥料の補給等の作業を作業者が楽な姿勢で容易に行え、かつ、該作業時に、作業者が圃場に降りることなく畔に移動して行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図10に示すように、植付部をミッドマウント型とした乗用田植機で、運転者と助手との二人乗りタイプでは、機体1の前部1Fのエンジンボンネット2の後方に運転席3が設けられ、運転席3の後部に苗載せ台4a、苗植え機4bおよび側条施肥機4cからなるユニット4を搭載し、最後部1Bに予備苗載せ台5、補助者席7を搭載している。補助者席を無くした一人乗りタイプでは、上記ユニットの前部に運転席を設ける代わりに、ユニットの後部に運転席を設け、最後部の補助者席を無くして予備苗載せ台のみを設けている。
【0003】
この種のミッドマウント型田植機では、エンジンボンネット2の側部にはステップ6が設けられているが、運転席3から最後部へかけて運転者が歩行できるステップは設けられていない。また、施肥機の肥料ホッパーへの肥料補給時に作業者の足場となるステップ等は設けられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
田植え作業時には、運転者が予備苗の補給、側条施肥機への肥料の補給等を行う必要があり、その場合、運転者は田植機から畔へと降りて、畔に置かれている予備苗および肥料を補給する必要があり、また、補給後には運転席へと戻る必要がある。
【0005】
図11(A)に示すように、田植機1を圃場A内で運転して作業する時、図11(B)に示すように、機体前部1Fを畔に付けると、エンジンボンネット側部のステップ6を通って畔Gへと降りることができる。しかしながら、畔Gから予備苗を機体後部の予備苗え台5に載せるためには、一旦、圃場Aに降りなければならない。また、田植え作業途中では、機体前部1Fを畔Gに近づける作業は限定されており、ミッドマウント型の田植機では予備苗、肥料の補給を行う場合、機体後部1Bを畔に近づけた方が作業がやり易く、通常は、図11(C)に示すように、機体後部1Bを畔Gに近付けた状態となる。
【0006】
この場合、運転者は一旦、圃場A内に降りて圃場A内を歩いて機体を迂回し畔Gまで行って畔に上がらなければならなかった。このように、予備苗、肥料の補給毎に、運転者が圃場に降りて機体を迂回しなければならないと、作業性が非常に低下する問題があった。
【0007】
そのため、従来より、機体から圃場に降りることなく、畔に置かれている予備苗や肥料を補給できるようにすることが強く要望されている。
【0008】
また、田植え作業を効率よく行うためには、畔ぎわで行う側条施肥機への肥料補給の回数を減らす必要があり、そのため、肥料ホッパーを大容量化して、一度に多量の肥料が積み込み出来るようにしている。しかしながら、肥料ホッパーを大容量化すると、肥料ホッパーの上面側投入口の位置が地上から高い位置となり、又一度に補給する肥料の量も増える事となり、作業者に取って肥料補給作業は重労働となっている。
【0009】
特に、ミッドマウント型乗用田植機で側条施肥機の肥料ホッパーを植付部の前方に設けると、その位置は機体前部のエンジンボンネットの後方となる。この為、機体前部を畔に近付けても、畔から直接肥料ホッパーへ肥料を補給することができない。かつ、前記したように、機体は畔ぎわで旋回した後で機体後部を畔に近づけてから行うのが一般であり、この場合、作業者は圃場内を通って肥料ホッパーの所まで行き、肥料の補給を行う必要がある。さらに、肥料ホッパーの肥料投入口が高い位置にあるため、多量の肥料を補給する為には、重い肥料袋を高く差し上げなければならない。
【0010】
さらに、機体の左右両側に肥料ホッパーがある時は、機体の周囲を迂回する必要がある。この時、機体の片側は既に苗が植わっている圃場であるので、苗を踏まないように足元に気を使わなければならず、しかも、肥料ホッパーが大容量化している為、重い肥料袋を持って何度も畔と肥料ホッパーの取付位置の間を往復する必要がある。
【0011】
また、側条施肥機の肥料ホッパーを植付部の上部に搭載する場合もある。この場合には、植付部の前方あるいは後方に肥料ホッパーを配置する場合より、肥料ホッパーの肥料投入口の位置は高くなり、かつ、前記したように、肥料ホッパーが大容量化しているために、その投入口は更に高くなってしまう。そのため、機体外から肥料の補給を行うことは困難になる。
【0012】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、圃場に降りることなく畔まで移動でき、畔におかれている予備苗、肥料を、機体に搭載している予備苗台や施肥機の施肥ホッパーに補給できるようにすることを第一の課題としている。
さらに、大容量化されて肥料投入口が高い位置となっている肥料ホッパーに、大量の肥料を楽な姿勢で容易に補給できるようにすることを第二の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
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【0014】
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【0015】
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【0016】
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【0017】
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【0018】
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【0019】
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【0020】
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【0021】
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【0022】
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【0023】
本発明は、肥料ホッパーへの肥料補給を作業者が楽な姿勢で容易に行えるようにするため、
前後車輪の間に昇降自在な植付部を設け、該植付部の前方あるいは後方に、植付部に固定された側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機において、
上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場および肥料袋の一時置き場となる肥料補給用ステップを機体フレームに設けると共に、該肥料補給用ステップに作業者が機体の外側から乗り降りできる階段状の補助ステップを設け、該補助ステップの上端を上記肥料補給用ステップあるいは機体に回転自在に軸着して、不要時には機体側に収納できる構成としている乗用田植機を提供している。
【0024】
上記肥料補給用ステップは、肥料ホッパーの直前あるいは直後の位置で、作業者が肥料補給用ステップの上に立つと投入口の位置よりも高くなるように設定し、かつ、作業者が立つことが出来ると共に、肥料袋を一時置きすることができる面積と強度とを持たせている。
【0025】
上記肥料補給用ステップを設けておくと、作業者が肥料補給用ステップ上に乗って、上方から肥料を肥料ホッパーへ補給でき、従来のように、肥料袋を上方に持ち上げた状態で肥料をホッパーに投入する無理な姿勢を取らなくとも良くなる。かつ、該肥料補給用ステップに一時置きしている肥料袋から、肥料を連続的に肥料ホッパーに供給でき、肥料補給作業を大幅に改善できる。
【0026】
さらに、上記のように、肥料補給用ステップに連続した階段状の補助ステップを設けており、該補助ステップの最下段が地上から55cm以下の低い位置になるようにしている。よって、必要に応じて、作業者はこの補助ステップを通って機体の外側の圃場へ乗り降りすることができる。
また、上記補助ステップを機体外に突出した状態で固定しておくと、機体を畔ぎわで旋回する時、畔に補助ステップが接触してしまう恐れがある事から、該補助ステップとして使用する以外の時は、上方へ収納できるようにして、使い勝手を良くしている。
【0027】
詳しくは、機体前部にエンジンボンネット、機体後部に運転席があり、該運転席と上記エンジンボンネットの間に植付部を設け、該植付部の前方でエンジンボンネットの直後に肥料ホッパーがある場合、上記肥料補給用ステップは、エンジンボンネットの上部の上段ステップとエンジンボンネットの左右両側あるいはいずれか一側の下段ステップとからなり、上記補助ステップの一端は下段ステップの外端と軸着して連続し、収納時には下段ステップの上方に回転させる構成としている。
【0028】
上記肥料補助用の下段ステップおよび該下段ステップに連続する階段状の補助ステップはエンジンボンネットを挟んで機体の左右両側に設けておくことが好ましい。即ち、左右の補助ステップおよび左右の下段ステップおよび中央の上段ステップを連続させることにより、機体を横断できる構成としている。該構成とすると、機体の左右どちらからでも作業者が昇り降りできると共に、肥料ホッパーに対して左右のどちらからでも肥料の補給を行え、作業者の移動・動作が規制されない利点がある。
【0029】
上記肥料補給用ステップは、機体の前後両端或いはいずれか一端まで作業者が歩行できる通路と連続させていることが好ましい。例えば、肥料補給用ステップの下段ステップを前記した機体に設けた通路に連続させておくと、機体の最前部のエンジンボンネットの横側の通路、あるいは、機体の最後部の通路に畔から作業者が乗り込み、前記肥料補給ステップまで移動することができ、圃場に降りなくとも良くなる。
【0030】
また、 前後輪の間に昇降自在に植付部を設け、該植付部の上部に側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機においては、
上記植付部の後方に、上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場となる肥料補給用ステップを機体フレームに突設している。
【0031】
かつ、上記肥料補給用ステップに連続する下段ステップを機体後端に設け、該下段ステップは機体を畔に近接した時に、畔と略同一高さとなる位置に配置している。
この下段ステップおよび上記肥料補給用ステップは、肥料袋の一時置き場としても利用される。
【0032】
上記のように植付部の上部に肥料ホッパーを設けた場合には、植付部の前方あるいは後方に肥料ホッパーを配置した場合と比較して、肥料ホッパーの上面投入口の位置はより高くなる。よって、植付部の後方に機体フレームより肥料補給用ステップを突設して、このステップ上に作業者が乗って肥料を補給出来ると共に、肥料袋を一時置きできるようにしている。
【0033】
なお、植付部の後方に予備苗載せ台を配置している場合には、この予備苗載せ台に予備苗を補給するためのステップを、上記肥料補給用ステップと併用することが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
削除
【0035】
上記のように、本発明に係わるミッドマウント型の乗用田植機では、側条施肥機の肥料ホッパーへの肥料補給を行う場合、田植機の後部あるいは前部をあぜに近づけて停止し、作業者は予めあぜに置いてある肥料袋を機体上に設けたステップを通って肥料補給用ステップの上に複数を一時置きすることができる。その結果、肥料袋から肥料ホッパーに肥料を投入した後に、その都度、畔に肥料袋を取りに行く必要がなく、作業性を高めることができる。
【0036】
さらに、肥料ホッパーが大容量化して、その投入口が高い位置にあっても、肥料補給用ステップを設けているため、このステップを肥料補給時の足場とすると、肥料補給作業を楽な姿勢で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5に示す参考実施形態の乗用田植機は、前後車輪11、12の中間位置で植付部13を機体10に搭載したミッドマウント型である。植付部13は3つのユニット15A、15B、15Cを並列に配置し、各ユニットでは2条の植え付けを行うため、合計6条植えの田植機となっている。
【0038】
上記乗用田植機の機体10の前部10FにはエンジンEが搭載され、エンジンEの後部で植付部13の間に運転席16があり、植付部13の後部両側に予備苗載せ台18A、18Bを搭載し、機体最後部10Bには中央に補助者席17を設けている。各ユニット15A〜15Cは機体に対して昇降自在に取り付けた植付部21と、該植付部21の上部に配置した肥料ホッパー22を備えた側条施肥機220と、植付部21に後部に配置した苗載せ台20とからなる。上記ユニットの肥料ホッパー22は植付部21の上部に配置しているため、その上面に位置する肥料の投入口22aの高さは機体の前後方向に配置する機体フレームからも高い位置になっている。
【0039】
機体前部の上記エンジンEのボンネット25の両横部には作業者が歩行できるステップ26、27を設けている。これらステップ26、27は前側水平部26a、27aが傾斜部26b、27bへと続き、傾斜部26b、27bが運転席フロア28の両側に連続している。
【0040】
上記運転席フロア28の後端に、前後車輪の間に設けられる車長方向の一対の機体フレーム29、30を連続させる状態で配置している。これら機体フレーム29、30は運転席後部の植付部13のユニット15Aと15Bの間、15Bと15Cの間を通り、後輪12の上方の上部ステップ31へと達している。
【0041】
上記機体フレーム29、30は図5に示すように夫々、間隔をあけて配置した3本の垂直板29a、30aからなり、これら垂直板29a、30aの上面に凹凸29b、30bを設けて滑り止めとして、作業者が歩行できる通路32、33としている。これら機体フレーム29、30からなる通路32、33の後部は上部ステップ31に連続するように傾斜させている。
【0042】
上部ステップ31は肥料補給用ステップであり、肥料ホッパー22に肥料を補給する時に作業者が載るためのステップであるが、予備苗載せ台18A,18Bに予備苗を載せる作業時に作業者が載るステップを兼ねている。この肥料補給用ステップとなる上部ステップ31は作業者が載って肥料を補給する時の足場となると共に、肥料袋を一時置きできるだけの幅と強度を備えている。また、該上部ステップ31に作業者が立つと、肥料ホッパー22の上面の投入口22aよりも作業者の腕の位置が上方となり、肥料袋を持ち上げることなく上方より投入口22aに肥料を投下できるようにしている。
【0043】
上記した上部ステップ31の後方下部で、補助者席17の両側の下段ステップ34、35が位置し、上部ステップ31から下段ステップ34、35への通路が、機体最後部の通路となる。この機体最後部に位置する下段ステップ34、35の高さは、田植機を水田に位置させた時に、畔と略同一高さになるように設定している。
【0044】
このように、運転席フロア28は機体フレーム29、30からなる通路32、33および上部ステップ31を介して、車体最後部の補助者席両側の下段ステップ34、35に連続し、運転席から車体最後部に達する通路が設けられることとなる。
なお、図示していないが、上部ステップ31および通路32、33の所要箇所には手摺りを設けている。
【0045】
上記のように、運転席から機体最後部10Bへ作業者が歩行できる通路を設けておくと、前記図11(C)に示すように、機体最部を畔に近づけた状態で、作業者は、運転席から通路32あるいは33を通り、上部ステップ31を越えて、最後部の補助者席横のステップ34あるいは35に達して、該ステップ34あるいは35から畔に降りることができる。即ち、圃場に一旦降りて機体を回りを迂回して畔に行く必要がなくなる。畔から予備苗、肥料等を機体の予備苗載せ台や肥料ホッパに補給する作業も、通路を歩いて行うことができ、補給作業時に圃場に降りる必要がなく、補給作業の能率を高めることができる。
【0046】
具体的には、畔ぎわで苗、肥料の補給時には次の様な手順で作業するのが最も効率がよい。
(1)畔ぎわで機体を旋回したのち後進し、機体後部を畔に近付けて機械を止める。
(2)運転者は通路を通って機体後部より畔に降りる。
(3)畔に予め配置している苗を機体後部の予備苗等に積み込む。
(4)畔に予め配置している肥料を機体後部から補給する。
(5)運転者は再び通路を通って運転席に戻り田植作業を再開する。
【0047】
上記予備苗および肥料の補給時には、下段ステップ34あるいは35から上部ステップ31に載り、該上部ステップ31に作業者が立って、予備苗を予備苗載せ台18A,18Bに載せると共に、肥料ホッパー22の投入口から肥料を補給している。この時、作業者の腕の位置よりホッパー投入口が下方に位置するため、作業者は楽な姿勢で重い肥料袋から肥料を肥料ホッパー22に補給することができる。
【0048】
なお、機体前部を畔に近付けた場合では、予備苗を1枚1枚、機体後部の予備苗台へ運ばなければならず、同様に、肥料袋をホッパーへ運ばなければならず、作業効率は大変低いものになる。よって、機体後部より畔に降りて上記作業を行えるようにすると、作業効率を高めることができる。
しかしながら、機体前部を畔に近づけた場合も、エンジンボンネットの両側のステップ26、27をへて畔へ移行することができ、圃場に降りることなく、予備苗および肥料の補給を行うことができる。
【0049】
また、田植の付属作業は上記苗、肥料の補給ばかりではなく、植付部の点検確認等のため、機体後部へ行く事もある。さらに、エンジンの燃料の補給等の作業では逆に機体前部を畔に近付けた方が作業がやり易い場合もある。この場合には、運転席フロアがエンジンボンネットの両側のステップ26、27に連続しているため、機体前部からも、圃場に降りることなく、ステップ26あるいは27を通って畔に降りることが出来る。
【0050】
なお、上記参考実施形態に限定されず、4条植えの田植機で、機体フレームが車幅方向に1本の場合には、該機体フレームを利用した通路は、運転席から機体最高部に達する通路は幅方向中央の1本となる。
また、通路として機体フレームを利用すると、スペースの無駄や別部材を取り付ける必要がなくなるが、必ずしも機体フレームを利用した通路とする必要はなく、通路として適宜な部材を付設してもよい。
【0051】
図6乃至図9は本発明の実施形態を示す。該実施形態は一人乗りタイプで、補助者席を設けていない、ミッドマウント型乗用田植機である。なお、上記参考実施形態と同様な部材は同一符号を付す。
【0052】
上記田植機では、機体前部のエンジンボンネット25の後部に近接して肥料ホッパー22を備えた施肥機220を配置し、該施肥機22の後部に昇降自在の植付部21を配置し、該植付部の後側上部に苗載せ台20を配置している。この施肥機220、植付部21、苗載せ台20からなるユニットを、本実施形態では3台備え、エンジンボンネット25の後部に並設している。上記苗載せ台20の後部の中央に運転席16を設けると共に、その左右両側に予備苗載せ台18A、18Bを設けている。
【0053】
上記機体前部にあるエンジンボンネット25の後部上面には、肥料補給用の上段ステップ50を覆いかぶさるように配置すると共に、エンジンボンネットの左右両側に下段ステップ51、52を設け、これら左右の下段ステップ51、52のどちらからでも上段ステップ50に乗り降りできるようにしている。
【0054】
上記エンジンボンネット25上の上段ステップ50は図8(A)(B)に示すように、エンジンボンネット25の直ぐ後ろの機体フレーム53、54から倒U形状の支持フレーム55を立設し、該支持フレーム55の水平横軸部55aに上段ステップ50を回転自在に軸着している。該上段ステップ50が金属製の外周枠50aの内部に、上縁に凹凸を設けた複数の内部枠50bを取り付けた矩形状としている。該上段ステップ50の外周枠50aの両側を上記水平横軸部55aから突設したブラケット55bに軸51を介して回転可に取り付けている。
【0055】
このように上段ステップ50を支持フレーム55に回転自在に取り付けていることにより、肥料補給時には、エンジンボンネット25の上方に水平に位置させて作業者の足場とする一方、図8(B)に示すように、エンジンボンネット25に設けた給油口25bをあけて給油する必要がある場合には上段ステップ50を上向きに起立させて給油口25bを開くことができるようにしている。
【0056】
上記左右の下段ステップ51、52は、図8(A)に示すように、エンジンボンネット25の左右両側の下段部に形成した内側部51a、52aと、機体フレームより外側に突出した水平板56、57上に支持フレーム58、59を介して水平方向に固定した外側部51b、52bとからなる。
上記内側部51a、52aは上面にゴムマットを敷設している一方、外側部51b、52bは上段ステップ50と同様な金属枠から構成している。
【0057】
上記下段ステップの外側部51b、52bの外端には、階段状の補助ステップ60、61の上端を軸62、63で回転自在に軸着している。これら補助ステップ60、61は長方形状の外周枠60a、61aの内部に横軸60b、61bを設けた形状である。該補助ステップ60、61は、運転者が圃場に降りる時には、図9の実線で示すように外側下方へ降ろすようにし、そのとき、最下段60c、61cは接地する車輪下端面より55cm以下の低い位置になるようにしている。よって、必要に応じて、作業者はこの補助ステップを通って機体の外側の圃場へ乗り降りすることができる。不要時には、図9の一点鎖線で示すように、上端を支点として回転させ、収納するようにしている。
【0058】
上記肥料補給用のステップおよび補助ステップは作業者が肥料袋を持って載っても十分なだけの強度と面積を持たせている。かつ、肥料補助用ステップのエンジンボンネット上の上段ステップ50上に作業者が立つと、肥料ホッパー22の上面投入口よりも作業者の腕が上方に位置し、作業者は肥料袋を持ち上げることなく、肥料をホッパーに投入出来るようにしている。
【0059】
上記エンジンボンネット25の左右両側に下段ステップ51、52は、エンジンボンネット25の前端まで連続する左右の緩やかに傾斜したステップ65、66と連続させている。
なお、本実施形態の乗用田植機では、エンジンボンネット25の真後ろに肥料ホッパー22を配置しているため、参考実施形態とは異なり、機体前部を畔に近づけて、エンジンボンネットの側部のステップを通って畔に降り、畔に置かれている肥料を補給を行うようにしている。
【0060】
また、機体後部の運転者席16は機体フレームより突設した上部ステップ31の中央に設ける一方、その両側に予備苗載せ台18A、18Bを取り付けている。該上部ステップ31は予備苗載せ台18A、18Bに予備苗を載せる時に作業者の足場となるものである。かつ、第1実施形態と同様に、上部ステップ31に連続する下段ステップ34を設け、該下段ステップ34を畔と略同一高さとしている。よって、予備苗を補給する場合には、機体後部を畔に近づけて、上部ステップ31より下段ステップ34を通り、畔に降りて、予備苗を補給するようにしている。
【0061】
記実施形態の乗用田植機では、上記した肥料補給ステップおよび補助ステップを設けていることにより、畔ぎわでの肥料補給および予備苗の補給が下記の手順で楽に効率よく行うことができる。
(1)先ず畔に機体前部を近付けて機械を止める。
(2)畔にいる補助者が、畔から肥料袋を持ってエンジンボンネット25の側部の通路65あるいは66を通って、肥料補給ステップ51、52上に肥料袋を一時乗せておく。この時、肥料袋が複数であっても、圃場に入る事なく楽に乗せる事ができる。
(3)機体を畔ぎわで旋回し、機体後部を畔に近付けて機械を止める。
(4)機体後部の下段ステップ34から運転者が畔に降りて、予備苗の積み込み等の作業を行う。
(5)畔から一旦圃場に入り、未だ田植の行われていない側を通って機体前部側の肥料ホッパー22の位置へ行き、機体横側の階段状の補助ステップ60あるいは61を昇って、肥料補給用ステップ51あるいは52に乗る。
(6)肥料補給ステップ51、52上へ一時載せてある肥料袋を持って、エンジンボンネット25上の下段ステップ51あるいは、52から、左右一方側の肥料ホッパー22へ肥料を補給する。この時、作業者が乗っている上段ステップ50も高い位置であるから、肥料ホッパー22の投入口22aの位置が高くても、楽な姿勢で肥料の補給作業を行う事ができる。
(7)エンジンボンネット25上の肥料補給ステップ50を通って、圃場へ降りる事なく機体の反対側へ横断移動し、他の肥料ホッパー22へも順次肥料を補給する。この時、複数の肥料袋をステップ51、52上に一時載せているため、その都度、畔まで肥料袋を取りに戻る必要がなく、一度、ステップ51、52に昇ったらすべての肥料ホッパー22への肥料の補給を行う事ができる。
(8)全ての肥料ホッパー22への肥料の補給が終わったら、昇った側の補助ステップ60あるいは61を通って、未植付側の圃場内へ降りて、畔へ戻ってから運転席へ戻り田植作業を再開する。
【0062】
以上の工程で、肥料補給作業を行う事ができるため、機体前方から肥料袋を畔から直接機体内に搬入して、圃場に入る事なく機体に載せる事ができる。又、肥料ホッパーが大容量ホッパーであっても、肥料補給用ステップに乗って肥料の補給を行うことができるため、上方から肥料を肥料ホッパーに落とし込むように、楽な姿勢で作業する事ができる。かつ、圃場内、特に植付の終わった側の圃場を通って機体の周囲を迂回する必要はなく、機体上に横断的に設けた肥料補給用ステップを通って、機体上で作業者は左右へ移動できる。しかも、該ステップには肥料袋を一時載せておく事ができるため、畔まで肥料袋を持って往復する必要がない。
【0063】
なお、上記実施形態の乗用田植機においても、参考実施形態と同様に、最後部の運転席16からエンジンボンネット25の側部の下段ステップ51、52に連続する通路を機体フレーム上面を利用して形成してもよい。この場合、運転者は上記通路を通って下段ステップ51あるいは52に達し、さらに傾斜ステップ65、66を経て畔に降りることができることとなる。
よって、肥料の補給時にも、圃場に降りることなく作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の田植機の参考実施形態の側面図である。
【図2】上記田植機を前方から見た斜視図である。
【図3】上記田植機を後方から見た斜視図である。
【図4】概略平面図である。
【図5】要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の田植機の斜視図である。
【図7】上記実施形態の田植機の概略平面図である。
【図8】上記実施形態の要部を示し、(A)は正面側からみた概略斜視図、(B)はエンジンボンネット上のステップの作動を示す斜視図である。
【図9】上記実施形態に設ける補助ステップの作動を示す概略図である。
【図10】従来例を示す図面である。
【図11】(A)(B)(C)は田植作業時における田植機の位置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0065】
10 機体
10F 機体前部
10B 機体後部
13 植付部
15A、15B、15C ユニット
16 運転席
17 補助席
18A、18B 予備苗受け台
20 苗受け台
21 苗植え部
22 側条施肥機
26、27 エンジンボンネット両側のステップ
28 運転席フロア
29、30 機体フレーム
31 上部ステップ
32 33 通路
34、35 補助席両側のステップ
50 肥料補給用の上段ステップ
51、52 肥料補給用の下段ステップ
60、61 補助ステップ
A 圃場
G 畔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後車輪の間に昇降自在な植付部を設け、該植付部の前方あるいは後方に、植付部に固定された側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機において、
上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場となる肥料補給用ステップを機体フレームに設けると共に、該肥料補給用ステップに作業者が機体の外側から乗り降りできる階段状の補助ステップを設け、該補助ステップの上端を上記肥料補給用ステップあるいは機体に回転自在に軸着して、不要時には機体側に収納できる構成としている乗用田植機。
【請求項2】
機体前部にエンジンボンネット、機体後部に運転席があり、該運転席と上記エンジンボンネットの間に上記植付部を設け、該植付部の前方でエンジンボンネットの直後に上記肥料ホッパーがあり、
上記肥料補給用ステップは、エンジンボンネットの上部の上段ステップとエンジンボンネットの左右両側あるいはいずれか一側の下段ステップとからなり、上記補助ステップの一端は下段ステップの外端と軸着して連続し、収納時には下段ステップの上方に回転させている請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】
上記肥料補給用ステップは、機体の前後両端或いはいずれか一端まで作業者が歩行できる通路と連続させている請求項1または請求項2に記載の乗用田植機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後車輪の間に昇降自在な植付部を設け、該植付部の前方あるいは後方に、植付部に固定された側条施肥機の肥料ホッパーを設けたミッドマウント型の乗用田植機において、
上記肥料ホッパーに肥料を補給する作業者の足場となる肥料補給用ステップを機体フレームに設けると共に、該肥料補給用ステップに作業者が機体の外側から乗り降りできる階段状の補助ステップを設け、該補助ステップの上端を上記肥料補給用ステップあるいは機体に回転自在に軸着して、不要時には機体側に収納できる構成としている乗用田植機。
【請求項2】
機体前部にエンジンボンネット、機体後部に運転席があり、該運転席と上記エンジンボンネットの間に上記植付部を設け、該植付部の前方でエンジンボンネットの直後に上記肥料ホッパーがあり、
上記肥料補給用ステップは、エンジンボンネットの上部の上段ステップとエンジンボンネットの左右両側あるいはいずれか一側の下段ステップとからなり、上記補助ステップの一端は下段ステップの外端と軸着して連続し、収納時には下段ステップの上方に回転させている請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】
上記肥料補給用ステップは、機体の前後両端或いはいずれか一端まで作業者が歩行できる通路と連続させている請求項1または請求項2に記載の乗用田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−68020(P2006−68020A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−296827(P2005−296827)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【分割の表示】特願2000−135017(P2000−135017)の分割
【原出願日】平成12年5月8日(2000.5.8)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】