説明

位置出し方法と装置

【課題】
位置出し用の目印の場所が電流経路に限定されるという制約をなくし、位置出しの精度を向上する。
【解決手段】
試料とレーザ光とを相対的に移動させて前記試料を走査し前記試料からの磁気をSQUID磁気検出器で検出し、走査位置に対応し且つ検出結果に応じた値の集りからなる像を取得し、取得された像のうち少なくとも一つの領域について、前記試料における位置の目印として、前記像の値に関する前記領域内でのピーク位置又は重心位置を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の位置出し方法と装置に関し、特に、走査レーザSQUID顕顕微鏡等による、半導体集積回路(LSI)の位置出しに好適な方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Pilot−OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance Change)法によるLSIの位置特定手法が、例えば非特許文献1等に提案されている。非特許文献1では、Pilot発光により、位置分解能0.13μm条件で観測位置の1σが約65nmであることが実験から明らかにされた旨が記載されており、またPilot−OBIRCHでは、検出できる電流経路の像を既知コントラストとして利用し、Pilot発光と同様に特定のMOSトランジスタを高速で繰り返し動作させ(テスタからパタンを印加)、その過渡電流を観測する手法が開示されている。
【0003】
図4(A)に示すように、ICチップに対してレーザビームを走査して加熱し、外部電極に流れる電流の変化を検出し、レーザビームの照射箇所に対応した抵抗変化が像(図4(B)参照)として表示される。この手法では、図4(B)に示すように、像の見える箇所は、ICチップにおいて外部電極に接続される電流経路に限定される。
【0004】
【非特許文献1】石井 達也、寺田 浩敏、"Pilot発光・Pilot-OBIRCHによるLSIの欠陥位置特定とその課題 Pilot-Photon-Emission and Pilot-OBIRCH Techniques for LSI Fault Isolation," LSIテスティングシンポジウム/2003 会議録 (H15.11.5-7)、第225-229頁
【非特許文献2】山下 将嗣、川瀬 晃道、大谷 知行、二川 清、斗内 政吉、”レーザーテラヘルツエミッション顕微鏡によるMOSトランジスタの非接触評価,”LSIテスティングシンポジウム/2004 会議録 (H16.11.10−12)、第347-351頁
【非特許文献3】二川 清、井上 彰二 ”走査レーザSQUID顕微鏡の試作・評価と故障・不良解析および工程モニタへの応用提案 −完全非接触・非破壊の新解析手法ー” LSIテスティングシンポジウム/2000 会議録(H12.11.9-10)、第203-208頁
【非特許文献4】二川 清、酒井 哲哉 ”走査レーザSQUID顕微鏡における位相像の利用 Phase Imaging in Laser-SQUID Microscopy" LSIテスティングシンポジウム/2003 会議録(H15.11.5-7)、第317-322頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、図4に示した従来の手法の場合、ICチップに外部から電流又は電圧を印加する必要があるため、制約条件が多い。
【0006】
また、ICチップに外部からの電流又は電圧を印加することで、電流が流れる箇所だけが観測対象とされる。その結果、ICチップにおいて、位置出しの目印として選択可能な箇所は、電流経路にのみ制限される。このように、電流経路以外の箇所は位置出しの目印として使えないため、その用途は極めて限定されたものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る方法は、試料とレーザ光とを相対的に移動させて前記試料を走査し前記試料からの磁気又は電磁波を検出器で検出し、前記走査位置に対応し且つ検出器での検出結果に応じた値の配列(array)からなる像を取得する工程と、取得された像のうち少なくとも一つの領域について、前記試料における位置の目印として、前記像の値に関する前記領域内での演算を求める工程と、を含む。
【0008】
本発明に係る装置は、試料とレーザ光とを相対的に移動させて前記試料を走査する手段と、前記試料から磁気又は電磁波を検出する検出器と、前記走査位置に対応し且つ検出結果に応じた値の集りからなる2次元の像を取得する手段と、取得された像のうち少なくとも一つの領域について、前記像の値に関する前記領域内での演算により、前記試料における目印の位置を求める手段と、を備えている。本発明において、例えばピーク位置又は重心位置を求める。
【0009】
本発明において、前記目印は、前記試料の故障の絞込みの目印として用いられる。
【0010】
本発明において、前記検出器が、前記試料からの磁束を検出する磁気検出器を含む。あるいは、前記検出器が、前記試料から放射される電磁波を検出する電磁波検出器を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、試料上での位置出し用の目印の位置は、電流経路上に限定されず、半値幅の半分以下の精度で、位置出しを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記した本発明について更に詳細に説述すべく添付図面を参照して以下に説明する。走査レーザSQUID(superconducting quantum interference device;超伝導量子干渉計)顕微鏡は、ある種の欠陥ではレーザを欠陥部あるいはその関連箇所に照射した際に電流が流れ、電流により誘起される磁場をSQUID磁束計で検出し、レーザあるいは試料を走査することにより像を得るものである(非特許文献3参照)。走査レーザSQUID顕微鏡において、ほとんどの欠陥あるいはそれに関連した像は、孤立している。このため、故障解析において、解像度よりも位置出し精度が、限界を決める指標となる。すなわち、LSIチップ上での、位置座標がわかればよい。
【0013】
平面座標を(x、y)とすると、走査レーザSQUID顕微鏡やレーザテラヘルツエミッション顕微鏡(Laser THz Emission Microscope ;LTEM)の像では、(x、y)座標が特定可能である。なお、レーザテラヘルツエミッション顕微鏡(LTEM)によるMOSトランジスタの非接触評価(無バイアス電圧条件下で使用可能なデバイス故障箇所絞り込み技術)については非特許文献2が参照される。本発明は、走査レーザSQUID顕微鏡やレーザテラヘルツエミッション顕微鏡(LTEM)で試料の像を取得し、取得された像のうち少なくとも一つの領域について、試料における位置の目印として、領域内での像の値を演算し、ピーク位置又は重心位置を求め、位置出し精度を向上させている。以下、本発明の一実施例における、位置座標の特定の仕方について以下に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施例を説明するための図である。図1(A)は、走査レーザSQUID顕微鏡による像の取得を説明する模式図である。図1(A)に示すように、試料をなすLSIチップとレーザビームとを相対的に移動させてLSIチップを走査し、LSIチップからの磁束をSQUID磁気センサーで検出する。
【0015】
その結果、例えば図1(B)に示すように、走査位置に対応し且つ検出結果(磁束強度)に応じた値の2次元配列からなる像が取得される。図1(B)は、走査レーザSQUID顕微鏡によるウエル(256MDRAM)の像(実機での像)の一部である。走査レーザSQUID顕微鏡の場合、1画素あたりの観測時間は100μs以上と長いため、光照射で発生したキャリアの拡散長の影響で、像はμm程度の広がりをもつ。それでも、チップ(試料)上には、図1(B)に示したように、0.59μm程度の幅のラインプロファイルをもつところが存在する。
【0016】
図1(C)のプロファイル(ラインプロファイル)は、図1(B)の像のX−X’線と交差する輝度の高いラインの断面のX−X’線に沿った磁気強度の分布である。
【0017】
図1(D)は、図1(C)の像からピーク値を補間する手順を説明する図である。図1(D)に示すように、取得された像のうち少なくとも一つの領域について、前記試料における位置の目印として、前記像の値に関する前記領域内でのピーク位置を補間により求める。この結果、この走査レーザSQUID顕微鏡像の半値幅0.59μmの半分以下の精度で、位置出しを行うことができる。
【0018】
走査レーザSQUID顕微鏡では、光の波長、及び、対物レンズの開口数から求まる回折限界よりも小さな半値幅が得られている。光学系の回線限界(=λ/(2NA);ただし、λは波長、NAは開口数)は0.7μm(=1065nm/(2*0.76))であるが、走査レーザSQUID顕微鏡の半値幅は0.59μmである。本実施例では、ピークを補間することで、位置精度として、半値幅は0.59μmよりもさらに小さな値が得られる。例えば、外挿法、内挿法、最小二乗法、その他の方法を用いてピークを補間することができる。
【0019】
また、走査レーザSQUID顕微鏡において、固浸レンズを用いることにより、200nm程度の半値幅を得ることが可能であり、位置出し精度を100nm以下とすることが可能である。被検査LSIチップ(試料)を載置するステージの繰り返し位置出し精度は100nm以下のものも開発されており、被検査LSIチップ上で目印となる箇所が、例えば位置出し精度100nm以下で特定することができれば、LSIチップの欠陥の特定位置の特定精度を100nm以下にすることが可能である。
【0020】
本実施例において、ピーク位置は、図1(D)の像において、平滑化処理ののち、フィッティング等により、極性が異なる2つの直線を求め、2つの直線の交点のx座標をピーク位置とする手法が用いられる。あるいは、これ以外にも、ピークを補間により求める任意の手法が用いられる。
【0021】
本実施例では、ピークの補間の代わりに、ラインプロファイルを求めた領域(図1(B)参照)等において、画素値を密度とし、質量分布の中心(重心)を求めるようにしてもよい。以下説明する。
【0022】
格子点(i,j)における像の値(画素値)をg(i,j)とする。x方向にl、y方向にmの領域の重心Gi,Gjは、次の通りである。



【0023】
ただし、

【0024】
なお、x方向にl、y方向にmの領域として、例えば、本来十分小さい点がぼけて広がっている領域に対して、ある閾値を設け、閾値以上の輝度(階調)の領域を選択するようにしてもよい。
【0025】
また、本実施例において、本来十分細い線が広がっている場合、重心線を求めてもよい。x方向の格子線i上での重心の位置G(i)は以下で与えられる。

【0026】
ただし、w(i)は、

【0027】
また、G(i)の連なりの近似線を、最小二乗法、スプライン近似等で求め、重心線を得るようにしてもよい。
【0028】
同様にして、y方向の格子線jでの重心線の通る位置G(j)は以下で与えられる。


【0029】
ただし、w(j)は、

【0030】
本実施例において、上記のようにして求めたピーク値あるいは重心位置は、LSIチップの座標の基準点として用いられる。あるいは、数点の目印を求め、座標系を確定してもよい。
【0031】
本実施例によれば、図4を参照して説明した従来手法のように、位置出しの目印の位置が、電流経路上に限定されず、LSIチップの故障解析の精度の向上に貢献する。
【0032】
図2(A)は、本発明を実施するための装置構成の一実施例を示す図である。図2(B)は、図2(A)の基準信号1、変調信号2、磁場信号4のタイミング波形の一例を説明する図である。図2(A)を参照すると、この検査装置は、所定の基準信号1に同期した変調信号2により強度変調された変調光を生成し、収束して変調ビーム61を生成する変調ビーム生成部10と、サンプル70をなすLSIチップが搭載され、該サンプルの所定の照射位置に変調ビーム61が照射されるように移動させる試料台71と、サンプル70に変調ビーム61が照射されたときに生成される電流によって誘起される磁場(磁束)を検出し磁場信号4を出力する磁場検出部20と、磁場の強度と、基準信号1と磁場信号4の位相差6(図2(B)参照)を抽出し、それぞれ強度信号5と位相差信号7として出力する信号抽出部30と、変調ビーム61のサンプル70への照射の制御と照射位置情報に応じて試料台71の位置決め制御を行い、強度信号5と位相差信号7を入力し照射位置情報と対応させて出力する制御部40と、強度信号5と位相差信号7の少なくとも1方と照射位置情報とを入力し画像表示する表示部50を備えている。
【0033】
変調ビーム生成部10は、基準信号1及び基準信号1に同期した変調信号2(図2(B)参照)を生成して出力するパルス発生器11と、変調機構を付属したファイバレーザ等で構成され、パルス発生器11から出力された変調信号2により強度変調された変調光(レーザ光)を発生するレーザ光発生器12と、レーザ光を導波する光ファイバ14と、光ファイバ14で導波された光を収束して変調ビーム61を生成する光学系ユニット13を備えている。
【0034】
磁場検出部20は、SQUID磁束計21と、SQUID磁束計21を制御しSQUID磁束計21の出力信号3(電圧出力)から磁場信号4を生成して出力する電子回路(「SQUID電子回路」ともいう)22を備えている。例えばSQUID磁束計21は、高温超伝導型SQUID磁束計が用いられる。電子回路22は、FLL(Flux-Locked Loop)回路を用いることができる。
【0035】
特に制限されないが、信号抽出部30は、例えば2位相ロックインアンプ(不図示)から構成されており、電子回路22から磁場信号4を入力し、パルス発生器11から基準信号1を入力し、磁場信号4から基準信号1と同じ周波数成分を抽出し、強度信号5と、磁場信号4と基準信号1の位相差6(図2(B)参照)に応じた位相差信号7を出力する。
【0036】
制御部40は、例えばステージ走査信号により試料台71(サンプル70)の位置を制御し、レーザ走査信号により変調ビーム生成部10の光学系ユニット13を制御し、変調ビーム61をサンプル70上で走査させながら、サンプル70に照射する。
【0037】
また、制御部40は、信号抽出部30から強度信号5と位相差信号7を取り込み、ステージ走査、レーザ光照射位置、あるいはSQUID磁束計の走査と同期させて、走査レーザSQUID顕微鏡像として表示するための制御を行う。
【0038】
表示部50は、PC(パソコン)51とディスプレイ52を備え、制御部40からの画像表示信号8を受けて、レーザビーム走査位置での磁場に対応する磁場信号4の強度像81あるいは基準信号1との位相差に対応した位相差像82を出力する。なお、図1の説明では、説明を簡単にするために、磁場分布の画像は一種類として示したが、好ましくは、強度像81と位相差像82が用いられる。
【0039】
特に制限されないが、本実施例では、波長1065nmのレーザ光を用いているので、サンプル70がSiウェハの場合、その裏面からレーザ光を照射し、Si基板を透過し、Siウェハ表面近傍のp−n接合部へ変調ビームを到達させることができる。Siウェハ裏面を鏡面研磨しておくことが好ましい。Siウェハ裏面から照射された変調ビーム61を効率よくp−n接合部に到達させることができる。なお、サンプル70をなすLSIチップは無バイアス電圧状態で、磁場像の取得が行われる。
【0040】
SQUID磁束計21として、HTS(高温超伝導)のSQUID磁束計を用い、1pT以下の微小な磁場を検出することが可能である。なお、磁気シールド65を備えている。SQUID磁束計は、通常サンプル70と垂直方向の磁束を検出する。
【0041】
電子回路22から出力される磁場信号4には、通常、ノイズが混入しているため、変調周波数と同じ周波数成分のみを、2位相ロックインアンプ(信号抽出部30)で取り出すことでS/N比を改善している。信号抽出部30として、2位相ロックインアンプを用いることで、パルス発生器11から出ている基準信号1と同じ周波数成分のみを取り出せるだけでなく、その成分の基準信号1との位相差信号7と強度信号5を分離して出力することができる。チップの大きさを例えば6mm×10mmとし、変調ビーム61のビーム径を10μmに絞り、セラミックステージで構成した試料台71をX−Y走査することで、磁場分布像が得られる。変調周波数は例えば100KHzとしている。チップの強度像81と位相差像82が得られる。
【0042】
図2(A)に示した構成は、磁場検出部からの磁場信号より強度信号と、磁場信号と基準信号の位相差を示す位相差信号を別々に出力する例に即して説明したが、強度信号のみを出力する構成にも適用できることは勿論である。
【0043】
なお、図2に示した走査レーザSQUID顕微鏡による256MDRAMチップ裏面からの観測による、強度像、及び位相像(図1(B)の像)の空間分解能については、例えば非特許文献4の記載が参照される。
【0044】
次に、本発明の別の実施例について説明する。本発明の第2の実施例は、前記実施例で用いた走査レーザSQUID顕微鏡の代わりに、レーザテラヘルツエミッション顕微鏡(LTEM)によるLSIチップの像を取得するものである。本実施例においても、前記実施例と同様、無バイアス電圧条件で電磁場像が取得され、解析が行われる。図3において、サンプル101の半導体表面に対して、フェムトレーザを走査することによって、時間的に短い電磁波パルス(テラヘルツ(THz)電磁波)が放射され、このTHz電磁波をTHz電磁波検出器102で検出することで半導体内に印加されている電界分布に関する情報を得ることが可能である。なお、無バイアス電圧下でのMOSFETのLTEM観察については、上記非特許文献2が参照される。図3には、無バイアス電圧下でのLTEM像(断線前と断線後、実機での像)が示されてる。このようにして得られた無バイアスLTEM像から、所定のラインプロファイルに関して、ピーク値又は重心位置を、上記と同様にして求める。
【0045】
レーザテラヘルツエミッション顕微鏡の場合には、回折限界の1μm以下までレーザビームを絞れていないが、2μm程度まで絞った像をみる限り、拡散長(キャリア拡散)の影響は認められない。これは、レーザテラヘルツエミッション顕微鏡(LTEM)の場合、1画素の信号取得に要する時間がpsオーダーと短時間であることによるものと思料される。
【0046】
このため、走査レーザSQUID顕微鏡像による観測中のLSIチップに、例えば図1(B)のラインのような目印が観測できなかった場合には、LTEM像で同様の手順を踏むことで、目印となる像を取得することができる。
【0047】
上記実施例により目印の位置出しが行われたLSIチップについて、該目印(例えば3点の目印)を基準点として位置合わせを行い(例えばXYステージでの位置合わせ)、故障解析が行われる。故障解析としては、例えばOBIRCH法やOBIC法、LTEM、レーザSQUID顕微鏡等で行ってもよい。あるいは、LSIチップの目印の位置座標と、LSIレイアウトパターン(例えば配線パターン)の座標座標との対応付けを行い、顕微鏡像とレイアウトパターンを対応付けするか、あるいは、重ねて等尺で表示する等のマッピングを行ってもよい。現在、レイアウトパターンの精度は100nmよりも高精度とされ、XYステージの位置(前述したように100nm以下)に対応付けすることができる。
【0048】
かかる本発明を、例えばLSIチップの無バイアス下での故障解析に適用した場合に、故障箇所の位置を高精度に特定することを可能としており、故障解析の精度の向上に貢献する。
【0049】
以上本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施例の装置構成を示す図である。
【図3】本発明の別の実施例の構成を説明する図である。
【図4】従来のシステムを説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
1 基準信号
2 変調信号
3 SQUID出力信号
4 磁場信号
5 強度信号
6 位相差
7 位相差信号
8 画像表示信号
10 変調ビーム生成部
11 パルス発生器
12 レーザ光発生器
13 光学系ユニット
14 光ファイバ
20 磁場検出部
21 SQUID磁束計
22 電子回路(SQUID電子回路)
30 信号抽出部
40 制御部
50 表示部
51 PC(パーソナルコンピュータ)
52 ディスプレイ
61 変調ビーム
63 磁場(磁束)
65 磁気シールド
70 サンプル
71 試料台
81 強度像
82 位相差像
100 検査装置(非破壊解析装置)
101 サンプル
102 THz電磁波検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料とレーザ光とを相対的に移動させて前記試料を走査し前記試料からの磁気又は電磁波を検出器で検出し、前記走査位置に対応し且つ前記検出器での検出結果に応じた値の配列からなる像を取得する工程と、
取得された像のうちの少なくとも一つの領域について、前記試料における目印の位置を、前記領域内での前記像の値に関する演算により求める工程と、
を有する、ことを特徴とする位置出し方法。
【請求項2】
前記試料における目印の位置として、前記領域内での前記像の値に関するピークの位置又は重心の位置を求める、ことを特徴とする請求項1記載の位置出し方法。
【請求項3】
前記試料における目印の位置が、前記検出器を含む顕微鏡(microscope)の半値幅よりも高精度に求められる、ことを特徴とする請求項1記載の位置出し方法。
【請求項4】
前記目印は、前記試料の故障解析の目印として用いられる、ことを特徴とする請求項1記載の位置出し方法。
【請求項5】
前記検出器が、前記試料からの磁束を検出する磁気検出器を含む、ことを特徴とする請求項1記載の位置出し方法。
【請求項6】
前記検出器が、前記試料から放射される電磁波を検出する電磁波検出器を含む、ことを特徴とする請求項1記載の位置出し方法。
【請求項7】
前記試料が半導体装置よりなり、前記求められた目印の位置と、前記半導体装置のレイアウトデータとが関連付けされる、ことを特徴とする請求項4記載の位置出し方法。
【請求項8】
試料とレーザ光とを相対的に移動させて前記試料を走査する手段と、
前記試料から磁気又は電磁波を検出する検出器と、
前記走査位置に対応し且つ前記検出器での検出結果に応じた値の配列からなる像を取得する手段と、
取得された像のうちの少なくとも一つの領域について、前記領域内での前記像の値に関する演算により、前記試料における目印の位置を求める手段と、
を備えている、ことを特徴とする位置出し装置。
【請求項9】
前記試料における目印の位置を求める手段が、前記試料における目印の位置として、前記領域内での前記像の値に関するピークの位置又は重心の位置を求める、ことを特徴とする請求項8記載の位置出し装置。
【請求項10】
前記試料における目印の位置精度が、前記検出器を含む顕微鏡(microscope)の半値幅よりも高精度である、ことを特徴とする請求項8記載の位置出し装置。
【請求項11】
前記検出器が、前記試料からの磁束を検出する磁気検出器を含む、ことを特徴とする請求項8記載の位置出し装置。
【請求項12】
前記検出器が、前記試料から放射される電磁波を検出する電磁波検出器を含む、ことを特徴とする請求項8記載の位置出し装置。
【請求項13】
前記レーザ光として、基準信号に同期した変調信号に基づいて強度変調された変調光を生成し、前記試料上に収束させてなる変調ビームを用い、
前記磁場検出器で検出された磁場信号と前記基準信号に基づいて、磁場の強度と、磁場信号と基準信号の位相差を導出し、強度信号と位相差信号として出力し、
前記強度信号及び/又は前記位相差信号を、走査位置情報に対応させて表示する、ことを特徴とする請求項8記載の位置出し装置。
【請求項14】
前記レーザ光と前記磁場検出器とが、走査レーザSQUID顕微鏡を構成している、ことを特徴とする請求項11記載の位置出し装置。
【請求項15】
前記レーザ光と前記電磁波検出器とが、レーザテラヘルツエミッション顕微鏡を構成する、ことを特徴とする請求項12記載の位置出し装置。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−337203(P2006−337203A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163004(P2005−163004)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】