説明

位置情報算出システム、レピータ局、移動体通信端末、プログラム、記録媒体、複製部および位置情報算出方法

【課題】CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局38と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース又は複数基地局測位方式により行なう場合、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出できる位置情報算出システム等を提供する。
【解決手段】レピータ局30が基地局10から受信した信号をレピータ局30に固有の条件に基づき複製させた複製信号RC30と元の信号R30とを合成した信号M30を送信し、移動体通信端末20bが元の信号R30と複製信号RC30を含む信号群とに関する所定測位情報INFを送信する。測位サーバ40は測位情報INF及び所定の判断基準に基づき移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断した場合、レピータ局30の位置情報及び所定の測位方式に基づき移動体通信端末20bの位置情報を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の接続方式、特に符号分割多元接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話からの緊急通報の割合が急増していると言われている(非特許文献1参照)。緊急通報を受理した指令台のオペレータは、通報者との会話においてまず通報者位置の特定等を行った後に詳細な事情聴取に入る。しかし、一般的に通報者は地理的に不案内な場所にいることがあり、そうではなくても気が動転している等のために、自分のいる場所を指令台へ伝えることが困難な場合が多い。このため固定電話では、通報者の位置を特定できる仕組みが既に構築されている。
【0003】
例えば、接続回線としてISDN(Integrated Services Digital Network)回線を設置している指令台では、既存の電話帳の情報に基づき電話帳データベースを作成している。緊急通報の受理時には、発信者電話番号表示機能により通報者の電話番号を知り、当該電話番号を用いて上記電話帳データベースを検索することにより通報者の住所等を得て、位置特定を行なうことができる。通報者が加入者情報を電話帳に掲載していない場合または電話番号を非通知設定としている場合、個人情報保護ガイドラインに定められている条件の下で、所定の電気通信事業者の加入者情報データベースを用いている。この場合、まず電話番号取得機能を用いて通報者の電話番号を取得し、続いてネットワークを介して上記所定の電気通信事業者の加入者情報データベースにアクセスすることにより、通報者の住所等を得て、位置特定を行なうことができる。
【0004】
一方、携帯電話では通報者の位置を特定できる仕組みは実現されていない。上述のように、携帯電話からの緊急通報の割合が急増している現在、携帯電話からの緊急通報における通報者の位置情報を得る機能の早期な実現が期待されている。このため、近年携帯電話事業者による位置情報提供サービスへの取組みが行なわれている。この位置情報提供サービスには、携帯電話の利用者自らが位置情報を利用するサービスと第三者が携帯電話の利用者の位置情報を利用するサービスとがある。第三者が携帯電話の利用者の位置情報を利用するサービスには、携帯電話の利用者が自ら測位を行なって取得した位置情報を第三者へ通知するサービスと、第三者からの求めにより携帯電話の利用者の測位を行なって取得した位置情報を第三者へ通知するサービスとがある。後者には、老人介護者等が利用者の所在地を検索するサービス、緊急通報における位置情報通知サービス等が含まれている。
【0005】
携帯電話からの緊急通報における位置情報通知サービスを行なうためには種々の技術的条件が要求されている。例えば、携帯電話事業者のネットワークに関する事項には測位方式があり、GPS(Global Positioning System)測位方式を基本方式として具備するものとされている。しかし、GPS測位が十分に行なえない場合があるため、代替方式として複数基地局測位方式またはセルベース測位方式のいずれか1つ以上を併せて具備するものとされている。複数基地局測位方式は3基以上の基地局からの同期信号に基づき位置を算出する方式であり、利用環境としては街中または屋内が想定され、測位精度は数10m〜数100m程度と考えられている。セルベース測位方式は移動体通信端末が接続している基地局のセルの情報から位置を算出する方式であり、利用環境としては屋内または地下街等のようにGPS測位および複数基地局測位方式が利用できない場所が想定され、測位精度は数100m〜10km程度と考えられている。
【0006】
近年、携帯電話事業者は、基地局のサービスエリア内における不感地帯を埋めるために、電波を中継する機能を有するレピータ局の設置を進めている。図15は、レピータ局を用いた従来の符号分割多元接続(Code Division Multiple Access : CDMA)方式における位置情報算出システム6を示す。図15において、符号12はパケット通信網、10はパケット通信網12に接続された基地局、SA10は基地局10のサービスエリア、20aは基地局10と移動体通信を行なう移動体通信端末、38は基地局10と有線または無線で接続されたレピータ局、SA38はレピータ局38のサービスエリア、20bはレピータ局38と移動体通信を行う移動体通信端末、40はパケット通信網12に接続され移動体通信端末20a等の位置を測位する測位サーバである。測位サーバ40は、インターネット(不図示)を介してパケット通信網12に接続されていてもよい。
【0007】
次に、図15に示されるような状況においてセルベース測位方式または複数基地局測位方式により測位を行なう場合について説明する。図15に示されるように、移動体通信端末20aは基地局10、パケット通信網12およびインターネットを介して測位サーバ40へ基地局10の識別子を送信する。CDMA方式では基地局10の識別子は一般に基地局10との間で用いられる拡散符号、例えば擬似雑音(pseudo noise : PN)符号である。測位サーバ40は送信された基地局10の識別子により、移動体通信端末20aの位置を基地局10のサービスエリアSA10から想定した所定の位置(サービスエリアSA10の重心等)として算出する。
【0008】
【非特許文献1】総務省情報通信審議会、情報通信技術分科会、緊急通報機能等高度化委員会、“携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件”、[online]、総務省報道資料(情報通信の報道資料)、[平成16年10月27日検索]、インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040517_3_b1.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合、以下のような問題が生じる。図15に示されるように、移動体通信端末20bはレピータ局38と直接通信を行っている。レピータ局38は基地局10の電波をそのまま中継しており、従って基地局10と同じ拡散符号を用いているため、移動体通信端末20b側では直接通信を行っている局が基地局10かレピータ局38かを判断することはできない。このため、移動体通信端末20bはレピータ局38、基地局10、パケット通信網12およびインターネットを介して測位サーバ40へ基地局10の識別子を送信することになる。結果として、測位サーバ40は送信された基地局10の識別子により、移動体通信端末20bの位置を基地局10のサービスエリアSA10から想定した所定の位置として算出してしまうことになる。以上のように、CDMA方式によりレピータ局38と通信している移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合、算出された位置精度が極めて悪化する可能性があるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局38と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出することができる位置情報算出システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の位置情報算出システムは、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムであって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを備え、前記レピータ局は、前記基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、前記移動体通信端末は、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、前記測位サーバは、前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段と、前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
この発明の位置情報算出システムは、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムであって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを備え、前記レピータ局は、前記移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、前記基地局は、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、前記測位サーバは、前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段と、前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であるものとすることができる。
【0013】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0014】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、前記測位サーバは、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信手段をさらに備え、前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出手段をさらに備えることができる。
【0015】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置することができる。
【0016】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0017】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0018】
ここで、この発明の位置情報算出システムにおいて、前記判断手段の判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えることができる。
【0019】
この発明のレピータ局は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおけるレピータ局であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局とを有し、前記レピータ局は、前記基地局と接続され前記移動体通信端末との間で中継を行い、該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、前記被複製信号は、前記移動体通信端末の別個の受信部により各々受信された信号の中から得られ、該移動体通信端末により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0020】
この発明のレピータ局は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおけるレピータ局であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局とを有し、前記レピータ局は、前記基地局と接続され前記移動体通信端末との間で中継を行い、該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、前記基地局により、受信した信号の中から得られた該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する測位情報が送信され、前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0021】
ここで、この発明のレピータ局において、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であるものとすることができる。
【0022】
ここで、この発明のレピータ局において、該レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0023】
ここで、この発明のレピータ局において、前記測位サーバにより算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、該移動体通信端末により、所定の範囲内において送信された該位置情報に基づき、新たに位置情報が算出されるものとすることができる。
【0024】
ここで、この発明のレピータ局において、前記複製部は該レピータ局、前記基地局又は該レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたものとすることができる。
【0025】
ここで、この発明のレピータ局において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0026】
ここで、この発明のレピータ局において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0027】
ここで、この発明のレピータ局において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えることができる。
【0028】
この発明の移動体通信端末は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける移動体通信端末であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを有し、前記移動体通信端末は、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、前記測位情報送信手段により送信された前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0029】
この発明の移動体通信端末は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける移動体通信端末であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを有し、前記基地局は、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、前記測位情報送信手段により送信された前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0030】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であるものとすることができる。
【0031】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0032】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記測位サーバにより算出された該移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出手段をさらに備えることができる。
【0033】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記複製部は該レピータ局、前記基地局又は該レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置することができる。
【0034】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0035】
ここで、この発明の移動体通信端末システムにおいて、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0036】
ここで、この発明の移動体通信端末において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えることができる。
【0037】
この発明のプログラムは、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位するためのプログラムであって、該位置情報算出システムは該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものと、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する移動体通信端末とを有し、前記測位サーバのコンピュータを、前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段、前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段、前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段として機能させるためのプログラムである。
【0038】
この発明のプログラムは、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位するためのプログラムであって、該位置情報算出システムは該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを備え、該基地局は、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信するものであり、前記測位サーバのコンピュータを、前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段、前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段、前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段として機能させるためのプログラムである。
【0039】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断基準であるものとすることができる。
【0040】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0041】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、前記測位サーバは、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信手段をさらに備え、該移動体通信端末により、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たな位置情報が算出されるものとすることができる。
【0042】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置することができる。
【0043】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0044】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0045】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記判断手段の判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えることができる。
【0046】
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0047】
この発明の複製部は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムで用いられる複製部であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを有し、前記複製部は、前記基地局から送信された信号を前記レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させた遅延信号を生成し、該遅延信号と被遅延信号とは前記レピータ局により複製信号と被複製信号として送信され、前記被複製信号は、前記移動体通信端末の別個の受信部により各々受信された信号の中から得られ、該移動体通信端末により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0048】
この発明の複製部は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムで用いられる複製部であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを有し、前記複製部は、前記移動体通信端末から送信された信号を前記レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させた遅延信号を生成し、該遅延信号と被遅延信号とは前記レピータ局により複製信号と被複製信号として送信され、前記基地局により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする。
【0049】
ここで、この発明の複製部において、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であるものとすることができる。
【0050】
ここで、この発明の複製部において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0051】
ここで、この発明の複製部において、前記測位サーバにより算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、該移動体通信端末により、所定の範囲内において該位置情報に基づき、新たに位置情報が算出されるものとすることができる。
【0052】
ここで、この発明の複製部において、該複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置することができる。
【0053】
ここで、この発明の複製部において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0054】
ここで、この発明の複製部において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0055】
ここで、この発明の複製部において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えることができる。
【0056】
この発明の位置情報算出方法は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出方法であって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを用いるものであり、前記レピータ局が、前記基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するステップと、前記移動体通信端末が、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群に関する所定の測位情報を送信する測位情報送信ステップと、前記測位サーバが、前記測位情報送信ステップで送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信ステップと、前記測位情報受信ステップで受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0057】
この発明の位置情報算出方法は、所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出方法であって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを用いるものであり、前記レピータ局が、前記移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するステップと、前記基地局が、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号とを含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信ステップと、前記測位サーバが、前記測位情報送信ステップで送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信ステップと、前記測位情報受信ステップで受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0058】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であるものとすることができる。
【0059】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であるものとすることができる。
【0060】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記算出ステップで算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、前記測位サーバは、前記算出ステップで算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信ステップをさらに備え、前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信ステップで送信された位置情報に基づき、位置情報を算出する端末側算出ステップをさらに備えることができる。
【0061】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置することができる。
【0062】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であるものとすることができる。
【0063】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であるものとすることができる。
【0064】
ここで、この発明の位置情報算出方法において、前記判断ステップの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視ステップをさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0065】
本発明の位置情報算出システム等によれば、レピータ局が基地局から受信した信号をレピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と元の信号(被複製信号)とを合成した信号を送信する。移動体通信端末が、別個のレシーバにより各々受信した合成信号の各信号の中から被複製信号と複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する。測位サーバは測位情報をネットワークを介して受信する。受信した測位情報および所定の判断基準に基づき、移動体通信端末がレピータ局と通信しているか否かを判断する。移動体通信端末がレピータ局と通信していると判断した場合、レピータ局の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末の位置情報を算出する。この結果、移動体通信端末はレピータ局のサービスエリア内に在圏するものと判断することができる。一方、移動体通信端末がレピータ局と通信していると判断されなかった場合、すなわち複製電波が見つからなかった場合、基地局の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末の位置情報を算出する。この結果、移動体通信端末は基地局サービスエリア内に在圏するものと判断することができる。以上により、CDMA方式により移動体通信端末がレピータ局と通信している際に、移動体通信端末の測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末の位置情報を算出することができるという効果がある。
【0066】
複製部等を基地局と移動体通信端末等との間の通信における上り側(移動体通信端末からレピータ局を介して基地局へ)に設定することもできる。この場合、測位サーバは移動体通信端末の位置情報を算出した後の判断結果に基づき、レピータ局の動作を監視することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0068】
図1は、本発明の実施例1における所定の接続方式を用いた場合の位置情報算出システム1を示す。所定の接続方式としてはCDMA方式が好適である。しかし、基地局同士が時間同期をとる時間同期型の接続方式であれば、CDMA方式に限定されるものではない。図1において、符号12はパケット通信網、10はパケット通信網12に接続された基地局、SA10は基地局10のサービスエリア、G10はサービスエリアSA10の重心位置、U10はサービスエリアSA10における基地局10の直下位置、20aは基地局10と移動体通信を行なう移動体通信端末、PaはサービスエリアSA10における移動体通信端末20aの実際の位置、Laは基地局10と移動体通信端末20aとの間の距離である。符号30は基地局10と有線または無線で接続され移動体通信端末20bとの間で中継を行う機能を有するレピータ局、SA30はレピータ局30のサービスエリア、G30はサービスエリアSA30の重心位置、U30はサービスエリアSA30におけるレピータ局30の直下位置、20bはレピータ局30と移動体通信を行う移動体通信端末、PbはサービスエリアSA30における移動体通信端末20bの実際の位置、Lbはレピータ局30と移動体通信端末20bとの間の距離である。符号40はパケット通信網12に接続され移動体通信端末20a等の位置を測位する測位サーバである。測位サーバ40は、インターネット(不図示)を介してパケット通信網12に接続されていてもよい。
【0069】
図1に示されるように、レピータ局30は、基地局10から送信された信号をレピータ局30に固有の条件に基づき複製させた複製信号RC30と元の信号(被複製信号)R30とを合成した信号M30(後述。図3参照)を送信する機能を備えている。詳しくは、基地局10から送信された信号R30は分岐点33で分岐され、複製部31側を通って複製させた複製信号RC30と元の信号R30とは合成点34で合成され、合成された信号M30は送受信部32から送信される。送受信部32は狭義のレピータ局といってもよい。これに対して、レピータ局30は狭義のレピータ局32と複製部31とを合わせた広義のレピータ局ということができる。広義のレピータ局30が、基地局10から送信された信号を広義のレピータ局30または狭義のレピータ局32に固有の条件に基づき複製部31により複製させた複製信号RC30と元の信号R30とを合成した信号M30を送信する機能を備えていると言い換えてもよい。複製部31は、図1に示されるように広義のレピータ局30内において狭義のレピータ局32の近傍に設置することができるが、狭義のレピータ局32の内部に組み込むこともできる。広義のレピータ局30は複製部31および狭義のレピータ局32を含む筐体としてもよい。以下、本実施例1では特に区別する場合を除き、レピータ局とは広義のレピータ局30を指すものとする。
【0070】
上述のレピータ局30に固有の条件とは、被複製信号R30に対しレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ遅延させる条件1と、被複製信号R30に対しレピータ局30に固有の強度比rを与える条件2と、被複製信号R30に対しレピータ局30に固有の位相差θを与える条件3の1つ以上を含むものとすることができる。即ち、条件1ないし3のいずれか1条件としてもよく、条件1ないし3の任意の2条件としてもよく、条件1ないし3のすべての3条件としてもよい。条件1ないし3の他の条件を含めてもよいことは勿論である。複製部31は、条件1に関し、信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ遅延させることができるものであれば、任意の遅延回路を用いることができる。同様に複製部31は、条件2、3に関し、レピータ局30に固有の強度比r、位相差θを信号に与えることができるものであれば、任意の回路を用いることができる。以下では説明の便宜上、特に明示する場合を除き、レピータ局30に固有の条件として上記条件1(遅延時間有り)のみを選択し、従って強度比rは1、位相差θは0として説明する。複製部31が用いる遅延回路として、入力信号を遅延時間D30だけ遅らせて取り出すことができる遅延ケーブルを用いることができる。この場合、遅延ケーブルの単位長さ当たりの静電容量をC、インダクタンスをLとすると、遅延時間は(L×C)の平方根となるため、D30=(L×C)の平方根となるようにインダクタンスLと静電容量Cとを決めればよい。他の遅延回路として、定K形フィルタまたは誘導m形フィルタを用いた集中定数回路を利用してもよい。あるいは遅延回路として、信号を一度超音波に変換し、一定時間(遅延時間D30)ガラスまたはニッケル等の伝送媒体中を伝播させ、再び電気信号として取り出すような超音波を利用したものを用いることもできる。
【0071】
次に、移動体通信端末20a、20b側の機能について説明する。図1において、符号21は移動体通信端末20b等の機能ブロックである。機能ブロック21内に示されるように、移動体通信端末20b等は、別個の受信部(不図示)により各々受信した信号の中から得られた上記元の信号R30(被複製信号)と複製信号を含む信号群(元の信号R30から遅延した信号RC30および反射波)とに関する所定の測位情報INF(後述。図3参照)を送信する測位情報送信部22(測位情報送信手段)を備えている。測位情報INFは、上記信号群における各信号の被複製信号R30に対する遅延時間D30、強度比rまたは位相差θの1つ以上を含んでいる。どのような条件であるかは位置情報算出システム1で予め設定しておくか、あるいは、移動体通信端末20b等が受信した信号のヘッダ部分に指定しておくこともできる。一般に、レピータ局30から送信された電波(直接波)は建物等により反射され、この反射波が直接波と共に移動体通信端末20bに受信されるというマルチパス伝搬を生じることがある。このためCDMA方式では、1台の移動体通信端末20b等内に複数のレシーバ(受信部)が用意されており、各レシーバが独立して直接波とマルチパス伝搬による反射波とを受信し、これらを合成することにより受信レベルを改善するというパス・ダイバーシティを行なっている。本発明では、パス・ダイバーシティの目的のために用意された複数のレシーバを利用して、上記元の信号R30と元の信号R30から複製(遅延)した信号RC30とを各々受信する。勿論、複数のレシーバにより受信した信号の中にはマルチパス伝搬による反射波も含まれていてもよい。そこで、後述するように、測位サーバ40側で複製した信号RC30であるかマルチパス伝搬による反射波であるかを判断させるために、測位情報送信部22は、受信した元の信号R30と複製した信号RC30を含む信号群(マルチパス伝搬による反射波も含む。)とについて所定の測位情報INFを求める。すなわち、上記信号群における各信号の被複製信号R30に対する遅延時間D30、強度比rまたは位相差θを求める。測位情報送信部22は以上の各信号の強度と各遅延時間とを含む測位情報INFを送信する。
【0072】
図2(A)は、基地局10から送信された信号と移動体通信端末20aが受信した信号との関係をグラフで示す。図2(A)で、縦軸は信号強度(ビットエネルギー(Eb)/雑音電力スペクトル密度(Io))、横軸は時間である。図2(A)では、説明の便宜上、マルチパス伝搬による反射波は省略している。移動体通信端末20aは直接基地局10と通信しているため、図2(A)に示されるように、基地局10の送信信号R10から距離Laだけの遅延時間D-Laの後に、送信信号R10の強度S10からある程度弱くなった強度S20aの信号R20aを受信する。一方、図2(B)は、レピータ局30から送信された信号と移動体通信端末20bが受信した信号との関係をグラフで示す。図2(B)で、縦軸は信号強度(ビットエネルギー(Eb)/雑音電力スペクトル密度(Io))、横軸は時間である。図2(B)では、説明の便宜上、マルチパス伝搬による反射波は省略している。図2(B)に示されるように、レピータ局30は元の信号R30とレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ遅延した複製信号RC30との合成信号M30を送信する。移動体通信端末20bは、元の信号R30について距離Lbだけの遅延時間D-Lbの後に、送信信号R30の強度S30からある程度弱くなった強度S20bの信号R20bとして元の信号R30を受信する。さらに移動体通信端末20bは、複製信号RC30について受信信号R20bから遅延時間D30だけの遅延時間の後に、受信信号R20bの強度S20bとほぼ同じ程度に弱くなった強度SC20bの信号RC20bとして複製信号RC30を受信する。一般的にマルチパス伝搬による反射波の強度は信号R20bの強度S20bまたはRC20bの強度SC20bよりもさらに弱くなる傾向にある。信号R20bの後に信号R20bとほぼ同一の強度S20bのマルチパス伝搬による反射波を予め設定された遅延時間D30の後に受信することは、実際にはほとんど起り得ないものと考えられる。従って、信号R20bの受信後に信号R20bとほぼ同一の強度SC20bの信号を予め設定された遅延時間D30の後に受信した場合、当該信号はマルチパス伝搬による反射波ではなく信号RC20bである可能性が極めて高い。移動体通信端末20bが基地局10と直接通信している場合には、図2(A)に示される移動体通信端末20aと同様に、複製信号RC20b(複製信号RC30に対応)を受信することはない。従って、移動体通信端末20bが図2(B)に示されるような信号RC20bを受信した場合、移動体通信端末20bは基地局10とではなくレピータ局30と通信しているものと考えることができる。
【0073】
図2(C)は、条件1ないし3のすべてを含む場合におけるレピータ局30から送信された信号と移動体通信端末20bが受信した信号との関係をグラフで示す。図2(C)において、Q軸は信号の直交成分、I軸は信号の同相成分、t軸は時間である。図2(C)でも、説明の便宜上、マルチパス伝搬による反射波は省略している。図2(C)に示されるように、レピータ局30は元の信号R30k(強度S30k)と、元の信号R30kに対しレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ遅延し、元の信号R30kに対しレピータ局30に固有の位相差θ30を与え、元の信号R30kに対しレピータ局30に固有の強度比r30を与えた複製信号RC30k(強度SC30k)との合成信号M30を送信する。ここで、強度比r30=SC30k/S30kである。移動体通信端末20bは、元の信号R30kについて距離Lbだけの遅延時間D-Lbの後に、送信信号R30kの強度S30kからある程度弱くなった強度S20bkの信号R20bkとして元の信号R30kを受信する。さらに移動体通信端末20bは、複製信号RC30kについて受信信号R20bkから遅延時間D30だけの遅延時間の後に、受信信号R20bkの強度S20bkとほぼ同じ程度に弱くなった強度SC20bkの信号RC20bkとして複製信号RC30kを受信する。ここで、強度S20bkと強度SC20bkとの強度比はr30であり、信号R20bkと信号RC20bkとの位相差はθ30である。信号R20bkの受信後に信号R20bkに対し予め設定された条件1ないし3を満たす信号、即ち遅延時間D30、強度比r30および位相差θ30の信号を受信した場合、当該信号はマルチパス伝搬による反射波ではなく信号RC20bkである可能性が極めて高い。移動体通信端末20bが基地局10と直接通信している場合には、図2(A)に示される移動体通信端末20aと同様に、複製信号RC20bkを受信することはない。従って、移動体通信端末20bが図2(C)に示されるような予め設定された条件1ないし3を満たす信号RC20bkを受信した場合、移動体通信端末20bは基地局10とではなくレピータ局30と通信しているものと考えることができる。以下の実施例1においては、被複製信号はR30k、複製信号はRC30k、移動体通信端末20bで受信した被複製信号はR20bk、移動体通信端末20bで受信した被複製信号はRC20bk、とし、レピータ局30に固有の条件として言及する場合、条件1(遅延時間D30)、条件2(強度比r30)、条件3(位相差θ30)であるものとして説明する。
【0074】
以上の説明の下に、図1に戻って測位サーバ40の機能について説明する。図1において、符号41は測位サーバ40の機能等ブロックである。機能等ブロック41内に示されるように、測位サーバ40は測位情報受信部42(測位情報受信手段)と、判断部43(判断手段)と、算出部44(算出手段)と、位置情報データベース45とを備えている。位置情報データベース45は、基地局10等の識別子と、基地局10等およびレピータ局30等が存在するセルの位置情報と、基地局10等に接続されたレピータ局30等の識別子と、レピータ局30等に固有の条件1等とが記録されている。基地局10等に接続されたレピータ局30等が複数ある場合、各レピータ局30等に固有の条件1等は各別に記録されている。測位情報受信部42は、測位情報送信部22により送信された測位情報INFをインターネットおよびパケット通信網12等のネットワークを介して受信する。受信した情報には測位情報INFと共に、通常の通信の場合のように当該測位情報INFを送信した基地局10等の識別子が付されているため、測位サーバ40は測位情報INFがどの基地局10等から送信されたものであるのかを判別することができる。測位情報INFは、上述のレピータ局30に固有の条件1ないし3に応じて例えば以下のようになる。
【0075】
(1)条件1(遅延時間D30だけ遅延させる)のみの場合
((複製信号RC30kの遅延時間D30)、(反射波の遅延時間Dt))
(2)条件1および条件2(固有の強度比を与える)の場合
((複製信号Rc30kの遅延時間D30、強度比r30)、(反射波の遅延時間Dt、強度比St))
(3)条件1、条件2および条件3(固有の位相差を与える)の場合
((複製信号RC30kの遅延時間D30、強度比r30、位相差θ30)、(反射波の遅延時間Dt、強度比St、位相差θt))
【0076】
判断部43は、測位情報受信部42により受信した測位情報INFおよび所定の判断基準(後述)に基づき、移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信しているか否かを判断する。算出部44は、判断部43により移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信していると判断された場合、位置情報データベース45に記録されたレピータ局30の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20b等の位置情報を算出する。所定の測位方式としては、位置情報算出システム1で予め定められた方式を用いることができ、例えばセルベース測位方式を用いることができる。セルベース測位方式は背景技術でも説明したように、移動体通信端末20bが接続している基地局10のセルの情報から位置を算出する方式である。上述のように、判断部43は移動体通信端末20bの接続している局が基地局10かレピータ局30かを判断することができる。算出部44は、判断部43により移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信していると判断された場合、位置情報データベース45からレピータ局30のセルの情報(位置情報)を得ることにより、移動体通信端末20b等が在圏するセルの情報、すなわち移動体通信端末20b等の位置情報を算出することができる。
【0077】
上述のように、測位情報INFには移動体通信端末20bで受信した複製信号RC20bkの被複製信号R20bkに対する強度比r30、遅延した信号についての各遅延時間D30等が含まれている。上述の所定の判断基準は以下の通りである。まず、測位情報INFと共に受信した基地局10等の識別子を検索キーとして位置情報データベース45の中から該当する基地局10等の欄を見つける。次に、レピータ局30等に固有の条件に応じて、測位情報INFに含まれた被複製信号R20bkに対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比r30である基準(条件1)、測位情報INFに含まれた被複製信号R20bkに対する遅延時間がレピータ局30等に固有の遅延時間D30と同じである基準(条件2)、測位情報INFに含まれた被複製信号R20bkに対する位相差がレピータ局30等に固有の位相差θ30と同じである基準(条件3)の1つ以上が満足するか否かを判定し、1つ以上が満足する場合、移動体通信端末20bがレピータ局30と通信しているものと判断する。例えば、レピータ局30等に固有の条件が、条件1のみの場合、測位情報INFは、((複製信号RC20bkの遅延時間D30)、(反射波の遅延時間Dt))であるため、複製信号RC20bkの遅延時間D30と同じ遅延時間が先に検索された基地局10等の欄にあるか否かを検索する。同じ遅延時間D30があった場合、移動体通信端末20bは当該同じ遅延時間D30のレピータ局30と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bはレピータ局30のサービスエリアSA30内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA30内におけるレピータ局30の直下位置U30または重心位置G30に存在するものと判断することができる。移動体通信端末20bがレピータ局30と通信しているものと判断されなかった場合、すなわち複製信号RC20bkの遅延時間D30と同じ遅延時間が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について上述と同様に検索する。すべてのレピータ局について複製信号RC20bkの遅延時間D30と同じ遅延時間が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。測位情報INFが基地局10等から送信されていることは上述のように共に受信した基地局10等の識別子より明らかであるためである。この結果、移動体通信端末20bは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA10内における基地局10の直下位置U10または重心位置G10に存在するものと判断することができる。
【0078】
レピータ局30等に固有の条件が条件2のみの場合も同様に、まず、測位情報INFと共に受信した基地局10等の識別子を検索キーとして位置情報データベース45の中から該当する基地局10等の欄を見つける。測位情報INFは、((複製信号RC20bkの強度比r30)、(反射波の強度比St))であるため、複製信号RC20bkの強度比r30と同じ強度比が検索された基地局10等の欄にあるか否かを検索する。同じ強度比r30があった場合、移動体通信端末20bは当該同じ強度比r30のレピータ局30と通信しているものと判断する。複製信号RC20bkの強度比r30と同じ強度比が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について上述と同様に検索する。すべてのレピータ局について複製信号RC20bkの強度比r30と同じ強度比が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。レピータ局30等に固有の条件が条件3のみの場合も同様であるため、説明は省略する。
【0079】
レピータ局30等に固有の条件が複数ある場合、例えば条件1および2の場合も同様に、まず、測位情報INFと共に受信した基地局10等の識別子を検索キーとして位置情報データベース45の中から該当する基地局10等の欄を見つける。測位情報INFは、((複製信号RC20bkの遅延時間D30、強度比r30、(反射波の遅延時間Dt、強度比St))であるため、複製信号RC20bkの遅延時間D30および強度比r30の組と同じ遅延時間および強度比の組が検索された基地局10等の欄にあるか否かを検索する。すなわち、条件1および2を同時に満たすレピータ局があるか否かを検索する。同じ遅延時間D30および強度比r30の組があった場合、移動体通信端末20bは当該同じ遅延時間D30および強度比r30の組のレピータ局30と通信しているものと判断する。複製信号RC20bkの遅延時間D30および強度比r30と同じ遅延時間D30および強度比r30の組が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について上述と同様に検索する。すべてのレピータ局について複製信号RC20bkの遅延時間D30および強度比r30の組と同じ遅延時間D30および強度比r30の組が先に検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。レピータ局30等に固有の条件が条件1ないし3の3つの場合も以上と同様であるため、説明は省略する。
【0080】
図3は、本発明の実施例1における位置情報算出システム1の機能および位置情報算出方法の流れをフローチャートで示す。図3において、左側のフローチャートはレピータ局30の機能等の流れを示し、中央のフローチャートは移動体通信端末20b等の機能等の流れを示し、右側のフローチャートは測位サーバ40におけるプログラムの機能等の流れを示す。レピータ局30と移動体通信端末20bとの間、移動体通信端末20bと測位サーバ40との間における通信は破線で示す。説明の便宜上、レピータ局30に固有の条件は条件1および2(固有の遅延時間D30および強度比r30)であるものとする。
【0081】
図3に示されるように、まずレピータ局30が、基地局10から送信された信号を受信する(ステップS10)。続いて、受信した信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ複製部31により遅延させ、レピータ局30に固有の強度比r30を複製部31により与えて複製した複製信号RC30kと元の信号(被複製信号)R30kとを合成した信号M30を送信する(ステップS12)。
【0082】
移動体通信端末20bが、別個のレシーバ(受信部)により各々受信した合成信号M30の各信号の中からR20bk(元の信号R30kに対応)と、R20bから遅延しR20bkと強度の異なる信号RC20bk(複製信号RC30kに対応。マルチパス伝搬による反射波を含んでもよい。)を得る(ステップS20)。次に、上述のように予め設定され、または受信信号で指定された条件に従って、各信号の強度(信号R20bkの強度S20bkおよび信号R20bkから遅延した信号RC20bk等の強度SC20bk等)に基づき信号RC20bk等の信号R20bkに対する強度比r30を求め、信号RC20bk等毎の各遅延時間D30等とを得て、これらを含む測位情報INFを送信する(測位情報送信ステップ。ステップS22)。
【0083】
測位サーバ40が、測位情報送信ステップ(ステップS22)で送信された測位情報INFをインターネットおよびパケット通信網12等のネットワークを介して受信する(測位情報受信ステップ。ステップS30)。測位情報受信ステップ(ステップS30)で受信した測位情報INFおよび上述の所定の判断基準に基づき、移動体通信端末20bがレピータ局30と通信しているか否かを判断する(判断ステップ。ステップS32)。判断ステップ(ステップS32)で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断された場合、レピータ局30の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する(算出ステップ。ステップS34)。この場合、移動体通信端末20bはレピータ局30と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bはレピータ局30のサービスエリアSA30内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA30内におけるレピータ局30の直下位置U30または重心位置G30に存在するものと判断することができる。判断ステップ(ステップS32)で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断されなかった場合、フローチャートでは明示していないが、上述のように基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について同様に検索し、すべてのレピータ局について通信していると判断されなかった場合、基地局10の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する(算出ステップ。ステップS36)。この場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA10内における基地局10の直下位置U10または重心位置G10に存在するものと判断することができる。
【0084】
以上より、本発明の実施例1によれば、レピータ局30が基地局10から受信した信号をレピータ局30に固有の条件に基づき複製部31により複製させた複製信号RC30kと被複製信号R30kとを合成した信号M30を送信する。移動体通信端末20bが、別個のレシーバにより各々受信した合成信号M30の各信号の中から被複製信号R30kに対応した信号R20bkおよび被複製信号R30kに対応した信号RC20bkを得る。次に、被複製信号R20bkと複製信号RC20kを含む信号群に関する所定の測位情報INFを送信する。測位サーバ40は測位情報INFをインターネットおよびパケット通信網12等のネットワークを介して受信する。受信した測位情報INFおよび上述の所定の判断基準に基づき、移動体通信端末20bがレピータ局30と通信しているか否かを判断する。移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断した場合、レピータ局30の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する。この結果、移動体通信端末20bはレピータ局30のサービスエリアSA30内に在圏するものと判断することができる。一方、移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断されなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について同様に位置情報データベース45を検索し、すべてのレピータ局について通信していると判断されなかった場合、基地局10の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する。この結果、移動体通信端末20bは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。以上により、CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局30と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出することができる。
【実施例2】
【0085】
実施例1では、基地局10に接続されたレピータ局30は1台であった。しかし、基地局10に接続可能なレピータ局30は1台に限定されるものではなく、複数台接続することができる。
【0086】
図4は、本発明の実施例2におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム2を示す。図4で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素、機能を示すため、説明は省略する。図4に示されるように、位置情報算出システム2ではレピータ局30に加えて、基地局10と有線または無線で接続され移動体通信端末20cとの間で中継を行う機能を有するレピータ局50が接続されている。図4において、符号SA50はレピータ局50のサービスエリア、G50はサービスエリアSA50の重心位置、U50はサービスエリアSA50におけるレピータ局50の直下位置、20cはレピータ局50と移動体通信を行う移動体通信端末、PcはサービスエリアSA50における移動体通信端末20cの実際の位置、Lcはレピータ局50と移動体通信端末20cとの間の距離である。
【0087】
実施例2では、説明の便宜上、レピータ局30およびレピータ局50に固有の条件は条件1および2(固有の遅延時間D50および強度比r50)であるものとする。図4に示されるように、レピータ局50は、基地局10から送信された信号をレピータ局50に固有の遅延時間D50(後述)だけ複製部51により遅延させ、レピータ局50に固有の強度比r50を複製部51により与えて複製した複製信号RC50(強度SC50)と元の信号(被複製信号)R50(強度S50)とを合成した信号M50(後述。図5参照)を送信する機能を備えている。ここで、強度比r50=(SC50/S50)である。詳しくは、基地局10から送信された信号R50は分岐点53で分岐され、複製部51側を通って遅延時間D50だけ遅延させ強度比r50を与えて複製した複製信号RC50と元の信号R50とは合成点54で合成され、合成された信号M50は送受信部52から送信される。実施例1の場合と同様に、送受信部52は狭義のレピータ局といってもよい。これに対して、レピータ局50は狭義のレピータ局52と複製部51とを合わせた広義のレピータ局ということができる。広義のレピータ局50が、基地局10から送信された信号R50を広義のレピータ局50または狭義のレピータ局52に固有の遅延時間D50だけ複製部51により遅延させ強度比r50を与えて複製した複製信号RC50と元の信号R50とを合成した信号M50を送信する機能を備えていると言い換えてもよい。実施例1の場合と同様に、複製部51は、図4に示されるように広義のレピータ局50内において狭義のレピータ局52の近傍に設置することができるが、狭義のレピータ局52の内部に組み込むこともできる。広義のレピータ局50は複製部51および狭義のレピータ局52を含む筐体としてもよい。以下、本実施例2では実施例1と同様に、特に区別する場合を除き、レピータ局とは広義のレピータ局50を指すものとする。図4では基地局10にレピータ局30および50の2台が接続されているが、これは図面の都合によるものであって、上述のように基地局10には2台以上のレピータ局30等を接続することができる。
【0088】
図5は、レピータ局50から送信された信号と移動体通信端末20cが受信した信号との関係をグラフで示す。図5で、縦軸は信号強度(ビットエネルギー(Eb)/雑音電力スペクトル密度(Io))、横軸は時間である。図5では、説明の便宜上、マルチパス伝搬による反射波は省略している。図5に示されるように、レピータ局50は元の信号R50とレピータ局50に固有の遅延時間D50だけ遅延し強度比r50を与えて複製した複製信号RC50との合成信号M50を送信する。移動体通信端末20cは、元の信号R50について距離Lcだけの遅延時間D-Lcの後に、信号R50の強度S50からある程度弱くなった強度S20cの信号R20cとして元の信号R50を受信する。さらに移動体通信端末20cは、複製信号RC50について信号R20cの受信から遅延時間D50だけの遅延時間の後に、信号R20cの強度S20cに対して強度比r50である強度SC20cの信号RC20cとして複製信号RC50を受信する。すなわち、SC20c/SC20=r50である。
【0089】
実施例1で説明したように、信号R20cの受信後に信号R20cの強度S20cに対して強度比r50である強度SC20cのマルチパス伝搬による反射波を予め設定された遅延時間D50の後に受信することは、実際にはほとんど起り得ないものと考えられる。従って、信号R20cの受信後に信号R20cの強度S20cに対して強度比r50である強度SC20cの信号を予め設定された遅延時間D50の後に受信した場合、当該信号はマルチパス伝搬による反射波ではなく信号RC20cである可能性が極めて高い。一方、移動体通信端末20cは信号R20cを受信してから遅延時間D50の後に信号RC20cを受信している。仮に移動体通信端末20cがレピータ局50とではなくレピータ局30と通信しているものとすると、実施例1で説明したように、信号R20cを受信してから信号RC20cを受信するまでの遅延時間はD50ではなくD30となる筈である。さらに、移動体通信端末20cが基地局10と直接通信している場合、複製信号RC20c(複製信号RC50に対応)および複製信号RC20b(複製信号RC30に対応)のいずれの信号も受信することはない。従って、移動体通信端末20cが図5に示されるような信号RC20cを受信した場合、移動体通信端末20cは基地局10またはレピータ局30とではなくレピータ局50と通信しているものと考えることができる。
【0090】
後の処理は実施例1と同様であり、移動体通信端末20cは各信号の強度比(信号RC20cの強度比r50およびマルチパス伝搬による反射波の強度比(反射波の強度/S20C))と、信号R20cから遅延した信号RC20c等毎の各遅延時間D50等とを含む測位情報INFを送信する。測位情報INFは、例えば((複製信号の遅延時間D50、強度比r50)、(反射波の遅延時間Dt、(反射波の強度/S20C)))となる。
【0091】
測位サーバ40は、送信された測位情報INFをインターネットおよびパケット通信網12等のネットワークを介して受信し、測位情報INFおよび上述の所定の判断基準に基づき、移動体通信端末20cがレピータ局50と通信しているか否かを判断する。移動体通信端末20cがレピータ局50と通信していると判断された場合、レピータ局50の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20cの位置情報を算出する。この場合、移動体通信端末20cはレピータ局50と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20cはレピータ局50のサービスエリアSA50内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA50内におけるレピータ局50の直下位置U50または重心位置G50に存在するものと判断することができる。移動体通信端末20cがレピータ局50と通信していると判断されなかった場合、すなわち測位情報INFの中の複製信号の遅延時間D50および強度比r50の組と同じ遅延時間および強度比の組が検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について上述同様に検索する。すべてのレピータ局について複製信号の遅延時間D50および強度比r50の組と同じ遅延時間および強度比の組が検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、移動体通信端末20cは基地局10と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20cは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。具体的には、サービスエリアSA10内における基地局10の直下位置U10または重心位置G10に存在するものと判断することができる。続いて、基地局10の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20cの位置情報を算出する。
【0092】
以上より、本発明の実施例2によれば、基地局10に複数台のレピータ局50等を接続することができる。レピータ局50等には各々固有の遅延時間D50および強度比r50等が予め設定されているため、測位サーバ40は移動体通信端末20cから送信された測位情報INFおよび上述の所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20cの位置情報を算出することができる。すなわち、測位サーバ40は移動体通信端末20cがCDMA方式により基地局10、レピータ局50または他のレピータ局30等のいずれかと通信している際に、移動体通信端末20cから送信された測位情報INFおよび上述の所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20cの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20cの位置情報を算出することができる。
【実施例3】
【0093】
実施例1および2では、移動体通信端末20b等の位置情報の算出は通信している間中、測位サーバ40側で行われていた。しかし、第1回目の位置情報の算出だけ測位サーバ40側で行い、第2回目以降の位置情報の算出は移動通信端末20b側で行なうようにしてもよい。実施例1の後半の場合と同様に、説明の便宜上、レピータ局30に固有の条件は条件1および2(固有の遅延時間D30および強度比R30)であるものとする。
【0094】
図6は、本発明の実施例3におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム3を示す。図6で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素、機能を示すため、説明は省略する。上述の実施例1等と同様に、測位サーバ40は移動体通信端末20b等から送信された測位情報INF等に基づき、算出部44により移動体通信端末20b等の位置情報POS20b等(図7参照)を算出する。この位置情報POS20b等は、詳しくは移動体通信端末20b等の緯度および経度情報と、当該位置情報を算出する際に利用したGPS衛星に関する情報と、基地局10の識別子とを含んでいる。以上の移動体通信端末20b等の緯度および経度情報、GPS衛星に関する情報および基地局10の識別子は、位置情報データベース45に記録されている。GPS衛星に関する情報には、例えば4個のGPS衛星との間の各距離、各測定時刻等がある。位置情報にはこれら以外にも算出する際に利用した種々の情報を含めることができる。図6の機能等ブロック41に示されるように、測位サーバ40は算出部44により算出された移動体通信端末20b等の位置情報POS20b等を移動体通信端末20b等へ送信する位置情報送信部46(位置情報送信手段)をさらに備えることができる。図6の機能等ブロック21に示されるように、移動体通信端末20b等は、所定の範囲内において位置情報送信部46により送信された位置情報POS20b等に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出部23(端末側算出手段)をさらに備えることができる。上述の説明では実施例1の場合と同様にレピータ局30が1台の場合について示されたが、実施例2の場合と同様にレピータ局が複数台基地局10に接続されている場合についても同様に示されることは勿論である。
【0095】
図7は、本発明の実施例2における位置情報算出システム3の機能および位置情報算出方法の流れをフローチャートで示す。図7において、左側のフローチャートはレピータ局30の機能等の流れを示し、中央のフローチャートは移動体通信端末20b等の機能等の流れを示し、右側のフローチャートは測位サーバ40におけるプログラムの機能等の流れを示す。レピータ局30と移動体通信端末20bとの間、移動体通信端末20bと測位サーバ40との間における通信は破線で示す。図7で図3と同じステップ番号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため説明は省略する。図7に示されるフローチャートが図3に示されるフローチャートと異なる点は、測位サーバ40側のフローチャートにおけるステップS34およびS36の後に、算出ステップ(ステップS34またはS36)で算出された移動体通信端末20bの位置情報POS20bを移動体通信端末20bへ送信する(位置情報送信ステップ。ステップS38)処理が追加されている点である。さらに、移動体通信端末20b側のフローチャートにおけるステップS22の後に、所定の範囲内において位置情報送信ステップ(ステップS38)で送信された位置情報POS20bに基づき、自らの位置情報を算出する(端末側算出ステップ。ステップS24)をさらに備えている点である。
【0096】
上述の所定の範囲内とは、例えば第1回目の位置情報の算出の際に移動体通信端末20bが図6に示されるサービスエリアSA30内に在圏している場合、当該サービスエリアSA30の範囲内または当該サービスエリアSA30から大幅に移動しない範囲内を意味する。移動体通信端末20b側に遅延時間D30および強度比r30を記録しておき、通信中この遅延時間D30および強度比r30が変化しない場合は、端末側算出ステップ(ステップS24)では改めて自らの位置情報を算出せず、直前の位置情報を用いてもよい。移動体通信端末20bが当該サービスエリアSA30の範囲外等へ移動した場合、他の基地局または他のレピータ局と通信することになる。この場合、移動体通信端末20b側で基地局の識別子の変更または受信した複製電波の遅延時間および強度比の変更等を知ることができ、この変更は測位情報INFに反映されて測位サーバ40側へ送信される。測位サーバ40側は当該新たな測位情報INFに基づき、改めて算出部44が第1回目の位置情報の算出を行い、位置情報送信部46が新たに算出された移動体通信端末20b等の位置情報POS20b等を移動体通信端末20b等へ送信する。この後、移動体通信端末20b等の端末側算出部23により、所定の範囲内において送信された位置情報POS20b等に基づき、新たに位置情報を算出することができる。
【0097】
以上より、本発明の実施例3によれば、実施例1および2に示された機能に加えて、測位サーバ40は算出部44により算出された移動体通信端末20b等の位置情報POS20b等を移動体通信端末20b等へ送信する位置情報送信部46をさらに備えることができる。移動体通信端末20b等は、所定の範囲内において位置情報送信部46により送信された位置情報POS20b等に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出部23(端末側算出手段)をさらに備えることができる。このため、移動体通信端末20b等が所定の範囲内にいる間、第1回目の位置情報の算出だけ測位サーバ40側で行い、第2回目以降の位置情報の算出は移動通信端末20b側で行なうようにすることができる。この結果、実施例1および2の効果に加えて、移動体通信端末20b等が所定の範囲内にいる間、移動体通信端末20b等と測位サーバ40との間の通信量を減らすことができるという効果を得ることができる。
【実施例4】
【0098】
実施例1ないし3では、複製部31等は広義のレピータ局30等に設置されていた。しかし、複製部31等は基地局10に設置してもよく、あるいは狭義のレピータ局32と基地局10との間(接続間)に設置してもよい。
【0099】
図8は、本発明の実施例4におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム4を示す。図8で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素または機能を示すため、説明は省略する。図8に示される位置情報算出システム4が実施例1ないし3の位置情報算出システム1等と異なる点は、複製部31がレピータ局30内ではなく基地局10内に設置されている点である。この結果、広義のレピータ局30内には送受信部32(狭義のレピータ局)のみが設置されることになる。基地局10は複製部31を含むようになるため、実施例4における基地局10は広義の基地局と言い換えることもできる。実施例1ないし3の基地局10は狭義の基地局と言ってもよい。実施例2の場合のようにレピータ局50等が複数台基地局10に接続されている場合、広義の基地局10内に複数の複製部31、51等が各レピータ局30、50等に応じて設置されることになる。以上のように、広義の基地局10内に複製部31等を設置することにより、複製部31の設置およびメンテナンス等は個々に離れたレピータ局30等に対して行なうより容易に実施することができる。特に、レピータ局30等がメンテナンス等を実施しにくい場所に置かれている場合、複製部31の設置およびメンテナンス等を極めて容易に実施することができる。
【0100】
図9は、本発明の実施例4におけるCDMA方式を用いた場合の他の位置情報算出システム5を示す。図9で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素または機能を示すため、説明は省略する。図9に示される位置情報算出システム5が実施例1ないし3の位置情報算出システム1等と異なる点は、複製部31がレピータ局30内ではなく基地局10とレピータ局30との間の任意の位置に設置されている点である。この結果、広義のレピータ局30内には送受信部32(狭義のレピータ局)のみが設置されることになる。実施例2の場合のようにレピータ局50等が複数台基地局10に接続されている場合、基地局10と各レピータ局30等との間に各々複製部31、51等が設置されることになる。以上のように、基地局10と各レピータ局30等との間に各々複製部31等を設置することにより、基地局10およびレピータ局30等がメンテナンス等を実施しにくい場所に置かれている場合であっても、複製部31の設置およびメンテナンス等を極めて容易に実施することができる。
【0101】
以上より、本発明の実施例4によれば、複製部31等は広義の基地局10に設置することができ、あるいは狭義のレピータ局32と狭義の基地局10との間に設置することもできる。広義の基地局10内に複製部31等を設置した場合、複製部31の設置およびメンテナンス等は個々に離れたレピータ局30等に対して行なうより容易に実施することができる。特に、レピータ局30等がメンテナンス等を実施しにくい場所に置かれている場合、複製部31の設置およびメンテナンス等を極めて容易に実施することができる。狭義の基地局10とレピータ局30との間に複製部31等を設置した場合、基地局10およびレピータ局30等がメンテナンス等を実施しにくい場所に置かれている場合であっても、複製部31の設置およびメンテナンス等を極めて容易に実施することができる。
【実施例5】
【0102】
実施例1ないし4では、測位サーバ40における所定の測位方式はセルベース測位方式を用いるものとした。しかし、所定の測位方式として複数基地局測位方式を用いることもできる。
【0103】
図10は、本発明の実施例5における所定の測位方式を説明するための図である。図10で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図10は図1から所定の測位方式を説明するために必要な要素のみ取り出したものであるため、基地局10が接続されたパケット通信網12等は省略されている。複数基地局測位方式は背景技術でも説明したように、3基以上の基地局からの同期信号に基づき位置を算出する方式である。図10に示されるような状況で移動体通信端末20aの測位を複数基地局測位方式により行なう場合、レピータ局30を基地局の1つとし、他の基地局10および基地局10cの2基の基地局を加えた3基の基地局からの同期信号に基づき位置を算出することになる。従来の位置算出システムでは基地局10とレピータ局30との識別ができないため、算出された位置精度が極めて悪化する可能性があった。しかし、本発明の位置算出システム1等によれば、上述のように基地局10とレピータ局30とを容易に識別することができる。このため、3基以上の局の中にレピータ局が含まれている場合に所定の測位方式として複数基地局測位方式を用いても、高い位置精度で移動体通信端末20a等の位置情報を算出することができる。
【0104】
以上より、本発明の実施例5によれば、本発明の位置算出システム1等は基地局10とレピータ局30とを容易に識別することができるため、3基以上の局の中にレピータ局が含まれている場合に所定の測位方式として複数基地局測位方式を用いても、高い位置精度で移動体通信端末20a等の位置情報を算出することができる。
【実施例6】
【0105】
図11は、上述した各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する測位サーバ40等のコンピュータの内部回路80を示すブロック図である。図11に示されるように、CPU81、ROM82、RAM83、画像制御部86、コントローラ87、入力制御部89および外部インタフェース(I/F)部91はバス92に接続されている。図11において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM82、ディスク88aまたはCD−ROM88n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。ディスク88aには位置情報データベース45等が記録されている。本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM82からバス92を介し、またはディスク88a若しくはCD−ROM88n等の記録媒体からコントローラ87を経由してバス92を介しRAM83へロードされる。入力制御部89はマウス、テンキー等の入力操作部90と接続され入力制御等を行う。画像メモリであるVRAM85は測位サーバ40の表示部84の少なくとも一画面分のデータ容量に相当する容量を有しており、画像制御部86はVRAM85のデータを画像データへ変換して表示部84へ送出する機能を有している。外部I/F部91は、パケット通信網12等との間の入出力インタフェース機能を有する。
【0106】
上述のようにCPU81が上述の本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROM88n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU81に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROM88n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、DVD、光ディスク、FD等を用いることができる。
【実施例7】
【0107】
上述の各実施例では、複製部31等は基地局10と移動体通信端末20b等との間の通信における下り側(基地局10からレピータ局30を介して移動体通信端末20b等へ)に設定されていた。複製部31等による複製した複製信号RC30等は移動体通信端末20b等で検出され、複製信号RC30等に基づく測位情報INFが移動体通信端末20b等からレピータ局30を介して測位サーバ40へ送信されていた。本実施例7では、複製部31等を基地局10と移動体通信端末20b等との間の通信における上り側(移動体通信端末20b等からレピータ局30を介して基地局10へ)に設定する。すなわち、移動体通信端末20b等からレピータ局30を介する基地局10への上り通信の中で、レピータ局30が複製信号と被複製信号との合成信号を作成し、当該合成信号を基地局10へ送信する。基地局10は受信した合成信号に基づき、上述の実施例と同様の測位情報INFを作成し、当該測位情報INFを測位サーバ40へ送信する。後は上述の実施例と同様に、測位サーバ40は測位情報INF中に被複製信号の強度およびレピータ局30に固有の遅延時間が含まれているかどうかにより、移動体通信端末20b等の位置を算出する。
【0108】
図12は、本発明の実施例7における所定の接続方式を用いた場合の位置情報算出システム7を示す。所定の接続方式としては上述の各実施例と同様にCDMA方式が好適である。図12で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図12に示される位置情報算出システム7と図1に示される位置情報算出システム1との間の相違点は、レピータ局30内における各信号の向きが上り側に向いている点、移動体通信端末20bの機能ブロック21が基地局10の機能ブロック61となっている点、および測位サーバ40に新たに監視部(監視手段)47が追加された点等である。レピータ局30に固有の条件としては、実施例1の場合と同様に、条件1ないし3の1つ以上を含むものとすることができる。実施例7では、説明の便宜上、レピータ局30に固有の条件は条件1および2(固有の遅延時間D30および強度比R30)であるものとする。
【0109】
図12に示されるように、レピータ局30は移動体通信端末20bから送信された信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ複製部31により遅延させた複製信号CUp30と元の信号(被複製信号)Up30とを合成した信号UpM30を送信する機能を備えている。詳しくは、移動体通信端末20bから送信された信号は送受信部32により受信されて信号Up30として出力され、分岐点33で分岐される。元の信号Up30と複製部31側を通って遅延時間D30だけ遅延させ固有の強度比r30を与えて複製させた複製信号CUp30とは合成点34で合成され、合成された信号UpM30がレピータ局30から基地局10へ送信される。複製部31の設置位置を含む、狭義、広義のレピータ局の概念は上述の各実施例と同様であるため省略する。以下、本実施例7でも特に区別する場合を除き、レピータ局とは上述の各実施例と同様に広義のレピータ局30を指すものとする。
【0110】
上述の各実施例と同様に、複製部31は信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ遅延させることができるものであれば、任意の遅延回路を用いることができる。同様に複製部31は、条件2に関し、レピータ局30に固有の強度比r30を信号に与えることができるものであれば、任意の回路を用いることができる。
【0111】
次に、基地局10の機能について説明する。図12において、符号61は基地局10の機能ブロックである。機能ブロック61内に示されるように、基地局10は、受信した信号UpM30の中から得られた上記元の信号Up30(被複製信号)と複製信号CUp3とを含む信号群とに関する所定の測位情報INFを送信する測位情報送信部62(測位情報送信手段)を備えている。即ち、基地局10が上述の各実施例における移動体通信端末20b側の機能(測位情報送信部22)を備えている。一方、移動体通信端末20b側には上述の各実施例における測位情報送信部22は設けられていない。このため、移動体通信端末20b側の機能上の負荷を減少させることができる。上述の各実施例では、下り側において複製信号RC30がレピータ局30から移動体通信端末20bへ送信され、上り側において測位情報INFが移動体通信端末20bからレピータ局30へ送信されていた。しかし、本実施例7ではレピータ局30と移動体通信端末20bとの間の通信においては下り側でも上り側でも複製信号RC30および測位情報INFは送受信されない。このため、本実施例7の位置情報算出システム7は、上述の各実施例における位置情報算出システム1等と比較して、電波の有効活用を行うことができる。
【0112】
図13(A)は、移動体通信端末20aから送信された(上り)信号と基地局10が受信した信号との関係をグラフで示す。図13(A)で、縦軸は信号強度(ビットエネルギー(Eb)/雑音電力スペクトル密度(Io))、横軸は時間である。移動体通信端末20aは直接基地局10と通信しているため、図13(A)に示されるように、基地局10は移動体通信端末20aの送信信号Up20aから距離Laだけの遅延時間D-Laの後に、送信信号Up20aの強度SUp20aからある程度弱くなった強度SUp10の信号Up10を受信する。一方、図13(B)は、レピータ局30から送信された信号と基地局10が受信した信号との関係をグラフで示す。図13(B)で、縦軸は信号強度(ビットエネルギー(Eb)/雑音電力スペクトル密度(Io))、横軸は時間である。移動体通信端末20bはレピータ局30を介して基地局10と通信しているため、図13(B)に示されるように、レピータ局30は元の信号Up30とレピータ局30に固有の条件に基づき複製した(遅延時間D30だけ遅延し固有の強度比r30を与えた)複製信号CUp30との合成信号UpM30を送信する。ここで、固有の強度比r30=SCUp30/SUp30である。基地局10は、元の信号Up30について距離L(レピータ局30と基地局10との間の距離。図12参照)だけの遅延時間D-Lの後に、送信信号Up30の強度SUp30からある程度弱くなった強度SUp30’の信号Up30’として元の信号Up30を受信する。さらに基地局10は、複製信号CUp30について信号Up30’から遅延時間D30だけの遅延時間の後に、信号Up30’の強度SUp30’に対し強度比r30の強度SCUp30’の信号CUp30’として複製信号CUp30を受信する。すなわち、SCUp30’/SUp30’=r30である。上述の各実施例でも説明したように、信号Up30’の後に信号Up30’の強度SUp30’に対し強度比r30の強度SCUp30’のマルチパス伝搬による反射波を予め設定された遅延時間D30の後に受信することは、実際にはほとんど起り得ないものと考えられる。従って、信号Up30’の受信後に信号Up30’の強度SUp30’に対し強度比r30の強度SCUp30’の信号を予め設定された遅延時間D30の後に受信した場合、当該信号はマルチパス伝搬による反射波ではなく信号CUp30’である可能性が極めて高い。移動体通信端末20aが基地局10と直接通信している場合には、図13(A)に示される移動体通信端末20aと同様に、複製信号CUp30’(複製信号CUp30に対応)を受信することはない。従って、基地局10が図13(B)に示されるような信号CUp30’を受信した場合、移動体通信端末20bは基地局10とではなくレピータ局30と通信しているものと考えることができる。
【0113】
以上の説明の下に、図12に戻って測位サーバ40の機能について説明する。図12の測位サーバ40の機能等ブロック41内に示されるように、測位サーバ40は上述の各実施例と同様に、測位情報受信部42(測位情報受信手段)と、判断部43(判断手段)と、算出部44(算出手段)と、基地局10等およびレピータ局30等が存在するセルの位置情報およびレピータ局30等に固有の条件等が記録された位置情報データベース45とを備え、新たに監視部47(監視手段)を備えている。実施例7では、基地局10が測位情報INFを移動体通信端末20bの替わりに作成し、測位サーバ40へ送信している。このため、測位サーバ40側の各機能は新たな監視部47を除いて上述の各実施例と同様である。即ち、測位情報受信部42は、測位情報送信部62により送信された測位情報INFをインターネットおよびパケット通信網12等のネットワークを介して受信する。測位情報INFは、例えば、((複製信号CUp30の遅延時間D30、強度比r30))、(反射波の遅延時間、強度比(=反射波の強度/SUp30’))等となっている。判断部43は、測位情報受信部42により受信した測位情報INFおよび上述の実施例1で説明した所定の判断基準に基づき、移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信しているか否かを判断する。算出部44は、判断部43により移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信していると判断された場合、位置情報データベース45に記録されたレピータ局30の位置情報および上述の実施例で説明した所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20b等の位置情報を算出する。上述のように、判断部43は移動体通信端末20bの接続している局が基地局10かレピータ局30かを判断することができる。算出部44は、判断部43により移動体通信端末20b等がレピータ局30と通信していると判断された場合、位置情報データベース45からレピータ局30のセルの情報(位置情報)を得ることにより、移動体通信端末20b等が在圏するセルの情報、すなわち移動体通信端末20b等の位置情報を算出することができる。
【0114】
図14は、本発明の実施例7における位置情報算出システム7の機能および位置情報算出方法の流れをフローチャートで示す。図14で図3と同じステップS番号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため説明は省略する。図14において、左側のフローチャートはレピータ局30の機能等の流れを示し、中央のフローチャートは基地局10の機能等の流れを示し、右側のフローチャートは測位サーバ40におけるプログラムの機能等の流れを示す。レピータ局30と基地局10との間、基地局10と測位サーバ40との間における通信は破線で示す。移動体通信端末20bはレピータ局10または基地局10と通常の移動体通信を行うだけであるため、そのフローチャートは省略する。
【0115】
図14に示されるように、まずレピータ局30が、移動体通信端末20bから送信された信号を受信する(ステップS40)。続いて、受信した信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ複製部31により遅延させ固有の強度比r30を与えて複製した複製信号CUp30と元の信号(被複製信号)Up30とを合成した信号UpM30を送信する(ステップS42)。
【0116】
基地局10が、合成信号UpM30を受信する(ステップS50)。続いて、受信した合成信号UpM30の中からUp30’(元の被複製信号Up30に対応)およびUp30’から複製した信号CUp30’(複製信号CUp30に対応)およびマルチパス伝搬による反射波を得る(ステップS50)。次に、Up30’とCUp30’を含む信号群とに関する所定の測位情報INFを送信する(測位情報送信ステップ。ステップS52)。
【0117】
以降の測位サーバ40の処理は上述の実施例と同様であるため詳しい説明は省略する。判断ステップ(ステップS32)で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断された場合、レピータ局30の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する(算出ステップ。ステップS34)。この場合、移動体通信端末20bはレピータ局30と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bはレピータ局30のサービスエリアSA30内に在圏するものと判断することができる。判断ステップ(ステップS32)で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断されなかった場合、基地局10の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する(算出ステップ。ステップS36)。この場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。図14のフローチャートには示されていないが、上述の実施例と同様に、複製信号の遅延時間D30および強度比r30の組と同じ遅延時間および強度比の組が検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について上述同様に検索する。すべてのレピータ局について複製信号の遅延時間D30および強度比r30の組と同じ遅延時間および強度比の組が検索された基地局10等の欄に見つからなかった場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。
【0118】
監視部47は、判断部43の判断結果に基づき、レピータ局30の動作を監視する。例えば、レピータ局30から受信できるサービスエリアSA30内の適切な位置にレピータ局30の監視目的で移動体通信端末20bを置いておく。当該移動体通信端末20bから定期的または不定期的に送受信を行わせることにより、測位サーバ40に移動体通信端末20bの位置情報を算出させる。ここで、測位サーバ40が受け取った測位情報INF中にレピータ局30に固有の強度比r30および遅延時間D30が含まれていた場合、判断部43は移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断する。この場合、監視部47は判断部43の上記判断結果に基づきレピータ局30は正常に電波を発しているものと推定することができる。一方、測位情報INF中にレピータ局30に固有の強度比r30および遅延時間D30が含まれていなかった場合、判断部43は移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していないと判断する。この場合、監視部47は判断部43の上記判断結果に基づきレピータ局30は正常に電波を発していないものと推定することができる。以上のようにして、監視部47は、判断部43の判断結果に基づき、レピータ局30の動作を監視することができる。
【0119】
以上より、本発明の実施例7によれば、まずレピータ局30が、移動体通信端末20bから送信された信号を受信する。続いて、受信した信号をレピータ局30に固有の遅延時間D30だけ複製部31により遅延させ固有の強度比r30を与えて複製した複製信号CUp30と元の信号(被複製信号)Up30とを合成した信号UpM30を送信する。基地局10が、合成信号UpM30を受信する。続いて、受信した合成信号UpM30の中から得られた被複製信号Up30’と複製信号CUp30’を含む信号群に関する所定の測位情報INFを送信する。測位サーバ40は上述の実施例と同様の処理を行い、判断部43で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断された場合、レピータ局30の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する。この場合、移動体通信端末20bはレピータ局30と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bはレピータ局30のサービスエリアSA30内に在圏するものと判断することができる。判断部43で移動体通信端末20bがレピータ局30と通信していると判断されなかった場合、基地局10等に複数のレピータ局が接続されている場合は、他のレピータ局について同様に位置情報データベース45を検索し、すべてのレピータ局について通信していると判断されなかった場合、基地局10の位置情報および所定の測位方式に基づき、移動体通信端末20bの位置情報を算出する。この場合、移動体通信端末20bは基地局10と通信しているものと判断する。この結果、移動体通信端末20bは基地局10のサービスエリアSA10内に在圏するものと判断することができる。監視部47は、以上の判断部43の判断結果に基づき、レピータ局30の動作を監視することができる。
【0120】
以上のように、複製部31等を基地局10と移動体通信端末20b等との間の通信における上り側に設定した場合、上述の各実施例と同様に、CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局30と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出することができるという効果を有する。即ち、移動体通信端末20b等からレピータ局30を介する基地局10への上り通信の中で、レピータ局30が複製信号と被複製信号との合成信号を作成し、当該合成信号を基地局10へ送信する。基地局10は受信した合成信号に基づき、上述の実施例と同様の測位情報INFを作成し、当該測位情報INFを測位サーバ40へ送信する。この結果、測位サーバ40は測位情報INF中にレピータ局30に固有の遅延時間D30および強度比r30が含まれているかどうかにより、移動体通信端末20b等の位置を算出することができる。
【0121】
実施例7では実施例1と対応する場合について、複製部31等を基地局10と移動体通信端末20b等との間の通信における上り側に設定した場合、CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局30と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出することができるということを説明した。他の実施例2から6についても同様に、複製部31等を基地局10と移動体通信端末20b等との間の通信における上り側に設定した場合、CDMA方式により移動体通信端末20bがレピータ局30と通信している際に、移動体通信端末20bの測位をセルベース測位方式または複数基地局測位方式により行なう場合であっても、高い位置精度で移動体通信端末20bの位置情報を算出することができることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明の活用例として、CDMA方式を用いて移動体通信を行う携帯電話、携帯型情報端末等の種々の位置情報提供サービスへの応用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の実施例1におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム1を示す図である。
【図2(A)】基地局10から送信された信号と移動体通信端末20aが受信した信号との関係を示すグラフである。
【図2(B)】レピータ局30から送信された信号と移動体通信端末20bが受信した信号との関係を示すグラフである。
【図2(C)】条件1ないし3のすべてを含む場合におけるレピータ局30から送信された信号と移動体通信端末20bが受信した信号との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例1における位置情報算出システム1の機能および方法の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム2を示す図である。
【図5】レピータ局50から送信された信号と移動体通信端末20cが受信した信号との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例3におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム3を示す図である。
【図7】本発明の実施例2における位置情報算出システム3の機能および位置情報算出方法の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例4におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム4を示す図である。
【図9】本発明の実施例4におけるCDMA方式を用いた場合の他の位置情報算出システム5を示す図である。
【図10】本発明の実施例5における所定の測位方式を説明するための図である。
【図11】上述した各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する測位サーバ40等のコンピュータの内部回路80を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例7におけるCDMA方式を用いた場合の位置情報算出システム7を示す図である。
【図13(A)】移動体通信端末20aから送信された(上り)信号と基地局10が受信した信号との関係をグラフで示す図である。
【図13(B)】レピータ局30から送信された信号と基地局10が受信した信号との関係をグラフで示す図である。
【図14】本発明の実施例7における位置情報算出システム7の機能および方法の流れを示すフローチャートである。
【図15】レピータ局を用いた従来の符号分割多元接続方式における位置情報算出システム6を示す図である。
【符号の説明】
【0124】
1、2、3、4、5、7 位置情報算出システム、 6 従来の位置情報算出システム、 10、10c 基地局、 12パケット通信網、 20a、20b 移動体通信端末、 21 機能ブロック、 22、62 測位情報送信部、 23 端末側算出部、 30、38、50 レピータ局、 31、51 複製部、 32、52 送受信部(狭義のレピータ局)、 33、53 分岐点、 34、54 合成点、 40 測位サーバ、 41、61 機能ブロック、 42 測位情報受信部、 43 判断部、 44 算出部、 45 位置情報データベース、 46 位置情報送信部、 47 監視部、 80 内部回路、 81 CPU、 82 ROM、 83 RAM、 85 VRAM、 86 画像制御部、 84 表示部、 87 コントローラ、 88a ディスク、 88n CD−ROM、 89 入力制御部、 90 入力操作部、 91 外部I/F部、 92 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムであって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを備え、
前記レピータ局は、
前記基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、
前記移動体通信端末は、
別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、
前記測位サーバは、
前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段と、
前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項2】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムであって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを備え、
前記レピータ局は、
前記移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、
前記基地局は、
受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、
前記測位サーバは、
前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段と、
前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の位置情報算出システムにおいて、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であることを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、
前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、
前記測位サーバは、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信手段をさらに備え、
前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出手段をさらに備えたことを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の位置情報算出システムにおいて、前記判断手段の判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とする位置情報算出システム。
【請求項10】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおけるレピータ局であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局とを有し、
前記レピータ局は、前記基地局と接続され前記移動体通信端末との間で中継を行い、該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、
前記被複製信号は、前記移動体通信端末の別個の受信部により各々受信された信号の中から得られ、該移動体通信端末により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、
前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とするレピータ局。
【請求項11】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおけるレピータ局であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局とを有し、
前記レピータ局は、前記基地局と接続され前記移動体通信端末との間で中継を行い、該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信する手段を備え、
前記基地局により、受信した信号の中から得られた該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する測位情報が送信され、
前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とするレピータ局。
【請求項12】
請求項10または11記載のレピータ局において、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であることを特徴とするレピータ局。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載のレピータ局において、該レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とするレピータ局。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれかに記載のレピータ局において、
前記測位サーバにより算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、該移動体通信端末により、所定の範囲内において送信された該位置情報に基づき、新たに位置情報が算出されることを特徴とするレピータ局。
【請求項15】
請求項12ないし14のいずれかに記載のレピータ局において、前記複製部は該レピータ局、前記基地局又は該レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とするレピータ局。
【請求項16】
請求項10ないし15のいずれかに記載のレピータ局において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とするレピータ局。
【請求項17】
請求項10ないし16のいずれかに記載のレピータ局において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とするレピータ局。
【請求項18】
請求項10ないし17のいずれかに記載のレピータ局において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とするレピータ局。
【請求項19】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける移動体通信端末であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを有し、
前記移動体通信端末は、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、
前記測位情報送信手段により送信された前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項20】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける移動体通信端末であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを有し、
前記基地局は、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信手段を備え、
前記測位情報送信手段により送信された前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項21】
請求項19または20記載の移動体通信端末において、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項22】
請求項19ないし21のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項23】
請求項19ないし22のいずれかに記載の移動体通信端末において、
前記測位サーバにより算出された該移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、
前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たに位置情報を算出する端末側算出手段をさらに備えたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項24】
請求項21ないし23のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記複製部は該レピータ局、前記基地局又は該レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項25】
請求項19ないし24のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項26】
請求項19ないし25のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とする移動体通信端末。
【請求項27】
請求項1ないし8のいずれかに記載の移動体通信端末において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項28】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位するためのプログラムであって、該位置情報算出システムは該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものと、別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する移動体通信端末とを有し、
前記測位サーバのコンピュータを、
前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段、
前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段として機能させるためのプログラム。
【請求項29】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムにおける該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位するためのプログラムであって、該位置情報算出システムは該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局であって該移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するものとを備え、該基地局は、受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信するものであり、
前記測位サーバのコンピュータを、
前記測位情報送信手段により送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信手段、
前記測位情報受信手段により受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出手段として機能させるためのプログラム。
【請求項30】
請求項28または29記載のプログラムにおいて、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断基準であることを特徴とするプログラム。
【請求項31】
請求項28ないし30のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とするプログラム。
【請求項32】
請求項28ないし31のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、
前記測位サーバは、前記算出手段により算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信手段をさらに備え、該移動体通信端末により、所定の範囲内において前記位置情報送信手段により送信された位置情報に基づき、新たな位置情報が算出されることを特徴とするプログラム。
【請求項33】
請求項30ないし32のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とするプログラム。
【請求項34】
請求項28ないし33のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とするプログラム。
【請求項35】
請求項28ないし34のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とするプログラム。
【請求項36】
請求項28ないし35のいずれかに記載のプログラムにおいて、前記判断手段の判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項37】
請求項28ないし36のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項38】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムで用いられる複製部であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを有し、
前記複製部は、前記基地局から送信された信号を前記レピータ局に固有の条件に基づき複製させた複製信号を生成し、該複製信号と被複製信号とは前記レピータ局により送信され、
前記被複製信号は、前記移動体通信端末の別個の受信部により各々受信された信号の中から得られ、該移動体通信端末により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、
前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする複製部。
【請求項39】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出システムで用いられる複製部であって、該位置情報算出システムは該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを有し、
前記複製部は、前記移動体通信端末から送信された信号を前記レピータ局に固有の条件に基づき複製させた複製信号を生成し、該複製信号と被複製信号とは前記レピータ局により送信され、
前記基地局により、該被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報が送信され、
前記測位情報は、前記ネットワークを介して前記測位サーバに受信され、該測位サーバにより、該測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断され、該移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報が算出されることを特徴とする複製部。
【請求項40】
請求項38または39記載の複製部において、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であることを特徴とする複製部。
【請求項41】
請求項38ないし40のいずれかに記載の複製部において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とする複製部。
【請求項42】
請求項38ないし41のいずれかに記載の複製部において、
前記測位サーバにより算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、該位置情報は該移動体通信端末へ送信され、該移動体通信端末により、所定の範囲内において該位置情報に基づき、新たに位置情報が算出されることを特徴とする複製部。
【請求項43】
請求項40ないし42のいずれかに記載の複製部において、該複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とする複製部。
【請求項44】
請求項38ないし43のいずれかに記載の複製部において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とする複製部。
【請求項45】
請求項38ないし44のいずれかに記載の複製部において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とする複製部。
【請求項46】
請求項38ないし45のいずれかに記載の複製部において、前記測位サーバは該測位サーバの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とする複製部。
【請求項47】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出方法であって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを用いるものであり、
前記レピータ局が、
前記基地局から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するステップと、
前記移動体通信端末が、
別個の受信部により各々受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群に関する所定の測位情報を送信する測位情報送信ステップと、
前記測位サーバが、
前記測位情報送信ステップで送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信ステップと、
前記測位情報受信ステップで受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出ステップとを備えたことを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項48】
所定の接続方式により移動体通信を行う移動体通信端末の位置情報を算出する位置情報算出方法であって、該移動体通信端末の位置を所定の測位方式に基づき測位する測位サーバと、該測位サーバとネットワークを介して接続された基地局と、該基地局と接続され該移動体通信端末との間で中継を行うレピータ局とを用いるものであり、
前記レピータ局が、
前記移動体通信端末から送信された信号を該レピータ局に固有の条件に基づき複製部により複製させた複製信号と被複製信号とを送信するステップと、
前記基地局が、
受信した信号の中から得られた前記被複製信号と前記複製信号を含む信号群とに関する所定の測位情報を送信する測位情報送信ステップと、
前記測位サーバが、
前記測位情報送信ステップで送信された測位情報を前記ネットワークを介して受信する測位情報受信ステップと、
前記測位情報受信ステップで受信した測位情報及び所定の判断基準に基づき、前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信しているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで前記移動体通信端末が前記レピータ局と通信していると判断された場合、該レピータ局の位置情報及び前記所定の測位方式に基づき該移動体通信端末の位置情報を算出する算出ステップとを備えたことを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項49】
請求項47または48記載の位置情報算出方法において、
前記レピータ局に固有の条件は、被複製信号に対し該レピータ局に固有の遅延時間だけ遅延させる条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の強度比を与える条件、被複製信号に対し該レピータ局に固有の位相差を与える条件の1つ以上を含み、
前記所定の測位情報は、前記信号群における各信号の被複製信号に対する強度比、遅延時間又は位相差の1つ以上を含み、
前記所定の判断基準は、前記レピータ局に固有の条件の内容に応じて、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する強度比が前記レピータ局に固有の強度比である基準、前記測位情報に含まれた被複製信号に対する遅延時間が前記レピータ局に固有の遅延時間と同じである基準、該測位情報に含まれた被複製信号に対する位相差が前記レピータ局に固有の位相差と同じである基準の1つ以上が満足する場合、前記移動体通信端末が該レピータ局と通信しているものと判断する基準であることを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項50】
請求項47ないし49のいずれかに記載の位置情報算出方法において、前記レピータ局は前記基地局に1つ以上接続可能であることを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項51】
請求項47ないし50のいずれかに記載の位置情報算出方法において、
前記算出ステップで算出された前記移動体通信端末の位置情報は、該移動体通信端末の緯度及び経度情報と、該位置情報を算出する際に利用した衛星測位システムにおける衛星に関する情報と、前記基地局の識別子とを含み、
前記測位サーバは、前記算出ステップで算出された前記移動体通信端末の位置情報を該移動体通信端末へ送信する位置情報送信ステップをさらに備え、
前記移動体通信端末は、所定の範囲内において前記位置情報送信ステップで送信された位置情報に基づき、位置情報を算出する端末側算出ステップをさらに備えたことを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項52】
請求項49ないし51のいずれかに記載の位置情報算出方法において、前記複製部は前記レピータ局、前記基地局又は前記レピータ局と前記基地局との接続間のいずれかに設置されたことを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項53】
請求項47ないし52のいずれかに記載の位置情報算出方法において、前記所定の測位方式はセルベース測位方式又は複数基地局測位方式であることを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項54】
請求項47ないし53のいずれかに記載の位置情報算出方法において、前記所定の接続方式は符号分割多元接続方式であることを特徴とする位置情報算出方法。
【請求項55】
請求項47ないし54のいずれかに記載の位置情報算出方法において、前記判断ステップの判断結果に基づき、前記レピータ局の動作を監視する監視ステップをさらに備えたことを特徴とする位置情報算出方法。


【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図2(C)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13(A)】
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【図13(B)】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−166405(P2006−166405A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231716(P2005−231716)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(301066730)株式会社弘栄 (3)
【Fターム(参考)】