説明

作物収穫補助機

【課題】幅広い種類の作物について、収穫作業負荷の軽減を図るとともに、収穫品質を確保することができる、コンパクトな根菜や葉菜などの作物収穫補助機の提供である。
【解決手段】エンジン5の前方に畝Aを跨いで圃場を走行する左右の駆動輪2,2を、エンジン5の後方に左右の補助輪3,3を設け、駆動輪2,2と補助輪3,3との間で且つエンジン5の下方に駆動輪2,2等の接地面よりも下方に下端部を有して畝Aを解すソイラ7と、ソイラ7の前方に茎葉切断装置12とを設けた作物収穫補助機である。接地面よりも下方にソイラ7の下端部が位置するため、畝Aの上下高さが低い圃場であっても確実に作物の下方から畝Aを解すことができる。また、機体前側に駆動輪2,2があるため、機体の前進の妨害や停止が防止され、作業能率が向上する。また、駆動輪2,2と補助輪3,3とエンジン5との間にソイラ7を設けることで補助機のコンパクト化が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類、鱗茎類、塊茎類等の根部の周囲の土を解して、収穫作業を容易にするための自走式の作物収穫補助機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地下茎作物やハウス栽培野菜等の収穫作業を補助するための作物収穫補助機としては、まず根切り刃(ソイラ)が前後に振動して地下茎作物の根を切り、根を切り取られた作物の茎葉を挟持する搬送コンベアによって作物が引き抜かれて後方へ搬送され、カッタなどを備えた切断装置によって作物の茎葉が切断された後、コンテナなどの収納装置に収納されて、コンテナユニットに備えた排出コンベアなどにより作物収穫後の畝上に排出されるというものがある。
【0003】
また、畝をマルチフィルムで被覆して栽培している場合にマルチフィルム上に収穫作物を排出しないように、下記特許文献1によれば、作物の根切り部と、茎葉を挟持して抜き取る引き抜き搬送コンベア部と、作物の茎葉を切断する切断部と、作物を収納する収納部とからなる作物の収穫装置において、収納部は一定量の作物の貯留が可能で、貯留した作物を作物植付畝と直交する方向の機体外側に排出できる排出装置を設けた収穫装置が開示されている。また、切断された作物の茎葉も作物植付畝と直交する方向の機体外側に排出される構成である。
【0004】
更に、ハウス栽培野菜等の収穫作業を補助するための作物収穫補助機としては、下記特許文献2に、葉菜類の自走収穫装置として、収穫前の葉菜類を無傷で跨ぎ越せる車輪構成の駆動輪を具備し、後方に延設されたハンドルバーの運転操作により自走可能な管理機と、管理機に交換装着可能な目的別の換装器具とを備えた葉菜類の自走収穫装置であって、圃場の畝の作付け幅Wを超えるように軌間を定め、畝の両側に形成された通路を駆動輪がトレース可能な長さの車軸と通路の片方に沿った辺X、及び辺Xに直角で車軸に平行な辺Y、そして辺X、辺Yの端部を結び、作付け幅Wに対応する斜辺Zにより形成される直角三角形を含むフレームと、フレームの一部により換装器具を管理機に固定する連結部と、斜辺Zに平行な刃渡りを有し、畝の地表Aの直下を進行方向に切り込み可能な刃物とを備えたものが開示されている。
【0005】
特許文献2によれば、自走用車輪によって支持したフレームに畝を斜めに横断する刃物を備え、これを圃場培土の表面直下位置に設定した上で畝に沿って走行させることによって植付け作物の茎葉部が定着根から切り分けられる。
【特許文献1】特開2006‐67805号公報
【特許文献2】特開2006‐166881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の収穫装置により、貯留した作物をコンベアで隣接する畝間のマルチフィルムの被覆していない部分や、隣接した収穫後のマルチフィルムを取り除いた畝に排出できるため、収穫後の畝に残されたマルチフィルムは排出された収穫作物に影響されないで除去できる。
【0007】
また、特許文献1の収穫装置は、トラクタ等の後部に取り付けられて牽引され、機体の前方に設けた根切り刃で作物(ニンニク、タマネギなど)の下方から周囲の土を解して引き抜き搬送コンベア部で引き抜き収穫するものである。この特許文献1の収穫装置は根切り刃の作用部が圃場面に平行に接するシュー(作物抜き取り位置を安定させるためのもので、作物植付畝間溝部位置の左右に配置されている)とほぼ同じ高さ位置にあるため、平畦などの畦の上下高さが低い圃場では畦を十分に解すことができず、作物を畝から回収する際に労力がかかって作業者にとっては負担となる。また、ほうれん草やジャガイモ、ショウガ、ニンニクなどの作物に根切り刃が接触して作物の商品価値が低下してしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2の自走収穫装置により、駆動輪が自走する際に畝の作付け幅Wを含む斜めの刃渡りを有する刃物が自走収穫装置の前進に伴って、畝に栽培された葉菜類の根を地表の直下で作付け幅Wごとに一括で切断できる。また、自走収穫装置の車幅は畝の作付け幅Wと同程度であるため、ビニールハウスや比較的狭い圃場での使用にも好適である。
【0009】
しかしながら、上記特許文献2の自走収穫装置は、作物(ほうれん草等)の根部と葉部とを切断する刃物が平面視で斜めの刃渡りを有するため、エンジンを搭載した管理機の後部から前後方向の広範囲に亘って刃物が配置されておりスペースを取るため、自走収穫装置自体も大型化してしまう。
【0010】
また、このように作物の根部と葉部とを切断する刃物は平面視で進行方向に対して斜めの刃渡りを有するため、刃物の後方側は駆動輪との距離が遠くなり、刃物に土砂の抵抗がかかった場合に駆動輪の駆動力では葉菜類の根を押し切れなかったり、又は収穫装置の前進が妨げられて、進行が停止してしまうことも考えられる。
【0011】
本発明の課題は、幅広い種類の作物について、収穫作業負荷の軽減を図るとともに、収穫品質を確保することができる、コンパクトな根菜や葉菜などの作物収穫補助機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、駆動源(5)と、駆動源(5)の前方に設けられ、該駆動源(5)からの動力により駆動し、畝(A)を跨いで圃場を走行する左右の駆動輪(2,2)と、駆動源(5)の後方に設けられ、畝(A)を跨いで圃場を走行する左右の補助輪(3,3)と、駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)との間で且つ駆動源(5)の下方であって、駆動輪(2,2)及び補助輪(3,3)の前進方向に向かって左右方向に延設し、駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)の接地面よりも下方に下端部を有し、畝(A)を解す土解し部材(7)と、該土解し部材(7)よりも前方に設けられ、作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(12)とを設けた作物収穫補助機である。
【0013】
上記構成により、駆動源(5)の下方に設けた土解し部材(7)の最下位置を、左右駆動輪(2,2)及び左右補助輪(3,3)の接地位置(最下位置)よりも下方に設けたことによって、畝(A)の上下高さが低い圃場であっても確実に作物の下方から畝(A)を解すことができる。
また、作物収穫補助機の機体前側に左右駆動輪(2,2)を設けたことによって、機体は左右駆動輪(2,2)に牽引されて前方に進行するので、土解し部材(7)が畝(A)を解す際に土砂の抵抗力を受けても作物収穫補助機の前進が妨げられることや停止してしまうことが防止される。
【0014】
そして、駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)との間で且つ駆動源(5)の下方に土解し部材(7)を設けることで、これら駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)と駆動源(5)との空間部を有効に利用でき、作物収穫補助機のコンパクト化が達成されると共に、駆動輪(2,2)と土解し部材(7)との距離が近いため、刃物に土砂の抵抗がかかった場合でも駆動輪(2,2)の駆動力によって葉菜類の根を押し切ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記土解し部材(7)は作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向に分割可能とし、該左右の分割部の接続箇所を調整することで左右幅を調節自在とした請求項1記載の作物収穫補助機である。
上記構成により、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、土解し部材(7)を機体の前進方向に向かって左右方向に分割可能とし、該左右の分割部の接続箇所を調整することで左右幅を調節自在としたことによって、土解し部材(7)の左右幅を畝(A)の左右幅に合わせることができるので、土解し部材(7)が作物を傷つけてしまうことが防止される。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記茎葉切断装置(12)の上方に位置し、作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向に長手方向を有し、該茎葉切断装置(12)によって切断された茎葉を前記左右方向の一側に排出する茎葉排出装置(35)を設けた請求項1又は2記載の作物収穫補助機である。
上記構成により、上記請求項1又は2記載の発明の作用に加えて、茎葉切断装置(12)の上方に、該茎葉切断装置(12)により切断された茎葉を機体の左右一側に送り出す茎葉排出装置(35)を設けたことによって、切断した茎葉を畝溝に排出することができる。また、茎葉を畝溝に集めることができるので、茎葉を回収する場合には容易に回収することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記茎葉排出装置(35)の前記左右方向の茎葉排出側の端部を他端部側よりも後方に配置した請求項3記載の作物収穫補助機である。
上記構成により、上記請求項3記載の発明の作用に加えて、茎葉排出装置(35)の左右方向の茎葉排出側の端部を他端部側よりも後方に配置したことによって、排出される茎葉が茎葉切断装置(12)に干渉することなく機外に排出される。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記茎葉切断装置(12)の作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向の一側に駆動輪(2,2)の駆動源(5)とは別の前記茎葉切断装置(12)の駆動用の第2駆動源(47)を設け、前記左右方向の他側に前記茎葉切断装置(12)の第2駆動源(47)の釣合部材(50)を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作物収穫補助機である。
【0019】
上記構成により、上記請求項1から4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、茎葉切断装置(12)を左右駆動輪(2,2)の駆動源(5)とは別の第2駆動源(47)で駆動することによって、機体の走行速度を変更しても茎葉切断装置(12)の切断力が変化しないので、切断力が足りずに茎葉が切断されないということが防止される。
また、茎葉切断装置(12)の第2駆動源(47)を設ける側とは反対側に第2駆動源(47)との釣合部材(50)を設けることによって、機体の左右方向のバランスが安定する。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の構成により、畝(A)の上下高さが低い圃場であっても確実に作物の下方から畝(A)を解すことができる。したがって、土解し部材(7)が作物を傷つけてしまうことが防止され、作物の品質が保持される。そして、畝(A)が確実に解されることによって、作業者は作物を畝(A)から軽い労力で回収することができるので、作業者の労力が軽減されるとともに、作業能率が向上する。
【0021】
また、作物収穫補助機の機体前側に左右駆動輪(2,2)を設けたことによって、土解し部材(7)が畝(A)を解す際に土砂の抵抗力を受けても作物収穫補助機の前進が妨げられることや停止してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
そして、駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)との間で且つ駆動源(5)の下方に土解し部材(7)を設けることで、作物収穫補助機のコンパクト化が達成されると共に、刃物に土砂の抵抗がかかった場合でも駆動輪(2,2)の駆動力によって葉菜類の根を押し切れることができる。
【0022】
また、請求項2記載の構成により、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、土解し部材(7)の左右幅を畝(A)の左右幅に合わせることができるので、土解し部材(7)が作物を傷つけてしまうことが防止され、作物の品質が保持される。そして、土解し部材(7)によって畝(A)が確実に解されることで、作業者は作物を畝(A)から軽い労力で回収することができるので、作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0023】
請求項3の発明の作物収穫補助機は、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、切断した茎葉を機体の左右一側の畝溝に排出することができ、切断された茎葉が茎葉切断装置(12)や左右駆動輪(2,2)などに巻きつくことが防止され、作物収穫補助機のメンテナンスにかかる労力が軽減される。
また、茎葉を畝溝に集められるため茎葉を回収する場合には容易に回収することができ、茎葉を圃場に埋める場合には、畝(A)を崩すだけで容易に埋没させることができる。
【0024】
請求項4の発明の作物収穫補助機は、請求項3記載の発明の効果に加えて、排出される茎葉が茎葉切断装置に干渉することなく機外に排出されるので、作業能率が向上する。
【0025】
請求項5の発明の作物収穫補助機は、上記請求項1から4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、茎葉切断装置(12)の第2駆動源(47)を左右駆動輪(2,2)の駆動源(5)とは別に設けることで、機体の走行速度を変更しても茎葉切断装置(12)の切断力が変化しないので、切断力が足りずに茎葉が切断されないということが防止されて作業能率が向上する。
また、茎葉切断装置(12)の第2駆動源(47)との釣合部材(50)を設けることによって、機体の左右方向のバランスが安定するので、機体の走行及び作業姿勢が安定し、作業能率が向上する
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、以下図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態の作物収穫補助機の左側面図を示し、図2には、図1の作物収穫補助機の平面図を示す。また、図3には図1の作物収穫補助機のU字型ソイラ7付近を、正面から見た簡略図を示す。
本発明の一実施形態の作物収穫補助機1は、畝Aに植生する人参やニンニク等の根菜類や塊茎類、又はほうれん草等の葉物野菜を人手で収穫し易くするための収穫補助用の作業機である。
【0027】
そして、作物収穫補助機1は、左右の前輪2,2を駆動輪とし、左右の後輪3,3を補助輪として畝Aを跨いで前輪駆動走行可能にメインフレーム4を支持し、このメインフレーム4とカバー20の間に駆動源としてのエンジン5およびその動力を変速伝動するトランスミッション(ミッションケース)5aを備えて四輪自走車として構成する。メインフレーム4は、クリアランス(メインフレーム4の底部と畝Aの頂点の間の「空間」のことを指す)を確保するためにエンジン5の直下に配置する。また、旋回操作性を確保するために左右のハンドル6,6をエンジン5より上方で機体後方に延出する。
左右の前輪2,2は、それぞれトランスミッション5aから動力を受ける左右の伝動ケース(チェンケース)2a,2aを支持脚としてメインフレーム4に支持し、エンジン5を前輪2,2と後輪3,3との間に配置する。
【0028】
上記構成により、トランスミッション5aの出力軸と前輪2,2と後輪3,3とが側面視で三角形状の配置となるので、機体の重量が均等に分散され、機体のバランスが向上する。
そして、前輪2,2と後輪3,3との間で且つエンジン5の下方に、好ましくは直下位置に作物の下方から畝Aを解す土解し部材としてU字型ソイラ(土解し部材)7を設けると、いっそうバランスを良くすることができる。
【0029】
該U字型ソイラ7は、車幅方向(機体左右方向)に延設、横断して畝Aを掘り解すブレード(土解し刃)7aを薄板前縁に形成し、両端に形成した左右の吊下プレート7b,7bをメインフレーム4に取付けて吊り下げ支持する。
【0030】
また、U字型ソイラ7は、左右の吊下プレート7b,7bを可動支点7c,7cによって可動支持し、片側(図示例は右側)の可動支点7cの近傍に、エンジン5の偏心カム(図示せず)によって振動動作する揺動ロッド7dを連結してソイラ駆動部を構成することにより、簡易な振動ソイラを構成することができる。揺動ロッド7dは吊下プレート7bとの連結部を変えることで、長さを変えることができる。
そして、U字型ソイラ7のブレード7aの高さ位置を、前輪2,2と後輪3,3の接地面(作業機の走行路B)よりも下方の高さ位置に設定することにより、畝Aの上下高さが低い圃場(平畦等)であっても確実にほうれん草やニンニク、金時ニンジン等の作物の下方から周囲の土砂を解すことができる。
【0031】
したがって、ブレード7aが作物に接触して作物を傷つけてしまうことが防止され、作物の品質が保持される。そして、畝Aが確実に解されることによって、作業者は作物を畝Aから軽い労力で回収することができるので、作業者の労力が軽減されるとともに、作業能率が向上する。
このとき、U字型ソイラ7が植付け培土中にあっても、駆動輪である前輪2,2が機体前側で且つU字型ソイラ7の機体前側に配置されていることによって、機体は前輪2,2に牽引されて前方に進行するので、強い牽引力がかかることにより、U字型ソイラ7が畝Aを解す際に土砂の抵抗を受けても殆ど支障なく旋回することができる。したがって、作物収穫補助機の前進が妨げられることや停止してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
【0032】
そして、本実施形態の作物収穫補助機1は、畝Aを跨いで自走する際に、U字型ソイラ7のブレード7aが畝Aの基部に作用して作物の下方から周囲の土砂を解すことができるので、作業者は解された畝Aからほうれん草等の葉菜や、ニンニク等の塊茎類、金時ニンジン等の根菜類等の作物を傷付けることなく簡易に拾い集めることができ、作業者が上記の作物を引き抜く際に要していた労力が大幅に軽減されるとともに、引き抜きの際に作物の根部が折れたり茎葉部がちぎれたりすることが防止され、作物の商品価値が向上する。
【0033】
更に、前輪2,2と後輪3,3との間で且つエンジン5の下方にU字型ソイラ7を設けることで、これら前輪2,2と後輪3,3とエンジン5との空間部を有効に利用でき、作物収穫補助機1のコンパクト化が達成されると共に、駆動輪である前輪2,2とU字型ソイラ7との距離が近いため、ブレード7aに土砂の抵抗がかかった場合でも前輪2,2の駆動力によって葉菜類の根を押し切ることができる。
【0034】
また、U字型ソイラ7が作用する前に作物の茎葉部を切断するために、U字型ソイラ7よりも前方で前輪2,2の前方位置に茎葉切断装置12を設けている。
該茎葉切断装置12は、多条植えの作物の茎部を同時に切断するように、畝Aの左右幅よりも横長のレシプロカッタ13をカッタ支持部17に装着し、該カッタ支持部17を平行リンクによる左右の支持アーム14,14で支持し、片側(図示例は左側)の支持アーム14から支柱14bを介して後方に延びる調節レバー14aにより、レシプロカッタ13の姿勢を維持したまま高さ調節可能に構成する。該レシプロカッタ13に駆動力を供給する駆動モータ47は、茎葉の邪魔にならないよう、メインフレーム4の外側に取付ける。なお、該駆動モータ47は、エンジン5とは異なる駆動源となる第2エンジンに置き換えてもよい。また、駆動モータ47は、油圧式でも電動式でも構わない。
【0035】
茎葉切断装置12のレシプロカッタ13で地上の茎葉部と地中の根部とを分断し、U字型ソイラ7により作物の下方から作物の周囲の畝Aを解す。なお、レシプロカッタ13を着脱自在とすることによって、ほうれん草等のように出荷まで根部を残しておいた方が良い作物(根部が残っていると作物の活動が維持されるため、作物が劣化しにくくなる。)を収穫する場合、根部と葉部を分断することなく収穫することができる。
【0036】
そして、上記構成の作物収穫補助機1は、前輪2,2より前に畝Aの左右幅よりも横長のレシプロカッタ13からなる茎葉切断装置12を着脱可能に設けたことから、収穫走行の際は、前輪2,2より前方位置で茎葉が切除されるので、ニンニク等の大きな茎葉による作業障害が抑えられるので、ニンニク等の塊茎作物や、金時ニンジン等の根菜作物の収穫作業を効率よく行うことができる。
【0037】
また、レシプロカッタ13からなる茎葉切断装置12を左右の支持アーム14,14で支持するとともに、レシプロカッタ13の刈取高さを調節する調節レバー14aを設けたことによって、茎葉切断装置12を畝Aの高さに対して適切な高さに合わせることができるので、ほうれん草等の葉菜を刈り取るときは、根部と茎葉部を境目で切断でき、可食部となる茎葉部の傷付きが防止されるので、作物の商品価値が向上する。
【0038】
一方、ニンニク等の塊茎類や金時人参等の根菜類を収穫する際、レシプロカッタ13の高さを作物の根部と茎葉部の境目に合わせることによって、作業者は根部だけを収穫することができるので、収穫後に茎葉部を切除する作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
また、レシプロカッタ13の高さを根部と茎葉部の境目よりもやや上方に合わせると、解された畝Aに残る作物の根部には多少の茎葉部が残るので、作業者は残された茎葉部を掴んで作物を畝Aから引き抜くことができ、作業能率が向上する。
【0039】
また、U字型ソイラ7のブレード7aの土中への潜り深さの調節ができるようにすると良い。U字型ソイラ7のブレード7aの潜り深さを調節することで、より確実に作物の下方から畝Aを解すことができ、作物が傷付くことを防止できるため、作物の品質を保持できる。
例えば、ハンドル6の近傍にU字型ソイラ7の深さ調節スイッチ15を設けると、作物収穫補助機の走行操作をしながらでも、深さ調節ができる。深さ調節スイッチ15がハンドル6周辺から離れた位置にあると、作業者はU字型ソイラ7の深さを調節する度にハンドル6近傍から移動しなければならないが、その必要がなく、作業者の労力が軽減される。
【0040】
更に、U字型ソイラ7の動く方向(上部(連結部)7eの動く方向)と深さ調節用スイッチ15の倒す方向とが同じであると、作業者の深さ調節の操作ミスを低減できる。
図2に示すように、U字型ソイラ7を作動させるためのシリンダ21の一端部をメインフレーム4の左右一側に取り付けて、シリンダ21内を前後方向に移動するピストン22の後端部を吊下プレート7bに固着させることで取り付ける。
【0041】
深さ調節スイッチ15にはシリンダー・レバー接続ケーブル30が接続されており、深さ調節スイッチ15の操作による信号を接続ケーブル30を介して図示しないソレノイドバルブに送る。前記ソレノイドバルブに送られた信号に基づき油圧シリンダ21の油圧回路の電磁弁が作動され、油圧シリンダ21が作動する。この油圧シリンダ21に代えてエアシリンダや電動シリンダ等の他のアクチュエータを用いても良い。
【0042】
そして、深さ調節スイッチ15を操作すると、深さ調節スイッチ15からの信号がシリンダ・レバー接続ケーブル30からシリンダ21に伝達されて、ピストン22が移動する。深さ調節スイッチ15を矢印A方向(図1)に倒すと、シリンダ21内のピストン22が伸びて図2の矢印C方向(機体後方)に移動する。一方、深さ調節用スイッチ15を矢印A方向とは反対方向に倒すと、シリンダ21内のピストン22が縮んで矢印C方向とは反対方向(前方)に移動する。
【0043】
したがって、深さ調節スイッチ15を矢印A方向に倒すと、U字型ソイラ7の吊下プレート7b,7bが可動支点7c,7cを中心として矢印B方向に回動してブレード7aは前方に移動するため、ブレード7aが土砂を抉って土中に潜ることで、潜り深さが深くなる。
一方、深さ調節スイッチ15を矢印A方向とは反対方向に倒すと、U字型ソイラ7の吊下プレート7b,7bは可動支点7c,7cを中心として矢印B方向とは反対方向に回動してブレード7aは後方に移動するため、ブレード7aが土中から出てくることで、潜り深さが浅くなる。
【0044】
このように、シリンダ21内のピストン22が伸びて矢印C方向(後方)へ移動するとブレード7aの潜り深さが深くなり、シリンダ21内のピストン22が縮んで矢印C方向とは反対方向(前方)へ移動するとブレード7aの潜り深さが浅くなる。
そこで、メインフレーム4のピストン22の長手方向と平行な面に目盛り25を設け、ピストン22に目盛り対応マーカー23(ピストン22に軸着している)を取り付けると、ピストン22の前後方向の動きによってマーカー23が位置する目盛り25を読むことで、作業者は深さ調節スイッチ15を操作しながらブレード7aの潜り深さが容易に分かる。メインフレーム4に設けた目盛り25は、ハンドル6よりも機体外側にあるため、作業者から見やすい。
具体的には図2の丸枠部分Xに示すように、メインフレーム4の目盛り25の後方側に「深」、前方側に「浅」と深さが分かるような文字を書いても良いし、記号やアルファベットとしたり、目盛りの太さや長さ、色などを変えても良い。
【0045】
したがって、本構成を採用することにより、ハンドル6の操作と共に深さ調節スイッチ15によってU字型ソイラ7のブレード7aの潜り深さが容易に調節でき、当該操作をしながらでもブレード7aの潜り深さが一目で分かることで、より確実に、効率的に作物の下方から畝Aを解すことができる。したがって、作物が傷付くことを防止できるため、作物の品質を保持できる。また、深さ調節スイッチ15の倒す方向とU字型ソイラ7の上部(連結部)7eの作動方向が同じであると、作業者の深さ調節の操作ミスを低減でき、作業効率も向上する。
【0046】
更に、深さ調節スイッチ(レバー)15の操作によるシリンダ21の伸縮に合わせて、揺動ロッド7dをスライドの長さが可変可能な構成としても良い。
揺動ロッド7dを円筒状のボス8(図2,図8)内にスライド可能に取り付けることで、容易に構成できる。U字型ソイラ7を作動させるためのシリンダ21が伸縮すると、シリンダ21のピストン22の先端部に固着した吊下プレート7bがピストン22の動きに合わせて前後方向に移動する。
【0047】
例えば、調節用レバー15を矢印A方向に倒すとシリンダ21が伸びてU字型ソイラ上部7eが後方(矢印C方向)に移動する。したがって、揺動ロッド7dもU字型ソイラ上部7eの動きに連動してボス8内を後方へ移動する。一方、調節用レバー15を矢印A方向とは反対方向に倒すとシリンダ21が縮んでU字型ソイラ上部7eが前方(矢印C方向とは反対方向)に移動する。したがって、揺動ロッド7dもU字型ソイラ上部7eの動きに連動してボス8内を前方へ移動する。
【0048】
このように、揺動ロッド7dと吊下プレート7bとの連結部をわざわざ変えることなく、揺動ロッド7dを前後にスライドさせることによってソイラの深度を変更することができる。揺動ロッド7dがスライド不能であっても吊下プレート7bが動くためU字型ソイラ7は前後に動くが、揺動ロッド7dの揺動幅、動きが制限されてしまう。しかし、揺動ロッド7dをボス8内にスライド可能に取り付けることにより、揺動の際に発生する機体振動や騒音を小さくすることができるので、作業姿勢の安定性が確保されると共に、作業時の騒音を軽減することができる。
そして、図2及び図8に示すようにU字型ソイラ7を前後方向に作動させるためのシリンダ21とは左右反対側にU字型ソイラ7の揺動ロッド7dを設けることで機体の左右方向のバランスが良く、また構成も簡単である。
【0049】
また、図3に示すように、U字型ソイラ7のブレード7aを左右方向に分割可能とし、該左右のブレード7aL,7aRの接続箇所を調整することでU字型ソイラ7のブレード7aの左右幅Wを調節自在としても良い。
U字型ソイラ7のブレード7aの左右幅Wを調節自在としたことによって、ブレード7aの左右幅Wを畝Aの左右幅に合わせることができるので、ブレード7aが作物イを傷つけてしまうことが防止され、作物の品質が保持される。そして、ブレード7aによって畝Aが確実に解されることで、作業者は作物イを畝Aから軽い労力で回収することができるので、作業者の労力が軽減されると共に、作業能率が向上する。
【0050】
図3の丸枠部分Yに示すように、例えば、左右一方のブレード7aL,7aR(図示例では右側のブレード7aR)の先端を2つに分けて該先端部の形成する空間Kに他方の(図示例では左側のブレード7aL)を挿入し、ピン31によって左右のブレード7aL,7aRを固定する。そして、右ブレード7aRに孔(図示せず)を一または複数形成すると共に、左ブレード7aLの先端部に等間隔に複数の孔(図示せず)を形成し、右ブレード7aRの孔と左ブレード7aLの複数の孔のいずれかの位置で合わせ、ピン31の固定位置を調節することによって、ブレード7aの左右幅Wを変更できる。なお、ピン31等の位置は、ブレード7aの左右方向中央部より、いずれか一方(左右どちらか)にずらすと、作物イとの干渉がなくなる。したがって、ピン31に作物イが引っかかって、作物イがうまく回収できなかったり、作物イを傷つけてしまうことが防止できる。
【0051】
また、ブレード7aL,7aRの先端部を分けなくても、左右のブレード7aL,7aRを重複させて、該重複した両ブレード7aL,7aRの接続箇所を支持部材33などによって挟んで支持し、該支持部材33の上下をピン31などによって止めることでも、固定できる。左右のブレード7aL,7aRの重複部分の左右方向の長さを変えることで、ブレード7aの左右幅Wを変更できる。
本構成を採用することで、チェンケース2a,2aの幅の調節に合わせて、U字型ソイラ7のブレード7aの左右幅Wも同時に変えることができる。
【0052】
更に、本実施形態による作物収穫補助機1はメインフレーム4を延長した延長フレーム4aに、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13により切断された茎葉を機体の左右一側に送り出す茎葉排出装置として茎葉横送り装置35を設けている。茎葉横送り装置35はU字型ソイラ7の前方の切断装置13の上方に配置しており、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13により切断された茎葉は横送り装置35によって畝溝に案内されて、排出される。また、横送り装置35を設けることで、茎葉を畝溝に集めることができるので、茎葉を回収する場合には容易に回収することができる。
【0053】
図1及び図2に示すように、左右の延長フレーム4a,4a間に、左右方向に長手方向を有する茎葉横送り装置35を取り付ける。左右の延長フレーム4a,4aの上方にそれぞれ突出する支持軸としての駆動軸39a、従動軸39bに駆動プーリ37a,従動プーリ37bを取り付けて、該駆動プーリ37a,従動プーリ37b間に突起(ラグ)41a付きの無端回動体、例えば、横送りベルト41(チェーンでも良い)を巻回し、横送りベルト41上面にカバー43を設けて茎葉横送り装置35を構成する。
【0054】
該横送り装置35の駆動プーリ37aに駆動モータ36の駆動軸36aを差し込んで駆動プーリ37aを回転させる構成とすると共に、該駆動プーリ37aの回転によって横送りベルト41が回動することによって、従動プーリ37bと従動軸39bとが回転する構成とする。
そして、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13により切断された茎葉は横送り装置35の横送りベルト41によって案内されて機体の左右一側に排出される。
【0055】
本構成を採用することにより、切断した茎葉を機体の左右一側の畝溝に排出することができ、切断された茎葉が茎葉切断装置12や左右の駆動輪(前輪)2,2などに巻きつくことが防止され、作物収穫補助機1のメンテナンスにかかる労力が軽減される。
また、茎葉を畝溝に集められるため茎葉を回収する場合には容易に回収することができ、茎葉を圃場に埋める場合には、畝Aを崩すだけで容易に埋没させることができる。
【0056】
そして、このように延長フレーム4aやメインフレーム4よりも上方に茎葉横送り装置35を設けることで、延長フレーム4aやメインフレーム4上に倒伏してくる切断後の茎葉を横方向(左右一側)に排出しやすい。
また、レシプロカッタ13のカッタ支持部17と支持アーム14は、茎葉横送り装置35と干渉しないように、側面視でL字型となるように連結している。そして、茎葉横送り装置35は、ちょうどカッタ支持部17と支持アーム14が構成するL字の空間部に位置するため、全体の構成もコンパクトになる。
【0057】
図4には、図2の作物収穫補助機の前方拡大図を示す。
レシプロカッタ13は作物植付畝Aと直交する方向に配置しているが、茎葉横送り装置35を、作物植付畝Aと直交する方向に対して角度θを有するように平面視で斜めにずらして配置する。すなわち、茎葉横送り装置35の左端部と右端部の前後方向の位置が異なるように設ける。例えば、図2及び図4に示すように、茎葉横送り装置35の左端部の駆動プーリ37aが前方に、右端部の従動プーリ37bが後方になるように作物植付畝Aと直交する方向に対して角度θずらして横送り装置35を配置する。従動プーリ37bが前方に、駆動プーリ37aが後方になるように配置しても良い。
【0058】
そして、茎葉横送り装置35の横送りベルト41は矢印D方向に回動するが、茎葉排出側の左右一端部側(図示例では右側の従動プーリ37b側)を他端部側(図示例では左側の駆動プーリ37a側)よりも後方に配置すると良い。
このように、茎葉横送り装置35を作物植付畝Aと直交する方向に対して斜めにずらして配置することで、レシプロカッタ13により切断された茎葉に横送りベルト41が作用する前後位置が左右で異なってくる。
【0059】
たとえば横送り装置35を作物植付畝Aと直交する方向に角度を付けずに配置すると、レシプロカッタ13により切断された茎葉が一斉に横送り装置35の横送りベルト41上に集まって機体が前進する際の妨げになったり、レシプロカッタ13と横送りベルト41間に挟まって詰まってしまうことがある。
【0060】
しかし、本構成を採用することにより、前方の左右一端部側から後方の左右他端部側へとレシプロカッタ13により切断された茎葉がスムーズに送られる。また、このようにレシプロカッタ13と茎葉横送り装置35の長手方向を平行に設けないことでレシプロカッタ13と横送り装置35が互いに干渉しないため、レシプロカッタ13により切断された茎葉をスムーズに左右一側の排出側に横送りでき、作業能率が向上する。
【0061】
そして、茎葉横送り装置35の速度をV2、作物収穫補助機1の作業速度(作物の周囲の土を解しながら前進する速度)をV1とした場合に、V1<V2の関係となるように、すなわち横送り装置35の速度V2を作物収穫補助機の作業速度V1よりも速くする。基本的には、横送り装置35の横送りベルト41の回転速度V2が常にエンジン出力による機体の作業速度V1を上回っていればよく、作業者がエンジン出力と横送り装置35のモータ36の回転を設定することによって調節できる。
【0062】
茎葉横送り装置35の速度V2が作物収穫補助機1の作業速度V1よりも遅いと、レシプロカッタ13により切断された茎葉が横送り装置35の横送りベルト41上に堆積して、作物収穫補助機の走行の妨げになる場合がある。しかし、本構成を採用することにより、レシプロカッタ13により切断された茎葉を速やかに排出できるため、作物収穫補助機1の走行の妨げになることを防止でき、作業能率が向上する。
【0063】
また、作業者は機体の深さ調節スイッチ15がある側に立って作業をするが、作業者の立つ位置とは左右反対側に横送り装置35の茎葉排出側の端部が位置するように横送り装置35を設けると、作業者の立つ位置とは反対側の位置に茎葉を排出できるので、作業者の通行の邪魔にならない。
例えば、図2に示すように、作業者の立つ位置Nが左側であるのに対して、茎葉排出側の従動プーリ37bを右側に設け、左側の駆動プーリ37aに比べて後退させる。
【0064】
本構成を採用することにより、作業者の通り道とは左右反対側に茎葉が排出されることで、作業者の通り道には茎葉が排出されないため、排出された茎葉が作業者の通行の邪魔になることはなく、作業能率が向上する。
そして、茎葉横送り装置35の作用幅(左右幅)Sを、レシプロカッタ13の左右幅Lよりも広くすると、レシプロカッタ13により切断された茎葉は確実に横送り装置35の横送りベルト41の作用を受けるため、圃場にそのまま残ることなく確実に排出される。
【0065】
本発明の別実施形態の作物収穫補助機1の左側面図を図5及び図6に示し、平面図を図7に示す。図5に示す作物収穫補助機1は横送り装置35を延長フレーム4aやメインフレーム4よりも下方に設けた例であり、図6に示す作物収穫補助機は、横送り装置35を延長フレーム4aやメインフレーム4の上下両方に設けた例である。本実施例では、図7に示すように、レシプロカッタ13と茎葉横送り装置35が干渉しないように、レシプロカッタ13のアーム14を茎葉横送り装置35よりも機体外側に配置している。
【0066】
図5に示すように、延長フレーム4aやメインフレーム4よりも下方に横送り装置35を設ければ、延長フレーム4aやメインフレーム4の下にたまった茎葉を横に排出しやすい。
【0067】
例えば、茎葉の上下長が短い品種の作物や、茎葉が細い品種の作物などの場合に、横送り装置35を下方に設けると良い。茎葉の上下長が短い場合、横送り装置35と圃場面との間隔が大きいと、切断されて倒れる茎葉が横送り装置35の作用面に接触しないことがあり、また茎葉が細いと、横方向に倒れた際に横送り装置35と圃場面との間隔部に入り込んで横送りされなくなることが考えられる。
また、茎葉部が枯れるなどして倒れかけている場合にも、横送り装置35を下側に設けると排出が行われやすくなる。また、作物以外の条件では、風が強く、刈り取った茎葉がすぐに倒れてしまう場合に、横送り装置35を下側に設けると茎葉を横送りしやすくなる。
【0068】
また、図6に示すように、横送り装置35(上側横送り装置35U,下側横送り装置35L)を上下方向に複数個設けることで、さらにレシプロカッタ13により切断された茎葉を確実に排出できるようになる。上側の横送り装置35U,下側の横送り装置35Lの上側駆動プーリ37aU,下側駆動プーリ37aLに駆動モータ40の駆動軸40aを差し込んで上下駆動プーリ37aU,37aLを回転させる構成とすると共に、該上下駆動プーリ37aU,37aLの回転によって上下横送りベルト41U,41Lが回動することによって、上下従動プーリ37bU,37bLと従動軸39bとが回転する。
【0069】
例えば、延長フレーム4aやメインフレーム4の上下に挟むように横送り装置35U,35Lを設置することで構成が簡単である。そして、上下に設けた横送り装置35U,35L間にカバー45を設置することで、横送り装置35U,35L間や横送り装置35U,35Lと延長フレーム4aとの間に葉茎が詰まらなくなる。
【0070】
そして、これら図1,図5,図6などに示す作物収穫補助機1の茎葉切断装置12のレシプロカッタ13の駆動源として、前輪2,2の駆動用エンジン5とは別の第2駆動源(第2エンジン47)を設けている。なお、エンジンをモータに変えてもよい。
図8には、図2の横送り装置35を図示しない作物収穫補助機1の平面図を示す。
【0071】
茎葉切断装置12のレシプロカッタ13駆動用の第2エンジン47を設けることで、作物収穫補助機1の走行速度を変えても、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13の駆動には影響しないので、確実な刈取を行うことができる。レシプロカッタ13は、第2エンジン47の動力により左右方向(図8の矢印E方向)に揺動する。
【0072】
そして、第2エンジン47の反対側に釣り合い部材としてカウンターウェイト50を設けると、機体の左右のバランスが安定する。カウンターウェイト50は、レシプロカッタ13の刃を挟んでいるカッタ支持部17の側壁の外側に取り付けている。なお、取り付け方は溶着でも、ボルト等固定部材による固着でも、レシプロカッタ13の側壁と一体形成でも構わない。
また、第2エンジン47は、作業者の立つ位置N側(図示例では左側)とは反対側に設ける。
【0073】
本構成を採用することにより、作物収穫補助機1の走行速度やU字型ソイラ7の揺動ペースを変更しても茎葉切断装置12のレシプロカッタ13の切断力が変化しないので、切断力が足りずに茎葉が切断されないということが防止される。
また、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13駆動用の第2エンジン47とは反対側にカウンターウェイト50を設けることによって、機体の左右方向のバランスが安定する。
【0074】
また、レシプロカッタ13の高さ調節用の調節レバー14aを他のレバー類(ハンドル6やソイラ7の深さ調節スイッチ15など)の近傍に配置することによって、作業者は作物収穫補助機1の種々の操作を移動することなく連続的に行うことができる。
【0075】
図9には、図1から図6の作物収穫補助機1の横送り装置35の横送りベルト41を換えた場合の例を示し、横送り装置35の前方部分(茎葉との作用部分)の正面図(簡略図)を示している。図9の丸枠部分Zには、ブラシ部53の拡大図を示している。
横送り装置35を、図1や図2に示すようなラグ付きの横送りベルト41ではなく、複数のブラシ毛53bを支持部53aで束ねて支持したブラシ53付きの無端回動体42としても良い。無端回動体42として、ベルト又はチェーンなどを用いれば良い。横送り装置35をブラシ53付きのベルト(又はチェーン)から構成することで作物に傷をつけずに、また作物に付着した土を取り除きながら茎葉を確実に排出できる。更に、ブラシ53のブラシ毛53bの先端を丸くすれば(例えば、図14の丸枠部分Qに示す)、より一層、作物に傷をつけない。
【0076】
例えば、横送り装置35をチェーン42による駆動とし、それぞれのチェーン42のリンクにブラシ53の支持部53aをピン留め等により着脱可能とすることで、ブラシ53の交換が容易になる。また、丸枠部分Zに示すように、ブラシ53のブラシ毛53bの形状を支持部(基部側)53aから先端に向かって広がるハの字形状とすることで、ブラシ53のブラシ毛53bの下方が隣接する左右のブラシ53間で互いに重複するので、作物に確実に作用するため、好ましい。
【0077】
図10には、図1の作物収穫補助機1の茎葉切断装置12及び横送り装置35の図示を省略し、チェンケース2a,2aにU字型ソイラ7を設置した場合の左側面図を示す。また、図11には、図10の作物収穫補助機1のソイラ7付近の正面図を示す。
図10及び図11に示すように、チェンケース2a,2aにU字型ソイラ7を設置することで、U字型ソイラ7のブレード7aを支持するための吊下プレート7b,7bを不要又は短くすることができる。また、ブレード7aによって前輪2,2の最も近傍で土を解すため、駆動力がなくても作業可能であり、構成がコンパクトになって、経済的でもある。 図11に示すように、吊下プレート7b,7bをチェンケース2a,2a下部に固着した支持片11,11に、ピン31,31によって連結させることで容易に設置できる。
そして、U字型ソイラ7をチェンケース2a,2aの内側の面より外側(Mで示す)に設置すると、作物イとU字型ソイラ7が干渉することが無くなり、生姜や金時にんじん等にも使用できる。これらの作物は、畝A内に可食部が存在するため、U字型ソイラ7は作物イよりも下方を通過して作物イの周囲の土を解す必要がある。そのため、上記構成のようにU字型ソイラ7をチェンケース2a,2aの内側面よりも外側に設けると、U字型ソイラ7が畝Aの両外側から畝Aの下部に進入するようになるため、畝Aの底部近くまで作物イが成長していても、U字型ソイラ7は作物イの下方を通過できるようになる。
【0078】
図12には、図2の作物収穫補助機1の横送り装置35の配置を変えて、更に巻き込み装置60を設けた場合の側面図を示し、図13には図12の作物収穫補助機1の平面図を示す。
図12及び図13に示すように、前輪2,2と後輪3,3との間に横送り装置35を設け、該横送り装置35によって前輪2,2と後輪3,3との間の空間部に堆積する切断後の茎葉を取り除くようにしても良い。また、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13によって切断された茎葉を巻き込んで後方の横送り装置35へと案内する巻き込み装置60を設けても良い。
【0079】
そして、巻き込み装置60の作用部60aを茎葉切断装置12の前方に設置することで、レシプロカッタ13が作物イに作用するよりも前に作物イの茎葉部の先端部を巻き込むことができる。巻き込み装置60により、作物イの茎葉部を巻き込んで下方に誘導し、畝A上に落ちたものを横送り装置35で畝溝に移動させる。
【0080】
巻き込み装置60の作用部60aを茎葉切断装置12の後方に設置するとレシプロカッタ13が巻き込み装置60よりも前に作物イに作用して、作物イの茎葉部が切断されて圃場に落ちてしまい、巻き込み装置60によって茎葉を巻き込んで後方の横送り装置35へ送ることができない。しかし、巻き込み装置60の作用部60aを茎葉切断装置12の前方に設置することで、切断前に茎葉を巻き込んで支持できるため、確実に茎葉を後方の横送り装置35へ送ることができる。また、切断時に作物イの茎葉が巻き込み装置60によって支持されているため、レシプロカッタ13によって確実に茎葉が切断される。
【0081】
図12に示すように、巻き込み装置60は矢印G方向に回転する羽根62付きの回転体61と該回転体61の上部を覆う回転体カバー部63からなり、作物イの茎葉は前方の回転体61と回転体カバー部63との間の作用部60aに挟まれて回転体61の矢印G方向の動きによって後方へ排出されて、矢印H方向へと落下して巻き込み装置60下方の横送り装置35へと案内される。
【0082】
回転体カバー部63は左右のメインフレーム4,4上に設けられたカバー取付支柱63aによって支持されている。そして、羽根62付きの回転体61の回転軸61aが回転体カバー部63の左右側壁に連結している。そして、巻き込み装置60の回転駆動力は、回転軸61aに取り付けられた駆動モータ64から伝達される。
【0083】
このように、巻き込み装置60を茎葉切断装置12と共に使用することで、確実に作物イの茎葉部を根元から切断できる。すなわち、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13の駆動と巻き込み装置60の回転体61の回転を同時に行うことで、レシプロカッタ13によって切断された茎葉が速やかに巻き込み装置60に巻き込まれてスムーズに横送り装置35へと送られ、排出されることで作業能率が向上する。
【0084】
また、巻き込み装置60の後方下側に横送り装置35を設けたことによって、巻き込まれた茎葉を確実に後方に送り落下させて横送り装置35に案内することができるので、畝Aをマルチフィルムで被覆して栽培している場合でも茎葉をマルチフィルム上から取り除くことができる。
【0085】
そして、巻き込み装置60の左右幅は、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13の左右幅と略同じにすればよい。茎葉切断装置12と巻き込み装置60の左右幅が同じであることによって、切断された茎葉を効率よく巻き込み装置60で巻き込むことができるので、巻き込まれずに圃場に落下する茎葉が減少し、機体の車輪2,3や作業者に茎葉が絡みつくことを防止できる。
【0086】
また、横送り装置35の横送りベルト41の上下にそれぞれ突起41b、41cを設けると良い。茎葉切断装置12のレシプロカッタ13によって切断された茎葉が横送り装置35の横送りベルト41の突起41b、41cに引っかかることで、圃場にまき散らすことなく確実に茎葉を左右一側に送ることができる。
【0087】
また、突起41b、41cの突出長さUを、上方の突起41bの長さU1よりも下方の突起41cの長さU2を長くすることで、茎葉が横送り装置35の横送りベルト41に接触する前に倒れても、下方の突起41cが倒れた茎葉を確実に捉えて横送りすることができるため、茎葉を確実に畝溝に誘導することができ、茎葉の排出力が向上する。
【0088】
そして、作業者の立つ位置Nとは左右反対側に横送り装置35の茎葉排出側の端部(従動プーリ37b側)が位置するように横送り装置35を設けることで、作業者の立つ位置とは反対側の位置に切断後の茎葉を排出できるので、作業者の通行の邪魔にならない。
【0089】
図14には、図12の作物収穫補助機1の横送り装置35を変えた場合の側面図を示し、図15には図14の作物収穫補助機1の平面図を示す。
横送り装置35は、図1及び図2などに示す上記した駆動プーリ37a,従動プーリ37b間に無端ベルト41(チェーン)を巻回した構成ではなく、図14及び図15に示すように、ブラシ毛55bを束ねて支持部(基部)55aで支持したブラシ付き回転体55としてもよい。そして、このブラシ付き回転体55をメインフレーム4の下方に設け、左右に一対設置すると良い。
【0090】
駆動モータ56を左右のブラシ付き回転体55L,55Rのどちらか一方の回転軸に取り付け、駆動モータ56を取り付けた方の回転軸に駆動スプロケット(プーリ)57aを、反対側の回転軸に従動スプロケット(プーリ)57bを軸着し、該駆動スプロケット(プーリ)57aと従動スプロケット(プーリ)57bとに伝動チェーン(ベルト)59を無端状に巻き掛ける。
【0091】
右側のブラシ付き回転体55Rは矢印P1方向に回転し、左側のブラシ付き回転体55Lは矢印P2方向に回転することで、左右のブラシ付き回転体55L,55R間の内側から外側に、そして前方から後方にかけて茎葉を左右両側に排出できる。
そして、図14の丸枠部分Qに示すように、ブラシ付き回転体55L,55Rのブラシ毛55bの先端を丸くすれば、畝Aをマルチフィルムで被覆して栽培している場合にマルチフィルムに接触してもマルチフィルムを破ることがない。
【0092】
更に、ブラシ付き回転体55L,55Rのブラシ毛55b,55bの長さF2を、支持部(基部)55a,55aの上下方向の長さF1よりも長くすることによって、茎葉は支持部55a,55aに絡み付くことなくブラシ毛55b,55bによって機体両外側に運び出されるので、茎葉の排出性が向上する。
そして、ブラシ付き回転体55L,55Rのブラシ毛55b,55bは側面視で下方に開いたハの字形状とすることで、巻き込み装置60から落下した茎葉が圃場面に広く散らばっても、茎葉をブラシ付き回転体55L,55Rのブラシ毛55b,55bに接触させて機体両外側に運び出すことができるので、茎葉の排出性が向上する。
【0093】
また、ブラシ付き回転体55L,55Rを偏心させることで茎葉の排出性が向上する。ブラシ付き回転体55L,55Rの支持部55a,55aを楕円形に構成して軸を中心位置からずらして装着する、あるいは円形の支持部55a,55aの中心からずらして軸を取り付ける、等の方法で取り付ければ偏心となる。
更に、左右のブラシ付き回転体55L,55R間の前方中央部には、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13によって切断された茎葉が左右のブラシ付き回転体55L,55R間に入ってしまうことを防ぐためにガイドプレート66を設けると良い。ガイドプレート66はメインフレーム4に連結している。
【0094】
ガイドプレート66は、作物収穫補助機1の進行方向に対して直交する方向に平面部を有する板体で、平面視で前端部が突出したくの字形状をしている。切断された茎葉はガイドプレート66の平面部に当たり、くの字形状の前端部から後端部に掛けてガイドプレート66の形状に沿って、左右のブラシ付き回転体55L,55Rへと案内される。
【0095】
左右のブラシ付き回転体55L,55R間には空間があるため、該空間部には切断された茎葉が溜まりやすい。
しかし、このようにガイドプレート66を設けることで、左右のブラシ付き回転体55L,55R間に茎葉が入り込んで逃げない。ガイドプレート66を設けることで左右のブラシ付き回転体55L,55R間に排出された茎葉がそこで溜まらずに、矢印J1方向及び矢印J2方向にガイドプレート66の形状に沿って左右方向に案内されることで、効率よく左右のブラシ付き回転体55L,55Rから畝溝に排出される。
【0096】
このように、ガイドプレート66によって分けられた茎葉はブラシ付き回転体55L,55Rによって機体の左右両側に送られて畝溝に排出されるが、ガイドプレート66が無ければ、茎葉はブラシ付き回転体55L,55Rの間を通って後方に移動してしまうことがある。したがって、茎葉が後方に移動することを防止できる。
【0097】
また、左右のブラシ付き回転体55L,55Rの外側に、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13によって切断された茎葉がはじき飛ばされないように、左右にそれぞれ位置決めガイド65,65(図14には図示せず。)を設けると、確実に茎葉を畝溝に落下させることができる。
位置決めガイド65,65は側面視で作物収穫補助機1の進行方向に略平行な平面部を有する板体で構成し、左右のブラシ付き回転体55L,55Rと略同じ高さとすると良い。
【0098】
そして、位置決めガイド65,65は延長フレーム4a,4aの後部に設置することで容易に取り付けることができる。
また、平面視で位置決めガイド65,65が左右のブラシ付き回転体55L,55Rの外周に沿うように作物収穫補助機1の進行方向に対して斜めに配置したり、左右のブラシ付き回転体55L,55Rの外周に沿うような形状(L字型や円弧状など)にすると、茎葉が散乱することなくブラシ付き回転体55L,55Rの軌跡に沿って同じ場所に排出される。
【0099】
本構成を採用することにより、茎葉切断装置12のレシプロカッタ13によって切断された茎葉は左右のブラシ付き回転体55L,55Rの左右外側の位置決めガイド65に当たることで、四方八方にはじき飛ばされることがなく、確実に茎葉を畝溝に落下させることができ、茎葉の排出性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施形態の作物収穫補助機の左側面図である。
【図2】図1の作物収穫補助機の平面図である。
【図3】図1の作物収穫補助機のU字型ソイラ付近を、正面から見た簡略図である。
【図4】図2の作物収穫補助機の前方拡大図である。
【図5】本発明の別実施形態の作物収穫補助機の左側面図である。
【図6】本発明の別実施形態の作物収穫補助機の左側面図である。
【図7】本発明の別実施形態の作物収穫補助機の平面図である。
【図8】図2の横送り装置を図示しない作物収穫補助機の平面図である。
【図9】図1から図6の作物収穫補助機の横送り装置のベルトを換えた場合の横送り装置の前方部分の正面図である。
【図10】図1の作物収穫補助機の茎葉切断装置及び横送り装置の図示を省略し、チェンケースにU字型ソイラを設置した場合の左側面図である。
【図11】図10の作物収穫補助機のソイラ付近の正面図である。
【図12】図2の作物収穫補助機の横送り装置の配置を変えて、巻き込み装置を設けた場合の側面図である。
【図13】図12の作物収穫補助機の平面図である。
【図14】図12の作物収穫補助機の横送り装置を変えた場合の側面図である。
【図15】図14の作物収穫補助機の平面図である。
【符号の説明】
【0101】
1 作物収穫補助機 2 前輪
2a 前輪伝動部(チェンケース)
3 後輪 4 メインフレーム
4a 延長フレーム 5 エンジン
5a トランスミッション(変速装置)
6 ハンドル 7 U字型ソイラ
7a ブレード(土解し刃) 7aL 左ブレード
7aR 右ブレード 7b 吊下プレート
7c 可動支点 7d 揺動ロッド
7e ソイラ上部 8 ボス
11 支持片 12 茎葉切断装置
13 レシプロカッタ 14 支持アーム
14a 調節レバー 14b 支柱
15 深さ調節スイッチ 17 カッタ支持部
20 カバー 21 シリンダ
22 ピストン 23 マーカー
25 目盛り
30 シリンダー・レバー接続ケーブル
31 ピン 33 支持部材
35 横送り装置 35U 上側横送り装置
35L 下側横送り装置 36 駆動モータ
36a 駆動軸 37a 駆動プーリ
37aU 上側駆動プーリ 37aL 下側駆動プーリ
37b 従動プーリ 37bU 上側従動プーリ
37bL 下側従動プーリ 39a 駆動軸
39b 従動軸 40 駆動モータ
40a 駆動軸 41 横送りベルト(無端回動体)
41U 上側横送りベルト 41L 下側横送りベルト
41a ラグ 41b、41c 突起
42 チェーン(無端回動体)43,45 カバー
47 第2エンジン 50 カウンターウェイト
53 ブラシ 53a 支持部
53b ブラシ毛 55 ブラシ付き回転体
55R 右側ブラシ付き回転体
55L 左側ブラシ付き回転体
55a 支持部 55b ブラシ毛
56 駆動モータ 57a 駆動スプロケット
57b 従動スプロケット 59 伝動チェーン
60 巻き込み装置 60a 作用部
61 回転体 61a 回転軸
62 羽根 63 回転体カバー部
63a カバー取付支柱 64 駆動モータ
65 位置決めガイド 66 ガイドプレート
A 畝 B 走行路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源(5)と、
駆動源(5)の前方に設けられ、該駆動源(5)からの動力により駆動し、畝(A)を跨いで圃場を走行する左右の駆動輪(2,2)と、
駆動源(5)の後方に設けられ、畝(A)を跨いで圃場を走行する左右の補助輪(3,3)と、
駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)との間で且つ駆動源(5)の下方であって、駆動輪(2,2)及び補助輪(3,3)の前進方向に向かって左右方向に延設し、駆動輪(2,2)と補助輪(3,3)の接地面よりも下方に下端部を有し、畝(A)を解す土解し部材(7)と、
該土解し部材(7)よりも前方に設けられ、作物の茎葉部を切断する茎葉切断装置(12)と
を設けたことを特徴とする作物収穫補助機。
【請求項2】
前記土解し部材(7)は作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向に分割可能とし、該左右の分割部の接続箇所を調整することで左右幅を調節自在としたことを特徴とする請求項1記載の作物収穫補助機。
【請求項3】
前記茎葉切断装置(12)の上方に位置し、作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向に長手方向を有し、該茎葉切断装置(12)によって切断された茎葉を前記左右方向の一側に排出する茎葉排出装置(35)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の作物収穫補助機。
【請求項4】
前記茎葉排出装置(35)の前記左右方向の茎葉排出側の端部を他端部側よりも後方に配置したことを特徴とする請求項3記載の作物収穫補助機。
【請求項5】
前記茎葉切断装置(12)の作物収穫補助機の前進方向に向かって左右方向の一側に駆動輪(2,2)の駆動源(5)とは別の前記茎葉切断装置(12)の駆動用の第2駆動源(47)を設け、
前記左右方向の他側に前記茎葉切断装置(12)の第2駆動源(47)の釣合部材(50)を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作物収穫補助機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−104247(P2010−104247A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276969(P2008−276969)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】