内視鏡装置
【課題】本体部における操作入力を意図通りにスコープユニットに反映させることができる内視鏡装置を提供すること。
【解決手段】被検物の内部を観察するためのスコープユニット100と、スコープユニット100と通信を行ってスコープユニット100を制御する本体部20と、を備え、スコープユニット100は、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部160と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する撮像部11と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された構成記憶部195と、を有し、本体部20は、撮像部11の取得した画像を表示する表示部50と、少なくとも湾曲駆動部160を操作する操作入力を行うための操作部40と記憶部92に記憶されている前記構成識別情報に基づいて湾曲駆動部160を制御する制御部90と、を有する。
【解決手段】被検物の内部を観察するためのスコープユニット100と、スコープユニット100と通信を行ってスコープユニット100を制御する本体部20と、を備え、スコープユニット100は、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部160と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する撮像部11と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された構成記憶部195と、を有し、本体部20は、撮像部11の取得した画像を表示する表示部50と、少なくとも湾曲駆動部160を操作する操作入力を行うための操作部40と記憶部92に記憶されている前記構成識別情報に基づいて湾曲駆動部160を制御する制御部90と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検物の内部を観察するための内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検物の内部を観察する目的で、長尺な挿入部を備えた内視鏡装置が広く使用されている。このような内視鏡装置として、挿入部の先端にCCD等からなる撮像装置が設けられたものが知られている。このような内視鏡装置では、当該撮像装置が取得した画像が挿入部を通じて内視鏡装置の本体に送信され、画像処理等を経てディスプレイ等の表示部に表示されるようになっている。
【0003】
また、内視鏡装置においては、被検物の内部で観察対象に撮像装置を向けるため、挿入部の先端を湾曲させる湾曲機構を備えることが一般的である。また、被検物の内部には光が届かないことが多いため、発光ダイオード(LED)等の発光部材を含む照明機構を用いて撮像装置の視野を明るくする(照明する)ことも従来の内視鏡装置において行われている。
【0004】
近年、内視鏡装置をより使いやすくするために、挿入部の操作を行う操作部と、上述の表示部とが一体とされ、かつ片手で持てる程度に小型化されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような内視鏡装置においては、操作部、表示部、及び本体部が一つの筐体にまとめられ、ユーザが当該筐体を直接把持して内視鏡を使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0109429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、内視鏡装置において、挿入部の形状や湾曲機構の駆動方式は、被検物に応じて最適な条件が異なる。このため、特許文献1に記載の内視鏡装置は、最適な条件で被検物を観察するためには複数の内視鏡装置を手元に揃える必要があり、不便であった。
また、構成が異なる挿入部が本体部と着脱できるようにユニット化されたスコープユニットを複数備え、このスコープユニットを交換して本体部に取り付けて使用することも考えられる。しかしながら、この場合には、スコープユニットを追加したときに本体部にあらかじめ設定された制御方法では十分にスコープユニットを動作させられないおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる内視鏡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の内視鏡装置は、被検物を観察するための第一スコープユニットと、前記第一スコープユニットと着脱自在に設けられ、前記第一スコープユニットの装着時には前記第一スコープユニットと通信を行って前記第一スコープユニットを制御する本体部と、を備え、前記第一スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、前記本体部は、前記観察手段の取得した画像を表示する表示部と、少なくとも前記湾曲部を操作する操作入力を行うための操作部と、前記記憶部に記憶されている前記構成識別情報に基づいて前記湾曲駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記操作部は、前記湾曲部と前記表示部との少なくともいずれかに対して操作入力を行う操作入力部を有し、前記制御部は、前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された操作入力を、前記湾曲駆動部を駆動させる駆動操作入力と、前記表示部に対して座標を指示する指示操作入力とに区別して認識することが好ましい。
【0010】
また、本発明の内視鏡装置は、前記本体部と着脱自在に設けられた第二スコープユニットを更に備え、前記第二スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第二スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、前記制御部は、前記第二スコープユニットが前記本体部に装着されているとき、前記第二スコープユニットの前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された前記操作入力を、前記指示操作入力として認識することが好ましい。
【0011】
また、前記構成識別情報は、前記湾曲部を湾曲動作させるためのパラメータを含むことが好ましい。
【0012】
また、前記パラメータは、前記湾曲部の湾曲動作可能な方向を識別する情報を含むことが好ましい。
【0013】
また、前記パラメータは、前記挿入部の長さ及び径の少なくとも何れか一方に基づいて設定された、前記湾曲駆動部を駆動するための情報を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の内視鏡装置によれば、スコープユニットに設けられた記憶部に構成識別情報が記憶されているので、本体部において構成識別情報を参照してスコープユニットの構成を識別することができる。このため、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の内視鏡装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の内視鏡システムの構成を示すシステム構成図である。
【図3】同内視システムにおいてスコープユニットを取り付けた状態を示す図で、(A)は正面図、(B)は部分断面図である。
【図4】同内視鏡システムにおいて他のスコープユニットを取り付けた状態を示す部分断面図である。
【図5】同内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図6】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図7】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図8】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図9】(A)及び(B)は同内視鏡システムの変形例1におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図10】(A)及び(B)は同内視鏡システムの変形例2におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図11】同内視鏡システムの変形例3におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図12】同内視鏡システムの変形例4におけるスコープユニットの構成を示す斜視図である。
【図13】同スコープユニットを取り付けた状態の変形例4の内視鏡装置を示す部分断面図である。
【図14】同内視鏡システムの変形例5の構成を示すブロック図である。
【図15】同内視鏡システムの変形例5の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】(A)ないし(C)は同内視鏡システムの変形例6におけるスコープユニットの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態の内視鏡システムについて説明する。まず、図1ないし図5を参照して本実施形態の内視鏡システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の内視鏡システム1を示す斜視図である。また、図2は、内視鏡システム1を示す部分断面図である。また、図3は内視鏡システム1にスコープユニット100を取り付けた状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。また、図4は、内視鏡システム1にスコープユニット200を取り付けた状態を示す側面断面図である。また、図5は、内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、内視鏡システム1は、挿入部110を有するスコープユニット100と、挿入部110の基端側に接続された本体部20とを備えている。スコープユニット100は、被検物の内部を観察するためのものである。また、内視鏡システム1は、スコープユニット100と交換して使用可能なスコープユニット200をさらに備えている。本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット100を本体部20に取り付けた形態と、スコープユニット200を本体部20に取り付けた形態とでそれぞれ内視鏡装置として動作するようになっている。
【0018】
スコープユニット100に設けられた挿入部110は、被検物の内部に挿入されるものであり、可撓性を有する管状の部材で長尺に形成されている。挿入部110は、挿入部110の先端110Aに設けられた撮像部11及び照明部12と、挿入部110の先端の向きを所望の方向に変化させるための湾曲部113とを備えている。
【0019】
撮像部11は、被検物内部における観察部位の像を結像させる図示しない対物光学系、及び当該対物光学系が結像した当該観察部位の像を取得し光電変換によって画像信号に変換することで画像を撮像するCCD等の撮像素子を備えている。撮像部11には撮像素子の取得した像の画像信号を送信するための図示しない信号線が接続されている。この信号線は、挿入部110内を通って挿入部110の基端110B側へと延びている。必要に応じて、撮像部11の視野角、視野方向、観察深度などを調節するための光学アダプタが撮像部11に取り付けられてもよい。
【0020】
照明部12は、光学素子等を含んで構成され、挿入部110の先端110Aに照明光の照射部12Aを有し、照明光によって撮像部11の視野を照明するものである。
【0021】
湾曲部113は、筒状の節輪又は湾曲コマ(以下、「節輪等」と称する。)がその中心軸線方向に整列されて連結されている。湾曲部113は挿入部110の先端110A側に配置されており、可撓性を有している。また湾曲部113は、挿入部110の中心軸線Oから挿入部110の径方向に離間する方向に湾曲可能である。本実施形態の内視鏡システム1において、湾曲部113は、挿入部110の先端110A側を、挿入部110の軸線から径方向に離間する2方向に湾曲可能である。
【0022】
図3に示すように、スコープユニット100における挿入部110の基端110Bにはスコープユニット100を本体部20に取り付けるためのユニット本体24が設けられている。ユニット本体24の内部には、照明部12の光源となる光源部70と、光源部70と熱的に接続された放熱部80と、湾曲部113を湾曲動作させるための湾曲駆動部160と、後述する本体部20のコネクタ26に電気的に接続するためのコネクタ27とが設けられている。
本実施形態では、上述の撮像部11と照明部12と光源部70とによって観察手段が構成されている。観察手段が撮像部11と照明部12と光源部70とを備えていることで被検物の内部が暗くても被検物の内部を照明して好適に観察することができる。
【0023】
光源部70は、照明光を発するLED71と、LED71が発する照明光が入射するように配置されたライトガイド72とを備えている。ライトガイド72の構成としては、複数の光ファイバが束ねられた構成を採用することができる。ライトガイド72は、ユニット本体24から挿入部110内に進入し、挿入部110内を通って挿入部110の先端110A側に位置する照明部12に接続されている。
【0024】
放熱部80は金属等の熱伝導性の良好な材料からなり、ユニット本体24の外部に露出して設けられたフィン81、フィン82を有している。また、放熱部80の一部はユニット本体24の内部に進入し、LED71と熱的に接続されている。ユニット本体24の外部に露出したフィン81及びフィン82は、LED71が発する熱をユニット本体24の外部へ逃がすヒートシンクとして機能するようになっている。
【0025】
湾曲駆動部160は、駆動源であるモータ61と、モータ61によって回転されるプーリ62との組を一組備えている。モータ61とプーリ62との連動態様に特に制限はなく、モータ61のシャフトにプーリ62が取り付けられてもよいし、当該シャフトとプーリ62の回転軸とがベルト等の動力伝達部材によって接続されてもよい。
【0026】
プーリ62には、挿入部110に挿通され挿入部110の先端110A側の節輪等に接続された2本のアングルワイヤ14A、14Cが巻き回されて接続されている。これにより、モータ61を回転させてプーリ62を回転させ、アングルワイヤ14Aとアングルワイヤ14Cとの対を挿入部110に対して相対移動させることができる。その結果、湾曲駆動部160は、湾曲部113を上述の二方向へそれぞれ湾曲させることができる。
【0027】
図5に示すように、スコープユニット100には、スコープユニット100に設けられた湾曲駆動部160の構成を識別するための構成識別情報I100が記憶された構成記憶部195が設けられている。
【0028】
構成記憶部195は、半導体チップを有する記憶素子によって構成されており、例えば書き換え不能な不揮発メモリであるROMや、あるいは書き換え可能な不揮発メモリであるEPROMあるいはフラッシュメモリなどを採用することができる。
【0029】
構成記憶部195に記憶させる構成識別情報I100は、スコープユニット100の湾曲部113を湾曲させる湾曲駆動部160の湾曲方式を識別するための湾曲方式パラメータP100と、スコープユニット100を湾曲動作させるための駆動パラメータP110とを備えている。湾曲方式パラメータP100と駆動パラメータP110とは、例えばひとつの設定ファイルF100に記述された状態で構成記憶部195に記憶されている。
【0030】
湾曲方式パラメータP100は、スコープユニット100が電動で湾曲動作することを示す情報と、湾曲部113を2方向に湾曲させる湾曲駆動部160を備えていることを示す情報とを含んでいる。これにより、湾曲方式パラメータにP100よって湾曲部113において湾曲可能な方向が2方向であることを識別することができる。
【0031】
駆動パラメータP110は、本体部20においてユーザが操作を行ったときの操作入力を、湾曲駆動部160を動作させる駆動信号に変換するための情報を含んでいる。本実施形態における駆動パラメータP110は、具体的には、湾曲駆動部160のモータ61を回転動作させる方向P111、回転量P112、及び回転速度P113に関する情報である。
駆動パラメータP110は、湾曲部113の湾曲動作を適切に行うため、挿入部110の長さや径に基づいて設定されている。
方向P111は、湾曲部113の湾曲方向と、モータ61を回転動作させる方向とを関連付けるパラメータである。これらのパラメータは、例えばモータ61に正電圧がかけられたときは湾曲部113が上方向に、モータ61に負電圧がかけられたときは湾曲部113が下方向に湾曲するように定められている。
なお、方向P111は、湾曲部113が湾曲動作中に湾曲方向を反転する指示が入力されたとき、湾曲部113の湾曲動作を俊敏に反転させるか、または一旦停止してからゆっくりと反転させるかを定めるパラメータを含んでもよい。
回転量P112は、モータ61の回転量を定めるパラメータであり、回転速度P113は、モータ61の回転速度を定めるパラメータである。
後述する駆動パラメータP210の各パラメータについても、方向、回転量、及び回転速度の各パラメータの意味は、駆動パラメータP110と同様である。
【0032】
次に、スコープユニット200の構成について説明する。スコープユニット200は、図2に示すように、スコープユニット100の挿入部110に代えて設けられた挿入部210と、湾曲駆動部160に代えて設けられた湾曲駆動部260とを備えている点でスコープユニット100と構成が異なっている。また、スコープユニット200は、スコープユニット100と同様の構成を有する光源部70、放熱部80を備えている。
以下スコープユニット100と異なる点を中心に説明する。
【0033】
挿入部210は、湾曲部113に代えて設けられた湾曲部213を有している。湾曲部213は、節輪等の構成が湾曲部113とは異なり、挿入部210の中心軸線方向に直交し、かつ互いに直交する二軸回りに節輪等が相対回動することで挿入部210の先端210Aを4方向に湾曲させることができるようになっている。
【0034】
また、挿入部210を4方向に湾曲させるため、図4に示すように、湾曲部213には湾曲部213を湾曲させる4方向のそれぞれに対応するアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dが設けられている。
【0035】
湾曲駆動部260は、駆動源であるモータ61と、モータ61によって回転されるプーリ62との組を二組備えている。湾曲部213に接続された4本のアングルワイヤ14A、14B、14C、14Dのうち、挿入部210の径方向に対向して位置する2本のアングルワイヤ14A及び14Cは、プーリ62のうち一方の第一プーリ62Aに巻き回されて接続されている。また、上述の二方向に対して挿入部110の軸回りに90度ずれた方向のそれぞれに対向して位置する2本のアングルワイヤ14B及び14Dは、第二プーリ62Bに巻き回されて接続されている。
【0036】
このような構成により、第一モータ61A、第二モータ61Bをそれぞれ回転させて対応する第一プーリ62A、第二プーリ62Bを回転させ、アングルワイヤ14Aとアングルワイヤ14Bとの対及びアングルワイヤ14Cとアングルワイヤ14Dとの対を挿入部210に対して相対移動させることができる。その結果、湾曲駆動部260は挿入部210の中心軸線から離れる方向へ湾曲部213を湾曲させることができる。
【0037】
また、スコープユニット200の外面には、後述する本体部20のコネクタ26に電気的に接続するためのコネクタ27がスコープユニット100と同様に形成されている。
【0038】
また、スコープユニット200には構成記憶部195と同様の半導体チップを有する構成記憶部295が設けられている。構成記憶部295に記憶させる構成識別情報I200は、スコープユニット200の湾曲部213を湾曲させる湾曲駆動部260の湾曲方式を識別するための湾曲方式パラメータP200と、スコープユニット200を湾曲動作させるための駆動パラメータP210とを備えている。湾曲方式パラメータP200と駆動パラメータP210とは、例えばひとつの設定ファイルF200に記述された状態で構成記憶部295に記憶されている。
【0039】
湾曲方式パラメータP200は、湾曲方式パラメータP100と同様にスコープユニット200が電動で湾曲動作することを示す情報と、湾曲部213を4方向に湾曲させる湾曲駆動部260を備えていることを示す情報とを含んでいる。
【0040】
駆動パラメータP210は、本体部20においてユーザが操作を行ったときの操作入力を、湾曲駆動部260を動作させる駆動信号に変換するための情報を含んでいる。本実施形態における駆動パラメータP210は、具体的には、湾曲駆動部260の第一モータ61A及び第二モータ61Bをそれぞれ回転動作させる方向P211、回転量P212、及び回転速度P213に関する情報である。
【0041】
本体部20は、スコープユニット100、200のそれぞれと着脱自在に設けられており、スコープユニット100、200が本体部20に取り付けられているときには、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と本体部20との間で通信を行って本体部20はスコープユニット100あるいはスコープユニット200を制御するようになっている。
【0042】
また、本体部20は、図1に示すように、使用者が把持して操作を行う操作部21と、操作部21に設けられ、使用者が把持する把持部30と、湾曲部113の操作入力を行うための操作入力部40と、撮像部11の取得した映像信号を画像として表示する表示部50と、スコープユニット100あるいはスコープユニット200が本体部20に取り付けられたときにスコープユニット100あるいはスコープユニット200の動作を制御する制御部90(図5参照)と、を備えている。
【0043】
また、操作部21は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200のユニット本体24を内部に保持可能な凹形状を有する取り付け部23と、取り付け部23の内側に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と電気的に接続して通信を行うためのコネクタ26を有している。
【0044】
図3に示すように、把持部30は、操作部21から突出する棒状に形成されており、内部にバッテリー31を有している。バッテリー31は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200、及び本体部20に設けられた表示部50に駆動電力を供給するものである。
【0045】
操作入力部40は、湾曲部113の操作方向の入力及び表示部50の各種設定等の入力を行うものである。操作入力部40は、上方向U、下方向D、左方向L及び右方向Rの4方向に中立状態から傾くように動作するジョイスティック41(以下「J/S41」と称する。)と、複数の押しボタン42とを備えている。
【0046】
J/S41は、例えば互いに直交する二軸のそれぞれに沿う直線上の位置を検出するポテンショメーター41Aを有し、J/S41を傾けることでポテンショメーター41Aの抵抗値が変化し、この抵抗値の変化が後述する制御部90によって参照されるようになっている。
なお、J/S41に代えて、スコープユニット100やスコープユニット200を操作する方向に対応したキーやボタン等が採用されてもよい。
【0047】
表示部50は、表示画面51と、撮像部11から送信された映像信号を表示画面51に表示可能に処理する表示制御部52を備えている。また、表示画面51として、いわゆるタッチパネル型のディスプレイを採用し、湾曲部113あるいは湾曲部213を湾曲させるための操作入力や撮像部11への操作入力を表示画面51のタッチパネルを介して行う構成を採用することもできる。
【0048】
図5に示すように、表示制御部52は、カメラコントロールユニット52A(以下「CCU52A」と称する。)と、CCU52Aに撮像部11から伝送された画像信号を記憶する画像記録ユニット52Bとを有している。表示制御部52は、スコープユニット100の挿入部110に設けられた撮像部11から送信された画像情報を例えばNTSC信号として表示画面51に送信して表示画面51に画像を表示させるようになっている。
【0049】
図3及び図4に示すように、制御部90は、本体部20における操作部21の内部に配置されている。また、制御部90は、スコープユニット100とスコープユニット200とのうち本体部20に取り付けられたほうとコネクタ26を介して電気的に接続されるようになっている。
【0050】
また、制御部90は、本体部20の内部で表示部50の表示制御部52に電気的に接続されており、制御部90は表示部50の動作を制御するようになっている。さらに、制御部90は操作入力部40と電気的に接続されており、J/S41及びボタン42が操作されることによる操作入力を受け付けるようになっている。
【0051】
本体部20にスコープユニット100が取り付けられている状態では、制御部90は、構成記憶部195と、湾曲駆動部160と、光源部70とのそれぞれに対して通信を行うようになっている。
【0052】
図5に示すように、制御部90は、中央演算装置91と、中央演算装置91に電気的に接続された記憶部92と、中央演算装置91に電気的に接続された湾曲駆動回路93及び光源駆動回路94とを備えている。
【0053】
中央演算装置91は、内視鏡システム1を駆動させるための組み込み型オペレーティングシステムに従って動作して記憶部92と湾曲駆動回路93と光源駆動回路94とのそれぞれを制御するようになっている。
【0054】
また、中央演算装置91は、図示しないI/O回路を介してJ/S41のポテンショメーター41Aの抵抗値を参照するようになっている。中央演算装置91は、J/S41から制御部90へ入力された操作入力を、湾曲駆動回路93から湾曲駆動部160、260へ駆動信号を送信するための駆動操作入力と、表示画面51に表示されたカーソルなどを移動させて表示画面51上の座標を指示する指示操作入力とに切り替えて認識するようになっている。
駆動操作入力と指示操作入力とは、ボタン42によって切り替え可能であるとともに、構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200の情報に基づいて電気的に切り替え可能になっている。
【0055】
さらに、中央演算装置91は、内視鏡システム1を駆動させるための組み込み型オペレーティングシステムのプログラムにしたがって、表示画面51にメニュー画面や被検物の画像などを表示するように表示制御部52を制御する。
【0056】
記憶部92は、ROM92Aと、RAM92Bとを有している。ROM92Aには、上述のオペレーティングシステムが記憶されており、内視鏡システム1の起動時にはこのオペレーティングシステムの主要コンポーネントがRAM92Bに転送されて実行されるようになっている。
【0057】
本実施形態では、RAM92Bは揮発型の記憶装置であり、内視鏡システム1の電源を遮断する、あるいはスコープユニット100あるいはスコープユニット200を本体部20から取り外すことでRAM92Bに記憶された情報はすべて消去される。
【0058】
さらに、RAM92Bには、J/S41が傾けられた方向と、J/S41が傾けられた角度と、J/S41が傾けられる速度、とが一時的に記憶されるようになっている。
【0059】
また、スコープユニット100の構成記憶部195やスコープユニット200の構成記憶部295に記憶された構成識別情報I100、I200は、内視鏡システム1の起動時にRAM92Bに読み込まれるようになっている。
【0060】
本実施形態では、RAM92Bには構成記憶部195あるいは構成記憶部295に記憶された設定ファイルF100、F200が転送されることで構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200がRAM92Bに記憶されるようになっている。
【0061】
なお、RAM92Bに書き換え可能な不揮発メモリを採用することもできる。この場合には、内視鏡システム1の電源を遮断しても構成識別情報を保持することができ、スコープユニット100やスコープユニット200を交換して本体部20に取り付けて使用するときに必要に応じて構成記憶部195や構成記憶部295から読み込んで構成識別情報をRAM92Bに上書きする構成を採用することができる。
【0062】
湾曲駆動回路93は、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260を駆動するための湾曲駆動信号を生成する回路である。湾曲駆動回路93では、J/S41が傾けられた方向と、J/S41が傾けられた角度と、J/S41が傾けられる速度との情報を、それぞれRAM92Bに記憶された構成識別情報I100、I200に基づいて変換し、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260を駆動させるための湾曲駆動信号として生成し、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260へこの湾曲駆動信号を送信するようになっている。
【0063】
なお、RAM92Bにこれらの設定ファイルが存在しない場合には、湾曲駆動回路93は動作しないようになっている。このとき、制御部90のうち湾曲駆動回路93に係る部分の電源を遮断してもよい。
【0064】
光源駆動回路94は、光源部70を駆動するための回路である。光源駆動回路94では、LED71を駆動する駆動電力の電圧、電流及び駆動波形を指示する光源駆動信号を、それぞれRAM92Bに記憶された構成識別情報I100、I200に基づいて生成し、この駆動信号をLED71へ供給するようになっている。
【0065】
なお、光源駆動回路94は、RAM92Bにこれらの構成識別情報が存在しない場合に光源部70を駆動させるための規定の光源駆動信号を有しており、構成識別情報が存在しない場合には規定の光源駆動信号に基づいてLED71を発光させるようになっている。
【0066】
以上に説明した構成の、本実施形態の内視鏡システム1の使用時の動作について説明する。
図6ないし図8は、本実施形態の内視鏡システム1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、スコープユニット100あるいはスコープユニット200を本体部20に取り付ける取り付け工程について図6を参照して説明する。
【0067】
ステップS1は、本体部20にスコープユニットが取り付けられたことを検知するユニット着脱検知を行うステップである。
ステップS1では、ユーザは、本体部20の取り付け部23に例えばスコープユニット100を取り付ける。すると、スコープユニット100に設けられたコネクタ27は、本体部20に設けられたコネクタ26に接続される。このとき、湾曲駆動部160と光源部70とはそれぞれ制御部90に電気的に接続される。ここで、湾曲駆動部160は制御部90の湾曲駆動回路93に接続され、LED71は制御部90の光源駆動回路94に接続される。
【0068】
光源駆動回路94は、LED71が接続されるとスコープユニット100やスコープユニット200などのスコープユニットが接続されたことを示す信号を中央演算装置91に送信する。これにより中央演算装置91においてスコープユニットが本体部20に取り付けられたことが検知される。
これでステップS1は終了し、ステップS2へと移行する。
【0069】
ステップS2は、本体部20に接続されたスコープユニットの構成識別情報を本体部20に読み込むステップである。
ステップS2では、本体部20にスコープユニット100が取り付けられている状態では、スコープユニット100の構成記憶部195から構成識別情報I100が記述された設定ファイルF100を制御部90のRAM92Bに読み込む。
これでステップS2は終了し、ステップS3へと移行する。
【0070】
ステップS3は、構成識別情報の有無を判断するステップである。
ステップS3では、まず、RAM92Bに構成識別情報を読み込む動作が成功したか、また構成識別情報が破損していないかを確認する。
なお、本実施形態では、スコープユニット100及びスコープユニット200には構成識別情報I100、I200がそれぞれ記憶されているが、湾曲動作を必要としないスコープユニットには構成識別情報が備えられていない場合がある。この場合、ROM92Aに記憶された所定のタイムアウト時間が経過してもスコープユニットからの応答がないことを検出することで構成識別情報が備えられていないことを検出する構成を採用しても良い。
【0071】
湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260が存在することを示す構成識別情報が存在しない場合には、ステップS3は終了してステップS4へと移行する。
本実施形態では、スコープユニット100、200の構成識別情報I100、I200には、湾曲方式パラメータP200には電動湾曲方式であることが記憶されているので、ステップS3において湾曲駆動するスコープユニットであると判断され、ステップS3は終了してステップS5へと移行する。
【0072】
ステップS4は、J/S41に入力される入力動作に対して制御部90が応答する動作を設定するステップである。
ステップS4では、J/S41に入力される操作入力を、表示画面51に表示される選択肢を選択したり表示画面51に表示された映像の一部を指定したりするための指示操作入力であると認識するように制御部90は設定される。このとき、ユーザがJ/S41を傾ける動作は制御部90によって参照され、制御部90は、表示画面51上の点を指示するために表示画面51上に表示されたカーソルなどをJ/S41の動作に連動して移動させるようになる。
これにより、ステップS4は終了し、J/S41の動作は表示画面51の操作に用いられるように設定される。
【0073】
ステップS5は、J/S41に入力される入力動作に対して制御部90が応答する動作を設定するステップである。
ステップS5では、制御部90は、スコープユニット100に設けられた湾曲駆動部160を動作させる駆動操作入力と、上述の指示操作入力とを切り替えてJ/S41に入力された操作入力を認識するように設定される。このとき、J/S41の動作は、例えばボタン42を押すことによって交互に切り替えることができるようになる。
これにより、ステップS5は終了し、J/S41の動作は湾曲駆動部160の操作と表示画面51の操作に兼用されるように設定される。
【0074】
以上で、スコープユニット100あるはスコープユニット200を本体部20に取り付ける取り付け工程は終了する。
【0075】
取り付け工程が終了すると、続いて内視鏡システム1においてスコープユニットを湾曲動作させる湾曲方式を選択する方式選択工程が開始される。
【0076】
図7に示すようにステップS10は、図2に示す本体部20に取り付けられたスコープユニットが湾曲動作可能であるか否かを判断するステップである。
ステップS10では、ステップS2においてRAM92Bに記憶された構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200に基づいて、湾曲方式パラメータP100、P200がある場合にはステップS10は終了し、ステップS11へと移行する。
なお、例えば湾曲駆動しないスコーユニットが本体部20に取り付けられている場合には、構成識別情報に湾曲方式パラメータの情報が含まれていないのでステップS10は終了して方式選択工程は終了する。
【0077】
ステップS11は、ユーザによるJ/S41への入力操作があるか否かを判断するステップである。
ステップS11では、制御部90はJ/S41のポテンショメーター41Aの抵抗値を参照し、J/S41が中立位置にあるか否かをポテンショメーター41Aの抵抗値から判断する。ユーザによってJ/S41の操作入力があるときには、J/S41は中立位置と異なる位置に位置するように傾けられているため、ポテンショメーター41Aの抵抗値はJ/S41が中立位置にある場合と異なる。
【0078】
制御部90では、J/S41が中立位置にあるときの抵抗値とステップS11の実行時のポテンショメーター41Aの抵抗値とが異なる場合にはステップS11は終了し、ステップS12へと移行する。
【0079】
なお、ユーザによってJ/S41の操作入力がないときにはJ/S41は中立位置にあり、制御部90によってJ/S41が中立位置にあると判断されたら、ステップS11は終了して方式選択工程は終了する。
【0080】
ステップS12は、スコープユニットの湾曲方式を選択するステップである。
ステップS12では、制御部90において、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報に基づいて、スコープユニットの湾曲方式を選択する。本実施形態では、スコープユニット100の構成識別情報I100の湾曲方式パラメータP100には、スコープユニット100の湾曲方式が電動湾曲方式であることが記憶されているので、ステップS12ではスコープユニット100の湾曲方式は電動湾曲方式であると判断されて、ステップS12は終了してステップS13へと移行する。
【0081】
また、ステップS12では、湾曲方式パラメータに電動湾曲以外の湾曲方式が記憶されている場合には、ステップS12は終了してステップS14へと移行する。本実施形態では、電動湾曲方式以外の湾曲方式の例として、流体圧によって湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動部をスコープユニットに備えることが考えられる。流体圧による湾曲方式を備えたスコープユニットの構成とその動作についての説明は後述する。
【0082】
ステップS13は、電動湾曲方式に則ってスコープユニットを動作させるステップである。
図8は、ステップS13における内視鏡システム1の動作をより詳細に示すフローチャートである。
図8に示すようにステップS13では、まずステップS100を開始する。ステップS100において、制御部90は、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報I100のうち、スコープユニット100やスコープユニット200を湾曲動作させるためのパラメータを参照する。
【0083】
本体部20にスコープユニット100が取り付けられているときには、構成識別情報I100の湾曲方式パラメータP100にはスコープユニット100の湾曲駆動部160による湾曲部113の湾曲動作が2方向であることが記憶されているので、ステップS100は終了してステップS101へ移行する。
【0084】
なお、本体部20にスコープユニット200が取り付けられているときには、構成識別情報I200の湾曲方式パラメータP200にはスコープユニット200の湾曲駆動部260による湾曲部213の湾曲動作が4方向であることが記憶されているので、ステップS100は終了してステップS201へ移行する。
【0085】
湾曲部113あるいは湾曲部213を湾曲動作させる湾曲動作工程について図8を参照して説明する。
【0086】
ステップS101は、J/S41におけるユーザによる操作入力の種類を検出するステップである。
ステップS101では、制御部90はRAM92Bに記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値を参照し、J/S41が上方向U、あるいは下方向Dへ傾けられている場合にはステップS101を終了してステップS102へ移行する。
【0087】
J/S41が左方向L、あるいは右方向Rへ傾けられてる場合にはステップS101を終了して改めてステップS101が開始される。なお、J/S41において左方向Lあるいは右方向Rが上方向Uまたは下方向Dと同時にユーザによって入力されている場合には、上方向Uあるいは下方向Dの入力のみがあったものとしてステップS102へ移行する。
【0088】
ステップS102は、制御部90に記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値に基づいてJ/S41が傾けられた方向、角度及び加速度を取得するステップである。
ステップS102において、J/S41が傾けられた方向、角度及び加速度は、RAM92Bに書き込まれる。
これでステップS102は終了し、ステップS103へと移行する。
【0089】
ステップS103は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた方向の情報に基づいてスコープユニット100の湾曲部113の湾曲方向を制御するように湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS103では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた方向と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる方向へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS103は終了し、ステップS104へと移行する。
【0090】
ステップS104は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた加速度の情報に基づいて湾曲部113の湾曲速度を制御するように、スコープユニット100の湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS104では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた加速度と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる速度へと、駆動パラメータP110に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS104は終了し、ステップS105へと移行する。
【0091】
ステップS105は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた角度の情報に基づいて湾曲部113の湾曲角を制御するようにスコープユニット100の湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
【0092】
ステップS105では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた角度と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた角度を、モータ61を回転させる回転量へと、駆動パラメータP110に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
【0093】
ステップS103、S104、S105によって、モータ61を回転させる方向、回転速度および回転量を指定する駆動信号がそれぞれ生成されている。湾曲駆動回路93は、ステップS103、S104、S105において生成された駆動信号に基づいて湾曲駆動部160のモータ61を駆動させる。これでステップS105は終了し、ステップS101へと戻る。
【0094】
このように、ステップS101からステップS105までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部160のモータ61が回転動作して湾曲部113が湾曲動作する。ステップS101からステップS105までのループは、内視鏡システム1の電源を遮断するための終了処理において発生する終了割り込みや、スコープユニット100を他のスコープユニットに交換するためにスコープユニット100への通電を遮断する交換割り込みなどによって終了する。
【0095】
以下では、上述のステップS100においてスコープユニットの湾曲方式が4方向湾曲であると判断されたとき、すなわち本体部20にスコープユニット200が取り付けられているときの内視鏡システム1の動作を図8を参照して説明する。
【0096】
ステップS201は、制御部90に記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値に基づいてJ/S41が傾けられた方向、角度及び加速度を取得するステップである。
ステップS201において、J/S41が傾けられた方向、角度及び加速度は、RAM92Bに書き込まれる。
これでステップS201は終了し、ステップS202へと移行する。
【0097】
ステップS202は、ステップS201でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた方向の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲方向を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS202では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた方向と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、第一モータ61Aと第二モータ61Bとのうち駆動させるモータの別と、第一モータ61Aと第二モータ61Bとをそれぞれ回転させる方向へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS202は終了し、ステップS203へと移行する。
【0098】
ステップS203は、ステップS203でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた加速度の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲速度を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS203では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた加速度と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる速度へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS203は終了し、ステップS204へと移行する。
【0099】
ステップS204は、ステップS203でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた角度の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲角を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS203では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた角度と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた角度を、モータ61を回転させる回転量へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
【0100】
ステップS202、S203、S204によって、第一モータ61A及び第二モータ61Bを回転させる方向、回転速度及び回転量を指定する駆動信号がそれぞれ生成されている。湾曲駆動回路93は、ステップS202、S203、S204において生成された駆動信号に基づいて湾曲駆動部260の第一モータ61Aおよび第二モータ61Bを駆動させる。これでステップS204は終了し、ステップS201へと戻る。
【0101】
このように、ステップS201からステップS204までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部260の第一モータ61A及び第二モータ61Bが回転動作して湾曲部213が湾曲動作する。ステップS201からステップS104までのループは、内視鏡システム1の電源を遮断するための終了処理において発生する終了割り込みや、スコープユニット200を他のスコープユニットに交換するためにスコープユニット200への通電を遮断する交換割り込みなどによって終了する。
【0102】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置によれば、交換して使用するスコープユニットのそれぞれに対して、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に設けられた構成記憶部195あるいは構成記憶部295に記憶された構成識別情報に基づいて湾曲駆動回路93において生成して本体部20からスコープユニット100あるいはスコープユニット200に送信することができる。これにより、構成が異なる複数のスコープユニットを本体部に対して交換して使用しても、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0103】
また、制御部90が、ステップS2においてスコープユニット100あるいはスコープユニット200から構成識別情報を読み出してRAM92Bに記憶させ、ステップS3において、制御部90は、操作入力部40のJ/S41に入力された操作を受け付けて、湾曲部113あるいは湾曲部213を駆動させるための駆動操作入力と、表示部50に対して座標を指示する指示操作入力とに、構成識別情報I100、I200に基づいて前記操作入力を区別して認識する。このため、スコープユニットの構成に応じてJ/S41の使用方法を適切に設定することができる。
【0104】
また、スコープユニット100には湾曲駆動部160が設けられ、スコープユニット200には湾曲駆動部260が設けられている。このように湾曲部を湾曲動作をさせるための駆動部をスコープユニット側に備えているので、無用な重量物が本体部20側に配置されることなく、本体部20の重量を軽くすることができる。
【0105】
また、スコープユニット100の構成記憶部195及びスコープユニット200の構成記憶部295に記憶された構成識別情報は、スコープユニットの構成ごとに異なるので、内視鏡システム1の使用中にスコープユニットを交換しても構成識別情報を混同することなく制御部90はスコープユニットに対応する駆動振動を生成することができる。
また、湾曲方式パラメータP100、P200に基づいてスコープユニットが湾曲可能な方向及び湾曲方式を識別することができるので、ユーザが手作業でこれらを識別する必要がないので内視鏡システムの操作が簡便である。
【0106】
また、構成識別情報が、湾曲部を湾曲させるためのパラメータを有しているので、制御部90は、湾曲駆動回路93においてJ/S41が傾けられた動作を湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260のモータの駆動信号に変換することができる。このため、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0107】
(変形例1)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例1の構成について図9(A)および図9(B)を参照して説明する。
図9(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。また、図9(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示す側面図である。
【0108】
図9(A)に示すスコープユニット400は、図2に示す本体部20の取り付け部23に取り付けるためのユニット本体24と、ユニット本体24に一端が固定された第二挿入部410とを備えている。第二挿入部410は、可撓性を有しているが、スコープユニット100やスコープユニット200とは異なり第二挿入部410を湾曲させるための機構を有していない。
【0109】
また、図示していないが、スコープユニット400はスコープユニット100の撮像部11、照明部12及び光源部70と同様に構成された第二撮像部、第二照明部および第二光源部を有する第二観察手段を備えている。
【0110】
本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に加えて、スコープユニット400のようなスコープユニットを第二スコープユニットとして備えることができる。
【0111】
また、図9(B)に示すスコープユニット400Aは、第二挿入部410に代えて挿入部410Aを備えている点で上述のスコープユニット400と構成が異なっている。挿入部410Aは、硬質な筒状に形成されている。本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット400Aを備えることができる。
【0112】
スコープユニット100あるいはスコープユニット200に代えてスコープユニット400が本体部20に装着されたとき、制御部90は、操作入力部40のJ/S41に入力された操作を受け付けて、スコープユニット400の構成識別情報に基づいて前記操作入力を表示部50に対して座標を指示する指示操作入力として認識する。
【0113】
(変形例2)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例2の構成について図10(A)及び図10(B)を参照して説明する。
図10(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。また、図10(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示す側面図である。
【0114】
図10(A)に示すスコープユニット500は、上述の第二挿入部410に代えて設けられた第二挿入部510と、第二挿入部510とユニット本体24との間に設けられた接続コード515及びアングルノブ560とを備える点で、上述のスコープユニット400と構成が異なっている。
【0115】
本変形例では、第二挿入部510の内部には上述の挿入部210と同様にアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dが設けられており、アングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dはアングルノブ560によって牽引されるようになっている。これにより、第二挿入部510の先端510A側の湾曲部513は湾曲動作する。
図示していないが、接続コード515には、ライトガイド72と、撮像部11に接続された信号線が配置され、上述のスコープユニット400と同様に第二観察手段が構成されている。
【0116】
本変形例では、ユーザは、上述のモータ61を電動で回動させる動作に代えてアングルノブ560を手動で回動させてアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dをそれぞれ牽引して第二挿入部510の先端の湾曲部213を湾曲動作させることができる。このようなスコープユニットを、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と共に第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えても良い。
【0117】
また、図10(B)に示すように、スコープユニット500Aは、アングルノブ560がユニット本体24に取り付けられている。この場合には、本体部20とアングルノブ560との位置が近いので両手で本体部20を支えながらアングルノブ560を操作することができる。
【0118】
(変形例3)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例3の構成について図11を参照して説明する。図11は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。
【0119】
図11に示すスコープユニット600は、上述のスコープユニット100やスコープユニット200と異なり、流体圧によって湾曲動作を行うスコープユニットである。スコープユニット600は、本体部20に取り付け可能なユニット本体24と、ユニット本体24に一端が固定された接続コード615と、接続コード615に接続された挿入ユニット616とを備えている。
【0120】
挿入ユニット616は、被検物に挿入される第二挿入部610と、第二挿入部610が巻きまわされた回転リール618と、回転リール618を支持する支持部617と、第二挿入部610及び接続コード615に接続されたエアコンプレッサ660とを備えている。
【0121】
本実施形態の第二挿入部610は、エアコンプレッサ660から供給される空気によって伸縮動作するアクチュエータを第二湾曲部613に有し、アクチュエータに供給される空気の量に応じて第二湾曲部613の湾曲の大きさを変えることができる。
【0122】
また、本変形例では、スコープユニット600は、ユニット本体24の内部に設けられた光源部70に代えて、挿入ユニット616に設けられた第二光源部670を備えている。第二光源部670は、光源部70と同様に制御部90の光源駆動回路94によって動作が制御される。
【0123】
本変形例のスコープユニット600は、ユニット本体24の内部に構成記憶部695を備えている。構成記憶部695には、構成記憶部695には、スコープユニット600の構成を識別するための構成識別情報が記憶されており、この識別情報は、スコープユニット600が電動湾曲以外の湾曲方式であることを示す湾曲方式パラメータと、スコープユニット600に設けられたエアコンプレッサ660を動作させるための駆動パラメータとを含んでいる。
【0124】
ここで、エアコンプレッサ660を動作させるための駆動パラメータとは、操作入力部40のポテンショメーター41Aの抵抗値を湾曲駆動回路93において駆動信号に変換するためのパラメータと、この駆動信号を湾曲駆動回路93からエアコンプレッサ660に送信するための通信手順とを含む情報である。
【0125】
本変形例のスコープユニット600が、本体部20に取り付けられたときには、図7に示すステップS12において、電動湾曲以外の湾曲方式であることが選択されて、ステップS14へ移行する。
【0126】
ステップS14は、スコープユニット600のエアコンプレッサ660を流体圧湾曲制御によって駆動させるステップである。
ステップS14では、制御部90のRAM92Bには上述したステップS13と同様にポテンショメーター41Aの抵抗値が一時的に記憶される。さらに、湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報を参照し、ポテンショメーター41Aの抵抗値を、構成識別情報に基づいてエアコンプレッサ660を駆動させる駆動信号へと変換してエアコンプレッサ660へと送信する。これにより、J/S41を傾けた向きに第二湾曲部613を湾曲動作させることができる。
【0127】
本変形例のスコープユニット600も、上述のスコープユニット400、スコープユニット400A、スコープユニット500、スコープユニット500Aと同様に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に追加する第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えることができる。
本変形例では、第二挿入部610を湾曲させるエアコンプレッサ660の構成が上述のスコープユニット100湾曲駆動部160の構成と大幅に異なっているが、エアコンプレッサ660を駆動するために適切な駆動信号を、構成識別情報に基づいて生成してエアコンプレッサ660を駆動することができる。このように、本実施形態の内視鏡システム1によれば、本変形例のスコープユニット600(第二スコープユニット)を交換して取り付けて使用してもそれらのスコープユニットを好適に動作させることができる。
【0128】
(変形例4)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例4の構成について図12及び図13を参照して説明する。図12は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す斜視図である。また、図13は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットの一部の構成を示す断面図である。
【0129】
図12及び図13に示すように、本変形例のスコープユニット700は、挿入部210に代えて設けられた第二挿入部710と、LED71に代えて設けられたLED771(第二光源部)とを備えている点でスコープユニット200と構成が異なっている。なお、スコープユニット700は、上述の湾曲駆動部260と同様の湾曲駆動部を有している。
LED771は、第二挿入部710の照射部12A付近に設けられた複数のLEDを有し、第二挿入部710の内部にはLED771に駆動電力を伝達するための給電ワイヤ772が配置されている。給電ワイヤ772は、コネクタ27、コネクタ26を介して本体部20の光源駆動回路94に電気的に接続されている。
【0130】
また、スコープユニット700のユニット本体24には、構成識別情報を記憶するための構成記憶部795が設けられている。構成記憶部795には、湾曲駆動部260を駆動させるための駆動パラメータに加えて、光源部770を駆動するための照明パラメータP720が構成識別情報として記憶されている。
【0131】
光源部770を駆動させるための照明パラメータP720としては、LED771を発光させる発光方法を表示画面51上で選択するためにメニュー画面に表示する発光方法の一覧情報P721と、当該一覧に対応して光源駆動回路94において駆動信号を生成するための照明駆動パラメータP722とを含んでいる。光源部770を駆動する駆動信号を生成するための照明駆動パラメータP722としては、LED771に供給する電圧、電流などや、LED771を間欠発光させる場合の発光タイミングを示す時間幅の情報がある。
【0132】
スコープユニット700を本体部20に取り付けると、構成記憶部795からRAM92Bへ構成識別情報が読み込まれる。すると、上述のスコープユニット200と同様に湾曲部213の湾曲動作を行う駆動信号を湾曲駆動回路93において生成できるようになると共に、表示画面51にはLED771を発光させるための発光方法のリストが一覧情報P721に基づいて表示されるようになり、J/S41を傾けて表示画面上でLED771の発光方法を選択することができるようになる。
【0133】
このように、本変形例のスコープユニット700によれば、構成識別情報に一覧情報P721と照明駆動パラメータP722とを含む照明パラメータP720が備えられているので、構成が異なるスコープユニットを本体部20に取り付けて使用するときに表示画面51を見てスコープユニットに装備された発光方法を選択することができる。その結果、スコープユニットごとに異なる発光方法を装備する複数のスコープユニットを交換して使用してもそのスコープユニットの使用方法がわかりやすい。
【0134】
なお、本変形例のスコープユニット700も、上述のスコープユニット400、スコープユニット400A、スコープユニット500、スコープユニット500A、スコープユニット700と同様に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に追加する第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えることができる。この場合、ライトガイド72を使用してLED71の照明光を照射部12Aに伝送する構成と比較して、第二挿入部710の長さが長くなっても照明光の伝送ロスが少なく、また第二挿入部710を細く構成することができる。
【0135】
また、照明部の構成が異なるスコープユニットの例としては、スコープユニット700以外にも、例えばLED以外の光源を採用したスコープユニットを挙げることができる。例えば、光源としてハロゲンランプやレーザーダイオード(LD)を採用したスコープユニットが考えられ、この場合でも構成記憶部にこれらの光源に対応した発光方法とパラメータとを含む構成識別情報を記憶させておくことで、本体部20の制御部90はそれぞれの光源を制御することができる。
【0136】
(変形例5)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例5の構成について図14及び図15を参照して説明する。図14は、本実施形態の内視鏡システム1の変形例5の構成を示すブロック図である。また、図15は、図14に示す変形例5のさらに他の構成例を示すブロック図である。
図14に示すスコープユニット100は、撮像部11にはCCD11Aが設けられ、同図に示すスコープユニット800は、撮像部11にはCCD11Aに代えてCMOS811Aが設けられている。スコープユニット800は、スコープユニット100に追加して備えられた第二スコープユニットである。
【0137】
また、スコープユニット800には、構成記憶部195に代えて、構成記憶部895が設けられている。構成記憶部895には、構成識別情報が記憶されており、構成記憶部895に記憶された構成識別情報は、CCD11AあるいはCMOS811Aから表示部50の表示制御部52に送信された画像情報を表示画面51に表示するための信号に変換処理するための動作手順を含んでいる。
【0138】
また、制御部90のRAM92Bには、構成記憶部195あるいは構成記憶部895に記憶されている構成識別情報が読み込まれている。例えば本体部20にスコープユニット800が取り付けられているときには、RAM92Bには、湾曲駆動部160を動作させるためのパラメータに加えて、表示部50の表示制御部52を動作させるためのパラメータが記憶されている。
【0139】
表示制御部52は、RAM92Bに記憶されているパラメータに基づいて、CMOS811Aから表示制御部52へ送信された画像信号を表示画面51に表示するための画像信号へと変換する。
【0140】
本変形例では、撮像部11に設けられた撮像素子が異なっていても、制御部90のRAM92Bにスコープユニット100やスコープユニット800から構成識別情報を読み込むことで撮像素子の画像信号を表示画面51に画像を表示可能な形式に変換することができる。これにより、撮像素子の種類が異なる複数のスコープユニットを交換して使用することができる。
【0141】
なお、パラメータによって表示制御部52の動作を切り替える構成に限らず、表示制御部52上に異なるカメラコントロールユニットを複数(例えば図15に示すCCU52AとCCU852A)設け、構成識別情報に基づいて使用するカメラコントロールユニットを選択するようにしてもよい。
【0142】
また、撮像素子の種類が異なるスコープユニットの他の例としては、例えばCCD11Aと有効画素数が異なる撮像素子を採用したスコープユニットを採用することができる。例えば、CCD11Aよりも有効画素数が多いCCDを採用した場合には、CCD11Aを搭載するスコープユニット100よりもデジタルズーム処理の最大ズーム倍率を高くしても良好な拡大像を得ることができる。これに対応して、構成識別情報には表示部50におけるデジタルズームの最大倍率の情報を含むことができる。この場合、有効画素数が少ない撮像素子においては良好に被検物を観察できないほどの倍率にズームすることがなく、有効画素数が多い撮像素子においては特別な設定をすることなく高倍率の観察を行うことができ、内視鏡システム1の操作を簡便にすることができる。
【0143】
(変形例6)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例6の構成について図16(A)ないし図16(C)を参照して説明する。図16(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示すブロック図である。図16(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示すブロック図である。図16(C)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なさらに他のスコープユニットを示すブロック図である。
【0144】
図16(A)ないし図16(C)におけるスコープユニット900A、スコープユニット900B及びスコープユニット900Cは、スコープユニット100やスコープユニット200に追加して設けることができる第二スコープユニットである。
【0145】
スコープユニット900A、スコープユニット900B及びスコープユニット900Cは、スコープユニット700と同様のLED771が設けられた第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cをそれぞれ備えている。第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cは、軸方向の長さが異なっており、例えば第二挿入部910Aは2メートル、第二挿入部910Bは10メートル、第二挿入部910Cは50メートルの長さに設定されている。また、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれの先端にはCCD11Aが設けられている。
【0146】
また、ユニット本体24の内部には、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれに応じて設定された構成識別情報が記憶された構成記憶部995A、構成記憶部995B、構成記憶部995Cが設けられており、構成記憶部995A、構成記憶部995B、構成記憶部995Cに記憶された構成識別情報は、撮像部11のCCD11Aから送信されて表示制御部52で受信される画像信号を補正するためのパラメータを含む。
【0147】
本変形例では、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれには同一の撮像素子であるCCD11Aが設けられているが、CCD11Aから表示制御部52に向けて送信される画像信号は、挿入部の長さに応じて表示制御部52に到達したときの電気的な特性が異なっていることがある。
【0148】
ここで、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cにそれぞれ記憶されている構成識別情報は、制御部90のRAM92Bに読み込まれ、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報に基づいて、表示制御部52に到達した画像信号は補正されて表示画面51に表示可能な映像信号に変換される。
本変形例では、挿入部の長さが異なるスコープユニットを交換して使用しても表示画面51に表示される映像が乱れることを抑制することができる。
【0149】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、また、上述の実施形態では、スコープユニット100とスコープユニット200とはモータ61の個数が異なる例を示したが、これに限らず、モータの大きさや出力が異なるという点で構成が異なる複数のスコープユニットを交換して使用することもできる。この場合にも、構成識別情報をスコープユニットに備えることで、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0150】
また、上述の実施形態では、構成識別情報としてスコープユニットの湾曲部や照明部、撮像部などの構成を識別する情報としてパラメータを含む例を示したが、これに限らず、構成識別情報として、スコープユニットの湾曲部や照明部、撮像部などを駆動するための駆動プログラムをすべてスコープユニットの構成記憶部に記憶させておくこともできる。この場合、本体部に記憶する情報を削減できるとともに、本体部に設定されていない駆動プログラムをスコープユニット側から本体部へ転送してスコープユニットに対応した駆動信号を本体部に生成させることができる。
【0151】
また、上述の実施形態で本体部のROMに記憶されていたオペレーティングシステムをスコープユニットの構成記憶部に記憶させ、本体部のROMには例えば表示部に記憶された画像を表示画面に表示する機能を持つ簡易型オペレーティングシステムを搭載する構成としてもよい。この場合、スコープユニットに適した動作を行うオペレーティングシステムをスコープユニットごとに交換して使用することができる。
【0152】
また、上述の実施形態では、構成識別情報はスコープユニットの物理的な構成を識別する情報である例を示したが、これに限らず、構成識別情報は、スコープユニットの動作様式あるいは電気的な仕様に関する情報を含むものであってもよい。例えば、物理的な構成が同一であってもその動作手順が異なるスコープユニットを構成識別情報に基づいて識別して、これらのスコープユニットに対する駆動信号を制御部に生成させるようになっていてもよい。
【0153】
また、上述の実施形態及び変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。例えば、上述の変形例4において表示部の表示画面にスコープユニットの光源部の発光方法の一覧を表示するのと同様に、スコープユニットごとに特有の動作方法を選択するための一覧を表示画面に表示させるための情報を構成識別情報に含むことができる。
【0154】
また、上述の各変形例で説明したスコープユニットは、上述のスコープユニット100、200に追加して備えること以外に、例えば上述のスコープユニット100、200と置き換えて備えてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 内視鏡システム
11 撮像部
12 照明部
20 本体部
30 把持部
40 操作入力部
50 表示部
70 光源部
90 制御部
100、200、400、400A、500、500A、600、700、800、900A、900B、900C スコープユニット
110、210 挿入部
410、410A、510、610、710、910A、910B、910C 挿入部
113、213 第二湾曲部(挿入部)
160、260 湾曲駆動部
195、295、695、795、895、995A、995B、995C 構成記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検物の内部を観察するための内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検物の内部を観察する目的で、長尺な挿入部を備えた内視鏡装置が広く使用されている。このような内視鏡装置として、挿入部の先端にCCD等からなる撮像装置が設けられたものが知られている。このような内視鏡装置では、当該撮像装置が取得した画像が挿入部を通じて内視鏡装置の本体に送信され、画像処理等を経てディスプレイ等の表示部に表示されるようになっている。
【0003】
また、内視鏡装置においては、被検物の内部で観察対象に撮像装置を向けるため、挿入部の先端を湾曲させる湾曲機構を備えることが一般的である。また、被検物の内部には光が届かないことが多いため、発光ダイオード(LED)等の発光部材を含む照明機構を用いて撮像装置の視野を明るくする(照明する)ことも従来の内視鏡装置において行われている。
【0004】
近年、内視鏡装置をより使いやすくするために、挿入部の操作を行う操作部と、上述の表示部とが一体とされ、かつ片手で持てる程度に小型化されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような内視鏡装置においては、操作部、表示部、及び本体部が一つの筐体にまとめられ、ユーザが当該筐体を直接把持して内視鏡を使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0109429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、内視鏡装置において、挿入部の形状や湾曲機構の駆動方式は、被検物に応じて最適な条件が異なる。このため、特許文献1に記載の内視鏡装置は、最適な条件で被検物を観察するためには複数の内視鏡装置を手元に揃える必要があり、不便であった。
また、構成が異なる挿入部が本体部と着脱できるようにユニット化されたスコープユニットを複数備え、このスコープユニットを交換して本体部に取り付けて使用することも考えられる。しかしながら、この場合には、スコープユニットを追加したときに本体部にあらかじめ設定された制御方法では十分にスコープユニットを動作させられないおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる内視鏡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の内視鏡装置は、被検物を観察するための第一スコープユニットと、前記第一スコープユニットと着脱自在に設けられ、前記第一スコープユニットの装着時には前記第一スコープユニットと通信を行って前記第一スコープユニットを制御する本体部と、を備え、前記第一スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、前記本体部は、前記観察手段の取得した画像を表示する表示部と、少なくとも前記湾曲部を操作する操作入力を行うための操作部と、前記記憶部に記憶されている前記構成識別情報に基づいて前記湾曲駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記操作部は、前記湾曲部と前記表示部との少なくともいずれかに対して操作入力を行う操作入力部を有し、前記制御部は、前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された操作入力を、前記湾曲駆動部を駆動させる駆動操作入力と、前記表示部に対して座標を指示する指示操作入力とに区別して認識することが好ましい。
【0010】
また、本発明の内視鏡装置は、前記本体部と着脱自在に設けられた第二スコープユニットを更に備え、前記第二スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第二スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、前記制御部は、前記第二スコープユニットが前記本体部に装着されているとき、前記第二スコープユニットの前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された前記操作入力を、前記指示操作入力として認識することが好ましい。
【0011】
また、前記構成識別情報は、前記湾曲部を湾曲動作させるためのパラメータを含むことが好ましい。
【0012】
また、前記パラメータは、前記湾曲部の湾曲動作可能な方向を識別する情報を含むことが好ましい。
【0013】
また、前記パラメータは、前記挿入部の長さ及び径の少なくとも何れか一方に基づいて設定された、前記湾曲駆動部を駆動するための情報を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の内視鏡装置によれば、スコープユニットに設けられた記憶部に構成識別情報が記憶されているので、本体部において構成識別情報を参照してスコープユニットの構成を識別することができる。このため、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の内視鏡装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の内視鏡システムの構成を示すシステム構成図である。
【図3】同内視システムにおいてスコープユニットを取り付けた状態を示す図で、(A)は正面図、(B)は部分断面図である。
【図4】同内視鏡システムにおいて他のスコープユニットを取り付けた状態を示す部分断面図である。
【図5】同内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図6】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図7】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図8】同内視鏡システムの使用時の動作を示すフローチャートである。
【図9】(A)及び(B)は同内視鏡システムの変形例1におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図10】(A)及び(B)は同内視鏡システムの変形例2におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図11】同内視鏡システムの変形例3におけるスコープユニットの構成を示す側面図である。
【図12】同内視鏡システムの変形例4におけるスコープユニットの構成を示す斜視図である。
【図13】同スコープユニットを取り付けた状態の変形例4の内視鏡装置を示す部分断面図である。
【図14】同内視鏡システムの変形例5の構成を示すブロック図である。
【図15】同内視鏡システムの変形例5の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】(A)ないし(C)は同内視鏡システムの変形例6におけるスコープユニットの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態の内視鏡システムについて説明する。まず、図1ないし図5を参照して本実施形態の内視鏡システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の内視鏡システム1を示す斜視図である。また、図2は、内視鏡システム1を示す部分断面図である。また、図3は内視鏡システム1にスコープユニット100を取り付けた状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。また、図4は、内視鏡システム1にスコープユニット200を取り付けた状態を示す側面断面図である。また、図5は、内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、内視鏡システム1は、挿入部110を有するスコープユニット100と、挿入部110の基端側に接続された本体部20とを備えている。スコープユニット100は、被検物の内部を観察するためのものである。また、内視鏡システム1は、スコープユニット100と交換して使用可能なスコープユニット200をさらに備えている。本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット100を本体部20に取り付けた形態と、スコープユニット200を本体部20に取り付けた形態とでそれぞれ内視鏡装置として動作するようになっている。
【0018】
スコープユニット100に設けられた挿入部110は、被検物の内部に挿入されるものであり、可撓性を有する管状の部材で長尺に形成されている。挿入部110は、挿入部110の先端110Aに設けられた撮像部11及び照明部12と、挿入部110の先端の向きを所望の方向に変化させるための湾曲部113とを備えている。
【0019】
撮像部11は、被検物内部における観察部位の像を結像させる図示しない対物光学系、及び当該対物光学系が結像した当該観察部位の像を取得し光電変換によって画像信号に変換することで画像を撮像するCCD等の撮像素子を備えている。撮像部11には撮像素子の取得した像の画像信号を送信するための図示しない信号線が接続されている。この信号線は、挿入部110内を通って挿入部110の基端110B側へと延びている。必要に応じて、撮像部11の視野角、視野方向、観察深度などを調節するための光学アダプタが撮像部11に取り付けられてもよい。
【0020】
照明部12は、光学素子等を含んで構成され、挿入部110の先端110Aに照明光の照射部12Aを有し、照明光によって撮像部11の視野を照明するものである。
【0021】
湾曲部113は、筒状の節輪又は湾曲コマ(以下、「節輪等」と称する。)がその中心軸線方向に整列されて連結されている。湾曲部113は挿入部110の先端110A側に配置されており、可撓性を有している。また湾曲部113は、挿入部110の中心軸線Oから挿入部110の径方向に離間する方向に湾曲可能である。本実施形態の内視鏡システム1において、湾曲部113は、挿入部110の先端110A側を、挿入部110の軸線から径方向に離間する2方向に湾曲可能である。
【0022】
図3に示すように、スコープユニット100における挿入部110の基端110Bにはスコープユニット100を本体部20に取り付けるためのユニット本体24が設けられている。ユニット本体24の内部には、照明部12の光源となる光源部70と、光源部70と熱的に接続された放熱部80と、湾曲部113を湾曲動作させるための湾曲駆動部160と、後述する本体部20のコネクタ26に電気的に接続するためのコネクタ27とが設けられている。
本実施形態では、上述の撮像部11と照明部12と光源部70とによって観察手段が構成されている。観察手段が撮像部11と照明部12と光源部70とを備えていることで被検物の内部が暗くても被検物の内部を照明して好適に観察することができる。
【0023】
光源部70は、照明光を発するLED71と、LED71が発する照明光が入射するように配置されたライトガイド72とを備えている。ライトガイド72の構成としては、複数の光ファイバが束ねられた構成を採用することができる。ライトガイド72は、ユニット本体24から挿入部110内に進入し、挿入部110内を通って挿入部110の先端110A側に位置する照明部12に接続されている。
【0024】
放熱部80は金属等の熱伝導性の良好な材料からなり、ユニット本体24の外部に露出して設けられたフィン81、フィン82を有している。また、放熱部80の一部はユニット本体24の内部に進入し、LED71と熱的に接続されている。ユニット本体24の外部に露出したフィン81及びフィン82は、LED71が発する熱をユニット本体24の外部へ逃がすヒートシンクとして機能するようになっている。
【0025】
湾曲駆動部160は、駆動源であるモータ61と、モータ61によって回転されるプーリ62との組を一組備えている。モータ61とプーリ62との連動態様に特に制限はなく、モータ61のシャフトにプーリ62が取り付けられてもよいし、当該シャフトとプーリ62の回転軸とがベルト等の動力伝達部材によって接続されてもよい。
【0026】
プーリ62には、挿入部110に挿通され挿入部110の先端110A側の節輪等に接続された2本のアングルワイヤ14A、14Cが巻き回されて接続されている。これにより、モータ61を回転させてプーリ62を回転させ、アングルワイヤ14Aとアングルワイヤ14Cとの対を挿入部110に対して相対移動させることができる。その結果、湾曲駆動部160は、湾曲部113を上述の二方向へそれぞれ湾曲させることができる。
【0027】
図5に示すように、スコープユニット100には、スコープユニット100に設けられた湾曲駆動部160の構成を識別するための構成識別情報I100が記憶された構成記憶部195が設けられている。
【0028】
構成記憶部195は、半導体チップを有する記憶素子によって構成されており、例えば書き換え不能な不揮発メモリであるROMや、あるいは書き換え可能な不揮発メモリであるEPROMあるいはフラッシュメモリなどを採用することができる。
【0029】
構成記憶部195に記憶させる構成識別情報I100は、スコープユニット100の湾曲部113を湾曲させる湾曲駆動部160の湾曲方式を識別するための湾曲方式パラメータP100と、スコープユニット100を湾曲動作させるための駆動パラメータP110とを備えている。湾曲方式パラメータP100と駆動パラメータP110とは、例えばひとつの設定ファイルF100に記述された状態で構成記憶部195に記憶されている。
【0030】
湾曲方式パラメータP100は、スコープユニット100が電動で湾曲動作することを示す情報と、湾曲部113を2方向に湾曲させる湾曲駆動部160を備えていることを示す情報とを含んでいる。これにより、湾曲方式パラメータにP100よって湾曲部113において湾曲可能な方向が2方向であることを識別することができる。
【0031】
駆動パラメータP110は、本体部20においてユーザが操作を行ったときの操作入力を、湾曲駆動部160を動作させる駆動信号に変換するための情報を含んでいる。本実施形態における駆動パラメータP110は、具体的には、湾曲駆動部160のモータ61を回転動作させる方向P111、回転量P112、及び回転速度P113に関する情報である。
駆動パラメータP110は、湾曲部113の湾曲動作を適切に行うため、挿入部110の長さや径に基づいて設定されている。
方向P111は、湾曲部113の湾曲方向と、モータ61を回転動作させる方向とを関連付けるパラメータである。これらのパラメータは、例えばモータ61に正電圧がかけられたときは湾曲部113が上方向に、モータ61に負電圧がかけられたときは湾曲部113が下方向に湾曲するように定められている。
なお、方向P111は、湾曲部113が湾曲動作中に湾曲方向を反転する指示が入力されたとき、湾曲部113の湾曲動作を俊敏に反転させるか、または一旦停止してからゆっくりと反転させるかを定めるパラメータを含んでもよい。
回転量P112は、モータ61の回転量を定めるパラメータであり、回転速度P113は、モータ61の回転速度を定めるパラメータである。
後述する駆動パラメータP210の各パラメータについても、方向、回転量、及び回転速度の各パラメータの意味は、駆動パラメータP110と同様である。
【0032】
次に、スコープユニット200の構成について説明する。スコープユニット200は、図2に示すように、スコープユニット100の挿入部110に代えて設けられた挿入部210と、湾曲駆動部160に代えて設けられた湾曲駆動部260とを備えている点でスコープユニット100と構成が異なっている。また、スコープユニット200は、スコープユニット100と同様の構成を有する光源部70、放熱部80を備えている。
以下スコープユニット100と異なる点を中心に説明する。
【0033】
挿入部210は、湾曲部113に代えて設けられた湾曲部213を有している。湾曲部213は、節輪等の構成が湾曲部113とは異なり、挿入部210の中心軸線方向に直交し、かつ互いに直交する二軸回りに節輪等が相対回動することで挿入部210の先端210Aを4方向に湾曲させることができるようになっている。
【0034】
また、挿入部210を4方向に湾曲させるため、図4に示すように、湾曲部213には湾曲部213を湾曲させる4方向のそれぞれに対応するアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dが設けられている。
【0035】
湾曲駆動部260は、駆動源であるモータ61と、モータ61によって回転されるプーリ62との組を二組備えている。湾曲部213に接続された4本のアングルワイヤ14A、14B、14C、14Dのうち、挿入部210の径方向に対向して位置する2本のアングルワイヤ14A及び14Cは、プーリ62のうち一方の第一プーリ62Aに巻き回されて接続されている。また、上述の二方向に対して挿入部110の軸回りに90度ずれた方向のそれぞれに対向して位置する2本のアングルワイヤ14B及び14Dは、第二プーリ62Bに巻き回されて接続されている。
【0036】
このような構成により、第一モータ61A、第二モータ61Bをそれぞれ回転させて対応する第一プーリ62A、第二プーリ62Bを回転させ、アングルワイヤ14Aとアングルワイヤ14Bとの対及びアングルワイヤ14Cとアングルワイヤ14Dとの対を挿入部210に対して相対移動させることができる。その結果、湾曲駆動部260は挿入部210の中心軸線から離れる方向へ湾曲部213を湾曲させることができる。
【0037】
また、スコープユニット200の外面には、後述する本体部20のコネクタ26に電気的に接続するためのコネクタ27がスコープユニット100と同様に形成されている。
【0038】
また、スコープユニット200には構成記憶部195と同様の半導体チップを有する構成記憶部295が設けられている。構成記憶部295に記憶させる構成識別情報I200は、スコープユニット200の湾曲部213を湾曲させる湾曲駆動部260の湾曲方式を識別するための湾曲方式パラメータP200と、スコープユニット200を湾曲動作させるための駆動パラメータP210とを備えている。湾曲方式パラメータP200と駆動パラメータP210とは、例えばひとつの設定ファイルF200に記述された状態で構成記憶部295に記憶されている。
【0039】
湾曲方式パラメータP200は、湾曲方式パラメータP100と同様にスコープユニット200が電動で湾曲動作することを示す情報と、湾曲部213を4方向に湾曲させる湾曲駆動部260を備えていることを示す情報とを含んでいる。
【0040】
駆動パラメータP210は、本体部20においてユーザが操作を行ったときの操作入力を、湾曲駆動部260を動作させる駆動信号に変換するための情報を含んでいる。本実施形態における駆動パラメータP210は、具体的には、湾曲駆動部260の第一モータ61A及び第二モータ61Bをそれぞれ回転動作させる方向P211、回転量P212、及び回転速度P213に関する情報である。
【0041】
本体部20は、スコープユニット100、200のそれぞれと着脱自在に設けられており、スコープユニット100、200が本体部20に取り付けられているときには、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と本体部20との間で通信を行って本体部20はスコープユニット100あるいはスコープユニット200を制御するようになっている。
【0042】
また、本体部20は、図1に示すように、使用者が把持して操作を行う操作部21と、操作部21に設けられ、使用者が把持する把持部30と、湾曲部113の操作入力を行うための操作入力部40と、撮像部11の取得した映像信号を画像として表示する表示部50と、スコープユニット100あるいはスコープユニット200が本体部20に取り付けられたときにスコープユニット100あるいはスコープユニット200の動作を制御する制御部90(図5参照)と、を備えている。
【0043】
また、操作部21は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200のユニット本体24を内部に保持可能な凹形状を有する取り付け部23と、取り付け部23の内側に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と電気的に接続して通信を行うためのコネクタ26を有している。
【0044】
図3に示すように、把持部30は、操作部21から突出する棒状に形成されており、内部にバッテリー31を有している。バッテリー31は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200、及び本体部20に設けられた表示部50に駆動電力を供給するものである。
【0045】
操作入力部40は、湾曲部113の操作方向の入力及び表示部50の各種設定等の入力を行うものである。操作入力部40は、上方向U、下方向D、左方向L及び右方向Rの4方向に中立状態から傾くように動作するジョイスティック41(以下「J/S41」と称する。)と、複数の押しボタン42とを備えている。
【0046】
J/S41は、例えば互いに直交する二軸のそれぞれに沿う直線上の位置を検出するポテンショメーター41Aを有し、J/S41を傾けることでポテンショメーター41Aの抵抗値が変化し、この抵抗値の変化が後述する制御部90によって参照されるようになっている。
なお、J/S41に代えて、スコープユニット100やスコープユニット200を操作する方向に対応したキーやボタン等が採用されてもよい。
【0047】
表示部50は、表示画面51と、撮像部11から送信された映像信号を表示画面51に表示可能に処理する表示制御部52を備えている。また、表示画面51として、いわゆるタッチパネル型のディスプレイを採用し、湾曲部113あるいは湾曲部213を湾曲させるための操作入力や撮像部11への操作入力を表示画面51のタッチパネルを介して行う構成を採用することもできる。
【0048】
図5に示すように、表示制御部52は、カメラコントロールユニット52A(以下「CCU52A」と称する。)と、CCU52Aに撮像部11から伝送された画像信号を記憶する画像記録ユニット52Bとを有している。表示制御部52は、スコープユニット100の挿入部110に設けられた撮像部11から送信された画像情報を例えばNTSC信号として表示画面51に送信して表示画面51に画像を表示させるようになっている。
【0049】
図3及び図4に示すように、制御部90は、本体部20における操作部21の内部に配置されている。また、制御部90は、スコープユニット100とスコープユニット200とのうち本体部20に取り付けられたほうとコネクタ26を介して電気的に接続されるようになっている。
【0050】
また、制御部90は、本体部20の内部で表示部50の表示制御部52に電気的に接続されており、制御部90は表示部50の動作を制御するようになっている。さらに、制御部90は操作入力部40と電気的に接続されており、J/S41及びボタン42が操作されることによる操作入力を受け付けるようになっている。
【0051】
本体部20にスコープユニット100が取り付けられている状態では、制御部90は、構成記憶部195と、湾曲駆動部160と、光源部70とのそれぞれに対して通信を行うようになっている。
【0052】
図5に示すように、制御部90は、中央演算装置91と、中央演算装置91に電気的に接続された記憶部92と、中央演算装置91に電気的に接続された湾曲駆動回路93及び光源駆動回路94とを備えている。
【0053】
中央演算装置91は、内視鏡システム1を駆動させるための組み込み型オペレーティングシステムに従って動作して記憶部92と湾曲駆動回路93と光源駆動回路94とのそれぞれを制御するようになっている。
【0054】
また、中央演算装置91は、図示しないI/O回路を介してJ/S41のポテンショメーター41Aの抵抗値を参照するようになっている。中央演算装置91は、J/S41から制御部90へ入力された操作入力を、湾曲駆動回路93から湾曲駆動部160、260へ駆動信号を送信するための駆動操作入力と、表示画面51に表示されたカーソルなどを移動させて表示画面51上の座標を指示する指示操作入力とに切り替えて認識するようになっている。
駆動操作入力と指示操作入力とは、ボタン42によって切り替え可能であるとともに、構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200の情報に基づいて電気的に切り替え可能になっている。
【0055】
さらに、中央演算装置91は、内視鏡システム1を駆動させるための組み込み型オペレーティングシステムのプログラムにしたがって、表示画面51にメニュー画面や被検物の画像などを表示するように表示制御部52を制御する。
【0056】
記憶部92は、ROM92Aと、RAM92Bとを有している。ROM92Aには、上述のオペレーティングシステムが記憶されており、内視鏡システム1の起動時にはこのオペレーティングシステムの主要コンポーネントがRAM92Bに転送されて実行されるようになっている。
【0057】
本実施形態では、RAM92Bは揮発型の記憶装置であり、内視鏡システム1の電源を遮断する、あるいはスコープユニット100あるいはスコープユニット200を本体部20から取り外すことでRAM92Bに記憶された情報はすべて消去される。
【0058】
さらに、RAM92Bには、J/S41が傾けられた方向と、J/S41が傾けられた角度と、J/S41が傾けられる速度、とが一時的に記憶されるようになっている。
【0059】
また、スコープユニット100の構成記憶部195やスコープユニット200の構成記憶部295に記憶された構成識別情報I100、I200は、内視鏡システム1の起動時にRAM92Bに読み込まれるようになっている。
【0060】
本実施形態では、RAM92Bには構成記憶部195あるいは構成記憶部295に記憶された設定ファイルF100、F200が転送されることで構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200がRAM92Bに記憶されるようになっている。
【0061】
なお、RAM92Bに書き換え可能な不揮発メモリを採用することもできる。この場合には、内視鏡システム1の電源を遮断しても構成識別情報を保持することができ、スコープユニット100やスコープユニット200を交換して本体部20に取り付けて使用するときに必要に応じて構成記憶部195や構成記憶部295から読み込んで構成識別情報をRAM92Bに上書きする構成を採用することができる。
【0062】
湾曲駆動回路93は、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260を駆動するための湾曲駆動信号を生成する回路である。湾曲駆動回路93では、J/S41が傾けられた方向と、J/S41が傾けられた角度と、J/S41が傾けられる速度との情報を、それぞれRAM92Bに記憶された構成識別情報I100、I200に基づいて変換し、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260を駆動させるための湾曲駆動信号として生成し、湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260へこの湾曲駆動信号を送信するようになっている。
【0063】
なお、RAM92Bにこれらの設定ファイルが存在しない場合には、湾曲駆動回路93は動作しないようになっている。このとき、制御部90のうち湾曲駆動回路93に係る部分の電源を遮断してもよい。
【0064】
光源駆動回路94は、光源部70を駆動するための回路である。光源駆動回路94では、LED71を駆動する駆動電力の電圧、電流及び駆動波形を指示する光源駆動信号を、それぞれRAM92Bに記憶された構成識別情報I100、I200に基づいて生成し、この駆動信号をLED71へ供給するようになっている。
【0065】
なお、光源駆動回路94は、RAM92Bにこれらの構成識別情報が存在しない場合に光源部70を駆動させるための規定の光源駆動信号を有しており、構成識別情報が存在しない場合には規定の光源駆動信号に基づいてLED71を発光させるようになっている。
【0066】
以上に説明した構成の、本実施形態の内視鏡システム1の使用時の動作について説明する。
図6ないし図8は、本実施形態の内視鏡システム1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、スコープユニット100あるいはスコープユニット200を本体部20に取り付ける取り付け工程について図6を参照して説明する。
【0067】
ステップS1は、本体部20にスコープユニットが取り付けられたことを検知するユニット着脱検知を行うステップである。
ステップS1では、ユーザは、本体部20の取り付け部23に例えばスコープユニット100を取り付ける。すると、スコープユニット100に設けられたコネクタ27は、本体部20に設けられたコネクタ26に接続される。このとき、湾曲駆動部160と光源部70とはそれぞれ制御部90に電気的に接続される。ここで、湾曲駆動部160は制御部90の湾曲駆動回路93に接続され、LED71は制御部90の光源駆動回路94に接続される。
【0068】
光源駆動回路94は、LED71が接続されるとスコープユニット100やスコープユニット200などのスコープユニットが接続されたことを示す信号を中央演算装置91に送信する。これにより中央演算装置91においてスコープユニットが本体部20に取り付けられたことが検知される。
これでステップS1は終了し、ステップS2へと移行する。
【0069】
ステップS2は、本体部20に接続されたスコープユニットの構成識別情報を本体部20に読み込むステップである。
ステップS2では、本体部20にスコープユニット100が取り付けられている状態では、スコープユニット100の構成記憶部195から構成識別情報I100が記述された設定ファイルF100を制御部90のRAM92Bに読み込む。
これでステップS2は終了し、ステップS3へと移行する。
【0070】
ステップS3は、構成識別情報の有無を判断するステップである。
ステップS3では、まず、RAM92Bに構成識別情報を読み込む動作が成功したか、また構成識別情報が破損していないかを確認する。
なお、本実施形態では、スコープユニット100及びスコープユニット200には構成識別情報I100、I200がそれぞれ記憶されているが、湾曲動作を必要としないスコープユニットには構成識別情報が備えられていない場合がある。この場合、ROM92Aに記憶された所定のタイムアウト時間が経過してもスコープユニットからの応答がないことを検出することで構成識別情報が備えられていないことを検出する構成を採用しても良い。
【0071】
湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260が存在することを示す構成識別情報が存在しない場合には、ステップS3は終了してステップS4へと移行する。
本実施形態では、スコープユニット100、200の構成識別情報I100、I200には、湾曲方式パラメータP200には電動湾曲方式であることが記憶されているので、ステップS3において湾曲駆動するスコープユニットであると判断され、ステップS3は終了してステップS5へと移行する。
【0072】
ステップS4は、J/S41に入力される入力動作に対して制御部90が応答する動作を設定するステップである。
ステップS4では、J/S41に入力される操作入力を、表示画面51に表示される選択肢を選択したり表示画面51に表示された映像の一部を指定したりするための指示操作入力であると認識するように制御部90は設定される。このとき、ユーザがJ/S41を傾ける動作は制御部90によって参照され、制御部90は、表示画面51上の点を指示するために表示画面51上に表示されたカーソルなどをJ/S41の動作に連動して移動させるようになる。
これにより、ステップS4は終了し、J/S41の動作は表示画面51の操作に用いられるように設定される。
【0073】
ステップS5は、J/S41に入力される入力動作に対して制御部90が応答する動作を設定するステップである。
ステップS5では、制御部90は、スコープユニット100に設けられた湾曲駆動部160を動作させる駆動操作入力と、上述の指示操作入力とを切り替えてJ/S41に入力された操作入力を認識するように設定される。このとき、J/S41の動作は、例えばボタン42を押すことによって交互に切り替えることができるようになる。
これにより、ステップS5は終了し、J/S41の動作は湾曲駆動部160の操作と表示画面51の操作に兼用されるように設定される。
【0074】
以上で、スコープユニット100あるはスコープユニット200を本体部20に取り付ける取り付け工程は終了する。
【0075】
取り付け工程が終了すると、続いて内視鏡システム1においてスコープユニットを湾曲動作させる湾曲方式を選択する方式選択工程が開始される。
【0076】
図7に示すようにステップS10は、図2に示す本体部20に取り付けられたスコープユニットが湾曲動作可能であるか否かを判断するステップである。
ステップS10では、ステップS2においてRAM92Bに記憶された構成識別情報I100あるいは構成識別情報I200に基づいて、湾曲方式パラメータP100、P200がある場合にはステップS10は終了し、ステップS11へと移行する。
なお、例えば湾曲駆動しないスコーユニットが本体部20に取り付けられている場合には、構成識別情報に湾曲方式パラメータの情報が含まれていないのでステップS10は終了して方式選択工程は終了する。
【0077】
ステップS11は、ユーザによるJ/S41への入力操作があるか否かを判断するステップである。
ステップS11では、制御部90はJ/S41のポテンショメーター41Aの抵抗値を参照し、J/S41が中立位置にあるか否かをポテンショメーター41Aの抵抗値から判断する。ユーザによってJ/S41の操作入力があるときには、J/S41は中立位置と異なる位置に位置するように傾けられているため、ポテンショメーター41Aの抵抗値はJ/S41が中立位置にある場合と異なる。
【0078】
制御部90では、J/S41が中立位置にあるときの抵抗値とステップS11の実行時のポテンショメーター41Aの抵抗値とが異なる場合にはステップS11は終了し、ステップS12へと移行する。
【0079】
なお、ユーザによってJ/S41の操作入力がないときにはJ/S41は中立位置にあり、制御部90によってJ/S41が中立位置にあると判断されたら、ステップS11は終了して方式選択工程は終了する。
【0080】
ステップS12は、スコープユニットの湾曲方式を選択するステップである。
ステップS12では、制御部90において、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報に基づいて、スコープユニットの湾曲方式を選択する。本実施形態では、スコープユニット100の構成識別情報I100の湾曲方式パラメータP100には、スコープユニット100の湾曲方式が電動湾曲方式であることが記憶されているので、ステップS12ではスコープユニット100の湾曲方式は電動湾曲方式であると判断されて、ステップS12は終了してステップS13へと移行する。
【0081】
また、ステップS12では、湾曲方式パラメータに電動湾曲以外の湾曲方式が記憶されている場合には、ステップS12は終了してステップS14へと移行する。本実施形態では、電動湾曲方式以外の湾曲方式の例として、流体圧によって湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動部をスコープユニットに備えることが考えられる。流体圧による湾曲方式を備えたスコープユニットの構成とその動作についての説明は後述する。
【0082】
ステップS13は、電動湾曲方式に則ってスコープユニットを動作させるステップである。
図8は、ステップS13における内視鏡システム1の動作をより詳細に示すフローチャートである。
図8に示すようにステップS13では、まずステップS100を開始する。ステップS100において、制御部90は、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報I100のうち、スコープユニット100やスコープユニット200を湾曲動作させるためのパラメータを参照する。
【0083】
本体部20にスコープユニット100が取り付けられているときには、構成識別情報I100の湾曲方式パラメータP100にはスコープユニット100の湾曲駆動部160による湾曲部113の湾曲動作が2方向であることが記憶されているので、ステップS100は終了してステップS101へ移行する。
【0084】
なお、本体部20にスコープユニット200が取り付けられているときには、構成識別情報I200の湾曲方式パラメータP200にはスコープユニット200の湾曲駆動部260による湾曲部213の湾曲動作が4方向であることが記憶されているので、ステップS100は終了してステップS201へ移行する。
【0085】
湾曲部113あるいは湾曲部213を湾曲動作させる湾曲動作工程について図8を参照して説明する。
【0086】
ステップS101は、J/S41におけるユーザによる操作入力の種類を検出するステップである。
ステップS101では、制御部90はRAM92Bに記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値を参照し、J/S41が上方向U、あるいは下方向Dへ傾けられている場合にはステップS101を終了してステップS102へ移行する。
【0087】
J/S41が左方向L、あるいは右方向Rへ傾けられてる場合にはステップS101を終了して改めてステップS101が開始される。なお、J/S41において左方向Lあるいは右方向Rが上方向Uまたは下方向Dと同時にユーザによって入力されている場合には、上方向Uあるいは下方向Dの入力のみがあったものとしてステップS102へ移行する。
【0088】
ステップS102は、制御部90に記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値に基づいてJ/S41が傾けられた方向、角度及び加速度を取得するステップである。
ステップS102において、J/S41が傾けられた方向、角度及び加速度は、RAM92Bに書き込まれる。
これでステップS102は終了し、ステップS103へと移行する。
【0089】
ステップS103は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた方向の情報に基づいてスコープユニット100の湾曲部113の湾曲方向を制御するように湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS103では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた方向と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる方向へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS103は終了し、ステップS104へと移行する。
【0090】
ステップS104は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた加速度の情報に基づいて湾曲部113の湾曲速度を制御するように、スコープユニット100の湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS104では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた加速度と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる速度へと、駆動パラメータP110に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS104は終了し、ステップS105へと移行する。
【0091】
ステップS105は、ステップS102でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた角度の情報に基づいて湾曲部113の湾曲角を制御するようにスコープユニット100の湾曲駆動部160を動作させる駆動信号を生成するステップである。
【0092】
ステップS105では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた角度と、スコープユニット100の湾曲駆動部160に設けられた構成識別情報I100の駆動パラメータP110とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた角度を、モータ61を回転させる回転量へと、駆動パラメータP110に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
【0093】
ステップS103、S104、S105によって、モータ61を回転させる方向、回転速度および回転量を指定する駆動信号がそれぞれ生成されている。湾曲駆動回路93は、ステップS103、S104、S105において生成された駆動信号に基づいて湾曲駆動部160のモータ61を駆動させる。これでステップS105は終了し、ステップS101へと戻る。
【0094】
このように、ステップS101からステップS105までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部160のモータ61が回転動作して湾曲部113が湾曲動作する。ステップS101からステップS105までのループは、内視鏡システム1の電源を遮断するための終了処理において発生する終了割り込みや、スコープユニット100を他のスコープユニットに交換するためにスコープユニット100への通電を遮断する交換割り込みなどによって終了する。
【0095】
以下では、上述のステップS100においてスコープユニットの湾曲方式が4方向湾曲であると判断されたとき、すなわち本体部20にスコープユニット200が取り付けられているときの内視鏡システム1の動作を図8を参照して説明する。
【0096】
ステップS201は、制御部90に記憶されたポテンショメーター41Aの抵抗値に基づいてJ/S41が傾けられた方向、角度及び加速度を取得するステップである。
ステップS201において、J/S41が傾けられた方向、角度及び加速度は、RAM92Bに書き込まれる。
これでステップS201は終了し、ステップS202へと移行する。
【0097】
ステップS202は、ステップS201でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた方向の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲方向を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS202では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた方向と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、第一モータ61Aと第二モータ61Bとのうち駆動させるモータの別と、第一モータ61Aと第二モータ61Bとをそれぞれ回転させる方向へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS202は終了し、ステップS203へと移行する。
【0098】
ステップS203は、ステップS203でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた加速度の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲速度を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS203では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた加速度と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた方向を、モータ61を回転させる速度へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
これでステップS203は終了し、ステップS204へと移行する。
【0099】
ステップS204は、ステップS203でRAM92Bに書き込まれた情報のうち、J/S41が傾けられた角度の情報に基づいてスコープユニット200の湾曲部213の湾曲角を制御するように湾曲駆動部260を動作させる駆動信号を生成するステップである。
ステップS203では、制御部90の湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報のうち、J/S41が傾けられた角度と、スコープユニット200の湾曲駆動部260に設けられた構成識別情報I200の駆動パラメータP210とを参照する。湾曲駆動回路93は、J/S41が傾けられた角度を、モータ61を回転させる回転量へと、駆動パラメータP210に基づいて変換して、モータ61を回転させる駆動信号を生成する。
【0100】
ステップS202、S203、S204によって、第一モータ61A及び第二モータ61Bを回転させる方向、回転速度及び回転量を指定する駆動信号がそれぞれ生成されている。湾曲駆動回路93は、ステップS202、S203、S204において生成された駆動信号に基づいて湾曲駆動部260の第一モータ61Aおよび第二モータ61Bを駆動させる。これでステップS204は終了し、ステップS201へと戻る。
【0101】
このように、ステップS201からステップS204までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部260の第一モータ61A及び第二モータ61Bが回転動作して湾曲部213が湾曲動作する。ステップS201からステップS104までのループは、内視鏡システム1の電源を遮断するための終了処理において発生する終了割り込みや、スコープユニット200を他のスコープユニットに交換するためにスコープユニット200への通電を遮断する交換割り込みなどによって終了する。
【0102】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置によれば、交換して使用するスコープユニットのそれぞれに対して、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に設けられた構成記憶部195あるいは構成記憶部295に記憶された構成識別情報に基づいて湾曲駆動回路93において生成して本体部20からスコープユニット100あるいはスコープユニット200に送信することができる。これにより、構成が異なる複数のスコープユニットを本体部に対して交換して使用しても、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0103】
また、制御部90が、ステップS2においてスコープユニット100あるいはスコープユニット200から構成識別情報を読み出してRAM92Bに記憶させ、ステップS3において、制御部90は、操作入力部40のJ/S41に入力された操作を受け付けて、湾曲部113あるいは湾曲部213を駆動させるための駆動操作入力と、表示部50に対して座標を指示する指示操作入力とに、構成識別情報I100、I200に基づいて前記操作入力を区別して認識する。このため、スコープユニットの構成に応じてJ/S41の使用方法を適切に設定することができる。
【0104】
また、スコープユニット100には湾曲駆動部160が設けられ、スコープユニット200には湾曲駆動部260が設けられている。このように湾曲部を湾曲動作をさせるための駆動部をスコープユニット側に備えているので、無用な重量物が本体部20側に配置されることなく、本体部20の重量を軽くすることができる。
【0105】
また、スコープユニット100の構成記憶部195及びスコープユニット200の構成記憶部295に記憶された構成識別情報は、スコープユニットの構成ごとに異なるので、内視鏡システム1の使用中にスコープユニットを交換しても構成識別情報を混同することなく制御部90はスコープユニットに対応する駆動振動を生成することができる。
また、湾曲方式パラメータP100、P200に基づいてスコープユニットが湾曲可能な方向及び湾曲方式を識別することができるので、ユーザが手作業でこれらを識別する必要がないので内視鏡システムの操作が簡便である。
【0106】
また、構成識別情報が、湾曲部を湾曲させるためのパラメータを有しているので、制御部90は、湾曲駆動回路93においてJ/S41が傾けられた動作を湾曲駆動部160あるいは湾曲駆動部260のモータの駆動信号に変換することができる。このため、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0107】
(変形例1)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例1の構成について図9(A)および図9(B)を参照して説明する。
図9(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。また、図9(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示す側面図である。
【0108】
図9(A)に示すスコープユニット400は、図2に示す本体部20の取り付け部23に取り付けるためのユニット本体24と、ユニット本体24に一端が固定された第二挿入部410とを備えている。第二挿入部410は、可撓性を有しているが、スコープユニット100やスコープユニット200とは異なり第二挿入部410を湾曲させるための機構を有していない。
【0109】
また、図示していないが、スコープユニット400はスコープユニット100の撮像部11、照明部12及び光源部70と同様に構成された第二撮像部、第二照明部および第二光源部を有する第二観察手段を備えている。
【0110】
本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に加えて、スコープユニット400のようなスコープユニットを第二スコープユニットとして備えることができる。
【0111】
また、図9(B)に示すスコープユニット400Aは、第二挿入部410に代えて挿入部410Aを備えている点で上述のスコープユニット400と構成が異なっている。挿入部410Aは、硬質な筒状に形成されている。本実施形態の内視鏡システム1は、スコープユニット400Aを備えることができる。
【0112】
スコープユニット100あるいはスコープユニット200に代えてスコープユニット400が本体部20に装着されたとき、制御部90は、操作入力部40のJ/S41に入力された操作を受け付けて、スコープユニット400の構成識別情報に基づいて前記操作入力を表示部50に対して座標を指示する指示操作入力として認識する。
【0113】
(変形例2)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例2の構成について図10(A)及び図10(B)を参照して説明する。
図10(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。また、図10(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示す側面図である。
【0114】
図10(A)に示すスコープユニット500は、上述の第二挿入部410に代えて設けられた第二挿入部510と、第二挿入部510とユニット本体24との間に設けられた接続コード515及びアングルノブ560とを備える点で、上述のスコープユニット400と構成が異なっている。
【0115】
本変形例では、第二挿入部510の内部には上述の挿入部210と同様にアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dが設けられており、アングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dはアングルノブ560によって牽引されるようになっている。これにより、第二挿入部510の先端510A側の湾曲部513は湾曲動作する。
図示していないが、接続コード515には、ライトガイド72と、撮像部11に接続された信号線が配置され、上述のスコープユニット400と同様に第二観察手段が構成されている。
【0116】
本変形例では、ユーザは、上述のモータ61を電動で回動させる動作に代えてアングルノブ560を手動で回動させてアングルワイヤ14A、アングルワイヤ14B、アングルワイヤ14C、アングルワイヤ14Dをそれぞれ牽引して第二挿入部510の先端の湾曲部213を湾曲動作させることができる。このようなスコープユニットを、スコープユニット100あるいはスコープユニット200と共に第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えても良い。
【0117】
また、図10(B)に示すように、スコープユニット500Aは、アングルノブ560がユニット本体24に取り付けられている。この場合には、本体部20とアングルノブ560との位置が近いので両手で本体部20を支えながらアングルノブ560を操作することができる。
【0118】
(変形例3)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例3の構成について図11を参照して説明する。図11は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す側面図である。
【0119】
図11に示すスコープユニット600は、上述のスコープユニット100やスコープユニット200と異なり、流体圧によって湾曲動作を行うスコープユニットである。スコープユニット600は、本体部20に取り付け可能なユニット本体24と、ユニット本体24に一端が固定された接続コード615と、接続コード615に接続された挿入ユニット616とを備えている。
【0120】
挿入ユニット616は、被検物に挿入される第二挿入部610と、第二挿入部610が巻きまわされた回転リール618と、回転リール618を支持する支持部617と、第二挿入部610及び接続コード615に接続されたエアコンプレッサ660とを備えている。
【0121】
本実施形態の第二挿入部610は、エアコンプレッサ660から供給される空気によって伸縮動作するアクチュエータを第二湾曲部613に有し、アクチュエータに供給される空気の量に応じて第二湾曲部613の湾曲の大きさを変えることができる。
【0122】
また、本変形例では、スコープユニット600は、ユニット本体24の内部に設けられた光源部70に代えて、挿入ユニット616に設けられた第二光源部670を備えている。第二光源部670は、光源部70と同様に制御部90の光源駆動回路94によって動作が制御される。
【0123】
本変形例のスコープユニット600は、ユニット本体24の内部に構成記憶部695を備えている。構成記憶部695には、構成記憶部695には、スコープユニット600の構成を識別するための構成識別情報が記憶されており、この識別情報は、スコープユニット600が電動湾曲以外の湾曲方式であることを示す湾曲方式パラメータと、スコープユニット600に設けられたエアコンプレッサ660を動作させるための駆動パラメータとを含んでいる。
【0124】
ここで、エアコンプレッサ660を動作させるための駆動パラメータとは、操作入力部40のポテンショメーター41Aの抵抗値を湾曲駆動回路93において駆動信号に変換するためのパラメータと、この駆動信号を湾曲駆動回路93からエアコンプレッサ660に送信するための通信手順とを含む情報である。
【0125】
本変形例のスコープユニット600が、本体部20に取り付けられたときには、図7に示すステップS12において、電動湾曲以外の湾曲方式であることが選択されて、ステップS14へ移行する。
【0126】
ステップS14は、スコープユニット600のエアコンプレッサ660を流体圧湾曲制御によって駆動させるステップである。
ステップS14では、制御部90のRAM92Bには上述したステップS13と同様にポテンショメーター41Aの抵抗値が一時的に記憶される。さらに、湾曲駆動回路93は、RAM92Bに記憶された情報を参照し、ポテンショメーター41Aの抵抗値を、構成識別情報に基づいてエアコンプレッサ660を駆動させる駆動信号へと変換してエアコンプレッサ660へと送信する。これにより、J/S41を傾けた向きに第二湾曲部613を湾曲動作させることができる。
【0127】
本変形例のスコープユニット600も、上述のスコープユニット400、スコープユニット400A、スコープユニット500、スコープユニット500Aと同様に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に追加する第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えることができる。
本変形例では、第二挿入部610を湾曲させるエアコンプレッサ660の構成が上述のスコープユニット100湾曲駆動部160の構成と大幅に異なっているが、エアコンプレッサ660を駆動するために適切な駆動信号を、構成識別情報に基づいて生成してエアコンプレッサ660を駆動することができる。このように、本実施形態の内視鏡システム1によれば、本変形例のスコープユニット600(第二スコープユニット)を交換して取り付けて使用してもそれらのスコープユニットを好適に動作させることができる。
【0128】
(変形例4)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例4の構成について図12及び図13を参照して説明する。図12は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示す斜視図である。また、図13は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットの一部の構成を示す断面図である。
【0129】
図12及び図13に示すように、本変形例のスコープユニット700は、挿入部210に代えて設けられた第二挿入部710と、LED71に代えて設けられたLED771(第二光源部)とを備えている点でスコープユニット200と構成が異なっている。なお、スコープユニット700は、上述の湾曲駆動部260と同様の湾曲駆動部を有している。
LED771は、第二挿入部710の照射部12A付近に設けられた複数のLEDを有し、第二挿入部710の内部にはLED771に駆動電力を伝達するための給電ワイヤ772が配置されている。給電ワイヤ772は、コネクタ27、コネクタ26を介して本体部20の光源駆動回路94に電気的に接続されている。
【0130】
また、スコープユニット700のユニット本体24には、構成識別情報を記憶するための構成記憶部795が設けられている。構成記憶部795には、湾曲駆動部260を駆動させるための駆動パラメータに加えて、光源部770を駆動するための照明パラメータP720が構成識別情報として記憶されている。
【0131】
光源部770を駆動させるための照明パラメータP720としては、LED771を発光させる発光方法を表示画面51上で選択するためにメニュー画面に表示する発光方法の一覧情報P721と、当該一覧に対応して光源駆動回路94において駆動信号を生成するための照明駆動パラメータP722とを含んでいる。光源部770を駆動する駆動信号を生成するための照明駆動パラメータP722としては、LED771に供給する電圧、電流などや、LED771を間欠発光させる場合の発光タイミングを示す時間幅の情報がある。
【0132】
スコープユニット700を本体部20に取り付けると、構成記憶部795からRAM92Bへ構成識別情報が読み込まれる。すると、上述のスコープユニット200と同様に湾曲部213の湾曲動作を行う駆動信号を湾曲駆動回路93において生成できるようになると共に、表示画面51にはLED771を発光させるための発光方法のリストが一覧情報P721に基づいて表示されるようになり、J/S41を傾けて表示画面上でLED771の発光方法を選択することができるようになる。
【0133】
このように、本変形例のスコープユニット700によれば、構成識別情報に一覧情報P721と照明駆動パラメータP722とを含む照明パラメータP720が備えられているので、構成が異なるスコープユニットを本体部20に取り付けて使用するときに表示画面51を見てスコープユニットに装備された発光方法を選択することができる。その結果、スコープユニットごとに異なる発光方法を装備する複数のスコープユニットを交換して使用してもそのスコープユニットの使用方法がわかりやすい。
【0134】
なお、本変形例のスコープユニット700も、上述のスコープユニット400、スコープユニット400A、スコープユニット500、スコープユニット500A、スコープユニット700と同様に、スコープユニット100あるいはスコープユニット200に追加する第二スコープユニットとして内視鏡システム1に備えることができる。この場合、ライトガイド72を使用してLED71の照明光を照射部12Aに伝送する構成と比較して、第二挿入部710の長さが長くなっても照明光の伝送ロスが少なく、また第二挿入部710を細く構成することができる。
【0135】
また、照明部の構成が異なるスコープユニットの例としては、スコープユニット700以外にも、例えばLED以外の光源を採用したスコープユニットを挙げることができる。例えば、光源としてハロゲンランプやレーザーダイオード(LD)を採用したスコープユニットが考えられ、この場合でも構成記憶部にこれらの光源に対応した発光方法とパラメータとを含む構成識別情報を記憶させておくことで、本体部20の制御部90はそれぞれの光源を制御することができる。
【0136】
(変形例5)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例5の構成について図14及び図15を参照して説明する。図14は、本実施形態の内視鏡システム1の変形例5の構成を示すブロック図である。また、図15は、図14に示す変形例5のさらに他の構成例を示すブロック図である。
図14に示すスコープユニット100は、撮像部11にはCCD11Aが設けられ、同図に示すスコープユニット800は、撮像部11にはCCD11Aに代えてCMOS811Aが設けられている。スコープユニット800は、スコープユニット100に追加して備えられた第二スコープユニットである。
【0137】
また、スコープユニット800には、構成記憶部195に代えて、構成記憶部895が設けられている。構成記憶部895には、構成識別情報が記憶されており、構成記憶部895に記憶された構成識別情報は、CCD11AあるいはCMOS811Aから表示部50の表示制御部52に送信された画像情報を表示画面51に表示するための信号に変換処理するための動作手順を含んでいる。
【0138】
また、制御部90のRAM92Bには、構成記憶部195あるいは構成記憶部895に記憶されている構成識別情報が読み込まれている。例えば本体部20にスコープユニット800が取り付けられているときには、RAM92Bには、湾曲駆動部160を動作させるためのパラメータに加えて、表示部50の表示制御部52を動作させるためのパラメータが記憶されている。
【0139】
表示制御部52は、RAM92Bに記憶されているパラメータに基づいて、CMOS811Aから表示制御部52へ送信された画像信号を表示画面51に表示するための画像信号へと変換する。
【0140】
本変形例では、撮像部11に設けられた撮像素子が異なっていても、制御部90のRAM92Bにスコープユニット100やスコープユニット800から構成識別情報を読み込むことで撮像素子の画像信号を表示画面51に画像を表示可能な形式に変換することができる。これにより、撮像素子の種類が異なる複数のスコープユニットを交換して使用することができる。
【0141】
なお、パラメータによって表示制御部52の動作を切り替える構成に限らず、表示制御部52上に異なるカメラコントロールユニットを複数(例えば図15に示すCCU52AとCCU852A)設け、構成識別情報に基づいて使用するカメラコントロールユニットを選択するようにしてもよい。
【0142】
また、撮像素子の種類が異なるスコープユニットの他の例としては、例えばCCD11Aと有効画素数が異なる撮像素子を採用したスコープユニットを採用することができる。例えば、CCD11Aよりも有効画素数が多いCCDを採用した場合には、CCD11Aを搭載するスコープユニット100よりもデジタルズーム処理の最大ズーム倍率を高くしても良好な拡大像を得ることができる。これに対応して、構成識別情報には表示部50におけるデジタルズームの最大倍率の情報を含むことができる。この場合、有効画素数が少ない撮像素子においては良好に被検物を観察できないほどの倍率にズームすることがなく、有効画素数が多い撮像素子においては特別な設定をすることなく高倍率の観察を行うことができ、内視鏡システム1の操作を簡便にすることができる。
【0143】
(変形例6)
以下では、本実施形態の内視鏡システム1の変形例6の構成について図16(A)ないし図16(C)を参照して説明する。図16(A)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なスコープユニットを示すブロック図である。図16(B)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能な他のスコープユニットを示すブロック図である。図16(C)は、本実施形態の内視鏡システム1に取り付け可能なさらに他のスコープユニットを示すブロック図である。
【0144】
図16(A)ないし図16(C)におけるスコープユニット900A、スコープユニット900B及びスコープユニット900Cは、スコープユニット100やスコープユニット200に追加して設けることができる第二スコープユニットである。
【0145】
スコープユニット900A、スコープユニット900B及びスコープユニット900Cは、スコープユニット700と同様のLED771が設けられた第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cをそれぞれ備えている。第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cは、軸方向の長さが異なっており、例えば第二挿入部910Aは2メートル、第二挿入部910Bは10メートル、第二挿入部910Cは50メートルの長さに設定されている。また、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれの先端にはCCD11Aが設けられている。
【0146】
また、ユニット本体24の内部には、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれに応じて設定された構成識別情報が記憶された構成記憶部995A、構成記憶部995B、構成記憶部995Cが設けられており、構成記憶部995A、構成記憶部995B、構成記憶部995Cに記憶された構成識別情報は、撮像部11のCCD11Aから送信されて表示制御部52で受信される画像信号を補正するためのパラメータを含む。
【0147】
本変形例では、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cのそれぞれには同一の撮像素子であるCCD11Aが設けられているが、CCD11Aから表示制御部52に向けて送信される画像信号は、挿入部の長さに応じて表示制御部52に到達したときの電気的な特性が異なっていることがある。
【0148】
ここで、第二挿入部910A、第二挿入部910B、第二挿入部910Cにそれぞれ記憶されている構成識別情報は、制御部90のRAM92Bに読み込まれ、RAM92Bに読み込まれた構成識別情報に基づいて、表示制御部52に到達した画像信号は補正されて表示画面51に表示可能な映像信号に変換される。
本変形例では、挿入部の長さが異なるスコープユニットを交換して使用しても表示画面51に表示される映像が乱れることを抑制することができる。
【0149】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、また、上述の実施形態では、スコープユニット100とスコープユニット200とはモータ61の個数が異なる例を示したが、これに限らず、モータの大きさや出力が異なるという点で構成が異なる複数のスコープユニットを交換して使用することもできる。この場合にも、構成識別情報をスコープユニットに備えることで、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる。
【0150】
また、上述の実施形態では、構成識別情報としてスコープユニットの湾曲部や照明部、撮像部などの構成を識別する情報としてパラメータを含む例を示したが、これに限らず、構成識別情報として、スコープユニットの湾曲部や照明部、撮像部などを駆動するための駆動プログラムをすべてスコープユニットの構成記憶部に記憶させておくこともできる。この場合、本体部に記憶する情報を削減できるとともに、本体部に設定されていない駆動プログラムをスコープユニット側から本体部へ転送してスコープユニットに対応した駆動信号を本体部に生成させることができる。
【0151】
また、上述の実施形態で本体部のROMに記憶されていたオペレーティングシステムをスコープユニットの構成記憶部に記憶させ、本体部のROMには例えば表示部に記憶された画像を表示画面に表示する機能を持つ簡易型オペレーティングシステムを搭載する構成としてもよい。この場合、スコープユニットに適した動作を行うオペレーティングシステムをスコープユニットごとに交換して使用することができる。
【0152】
また、上述の実施形態では、構成識別情報はスコープユニットの物理的な構成を識別する情報である例を示したが、これに限らず、構成識別情報は、スコープユニットの動作様式あるいは電気的な仕様に関する情報を含むものであってもよい。例えば、物理的な構成が同一であってもその動作手順が異なるスコープユニットを構成識別情報に基づいて識別して、これらのスコープユニットに対する駆動信号を制御部に生成させるようになっていてもよい。
【0153】
また、上述の実施形態及び変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。例えば、上述の変形例4において表示部の表示画面にスコープユニットの光源部の発光方法の一覧を表示するのと同様に、スコープユニットごとに特有の動作方法を選択するための一覧を表示画面に表示させるための情報を構成識別情報に含むことができる。
【0154】
また、上述の各変形例で説明したスコープユニットは、上述のスコープユニット100、200に追加して備えること以外に、例えば上述のスコープユニット100、200と置き換えて備えてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 内視鏡システム
11 撮像部
12 照明部
20 本体部
30 把持部
40 操作入力部
50 表示部
70 光源部
90 制御部
100、200、400、400A、500、500A、600、700、800、900A、900B、900C スコープユニット
110、210 挿入部
410、410A、510、610、710、910A、910B、910C 挿入部
113、213 第二湾曲部(挿入部)
160、260 湾曲駆動部
195、295、695、795、895、995A、995B、995C 構成記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物を観察するための第一スコープユニットと、
前記第一スコープユニットと着脱自在に設けられ、前記第一スコープユニットの装着時には前記第一スコープユニットと通信を行って前記第一スコープユニットを制御する本体部と、を備え、
前記第一スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、
前記本体部は、前記観察手段の取得した画像を表示する表示部と、少なくとも前記湾曲部を操作する操作入力を行うための操作部と、前記記憶部に記憶されている前記構成識別情報に基づいて前記湾曲駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記湾曲部と前記表示部との少なくともいずれかに対して操作入力を行う操作入力部を有し、
前記制御部は、前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された操作入力を、前記湾曲駆動部を駆動させる駆動操作入力と、前記表示部に対して座標を指示する指示操作入力とに区別して認識することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記本体部と着脱自在に設けられた第二スコープユニットを更に備え、
前記第二スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第二スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、
前記制御部は、前記第二スコープユニットが前記本体部に装着されているとき、前記第二スコープユニットの前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された前記操作入力を、前記指示操作入力として認識することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記構成識別情報は、前記湾曲部を湾曲動作させるためのパラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記パラメータは、前記湾曲部の湾曲動作可能な方向を識別する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記挿入部の長さ及び径の少なくとも何れか一方に基づいて設定された、前記湾曲駆動部を駆動するための情報を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項1】
被検物を観察するための第一スコープユニットと、
前記第一スコープユニットと着脱自在に設けられ、前記第一スコープユニットの装着時には前記第一スコープユニットと通信を行って前記第一スコープユニットを制御する本体部と、を備え、
前記第一スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を駆動する湾曲駆動部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第一スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、
前記本体部は、前記観察手段の取得した画像を表示する表示部と、少なくとも前記湾曲部を操作する操作入力を行うための操作部と、前記記憶部に記憶されている前記構成識別情報に基づいて前記湾曲駆動部を制御する制御部と、を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記湾曲部と前記表示部との少なくともいずれかに対して操作入力を行う操作入力部を有し、
前記制御部は、前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された操作入力を、前記湾曲駆動部を駆動させる駆動操作入力と、前記表示部に対して座標を指示する指示操作入力とに区別して認識することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記本体部と着脱自在に設けられた第二スコープユニットを更に備え、
前記第二スコープユニットは、挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記被検物の画像を取得する観察手段と、前記第二スコープユニットの構成に基づいた構成識別情報が記憶された記憶部と、を有し、
前記制御部は、前記第二スコープユニットが前記本体部に装着されているとき、前記第二スコープユニットの前記構成識別情報に基づいて、前記操作入力部に入力された前記操作入力を、前記指示操作入力として認識することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記構成識別情報は、前記湾曲部を湾曲動作させるためのパラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記パラメータは、前記湾曲部の湾曲動作可能な方向を識別する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記挿入部の長さ及び径の少なくとも何れか一方に基づいて設定された、前記湾曲駆動部を駆動するための情報を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の内視鏡装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−98078(P2011−98078A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254899(P2009−254899)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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