説明

内視鏡

【課題】特殊観察を良好に行うことができる内視鏡を提供すること。
【解決手段】長尺な挿入部と、挿入部の先端に配置され、検査対象の画像を取得する撮影部と、所定波長の光を射出するレーザ光源と、挿入部の内部に配置された、前記レーザ光源から射出された光を前記挿入部の先端に導波する第1光ファイバと、第1光ファイバの光路上に配置された、レーザ光源から射出された光により励起され可視光を発光する蛍光体と、蛍光体と挿入部の先端との間の、第1光ファイバの光路上に配置された、波長により透過率が異なるフィルタと、少なくとも一部の波長域が蛍光体から発光される光の波長域とは異なる光を射出する特殊観察用光源及び特殊観察用光源から発光された光を挿入部の先端に導波する第2光ファイバとを備える特殊観察用ユニットとを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端に撮像部が配置された挿入部を検査対象の内部に挿入し、検査対象の画像を取得する内視鏡に関し、より詳しくは、検査対象に光を照射して検査対象の画像を取得する内視鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体の内部や、機械の内部等を観察するために、内部の画像を取得する装置としては、影部を有する挿入部を生体の内部や機械の内部に挿入することで、生体の内部や、機械の内部を検査(または撮影)する内視鏡がある。
ここで、基本的に生体の内部や機械の内部には外側からの光が届かない。そのため、内視鏡は、撮影部近傍に検査対象を照明する照明機構を有する。
【0003】
例えば、特許文献1には、検査対象の内視鏡の挿入部の先端近傍部分を照明するための照明機構として、先端が前記挿入部の先端近傍に位置し、後端が前記挿入部の基端よりも公報に位置するライトガイドと、該ライトガイドの先端側に配置される蛍光体と、前記ライトガイドの後端側に配置され、前記蛍光体を励起する励起光を射出する光源とで構成される照明機構を用いる内視鏡が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載するように、光源から射出させた所定波長の光を、光路上に配置した蛍光体に照射し、蛍光体を発光させて白色光を発光させることで、励起光を射出する光源を挿入部内に配置する必要がなくなり、さらに、挿入部先端の温度を上昇させることなく照明光を射出することが可能となる。
【0005】
また、内視鏡では、生体からの自家発光を検出したり、生体内に注入した薬物の状態を検出するために光源から特定波長の光を射出させて、この特定波長の光を検査対象に照射することがある。
【0006】
このような特定波長の光を照射させて検査対象の画像を取得する内視鏡としては、例えば、特許文献2に、特定波長光を発するレーザ光源と、前記レーザ光源から発せられる光を、内視鏡挿入部の先端まで導く第1及び第2の光路と、前記レーザ光源から発せられる光を、前記第1の光路或いは第2の光路のいずれかの光路に導くように選択的に光路を切り換える光路切り替え手段と、前記第1の光路の内視鏡挿入部先端に、該第1の光路中を通過する光により励起されて蛍光を発する蛍光体が配置されていることを特徴とする内視鏡が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−296656号公報
【特許文献2】特開2006−296636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載されている内視鏡のように、特定の波長の光を照射して検査対象を観察する特殊観察を行うことで、白色光を照射した状態で取得した画像では分からない、つまり、色や形では判断することが困難な、特定の光に反応し、自家発光する特異な細胞(例えば、癌細胞)を検出することができる。
【0009】
ここで、特許文献2の内視鏡のように、特殊観察時に特異な細胞が自家発光の際に射出する光の光量が微弱であるので、その他の光を排除するため、白色の光は、照射されない状態とする必要がある。
そのため、通常特殊観察時は、白色を射出する側の光ファイバを導波する光は、光源側または光路上で遮断され、蛍光体まで光が到達しない状態にする。
しかしながら、照射される特殊観察用の光が蛍光体の励起波長であると、特殊観察時に照射された特殊観察用の光が蛍光体に入射し、蛍光体が発光してしまう。
特殊観察時に、蛍光体が発光してしまうと、特異な細胞から自家発光される光の観察が妨げられ、自家発光を観察するための画像のS/N比が低下してしまうことがあるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、特殊観察を良好に行うことができる内視鏡を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記目的に加え、通常観察を良好に行うことができる内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、長尺な挿入部と、前記挿入部の先端に配置され、検査対象の画像を取得する撮影部と、所定波長の光を射出するレーザ光源と、前記挿入部の内部に配置された、前記レーザ光源から射出された光を前記挿入部の先端に導波する第1光ファイバと、前記第1光ファイバの光路上に配置された、前記レーザ光源から射出された光により励起され可視光を発光する蛍光体と、前記蛍光体と前記挿入部の先端との間の、前記第1光ファイバの光路上に配置された、波長により透過率が異なるフィルタと、少なくとも一部の波長域が前記蛍光体から発光される光の波長域とは異なる光を射出する特殊観察用光源及び前記特殊観察用光源から発光された光を挿入部の先端に導波する第2光ファイバとを備える特殊観察用ユニットとを有することを特徴とする内視鏡を提供する。
【0012】
ここで、前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長域に含まれる特定波長未満の波長域の光の透過率が、前記特定波長以上の波長域の光の透過率よりも低いことが好ましい。
または、前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長未満の波長域の光の透過率が、前記レーザ光源から射出される光の波長より高い波長域の光の透過率よりも低く、前記レーザ光源から射出される光の波長域の透過率が、波長が長くなるに従って高くなり、前記レーザ光源から射出される光の波長未満の波長域の光の透過率から前記レーザ光源から射出される光の波長より高い波長域の光の透過率まで変化することも好ましい。
また、前記フィルタは、前記前記レーザ光源から射出された光、及び前記蛍光体で発光された光のうち画像取得に用いられる波長域未満の波長域の光の透過率が、前記画像取得に用いられる波長域の光の透過率よりも低いことも好ましい。
【0013】
また、前記レーザ光源は、ピーク波長が405nm未満の波長域の光を射出し、前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記レーザ光源から射出される光の波長域より高い波長域の光の透過率よりも低いことも好ましい。
また、前記レーザ光源は、ピーク波長が400nm未満の波長域の光を射出し、前記フィルタは、前記蛍光体の吸収帯域の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記蛍光体の吸収帯域の波長域より高い波長域の光の透過率よりも低いことも好ましい。
また、前記特殊観察用光源は、紫外光または赤外光を射出し、前記フィルタは、前記特殊観察用光源から射出される紫外光または赤外光の波長域における透過率が可視光の波長域における光の透過率よりも低いことも好ましい。
また、前記フィルタは、前記蛍光体の吸収帯域でありかつ可視光域ではない光の波長域である特定波長域における光の透過率が、前記特定波長域以外の波長域における光の透過率よりも低いことも好ましい。
【0014】
また、前記フィルタは、前記光ファイバの光路上の前記挿入部の先端に配置されていることが好ましい。
また、前記レーザ光源は、赤外光または紫外光を射出し、前記蛍光体は、前記レーザ光源から射出される赤外光または紫外光により励起され可視光を発光するが好ましい。
前記レーザ光源は、紫外光を射出し、前記蛍光体は、紫外光領域の波長の光により励起され可視光領域の光を発光することが好ましい。
【0015】
また、前記特殊観察用ユニットの前記第2光ファイバは、前記挿入部に内臓されていることが好ましい。
また、前記挿入部は、処置具を先端部に案内する管路し、前記特殊観察用ユニットは、前記第2光ファイバを前記管路に挿入することで、前記挿入部の先端に光を導波することも好ましい。
【0016】
さらに、前記第2光ファイバに接続され、前記フィルタにより透過率が低減される波長域の可視光を射出する補助光源を有し、前記補助光源から射出された光は、前記第2光ファイバを導波され、前記挿入部の先端から射出されることが好ましい。
また、前記フィルタは、前記特殊観察用光源から射出される波長の光の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記特殊観察用光源から射出される波長の光の波長域より大きい波長域の光の透過率よりも低いことが好ましい。
また、前記補助光源は、前記レーザ光源から射出された光が第1光ファイバから射出されている間は光を射出し、前記特殊観察用光源から射出された光が第2光ファイバから射出されている間は光を射出しないことが好ましい。
また、前記特殊観察用励起光源が、前記補助光源も兼ねており、前記前記特殊観察用励起光源と前記補助光源とが一つの光源であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通常観察用の白色光を照射するための光路において、挿入部の先端、つまり光を射出する面と蛍光体との間にフィルタを配置することで、特殊観察時に蛍光体に光が入射することを防止でき、特殊観察時に蛍光体が発光することを防止できる。これにより、特殊観察を好適に行うことができる。
【0018】
また、通常観察に用いる光源から射出される光の波長域の少なくとも一部の光の透過率をその他の波長域の光の透過率よりも低くすることで、蛍光体による光の変換効率が高い波長域の光が蛍光体に入射することを防止でき、特殊観察時に蛍光体が発光することを防止でき、また通常観察時も白色光で観察することができる。したがって、通常観察も特殊観察も好適に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係るに内視鏡について、添付の図面に示す実施形態を基に詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の内視鏡の一実施形態の内視鏡10の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す内視鏡10の挿入部12の先端部22を拡大して示す部分断面図であり、図3は、図1にに示す内視鏡10、電源20及び信号処理装置21の概略構成を示す模式的断面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、内視鏡10は、CCDセンサ60を用いて検査部位の画像を撮像(撮影)して、検査部位の観察、動画や静止画の撮影を行う、いわゆる電子スコープ型の内視鏡で、通常の内視鏡と同様に、挿入部12、操作部14、コネクタ16、ユニバーサルコード18を有する。また、内視鏡10には、内視鏡10に電力を供給する電源20及びCCDセンサ60で取得した画像データを処理する信号処理装置21が接続されている(図3参照)。
内視鏡10は、体腔(消化管、耳鼻咽喉など)等の検査部位に挿入された挿入部12から、検査部位の観察、写真や動画の撮影、さらには組織の採取等を行う。また、内視鏡10は、検査対象に白色光を照射した状態で画像を取得し、検査対象を観察する通常観察と、検査対象に所定波長の光を照射した状態で画像を取得し、検査対象を観察する特殊観察の2つのモードにより検査対象を観察する。
【0022】
挿入部12は、体腔内等の検査部位に挿入される、長尺な部位で、先端(挿入側の先端=操作部14側とは、逆側の端部)の先端部22と、アングル部24と、軟性部26とを有する。
【0023】
図2に示すように先端部22には、検査部位を撮像するためのCCDセンサ60が配置され、CCDセンサ60によって検査部位を撮像するための光学系として(撮像)レンズ62、および、レンズ62に入射した画像(光)をCCDセンサ60の撮像面に入射するためのプリズム64が設けられる。また、CCDセンサ60の出力信号は、処理基板68によってA/D変換等の所定の処理を施されて出力される。処理基板68から出力された出力信号を伝達する出力信号線は、データケーブル70として1つにまとめられている。このデータケーブル70は、アングル部24および軟性部26を通って、操作部14〜ユニバーサルコード18〜コネクタ16を経て、ビデオコネクタ56まで挿通される。
【0024】
また、先端部22には、検査部位に送気や送水等を行うための送気/送水口72や、組織の採取等を行う鉗子を検査部位に挿入するための鉗子口74等が開口されている。なお、送気/送水口72には、挿入部の内部に挿通されている送気/送液チャンネル80が接続され、鉗子口74には、挿入部の内部に挿通されている鉗子チャンネル78が接続されている。
さらに、先端部22には、後述する通常観察用光源40及び特殊観察用光源42から射出された光をそれぞれ導波し、先端部22から検査部位を照明するため光を射出する第1光ファイバ30及び第2光ファイバ32の先端部が配置されている。第1光ファイバ30及び第2光ファイバ32については、光照射ユニット28として後ほど詳細に説明する。
【0025】
アングル部(湾曲部)24は、先端部22を目的位置に挿入したり目的位置に位置させるために、操作部14における操作によって上下および左右(直交する4方向)に湾曲する領域である。図示例の内視鏡10においては、アングル部24は、公知の内視鏡のアングル部と同様に、多数の円形のリングを連ねた構成を有し、このリングに、アングル部を湾曲させるためのワイヤ(アングルワイヤ)が接続される。
このアングル部24は、後述する操作部14のLRツマミ36およびUDツマミ38の操作によって、湾曲される。
【0026】
軟性部26は、先端部22およびアングル部24と、操作部14とを繋ぐ部位で、検査部位への挿入に対して十分な可撓性を有する長尺なものである。
ここで、アングル部24及び軟性部26には、上述したデータケーブル70、第1光ファイバ30、第2光ファイバ32、アングル部24を湾曲するためのワイヤ等が収容/挿通されている。また、アングル部24及び軟性部26には、さらに、上述した鉗子口74と接続している管路である鉗子チャンネル(鉗子チューブ)78、送気/送水口72と接続している管路である送気/送水チャンネル(送気/送水チューブ)80も収納/挿通されている。
【0027】
操作部14は、内視鏡10の操作を行う部位である。
操作部14には、通常の内視鏡と同様に、鉗子チャンネル78と連通し、ユーザが鉗子を挿入するための開口である鉗子口82、鉗子チャンネル78を介して先端部22の鉗子口74から吸引を行うための吸引ボタン84、送気/送水チャンネル80を介して先端部22の送気/送水口72から検査部位等に送気および送水を行うための送気/送水ボタン86等が配置される。
また、電子スコープである内視鏡10には、これ以外にも、ズームスイッチ、静止画の撮影スイッチ、動画の撮影スイッチ等、CCDセンサ60によって画像を観察/撮影するための各種のスイッチが設けられている。
【0028】
さらに、操作部14には、アングル部24を左方向および右方向に湾曲させるLRツマミ(レフト・ライトツマミ)88、および、アングル部24を上方向および下方向に湾曲させるUDツマミ(アップ・ダウンツマミ)90が配置される。内視鏡10においては、公知の各種の内視鏡と同様に、LRツマミ88およびUDツマミ90を回すことにより、アングル部24に接続するワイヤを牽引して、アングル部24を牽引し、これにより、アングル部24を上下および左右方向や、上下/左右の複合方向に湾曲させる。
【0029】
コネクタ16は、第1光ファイバ30に光を射出する通常観察用光源40と、第2光ファイバ32に光を射出する特殊観察用光源42と、通常観察用光源40から射出された光を集光し第1光ファイバ30に入射させるレンズ44と、特殊観察用光源42から射出された光を集光し第2光ファイバ32に入射させるレンズ46を有する。上述した各部については、光照射ユニット28として後ほど詳細に説明する。
また、コネクタ16は、内視鏡10を使用する施設における、電源20、信号処理装置21、送水手段、送気手段、吸引手段等と接続するための部位であり、通常観察用光源40、特殊観察用光源42等に電力を供給する電源20と接続するプラグ52、内視鏡10と施設の送水(給水)手段と接続するための送水コネクタ、同送気手段と接続するための通気コネクタ、同吸引手段と接続するための吸引コネクタ、電気メスを使用する際にSコードを接続するS端子(図示省略)等が配置されている。また、前述のように、内視鏡10は電子スコープであるので、コネクタ16には、さらに、信号処置装置21と接続するためのビデオコネクタ56が接続されている。前述のように、CCDセンサ60が撮像した画像を伝送するデータケーブル70は、挿入部12から、操作部14〜ユニバーサルコード18の内部を通り、このコネクタ16を経て、ビデオコネクタ56に接続される。ビデオコネクタ56は、信号処理装置21に接続されている。
【0030】
ユニバーサルコード(コネクタ軟性部)18は、コネクタ16と操作部14とを接続する部位である。
このユニバーサルコード18には、第1光ファイバ30、第2光ファイバ32、データケーブル70が収容/挿通される。このユニバーサルコード18には、さらに、送水コネクタ46に接続する送水チャンネル、通気コネクタ48に接続する送気チャンネル、吸引コネクタ50に接続する吸引チャンネル等も収容/挿通される。
【0031】
次に、挿入部12の先端部22から光を射出し、検査対象を照明する光照射ユニット28について説明する。
ここで、図4は、通常観察用光源40から射出される光(以下「通常観察用励起光」とも言う。)、特殊観察用光源42から射出される光(以下「特殊観察用励起光」ともいう。)、通常観察用白色光(通常観察に用いられる白色光、本実施形態では、蛍光体34で励起される可視光)、特殊観察時の自家発光光のそれぞれの強度分布、蛍光体34の吸収帯域、フィルタ36の透過率分布を示すグラフである。
【0032】
光照射ユニット28は、基本的に、第1光ファイバ30、第2光ファイバ32、通常観察用光源40、特殊観察用光源42及びレンズ44、46で構成される。光照射ユニット28を構成する各部は、上述したように、挿入部12、操作部14、コネクタ16及びユニバーサルコード18に収容及び/または挿通されている。
また、第1光ファイバ30の先端(具体的には、挿入部12の先端部22側の端部)には、蛍光体34、フィルタ36が、コネクタ16側から先端部22側に向う方向に蛍光体34、フィルタ36の順に配置されている。つまり、第1光ファイバ30の光路上の最先端にフィルタ36が配置されている。
【0033】
まず、通常観察用光源40は、半導体レーザ、LED等の一定の波長域の光を射出する発光素子であり、本実施形態では、310nm〜340nmの波長域の光でかつ強度(レベル)のピークが325nmの通常観察用励起光を射出する(図4参照)。
また、特殊観察用光源42も、半導体レーザ、LED等の一定の波長域の光を射出する発光素子であり、本実施形態では、390nm〜470nmの波長域の光でかつ強度(レベル)のピークが430nmの特殊観察用励起光を射出する(図4参照)。また、後ほど説明するが、検査対象は、特殊観察用励起光が照射されると、500nm〜630nmの波長域の光(以下「特殊観察時自家発光光」、単に「自家発光光」ともいう。)を発光する。
【0034】
第1光ファイバ30は、光を導波する線状の光学部材であり、上述したように、挿入部12、操作部14、ユニバーサルコード18及びコネクタ16に挿通されている。また、第1光ファイバ30は、コネクタ16側の端部が通常観察用光源40及びレンズ44と光学的に接続されている。
【0035】
第2光ファイバ32は、光を導波する線状の光学部材であり、上述したように、挿入部12、操作部14、ユニバーサルコード18及びコネクタ16に挿通されている。また、第1光ファイバ30は、コネクタ16側の端部が特殊観察用光源42及びレンズ46と光学的に接続されている。
【0036】
蛍光体34は、通常観察用励起光により励起されることで発光する蛍光材料で構成されており、第1光ファイバ30の先端部に配置されている。
本実施形態の蛍光体34は、220nm〜430nmの光が照射されると励起され、通常観察用白色光として可視光の光を照射する(図4参照)。つまり、蛍光体34は、吸収帯域が220nm〜430nmである蛍光材料である。また、蛍光体34は、通常観察用励起光の波長域の変換効率が最も高い。
【0037】
フィルタ36は、波長により透過率が異なる光学部材であり、光ファイバの光路上において、蛍光体34よりも先端に配置されている。
フィルタ36は、通常観察用白色光の波長域及び通常観察用白色光の波長域よりも高い波長域の透過率がαであり、通常観察用白色光よりも低い波長域の透過率がβである(図4参照)。ここで、透過率αと透過率βとの関係は、α<βである。
なお、フィルタ36には、光を反射して透過しない反射型フィルタ、光を吸収して透過しない吸収型フィルタのどちら方式のフィルタも用いることができる。
また、フィルタ36の配置方法も特に限定されず、本実施形態のように別部材として通常観察用光が導波される光路上に配置しても、フィルタ34の表面に塗布(コーティング)することにより配置してもよい。
【0038】
また、透過率αは、0%もしくはそれに近い値の透過率とすることが好ましく、透過率βは100%もしくはそれに近い値の透過率とすることが好ましい。このように透過率αと透過率βとで透過率を変化させることで、通常観察用白色光の波長以上の波長域光は透過し、通常観察用白色光の波長未満の波長域の光は透過しないようにすることができる。
【0039】
光照射ユニット28は、以上のような構成であり、光照射ユニット28の通常観察用光源40から射出された光は、レンズ44で集光され、第1光ファイバ30のコネクタ16側の端部に入射される。第1光ファイバ30のコネクタ16側の端部に入射された光は、第1光ファイバ30内を導波され、蛍光体34及びフィルタ36を通過させられた後、挿入部12の先端部22側の端面から射出される。
また、特殊観察用光源42から射出された光は、レンズ46で集光され、第2光ファイバ32のコネクタ16側の端部に入射される。第2光ファイバ32のコネクタ16側の端部に入射された光は、第2光ファイバ32内を導波され、挿入部12の先端部22側の端面から射出される。
【0040】
内視鏡10は、基本的に以上のような構成である。
また、電源20は、内視鏡10に電力を供給する公知の電源である。
さらに、信号処置装置21は、CCDセンサ60で撮影されデータケーブル70から送信された画像信号を処理して画像を生成し、生成した画像を表示する装置であり、内視鏡10から送られた画像信号を処理し画像を生成するビデオプロセッサや画像を表示するモニタ等で構成されている。
【0041】
次に、内視鏡10の作用を説明することで、本発明についてより詳細に説明する。
まず、通常観察について説明する。
通常観察時、光照射ユニット28は、通常観察用光源30から通常観察用励起光を射出させる。通常観察用光源30から射出された通常観察用励起光は、レンズ44で集光された後、第1光ファイバ30に入射される。その後、通常観察用励起光は、第1光ファイバ30を導波され、蛍光体34に到達する。通常観察用励起光が照射された蛍光杯34は、励起され、通常観察用白色光を発光する。蛍光体34から発光された通常観察用白色光は、フィルタ36を通過した後、検査対象に向けて射出される。なお、フィルタ36は、通常観察用白色光の波長域の光の透過率が高いため、通常観察用白色光をほとんど若しくは全く低減させることなく透過させる。
このようにして、光照射ユニット28は、検査対象に通常観察用白色光を照射する。なお、この際、特殊観察用光源32からは、光を射出させない。
【0042】
CCDセンサ60は、通常観察用白色光が照射されている検査対象の画像の画像信号を取得し、画像信号をデータケーブル70を介して信号処理装置21に出力する。信号処理装置21は、CCDセンサ60から送られてきた画像信号に画像処理を施して画像を生成し、生成した画像をモニタ等に表示させる。
また、必要に応じて、鉗子口82から鉗子チャンネル78に処置具を挿入して先端部22側の鉗子口74から出し、検査対象の組織を採取したり、検査対象をクリップにより止血してもよい。
【0043】
次に、特殊観察について説明する。
特殊観察時、光照射ユニット28は、特殊観察用光源32から特殊観察用励起光を射出させる。特殊観察用光源32から射出された特殊観察用励起光は、レンズ46で集光された後、第2光ファイバ32に入射される。その後、特殊観察用励起光は、第2光ファイバ32を導波され、挿入部12の先端部22側の端部から検査対象に向けて射出される。
このようにして、特殊観察時、光照射ユニット28は、検査対象に特殊観察用励起光を照射する。なお、特殊観察時、通常観察用光源30からは、光を射出させない。
【0044】
検査対象は、特殊観察用励起光が照射されると微弱な自家発光光(自家蛍光光とも言う。)を射出する。
CCDセンサ60は、特殊観察用励起光が照射され、自家発光光を射出している状態の検査対象の画像の画像信号を取得し、画像信号をデータケーブル70を介して信号処理装置21に出力する。信号処理装置21は、CCDセンサ60から送られてきた画像信号に画像処理を施して画像を生成し、生成した画像をモニタ等に表示させる。
ここで、検査対象は、細胞の状態により自家発光光の傾向が変わる(例えば、正常細胞は発光し、癌細胞は発光しない)ため、通常観察時に白色光が照射された状態で検出した画像では、判別することができない場合、つまり、カラー画像では、細胞の種類が判別できない場合でも、特殊観察により判別することができる。
【0045】
ここで、内視鏡10は、蛍光体34の先端部22側(つまり、光が射出される側)の面にフィルタ36を配置することにより、検査対象で反射した特殊観察用励起光が先端部22の表面に到達しても、蛍光体34に特殊観察用励起光が到達することを防止できる。より具体的には、通常観察用白色光の波長未満の波長である特殊観察用励起光の透過率が低いフィルタ36を蛍光体34よりも光射出面側に配置することで、蛍光体34が配置されている光路に特殊観察用励起光が到達してもフィルタ36が特殊観察用励起光を通過させない若しくは大幅に低減させる。これにより、特殊観察用励起光が、蛍光体34の先端部22側から蛍光体34に到達することを防止できる。
このように、特殊観察時に蛍光体34に特殊観察用励起光が到達することを防止できることで、蛍光体34は発光することを防止できる。これにより、特殊観察用励起光が照射されることにより検査対象で発生する微弱な強度の自家発光をより正確に検出することができる。
【0046】
以上より、内視鏡10は、良好に通常観察を行うことができ、且つ特殊観察も良好に行うことができる。また、フィルタを設けるのみであるので、内視鏡の装置構成も簡単にすることができる。
【0047】
ここで、本実施形態のように、通常観察用励起光として紫外光を用いる場合は、フィルタ36に、反射型フィルタを用いることが好ましい。フィルタとして反射型フィルタを用いることで、蛍光体から発光される光のうち不可視光であり通常観察用白色光とはならない紫外光を反射することができ、この紫外光を蛍光体に入射させることができる。また、通常観察用光源から射出され、蛍光体を通過した紫外光も反射し、蛍光体に入射させることができる。
このようにフィルタにより紫外線を反射させることで、通常観察時に、蛍光体をより効率よく発光させることができ、また、光を効率よく利用できることで低消費電力化することができる。
【0048】
ここで、内視鏡10では、310nm〜340nmの波長域の光を射出する通常観察用光源を用い、吸収帯域が220nm〜420nmの蛍光体を用いたが本発明はこれに限定されない。
例えば、図5に示すような、出力のピークが405nm、あるいは、波長域が395nm〜415nmの光を射出する通常観察用光源を用い、吸収帯域が305nm〜505nmの蛍光体を用いる内視鏡とすることもできる。図5は、他の一例の通常観察用光源から射出される光(以下「通常観察用励起光」とも言う。)、特殊観察用光源から射出される光(以下「特殊観察用励起光」ともいう。)、通常観察用白色光、特殊観察時の自家発光光のそれぞれの強度分布、蛍光体の吸収帯域、フィルタ36’の透過率分布を示すグラフである。
【0049】
図5に示すように、出力のピークが405nm、あるいは、波長域が395nm〜415nmの光を射出する通常観察用光源を用い、吸収帯域が305nm〜505nmの蛍光体を用いた場合でも、通常観察用白色光の波長域及び通常観察用白色光の波長域よりも高い波長域の透過率がαであり、通常観察用白色光よりも低い波長域の透過率がβであるフィルタ36’を配置することで、特殊観察用励起光の全ての波長域の透過を防止することはできないが、一定波長域の特殊観察用励起光の透過を防ぐことができる。これにより、特殊観察時に蛍光体が発光する光の量を低減することができ、自家発光光の検出のs/n比を高く(つまり、ノイズを少なく)することができ、良好に特殊観察を行うことができる。また、蛍光体側から射出される通常観察用白色光は、透過率αの高い透過率で透過させることができ、良好に通常観察を行うことができる。
【0050】
また、図6に示すような、出力のピークが445nmで波長域が435nm〜455nmの光を射出する通常観察用光源を用い、吸収帯域が345nm〜545nmの蛍光体を用いる内視鏡とすることもできる。図6は、他の一例の通常観察用光源から射出される光(以下「通常観察用励起光」とも言う。)、特殊観察用光源から射出される光(以下「特殊観察用励起光」ともいう。)、通常観察用白色光、特殊観察時の自家発光光のそれぞれの強度分布、蛍光体の吸収帯域、フィルタ36’’の透過率分布を示すグラフである。
ここで、本実施形態では、蛍光体から発光される光に加え、通常観察用光源から射出される通常観察用励起光の一部も通常観察用白色光を構成する。つまり、蛍光体から発光される波長455nm〜800nmの波長域に加え、出力のピークが445nmで波長域が435nm〜455nmの光も通常観察用白色光を構成する。なお、図6では、通常観察用白色光の一部と、通常観察用励起光とのレベルが重なっている。
【0051】
図6に示すように、波長域が435nm〜455nmの光を射出する通常観察用光源を用い、吸収帯域が345nm〜545nmの蛍光体を用いた場合も、通常観察用白色光の波長域及び通常観察用白色光の波長域よりも高い波長域の透過率がαであり、通常観察用白色光よりも低い波長域の透過率がβであるフィルタ36’’を配置することで、特殊観察用励起光の全ての波長域の透過を防止することはできないが、一定波長域の特殊観察用励起光の透過を防ぐことができる。これにより、特殊観察時に蛍光体が発光する光の量を低減することができ、自家発光光の検出のs/n比を高く(つまり、ノイズを少なく)することができ、良好に特殊観察を行うことができる。また、蛍光体側から射出される通常観察用白色光は、透過率αの高い透過率で透過させることができ、良好に通常観察を行うことができる。
【0052】
このように、通常観察用白色光の波長域及び通常観察用白色光の波長域よりも高い波長域の透過率がαであり、通常観察用白色光よりも低い波長域の透過率がβであるフィルタ36’’を用いることで、通常観察用光源の種類及び蛍光体の種類によらず、特殊観察時に蛍光体が発光することを防止または低減することができ、また、通常観察時に射出させる白色光を全くあるいは殆ど低減させることなく透過させることができる。
これにより、良好に通常観察を行うことができ、且つ特殊観察も良好に行うことができる。
【0053】
ここで、通常観察用光源として、図5に示すようなピーク波長が405nmの光あるいはそれ以下の波長の光を射出させる光源を用いた場合は、演色性の高い光を射出させることができ、図6に示すようなピーク波長が455nmの光を射出させる光源を用い、通常観察用励起光の一部を通常観察用白色光として用いた場合は、白色光を高効率で射出させることができ、消費電力を低くすることができる。
【0054】
また、図4〜6に示す実施形態では、通常観察用白色光の波長域及び通常観察用白色光の波長域よりも高い波長域の透過率がαであり、通常観察用白色光よりも低い波長域の透過率がβであるフィルタを用いたが、本発明はこれに限定されず、透過させる光の波長域と透過させない光の波長域の境界(もしくは、透過率の高い波長域と透過率の低い波長域との境界)を種々の波長とすることができる。
【0055】
図7、図8及び図9は、それぞれ他の一例の通常観察用光源から射出される光(以下「通常観察用励起光」とも言う。)、特殊観察用光源から射出される光(以下「特殊観察用励起光」ともいう。)、通常観察用白色光、特殊観察時の自家発光光のそれぞれの強度分布、蛍光体の吸収帯域、フィルタの透過率分布を示すグラフである。
ここで、図7は、フィルタの透過率分布を除いて、他の部材の値、強度分布等は、図4に示すグラフの各値と同じであり、図8は、フィルタの透過率分布を除いて、他の部材の値、強度分布等は、図5に示すグラフの各値と同じであり、図9は、フィルタの透過率分布を除いて、他の部材の値、強度分布等は、図6に示すグラフの各値と同じである。
【0056】
例えば、図7に示すフィルタA、図8に示すフィルタA’及び図9に示すフィルタA’’のように、通常観察用励起光の波長未満の波長域の光の透過率βを、通常観察用励起光の波長より高い波長域の光の透過率αよりも低く(つまりβ<α)し、通常観察用励起光の波長域の透過率が、波長が長くなるに従って高くなり、透過率がβからαまで変化するフィルタを用いることも好ましい。
【0057】
ここで、効率よく光を強度の高い白色光を射出させるため、蛍光体34には、基本的に通常観察用励起光の波長域の変換効率が最も高くなる蛍光体を用いる。
したがって、通常観察用励起光の波長域の透過率を、波長が長くなるに従って高くし透過率をβからαまで変化させたフィルタA、フィルタA’及びフィルタA’’により、最も変換効率の高い通常観察用励起光の波長域の光の一部の透過率を低くすることで、特殊観察時に、最も変換効率の高い波長域の光が蛍光体に到達することを低減することができる。
なお、図7〜9に示すように特殊観察用励起光と蛍光体の吸収帯域とが一部で重なり、特殊観察用励起光の一部の波長により蛍光体が発光するが、蛍光体の変換効率の高くない波長領域であるので、発光量は少なくないため、特殊観察に与える影響は、最も変換効率の高い波長域よりも小さい。
以上より、特殊観察時に、蛍光体が発光して自家発光の対するノイズとなることを防止でき、S/N比を向上させることができる。
また、本実施形態のように、最も変換効率の高い通常観察用励起光の波長域の光の一部の透過率を低くすることで、特殊観察用光源として用いる光源の種類によらず、蛍光体が強い光で発光することを防止できる。
【0058】
また、図7及び8に示すように、通常観察用励起光として、紫外光に近い青色光域及び紫外光、具体的には、強度のピークが405nm以下の波長にある波長分布の光を用いる場合は、通常観察用励起光が通常観察用白色光よりも低い波長の光となるので、フィルタA及びフィルタA’の通常観察用白色光の波長域の透過率は、高い透過率となる。このように、フィルタA及びフィルタA’は、通常観察用白色光をそのままは高い透過率で透過させるため、通常観察を良好に行うことができる。
また、図9に示すように、通常観察用励起光として、強度のピークが445nmの光を用いる場合は、白色観察用白色光の一部に通常観察用励起光を用いているため、フィルタA’’により通常観察用励起光の一部を透過させないことで、演色性が低減するが、一定割合の通常観察用励起光は透過されるため、一定以上の演色性は維持することができる。
【0059】
また、図7及び図8に示すように、通常観察用励起光として、紫外光に近い青色光域及び紫外光、具体的には、強度のピークが405nm以下の波長にある波長分布の光を用いる場合は、図7のフィルタB及び図8のフィルタB’のように、通常観察用励起光以下の波長域の光の透過率βを、通常観察用励起光の波長域より高い波長域の光の透過率αよりも低いフィルタを用いることも好ましい。
【0060】
上述したように、蛍光体は、通常観察用励起光の波長域の光の変換効率が最も高くなるため、通常観察用励起光の波長域以下の光をほとんどまたは全く透過させないことで、特殊観察時に、最も変換効率の高い波長域の光が蛍光体に到達することを低減することができる。また、フィルタA及びフィルタA’と同様に、フィルタB及びフィルタB’を用いる場合も、特殊観察用励起光と蛍光体の吸収帯域とが一部で重なり、特殊観察用励起光の一部の波長により蛍光体が発光するが、蛍光体の変換効率の高くない波長領域であるので、発光量は少なくないため、特殊観察に与える影響は、最も変換効率の高い波長域よりも小さい。
以上より、特殊観察時に、蛍光体が発光して自家発光の対するノイズとなることを防止でき、S/N比を向上させることができる。
【0061】
また、フィルタB及びフィルタB’を用いる場合は、通常観察用励起光として、紫外光に近い青色光域及び紫外光、具体的には、強度のピークが405nm以下の波長にある波長分布の光を用いている。そのため、通常観察用励起光が通常観察用白色光よりも低い波長の光となり、フィルタB及びフィルタB’の通常観察用白色光の波長域の透過率は、高い透過率となる。このように、フィルタB及びフィルタB’は、通常観察用白色光をそのままは高い透過率で透過させるため、通常観察を良好に行うことができる。
【0062】
また、図7に示すように、通常観察用励起光として、紫外光、具体的には、強度のピークが400nm未満の波長にある波長分布の光を用いる場合は、図7のフィルタCのように、蛍光体の吸収帯域の波長域以下の波長域の光の透過率βが、蛍光体の吸収帯域の波長域より高い波長域の光の透過率αよりも低いフィルタを用いることも好ましい。
【0063】
フィルタCのように、蛍光体の吸収帯域の波長域以下の波長域の光の透過率を低くすることで、蛍光体が吸収して発光する波長域の光がフィルタCを透過して蛍光体に到達することを防止もしくは低減することができる。
したがって、特殊観察時に、蛍光体が発光して自家発光の対するノイズとなることを防止でき、S/N比を向上させることができる。
【0064】
また、蛍光体吸収帯域と通常観察用白色光の波長域が一部で重なっているため、フィルタCにより蛍光体吸収帯域の光を透過させないことで、蛍光体吸収帯域と重なっている波長域の通常観察用白色光もフィルタを透過できなくなるため、通常観察時の演色性が低減するが、一部の波長のみであるため、一定以上の演色性は維持することができる。
【0065】
また、本実施形態では、特殊観察用励起光として、可視光を含む光を用いて特殊観察を行ったが、特殊観察用励起光として、紫外光、赤外光を用いる場合は、特殊観察用励起光として用いる紫外光及び/または赤外光の波長域の光の透過率がαであり、可視光の波長域の光の透過率がβであるフィルタを用いることが好ましい。
フィルタとして、特殊観察用励起光の波長域の光を透過させず、可視光の波長域の光を透過させるようにすることで、特殊観察時に、特殊観察用励起光が蛍光体に到達することを防止でき、蛍光体が発光することを防止でき、良好に特殊観察を行うことができる。また、通常観察時に、フィルタが可視光である通常観察用白色光を高い透過率で透過させることができ、良好に通常観察を行うことができる。
【0066】
また、上記いずれのフィルタも、さらに、蛍光体の吸収帯域でありかつ可視光域ではない光の波長域(具体的には、400nm以下、または800nm以上)である波長域(以下「特定波長域」という。)における光の透過率を、特定波長域以外の波長域における光の透過率よりも低くすることが好ましい。
上記波長域の光をフィルタにより透過させないことにより、通常観察用励起光の波長によらず、特殊観察時に蛍光体が発光することをより確実に防止することができる。これにより、より良好に特殊観察を行うことができる。
また、可視光の波長域の透過率は変化させない(または高い透過率とする)ため、上記波長域の光をフィルタに透過させない場合も、通常観察用白色光には影響を与えないため、良好に通常観察を行うことができる。
【0067】
以上のように、蛍光体と光射出面との間に波長により透過率が変化するフィルタを設けることで、特殊観察時に蛍光体が発光する場合に、蛍光体が発光することを防止または低減することができる。これにより、検査対象の自家発光光の検出のS/N比を高くすることができ、良好に特殊観察を行うことができる。
【0068】
また、特殊観察時に蛍光体が配置されている光路における光射出面から入射する波長域に含まれ、かつ、蛍光体吸収帯域の波長域に含まれる光の少なくとも一部の透過率を低くし、該波長域の光が蛍光体に到達することを防止することで、特殊観察時に蛍光体が発光することを防止または蛍光体の発行量を低減することができる。これにより検査対象の自家発光光の検出のS/N比を高くすることができ、より良好に特殊観察を行うことができる。
また、上述した各種形態とすることで、通常観察時の白色光の演色性は多少低下する場合もあるが、特殊観察と通常観察の両方を良好に行うことができる。
【0069】
以下、図10を用いて本発明の内視鏡の他の実施形態について説明する。
図10は、本発明の内視鏡の他の実施形態を示す断面図である。また、図11は、光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
ここで、図10に示す内視鏡100は、光照射ユニット28に通常観察用補助光源(以下単に「補助光源」という。)102、レンズ104、分岐光ファイバ106を設けたことを除いて、他の構成は、図1〜3に示す内視鏡10と同様であるので、内視鏡10と同様の構成の部分については詳細な説明は省略し、以下、内視鏡100に特有の点について説明する。
内視鏡100は、挿入部12、操作部14、コネクタ16、ユニバーサルコード18を有する。また、内視鏡10には、内視鏡10に電力を供給する電源20及びCCDセンサ60で取得した画像データを処理する信号処理装置21が接続されている(図3参照)。
【0070】
光照射ユニット101は、基本的に、第1光ファイバ30、第2光ファイバ32、通常観察用光源40、特殊観察用光源42及びレンズ44、46、補助光源102と、補助光源から射出された光を集光するレンズ104と、レンズ104で集光され、入射された光を第2光ファイバ32に入射させる分岐光ファイバ106とで構成される。
ここで、補助光源102と、レンズ104とは、コネクタ16内に設けられ、分岐光ファイバ106は、第2光ファイバ32から分岐され、第2光ファイバ32と接続されていない端部がレンズ104に対向する位置に配置されている。
【0071】
補助光源102は、半導体レーザ、LED等の一定の波長域の光を射出する発光素子であり、本実施形態では、435nm〜455nmの補助光を射出する。
また、補助光源102は、通常観察時のみ光を射出させ、特殊観察時には光を射出させない。
レンズ104は、補助光源102と分岐光ファイバ106との間に配置され、補助光源102から射出された光を分岐光ファイバ106に入射させる。
分岐光ファイバ106は、第2光ファイバ32に光が導波できるように接続されており、第2光ファイバ32と接続されていない端部から入射された光を第2光ファイバ32に導波する。
また、フィルタ36は、特殊観察用励起光から射出される光の波長域以下の波長域の光は、透過せず(透過率が実質的に0)、特殊観察用励起光から射出される光の波長域より大きい波長域の光は透過する(透過率が高い)フィルタである。
なお、その他、特殊観察用光源、蛍光体、通常観察光源は、図6に示したグラフの各部と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
内視鏡100は、以上のような構成であり、通常観察時に、補助光源102から射出された光は、レンズ104で集光されて、分岐光ファイバ106に入射される。分岐光ファイバ106に入射された光は、第2光ファイバ32に導波され、先端部22側の端部から射出される。また、特殊観察時は、補助光源102から光は射出されない。
これにより、内視鏡100は、図11に示すように、通常観察時に、フィルタ36により遮断される(透過されない)ため第1の光ファイバ30からは射出することができない波長域の光を、補助光源102から光を射出させることができる。
以上より、内視鏡100は、第1光ファイバ30から射出される光(つまり、蛍光体により励起され、一部波長がフィルタにより遮断された光、図11中通常観察用白色光でありかつフィルタの透過率が高い領域の光)と第2光ファイバから射出される光(つまり補助光から射出される光、図11中補助光)とをあわせた光で通常観察を行うことができる。これにより、通常観察時に演色性の高い白色光で測定対象を照明することができる。
また、特殊観察時は、補助光源102から光を射出させないことで、補助光源102の影響は取り除くことができ、さらに、特殊観察用励起光の波長をフィルタ36に透過させないことができるため、特殊観察時に蛍光体36が発光することも防止できる。これにより、好適に特殊観察を行うことができる。
【0073】
また、補助光源から射出させる波長域の光は、上記例に限定されない。
ここで、図12は、光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
図12に示すように、フィルタとして、特殊観察用励起光から射出される光の波長域以下の波長域の光は、透過せず(透過率が実質的に0)または透過率が低く、特殊観察用励起光から射出される光の波長域より大きい波長域の光は透過する(透過率が高い)フィルタを設け、その他、特殊観察用光源、蛍光体、通常観察光源は、図4に示したグラフの各部と同様とした場合も、補助光源として、波長域390nm〜500nmの補助光を射出する光源を設けることで、演色性の高い白色光で通常観察を行うことができ、特殊観察時に蛍光体が発光することを防止できる。
【0074】
このように、フィルタにより除去される波長域の光を射出する補助光源を設け、通常観察時に第2光ファイバから入射させることで、通常観察を演色性の高い光で行うことができる。また、特殊観察時には、補助光源を点灯させないことで特殊観察時も好適に観察を行うことができる。
さらに、フィルタとして、特殊観察用励起光から射出される光の波長域以下の波長域の光は、透過せず(または、透過率が低く)、特殊観察用励起光から射出される光の波長域より大きい波長域の光は透過する(つまり、透過率が高い)フィルタを用いることで、特殊観察時に蛍光体が発光することを確実に防止することができる。また、補助光源により、通常観察時の白色光は補完することができるため、特殊観察用励起光を確実に除去できるフィルタを用いて、フィルタが通常観察時に蛍光体から射出される光の一部波長の光を遮断してしまう場合でも演色性の高い白色光で通常観察を行うことができる。
【0075】
また、補助光源は、フィルタにより除去される光(特に可視光)を射出する光であるため、一定波長域の光を射出する光源でよいため、光源としては安価な光源を用いることができる。
【0076】
また、補助光源と特殊観察用光源とを同じ1つの光源としてもよい。
図13は、光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
図13に示すように、補助光と特殊観察用励起光として同一の発光波長の光を用いる(または、用いることができる)場合は、同一の光源を用いる場合は、1つの光源で両方の機能を果たせばよい。
つまり、1つの光源を、特殊観察時は、特殊観察用光源として用い、通常観察時は、補助光源として用いてもよい。すわなち、特殊観察用光が可視光域も含む光の場合は、第2光ファイバに光を入射させる可視光域も含む特殊観察用光を特殊観察時も通常観察時も入射させるようにすることで、上記効果を得ることができる。
ここで、このように1つの光源で両方の機能を果たさせる場合は、そのモード(通常観察、特殊観察)に応じて出力を調整できるようにすることが好ましい。出力を調整できるようにすることで、各モードを好適に行うことができる。
【0077】
ここで、上記実施形態ではいずれも、食道や、胃、大腸の癌組織を好適に検出できるため、特殊観察用励起光として390nm〜470nmの波長域の光を用い、検査対象の500nm〜630nmの波長域の自家発光を検出するAFI(Auto Fluorescence Imaging)方式で検査対象を診察する方法で説明したが、本発明はこれに限定されず、狭帯域の複数の光を照射して得た画像からNBI方式、近赤外光を照射した場合の検査対象の自家発光を検出するIRI方式にも利用することができる。
なお、特殊観察用光源としては、少なくとも一部の波長域が蛍光体から発光される光の波長域とは異なり、かつ、特殊観察に用いる波長域の光(特殊観察用励起光)を射出する種々の光源を用いることができる。
なお、IRI方式を用いる場合は、フィルタとして近赤外光以上の波長域の光の透過率が低く、近赤外光未満の波長域の光の透過率を高いフィルタを用いることで、上記と同様の効果を得ることができ、良好に特殊観察を行うことができ、かつ、通常観察も行うことができる。
【0078】
また、上記実施形態では、光ファイバと蛍光体との界面を少なくすることができ、光の利用効率を高くすることができるため、蛍光体を挿入部の先端部に配置したが、通常観察用励起光が導波される光路上であれば配置位置は限定されず、例えば、挿入部の中間部に配置してもよい。また、このように蛍光体を先端部以外に配置した場合も、特殊観察時に通常観察用白色光を導波する光ファイバの挿入部の先端部側の光射出面から特殊観察励起光が入射し、光ファイバを伝達して蛍光体に到達し発光することがあるが、フィルタを配置することで特殊観察時に蛍光体が発光することを防止できる。なお、フィルタは、通常観察用白色光が導波される光路上において蛍光体と挿入部の先端の光射出面との間に配置すれば配置位置は特に限定されない。
また、通常観察用白色光と特殊観察用励起光とを同一の光射出面から射出させるために、光路の途中でそれぞれの光ファイバを連結し1本の光ファイバにした場合は、蛍光体及び蛍光体は、連結部よりも通常観察用光源側の光路上に配置すればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、いずれも光照射ユニット28を内視鏡本体(つまり、挿入部、操作部、コネクタ部及びユニバーサルコード部)の内部に一体で配置したが、本発明はこれに限定されず、特殊観察に用いる特殊観察用光源、レンズ及び第2光ファイバを一つのユニット(以下「特殊観察用ユニット」という。)とし、内視鏡本体に対して着脱可能としてもよい。
具体的には、特殊観察用ユニットの第2光ファイバを鉗子口82及び鉗子チャンネル78に挿入可能な太さとする。そして、特殊観察時に、鉗子口82から鉗子チャンネル78に第2光ファイバを挿入して、第2光ファイバの先端部を鉗子口74の近傍に配置する。
その後、特殊観察用光源から光を射出させ、第2光ファイバから特殊観察用励起光を射出させることで、検査対象に特殊観察用励起光を照射することができる。
【0080】
以上、本発明に係る内視鏡について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の内視鏡の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す内視鏡の挿入部の先端部を拡大して示す部分断面図である。
【図3】図1に示す内視鏡、電源及び信号処理装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図4】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の一例を示すグラフである。
【図5】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図6】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図7】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図8】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図9】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図10】内視鏡の他の実施形態を示す模式的断面図である。
【図11】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図12】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【図13】光源から射出される光と蛍光体とフィルタとの関係の他の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
10、100 内視鏡
12 挿入部
14 操作部
16 コネクタ
18 ユニバーサルコード
20 電源
21 信号処理装置
22 先端部
24 アングル部
26 軟性部
30 第1光ファイバ
32 第2光ファイバ
34 蛍光体
36 フィルタ
40 通常観察用光源
42 特殊観察用光源
44、46、62、104 レンズ
56 ビデオコネクタ
60 CCDセンサ
64 プリズム
68 処理基板
70 データケーブル
72 送気/送水口
74、82 鉗子口
78 鉗子チャンネル
80 送気/送液チャンネル
84 吸引ボタン
86 送気/送水ボタン
88 LRツマミ
90 UDツマミ
102 補助光源
106 分岐光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な挿入部と、
前記挿入部の先端に配置され、検査対象の画像を取得する撮影部と、
所定波長の光を射出するレーザ光源と、
前記挿入部の内部に配置された、前記レーザ光源から射出された光を前記挿入部の先端に導波する第1光ファイバと、
前記第1光ファイバの光路上に配置された、前記レーザ光源から射出された光により励起され可視光を発光する蛍光体と、
前記蛍光体と前記挿入部の先端との間の、前記第1光ファイバの光路上に配置された、波長により透過率が異なるフィルタと、
少なくとも一部の波長域が前記蛍光体から発光される光の波長域とは異なる光を射出する特殊観察用光源及び前記特殊観察用光源から発光された光を挿入部の先端に導波する第2光ファイバとを備える特殊観察用ユニットとを有することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長域に含まれる特定波長未満の波長域の光の透過率が、前記特定波長以上の波長域の光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長未満の波長域の光の透過率が、前記レーザ光源から射出される光の波長より高い波長域の光の透過率よりも低く、前記レーザ光源から射出される光の波長域の透過率が、波長が長くなるに従って高くなり、前記レーザ光源から射出される光の波長未満の波長域の光の透過率から前記レーザ光源から射出される光の波長より高い波長域の光の透過率まで変化する請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記フィルタは、前記前記レーザ光源から射出された光、及び前記蛍光体で発光された光のうち画像取得に用いられる波長域未満の波長域の光の透過率が、前記画像取得に用いられる波長域の光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記レーザ光源は、ピーク波長が405nm未満の波長域の光を射出し、
前記フィルタは、前記レーザ光源から射出される光の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記レーザ光源から射出される光の波長域より高い波長域の光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記レーザ光源は、ピーク波長が400nm未満の波長域の光を射出し、
前記フィルタは、前記蛍光体の吸収帯域の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記蛍光体の吸収帯域の波長域より高い波長域の光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記特殊観察用光源は、紫外光または赤外光を射出し、
前記フィルタは、前記特殊観察用光源から射出される紫外光または赤外光の波長域における透過率が可視光の波長域における光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記フィルタは、前記蛍光体の吸収帯域でありかつ可視光域ではない光の波長域である特定波長域における光の透過率が、前記特定波長域以外の波長域における光の透過率よりも低い請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記フィルタは、前記光ファイバの光路上の前記挿入部の先端に配置されている請求項1〜8のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項10】
前記レーザ光源は、赤外光または紫外光を射出し、
前記蛍光体は、前記レーザ光源から射出される赤外光または紫外光により励起され可視光を発光する請求項1〜9のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項11】
前記レーザ光源は、紫外光を射出し、
前記蛍光体は、紫外光領域の波長の光により励起され可視光領域の光を発光する請求項1〜10のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項12】
前記特殊観察用ユニットの前記第2光ファイバは、前記挿入部に内臓されている請求項1〜11のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項13】
前記挿入部は、処置具を先端部に案内する管路し、
前記特殊観察用ユニットは、前記第2光ファイバを前記管路に挿入することで、前記挿入部の先端に光を導波する請求項1〜11のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項14】
前記特殊観察用光源は、390nm〜470nmの波長域の光を射出する請求項1〜13のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項15】
さらに、前記第2光ファイバに接続され、前記フィルタにより透過率が低減される波長域の可視光を射出する補助光源を有し、
前記補助光源から射出された光は、前記第2光ファイバを導波され、前記挿入部の先端から射出される請求項1に記載の内視鏡。
【請求項16】
前記フィルタは、前記特殊観察用光源から射出される波長の光の波長域以下の波長域の光の透過率が、前記特殊観察用光源から射出される波長の光の波長域より大きい波長域の光の透過率よりも低い請求項15に記載の内視鏡。
【請求項17】
前記補助光源は、前記レーザ光源から射出された光が第1光ファイバから射出されている間は光を射出し、前記特殊観察用光源から射出された光が第2光ファイバから射出されている間は光を射出しない請求項15または16に記載の内視鏡。
【請求項18】
前記特殊観察用励起光源が、前記補助光源も兼ねており、前記前記特殊観察用励起光源と前記補助光源とが一つの光源である請求項15または16記載の内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−240516(P2009−240516A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90477(P2008−90477)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】