説明

加工装置

【課題】4個の加工手段を備えた加工装置を小型に構成することができる加工装置を提供する。
【解決手段】加工装置は、中心部に開口を備え回転可能に配設されたターンテーブルと、ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、ターンテーブルの該開口を挿通して立設された支柱と、支柱に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段と、ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物に複数の加工を施す加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる切断予定ラインによって多数の矩形領域を区画し、該矩形領域の各々に半導体回路を形成する。このように多数の半導体回路が形成された半導体ウエーハをストリートに沿って分離することにより、個々の半導体チップを形成する。また、サファイア基板等の表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスが形成された光デバイスウエーハは、分割予定ラインに沿って個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
【0003】
上述したように個々に分割されたチップの小型化および軽量化を図るために、通常、ウエーハをストリートに沿って切断し個々のチップに分割するのに先立って、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに形成している。ウエーハの裏面の研削は、一般にチャックテーブルに保持された被加工物を研削するための粗研削手段と仕上げ研削手段を備えた研削装置によって実施されている。しかるに、粗研削手段による粗研削加工と仕上げ研削手段による仕上げ研削加工は加工時間が異なるため、両研削作業を同期させることが難しい。このような問題を解消するために粗研削手段と仕上げ研削手段に加えて中仕上げ研削手段を備えた研削装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
また、ウエーハの裏面を研削すると、ウエーハの裏面にマイクロクラック等の加工歪が生成され、これによって個々に分割されたチップの抗折強度が相当低減される。この研削されたウエーハの裏面に生成される加工歪を除去するために、上記粗研削手段と中仕上げ研削手段および仕上げ研削手段に加えて研磨手段を備えた加工装置が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−15257号公報
【特許文献1】実公平4−2776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、上記特許文献2に開示された加工装置は、被加工物を保持するための複数のチャックテーブルが配設されたターンテーブルの外周に沿って粗研削手段と中仕上げ研削手段と仕上げ研削手段および研磨手段とからなる4個の加工手段が配設されるため、加工装置全体が大型となり、広い設置面積が必要となり設備コストを圧迫するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、4個の加工手段を備えた加工装置を小型に構成することができる加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術課題を解決するために、本発明によれば、中心部に開口を備え回転可能に配設されたターンテーブルと、
該ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、
該ターンテーブルの該開口を挿通して立設された支柱と、
該支柱に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、
該4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段と、
該ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域と、を具備している、
ことを特徴とする加工装置が提供される。
【0009】
上記4個の加工送り手段は、搬入・搬出領域と支柱とを結ぶ線を対称軸として線対称に配設されていることが望ましい。
また、上記4個の加工送り手段は、3個が被加工物を研削するための研削手段であり、1個が被加工物を研磨するための研磨手段である。
【発明の効果】
【0010】
本発明による加工装置は、中心部に開口を備え回転可能に配設されたターンテーブルと、ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、ターンテーブルの開口を挿通して立設された支柱と、支柱に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段とを具備し、ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域を設ける構成としたので、装置全体が小型となり、広い設置面積を必要としないため、設備コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従って構成された加工装置の斜視図。
【図2】図1に示す加工装置を構成するターンテーブルに配設された5個のチャックテーブルと4個の加工手段との関係を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には本発明に従って構成された加工装置の斜視図が示されている。
図1に示す加工装置は、全体を番号2で示す装置ハウジングを具備している。この装置ハウジング2は、細長く延在する直方体形状に形成されている。このように形成された装置ハウジング2の作業領域21には、ターンテーブル3が回転可能に配設されている。このターンテーブル3は、中心部に開口31が設けられた円環状に形成され、図示しないテーブル回動手段によって矢印Aで示す方向に適宜回転せしめられる。このように形成されたターンテーブル3には、図2に示すように上面に被加工物を保持する保持面を備えた5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが配設されている。この5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eは、開口31の周囲に正五角形の頂点の位置に配設されている。
【0014】
上述したように構成されたターンテーブル3の開口31を挿通して支柱5が立設されている。この支柱5は、上部に4個の取り付け面5a,5b,5c,5dを備えている。この4個の取り付け面5a,5b,5c,5dには、それぞれ上下方向(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に対して垂直な方向)に延びる一対の案内レール51、51が設けられている。
【0015】
このように構成された支柱5の4個の取り付け面5a,5b,5c,5dに加工手段6a,6b,6c,6dがそれぞれ一対の案内レール51、51に沿って移動可能に配設される。なお、図示の実施形態における加工手段6aは粗研削手段、加工手段6bは中仕上げ研削手段、加工手段6cは仕上げ研削手段、加工手段6dは研磨手段からなっている。粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dは、それぞれ移動基台61と、該移動基台61に装着されたスピンドルハウジング62と、該スピンドルハウジング62に回転自在に配設された回転スピンドル63と、該回転スピンドル63を回転駆動するためのサーボモータ64とを具備している。回転スピンドル63の下端部はスピンドルハウジング62の下端を越えて下方に突出せしめられており、その下端にはマウンター65が設けられている。このマウンター65の下面に加工工具66が装着される。なお、粗研削手段6aの加工工具66は粗研削砥石を備えた粗研削ホイールからなり、中仕上げ研削手段6bの加工工具66は中仕上げ研削砥石を備えた中仕上げ研削ホイールからなり、仕上げ研削手段6cの加工工具66は仕上げ研削砥石を備えた仕上げ研削ホイールからなり、研磨手段6dの加工工具66は研磨パッドを備えた研磨ホイールからなっている。このように構成された粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dの移動基台61には、それぞれ上記支柱5の4個の取り付け面5a,5b,5c,5dにそれぞれ設けられた一対の案内レール51、51と嵌合する一対の被案内溝611、611が形成されており、この一対の被案内溝611、611を一対の案内レール51、51に嵌合することにより、粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dはそれぞれ一対の案内レール51、51に沿って移動可能に構成される。
【0016】
図示の実施形態における加工装置は、上記粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dをそれぞれチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段7a、7b、7c、7dを具備している。4個の加工送り手段7a、7b、7c、7dは、周知のボールスクリュー式の移動機構からなっている。この4個の加工送り手段7a、7b、7c、7dは、それぞれパルスモータ71を正転および逆転駆動することにより、移動基台61即ち粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dを一対の案内レール51、51に沿って下方(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面に接近する方向)および上方(チャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eの上面である保持面から離反する方向)に移動せしめる。
【0017】
ここで、粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dの加工工具66と5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eとの関係について、図2を参照して説明する。
ターンテーブル3に配設された5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが図2に示す位置に位置付けられた状態においては、チャックテーブル4bが粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられ、チャックテーブル4cが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、チャックテーブル4dが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、チャックテーブル4eが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられるようになっている。そして、余りのチャックテーブル4aは、被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。このように位置付けられたチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eは、チャックテーブル4bの中心が粗研削手段6aの加工工具66が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4cの中心が中仕上げ研削手段6bの加工工具66が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4dの中心が仕上げ研削手段6cの加工工具66が通過する位置に位置付けられ、チャックテーブル4eの中心が研磨手段6dの加工工具66が通過する位置に位置付けられる。
【0018】
上述したように構成された加工装置は、5個のチャックテーブル4a、4b、4c、4d、4eが配設されたターンテーブル3の開口31を挿通して支柱5を立設し、この支柱5に4個の加工手段としての粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dを取り付ける構成としたので、装置全体が小型となり、広い設置面積を必要としないため、設備コストを抑制することができる。
また、図示の実施形態における加工装置は、支柱5の4個の取り付け面5a,5b,5c,5dに取り付けられた4個の加工手段としての粗研削手段6a、中仕上げ研削手段6b、仕上げ研削手段6c、研磨手段6dは、図2に示すように被加工物の搬入・搬出領域60eと支柱5の中心とを結ぶ線Bを対称軸として線対称に配設されている。剛性のバランスがよく加工精度が向上するとともに、左右で部品の共通化を図ることができ、部品点数を減らすことができる。
【0019】
図1に戻って説明を続けると、装置ハウジング2の作業領域21の前端部(図1において左下端部)には、第1のカセット11と、第2のカセット12と、中心合わせ手段13と、スピンナー洗浄手段14と、被加工物搬送手段15と、被加工物搬入手段16および被加工物搬出手段17が配設されている。第1のカセット11は加工前の被加工物としてのサファイアウエーハ、SiCウエーハ、半導体ウエーハ等のウエーハ10を収納し、装置ハウジング2のカセット搬入域に載置される。なお、第1のカセット11に収容されるウエーハ10は、表面に保護テープTを貼着した状態で裏面を上にして収容される。第2のカセット12は装置ハウジング2のカセット搬出域に載置され、加工後のウエーハ10を収納する。中心合わせ手段13は第1のカセット11と被加工物の搬入・搬出領域60eとの間に配設され、加工前のウエーハ10の中心合わせを行う。スピンナー洗浄手段14は被加工物の搬入・搬出領域60eと第2のカセット12との間に配設され、加工後のウエーハ10を洗浄する。被加工物搬送手段15は第1のカセット11と第2のカセット12との間に配設され、第1のカセット11内に収納された被加工物としてのウエーハ10を中心合わせ手段13に搬出するとともにスピンナー洗浄手段14で洗浄されたウエーハ10を第2のカセット12に搬送する。
【0020】
上記被加工物搬入手段16は中心合わせ手段13と被加工物の搬入・搬出領域60eとの間に配設され、中心合わせ手段13上に載置された加工前のウエーハ10を被加工物の搬入・搬出領域60eに位置付けられたチャックテーブル4(4a、4b、4c、4d、4e)上に搬送する。被加工物搬出手段17は、被加工物の搬入・搬出領域60eとスピンナー洗浄手段14との間に配設され、搬入・搬出領域60eに位置付けられたチャックテーブル4(4a、4b、4c、4d、4e)上に載置されている加工後のウエーハ10を洗浄手段14に搬送する。
【0021】
なお、加工前のウエーハ10を所定数収容した第1のカセット11は、装置ハウジング2所定のカセット搬入域に載置される。そして、カセット搬入域に載置された第1のカセット11に収容されていた加工前のウエーハ10が全て搬出されると、空のカセット11に代えて加工前の複数個のウエーハ10を所定数収容した新しいカセット11が手動でカセット搬入域に載置される。一方、装置ハウジング2の所定のカセット搬出域に載置された第2のカセット12に加工後のウエーハ10が所定数搬入されると、かかる第2のカセット12が手動で搬出され、新しい空の第2のカセット12が載置される。
【0022】
図示の実施形態における加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について主に図1を参照して説明する。
上記第1のカセット11に収容された加工前の被加工物であるウエーハ10は被加工物搬送手段15の上下動作および進退動作により搬送され、中心合わせ手段13に載置され6本のピンの中心に向かう径方向運動により中心合わせされる。中心合わせ手段13においてウエーハ10が中心合わせされたならば、被加工物搬入手段16を作動せしめて中心合わせ手段13において中心合わせされたウエーハ10を吸引保持し、被加工物の搬入・搬出領域60eに位置付けられているチャックテーブル4a上に搬送する。このようにしてチャックテーブル4a上に搬送されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4a上に吸引保持される。次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動して、ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aを粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付ける。なお、上記ターンテーブル3の回動により、チャックテーブル4bが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、チャックテーブル4cが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、チャックテーブル4dが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられ、チャックテーブル4eが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。
【0023】
粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられたチャックテーブル4aに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段6aによって荒研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられチャックテーブル4eには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4e上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4e上に吸引保持される。
【0024】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域60eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、チャックテーブル4bが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、チャックテーブル4cが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられ、チャックテーブル4dが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。
【0025】
上述したように、粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられチャックテーブル4eに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段6aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられたチャックテーブル4aに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段6bによって中仕上げ研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられチャックテーブル4dには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4d上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4d上に吸引保持される。
【0026】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域60eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、チャックテーブル4bが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられ、チャックテーブル4cが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。
【0027】
上述したように、粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられチャックテーブル4dに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段6aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられチャックテーブル4eに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段6bによって中仕上げ研削加工が施される。また、仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられチャックテーブル4aに保持され中仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、仕上げ研削手段6cによって仕上げ研削加工が施される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられチャックテーブル4cには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4c上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4c上に吸引保持される。
【0028】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域60eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4cが粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、上述したように仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられ、チャックテーブル4bが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。
【0029】
上述したように、粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられチャックテーブル4cに保持されたウエーハ10の裏面(上面)には、粗研削手段6aによって荒研削加工が施される。また、中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられたチャックテーブル4dに保持され荒研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、中仕上げ研削手段6bによって中仕上げ研削加工が施される。また、仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられたチャックテーブル4eに保持され中仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、仕上げ研削手段6cによって仕上げ研削加工が施される。また、研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられたチャックテーブル4aに保持され仕上げ研削加工が施されたウエーハ10の裏面(上面)には、研磨手段6dによって研磨加工が施され、研削加工によって生成された研削歪が除去される。なお、この間に被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられチャックテーブル4bには加工前のウエーハ10が載置される。そして、チャックテーブル4b上に載置されたウエーハ10は、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル4b上に吸引保持される。
【0030】
次に、ターンテーブル3を図示しない回転駆動機構によって矢印Aで示す方向に所定量回動する。この結果、搬入・搬出領域60eにおいて加工前のウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4bが粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60aに位置付けられ、上述したように荒研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4cが中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60bに位置付けられ、上述したように中仕上げ研削加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4dが仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cに位置付けられ、上述したように仕上げ研削加工が施されたウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4eが研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dに位置付けられ、上述したように研磨加工が施されウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル4aが被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられる。
【0031】
上述したように、粗研削手段6aの加工工具66が位置する加工領域60a、中仕上げ研削手段6bの加工工具66が位置する加工領域60b、仕上げ研削手段6cの加工工具66が位置する加工領域60cおよび研磨手段6dの加工工具66が位置する加工領域60dを経由して被加工物搬入・搬出域60eに戻ったチャックテーブル4aは、ここで研磨加工された半導体ウエーハの吸引保持を解除する。次に、被加工物搬出手段17を作動して、被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域60eに位置付けられたチャックテーブル4aに載置されている研磨加工後のウエーハ10をスピンナー洗浄手段14に搬送する。洗浄手段14に搬送されたウエーハ10は、ここで洗浄された後に被加工物搬送手段15よって第2のカセット12の所定位置に収納される。
【0032】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、図示の実施形態においては、4個の加工手段として3個の研削手段と1個の研磨手段を用いた例を示したが、4個の加工手段の全てを研削手段で構成することにより、サファイア等の硬質部材を効率よく所定の厚みに研削することができる。
また、上述した実施形態においてはターンテーブルに配設されるチャックテーブルを正五角形の頂点の位置に配置した例を示したが、必要に応じて正六角形、正七角形の頂点の位置にチャックテーブルを配置してもよい。
【符号の説明】
【0033】
2:装置ハウジング
3:ターンテーブル
4a、4b、4c、4d、4e:チャックテーブル
5:支柱
5a,5b,5c,5d:取り付け面
6a:粗研削手段
6b:中仕上げ研削手段
6c:仕上げ研削手段
6d:研磨手段
62:スピンドルハウジング
63:回転スピンドル
66:加工工具
7a、7b、7c、7d:加工送り手段
10:ウエーハ
11:第1のカセット
12:第2のカセット
13:中心合わせ手段
14:スピンナー洗浄手段
15:被加工物搬送手段
16:被加工物搬入手段
17:被加工物搬出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に開口を備え回転可能に配設されたターンテーブルと、
該ターンテーブルに正多角形の頂点の位置に配設され被加工物を保持する保持面を備えた少なくとも5個のチャックテーブルと、
該ターンテーブルの該開口を挿通して立設された支柱と、
該支柱に少なくとも5個のチャックテーブルのうちの4個のチャックテーブルに対応して配設された4個の加工手段と、
該4個の加工手段をそれぞれチャックテーブルの保持面に対して垂直な方向に移動せしめる4個の加工送り手段と、
該ターンテーブルを回動して4個のチャックテーブルを4個の加工送り手段による加工領域に位置付けた状態において余りのチャックテーブルに被加工物を搬入・搬出する搬入・搬出領域と、を具備している、
ことを特徴とする加工装置。
【請求項2】
該4個の加工送り手段は、該搬入・搬出領域と該支柱とを結ぶ線を対称軸として線対称に配設されている、請求項1記載の加工装置。
【請求項3】
該4個の加工送り手段は、3個が被加工物を研削するための研削手段であり、1個が被加工物を研磨するための研磨手段である、請求項1記載の加工装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−76198(P2012−76198A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225884(P2010−225884)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】