半導体装置およびその製造方法
【課題】プローブ針の先端を研磨する時間を短縮することと接触抵抗を低く安定させること。
【解決手段】半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜34と前記金属膜より硬い材料の層36とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域40と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域42とを備えるパッド16と、を具備する半導体装置。
【解決手段】半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜34と前記金属膜より硬い材料の層36とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域40と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域42とを備えるパッド16と、を具備する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、電子回路に電気的に接続するパッドを備える半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integrated circuit)等の半導体装置をウエーハ状態において試験する際には、プローブ針の先端をパッドに接触させて試験を実施する。パッドは電子回路と電気的に接続されており、プローブ針を介し電子回路の特性を測定することができる。プローブ針の先端がパッドに接触した際に、パッドを形成する金属片がプローブ針の先端に付着すると、プローブ針の先端とパッドとの接触抵抗が増大する。そこで、プローブ針の先端とパッドとを複数回接触させた後に、プローブ針は、ウエーハを配置したステージから研磨板に移動させ、プローブ針の先端の研磨を行なう。また、ウエーハ内にプローブ針の先端を研磨する領域を設け、プローブ針の先端をウエーハ内において研磨することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−210833号公報
【特許文献2】特開平5−175286号公報
【特許文献3】特開2006−86244号公報
【特許文献4】特開2006−237413号公報
【特許文献5】特開2005−159195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合、プローブ針を研磨板に移動させる時間を節約することができる。また、ウエーハの温度を変えて半導体装置の試験を行なう場合、研磨板を用いてプローブ針の先端を研磨した後にプローブ針の温度がウエーハの温度となるまで待機することになる。ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合、プローブ針の温度がウエーハの温度となるまでの時間も節約することができる。
【0005】
しかしながら、ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合においてもプローブ針を研磨する領域にプローブ針を移動させ、プローブ針の先端を研磨することになる。
【0006】
本半導体装置およびその製造方法は、プローブ針の先端を研磨する時間を短縮することと接触抵抗を低く安定させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、を具備することを特徴とする半導体装置を用いる。
【0008】
例えば、半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本半導体装置およびその製造方法によれば、プローブ針の先端を研磨する時間を短縮することと接触抵抗を低く安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、実施例1のウエーハの平面図、図1(b)は、チップ領域の平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、ウエーハにプローブ針の先端が接触している状態の断面図および平面図である。
【図3】図3(a)は、パッドの平面図,図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、パッドにプローブ針の先端を接触させる方法を示す断面図である。
【図5】図5は、プローブ針の先端をパッドに接触させた後のパッドの平面図である。
【図6】図6は、実施例1の変形例1のパッドの平面図である。
【図7】図7は、実施例1の変形例2のパッドの平面図である。
【図8】図8(a)から図8(c)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図9】図9(a)から図9(c)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その2)である。
【図10】図10(a)および図10(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その3)である。
【図11】図11(a)および図11(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その4)である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図13】図13は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1(a)は、実施例1のウエーハの平面図、図1(b)は、チップ領域の平面図である。図1(a)のように、ウエーハ10内に複数のチップ領域12がX方向およびY方向に配列している。なお、チップ領域12は、例えばウエーハ10を個片化した際にチップとなる領域である。ウエーハ10は、例えばシリコンウエーハである。図1(b)のように、チップ領域12の間にはスクライブライン14が形成されている。半導体基板上のチップ領域12内には電子回路15が形成されている。電子回路15は、例えばロジック回路、メモリ回路、またはロジックおよびメモリの混載回路等である。また、電子回路15は、トランジスタ等の回路要素が1つで形成されていてもよい。電子回路15を囲うように複数のパッド16が配列している。パッド16は、電子回路15と電気的に接続されている。
【0013】
図2(a)および図2(b)は、ウエーハにプローブ針の先端が接触している状態の断面図および平面図である。図2(a)のように、ウエーハ10が、プローバのステージ19上に配置されている。ウエーハ10上方にプローブカード20が配置されている。プローブカード20には、窓21が形成されている。窓21の周囲にはプローブ針18が配置されている。プローブ針18は、それぞれケーブルを介し測定器に接続される。図2(b)のように、プローブ針18の先端は、それぞれパッド16に接触している。その他の構成は図1(b)と同じであり説明を省略する。
【0014】
プローブ針18は、例えばタングステンまたはパラジウム等の金属から形成される。プローブ針18の先端径は、例えば10μmから30μmである。プローブカード20とステージ19とを接近させることにより、プローブ針18の先端がパッドに接触する。プローブカード20とステージ19とを離すことにより、プローブ針18の先端がパッド16から離れる。プローブ針18の先端をパッド16から離した状態でプローブカード20をステージ19に対し相対的に移動させる。これにより、プローブ針18を各チップ領域12のパッド16上に配置することができる。また、窓21およびプローブ針18がプローブカード20に複数設けられ、プロ−ブ針18の先端がウエーハに接触した際に複数の電子回路の測定を同時に行なうこともできる。
【0015】
図3(a)は、パッドの平面図,図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。図3(a)および図3(b)のように、半導体基板30上に絶縁膜32が形成されている。絶縁膜32は、例えば配線層の層間絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜である。絶縁膜32は、複数の層間絶縁膜を含んでもよい。また、絶縁膜32内に配線が形成されていてもよい。絶縁膜32上にパッド16が形成されている。このように、パッド16は半導体基板30上に形成されている。パッド16は主に金属膜34により形成されている。金属膜34内に層36が形成されている。パッド16には、上視した場合第1領域40と第2領域とが形成されている。第1領域40には、上視した場合層36と金属膜34とが配置されている。第2領域には、上視した場合、層36は形成されず、金属膜34が形成されている。金属膜34は例えばアルミニウム膜または銅膜により形成されている。層36は、金属膜34より硬い材料により形成されている。層36は、例えばタングステン、タンタルまたはチタン等の金属膜、または酸化炭化シリコン、窒化シリコン等の絶縁膜により形成されている。第1領域40において、層36は、上視した場合ドット状である。
【0016】
図4(a)から図4(d)は、パッドにプローブ針の先端を接触させる方法を示す断面図である。図4(a)から図4(d)は、図3(a)のA−A断面に相当する。図4(a)のように、パッド16の第1領域40の上方にプローブ針18を配置する。図4(b)のように、プローブ針18の先端をパッド16に押し当てる。例えば、ウエーハを搭載したステージを上昇させ、ウエーハ10をプローブカードに近づける。プローブ針18の先端が第1領域40においてパッド16に接触する。図4(c)のように、プローブ針18の先端は、パッド16に深く食い込みながら第2領域42の方向(プローブ針18の先端の方向)に移動する。プローブ針18の先端が第2領域42において金属膜34と接触した状態で静止する。この状態で電子回路の電気的特性を測定する。金属膜34は柔らかいため、金属膜34はプローブ針18の先端により削れる。一方、層36は硬いためほとんど削れない。パッド16には、プローブ針18が移動した痕38aとプローブ針18が静止した痕38bとが形成される。図4(d)のように、プローブ針18の先端が第1領域40の層36と接触しながら移動するように、プローブ針18の先端をパッド16から離す。例えば、ウエーハを搭載したステージを下降させ、ウエーハ10をプローブカードから遠ざける。プローブ針18は第1領域40の方向(プローブ針18の付け根方向)に後退する。この際、プローブ針18の先端が層36と擦れる。これにより、プローブ針18の先端に付着した金属膜の破片が除去される。
【0017】
図5は、プローブ針の先端をパッドに接触させた後のパッドの平面図である。図5のように、パッド16にプローブ針の痕38が形成されている。プローブ針が移動した痕38aにおいては、プローブ針痕38bに行くにしたがい、プローブ針痕の幅が広くなる。プローブ針が静止した痕38bにおいてプローブ針痕の幅は最大となる。
【0018】
図6は、実施例1の変形例1のパッドの平面図である。図6のように、層36aが上視した場合ストライプ状に形成されている。図7は、実施例1の変形例2のパッドの平面図である。図7のように、層36bが上視した場合格子状に形成されている。以上のように、第1領域40において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されていればよい。層36は例えばドット状、ストライプ状または格子状でもよい。なお、プローブ針18の先端が接触する領域において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されていることが好ましい。
【0019】
実施例1によれば、パッド16は、上視した場合層36と金属膜34とが配置された第1領域40と、層36が形成されていない第2領域42とを備える。これにより、図4(a)から図4(d)において説明したように、プローブ針18が静止した際は、第2領域42において金属膜34とプローブ針18の先端とが接触する。第2領域42には層36が形成されていないため、金属膜34とプローブ針18の先端との接触抵抗を小さくすることができる。一方、プローブ針18がパッドから離れる際に、第1領域40内をプローブ針18が移動する。第1領域40において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されているため、プローブ針18の先端が層36により研磨される。
【0020】
ウエーハ内のパッド16とは別の領域にプローブ針18の先端を研磨する研磨領域を設けた場合、プローブ針を研磨領域に移動させることになる。このため、時間がかかる。また、プローブ針18の先端にパッド16の金属片が付着した直後に金属片を除去できない。このため、金属片は酸化してしまう。例えばパッドがアルミニウムの場合、酸化アルミニウムが形成される。これにより、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗がより高くなってしまう。実施例1では、プローブ針18を用いた測定の直後にプローブ針18の先端をクリーニングできる。これにより、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗をより低下させることができる。このように、実施例1によれば、測定チップ毎にプローブ針18の先端を研磨するため、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗を低く安定させることができる。また、プローブ針18の先端を研磨する時間を短縮することができる。
【0021】
例えば、層36は金属膜34の上面上に形成されていてもよい。しかしながら、この場合、層36がプローブ針18を研磨する際に層36が金属膜34の上面から離脱しやすくなる。実施例1では、層36が金属膜34に埋め込まれている。これにより、層36がプローブ針18を研磨する際に層36が離脱することを抑制できる。層36は、金属膜34を上下に貫通するように形成されることが好ましい。これにより、層36の離脱をより抑制することができる。
【0022】
図2(a)および図2(b)のように、プローブ針18は、電子回路15の外側から延伸しパッド16に接触する。よって、第1領域40は電子回路15に対し外側に設けられ、第2領域42は電子回路15側に形成されることが好ましい。
【0023】
実施例1によれば、試験が終了した半導体装置のパッド16は、第1領域40にプローブ針18が移動した痕38aを、第2領域42にプローブ針18が静止した痕38bを、それぞれ備えることになる。
【実施例2】
【0024】
実施例2は、実施例1のパッドの作製方法である。図8(a)から図11(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図である。図8(a)のように、シリコン半導体基板30上に絶縁膜32を形成する。絶縁膜32は、例えば1層または複数層の層間絶縁膜である。絶縁膜32上に絶縁膜50を形成する。絶縁膜50は例えば炭化シリコンから形成される。絶縁膜50上に絶縁膜52を形成する。絶縁膜52は例えば酸化シリコンから形成される。絶縁膜52に凹部を形成する。凹部内および絶縁膜52の上面にバリア層54を形成する。バリア層54は、例えば膜厚が20nmのタンタル膜である。バリア層54上にシード層として例えば膜厚が130nmの銅膜を形成する。シード層上に例えば膜厚が1500nmの銅をめっき法を用い配線層56として形成する。絶縁膜52上のバリア層54および配線層56をCMP(Chemical
Mechanical Polish)法を用い研磨する。以上により、絶縁膜52に埋め込まれた配線層56が形成される。配線層56は、多層配線のうち例えば最上の配線層である。
【0025】
図8(b)のように、配線層56および絶縁膜52上に、例えば膜厚が100nmの炭化シリコン膜を絶縁膜60として形成する。絶縁膜60上に、例えば膜厚が1500nmの酸化シリコン膜を絶縁膜62として形成する。図8(c)のように、絶縁膜62上にフォトレジスト80を塗布する。露光現像することによりフォトレジスト80に開口82を形成する。開口82を備えるフォトレジスト80をマスクに絶縁膜62および絶縁膜60をエッチングする。
【0026】
図9(a)のように、絶縁膜62の開口内および絶縁膜62の上面に、例えば膜厚が50nmの窒化チタン膜をバリア層64として形成する。バリア層64上に、例えば膜厚が300nmのタングステン膜を金属層66として形成する。図9(b)のように、CMP法を用い、絶縁膜62上の金属層66およびバリア層64を除去する。これにより、金属層66から絶縁膜62を上下に貫通するコンタクトが形成される。コンタクトは配線層56とパッドとを電気的に接続する。図9(c)のように、絶縁膜62および金属層66上に例えば膜厚が60nmのチタン膜、膜厚が30nmの窒化チタン膜をバリア層70として形成する。バリア層70上に、例えば膜厚が1000nmのアルミニウム膜、膜厚が50nmの窒化チタン膜を金属膜72として形成する。
【0027】
図10(a)のように、金属膜72上にフォトレジスト84を塗布する。露光現像することにより、フォトレジスト84に開口86を形成する。開口86を備えたフォトレジスト84をマスクに金属膜72およびバリア層70をエッチングする。図10(b)のように、金属膜72の開口内および金属膜72の上面に、例えば膜厚が50nmの窒化チタン膜をバリア層74としてCVD(Chemical
Vapor Deposition)法を用い形成する。バリア層74上に、例えば膜厚が500nmのタングステン膜を層76としてCVD法を用い形成する。層76の膜厚を金属膜72に形成された開口の幅の1/2以上とすることにより、開口を層76により埋め込むことができる。例えば開口の幅を1μmとすることができる。
【0028】
図11(a)のように、CMP法を用い、金属膜72上の層76およびバリア層74を除去する。これにより、金属膜72を上下に貫通する層76が形成される。図11(b)のように、パッド16以外の金属膜72およびバリア層70をエッチングする。パッド16を覆うように、例えば膜厚が1400nmの酸化シリコン膜を保護膜78として形成する。保護膜78上に、例えば膜厚が500nmの窒化シリコン膜を保護膜79として形成する。パッド16上の保護膜79および78をエッチングし、パッド16の上面が露出する開口88を形成する。以上により、パッド16が形成される。
【0029】
実施例2のように、パッドを作製することができる。実施例2においては、金属膜72が実施例1の金属膜34に対応し、層76が実施例1の層36に対応する。実施例2においては、層76を金属を用い形成することができる。
【0030】
パッドの大きさは、例えば50×50μmとすることができる。層76の径は、例えば1μmとすることができる。図10(b)のように。層76を形成する際の層76の膜厚を薄くするため、層76の幅は小さいことが好ましい。例えば、層76の幅は1μm以下が好ましい。プローブ針の先端を層76を用いクリーニングするため、層76の間隔は、プローブ針の先端の径より小さいことが好ましい。層76の間隔は、例えば1μm〜10μmとすることができる。
【0031】
図12(a)から図13は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図である。実施例2の図8(a)から図10(a)までの工程を行なう。図12(a)のように、金属膜72の開口内および金属膜72の上面に、例えば膜厚が500nmの酸化炭化シリコン膜を層75としてCVD法を用い形成する。図12(b)のように、CMP法を用い、金属膜72上の層75を除去する。これにより、金属膜72を上下に貫通する層75が形成される。図13のように、実施例2の図11(b)と同様に、パッド16上に開口88を備える保護膜78および79を形成する。パッド16が形成される。
【0032】
実施例2の変形例ように、パッドを作製することができる。実施例2の変形例においては、金属膜72が実施例1の金属膜34に対応し、層75が実施例1の層36に対応する。実施例2の変形例においては、層75を絶縁体を用い形成することができる。
【0033】
実施例1および実施例2において、ウエーハ状態において電子回路を測定した後、スクライブラインでウエーハを切断しチップを形成することもできる。また、チップをパッケージ等に実装することもできる。
【0034】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
実施例1〜2を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、を具備することを特徴とする半導体装置。
付記2:前記層は、前記金属膜に埋め込まれていることを特徴とする付記1記載の半導体装置。
付記3:前記パッドは、前記第1領域にプローブ針が移動した痕を、前記第2領域に前記プローブ針が静止した痕を、それぞれ備えることを特徴とする付記1または2記載の半導体装置。
付記4:前記第1領域は電子回路に対し外側に設けられていることを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
付記5:前記層は、上視した場合ドット状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記6:前記層は、上視した場合ストライプ状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記7:前記層は、上視した場合メッシュ状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記8:半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0036】
10 ウエーハ
12 チップ領域
15 電子回路
16 パッド
34 金属膜
36 層
40 第1領域
42 第2領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、電子回路に電気的に接続するパッドを備える半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integrated circuit)等の半導体装置をウエーハ状態において試験する際には、プローブ針の先端をパッドに接触させて試験を実施する。パッドは電子回路と電気的に接続されており、プローブ針を介し電子回路の特性を測定することができる。プローブ針の先端がパッドに接触した際に、パッドを形成する金属片がプローブ針の先端に付着すると、プローブ針の先端とパッドとの接触抵抗が増大する。そこで、プローブ針の先端とパッドとを複数回接触させた後に、プローブ針は、ウエーハを配置したステージから研磨板に移動させ、プローブ針の先端の研磨を行なう。また、ウエーハ内にプローブ針の先端を研磨する領域を設け、プローブ針の先端をウエーハ内において研磨することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−210833号公報
【特許文献2】特開平5−175286号公報
【特許文献3】特開2006−86244号公報
【特許文献4】特開2006−237413号公報
【特許文献5】特開2005−159195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合、プローブ針を研磨板に移動させる時間を節約することができる。また、ウエーハの温度を変えて半導体装置の試験を行なう場合、研磨板を用いてプローブ針の先端を研磨した後にプローブ針の温度がウエーハの温度となるまで待機することになる。ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合、プローブ針の温度がウエーハの温度となるまでの時間も節約することができる。
【0005】
しかしながら、ウエーハ内においてプローブ針の先端を研磨する場合においてもプローブ針を研磨する領域にプローブ針を移動させ、プローブ針の先端を研磨することになる。
【0006】
本半導体装置およびその製造方法は、プローブ針の先端を研磨する時間を短縮することと接触抵抗を低く安定させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、を具備することを特徴とする半導体装置を用いる。
【0008】
例えば、半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本半導体装置およびその製造方法によれば、プローブ針の先端を研磨する時間を短縮することと接触抵抗を低く安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、実施例1のウエーハの平面図、図1(b)は、チップ領域の平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、ウエーハにプローブ針の先端が接触している状態の断面図および平面図である。
【図3】図3(a)は、パッドの平面図,図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、パッドにプローブ針の先端を接触させる方法を示す断面図である。
【図5】図5は、プローブ針の先端をパッドに接触させた後のパッドの平面図である。
【図6】図6は、実施例1の変形例1のパッドの平面図である。
【図7】図7は、実施例1の変形例2のパッドの平面図である。
【図8】図8(a)から図8(c)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図9】図9(a)から図9(c)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その2)である。
【図10】図10(a)および図10(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その3)である。
【図11】図11(a)および図11(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図(その4)である。
【図12】図12(a)および図12(b)は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図13】図13は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1(a)は、実施例1のウエーハの平面図、図1(b)は、チップ領域の平面図である。図1(a)のように、ウエーハ10内に複数のチップ領域12がX方向およびY方向に配列している。なお、チップ領域12は、例えばウエーハ10を個片化した際にチップとなる領域である。ウエーハ10は、例えばシリコンウエーハである。図1(b)のように、チップ領域12の間にはスクライブライン14が形成されている。半導体基板上のチップ領域12内には電子回路15が形成されている。電子回路15は、例えばロジック回路、メモリ回路、またはロジックおよびメモリの混載回路等である。また、電子回路15は、トランジスタ等の回路要素が1つで形成されていてもよい。電子回路15を囲うように複数のパッド16が配列している。パッド16は、電子回路15と電気的に接続されている。
【0013】
図2(a)および図2(b)は、ウエーハにプローブ針の先端が接触している状態の断面図および平面図である。図2(a)のように、ウエーハ10が、プローバのステージ19上に配置されている。ウエーハ10上方にプローブカード20が配置されている。プローブカード20には、窓21が形成されている。窓21の周囲にはプローブ針18が配置されている。プローブ針18は、それぞれケーブルを介し測定器に接続される。図2(b)のように、プローブ針18の先端は、それぞれパッド16に接触している。その他の構成は図1(b)と同じであり説明を省略する。
【0014】
プローブ針18は、例えばタングステンまたはパラジウム等の金属から形成される。プローブ針18の先端径は、例えば10μmから30μmである。プローブカード20とステージ19とを接近させることにより、プローブ針18の先端がパッドに接触する。プローブカード20とステージ19とを離すことにより、プローブ針18の先端がパッド16から離れる。プローブ針18の先端をパッド16から離した状態でプローブカード20をステージ19に対し相対的に移動させる。これにより、プローブ針18を各チップ領域12のパッド16上に配置することができる。また、窓21およびプローブ針18がプローブカード20に複数設けられ、プロ−ブ針18の先端がウエーハに接触した際に複数の電子回路の測定を同時に行なうこともできる。
【0015】
図3(a)は、パッドの平面図,図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。図3(a)および図3(b)のように、半導体基板30上に絶縁膜32が形成されている。絶縁膜32は、例えば配線層の層間絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜である。絶縁膜32は、複数の層間絶縁膜を含んでもよい。また、絶縁膜32内に配線が形成されていてもよい。絶縁膜32上にパッド16が形成されている。このように、パッド16は半導体基板30上に形成されている。パッド16は主に金属膜34により形成されている。金属膜34内に層36が形成されている。パッド16には、上視した場合第1領域40と第2領域とが形成されている。第1領域40には、上視した場合層36と金属膜34とが配置されている。第2領域には、上視した場合、層36は形成されず、金属膜34が形成されている。金属膜34は例えばアルミニウム膜または銅膜により形成されている。層36は、金属膜34より硬い材料により形成されている。層36は、例えばタングステン、タンタルまたはチタン等の金属膜、または酸化炭化シリコン、窒化シリコン等の絶縁膜により形成されている。第1領域40において、層36は、上視した場合ドット状である。
【0016】
図4(a)から図4(d)は、パッドにプローブ針の先端を接触させる方法を示す断面図である。図4(a)から図4(d)は、図3(a)のA−A断面に相当する。図4(a)のように、パッド16の第1領域40の上方にプローブ針18を配置する。図4(b)のように、プローブ針18の先端をパッド16に押し当てる。例えば、ウエーハを搭載したステージを上昇させ、ウエーハ10をプローブカードに近づける。プローブ針18の先端が第1領域40においてパッド16に接触する。図4(c)のように、プローブ針18の先端は、パッド16に深く食い込みながら第2領域42の方向(プローブ針18の先端の方向)に移動する。プローブ針18の先端が第2領域42において金属膜34と接触した状態で静止する。この状態で電子回路の電気的特性を測定する。金属膜34は柔らかいため、金属膜34はプローブ針18の先端により削れる。一方、層36は硬いためほとんど削れない。パッド16には、プローブ針18が移動した痕38aとプローブ針18が静止した痕38bとが形成される。図4(d)のように、プローブ針18の先端が第1領域40の層36と接触しながら移動するように、プローブ針18の先端をパッド16から離す。例えば、ウエーハを搭載したステージを下降させ、ウエーハ10をプローブカードから遠ざける。プローブ針18は第1領域40の方向(プローブ針18の付け根方向)に後退する。この際、プローブ針18の先端が層36と擦れる。これにより、プローブ針18の先端に付着した金属膜の破片が除去される。
【0017】
図5は、プローブ針の先端をパッドに接触させた後のパッドの平面図である。図5のように、パッド16にプローブ針の痕38が形成されている。プローブ針が移動した痕38aにおいては、プローブ針痕38bに行くにしたがい、プローブ針痕の幅が広くなる。プローブ針が静止した痕38bにおいてプローブ針痕の幅は最大となる。
【0018】
図6は、実施例1の変形例1のパッドの平面図である。図6のように、層36aが上視した場合ストライプ状に形成されている。図7は、実施例1の変形例2のパッドの平面図である。図7のように、層36bが上視した場合格子状に形成されている。以上のように、第1領域40において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されていればよい。層36は例えばドット状、ストライプ状または格子状でもよい。なお、プローブ針18の先端が接触する領域において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されていることが好ましい。
【0019】
実施例1によれば、パッド16は、上視した場合層36と金属膜34とが配置された第1領域40と、層36が形成されていない第2領域42とを備える。これにより、図4(a)から図4(d)において説明したように、プローブ針18が静止した際は、第2領域42において金属膜34とプローブ針18の先端とが接触する。第2領域42には層36が形成されていないため、金属膜34とプローブ針18の先端との接触抵抗を小さくすることができる。一方、プローブ針18がパッドから離れる際に、第1領域40内をプローブ針18が移動する。第1領域40において、上視した場合層36と金属膜34とが配置されているため、プローブ針18の先端が層36により研磨される。
【0020】
ウエーハ内のパッド16とは別の領域にプローブ針18の先端を研磨する研磨領域を設けた場合、プローブ針を研磨領域に移動させることになる。このため、時間がかかる。また、プローブ針18の先端にパッド16の金属片が付着した直後に金属片を除去できない。このため、金属片は酸化してしまう。例えばパッドがアルミニウムの場合、酸化アルミニウムが形成される。これにより、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗がより高くなってしまう。実施例1では、プローブ針18を用いた測定の直後にプローブ針18の先端をクリーニングできる。これにより、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗をより低下させることができる。このように、実施例1によれば、測定チップ毎にプローブ針18の先端を研磨するため、プローブ針18の先端とパッド16との接触抵抗を低く安定させることができる。また、プローブ針18の先端を研磨する時間を短縮することができる。
【0021】
例えば、層36は金属膜34の上面上に形成されていてもよい。しかしながら、この場合、層36がプローブ針18を研磨する際に層36が金属膜34の上面から離脱しやすくなる。実施例1では、層36が金属膜34に埋め込まれている。これにより、層36がプローブ針18を研磨する際に層36が離脱することを抑制できる。層36は、金属膜34を上下に貫通するように形成されることが好ましい。これにより、層36の離脱をより抑制することができる。
【0022】
図2(a)および図2(b)のように、プローブ針18は、電子回路15の外側から延伸しパッド16に接触する。よって、第1領域40は電子回路15に対し外側に設けられ、第2領域42は電子回路15側に形成されることが好ましい。
【0023】
実施例1によれば、試験が終了した半導体装置のパッド16は、第1領域40にプローブ針18が移動した痕38aを、第2領域42にプローブ針18が静止した痕38bを、それぞれ備えることになる。
【実施例2】
【0024】
実施例2は、実施例1のパッドの作製方法である。図8(a)から図11(b)は、実施例2のパッドの製造方法を示す断面図である。図8(a)のように、シリコン半導体基板30上に絶縁膜32を形成する。絶縁膜32は、例えば1層または複数層の層間絶縁膜である。絶縁膜32上に絶縁膜50を形成する。絶縁膜50は例えば炭化シリコンから形成される。絶縁膜50上に絶縁膜52を形成する。絶縁膜52は例えば酸化シリコンから形成される。絶縁膜52に凹部を形成する。凹部内および絶縁膜52の上面にバリア層54を形成する。バリア層54は、例えば膜厚が20nmのタンタル膜である。バリア層54上にシード層として例えば膜厚が130nmの銅膜を形成する。シード層上に例えば膜厚が1500nmの銅をめっき法を用い配線層56として形成する。絶縁膜52上のバリア層54および配線層56をCMP(Chemical
Mechanical Polish)法を用い研磨する。以上により、絶縁膜52に埋め込まれた配線層56が形成される。配線層56は、多層配線のうち例えば最上の配線層である。
【0025】
図8(b)のように、配線層56および絶縁膜52上に、例えば膜厚が100nmの炭化シリコン膜を絶縁膜60として形成する。絶縁膜60上に、例えば膜厚が1500nmの酸化シリコン膜を絶縁膜62として形成する。図8(c)のように、絶縁膜62上にフォトレジスト80を塗布する。露光現像することによりフォトレジスト80に開口82を形成する。開口82を備えるフォトレジスト80をマスクに絶縁膜62および絶縁膜60をエッチングする。
【0026】
図9(a)のように、絶縁膜62の開口内および絶縁膜62の上面に、例えば膜厚が50nmの窒化チタン膜をバリア層64として形成する。バリア層64上に、例えば膜厚が300nmのタングステン膜を金属層66として形成する。図9(b)のように、CMP法を用い、絶縁膜62上の金属層66およびバリア層64を除去する。これにより、金属層66から絶縁膜62を上下に貫通するコンタクトが形成される。コンタクトは配線層56とパッドとを電気的に接続する。図9(c)のように、絶縁膜62および金属層66上に例えば膜厚が60nmのチタン膜、膜厚が30nmの窒化チタン膜をバリア層70として形成する。バリア層70上に、例えば膜厚が1000nmのアルミニウム膜、膜厚が50nmの窒化チタン膜を金属膜72として形成する。
【0027】
図10(a)のように、金属膜72上にフォトレジスト84を塗布する。露光現像することにより、フォトレジスト84に開口86を形成する。開口86を備えたフォトレジスト84をマスクに金属膜72およびバリア層70をエッチングする。図10(b)のように、金属膜72の開口内および金属膜72の上面に、例えば膜厚が50nmの窒化チタン膜をバリア層74としてCVD(Chemical
Vapor Deposition)法を用い形成する。バリア層74上に、例えば膜厚が500nmのタングステン膜を層76としてCVD法を用い形成する。層76の膜厚を金属膜72に形成された開口の幅の1/2以上とすることにより、開口を層76により埋め込むことができる。例えば開口の幅を1μmとすることができる。
【0028】
図11(a)のように、CMP法を用い、金属膜72上の層76およびバリア層74を除去する。これにより、金属膜72を上下に貫通する層76が形成される。図11(b)のように、パッド16以外の金属膜72およびバリア層70をエッチングする。パッド16を覆うように、例えば膜厚が1400nmの酸化シリコン膜を保護膜78として形成する。保護膜78上に、例えば膜厚が500nmの窒化シリコン膜を保護膜79として形成する。パッド16上の保護膜79および78をエッチングし、パッド16の上面が露出する開口88を形成する。以上により、パッド16が形成される。
【0029】
実施例2のように、パッドを作製することができる。実施例2においては、金属膜72が実施例1の金属膜34に対応し、層76が実施例1の層36に対応する。実施例2においては、層76を金属を用い形成することができる。
【0030】
パッドの大きさは、例えば50×50μmとすることができる。層76の径は、例えば1μmとすることができる。図10(b)のように。層76を形成する際の層76の膜厚を薄くするため、層76の幅は小さいことが好ましい。例えば、層76の幅は1μm以下が好ましい。プローブ針の先端を層76を用いクリーニングするため、層76の間隔は、プローブ針の先端の径より小さいことが好ましい。層76の間隔は、例えば1μm〜10μmとすることができる。
【0031】
図12(a)から図13は、実施例2の変形例のパッドの製造方法を示す断面図である。実施例2の図8(a)から図10(a)までの工程を行なう。図12(a)のように、金属膜72の開口内および金属膜72の上面に、例えば膜厚が500nmの酸化炭化シリコン膜を層75としてCVD法を用い形成する。図12(b)のように、CMP法を用い、金属膜72上の層75を除去する。これにより、金属膜72を上下に貫通する層75が形成される。図13のように、実施例2の図11(b)と同様に、パッド16上に開口88を備える保護膜78および79を形成する。パッド16が形成される。
【0032】
実施例2の変形例ように、パッドを作製することができる。実施例2の変形例においては、金属膜72が実施例1の金属膜34に対応し、層75が実施例1の層36に対応する。実施例2の変形例においては、層75を絶縁体を用い形成することができる。
【0033】
実施例1および実施例2において、ウエーハ状態において電子回路を測定した後、スクライブラインでウエーハを切断しチップを形成することもできる。また、チップをパッケージ等に実装することもできる。
【0034】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
実施例1〜2を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:半導体基板上に形成された電子回路と、前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、を具備することを特徴とする半導体装置。
付記2:前記層は、前記金属膜に埋め込まれていることを特徴とする付記1記載の半導体装置。
付記3:前記パッドは、前記第1領域にプローブ針が移動した痕を、前記第2領域に前記プローブ針が静止した痕を、それぞれ備えることを特徴とする付記1または2記載の半導体装置。
付記4:前記第1領域は電子回路に対し外側に設けられていることを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
付記5:前記層は、上視した場合ドット状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記6:前記層は、上視した場合ストライプ状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記7:前記層は、上視した場合メッシュ状であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
付記8:半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0036】
10 ウエーハ
12 チップ領域
15 電子回路
16 パッド
34 金属膜
36 層
40 第1領域
42 第2領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された電子回路と、
前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記層は、前記金属膜に埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッドは、前記第1領域にプローブ針が移動した痕を、前記第2領域に前記プローブ針が静止した痕を、それぞれ備えることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1領域は電子回路に対し外側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、
プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、
前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に形成された電子回路と、
前記半導体基板上に形成され、前記電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるパッドと、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記層は、前記金属膜に埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッドは、前記第1領域にプローブ針が移動した痕を、前記第2領域に前記プローブ針が静止した痕を、それぞれ備えることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1領域は電子回路に対し外側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板上に形成された電子回路と電気的に接続し、金属膜と前記金属膜より硬い材料の層とを備え、上視した場合前記層と前記金属膜とが配置された第1領域と、前記金属膜が配置され前記層が形成されない第2領域とを備えるように、前記半導体基板上にパッドを形成する工程と、
プローブ針の先端を前記第2領域の前記金属膜に接触させた状態で、前記電子回路の特性を測定する工程と、
前記プローブ針の先端が前記第1領域の前記層と接触しながら移動するように、前記プローブ針の先端を前記パッドから離す工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−84561(P2012−84561A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226911(P2010−226911)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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