説明

回転角検出装置、トルクセンサ

【課題】 温度変化により検出精度が低下しないトルクセンサを提供する。
【解決手段】 鋼製入力軸23a及び出力軸23bは膨張量は小さい。これに対して、アルミニューム合金製ピニオンハウジング25は大きく膨張する。しかしながら、ステータ35S、37Sを保持するステータ保持部材36は、アルミニューム合金製であり、ピニオンハウジング25の凹部25aの上端面25uに、フランジ36uが当接しているので、可撓性を有する留め輪38側、即ち、ピニオンハウジング25と逆方向に膨張する。このため、ピニオンハウジング25の膨張を、ステータ保持部材36の膨張で打ち消し、ロータ35R、37Rとステータ35S、37Sとの軸線C方向のずれ量を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と、該第1部材の外周に配置され第1部材と熱膨張率が異なる材質で形成された第2部材との間に取り付けられた回転角センサにより回転角を検出する回転角検出装置及びトルクセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ステアリング軸に連結された操舵機構へモータによるアシスト力を与えることにより、ステアリングホイールによる操舵力を軽減させる電気式動力舵取装置が知られている。このような電気式動力舵取装置において、トーションバー式のトルクセンサが、操舵トルクの検出に用いられることがある。
【0003】
このトルクセンサの構成について、図7を参照して説明する。
ステアリング側からの炭素鋼製入力軸23aおよびトーションバー31は、ピン32により連結されている。またこのトーションバー31の他端側には、ピニオン軸側への炭素鋼製出力軸23bが連結されている。出力軸23bは、ベアリング33により、アルミニューム合金製ハウジング25内を回動自在に軸受されており、さらに入力軸23aとピニオンハウジング25との間には、第1レゾルバ35が、また出力軸23bとハウジング25との間には、第2レゾルバ37が、それぞれ設けられている。このように構成することにより、ステアリング側からの入力軸23aとピニオン軸側への出力軸23bとをトーションバー31により相対回転可能に連結することができるとともに、ステアリング軸の回転角(舵角)を第1レゾルバ35によって検出できる。また、第1操舵角と第2操舵角の角度差からトーションバー31の捻れ量(操舵トルクに対応するもの)を検出することができる。
係るトルクセンサを用いる電気式動力舵取装置として、例えば、特許文献1がある。
【特許文献1】特開2003−327137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図7を参照して上述したトルクセンサは、温度特性が悪く、温度変化によりレゾルバの出力が変化して、トルク検出値が温度により変わるという課題があった。
この原因を本発明者が検討した結果、第1、第2レゾルバ35、37のロータ35R、37R側を支持する入力軸23a及び出力軸23bは、熱膨張率の低い炭素鋼製であり、ステータ35S、37S側を支持するハウジング25は、熱膨張率の高いアルミニューム合金製であり、温度変化により、ロータ35R、37Rとステータ35S、37Sとのスラスト方向相対位置がずれて、出力が変化しているとの結論に至った。
【0005】
本発明の回転角検出装置は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、温度変化により検出精度が低下しない回転角検出装置、トルクセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、第1部材23a、23bと、該第1部材の外周に配置され前記第1部材よりも熱膨張率の大きな材質で形成された第2部材25と、前記第1部材23a、23bと前記第2部材25との間に介在し、当該第2部材に対して第1部材を相対的に回転可能に支持する支持部材33と、
前記第1部材23a、23bの外周面に取り付けられた内周側環状体35R、37Rと、該内周側環状体と対向するように前記第2部材25の内周面に取り付けられた外周側環状体35S、37Sとからなる回転角センサ35、37と、を備える回転角検出装置30において、
前記外周側環状体35S、37Sを、前記第1部材23a、23bよりも熱膨張率の大きな材質で形成された筒状保持部材36であって、2つの開口端部の内の前記支持部材33から遠い側の開口端部36u側が、前記第2部材に対して固定された筒状保持部材36にて保持したことを技術的特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、第1部材23と、該第1部材23の外周に配置され前記第1部材23よりも熱膨張率の小さな材質で形成された第2部材25と、
前記第1部材23と前記第2部材25との間に介在し、当該第2部材25に対して第1部材23を相対的に回転可能に支持する支持部材33と、
前記第1部材23の外周面に取り付けられた内周側環状体35Rと、該内周側環状体と対向するように前記第2部材25の内周面に取り付けられた外周側環状体35Sとからなる回転角センサ35と、を備える回転角検出装置において、
前記内周側環状体35Rを、前記第2部材25よりも熱膨張率の大きな材質で形成された筒状保持部材36であって、2つの開口端部の内の前記支持部材33から遠い側の開口端部36u側が、前記第1部材23に対して固定された筒状保持部材36にて保持したことを技術的特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、トーションバー31の一端に鋼製入力軸23aを固定し、他端に鋼製出力軸23bを固定し、前記入力軸23a及び出力軸23bをアルミニューム合金製ハウジング25内にベアリング33を介して回動可能に支持し、前記入力軸23aと前記ハウジング25とに第1のレゾルバ35のロータ35Rとステータ35Sとを配置し、前記出力軸23bと前記ハウジング25とに第2のレゾルバ37のロータ37Rとステータ37Sとを配置し、第1のレゾルバ35と第2のレゾルバ37とで求めた回転角の差分に基づき該トーションバー31に加わったトルクを検出するトルクセンサ30において、
前記第1レゾルバ35のステータ35Sと、第2レゾルバ37のステータ37Sとを、アルミニューム合金製筒状保持部材36であって、2つの開口端部の内の前記ベアリング33から遠い側の開口端部36u側が、前記ハウジング25に対して固定された筒状保持部材36にて保持したことを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の回転角検出装置では、第2部材25が第1部材23a、23bよりも熱膨張率の大きな材質で形成されているので、熱が加わると支持部材33を基準として第2部材25側が第1部材23a、23b側よりも大きく熱膨張する。ここで、外周側環状体35S、37Sを保持する筒状保持部材36は、熱膨張率の大きな材質で形成され、支持部材33から遠い側の開口端部36u側が第2部材25に対して固定されているため、支持部材33を基準として第2部材25が変形する方向と逆方向に熱膨張する。従って、高温下でも大きく膨張しない第1部材23a、23b側に固定された内周側環状体35R、37Rと、高温下での第2部材25の熱膨張をキャンセルする筒状保持部材36に保持された外周側環状体35S、37Sとは、温度変化によってスラスト方向の相対位置があまり変化せず、回転角センサ35、37の出力が変化しない。このため、該回転角センサ35、37の精度を温度変化により低下させることがなくなる。
【0010】
請求項2の回転角検出装置では、第2部材25が第1部材23よりも熱膨張率の小さな材質で形成されているので、熱が加わると支持部材33を基準として第1部材23側が第2部材25側よりも大きく熱膨張する。ここで、内周側環状体35Rを保持する筒状保持部材36は、熱膨張率の大きな材質で形成され、支持部材33から遠い側の開口端部36u側が第1部材23に対して固定されているため、支持部材33を基準として第1部材23が変形する方向と逆方向に熱膨張する。従って、高温下でも大きく膨張しない第2部材25側に固定された外周側環状体35Sと、高温下での第1部材23の熱膨張をキャンセルする筒状保持部材36に保持された内周側環状体35Rとは、温度変化によってスラスト方向の相対位置があまり変化せず、回転角センサ35の出力が変化しない。このため、該回転角センサの精度を温度変化により低下させることがなくなる。
【0011】
請求項3のトルクセンサ30では、ハウジング25が鋼製入力軸23a、出力軸23bよりも熱膨張率の大きなアルミニューム合金で形成されているので、熱が加わるとベアリング33を基準としてハウジング25側が入力軸23a、出力軸23b側よりも大きく熱膨張する。ここで、ステータ35S、37Sを保持する筒状保持部材36は、熱膨張率の大きなアルミニューム合金で形成され、ベアリング33から遠い側の開口端部36u側がハウジング25に対して固定されているため、ベアリング33を基準としてハウジング25が変形する方向と逆方向に熱膨張する。従って、高温下でも大きく膨張しない入力軸23a、出力軸23b側に固定されたロータ35R、37Rと、高温下でのハウジング25の熱膨張をキャンセルする筒状保持部材36に保持されたステータ35S、37Sとは、温度変化によってスラスト方向の相対位置があまり変化せず、レゾルバ35、37の出力が変化しない。このため、該レゾルバの精度を温度変化により低下させることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る回転角検出装置、トルクセンサを用いる電気式動力舵取装置の実施形態について図を参照して説明する。
まず、電気式動力舵取装置20の主な構成を図1、図2に基づいて説明する。図1は、電気式動力舵取装置20の全体構成を、図2は図1に示す一点鎖線IIによる楕円内の拡大図である。電気式動力舵取装置20は、主に、ステアリングホイール21、ステアリング軸22、ピニオン軸23、ラック軸24、トルクセンサ30、モータ40、ボールねじ機構50等から構成されており、ステアリングホイール21による操舵状態を検出し、その操舵状態に応じたアシスト力をモータ40により発生させて運転者による操舵をアシストするものである。なお、ラック軸24の両側には、それぞれタイロッド等を介して図略の車輪が連結されている。
【0013】
即ち、図1および図2に示すように、ステアリングホイール21には、ステアリング軸22の一端側が連結され、このステアリング軸22の他端側には、アルミニューム合金製ピニオンハウジング25内に収容されたピニオン軸23の炭素鋼製入力軸23aおよびトーションバー31がピン32により連結されている。またこのトーションバー31の他端側31aには、ピニオン軸23の炭素鋼製出力軸23bがスプライン結合によって連結されている。
【0014】
この出力軸23bは、ベアリング33によりピニオンハウジング25内を回動自在に軸受されており、さらに入力軸23aとピニオンハウジング25との間には、第1レゾルバ35のロータ35R、ステータ35Sが、また出力軸23bとピニオンハウジング25との間には、第2レゾルバ37のロータ37R、ステータ37Sが、それぞれ設けられている。第1レゾルバ35および第2レゾルバ37は、ステアリングホイール21による操舵角を検出し得るもので、端子39を介してECU(図略)にそれぞれ電気的に接続されている。
【0015】
ピニオン軸23の出力軸23bの端部には、ピニオンギヤ23cが形成されており、このピニオンギヤ23cにはラック軸24のラック溝24aが噛合可能に連結されている。これにより、ラックアンドピニオン機構を構成している。
【0016】
このように構成することにより、ステアリング軸22とピニオン軸23とをトーションバー31により相対回転可能に連結することができるとともに、ステアリング軸22の回転角、即ちステアリングホイール21の回転角を、第1レゾルバ35によって検出することができる。また、第1操舵角と第2操舵角との角度差からトーションバー31の捻れ量(操舵トルクに対応するもの)を捻れ角として検出することができる。
【0017】
ラック軸24は、ラックハウジング26およびモータハウジング27内に収容されており、その中間部にはモータ40が配置され、モータの回転によりラック軸24を軸方向に移動可能なボールねじ機構50が設けられてている。即ち、ボールねじ機構50により、モータ40の正逆回転の回転トルクをラック軸24の軸線方向における往復動に変換することができる。これにより、この往復動は、ラック軸24とともにラックアンドピニオン機構を構成するピニオン軸23を介してステアリングホイール21の操舵力を軽減するアシストカとなる。
【0018】
図2中の第1レゾルバ35及び第2レゾルバ37を拡大して図3中に示す。
第1レゾルバ35のロータ35Rは、入力軸23aの下端近傍に保持され、第2レゾルバ37のロータ37Rは、出力軸23bの上端近傍に保持されている。一方、第1レゾルバ35のステータ35S及び第2レゾルバ37のステータ37Sは、ステータ保持部材36に保持された状態で、ピニオンハウジング25の内周面に固定されている。
【0019】
図4(A)にピニオンハウジング25の断面図を示し、図4(B)にステータ保持部材36の断面図を示す。ステータ保持部材36は、ピニオンハウジング25と同じアルミニューム合金からなる筒状に形成され、上端及び下端には、内周側を指向するフランジ36u、36dが設けられている。上端側フランジ36uと下端側フランジ36dとの間隔D1は、ステータ35S及びステータ37Sの高さD2と高さD3とを加えたものより大きく設定されており、図3中に示すようにステータ35S及びステータ37Sは、上端側フランジ36uと下端側フランジ36dとの間で僅かな間隙をあけて保持されている。当該ステータ保持部材36を固定するために、ピニオンハウジング25の内周には、略円筒形状の凹部25aが形成され、凹部25aの上端面25uは、ステータ保持部材36の上端側フランジ36uと当接するように水平形状に形成されている。凹部25aの下端には、図3中に示す断面楔形状の留め輪38を収容する鈎溝25dが形成されている。鈎溝25dは、下端面に傾斜が付けられている。留め輪38は、可撓性を有する金属からなるサークリップで、図3中に示すように、テーパ断面の留め輪38により、ステータ保持部材36の上端側フランジ36uは、凹部25aの上端面25u側へ押し当てられている。
【0020】
図5はトルクセンサ内での熱変形を説明する模式図である。
応力の加わる入力軸23a及び出力軸23bは、熱膨張率の低い炭素鋼製であり、温度変化による変形は小さい。一方、応力の加わらないピニオンハウジング25は、軽量化のため熱膨張率の大きなアルミニューム合金製であり、温度変化による変形が大きい。ピニオンハウジング25が車両側に固定されており、ベアリング33を介して、出力軸23bが回転可能に支持されている。入力軸23aは、回転ストッパ34a、メタル34bを介して、出力軸23bに回転可能に支持され、図2中に示すようにトーションバー31にピン32を介して固定されている。
【0021】
図5は、第1レゾルバ35及び第2レゾルバ37のロータ35R、37Rとステータ35S、37Sとの軸線C側、即ち、スラスト方向のズレを説明するための図である。このため、ベアリング33を中心として、入力軸23a及び出力軸23b、ピニオンハウジング25の軸線C方向への線膨張量を矢印で模式的に示している。車両走行中にエンジンルーム内の温度が上昇すると、入力軸23a及び出力軸23bは、図中矢印で示すように線膨張するが、炭素鋼製であるため、線膨張量は小さい。これに対して、ピニオンハウジング25は、アルミニューム合金製であるため、大きく線膨張する。しかしながら、ステータ35S、37Sを保持するステータ保持部材36は、アルミニューム合金製であり、ピニオンハウジング25の凹部25aの上端面25uに上端側フランジ36uが当接しているため、可撓性を有する留め輪38側、即ち、ピニオンハウジング25の線膨張方向と逆方向に線膨張する。即ち、ピニオンハウジング25の線膨張を、ステータ保持部材36の線膨張で打ち消し、ロータ35R、37Rとステータ35S、37Sとの軸線C方向のずれ量を小さくすることができる。
【0022】
特に、第1実施形態の構成では、入力軸23aは、図2中に示すようにトーションバー31にピン32を介して固定されている。従って、ベアリング33を中心として、鋼製のトーションバー31が線膨張する方向(図5中で上向き)と反対方向に、入力軸23aの下端側が線膨張する。トーションバー31の線膨張と入力軸23aの線膨張とが打ち消し合うことで、ロータ35Rの位置ずれ量は特に小さい。このため、上記構成を取ることで、ロータ35Rとステータ35Sとの軸線C方向のずれ量を小さくすることができる。
【0023】
第1実施形態のトルクセンサにおいて、高温下でも大きく膨張しない入力軸23a、出力軸23b側に固定されたロータ35R、37Rと、高温下でのピニオンハウジング25の熱膨張をキャンセルするステータ保持部材36に保持されたステータ35S、37Sとは、温度変化によってスラスト方向の相対位置があまり変化せず、第1、第2レゾルバ35、37の出力が変化しない。このため、第1、第2レゾルバ35、37の精度を温度変化により低下させることがなくなる。
【0024】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る回転角検出装置の構成を示す構成図である。
図2〜図5を参照して上述したトルクセンサにおいては、軸側が低熱膨張率の炭素鋼製で、ハウジング側が高膨張率のアルミニューム合金製であった。これに対して、第2実施形態では、軸23側が高膨張率のアルミニューム合金製で、ハウジング25側が低熱膨張率の炭素鋼製である。第2実施形態の回転角検出装置では、ハウジング25に対して、ベアリング33を介して軸23が回転可能に保持されている。軸23には、凹部23dが形成され、アルミニューム合金製のロータ保持部材36を介して、レゾルバ35のロータ35Rが取り付けられている。ロータ保持部材36は、可撓性を有する留め輪38によって、ロータ保持部材の上端側のフランジ36uが、凹部23dの上端面23uへ押し当てられている。一方、ハウジング25の内周面にはレゾルバ35のステータ35Sが固定されている。
【0025】
温度が上昇すると、ピニオンハウジング25は、図中矢印で示すように線膨張するが、炭素鋼製であるため、線膨張量は小さい。これに対して、軸23は、アルミニューム合金製であるため、大きく線膨張する。しかしながら、ロータ35Rを保持するロータ保持部材36は、アルミニューム合金製であり、軸23の凹部23dの上端面23uに、フランジ36uが当接しているため、可撓性を有する留め輪38側、即ち、軸23の線膨張方向と逆方向に線膨張する。即ち、軸23の線膨張を、ロータ保持部材36の線膨張で打ち消し、ロータ35Rとステータ35Sとのスラスト方向のずれ量を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
上述した実施形態では、回転角センサとしてレゾルバを用いる例を挙げたが、本発明の構成は、例えば、スリット板とフォトインタラプタとを用いる光学式回転角センサ、磁気式、ロータリーエンコーダ等の回転角センサ等にも適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気式動力舵取装置の構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す一点鎖線IIによる楕円内の拡大図である。
【図3】図2中の第1レゾルバ及び第2レゾルバの拡大図である。
【図4】(A)はピニオンハウジングの断面図であり、(B)はステータ保持部材の断面図である。
【図5】トルクセンサ内での熱変形を説明する模式図である。
【図6】第2実施形態のトルクセンサの構成を示す構成図である。
【図7】従来技術のトルクセンサの構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0028】
20 電気式動力舵取装置
23 ピニオン軸
23a 入力軸
23b 出力軸
23c ピニオンギヤ
24 ラック軸
25 ピニオンハウジング
30 トルクセンサ
31 トーションバー
33 ベアリング
35 第1レゾルバ
35S ステータ
35R ロータ
36 ロータ保持部材、ステータ保持部材
37 第2レゾルバ
37S ステータ
37R ロータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、該第1部材の外周に配置され前記第1部材よりも熱膨張率の大きな材質で形成された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に介在し、当該第2部材に対して第1部材を相対的に回転可能に支持する支持部材と、
前記第1部材の外周面に取り付けられた内周側環状体と、該内周側環状体と対向するように前記第2部材の内周面に取り付けられた外周側環状体とからなる回転角センサと、を備える回転角検出装置において、
前記外周側環状体を、前記第1部材よりも熱膨張率の大きな材質で形成された筒状保持部材であって、2つの開口端部の内の前記支持部材から遠い側の開口端部側が、前記第2部材に対して固定された筒状保持部材にて保持したことを特徴とする回転角検出装置。
【請求項2】
第1部材と、該第1部材の外周に配置され前記第1部材よりも熱膨張率の小さな材質で形成された第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に介在し、当該第2部材に対して第1部材を相対的に回転可能に支持する支持部材と、
前記第1部材の外周面に取り付けられた内周側環状体と、該内周側環状体と対向するように前記第2部材の内周面に取り付けられた外周側環状体とからなる回転角センサと、を備える回転角検出装置において、
前記内周側環状体を、前記第2部材よりも熱膨張率の大きな材質で形成された筒状保持部材であって、2つの開口端部の内の前記支持部材から遠い側の開口端部側が、前記第1部材に対して固定された筒状保持部材にて保持したことを特徴とする回転角検出装置。
【請求項3】
トーションバーの一端に鋼製入力軸を固定し、他端に鋼製出力軸を固定し、前記入力軸及び出力軸をアルミニューム合金製ハウジング内にベアリングを介して回動可能に支持し、前記入力軸と前記ハウジングとに第1のレゾルバのロータとステータとを配置し、前記出力軸と前記ハウジングとに第2のレゾルバのロータとステータとを配置し、第1のレゾルバと第2のレゾルバとで求めた回転角の差分に基づき該トーションバーに加わったトルクを検出するトルクセンサにおいて、
前記第1レゾルバのステータと、第2レゾルバのステータとを、アルミニューム合金製筒状保持部材であって、2つの開口端部の内の前記ベアリングから遠い側の開口端部側が、前記ハウジングに対して固定された筒状保持部材にて保持したことを特徴とするトルクセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−300815(P2006−300815A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124990(P2005−124990)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(302066630)株式会社ファーベス (138)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】