説明

基板処理装置及び基板搬送方法並びにその方法を実施するためのプログラムを記憶する記憶媒体

【課題】処理済ウエハを搬送するときにも未処理ウエハより速度を上げて搬送可能とし,これによって従来以上に処理全体のスループットを向上させる。
【解決手段】ローダアーム機構200のピックを基板保持可能範囲を拡大して位置ずれが発生してもウエハを保持できるようにし,トランスファアーム機構300を搬送制御する際,そのピック上に未処理ウエハWがあるか否かを判断し,未処理ウエハなしと判断した場合は,ピック上にウエハなしの場合のみならず,処理済ウエハありの場合についても,ピック上に未処理ウエハありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,トランスファチャンバとローダチャンバとの間で基板をやり取りする基板処理装置及び基板搬送方法並びにその方法を実施するためのプログラムを記憶する記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板処理装置は,半導体ウエハなどの基板に対して所定の処理を行う複数のプロセスチャンバを接続したトランスファチャンバを有する真空圧雰囲気のプロセスモジュールと,そのトランスファチャンバに例えばロードロックチャンバを介して接続される大気圧雰囲気のローダチャンバを有するローダモジュールを備える。
【0003】
例えばクラスタツール型の基板処理装置であれば,上記プロセスモジュールは,減圧可能なトランスファチャンバの周囲に上記複数のプロセスチャンバ及びロードロックチャンバを気密に接続して構成される。トランスファチャンバ内にはトランスファアームが設けられ,このトランスファアームによって複数のプロセスチャンバ及びロードロックチャンバとの間で基板の搬出入が行われる。ローダチャンバにおいても,ローダアームが設けられ,このローダアームによって,基板が収容されるカセット容器と上記ロードロックチャンバとの間で基板の搬出入が行われる。
【0004】
このような基板処理装置において,カセット容器に収納された基板に対して所定の処理を施す場合には,先ずローダアームによってカセット容器から未処理基板が搬出される。カセット容器から搬出された未処理基板はオリエンタなどで位置決めされた後,ロードロックチャンバへ搬入される。
【0005】
ロードロックチャンバへ搬入された未処理基板は,トランスファアームによりロードロックチャンバから搬出され,プロセスチャンバへ搬入されて所定のプロセス処理が施される。プロセスチャンバでの処理が終了した処理済基板は,トランスファアームによりプロセスチャンバから搬出され,ロードロックチャンバへ戻される。ロードロックチャンバへ戻された処理済基板は,ローダアームによりカセット容器に戻される。
【0006】
ところで,上述した基板処理装置のように,基板をプロセスチャンバまで搬送して処理を行うものでは,基板搬送時間を短縮してスループットを向上させるために,基板の搬送速度をできる限り速くすることが好ましい。
【0007】
ところが,基板の搬送速度を速くしすぎると基板の位置ずれが発生し易くなるという問題がある。このため,従来は,アームに基板がある場合には位置ずれが発生しない速度で搬送し,基板がない場合にはその速度よりも速い速度に切り換えて制御するようにしていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平08−181187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら,近年ではより多くの基板を処理するため,従来以上のスループットの向上が益々望まれており,更なる基板搬送の高速化の要望も大きくなっており,上述した特許文献1のように,アームに基板があるか否かによって搬送速度を変えるだけでは,このような要望に応えるには限界がある。
【0010】
この点,例えば基板の状態に着目してみると,処理済基板はプロセス処理が終了しているので,搬送する際に多少の位置ずれが発生してもプロセス処理に影響を受けることはない。このため,処理済基板は未処理基板よりも搬送速度を速くすることができるとも考えられる。
【0011】
ところが,単に処理済基板の搬送速度を速くするだけでは,不具合が生じる虞がある。例えば上述したようなロードロックチャンバにてトランスファアームとローダアームとの間で基板の受け渡しを行う基板処理装置では,トランスファアームで処理済基板をロードロックチャンバに戻すときの搬送速度を速くするほど,ロードロックチャンバに搬入する際に位置ずれが発生する可能性が高くなる。そうすると,その基板をローダアームで正常に受け取ることができなくなる虞がある。
【0012】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,トランスファアームとローダアームとの間で基板の受け渡しを行う基板処理装置において,ローダアームの基板保持可能範囲を調整可能にすることで,トランスファアームで基板を搬送する際に,それが処理済基板の場合には多少の位置ずれが発生しても未処理基板より速度を上げて搬送制御できるようにし,これによって従来以上に処理全体のスループットを向上させることができる基板処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置において,前記トランスファチャンバとローダチャンバとの間で前記ロードロックチャンバを介して前記基板を搬送する基板搬送方法であって,前記基板処理装置は,前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,を備え,前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御することを特徴とする基板搬送方法が提供される。
【0014】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置において,前記トランスファチャンバとローダチャンバとの間で前記ロードロックチャンバを介して前記基板を搬送する基板搬送方法を実施するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって,前記基板処理装置は,前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,
前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,を備え,前記基板搬送方法は,前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御することを特徴とする記録媒体が提供される。
【0015】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置であって,前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御する制御部と,を備えることを特徴とする基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば,ローダアームのピックを基板保持可能範囲を調整できるように構成することで,処理済基板に位置ずれが生じてもそれを正常に受け取ることができる程度にその基板保持可能範囲を拡大できる。これによれば,トランスファアームのピック上に基板があっても,それが処理済基板であれば未処理基板より速度を上げて搬送することが可能となるので,従来以上に処理全体のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態にかかる基板処理装置の構成例を示す断面図である。
【図2】同実施形態におけるローダアーム機構のピックの構成例を示す上面図である。
【図3】図2に示すピックの動作を説明するための縦断面図であって,押圧体をスライドさせる前の状態を示すものである。
【図4】図2に示すピックの動作を説明するための縦断面図であって,押圧体をスライドさせてウエハを保持した後の状態を示すものである。
【図5】図2に示すピックの基板保持可能範囲の調整を説明するための縦断面図である。
【図6】同実施形態におけるローダアーム機構のピックの他の構成例を示す上面図である。
【図7】図6に示すピックの動作を説明するための縦断面図であって,下段の規制壁でウエハを保持する前の状態を示すものである。
【図8】図6に示すピックの動作を説明するための縦断面図であって,上段の規制壁でウエハを保持した後の状態を示すものである。
【図9】図6に示すピックの基板保持可能範囲の調整を説明するための縦断面図である。
【図10】本実施形態におけるトランスファアーム機構の搬送制御の具体例の概略をフローチャートで示した図である。
【図11】本実施形態におけるトランスファアーム機構の搬送制御の他の具体例の概略をフローチャートで示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
(基板処理装置の構成例)
先ず,本発明の実施形態にかかる基板処理装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態にかかる基板処理装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように基板処理装置100は,複数(例えば4つ)のプロセスチャンバ140A〜140Dをトランスファチャンバ(共通搬送室)150の周りにゲートバルブ144A〜144Dを介して接続してなるプロセスモジュール(真空処理ユニット)110と,このプロセスモジュール110に対してウエハWを搬出入させるローダモジュール(搬送ユニット)120とを備える。
【0020】
トランスファチャンバ150はその内部を所定の真空圧力に減圧できるように構成されており,ローダモジュール120は大気圧雰囲気のローダチャンバ130により構成されている。ローダチャンバ130とトランスファチャンバ150の内部には基板を搬送するローダアーム機構200,トランスファアーム機構300が設けられている。
【0021】
ここでの各プロセスチャンバ140A〜140Dは,基板例えば半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」とも称する。)Wに対してエッチングや成膜などのプロセス処理を行うプラズマ処理装置として構成した場合の例を挙げる。
【0022】
具体的には各プロセスチャンバ140A〜140Dは,例えば減圧可能な処理容器142を備え,この処理容器142内に,ウエハWを載置する基板載置台を兼ねる下部電極(サセプタ)146と,これに対向するように処理ガスをウエハW上に供給するシャワーヘッドを兼ねる上部電極(図示しない)を設けて構成される。
【0023】
このようなプロセスチャンバ140A〜140DのいずれかによってウエハWの表面にプロセス処理を行う場合は,ローダアーム機構200,トランスファアーム機構300によって処理容器142内までウエハWを搬送し,下部電極146上に載置する。処理容器142内を減圧して図示しない上部電極から処理ガスを導入し,各電極間に所定の高周波電力を印加してウエハW上に処理ガスのプラズマを生成する。このプラズマによってウエハWの表面にエッチング,成膜などの所定のプロセス処理を施す。
【0024】
なお,プロセスチャンバ140A〜140Dの構成はこれに限られるものではなく,別の処理装置(例えば熱処理装置,成膜装置など)として構成してもよい。また図1に示す基板処理装置100は,4つのプロセスチャンバ140A〜140Dを設けた場合を例に挙げているが,これに限定されるものではなく,3つ以下のプロセスチャンバを備えたものであってもよい。
【0025】
トランスファチャンバ150の周囲には,さらに第1,第2ロードロックチャンバ160M,160Nの一端がそれぞれゲートバルブ(真空圧側ゲートバルブ)162を介して接続されており,第1,第2ロードロックチャンバ160M,160Nの他端は,それぞれゲートバルブ(大気圧側ゲートバルブ)164を介してローダチャンバ130に接続されている。
【0026】
第1,第2ロードロックチャンバ160M,160Nは,ウエハWを一時的に保持し,減圧雰囲気に調整した後にトランスファチャンバ150へパスし,大気圧雰囲気に調整した後にローダチャンバ130へパスする機能を有している。第1,第2ロードロックチャンバ160M,160Nの内部にはそれぞれ,ウエハWを載置可能な受渡台166が設けられている。
【0027】
トランスファアーム機構300は,これらロードロックチャンバ160M,160N及びプロセスチャンバ140A〜140Dに対してウエハWを搬出入できるようになっている。具体的にはトランスファアーム機構300は,基台310に旋回自在に支持された屈伸自在な2つのトランスファアーム320A,320Bと,これらの先端にそれぞれ設けられウエハWを保持するピック(エンドエフェクタ)330A,330Bとを備える。
【0028】
これによれば,各チャンバ140A〜140D,160N,160MにアクセスしてウエハWを交換することができる。例えばプロセスチャンバ140A〜140Dへの1回のアクセスで,何も保持していない空のピック330Aによってプロセス処理が終了した処理済ウエハWを搬出し,他方のピック330Bに保持された未処理ウエハWを搬入することができる。なお,トランスファアーム機構300は図1に示すような2つのアーム320A,320Bを備えるダブルアーム機構に限られるものではなく,1つのアームを備えるシングルアーム機構であってもよい。
【0029】
次に,ローダモジュール120の構成についてより詳細に説明する。ローダモジュール120を構成するローダチャンバ130の内部は大気圧雰囲気中にてNガス等の不活性ガスや清浄空気が循環されるようになっている。ローダチャンバ130には,複数のカセット台131A〜131Cが並設されている。これらカセット台131A〜131Cには,ウエハWを収納するカセット容器132A〜132Cがセットされる。ローダチャンバ130の側壁には,ウエハWの投入口としての3つのロードポート133A〜133Cが各カセット台131A〜131Cに対応するように設けられている。
【0030】
図1では,例えば各カセット台131A〜131Cに3台のカセット容器132A〜132Cをそれぞれ1つずつ載置することができる例を挙げているが,カセット台とカセット容器の数はこれに限られず,例えば1台又は2台であってもよく,また4台以上設けてもよい。
【0031】
各カセット容器132A〜132Cには,少なくとも1ロット分(例えば25枚)以上のウエハWを等ピッチで多段に載置して収容できるようになっており,内部は例えばNガス雰囲気で満たされた密閉構造となっている。
【0032】
ローダチャンバ130には,ウエハWの位置決め装置としてのオリエンタ(プリアライメントステージ)136が設けられている。オリエンタ136は,例えば内部に回転載置台138とウエハWの周縁部を光学的に検出する光学センサ139とを備え,ウエハWのノッチやオリエンテーションフラット等を検出して位置合せを行う。
【0033】
ローダアーム機構200は,上述した各カセット容器132A〜132C,オリエンタ136,第1,第2ロードロックチャンバ160M,160Nに対してウエハWを搬出入できるようになっている。具体的にはローダアーム機構200は,基台210に旋回自在に支持された屈伸自在な2つのローダアーム220A,220Bと,これらの先端にそれぞれ設けられウエハWを保持するピック(エンドエフェクタ)230A,230Bとを備える。基台210はローダチャンバ130内を長手方向に沿って設けられた案内レール212上を例えばリニアモータ駆動機構によりスライド移動可能に構成されている。
【0034】
これによれば,第1,第2ロードロックチャンバ160M,160N等にアクセスして,ウエハWを交換することができる。例えばロードロックチャンバ160Mへの1回のアクセスで,何も保持していない空のピック230Aでロードロックチャンバ160Mの内部にある処理済ウエハWを搬出し,他方のピック230Bで保持している未処理ウエハWを搬入することができる。なお,ローダアーム機構200は図1に示すような2つのアーム220A,220Bを備えるダブルアーム機構に限られるものではなく,1つのアームを備えるシングルアーム機構であってもよい。
【0035】
なお,本実施形態におけるピック230A,230BはウエハWを保持できるだけでなく,ウエハWを保持できる範囲(所定の基板保持可能範囲)を調整できる機能を備える。このようなピック230A,230Bの具体的な構成については後述する。
【0036】
基板処理装置100には,制御部(全体制御装置)190が接続されており,この制御部190によって基板処理装置100の各部が制御されるようになっている。また,制御部190には,オペレータが基板処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや,基板処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる操作部192が接続されている。
【0037】
さらに,制御部190には,基板処理装置100で実行される各種処理(ウエハWに対するプラズマ処理の他,後述するウエハWの搬送制御など)を制御部190の制御にて実現するためのプログラムやプログラムを実行するために必要な処理条件(レシピ)などが記憶された記憶部194が接続されている。
【0038】
記憶部194には,例えば複数の処理条件(レシピ)や後述する搬送制御で用いる設定速度データなどが記憶されている。このうち処理条件については,基板処理装置100の各部を制御する制御パラメータ,設定パラメータなどの複数のパラメータ値をまとめたものである。各処理条件は例えば処理ガスの流量比,処理室内圧力,高周波電力などのパラメータ値を有する。
【0039】
なお,これらのプログラムや処理条件はハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよく,またCD−ROM,DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容された状態で記憶部194の所定位置にセットするようになっていてもよい。
【0040】
制御部190は,操作部192からの指示等に基づいて所望のプログラム,処理条件を記憶部194から読み出して各部を制御することで,基板処理装置100での所望の処理を実行する。また,操作部192からの操作により処理条件を編集できるようになっている。
【0041】
ところで,近年ではウエハWを大量に処理するため,処理全体のスループットの向上が益々望まれており,これに伴って基板搬送の高速化の要望も益々大きくなっている。このように処理全体のスループットを向上させるためには,プロセスチャンバ140A〜140Dに直接アクセス可能なトランスファアーム機構300の搬送速度を上げることが好ましい。
【0042】
このとき,トランスファアーム機構300のピック330A,330BにウエハWがない場合には搬送速度を上げても特に問題はない。ところが,ピック330A,330BのいずれかにウエハWがある場合にも搬送速度を上げると,ウエハWの位置ずれが発生し易くなってしまうという問題がある。
【0043】
特にこれからプロセス処理を施す未処理ウエハWについては,プロセスチャンバ140A〜140Dに搬入する際に位置ずれが発生すると,その未処理ウエハWのプロセス処理に好ましくない影響を与える虞がある。このため,未処理ウエハWを搬送するときには位置ずれしないような速度で搬送することが好ましい。
【0044】
これに対して,既にプロセス処理が終了している処理済ウエハWについては,位置ずれが発生したとしてもプロセス処理に影響を与えることはない。ところが,処理済ウエハWをロードロックチャンバ160M,160Nに搬入する際に位置ずれが発生すると,ローダアーム機構200で正常に受け取ることができなくなる虞がある。このため,従来は処理済ウエハWであってもそれを搬送するときには位置ずれしない速度で搬送していた。
【0045】
そこで,本実施形態では,ローダアーム機構200のピック230A,230BをウエハWの保持が可能な範囲(基板保持可能範囲)を調整できるように構成し,処理済ウエハWに位置ずれが生じてもそれを正常に受け取ることができる程度にその基板保持可能範囲を拡大する。これによれば,トランスファアーム機構300のピック330A,330B上にウエハWがないときのみならず,処理済ウエハWを搬送するときにも未処理ウエハWより速度を上げて搬送することができる。これにより,従来以上に処理全体のスループットを向上させることができる。
【0046】
(ローダアーム機構のピックの構成例)
ここで,基板保持可能範囲を調整可能な機能を備えたローダアーム機構200のピック230A,230Bの具体的構成例について図面を参照しながら説明する。ここでのピック230A,230Bの構成は同様であるため,添え字A,Bを省略して説明する。
【0047】
図2は,ピック230の具体的構成例を示す上面図である。図3,図4は,図2に示すピック230の動作を説明するための縦断面図である。図3は押圧体254をスライドさせる前の状態を示すものであり,図4は押圧体254をスライドさせてウエハを保持した後の状態を示すものである。図5はピック230の基板保持可能範囲の調整を説明するための図である。
【0048】
図2に示すピック230はウエハWを端部で保持する所謂エッジグリップ機能を備えたものである。ここでは,エッジグリップによってウエハWを保持できる範囲を調整することで基板保持可能範囲を調整する場合を例に挙げる。具体的にはピック230は,ウエハWを載置可能な2本のフォークを有する略U字状のピック本体232により構成される。なお,フォークの数は2本に限られず,例えば3本以上であってもよい。
【0049】
ピック本体232は,このピック本体232上のウエハWが水平方向に移動しないように規制する規制壁を有する少なくとも2つの規制体240と,ピック本体232上のウエハWに向けて押圧体254を初期位置(駆動開始位置)から終了位置(駆動終了位置)まで所定距離だけスライド駆動させて,ウエハWの端部を規制体240の規制壁に押しつけることによって,ウエハWを規制体240と押圧体254との間で保持する押圧保持部250とを備える。
【0050】
規制体240はピック本体232の先端側(図2ではフォークの先端部)に配置され,押圧保持部250はピック本体232の基端側に配置されている。図2では規制体240をピン状に形成した場合の例を挙げている。このような規制体240ではウエハWの端部に当接する側面が規制壁となる。
【0051】
押圧保持部250は,ピック本体232の基端部の略中央にピック本体232の先端に向けて形成された直線状の溝部252と,ウエハWの端部に当接して押しつける押圧体254と,押圧体254を溝部252に沿ってスライド駆動させる駆動部256とを備える。
【0052】
駆動部256は例えばリニアモータで構成される。駆動部256としては,リニアモータに限られるものではなく,押圧体254をスライド駆動させることができるアクチュエータであれば,どのような構成のものを使用してもよい。例えば駆動部256はステッピングモータ,DCモータなどで構成してもよく,エアシリンダで構成してもよい。
【0053】
なお,押圧体254,規制体240は,ウエハWの端部と直接接触するため,ウエハWを傷つけない材料,例えば樹脂などで構成することが好ましい。
【0054】
このようなピック230では,図3に示すように押圧体254が基端側の初期位置(待機位置)にあるときの,規制体240と押圧体254との間の領域がウエハWを保持可能な範囲(基板保持可能範囲)Rとなり,この領域RにウエハWが載置されると,駆動部256により押圧体254を先端側に駆動させて,ウエハWを規制体240に押しつけることで,図4に示すようにウエハWの端部を規制体240と押圧体254との間で保持できる。
【0055】
ピック230では,上記基板保持可能範囲Rを押圧体254の初期位置(待機位置)を変えることによって調整できる。例えばウエハWに位置ずれがある場合には,ウエハWに位置ずれがない場合よりも,押圧体254の初期位置を基端部側に後退させる。これにより,ウエハWに位置ずれがあっても受け取ることができるようになる。
【0056】
例えば図5に示すようにウエハWに位置ずれがない場合には,押圧体254の初期位置を点線の位置として基板保持可能範囲をR1とし,ウエハWに位置ずれがある場合にはそれよりも押圧体254を後退させた実線の位置を初期位置として基板保持可能範囲をR2に広げる。そして,ウエハWの予想される位置ずれが大きいほど,押圧体254の初期位置(待機位置)を基端部側に後退させればよい。
【0057】
なお,ピック230は,図2に示す構成に限られるものではない。例えば多段式のピックであってもよい。多段式のピックはそもそもサイズが異なるウエハWを保持できるようにしたものであるが,ここではこれを利用して基板保持可能範囲を広げるものである。
【0058】
以下,このような多段式のピックについて図面を参照しながら説明する。図6は,2つの規制壁を有する多段式ピックの構成例を示す上面図である。図7,図8は,図6に示すピック230の動作を説明するための縦断面図である。図7は,下段の規制壁でウエハを保持する前の状態を示すものであり,図8は上段の規制壁でウエハを保持した後の状態を示すものである。図9は,図6に示すピック230の基板保持可能範囲の調整を説明するための図である。
【0059】
図6に示すピック230は,図2に示す規制体240と押圧体254とを多段構造にしたものであり,その他の部分は図2と同様の構成であるため,その詳細な説明を省略する。図6,図7に示すように規制体240は,水平方向の位置が異なる複数(ここでは2つ)の規制壁242,244を高さを変えて設ける。また,押圧体254にも同様の規制壁262,264を設ける。なお,規制体240と押圧体254は図6に示すものに限られず,規制壁を3つ以上設けたものであってもよい。
【0060】
図6に示すような多段式のピック230ではそもそもサイズが異なる2枚のウエハWを保持できるように2つの規制壁242,244を設けているが,ここではこれを利用してサイズが同じウエハWの基板保持可能範囲を広げるように用いる。
【0061】
例えば図7に示すように押圧体254が初期位置にあるときの下段の規制壁242,262の間の基板保持可能範囲R3にウエハWが載置されると,駆動部256により押圧体254を先端側に駆動させて,ウエハWを規制体240の規制壁242に押しつけることで,ウエハWの端部を下段の規制壁242,262によって保持できる。
【0062】
また,ウエハWが位置ずれして基板保持可能範囲R3からずれてしまっても,図7に示す押圧体254が初期位置にあるときの上段の規制壁244,264の間の基板保持可能範囲R4にウエハWが載置されれば,駆動部256により押圧体254を先端側に駆動させて,ウエハWを規制体240の規制壁244に押しつけることで,図8に示すようにウエハWの端部を上段の規制壁244,264によって保持できる。
【0063】
このように,同じサイズのウエハWであれば,押圧体254の初期位置を変えなくても,基板保持可能範囲をR3よりも広いR4にすることができる。さらに,この基板保持可能範囲は,図6に示すピック230の場合と同様に押圧体254の初期位置(待機位置)を変えることによっても調整できる。例えば図9に示すように押圧体254の初期位置を基端部側に後退させる。これにより,図7に示す基板保持可能範囲R3,R4をより広いR3’,R4’に調整できる。
【0064】
このように,本実施形態ではローダアーム機構200のピック230A,230Bの基板保持範囲を拡大することで,トランスファアーム機構300で処理済ウエハWをロードロックチャンバ160M,160Nに搬送するときに位置ずれが発生しても,ローダアーム機構200のピック230A,230Bで受け取ることができるようになる。このため,トランスファアーム機構300で処理済ウエハWを搬送する速度を,従来以上に高速化することができる。
【0065】
(トランスファアーム機構による搬送制御)
次に,本実施形態にかかる基板処理装置100のトランスファアーム機構300による搬送制御について図面を参照しながら説明する。図10は,本実施形態におけるトランスファアーム機構の搬送制御の具体例の概略をフローチャートで示した図である。基板処理装置100のトランスファアーム機構300は旋回又は屈伸によってウエハを搬送するので,ここでの搬送制御はトランスファアーム機構300の旋回又は屈伸制御である。上記各設定速度は,旋回速度又は屈伸速度である。なお,各設定速度は,定速までは徐々に加速し,定速を一定時間保持した後,停止する前に徐々に減速する所定の速度曲線であってもよい。
【0066】
トランスファアーム機構300による搬送制御は制御部190によって所定のプログラムに基づいて行われる。上記各設定速度は,制御部190がアクセス可能な記憶部194に予め記憶されており,制御部190が搬送制御を行う際に必要に応じて記憶部194から読み出して用いる。
【0067】
具体的には図10に示すように,ステップS110にてピック330A,330Bのうちの両方又は一方に未処理ウエハWがあるか否かを判断する。両方又は一方のピックに未処理ウエハWがあると判断した場合は,ステップS120にて未処理ウエハWが位置ずれしない程度の第1設定速度で搬送制御を行う。
【0068】
例えばトランスファアーム機構300によって未処理ウエハWをロードロックチャンバ160Mからプロセスチャンバ140Aに搬送する場合には,未処理ウエハWをロードロックチャンバ160Mから搬出するときの屈伸制御,搬出した未処理ウエハWを保持しながらロードロックチャンバ160Mからプロセスチャンバ140Aまで旋回するときの旋回制御,その未処理ウエハWをプロセスチャンバ140Aに搬入するときの屈伸制御については,第1設定速度でトランスファアーム機構300を制御する。
【0069】
このように,ピック330A,330Bのうちの両方又は一方に未処理ウエハWがある場合には,未処理ウエハWが位置ずれしない程度の第1設定速度で搬送制御を行うことにより,搬送制御によってその未処理ウエハWのプロセス処理が好ましくない影響を受けることはない。
【0070】
これに対して,ステップS110にて両方又は一方のピックに未処理ウエハがないと判断した場合は,ピック330A,330Bの両方又は一方にウエハWがない場合のみならず,ピック330A,330Bのいずれかに処理済ウエハWがある場合においても,ステップS130にて第1搬送制御より速い第2設定速度で搬送制御を行う。
【0071】
例えばトランスファアーム機構300によって処理済ウエハWをプロセスチャンバ140Aからロードロックチャンバ160Nに搬送する場合には,プロセスチャンバ140Aから処理済ウエハWを搬出するときの屈伸制御,搬出した処理済ウエハWを保持しながらロードロックチャンバ160Mまで旋回するときの旋回制御,その処理済ウエハWをロードロックチャンバ160Mに搬入するときの屈伸制御について,上記第1設定速度よりも速い第2設定速度で制御する。
【0072】
この場合,ロードロックチャンバ160Mに搬入するときに処理済ウエハWに位置ずれが発生していても,本実施形態ではローダアーム機構200のピック230A,230Bの基板保持可能範囲を広くしているため,その未処理ウエハWをローダアーム機構200で確実に受け取ることができる。
【0073】
なお,図10に示すトランスファアーム機構300搬送制御では,処理済ウエハWを搬送するときは,ピック330A,330BにウエハWがない場合の第2設定速度にした場合について説明したが,これに限定されるものではない。例えばピック330A,330Bの両方又は一方に処理済ウエハWがあるときには,上記第1設定速度と,上記第2設定速度の間の第3設定速度で搬送制御するようにしてもよい。
【0074】
この場合は,例えば図11に示すように,ステップS110にてピック330A,330Bの両方又は一方に未処理ウエハWがないと判断した場合は,ステップS140にてピック330A,330Bの両方又は一方に処理済みウエハWがあるか否かを判断する。
【0075】
そしてステップS140にてピック330A,330Bに両方又は一方に処理済みウエハWがないと判断した場合,すなわちいずれのピック330A,330BにもウエハWがないと判断した場合はステップS160にて上記第2設定速度で搬送制御する。
【0076】
これに対して,ステップS140にてピック330A,330Bに両方又は一方に処理済ウエハWがあると判断した場合にはステップS150にて上記第1設定速度よりも速く,上記第2設定速度よりも遅い第3設定速度で搬送制御する。これによっても,従来よりスループットを向上させることができる。
【0077】
また,上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体をシステムあるいは装置に供給し,そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによっても,本発明が達成され得る。
【0078】
この場合,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり,そのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体等の媒体としては,例えば,フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどが挙げられる。また,媒体に対してプログラムを,ネットワークを介してダウンロードして提供することも可能である。
【0079】
なお,コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより,上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく,そのプログラムの指示に基づき,コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
【0080】
さらに,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムが,コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後,そのプログラムの指示に基づき,その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
【0081】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は,トランスファチャンバとローダチャンバとの間で基板をやり取りする基板処理装置及び基板搬送方法並びにその方法を実施するためのプログラムを記憶する記憶媒体に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 基板処理装置
110 プロセスモジュール
120 ローダモジュール
130 ローダチャンバ
131A〜131C カセット台
132A〜132C カセット容器
133A〜133C ロードポート
136 オリエンタ
138 回転載置台
139 光学センサ
140A〜140D プロセスチャンバ
142 処理容器
144A〜144D ゲートバルブ
146 下部電極
150 トランスファチャンバ
160M,160N ロードロックチャンバ
166 受渡台
162,164 ゲートバルブ
190 制御部
192 操作部
194 記憶部
200 ローダアーム機構
210 基台
212 案内レール
220A,220B ローダアーム
230A,230B ピック
232 ピック本体
240 規制体
242,244 規制壁
250 押圧保持部
252 溝部
254 押圧体
256 駆動部
262,264 規制壁
300 トランスファアーム機構
310 基台
320A,320B トランスファアーム
330A,330B ピック
R(R1〜R4) 基板保持可能範囲
R3’,R4’ 基板保持可能範囲
W ウエハ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置において,前記トランスファチャンバとローダチャンバとの間で前記ロードロックチャンバを介して前記基板を搬送する基板搬送方法であって,
前記基板処理装置は,
前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,
前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,
前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,
前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,を備え,
前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御することを特徴とする基板搬送方法。
【請求項2】
前記ローダアーム機構のピックは,前記基板が水平方向に移動しないように規制する規制壁を有する少なくとも2つの規制体と,
前記規制体から離間して設けられ,前記基板の端部に接離自在にスライドする押圧体と,
前記押圧体をその初期位置から前記基板の端部に向けてスライドさせることによって,その基板の端部を前記規制体の規制壁に押しつけてその基板を前記ピック上に保持する押圧保持部と,を備え,
前記規制体と前記押圧体との間の前記基板保持可能範囲を,前記押圧体の初期位置を変えることによって調整することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送方法。
【請求項3】
前記ローダアーム機構のピックは,前記規制体に水平方向の位置が異なる複数の規制壁を設けることで,前記基板保持可能範囲をさらに拡大することを特徴とする請求項2に記載の基板搬送方法。
【請求項4】
前記トランスファアーム機構は,それぞれにピックを有する2つのトランスファアームを備え,
前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,それらのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,いずれのピック上にも未処理基板なしと判断した場合は,両方のピック上に基板なしの場合のみならず,いずれかのピック上に処理済基板ありの場合についても,いずれかのピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板搬送方法。
【請求項5】
基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置において,前記トランスファチャンバとローダチャンバとの間で前記ロードロックチャンバを介して前記基板を搬送する基板搬送方法を実施するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって,
前記基板処理装置は,
前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,
前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,
前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,
前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,を備え,
前記基板搬送方法は,
前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御することを特徴とする記録媒体。
【請求項6】
基板の処理を行うプロセスチャンバが接続されたトランスファチャンバと,これにロードロックチャンバを介して接続されたローダチャンバとを備えた基板処理装置であって,
前記トランスファチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記プロセスチャンバと前記ロードロックチャンバとの間で前記基板を搬送するトランスファアームを備えたトランスファアーム機構と,
前記トランスファアームの先端に設けられ,前記基板を保持するピックと,
前記ローダチャンバ内に屈伸及び旋回自在に設けられ,前記ロードロックチャンバとの間で基板を搬送するローダアームを備えたローダアーム機構と,
前記ローダアームの先端に設けられ,基板保持可能範囲を調整する機構を有するピックと,
前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,そのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,未処理基板なしと判断した場合は,前記ピック上に基板なしの場合のみならず,処理済基板ありの場合についても,前記ピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送制御する制御部と,
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
前記ローダアーム機構のピックは,前記基板が水平方向に移動しないように規制する規制壁を有する少なくとも2つの規制体と,前記規制体から離間して設けられ,前記基板の端部に接離自在にスライドする押圧体と,前記押圧体をその初期位置から前記基板の端部に向けてスライドさせることによって,その基板の端部を前記規制体の規制壁に押しつけてその基板を前記ピック上に保持する押圧保持部と,を備え,
前記規制体と前記押圧体との間の前記基板保持可能範囲を,前記押圧体の初期位置を変えることによって調整することを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ローダアーム機構のピックは,前記規制体に水平方向の位置が異なる複数の規制壁を設けることで,前記基板保持可能範囲をさらに拡大することを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記トランスファアーム機構は,それぞれにピックを有する2つのトランスファアームを備え,
前記制御部は,前記トランスファアーム機構を搬送制御する際,それらのピック上に未処理基板があるか否かを判断し,いずれのピック上にも未処理基板なしと判断した場合は,両方のピック上に基板なしの場合のみならず,いずれかのピック上に処理済基板ありの場合についても,いずれかのピック上に未処理基板ありと判断した場合よりも速い速度で搬送することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の基板処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−74498(P2012−74498A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217556(P2010−217556)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】