説明

基板受渡装置及び基板受渡方法

【課題】昇降ピン及び昇降ピンの昇降機構無しでローラコンベア上の基板を直交する方向から搬送アームのフォークを挿入して、搬送アームに受け渡す基板受渡装置(方法)を提供する。
【解決手段】基板Gを水平方向に搬送可能なローラコンベアRC1と、基板を水平、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能なフォーク101を有する搬送アーム110と、を具備し、ローラコンベアは、駆動シャフト55に適宜間隔を置いて駆動ローラ56を装着した駆動ローラ列と、フリーローラシャフト57に適宜間隔を置いてフリーローラ59を回転自在に装着したフリーローラ列を並列に配列し、フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間Iを形成するフリーローラ駆動用シリンダ65を具備する。空間に搬送アームのフォークを搬送方向と直交する方向から挿入して、第1ローラコンベア上の基板を搬送アームに受け渡す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板受渡装置及び基板受渡方法に関し、更に詳細には、例えばフラット・パネル・ディスプレー基板(FPD基板)等の基板を、ローラコンベア上から搬送アームに受け渡す、或いは搬送アーム上の基板をローラコンベアに受け渡す基板受渡装置及び基板受渡方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の基板受渡装置として、図1に示す構造の基板受渡装置が知られている。図1はローラコンベア上の基板Gを搬送アームへ受け渡す基板受渡装置の代表的な概略断面図(a)、概略平面図(b)である。
【0003】
従来の基板受渡装置は、軸方向に適宜間隔をおいて駆動ローラ56を有する駆動シャフト55を並列して架台50上に配置し、駆動ローラ56及び駆動シャフト55を図示しない駆動モータ及び伝達機構によって回動可能に形成するローラコンベアを具備している。また、この基板受渡装置には、先端に球状ローラ62を有する複数の昇降ピン63が隣接する駆動シャフト55間に配設され、各昇降ピン63は例えばエアーシリンダーもしくはモータとギアの組み合わせからなる昇降機構(図示せず)によって昇降可能に形成されている。更に、ローラコンベア上の基板Gの4隅を当接して位置決めを行うアライメント60が図示しない昇降機構によって昇降ピン63と同時に上昇可能に形成されている。
【0004】
前記のように構成される基板受渡装置は、以下の手順によって搬送アームのフォーク101により処理ユニット(図示せず)に受け渡される。すなわち、搬送アームが搬送方向と直交する場合は、搬送経路の上流からローラ搬送されて来た基板Gは搬送アームのフォーク101により処理ユニットに受け渡される。
【0005】
以下に図2を参照して、基板Gの受け渡し手順について説明する。まず、図2(a)に示すように、基板Gは搬送経路の上流より、駆動ローラ56の回転によって搬送される。このとき、各駆動シャフト55及び駆動ローラ56は同一平面状に並列に配置されていて同期して回転する。基板Gの下流側端部を光センサSが検出すると、光センサSからの検出信号が図示しない制御手段に伝達され、制御手段からの制御信号に基づいて所定の時間経過後に駆動ローラ56が停止して基板Gも停止する。
【0006】
次に、図2(b)に示すように昇降ピン63が上昇して基板Gが持ち上げられる。このとき、アライメント60も昇降ピン63と同時に上昇して昇降ピン63の上方に位置し、アライメント60が基板Gの4隅を当接して位置決めを行う。
【0007】
次に図2(c)に示すように搬送アームの4本のフォーク101が昇降ピン63に干渉しない空間を通過して基板Gの下側より所定の空間を空けて挿入された後に、基板Gを保持する。基板Gの保持は図2(c)に示すように搬送アームが上昇するか、搬送アームは停止していて昇降ピン63が下降する方法がある。
【0008】
次に図2(d)に示すように昇降ピン63とアライメント60が下降した後に、フォーク101がX軸方向に戻り、次の処理ユニットに受け渡される。
【0009】
図1及び図2では基板Gの搬送方向と直交するX方向からの受け渡しで説明を行ったが、図1(a)に二点鎖線で示すように、搬送アームのフォーク101を搬送方向と直列である下流のY軸方向から挿入して受け渡しを行うようにしてもよい。この場合、搬送アームのフォーク102が昇降ピン62と干渉しない方向から挿入されて、処理ユニットに受け渡される。
【0010】
このようにローラコンベアと搬送アーム間の基板の受け渡しは昇降ピンを使用して行われている。
【0011】
前記基板受渡装置の別の構造として、隣接する駆動シャフトの間に配設されるプッシャピンを、鉛直軸回りに回動及び鉛直方向に昇降させて、搬送ローラとの間で基板を受け渡す基板受渡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
特許文献1に記載の基板受渡装置は、隣接する駆動シャフトの間に配設されるプッシャピンは、搬送ローラの軸方向に関して搬送ローラよりも外方の位置に、鉛直方向に沿って立設された基部と、この基部の上端から直角に折れ曲がった水平アーム部と、この水平アーム部の先端において鉛直上方に向かって立ち上がり、その先端において基板の裏面を点接触で支持する基板支持部とを有している。また、前記基部が駆動機構によって鉛直軸回りに回動及び鉛直方向に昇降可能に形成されている。
【0013】
また、別の基板受渡装置として、駆動シャフトと直角な方向の一直線上に並列して設けられた複数個の駆動ローラと、駆動ローラの下方にて、一直線上に設けられた伝動部とで構成されるローラコンベアモジュールが、その長手方向を基板搬送方向と平行にして基板搬送方向と直角方向に複数個が設けられ、ローラコンベアモジュールの駆動ローラ上の基板の下方、複数個のローラコンベアモジュールの間、基板搬送方向にて、ロボットハンドが進入することのできる空間を設けた構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
特許文献2に記載の基板受渡装置では、基板搬送方向と直列である下流の方向からの受け渡しを行うもので、ロボットハンドが前記ローラコンベアモジュールの間の空間に挿入されて、処理ユニットに受け渡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平10−310240号公報
【特許文献2】特開2009−176858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、図1及び図2に示した従来の基板受渡装置や特許文献1に記載の基板受渡装置においては、受け渡しを行うためには昇降ピンと昇降ピンの昇降機構が必要である。また、昇降ピンの上昇下降による基板の受け渡しには相当の時間を必要としている。また、昇降機構は装置の不具合の発生源にもなり、保全の調整時間も必要となり、装置全体の稼働率に大きな影響を与える。特に基板が薄化及び大型化すると、昇降してアライメントをする場合に、基板が動きにくくなるので基板と直接に接触する部分は球状ローラを配置して基板を動き易くしている。しかし、球状ローラである理由により、少しでも平衡度がずれると、基板を昇降するときに基板が滑り落ちる可能性があるので、調整に相当の時間を要する。
【0017】
そこで、特許文献2では、基板の搬送方向とロボットハンド(搬送アーム)が直列の場合には昇降ピンを必要としない基板受渡装置を提供している。しかしながら、特許文献2に記載の技術においては、基板搬送方向と直交する方向からの昇降ピンを必要としない基板受渡装置には言及されていない。特許文献2に記載のロボットハンド(搬送アーム)を基板の搬送方向と直交する方向から隣接する駆動シャフト間に挿入することも考えられるが、隣接する駆動シャフト間にロボットハンド(搬送アーム)の挿入可能な空間を設けるには、駆動シャフト間のピッチを大きくする必要があり、その分基板の搬送が不安定となる懸念がある。
【0018】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、昇降ピン及び昇降ピンの昇降機構無しでローラコンベア上の基板を直交する方向から搬送アームのフォークを挿入して、搬送アームに受け渡す基板受渡装置及び基板受渡方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本発明の基板受渡装置は、基板を水平方向に搬送可能なローラコンベアと、 基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能なフォークを有する搬送アームと、を具備し、 前記ローラコンベアは、駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に配列し、前記フリーローラ列を隣接する前記駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間を形成するフリーローラ移動機構を具備してなり、 前記空間に前記搬送アームのフォークを搬送方向と直交する方向から挿入して、前記ローラコンベア上の基板を搬送アームに受け渡す、ことを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、ローラコンベア上の基板を搬送アームに受け渡すときには、フリーローラ移動機構が駆動してフリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間を形成し、空間に搬送アームのフォークを搬送方向と直交する方向から挿入して基板を搬送アームに受け渡すことができる。また、基板の搬送時には、基板を並列に配列された駆動ローラ列とフリーローラ列によって支持することができる。
【0021】
本発明において、前記ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配置され、基板搬送の減速開始位置を検出する減速センサ及び基板の停止位置を検出する停止センサと、前記減速センサ及び停止センサからの検出信号に基づいて前記駆動ローラの駆動機構を制御する制御手段と、を更に具備し、前記制御部の制御信号に基づいて、前記ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、所定の時間経過後に前記駆動ローラを減速し、前記停止センサが検出した後、前記駆動ローラを停止するようにする方がよい。この場合、前記制御部は、前記減速センサからの検出信号に基づいて前記フリーローラ移動機構を制御可能に形成され、前記ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、前記フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、前記空間を形成するようにしてもよい。
【0022】
また、本発明において、前記ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配設され、ローラコンベアによって搬送される基板の下流側端部の隅部に当接する可動アライメント部材を有する基板の基準位置決め用アライメント機構と、前記ローラコンベアの搬送経路上の上流側に配設され、ローラコンベアによって搬送される基板の上流側端部の隅部に当接可能な可動アライメント部材を有する基板の確定位置決め用アライメント機構と、を更に具備する方がよい。
【0023】
また、本発明の基板受渡装置は、基板を水平方向に搬送可能な第1ローラコンベアと、 前記第1ローラコンベアの上方に配置され、基板を水平方向に搬送可能な第2ローラコンベアと、 基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能なフォークを有する搬送アームと、 基板を枚葉毎に収納可能な収納部を積層した基板収納部と、 前記搬送アームが受け渡す基板の処理ユニットと、 前記処理ユニット上の基板の有無を検出する手段と、 前記搬送アームを制御する制御手段と、を具備し、 前記第1ローラコンベアは、駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に配列し、前記フリーローラ列を隣接する前記駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間を形成するフリーローラ移動機構を具備し、 前記第2ローラコンベアは、前記搬送アームのフォークが挿入可能な空間をおいて並列される駆動ローラ列を具備し、 前記制御手段の制御信号に基づいて、前記処理ユニット上に基板の有りを検出した場合は、前記第1ローラコンベア上の基板を前記基板収納部へ受け渡し、 前記処理ユニット上に基板の無しを検出した場合は、前記第1ローラコンベア上の基板を前記処理ユニットへ受け渡す、ことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の基板受渡方法は、駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に具備するローラコンベアにより基板を水平方向に搬送する工程と、 基板を減速センサにより検出し、検出した信号に基づいて前記駆動ローラの回転を減速する工程と、 基板を停止センサにより検出し、検出した信号に基づいて前記駆動ローラの回転を所定の時間経過後に停止する工程と、 アライメント機構のアライメント部材により基板の搬送経路上の下流側の隅部を当接して基準の位置決めを行う工程と、 前記フリーローラを隣接する駆動ローラ列側に移動して空間を作る工程と、 アライメント機構のアライメント部材により基板の搬送経路上の上流側の隅部を当接して基板の位置決めを確定する工程と、 基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能な搬送アームのフォークを、基板の搬送方向と直交する方向から、前記フリーローラを移動してできた空間に挿入して、ローラコンベア上の基板を搬送アームへ受け渡す工程と、を含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る基板受渡方法において、前記減速センサが基板を検出した信号に基づいて、前記駆動ローラの回転を減速する工程の開始時期と同時期に前記フリーローラを搬送方向と同一方向に移動して搬送アームのフォークが挿入できる空間を作る工程を含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、基板を受け渡すときには、フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して形成された空間に基板搬送方向と直交する方向から搬送アームのフォークを挿入して、ローラコンベア上の基板を搬送アームに受け渡すことができるので、昇降ピン及び昇降ピンの昇降機構無しで受け渡しを行うことができ、受け渡し時間を短縮することができる。また、基板の搬送時には、基板を並列に配列された駆動ローラ列とフリーローラ列によって支持するので、基板を安定させた状態で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来の基板受渡装置を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図2】従来の基板受渡装置の受け渡しの手順を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る基板受渡装置を示す概略平面図(a)、概略断面図(b)及び(a)のI部拡大図(c)である。
【図4】本発明に係る基板受渡装置の受け渡しの手順を示す概略断面図である。
【図5】本発明における第2ローラコンベアを示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図6A】本発明における積層されたローラコンベア及び基板収納部、及び搬送アームと処理ユニットを示す概略平面図である。
【図6B】本発明における積層されたローラコンベア及び基板収納部、及び搬送アームと処理ユニットを示す概略断面図である。
【図7】本発明における積層されたローラコンベア及び基板収納部、及び搬送アームを示す概略断面図である。
【図8】本発明に係る基板受渡装置を適用した塗布・現像装置を示す概略平面図である。
【図9】前記塗布・現像装置の処理フロー図である。
【図10A】本発明における基板受け渡しの処理フロー図である。
【図10B】本発明における基板受け渡しの別の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る基板受渡装置をFPD基板のレジスト塗布・現像処理装置に適用した場合について説明する。
【0029】
図8に、本発明の基板受渡理装置を適用できる一構成例としての塗布・現像処理システムを示す。この塗布現像処理システム200は、クリーンルーム内に設置され、例えばFPD基板を被処理基板(以下に基板Gという)とし、FPD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像及びポストベーク等の各処理を行うものである。
【0030】
この塗布現像処理システム200は、大きく4つのブロックから構成されている。基板Gを収納するカセットCSTを外部装置と受け渡しを行うカセットステーション部(C/S)201と、薬液を基板Gに塗布する塗布ライン部202と、露光装置204と基板Gの受け渡しを行うインターフェース部(I/F)203と、露光後に基板Gを現像する現像ライン部205とから構成されている。なお、露光装置204はインターフェース部203に隣接して設置されている。
【0031】
次に、各部の大きな構成について説明する。カセットステーション部(C/S)201は、基板Gを多段に積層して複数枚収容可能なカセットCSTが水平方向例えばX方向に4個まで並べて載置可能なカセットステージ100と、このステージ100のカセットCSTに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構101とを備えている。
【0032】
搬送機構101は、基板Gを保持できる手段、例えば搬送アーム102を有し、水平のX,Y方向,鉛直のZ方向、及び鉛直軸回りのθ方向の4軸で動作可能であり、隣接する塗布ライン部202と現像ライン205に対して基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
【0033】
上流部の塗布ライン部202には、洗浄プロセス部210、第1の熱的処理部211、2段パスユニット部212、パスユニット部212に隣接し、塗布ライン部202と現像ライン部205の空間に位置する塗布プロセス部213、塗布ライン部202に戻り第2の熱的処理部219が順番に配置されている。なお、装置構成によって各部の長さを調整するための基板をローラ搬送するだけのローラコンベア部(CONV)220が配置されている。
【0034】
一方、インターフェース部(I/F)203側からカセットステーション(C/S)201側へ向う下流部の現像ライン部205には、現像プロセス部220と、第3の熱的処理部223を配置している。なお、装置構成によって各部の長さを調整するための基板Gをローラ搬送するだけのローラコンベア部(CONV)221が配置されている。また、基板Gの処理スピードをカセットステーションと調整するための多段バッファ部224を配置している。
【0035】
次に、処理部の各ユニット構成について説明する。上流部の塗布ライン部202において、洗浄プロセス部210は、搬送機構101と隣接する場所にエキシマUV照射ユニット(e−UV)102とスクラバ洗浄ユニット(SCR)103を配置している。エキシマUV照射によりオゾンO3を発生させて洗浄を行う。スクラバ洗浄ユニット(SCR)103内の洗浄部は、基板Gをローラ搬送により水平姿勢で搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を行う。
【0036】
洗浄プロセス部215の下流側に隣接する第1の熱処理部211は、脱水ベーク用の加熱ユニット(DHP)104、塗布液の密着性を高めるアドヒージョンユニット(AD)105、基板の温度を一定に保つ冷却ユニット(COL)106から構成されている。
【0037】
次に図6A,図6B及び図7に示すように2段パスユニット部212は基板Gを塗布プロセス部213に送出するためのインパスユニット107、塗布後の基板Gを払い出すためのアウトパスユニット108、塗布プロセス部213で基板Gが処理中の場合に一時的に基板Gを収納して待機するための2段パス多段バッファユニット109が積層されている。
【0038】
2段パスユニット部212に隣接して塗布プロセス部213が配置されていて、インパスユニット107から受け渡す搬送アーム110、薬液を基板Gに塗布する塗布ユニット111、塗布された基板Gを減圧乾燥する減圧乾燥ユニット112が配置されている。
【0039】
塗布ユニット111は薬液を塗布後に回転して薬液を均一に広げるスピン方式と、長尺スリット状のノズルから薬液を吐出して基板G上を相対的に移動しながら塗布するスピンレス方式がある。減圧乾燥ユニット112では密閉空間内で低減圧状態にすることにより加熱せずに塗布液の溶媒を蒸発させる。減圧乾燥ユニット112では減圧乾燥後に塗布された薬液の不要な端縁部をシンナーにより除去するエッジリムーバを備えている。
【0040】
図7に示すように搬送アーム110は以下の構成になっている。すなわち、搬送アーム110は、搬送アームZ軸である鉛直方向への移動はZ軸を駆動するZ軸モータ85、Z軸のガイドレール81、ガイドレール上にあるZ軸を昇降するZ軸昇降部材82から構成されている。搬送アーム110を鉛直軸回りに旋回するθ軸はθ軸モータ86、θ軸旋回部材83から構成されている。なお、θ軸旋回部材83はZ軸昇降部材82の架台の上に配置されている。搬送アームのフォーク101の進退はモータ87によって行われる。フォーク101はθ軸旋回部材83の架台の上に配置されている。
【0041】
このような構造により搬送アーム110は、Z軸、θ軸、X軸にアクセス可能なことによりインパスユニット107、アウトパスユニット108、2段パス多段バッファユニット109、塗布ユニット111、減圧乾燥ユニット112のいずれにもアクセスすることができる。
【0042】
2段パスユニット部212下流の第2熱処理部219は、基板Gに塗布された薬液を固めるプリベークユニット113、基板の温度を安定化させるクーリングユニット114を備えている。
【0043】
インターフェース部203は、露光装置204に払い出すためのパスユニット115、露光機で基板Gを処理中の場合に一時的に基板Gを一枚毎に収納する多段バッファユニット(T−BUF)117、露光後の基板Gを現像ラインに払い出すためのパスユニット118、基板Gを前記ユニット及び露光装置204間で受け渡す搬送アーム116を備えている。搬送アーム116はZ軸、θ軸、X軸にアクセス可能になっている。
【0044】
下流部の現像ライン部205において、現像プロセス部222は現像ユニット120、現像液をリンスするリンスユニット121、現像液及びリンス液を乾燥させるドライユニット122を備えている。
【0045】
第3の熱処理部223は、現像を安定化させるポストベークユニット123、基板Gを安定化させるクーリングユニット(COL)124を備えている。
【0046】
図9に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション部(C/S)201において、搬送機構101が、ステージ100上の所定のカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、洗浄プロセス部210のエキシマUV照射ユニット(e−UV)102に搬入する(ステップS1)。
【0047】
エキシマUV照射ユニット(e−UV)102内で基板Gは紫外線照射による乾式洗浄を施される(ステップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有機物が除去される。紫外線洗浄の終了後に、ローラ搬送によって洗浄プロセス部24のスクラバ洗浄ユニット(SCR)103へ移される。
【0048】
スクラバ洗浄ユニット(SCR)103では、ローラ搬送により水平姿勢で平流しで搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより、基板表面から粒子状の汚れを除去する(ステップS3)。なお、洗浄後も基板Gを平流しで搬送しながらエアーナイフ等によって液切りして、基板Gを乾燥させる。スクラバ洗浄ユニット(SCR)103内で洗浄処理の済んだ基板Gは、第1熱処理部211の加熱ユニット(DHP)104に移される。
【0049】
第1熱処理部211において、加熱ユニット(DHP)104に移され、そこで脱水処理を受ける(ステップS4)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)106に移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。
【0050】
しかる後、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)105に移され、そこで疎水化処理を受ける(ステップS6)。疎水化処理により基板Gとレジスト液の密着性を高める。この疎水化処理の後に、基板Gは冷却ユニット(COL)106で基板を一定の常温の温度まで冷却される(ステップS7)。そして、2段パスユニット部212に移される。
【0051】
次に2段パスユニット部212のインパスユニット107に移された基板Gを塗布プロセス部213の搬送アーム110により塗布ユニット(CT)111に受け渡される。本発明であるこの動作については詳細な動作は後述する。
【0052】
基板Gは塗布ユニット(CT)111で、スピンコート法もしくはスリットコート法により基板上面(被処理面)にレジスト液を塗布される(ステップS8)。
【0053】
次に搬送アーム110により塗布ユニット111から減圧乾燥ユニット(VD/ER)112に移される。減圧により塗布されたレジスト液の溶媒の乾燥処理を行う。次いで同ユニット内で基板周縁部の余分(不要)なレジストをエッジリムーバ・ユニット(ER)で取り除かれる(ステップS9)。処理終了後、減圧乾燥ユニット112の基板は搬送アーム110によりインパスユニット107の上部に配置したアウトパスユニット108へ移される。移された基板はローラ搬送により第2熱処理部219のプリベークユニット113へ移される。
【0054】
第2熱処理部219のプリベークユニット(PRE−BAKE)113でレジスト塗布後のベーキングを行う(ステップS10)。この処理により基板G上に塗布されたレジスト膜中に残留する溶媒を蒸発させ、レジスト膜と基板Gの密着性を強化する。
【0055】
次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)114に移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS11)。基板Gはコンベアローラ(CONV)220に搬送され、インターフェース部203のパスユニット115へ搬入される。コンベアローラの長さはシステムのレイアウトにより異なる。
【0056】
パスユニット115に搬送された基板Gは搬送アーム116によって露光装置204に受け渡され所定のパターンに露光される(ステップS13)。露光装置204に基板Gが既に搬入されて処理中の場合は、多段バッファ117に一時的に収納される。搬送アームは鉛直方向、鉛直軸回り、進退自在に動作可能で、パスユニット115、多段バッファ117、露光装置204、パスユニット118へのアクセスが可能である。
【0057】
露光済の基板Gは搬送アーム116により露光装置204からパスユニット118(PASS)に受け渡たされる (ステップS14) 。次にパスユニット118よりコンベアローラ119を経由して現像ライン現像ユニット120へ受け渡される。
【0058】
現像ユニット(DEV)120において基板Gは平流し方式で搬送され、その搬送中に現像ユニット120、リンスユニット121、乾燥ユニット122で一連の現像処理工程が行われる(ステップS15)。現像ユニット120では露光機で露光した、もしくはされなかった部分のレジストを現像液で洗い流し、リンスユニット121で現像液の洗い流し、乾燥ユニット122で残存している純水を乾燥して除去する。
【0059】
次に、第3熱処理部223のポストベークユニット(POST−BAKE)123に移され、そこでポストベーキングが行われる(ステップS16)。ここでは現像によって形成されたレジストパターンを、基板Gとの密着性を向上させるためポストベークを行っている。次に、基板Gは、クーリングユニット(COL)124に移され、そこで所定の基板温度に冷却される(ステップS17)。
【0060】
第3熱処理部36のクーリングユニット(COL)から多段バッファ(T−BUF)1125、及びコンベアローラ126を経由して搬送アーム102が基板Gを受け取り、カセットステーション(C/S)201のいずれか1つのカセットCに収容する(ステップS18)。
【0061】
もし、カセットステーション部201が稼働中もしくはカセットCSTの基板Gが一杯で受け入れられなかった場合は、バッファ部224の多段バッファユニット125に一時的に収納される。これで一連の塗布現像処理が終了する。
【0062】
この塗布現像処理システム200において、基板Gの受渡装置を本発明に適用することができる。以下、図6A,図6Bを参照して本発明に係る基板受渡装置を2段パスユニット部212と塗布プロセス部213との基板Gの受け渡しを適用した実施形態を説明する。
【0063】
図6A,図6Bに示すように上流部から搬送されてきた基板Gはインパスユニット107へ搬入される。また、減圧乾燥ユニット112での処理が終了した基板Gは搬送アーム110によりアウトパスユニット108に受け渡される。インパスユニット107には、この発明に係る基板受渡装置を構成する第1ローラコンベアRC1が備えられ、アウトパスユニット108には、基板受渡装置を構成する第2ローラコンベアRC2が備えられている。
【0064】
以下に、基板受渡装置について説明する。基板受渡装置は、図3ないし図5に示すように、基板Gを水平方向に搬送可能な第1ローラコンベアRC1と、基板Gを水平のX,Y方向、鉛直のZ方向及び鉛直軸回りのθ方向に回転自在に移動可能なフォーク101を有する搬送アーム110とを具備している。
【0065】
第1ローラコンベアRC1は、駆動シャフト55に適宜間隔をおいて駆動ローラ56を装着した駆動ローラ列と、フリーローラシャフト57に適宜間隔を置いてフリーローラ59を回転自在に装着したフリーローラ列とを並列に配列してなり、フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間Iを形成するフリーローラ移動機構であるフリーローラ駆動用のシリンダ65と、を具備してなり、空間Iに搬送アーム110のフォーク101を搬送方向と直交する方向から挿入して、第1ローラコンベアRC1上の基板Gを搬送アーム110に受け渡すように構成されている。
【0066】
図3に示すように、駆動シャフト55は、インパスユニット107の架台50の上のシャフトサポート部64のベアリング58によって回転自在に支承されており、架台50に設置された駆動源例えば駆動モータ51の駆動によって基板の搬送方向に回転されるように構成されている。この場合、駆動モータ51は基板搬送方向と平行に延びる回転シャフト52が連結されており、回転シャフト52に装着された例えばベベルギアからなるギア53が、駆動シャフト55の一端部に装着されるベベルギアからなるギア54に噛合して、駆動モータ51の駆動が駆動シャフト55及び駆動ローラ56に伝達されるようになっている。なお、駆動機構を駆動モータ51、ギア53,54に代えて動力の伝達はギアを使用せずにマグネットの磁力を利用した非接触型の動力伝達機構で駆動してもよい。
【0067】
一方、フリーローラ59を回転自在に装着したフリーローラシャフト57は、フリーローラ移動機構であるフリーローラ駆動用のシリンダ65に連結されて、隣接する駆動シャフト55側に接離移動し得るように構成されている。
【0068】
この場合、シリンダ65は、図4(a)に示すように、第1ローラコンベアRC1の下方に横設されるシリンダ本体65aと、シリンダ本体65a内を摺動する一対のピストン65bを有するスプール65cと、シリンダ本体65aの両端部に設けられたポート65d,65eに接続する管路65fと、管路65fに切換弁65g及び開閉弁65hを介して接続される空気供給源65iと、を具備している。なおこの場合、切換弁65gは、空気供給源65iから供給される空気を一方例えばポート65dに供給した場合は、他方のポート65eから排出される空気を外部に排気する切換機構を有している。
【0069】
またシリンダ65は、スプール65cに連結されてシリンダ本体65aの上部に設けられた軸向に沿うスリット65jを介して上方に突出する連結部材65kを具備しており、この連結部材65kにフリーローラシャフト57が連結されている。
【0070】
このように構成されるシリンダ65によれば、後述する制御手段であるコントローラ300からの制御信号に基づいて切換弁65gが切り換えられた状態で、空気供給源65iから空気が一方のポート65dからシリンダ本体65a内に供給され、他方のポート65eから空気が排出されることで、フリーローラシャフト57及びフリーローラ59を有するフリーローラ列が隣接する駆動ローラ列側に移動して、搬送アーム110のフォーク101が挿入可能な空間Iを形成することができる(図3参照)。また、前記の逆の動作を行うことによってフリーローラ列は元の位置に復帰し、駆動ローラ列の駆動ローラ56とフリーローラ59とが協働して基板Gを搬送する。
【0071】
また、第1ローラコンベアRC1における基板Gの搬送経路の最下流側に位置する駆動シャフト55の中央部の近傍位置には、駆動シャフト55を挟んで上流側と下流側に、基板Gの端部を検知する減速センサSAと停止センサSBが配設されている。これら減速センサSAと停止センサSBは光センサによって形成されている。
【0072】
また、第1ローラコンベアRC1における基板Gの搬送経路の下流側の両端部には、第1ローラコンベアRC1によって搬送される基板Gの下流側端部の隅部に当接する可動アライメント部材61を有する基板Gの基準位置決め用アライメント機構60Aが配設されている。また、第1ローラコンベアRC1における基板Gの搬送経路の上流側の両端部には、第1ローラコンベアRC1によって搬送される基板Gの上流側端部の隅部に当接する可動アライメント部材61を有する基板の確定位置決め用アライメント機構60Bが配設されている。
【0073】
この場合、基準位置決め用アライメント機構60Aと確定位置決め用アライメント機構60Bは、基準位置決め用アライメント機構60Aを代表して説明すると、図3(c)に示すように、シリンダ体60a内に摺動可能に配設されるピストン60bと、ピストン60bに連結してシリンダ体60aの一端壁60cに設けられた貫通孔60dを貫通する互いに平行な2本の支持部材61aと両支持部材61aの先端部に回転自在に装着されるローラ61bとからなる可動アライメント部材61と、可動アライメント部材61を搬送される基板Gの隅部に向かって進退移動する図示しない加圧手段と、を具備している。このように構成することにより、加圧手段によって可動アライメント部材61を基板Gの隅部に向かって移動すると、2本の支持部材aの先端部に回転自在に装着された2個のローラ61bが基板Gの隅部の両面に当接して位置決めが行われる。
【0074】
前記駆動モータ51,シリンダ65,基準位置決め用アライメント機構60A,確定位置決め用アライメント機構60B,搬送アーム110,減速センサSA及び停止センサSBは、制御手段であるコントローラ300に電気的に接続されており、減速センサSA,停止センサSBによって検出された信号を受けたコントローラ300からの制御信号に基づいて駆動モータ51,シリンダ65,基準位置決め用アライメント機構60A,確定位置決め用アライメント機構60B及び搬送アーム110が制御されるように構成されている。
【0075】
一方、第2ローラコンベアRC2は、図5に示すように、駆動シャフト55に適宜間隔をおいて駆動ローラ56を装着した駆動ローラ列を並列に配列してなり、隣接する駆動ローラ列間に搬送アーム110のフォーク101を搬送方向と直交する方向から挿入して、第2ローラコンベアRC2上の基板Gを搬送アーム110に受け渡すように構成されている。
【0076】
なお、第2ローラコンベアRC2の駆動機構は、第1ローラコンベアRC1の駆動機構と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0077】
搬送アーム110は図7に示すように以下の構成になっている。搬送アーム110の上下(Z軸)移動はガイドレール81と、ガイドレール81に沿って昇降する昇降部材82と、昇降部材82を駆動するZ軸モータから構成されている。θ軸はθモータ86によって昇降部材82がガイドレール81に沿って回転するようになっている。X軸は昇降機構82上のベース部材83上のフォーク101がX軸駆動モータ87によって前後に駆動される。
【0078】
このように搬送アーム110はインパスユニット107、アウトパスユニット108、2段パス多段バッファユニット109、塗布ユニット111、減圧乾燥ユニット112のいずれにもアクセスすることができる。なお、2段パス多段バッファユニット109に設けられた収納部109aの底部には基板Gを支持する複数の支持ピン109bが立設されている。
【0079】
次に、図3〜図7,図10A,図10Bを参照して、基板Gの処理手順について説明する。まず、図4(a)に示すように上流部から搬送されてきた基板Gが駆動ローラ56の駆動力とフリーローラ59のサポートによりインパスユニット107に搬入されてくる(ステップSA1)。インパスユニット107の第1ローラコンベアRC1に搬入された基板Gを減速センサSAが検出する(ステップSA2)。減速センサSAの検出に基づくコントローラ300からの制御信号に基づいて駆動モータ51が減速を始める(ステップSA3)。次に停止センサS2が基板Gを検出する(ステップSA4)。停止センサSBの検出に基づくコントローラ300からの制御信号に基づいて所定の時間が経過すると駆動モータ51が完全に停止する。同時に基板Gの搬送も停止する(ステップSA5)。
【0080】
次に基板Gの位置決めを行う。まず、図3に示すように基板Gの下流側の隅部に基準の位置決めアライメント機構60Aの可動アライメント部材61が伸長して基板Gを当接して基準の位置決めを行う(ステップSA6)。
【0081】
前記停止センサS2が基板Gを検出して所定の時間経過後に駆動モータ51が停止することにより基板Gが停止するが、基板Gの停止位置は基準の位置決めアライメント機構60Aと密接な関係があり、基準の位置決めアライメント機構60Aの可動アライメント部材61が伸長したときに基板Gに丁度接する位置に停止するように時間を設定している。
【0082】
次に基板Gが完全に停止すると図4(b)のステップへ移る。フリーローラ駆動用シリンダ65が駆動することにより連結されているフリーローラシャフト57がINの位置から下流側OUTの位置に移動する(ステップSA7)。
【0083】
これにより空間I(Interspace)ができる。搬送アームフォーク101が挿入できる空間Iができれば、空間Iはフリーローラ59を上流側もしくは下方に移動してもよい。フリーローラ59の移動はモータ駆動によって行ってもよい。
【0084】
次に基板Gの上流側にある確定の位置決めアライメント機構60Bが基板Gの隅部を当接して位置決めの確定を行う(ステップSA8)。つまり、下流側のアライメント、フリーローラ59の移動、上流側のアライメントの順番に位置決めを行うことにより、基板Gに負担がかからない位置決めを行うことができる。
【0085】
次に、アライメント機構60Aと60Bが後退する(ステップSA9)。アライメントが終了したら、搬送アーム110のフォーク101が空間Iに挿入(X軸)される(ステップSA10)。次に図3(c)に示すように、フォーク101がh2の距離をUP(Z軸)して基板Gを保持する。次にフォークがX軸方向に引かれて、搬送アーム110のフォーク101に受け渡される(ステップSA11)。最後にフリーローラ列はフリーローラ駆動用シリンダ65が元に戻ることにより原点位置に戻る(ステップSA12)。そして最初の基板搬入ステップSA1に戻ることができ、次の基板Gが受け入れ可能になる。
【0086】
このように昇降ピン無しに基板の受け渡しが可能になるので図2に示すh1の高さのスペースが不要になる。
【0087】
図10Bに示す受け渡しフローBは、フリーローラ列の移動(ステップSA7)を減速センサSA検出(ステップSA2)の信号により駆動ローラ56の減速(ステップSA3)と略同時に開始している。これによりステップが一回省略されるので、基板受け渡しの処理スピードを高めることができる。通常約1秒の処理スピードのアップが可能になる。
【0088】
搬送アーム110に受け渡された基板Gは図6Aに示す塗布ユニット111へ受け渡される。
【0089】
もし、塗布ユニット111が処理中の場合は、塗布ユニット111に配設された基板有無検出センサSCが基板Gの有無を検出して、コントローラ300に伝達し、コントローラ300からの制御信号に基づいて搬送アーム110が駆動して、2段パス多段バッファユニット109のいずれかの収納部109aへ一時的に収納される。搬送アーム110のフォーク101は支持ピン109bの間に挿入されて受け渡される。塗布ユニット111の処理が終了して減圧乾燥ユニット112へ基板Gが受け渡されたら、基板収納部109に待機している基板Gを搬送アーム110により、塗布ユニット111へ受け渡す。
【0090】
塗布ユニット111でレジストの塗布が終了した基板Gは、搬送アーム110によって減圧乾燥ユニット112に受け渡される。減圧乾燥ユニット112で塗布されたレジストの乾燥と、塗布部周縁部をシンナーで除去する。
【0091】
減圧乾燥ユニット112での処理が終了したらアウトパスユニット108に搬送アーム110より基板Gを水平方向に搬送可能な第2ローラコンベアRC2に受け渡される。第2ローラコンベアRC2は、前述したように駆動ローラ列が並列に配置され、駆動ローラ列の間に搬送アーム110のフォーク101を挿入できる空間を具備している。また、第2ローラコンベアRC2は昇降ピン及び昇降ピンの駆動機構は備えていない。搬送アーム110のフォーク101を搬送方向と直交する方向から挿入して、搬送アーム110上の基板Gをアウトパスユニット108の第2ローラコンベアRC2上に受け渡す。昇降ピンを備えていないので、通常の昇降ピン方式より一回の受け渡しで約6秒の処理時間が短縮される。つまり、例えばFPD基板の製造装置におけるローラコンベア上の基板Gを搬送アームに受け渡す場合は、通常、昇降ピンの上昇に3秒、下降に3秒は必要で、一回の受け渡しに計6秒を要するので、昇降ピン機構を無くすことによって装置全体の処理時間を大きく短縮することができる。
【0092】
また、アウトパスユニット108はインパスユニット107の上部に配置してあり、塗布・現像システムの占有面積を低減している。このように第1,2ローラコンベアRC1,RC2の搬送方向と直交する方向から搬送アーム110を挿入することが可能になったことにより、図8の塗布・現像装置200に示すように塗布ライン部202と現像ライン部205の間に必要に応じて処理ユニットの配置が可能になり、クリーンルームの占有面積を低減してコストダウンを図ることできる。
【0093】
本発明における基板受渡装置は塗布現像システムに限るものではなく、ローラコンベアと搬送アーム間の基板の受け渡し機構の全てに適用することができる。
【符号の説明】
【0094】
G 基板
SA 減速センサ
SB 停止センサ
SC 基板有無検出センサ
RC1 第1ローラコンベア
RC2 第2ローラコンベア
50 架台
56 駆動ローラ
59 フリーローラ
60A 基準の位置決めアライメント
60B 確定の位置決めアライメント
65 フリーローラ駆動用シリンダ(フリーローラ移動機構)
101 搬送アームフォーク
107 インパスユニット
108 アウトパスユニット
109 2段パス多段バッファユニット
109a パスユニット多段バッファ収納部
110 搬送アーム
212 2段パスユニット部
300 コントローラ(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を水平方向に搬送可能なローラコンベアと、
基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能なフォークを有する搬送アームと、を具備し、
前記ローラコンベアは、駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に配列し、前記フリーローラ列を隣接する前記駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間を形成するフリーローラ移動機構を具備してなり、
前記空間に前記搬送アームのフォークを搬送方向と直交する方向から挿入して、前記ローラコンベア上の基板を搬送アームに受け渡す、
ことを特徴とする基板受渡装置。
【請求項2】
前記ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配置され、基板搬送の減速開始位置を検出する減速センサ及び基板の停止位置を検出する停止センサと、前記減速センサ及び停止センサからの検出信号に基づいて前記駆動ローラの駆動機構を制御する制御手段と、を更に具備し、
前記制御部の制御信号に基づいて、前記ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、所定の時間経過後に前記駆動ローラを減速し、前記停止センサが検出した後、前記駆動ローラを停止する、ことを特徴とする請求項1記載の基板受渡装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記減速センサからの検出信号に基づいて前記フリーローラ移動機構を制御可能に形成され、前記ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、前記フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、前記空間を形成する、ことを特徴とする請求項2記載の基板受渡装置。
【請求項4】
前記ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配設され、ローラコンベアによって搬送される基板の下流側端部の隅部に当接する可動アライメント部材を有する基板の基準位置決め用アライメント機構と、
前記ローラコンベアの搬送経路上の上流側に配設され、ローラコンベアによって搬送される基板の上流側端部の隅部に当接可能な可動アライメント部材を有する基板の確定位置決め用アライメント機構と、を更に具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板受渡装置。
【請求項5】
基板を水平方向に搬送可能な第1ローラコンベアと、
前記第1ローラコンベアの上方に配置され、基板を水平方向に搬送可能な第2ローラコンベアと、
基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能なフォークを有する搬送アームと、
基板を枚葉毎に収納可能な収納部を積層した基板収納部と、
前記搬送アームが受け渡す基板の処理ユニットと、
前記処理ユニット上の基板の有無を検出する手段と、
前記搬送アームを制御する制御手段と、を具備し、
前記第1ローラコンベアは、駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に配列し、前記フリーローラ列を隣接する前記駆動ローラ列側へ移動して、駆動ローラ列とフリーローラ列の間に空間を形成するフリーローラ移動機構を具備し、
前記第2ローラコンベアは、前記搬送アームのフォークが挿入可能な空間をおいて並列される駆動ローラ列を具備し、
前記制御手段の制御信号に基づいて、前記処理ユニット上に基板の有りを検出した場合は、前記第1ローラコンベア上の基板を前記基板収納部へ受け渡し、
前記処理ユニット上に基板の無しを検出した場合は、前記第1ローラコンベア上の基板を前記処理ユニットへ受け渡す、
ことを特徴とする基板受渡装置。
【請求項6】
前記第1ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配置され、基板搬送の減速開始位置を検出する減速センサ及び基板の停止位置を検出する停止センサと、前記減速センサ及び停止センサからの検出信号に基づいて前記駆動ローラの駆動機構を制御する制御手段と、を更に具備し、
前記制御部の制御信号に基づいて、前記第1ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、所定の時間経過後に前記駆動ローラを減速し、前記停止センサが検出した後、前記駆動ローラを停止する、ことを特徴とする請求項5記載の基板受渡装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記減速センサからの検出信号に基づいて前記フリーローラ移動機構を制御可能に形成され、前記第1ローラコンベアによって搬送されてきた基板を前記減速センサが検出した後、前記フリーローラ列を隣接する駆動ローラ列側へ移動して、前記空間を形成する、ことを特徴とする請求項6項記載の基板受渡装置。
【請求項8】
前記第1ローラコンベアの搬送経路上の下流側に配設され、第1ローラコンベアによって搬送される基板の下流側端部の隅部に当接する可動アライメント部材を有する基板の基準位置決め用アライメント機構と、
前記第ローラコンベアの搬送経路上の上流側に配設され、第1ローラコンベアによって搬送される基板の上流側端部の隅部に当接可能な可動アライメント部材を有する基板の確定位置決め用アライメント機構と、を更に具備することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の基板受渡装置。
【請求項9】
駆動ローラ列とフリーローラ列を並列に具備するローラコンベアにより基板を水平方向に搬送する工程と、
基板を減速センサにより検出し、検出した信号に基づいて前記駆動ローラの回転を減速する工程と、
基板を停止センサにより検出し、検出した信号に基づいて前記駆動ローラの回転を所定の時間経過後に停止する工程と、
アライメント機構のアライメント部材により基板の搬送経路上の下流側の隅部を当接して基準の位置決めを行う工程と、
前記フリーローラを隣接する駆動ローラ列側に移動して空間を作る工程と、
アライメント機構のアライメント部材により基板の搬送経路上の上流側の隅部を当接して基板の位置決めを確定する工程と、
基板を水平方向、鉛直方向及び鉛直軸回りに回転自在に移動可能な搬送アームのフォークを、基板の搬送方向と直交する方向から、前記フリーローラを移動してできた空間に挿入して、ローラコンベア上の基板を搬送アームへ受け渡す工程と、
を含むことを特徴とする基板受渡方法。
【請求項10】
前記減速センサが基板を検出した信号に基づいて、前記駆動ローラの回転を減速する工程の開始時期と同時期に前記フリーローラを搬送方向と同一方向に移動して搬送アームのフォークが挿入できる空間を作る工程を含むことを特徴とする請求項9項記載の基板受渡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2012−56706(P2012−56706A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201539(P2010−201539)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】