説明

多層靴敷き

【課題】衝撃を吸収することはもちろん通気性を向上させ、抗菌作用を担う麻布層を構成し、通気が円滑になされ、コルク層と麻布層から発生する遠赤外線により足のにおいを取り除くことができ、そのうえ、水虫を予防することができる足反射効果を奏する多層靴敷きの提供。
【解決手段】足の指と足の裏の間と、足の親指と他の足の指の間に突設された突起部と、かかと部分に設けられた溝と、足の裏の中央部に突設された加圧突起と、足の裏の中央の内側の端に突設された安置部と、足の裏の中央の外側の端に設けられた溝が形成されたゴム材層、ゴム材層の上側に形成され、汗を吸収するコルク素材からなるコルク層、コルク層の上側に形成され、抗菌力をもつ麻布層、麻布層の上側に形成され、被覆層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層靴敷きに関するもので、さらに詳しくは底に緩衝作用のための多数の溝と突起部が備えられ、卓越した足反射効果があり、異常な形態の足の土踏まずを治療し、ゴム材層と、その上側に設けられたコルク素材からなるコルク層を形成することにより衝撃吸収はもちろん通気性を向上させ、その上側に抗菌作用を担う麻布層を構成し、通気が円滑になされ、コルク層と麻布層から発生する遠赤外線によって足のにおいを取り除くと同時に水虫を予防することができる足反射効果を奏する多層靴敷きである。
【0002】
一般的に靴敷きは履物の内部に挟まれ使用されるもので、このような靴敷きは足を楽にし、履物を履いての長時間歩いたり仕事をしても足が楽に維持できるようにし、歩いたり走ったりすることを楽にするために使用する履物の補助器具である。最近では、各種機能を追加して楽に履くことができるようにし、また健康の助けになるような靴敷きも開発されている。一方、現代人は交通手段等のように科学の発達により運動不足や過剰な栄養摂取によって身体的に肥満等の多様な問題を持っているのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近、多くの人たちが健康のため、朝公園などでジョギングなどの運動をしているが、ジョギングをする人は比較的軽い履物とジャージを着用して走ることになる。しかし従来の靴敷きは散歩やジョギングなどをする際、足の関節に無理な衝撃がかかることを防止するための緩衝機能が充分ではなく、関節の軟骨と脊椎に無理な外力を与えるという問題があり、また従来の靴敷きは構造的にクッションが良くないため、足が疲労し易く、運動量を高めることができないため、健康増進に大きな助けにならないという問題があり、特に歩いたり走ったりする際に着用者の体重によりかかる衝撃が直に足に伝達することにより、時間が経つにつれ疲労感をさらに感じさせるという問題があった。
【0004】
そして従来の靴敷きは構造的に通気しないため、すぐに足がむれるという問題があり、特に汗を乾燥させることができないためカビ等の細菌の繁殖を防ぐことができないことにより、結果的に足のにおいおよび水虫が発生するという問題があった。
【0005】
本発明は前述の問題点を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の多層靴敷きは、衝撃を吸収するために、一定の厚さの合成樹脂素材からなり、足の指と足の裏の間と足の親指と他の指の間に突設された突起部と、かかと部分に設けられた溝と足の裏の中央部に突設された加圧突起と、足の裏の中央の内側の端に突設された安置部と、足の裏の中央の外側の端に設けられた溝が形成されるゴム材層、前記ゴム材層の上側に形成され、履物を履いた者の足から発生する汗を吸収するコルク素材からなるコルク層、前記コルク層の上側に形成され、抗菌性と通気性を増幅させるために抗菌力をもつ麻布層、前記麻布層の上側に形成され、足の裏と触れる面の接触をソフトにする被覆層、を含み構成される足反射効果を合わせ持った多層靴敷きを特徴としている。
【0007】
また、前記ゴム材層はウレタン樹脂からなることが好ましい。
【0008】
また、前記加圧突起は中央部に緩衝口が設けられることが好ましい足反射効果を合わせ持った多層靴敷きを提供しようとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多層靴敷きによれば、底に緩衝作用のための多数の溝と突起部が設けられ卓越した足反射効果があり、異常な形態の足の土踏まずを治し、ゴム材層とその上側にコルク素材で構成されたコルク層を形成することにより衝撃吸収はもちろん通気性を向上させ、その上側に抗菌作用をする麻布層を構成して、散歩やジョギング等をする際に着用者の足に加えられる衝撃を吸収し足の疲労を減らすことができると同時に、歩いたり走ったりする際の通気を円滑に成り立たせ、コルク層と麻布層で発生する遠赤外線によって足のにおいを取り除くことができ、そのうえ水虫を予防することができる多層靴敷きを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照し、特徴的な構成と作用効果を詳しく説明すると次のようである。
【0011】
図1は本発明の多層靴敷きの履物に適用した状態を示す図であり、図2は本発明の多層靴敷きの斜視図であり、図3は本発明の多層靴敷きの分解斜視図であり、図4は前記図2のA−A線に沿った断面図であり、図5は前記図2のB−B線に沿った断面図であり、図6は前記図2のC−C線に沿った断面図であり、図7本発明の多層靴敷きが足に適用される状態を示した図である。
【0012】
本発明による多層靴敷きは衝撃を吸収するために一定の厚さの合成樹脂素材で構成され、足の指と足の裏の間と、足の親指と他の足の指の間に突出して構成される突起部110と、かかと部分にくぼんで構成される溝120と、足の裏の中央部に突出して構成される加圧突起130と、足の裏の中央の内側の端に突出して構成される安置部140と、足の裏の中央の外側の端にくぼんで構成される溝150が形成されたゴム材層100、前記ゴム材層100の上側に形成され、履物を履いた者の足から発生する汗を吸収するコルク素材から構成されたコルク層200、前記コルク層200の上側に形成され、抗菌性と通気性を増幅させるために抗菌力をもつ麻布層300、前記麻布層300の上側に形成され、足の裏と触れる面の接触をソフトにする被覆層400、を含み構成される。
【0013】
前記ゴム材層100は衝撃を吸収するために一定の厚さのゴム材で構成され、使用者が履物を履いて活動する際に靴底との接触による衝撃を吸収する緩衝作用をすることになる。
【0014】
前記突起部110は足の指と足の裏の間と、足の親指と他の足の指との間に突出して構成される。図1および図7に示したように、前記突起部110は足の指と足の裏の間の突起により使用者が履物を履いた際に足の裏が前や後ろにずれることを防止することができ、また足の親指と他の足の指の間に突出した突起により、使用者の足の指を固定してくれるため使用者の足の指が滑らず足の指の変形を起こさない。
【0015】
前記溝120は、かかと部分にくぼんで形成される。前記溝120は、履物を履いた者のかかと部分の形象と同じく挿入構成され、履物を履いた際にかかとが安定するように収まるようにし、かかとを完全に覆うため散歩する際にかかとに刺激を与え坐骨神経と骨盤に足反射効果が生じる。
【0016】
一般的に正常な歩き方でかかとが靴底に触れる際、体重の7倍の力が加わる。前記の溝120により適切な体重支持と緩衝作用をし、人体の損傷や変形を最小化する。
【0017】
前記加圧突起130は、足の裏の中央部に突出して構成される。加圧突起は足の裏の中央部に密着して副腎と、心臓および十二指腸に足反射効果を与える。
【0018】
前記安置部140は、足の裏の中央の内側の端に突出して構成される。前記安置部140は履物を履いた者の足の裏の中央部が挿入されているため、突出されるように構成され、履物を履いた者の足の裏の中央部と密着するようにし、胃、脊椎、十二指腸に足反射効果を与える。
【0019】
前記溝150は、足の裏の中央の外側の端にくぼんで構成される。前記溝150は、突出した足の裏の中央の外側の端が安置されるように構成される。
【0020】
前記加圧突起130と、安置部140の間と前記加圧突起130と前記溝150の間は、それぞれ履物を履く者の足の裏の内側の土踏まずと外側の土踏まずが密着し、安着されるように土踏まずを適切なアーチに導くように形成させる。
【0021】
前記安置部140と溝150によって、足の裏の土踏まず(foot arch)を理想的な形態に維持させ、変形した土踏まずの湾曲を直す。土踏まずの湾曲変化と柔軟性によって平坦ではない地面に適応し、体重や身体の移動によって起こる力を地表に伝達させる。適切な体重支持と緩衝作用をし、人体の損傷や変形を最小化する。
【0022】
前記コルク層200はゴム材層100の上側に形成され、履物を履いた者の足から発生する汗を吸収する水分吸収と衝撃吸収、断熱、保温などの作用をするため、一定の厚さのコルク素材で構成され使用者が長時間履物を履いて活動する際、足による疲労度を軽減させる。
【0023】
コルクで形成されたコルク層200は水分吸収に優れているだけでなく、衝撃吸収、断熱、保温などの効果にも優れており、コルク自体に通気口が形成されているので通気が非常によく、履物を長時間履いて活動していても使用者に楽に、また快適な環境を維持させ足の疲労度が軽減される。
【0024】
前記麻布層300は、麻布で構成され前記コルク層200の上側に形成され多層靴敷き10の抗菌性と通気性を向上させるために抗菌処理された麻素材で構成され、使用者が長時間履物を履いた状態で運動および活動する際に汗による悪臭などを抑制する抗菌作用をするようになる。
【0025】
付加的に麻布の科学と機能性が再認識されながらミレニアム織物として新しい注目を浴びている。麻布纎維はその長さが自然纎維の中で最も長く、綿繊維よりずっと強い堅固性と耐久性を持つ。またこの纎維はナノ水準の毛細管内空構造で空洞となっており「呼吸する」織物と呼ばれる。スポンジのような構造は酷暑には外部の熱の流入を、真冬には体温の流出を遮断し全ての天候に適用した生地として適合しており、震動、紫外線、電磁波、放射線の遮断効果も卓越している。毛細管現象による卓越した水分の吸収力と排出力は、じめじめした状態で生殖するカビの繁殖を抑制し、抗菌性と抗毒性も非常に優れている。
[実験例1]コルクの遠赤外線放射による大腸菌および緑膿菌の減少実験
大腸菌による抗菌試験では、コルクを入れない試料では大腸菌の初期濃度152(個/ml)が24時間後343(個/ml)に増えた。一方、コルクを入れる試料では大腸菌の初期濃度152(個/ml)が24時間後4(個/ml)と確実に落ち、細菌減少率が96.1%に達することが分かる。
【0026】
緑膿菌による抗菌試験では、コルクを入れない試料では緑膿菌の初期濃度152(個/ml)が24時間後290(個/ml)に増えた一方、コルクを入れる試料では大腸菌の初期濃度152(個/ml)が24時間後6(個/ml)と確実に落ち、細菌減少率が95.3%に達することが分かる。
【0027】
試験結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
1)ブランク(Blank):試料を入れない状態で測定したもの。
2)培養上の菌数は希釈倍数をかけて算出したもの。
3)試験方法: KICM−FIR−1002に従い、使用菌株としては、Escherichia_coli ATCC 25922と、Pseudomonas aeruginosa ATCC 15442とを用いた。
【0030】
前記被覆層400は前記麻布層300の上側に形成され、足の裏と触れる面の接触をソフトにする。前記被覆層400は、一般的に履物20の内側の皮の材質と同一な材料を使用する。天然の皮を使用すると、通気が円滑に行われ履物を履いた者の足の裏も非常に楽である。
【0031】
また、前記ゴム材層100はウレタン樹脂で構成される。
【0032】
ウレタンは、株の鎖の中にウレタン結合を持つ合成高分子、ポリウレタン系列の合成纎維としてスパンデックス、ポリウレタン海綿、ウレタンゴム、ウレタン塗料程度が実用化されている。
【0033】
ウレタンは一般のゴムより柔らかく、弾性に優れているため履物を履いた者の足がより楽であり、使用者の足の形に合わせて変形が可能なため足に無理がかからないという長所がある。
【0034】
また、前記加圧突起130は中央部に緩衝口131が追加で構成される。図3および図4に示したように、緩衝口131を備えると緩衝口131の空いた空間によって前記加圧突起130が荷重を受け変形する際に、空間を置くことになるため緩衝作用が容易になる。
【0035】
前記のように構成された本発明は、前記ゴム材層100の突起部110、溝120、加圧突起130および溝150で成り立った屈曲がコルク層200、麻布層300および被覆層400が順に結合されながら被覆層400の外部からそのまま突出される。図1および図7で示したように、前記のように前記被覆層400の外部表面に露出した前記ゴム材層100の屈曲により使用者が履物20を着用した際に使用者の足30の裏に足反射効果が現われる。
【0036】
付加的に足反射療法(foot reflexology)は、足の各部位と身体の臓器官には連結性があるため、足を刺激することで各臓器に影響を与えるという療法である。足反射療法によって足を刺激すると、足反射はストレスを減少させ緊張をほぐしてくれる。また、足反射は血液循環を向上させる。血液は身体に必要な栄養分を運んだりするが、同時に毒性と老廃物をも運ぶ。ストレス症状の一つは血液循環を減少させることであるが、血液循環が向上すると血液中の栄養分をよく吸収し老廃物をさらに効果的に排出させることができる。また、足反射は身体の毒性を取り除いてくれる。身体はまた、リンパ系および消化系を通じ老廃物を取り除く。ストレスを受けている状況では、リンパ系と消化系が本来の機能ができず、足反射はストレスを減少させることでリンパ系と消化系が本来の機能をするように助け、身体の毒性を取り除く。また、足反射は身体エネルギーを充電してくれる。日頃、気力がないと他人に話すだけで、意欲喪失と疲労が現われることを体験している。足反射は気分を良くさせ、エネルギーの疎通を円滑にしてくれる。また足反射は、ストレスによる疾病を予防する。継続して足反射療法を受けると、その弛緩効果が免疫系に影響を与え頻繁に引きやすい風邪、ストレス性の疾病を予防することができる。
【0037】
本発明の多層靴敷きによると、底に緩衝作用のための多数の溝と突起部が備えられ卓越した足反射効果があり、異常な形態の足の土踏まずを治し、ゴム材層とその上側にコルク素材からなるコルク層を形成することにより衝撃吸収はもちろん、通気性を向上させ、その上側に抗菌作用を担う麻布層を構成し、散歩やジョギング等をする際に着用者の足に加わる衝撃を吸収して足の疲労を減らすことができると同時に、歩いたり走ったりする際に通気が円滑になされ、コルク層と麻布層で発生する遠赤外線によって足のにおいを取り除くことができ、そのうえ水虫を予防することができ、またこれを通じ着用者が長時間快適な状態で履物をより楽に履くことができるという非常に有用な効果がある。
【0038】
また体重が足に正しく分配されるように均衡感と安定感を加えることができるため、散歩する際一層楽に歩くことができ、また散歩する際かかとに加わる衝撃を全体的に均衡に吸収することができるため、足と足首および膝を保護することができるという非常に有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の多層靴敷きの履物に適用した状態を示す図である。
【図2】本発明の多層靴敷きの斜視図である。
【図3】本発明の多層靴敷きの分解斜視図である。
【図4】前記図2のA−A線に沿った断面図である。
【図5】前記図2のB−B線に沿った断面図である。
【図6】前記図2のC−C線に沿った断面図である。
【図7】本発明の多層靴敷きが足に適用される状態を表示した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10 多層靴敷き
20 履物
30 足
100 ゴム材層
110 突起部
120 溝
130 加圧突起
131 緩衝口
140 安置部
150 溝
200 コルク層
300 麻布層
400 被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃を吸収するために一定の厚さの合成樹脂材質で構成され、足の指と足の裏の間と、足の親指と他の足の指の間に突設された突起部(110)と、かかと部分に設けられた溝(120)と、足の裏の中央部に突設された加圧突起(130)と、足の裏の中央の内側の端に突設された安置部(140)と、足の裏の中央の外側の端に設けられた溝(150)が形成されたゴム材層(100)、前記ゴム材層(100)の上側に形成され、履物を履いた使用者の足から発生する汗を吸収するコルク素材からなるコルク層(200)、前記コルク層(200)の上側に形成され、抗菌性と通気性を増幅させるために抗菌力を持つ麻布層(300)、前記麻布層(300)の上側に形成され、足の裏と触れる面の接触をソフトにする被覆層(400)、を含んでなることを特徴とする足反射効果を合わせ持った多層靴敷き。
【請求項2】
前記ゴム材層(100)がウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の多層靴敷き。
【請求項3】
前記加圧突起(130)は、中央部に緩衝口(131)がさらに設けられたことを特徴とする請求項1記載の多層靴敷き。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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