弾性膜及び基板保持装置

【課題】基板端部の過研磨を効果的に抑制して、基板端部の研磨速度の精密な制御ができるようにする。
【解決手段】基板保持装置に用いられる弾性膜4であって、弾性膜4は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部400を有し、当接部400の下面は、平坦な平坦領域Aと該平坦領域の外周部に位置して上方に立上る立上り領域Bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨対象物である基板を保持して研磨面に押圧する基板保持装置、特に、半導体ウェハ等の基板を研磨して平坦化する研磨装置において該基板を保持する基板保持装置に使用される弾性膜、及び該弾性膜を有する基板保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化・高密度化に伴い、回路の配線がますます微細化し、多層配線の層数も増加している。回路の微細化を図りながら多層配線を実現しようとすると、下側の層の表面凹凸を踏襲しながら段差がより大きくなるので、配線層数が増加するに従って、薄膜形成における段差形状に対する膜被覆性(ステップカバレッジ)が悪くなる。従って、多層配線するためには、このステップカバレッジを改善し、然るべき過程で平坦化処理しなければならない。また光リソグラフィの微細化とともに焦点深度が浅くなるため、半導体デバイスの表面の凹凸段差が焦点深度以下に収まるように半導体デバイス表面を平坦化処理する必要がある。
【0003】
従って、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学的機械研磨(CMP(Chemical Mechanical Polishing))である。この化学的機械的研磨は、研磨装置を用いて、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド等の研磨面上に供給しつつ半導体ウェハなどの基板を研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
【0004】
この種の研磨装置は、研磨パッドからなる研磨面を有する研磨テーブルと、半導体ウェハを保持する基板保持装置とを備えている。このような研磨装置を用いて半導体ウェハの研磨を行う場合には、基板保持装置により半導体ウェハを保持しつつ、この半導体ウェハを研磨面に対して所定の圧力で押圧する。このとき、研磨テーブルと基板保持装置とを相対運動させることにより半導体ウェハが研磨面に摺接し、半導体ウェハの表面が平坦かつ鏡面に研磨される。
【0005】
このような研磨装置において、研磨中の半導体ウェハと研磨パッドの研磨面との間の相対的な押圧力が半導体ウェハの全面に亘って均一でない場合には、半導体ウェハの各部分に与えられる押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。半導体ウェハに対する押圧力を均一化するために、基板保持装置の下部に弾性膜から形成される圧力室を設け、この圧力室に圧縮空気などの圧力流体を供給することで弾性膜を介して流体圧により半導体ウェハを押圧することが行われている。
【0006】
基板保持装置に使用される弾性膜には、柔軟な性質により弾性膜の上面に形成される圧力室の流体圧を効率的に基板に伝え、基板の端部まで均一な圧力で基板を押圧するため、ゴムなどの柔軟な素材が一般に使用されている(特許文献1,2参照)。
【0007】
ここに、基板の被研磨面(表面)端部にエッジリンスやエッジカットなどと呼ばれる処理を施すことで、基板上に積層された研磨対象膜の外周端に角部(エッジカット部)を設けたり(特許文献3参照)、更に、基板上に積層された研磨対象膜の外周端に設けられるエッジカット部の幅を上層に行くに従って変えたりすることが提案されている(特許文献4参照)。このようなエッジカット部を有する基板を研磨パッドに押圧して研磨する場合、エッジカット部に圧力が集中してエッジカット部の過研磨が生じ、基板の端部から半導体素子の良品が製造できず製品歩留まりが悪化してしまう問題がある。
【0008】
基板端部の研磨速度を低下させる方法として、設定する圧力により、弾性膜の基板との接触領域と該接触領域の外側の圧力を個別に制御するようにすることが提案されている(特許文献5参照)。しかし、特許文献5に記載の発明では、設定する圧力の微妙なバランスにより、弾性膜の基板との接触領域が変化してしまい、基板端部の研磨速度を制御するため、例えばエアバッグ圧を調整した場合に、所望の領域の研磨速度を制御することは困難であると考えられる。
【0009】
また、特許文献5に記載の発明は、弾性膜の当接部の外周部を柔軟に構成することで基板端部の弾性膜との接触領域を制御するようにしている。しかし、作用する圧力によっては、弾性膜の当接部の外周部が潰れるように変形してしまうなど望ましい効果が得られなくなる場合があるばかりでなく、圧力が基板の接触面積の小さい弾性膜の当接部の外周部に増幅されて作用し、圧力の僅かの変化によって非常に敏感に基板端部の研磨レートが変化してしまい、結果的に安定した制御が阻害されるという問題が起こると考えられる。逆に、圧力調整によって、弾性膜の当接部の外周部の基板への接触領域を微妙に制御しようとした場合でも、柔軟に構成した弾性膜の当接部の外周部が研磨パッドと基板との摩擦力等による負荷で変形したり、エアバッグの圧力等により外側に膨らみやすく、そのため、リテーナリングとの接触により所望の圧力を基板にかけられないという様々な問題が起こる場合があると考えられる。更に、基板端部の研磨速度を制御するためには、2つの圧力室の差圧を考慮した条件設定が必要であり、研磨条件の設定が非常に煩雑であるという問題もあると考えられる。
【0010】
スペーサリングを備え該スペーサリングの上下面の表面積を予め決めておくことにより、弾性膜の外周部に作用する上向きに持ち上げる力を調整して、基板端部に加わる圧力を調整することも提案されている(特許文献6参照)。しかし、特許文献6に記載の発明では、圧力室の圧力に応じて弾性膜の非接触幅を変化させて、基板端部の研磨速度を制御するようにしているため、接触領域と接触圧力を独立に制御することは困難であると考えられる。
【0011】
基板端部のフラット部(オリフラ部)の過研磨を低減するためにエッジ荷重リングを用い、エッジ荷重リングの外周非接触部の幅を調整することによりフラット部の研磨速度を調整することが提案されている(特許文献7参照)。しかし、特許文献7に記載の発明において、エッジ荷重リングによる基板への押圧力は、基板中心部を押圧するエアバッグ圧力に依存し、このため、基板端部の研磨速度分布を独立に精密に制御しようとすることはできないと考えられる。
【0012】
また、弾性膜として、外周部の肉厚が厚い弾性膜を使用すること(特許文献8参照)や、外周部に行くにつれて肉厚が厚くなるように形成した弾性膜を使用して、基板端部へかかる圧力が基板の外周部に行くにつれてなだらかに下がるようにすることが提案されている(特許文献9参照)。しかし、特許文献8,9に記載の発明によっても、基板端部の研磨速度分布を独立に精密に制御しようとすることはできないと考えられる。
【0013】
また、種々の研磨対象膜に対して、半導体ウェハ端部まで研磨速度分布を制御するため、特許文献1,2などに示される弾性膜のように、半導体ウェハの端部上方に位置する加圧室の半径方向の幅を小さくして、より狭い範囲で半導体ウェハ端部の制御性を向上させることが試みられている。しかし、特許文献1,2に開示されている弾性膜は、隔壁に折返し部を有するために、隔壁の内側と外側との圧力室の圧力差によっては折返し部が潰れるような力が働き、圧力差の条件によって弾性膜隔壁の形状が変化して、半導体ウェハへの圧力分布にも不連続な変化が生じてしまう。このため、種々の研磨対象膜に対して、半導体ウェハ端部の研磨速度の微小な制御を行うために圧力条件を様々に変更するような場合に適さないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−268654号公報
【特許文献2】特開2009−131920号公報
【特許文献3】特開2003−197621号公報
【特許文献4】特開2008−193117号公報
【特許文献5】特表2004−516644号公報
【特許文献6】特表2002−527893号公報
【特許文献7】特表2002−530876号公報
【特許文献8】米国特許出願公開第2009/0023368号明細書
【特許文献9】特開2002−75936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、基板端部の過研磨を効果的に抑制して、基板端部の研磨速度の精密な制御ができるようにした弾性膜及び基板保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、前記当接部の下面は、平坦な平坦領域と該平坦領域の外周部に位置して上方に立上る立上り領域を有することを特徴とする弾性膜である。
【0017】
このように、当接部の下面に立上り領域を設けることで、この立上り領域に対向する基板への押圧力を局所的に下げることができる。時に、立上り領域の範囲を研磨速度を下げたい範囲に設定することで、所望の幅で研磨速度を制御することが可能となり、種々のエッジカット部の幅に容易に対応することができる。また、基板端部を押圧するエッジ圧力室の圧力を変更することにより、基板端部の研磨速度を精密に制御することが可能となり、例えばエアバッグ圧力を変えた場合でも、当接部の立上り領域に対応する基板端部の研磨速度を局所的に下げることが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項1記載の弾性膜である。
【0019】
請求項3に記載の発明は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、前記当接部の下面は、該当接部の圧力室形成領域の外径よりも小さい外径の平坦領域を有することを特徴とする弾性膜である。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記当接部の平坦領域は、該平坦領域の外周部に設けた段差で区画されていることを特徴とする請求項3記載の弾性膜である。
【0021】
請求項5に記載の発明は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、前記当接部は、下面に平坦な平坦領域を有する平板状部と、該平板状部の外周部に位置し前記平坦領域から上方に立上る立上り領域を有する立上り部とを有し、前記立上り部には、該立上り部から上方に延びる第1エッジ周壁部と、該第1エッジ周壁部の径方向内側に位置して前記立上り部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続されていることを特徴とする弾性膜である。
【0022】
このように、当接部の外周部に立上り部を設けることにより、立上り部の弾性力によって該立上り部の変形を調整することができる。また立上り部に、第1及び第2エッジ周壁部を接続し、第1及び第2エッジ周壁部との間にエッジ圧力室を形成し、エッジ圧力室により押圧される基板への押圧力を下げるようにすることで、基板端部の研磨速度を独立に精密に制御することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項5記載の弾性膜である。
【0024】
請求項7に記載の発明は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、前記当接部は、肉厚が略一定の平板状部と、該平板状部の外周部に位置し径方向外方に向けて徐々に厚肉となる厚肉端部とを有し、前記厚肉端部には、該厚肉端部から上方に延びる第1エッジ周壁部と、該第1エッジ周壁部の径方向内側に位置して前記厚肉端部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続されていることを特徴とする弾性膜である。
【0025】
このように、当接部の外周部に厚肉端部を設けることにより、厚肉端部の弾性力によって基板端部への押圧力を緩和して下げることができる。また厚肉端部に、第1及び第2エッジ周壁部を接続し、第1及び第2エッジ周壁部との間にエッジ圧力室を形成し、エッジ圧力室により押圧される基板への押圧力を下げるようにすることで、基板端部の研磨速度を独立に精密に制御することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、基板保持装置に用いられる弾性膜であって、前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、前記当接部には、該当接部から上方に延びて該当接部の外周に配置される第1エッジ周壁部と、該第1エッジ周壁部の径方向内側に位置して前記当接部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続され、前記第2エッジ周壁部は、前記当接部との接続部から径方向内側に向けて略斜め上方に延びる上方傾斜部と、該上方傾斜部から径方向内側に向けて略水平方向に延びる水平部と、該水平部から略垂直方向に向けて上方に延びる鉛直部を有することを特徴とする弾性膜である。
【0027】
このように、第2エッジ周壁部に径方向内側に向けて略斜め上方に延びる上方傾斜部を設けることで、第1エッジ周壁部と第2エッジ周壁部との間に形成されるエッジ圧力室によって基板を押圧する領域を狭くしたり、複数の圧力室を基板外周部に集中して配置したりすることが可能となる。これにより、基板端部の研磨速度分布の精密な制御が可能となる。
【0028】
請求項9に記載の発明は、前記当接部の下面は、平坦な平坦領域と該平坦領域の外周部に位置して上方に立上る立上り領域を有することを特徴とする請求項8記載の弾性膜である。
【0029】
請求項10に記載の発明は、前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項9記載の弾性膜である。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の弾性膜を有することを特徴とする基板保持装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基板端部の過研磨を効果的に抑制し、しかも基板端部の研磨速度の微小な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す研磨装置に備えられている基板保持装置の構成例を示す断面図である。
【図3】図2に示す基板保持装置に備えられている本発明の実施形態の弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【図4】図3に示す弾性膜を用いた、図2に示す基板保持装置を使用して半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布(実施例1)を、立上り領域を有さない弾性膜を用い、上記と同様に研磨した時の研磨速度分布(比較例1)とともに示すグラフである。
【図5】比較例に使用される弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【図6】図3に示す弾性膜を用いた、図2に示す基板保持装置を使用し、エッジ圧力室の圧力を変化させて半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布(実施例2〜4)を、立上り領域Bを有さない弾性膜500を用い、上記と同じ条件で半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布(比較例2〜4)とともに示すグラフである。
【図7】本発明の他の実施形態の弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態の弾性膜の要部を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0033】
図1は、本発明に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、研磨装置は、研磨テーブル100と、研磨対象物である半導体ウェハ等の基板Wを保持して研磨テーブル100上の研磨面に押圧する基板保持装置1とを備えている。研磨テーブル100は、テーブル軸100aを介してその下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸100a周りに回転可能になっている。研磨テーブル100の上面には研磨パッド101が貼付されており、研磨パッド101の表面が基板Wを研磨する研磨面101aを構成している。研磨テーブル100の上方には研磨液供給ノズル102が設置されており、この研磨液供給ノズル102によって、研磨テーブル100上の研磨パッド101の研磨面101aに研磨液Qが供給される。
【0034】
基板保持装置1は、主軸111に接続されており、この主軸111は、上下動機構124により研磨ヘッド110に対して上下動するようになっている。この主軸111の上下動により、研磨ヘッド110に対して基板保持装置1の全体を昇降させ位置決めするようになっている。なお、主軸111の上端にはロータリージョイント125が取り付けられている。
【0035】
主軸111及び基板保持装置1を上下動させる上下動機構124は、軸受126を介して主軸111を回転可能に支持するブリッジ128と、ブリッジ128に取り付けられたボールねじ132と、支柱130により支持された支持台129と、支持台129上に設けられたACサーボモータ138とを備えている。サーボモータ138を支持する支持台129は、支柱130を介して研磨ヘッド110に固定されている。
【0036】
ボールねじ132は、サーボモータ138に連結されたねじ軸132aと、このねじ軸132aが螺合するナット132bとを備えている。主軸111は、ブリッジ128と一体となって上下動するようになっている。従って、サーボモータ138を駆動すると、ボールねじ132を介してブリッジ128が上下動し、これにより主軸111及び基板保持装置1が上下動する。
【0037】
また、主軸111はキー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。この回転筒112はその外周部にタイミングプーリ113を備えている。研磨ヘッド110にはモータ114が固定されており、上記タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してモータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。従って、モータ114を回転駆動することによってタイミングプーリ116、タイミングベルト115、及びタイミングプーリ113を介して回転筒112及び主軸111が一体に回転し、基板保持装置1が回転する。なお、研磨ヘッド110は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたヘッドシャフト117によって支持されている。
【0038】
図1に示すように構成された研磨装置において、基板保持装置1は、その下面に半導体ウェハなどの基板Wを保持できるようになっている。研磨ヘッド110は、ヘッドシャフト117を中心として旋回可能に構成されており、下面に基板Wを保持した基板保持装置1は、研磨ヘッド110の旋回により基板Wの受取位置から研磨テーブル100の上方に移動される。そして、基板保持装置1を下降させて基板Wを研磨パッド101の研磨面101aに押圧する。このとき、基板保持装置1及び研磨テーブル100をそれぞれ回転させ、研磨テーブル100の上方に設けられた研磨液供給ノズル102から研磨パッド101の研磨面101aに研磨液Qを供給する。このように、研磨液Qの存在下で、基板Wを研磨パッド101の研磨面101aに摺接させて基板Wの表面を研磨する。
【0039】
次に、図1に示す研磨装置に備えられている、本発明の実施形態の基板保持装置1について、図2を参照して詳細に説明する。
【0040】
図2に示すように、基板保持装置1は、基板を研磨面101aに対して押圧する装置本体2と、研磨面101aを直接押圧するリテーナリング3とから基本的に構成されている。装置本体2は、円盤状の上部材300と、上部材300の下面に取り付けられた中間部材304と、中間部材304の下面に取り付けられた下部材306とを備えている。リテーナリング3は、装置本体2の上部材300の外周部に取り付けられている。上部材300は、ボルト(図示せず)により主軸111に連結されている。また、中間部材304は、ボルト(図示せず)を介して上部材300に固定されており、下部材306は、ボルト(図示せず)を介して上部材300に固定されている。上部材300、中間部材304、及び下部材306から構成される装置本体2は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。
【0041】
下部材306の下面には、基板の裏面に当接する弾性膜4が取り付けられている。この弾性膜4は、外周側に配置された環状のエッジホルダ316と、エッジホルダ316の内方に配置された環状のリプルホルダ318,319とによって下部材306の下面に取り付けられている。弾性膜4は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
【0042】
エッジホルダ316は、リプルホルダ318により保持され、リプルホルダ318は、複数のストッパ320により下部材306の下面に取り付けられている。リプルホルダ319は、複数のストッパ((図示せず)により下部材306の下面に取り付けられている。これらのストッパは、基板保持装置1の円周方向に均等に設けられている。
【0043】
弾性膜4の中央部にはセンタ圧力室5が形成されている。リプルホルダ319には、このセンタ圧力室5に連通する流路324が形成されており、下部材306には、この流路324に連通する流路325が形成されている。リプルホルダ319の流路324及び下部材306の流路325は、図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体が流路325及び流路324を通ってセンタ圧力室5に供給される。
【0044】
リプルホルダ318は、弾性膜4の中間周壁部314b及び第2エッジ周壁部314cをそれぞれ爪部318b,318cで下部材306の下面に押さえつけるようになっており、リプルホルダ319は、弾性膜4のセンタ周壁部314aを爪部319aで下部材306の下面に押さえつけるようになっている。
【0045】
弾性膜4のセンタ周壁部314aと中間周壁部314bとの間には環状のリプル圧力室6が形成されている。弾性膜4のリプルホルダ318とリプルホルダ319との間には隙間(図示せず)が形成されており、下部材306にはこの隙間に連通する流路342が形成されている。また、中間部材304には、下部材306の流路342に連通する流路344が形成されている。下部材306の流路342と中間部材304の流路344との接続部分には、環状溝347が形成されている。この下部材306の流路342は、環状溝347及び中間部材304の流路344を介して、図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通ってリプル圧力室6に供給される。この流路342は、図示しない真空ポンプにも切替可能に接続されており、真空ポンプの作動により弾性膜4の下面に基板を吸着できるようになっている。
【0046】
リプルホルダ318には、弾性膜4の中間周壁部314b及び第2エッジ周壁部314cによって形成される環状のアウタ圧力室7に連通する流路が形成されている。また、下部材306には、リプルホルダ318の流路にコネクタを介して連通する流路が、中間部材304には、下部材の流路に連通する流路がそれぞれ形成されている。このリプルホルダ318の流路は、下部材306の流路及び中間部材304の流路を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通ってアウタ圧力室7に供給される。
【0047】
エッジホルダ316は、弾性膜4の第1周壁部314dを押さえて下部材306の下面に保持するようになっている。このエッジホルダ316には、弾性膜4の第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cによって形成される環状のエッジ圧力室8に連通する流路が形成されている。また、下部材306には、エッジホルダ316の流路に連通する流路が、中間部材304には、下部材306の流路に連通する流路がそれぞれ形成されている。このエッジホルダ316の流路は、下部材306の流路及び中間部材304の流路を介して図示しない流体供給源に接続されており、加圧された流体がこれらの流路を通ってエッジ圧力室8に供給される。センタ圧力室5、リプル圧力室6、アウタ圧力室7及びエッジ圧力室8は、図示しないレギュレータR1〜R5及び開閉バルブV1〜V5を介して流体供給源に接続されている。
【0048】
このように、基板保持装置1においては、弾性膜4と下部材306との間に形成される圧力室、すなわち、センタ圧力室5、リプル圧力室6、アウタ圧力室7及びエッジ圧力室8に供給する流体の圧力を調整することにより、基板Wを研磨パッド101に押圧する押圧力を基板Wの部分ごとに調整できる。
【0049】
次に、基板保持装置1に備えられている本発明の実施形態の弾性膜4の詳細を図3に示す。図3に示すように、弾性膜4は、図2に示す下部材306の下面を覆って、図1に示す基板Wの裏面と当接する当接部400を有しており、この当接部400の上面に、上記センタ周壁部314a、中間周壁部314b、第2エッジ周壁部314c及び第1周壁部314dが接続されている。
【0050】
弾性膜4の当接部400の下面は、面取りを施してほぼ垂直に近い角度で立上る段差402を挟んで、中央に位置する平坦な平坦領域Aと、外周部に位置して平坦領域から上方に立上る立上り領域Bに区画されており、平坦領域Aは、中央部の肉厚が略一定の平板状部400aの下面に、立上り領域Bは、平板状部400aの外周部に一体に連接された立上り部400bの下面に形成されている。立上り領域Bの幅は、通常は、5mm以下であるが、個別のプロセス要求により任意に設定される。
【0051】
前述のように、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cとの間にエッジ圧力室8(図2参照)が形成され、第1エッジ周壁部314dの内周面の内方が圧力室形成領域Cとなる。この例では、第1エッジ周壁部314dの内周面の内方に段差402が位置して、立上り領域Bは、圧力室形成領域Cの外径よりも小さい内径を有し、これによって、エッジ圧力室8内の加圧によって、立上り端部400bが下方に変形するように構成されている。
【0052】
この例では、平坦領域Aと立上り領域Bとを段差402で区画しているが、段差402の代わりに、テーパ形状やラウンド形状としてもよい。ただし、例えばラウンド形状とした場合、前述のエッジ圧力室8(図2参照)内を押圧する圧力により弾性膜4の外周部の膨らみが変化し、当接部400の基板との接触面外径が変化してしまう場合がある。平坦部Aと立上り領域Bとを段差402で区画することで、このような弊害を防止することができる。
【0053】
このように、当接部400の下面に立上り領域Bを設けることで、この立上り領域Bに対向する基板への押圧力を局所的に下げることができる。時に、立上り領域Bの範囲を研磨速度を下げたい範囲に設定することで、所望の幅で研磨速度を制御することが可能となり、種々のエッジカット部の幅に容易に対応することができる。また、基板端部を押圧する、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cとの間に形成されるエッジ圧力室8(図2参照)の圧力を変更することにより、基板端部の研磨速度を精密に制御することが可能となり、例えばエアバッグ圧力を変えた場合でも、当接部400の立上り領域Bに対応する基板端部の研磨速度を局所的に下げることが可能となる。
【0054】
図4は、図3に示す弾性膜4を用いた、図2に示す基板保持装置1を使用して半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布を実施例1として示す。図4には、図5に示す、立上り領域Bを有さない弾性膜500を用い、図2に示す基板保持装置1を使用して半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布を比較例1として示している。実施例1と比較例1の研磨条件は同じである。
【0055】
図4において、領域A及び領域Bは、図3に示す平坦領域A及び立上り領域Bにそれぞれ対応している。このことは、図6においても同様である。
【0056】
なお、研磨の対象となる半導体ウェハとして、被研磨面にパターンやエッジカット部などが形成されていない、シリコン基板表面に酸化膜が一面に形成された半導体ウェハを使用した。このことは、下記の図6に示す結果を得られた研磨においても同様である。
【0057】
図4から、この例の弾性膜4を用いることにより、立上り領域Bでの研磨速度が低下することが判る。なお、比較例の弾性膜500を使用した研磨にあっては、研磨速度分布が半導体ウェハの全域に亘って均一に近く、この例の弾性膜4を用いた研磨では、半導体ウェハの端部で研磨速度が低下しているが、これは、上述のように、エッジカット部が存在しない半導体ウェハを研磨したためである。つまり、実際に半導体素子が形成されたウェハではエッジカット部が存在するために、比較例の弾性膜500を使用した研磨を行うと、エッジカット部に圧力が集中して過研磨が生じてしまうが、この例の弾性膜4を用いた研磨を行うことで、エッジカット部の過研磨を効果的に抑制することが可能となる。
【0058】
図6は、図3に示す弾性膜4を用いた、図2に示す基板保持装置1を使用し、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cとの間に形成されるエッジ圧力室8(図2参照)の圧力を変化させて半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布を実施例2〜4として示す。図6には、図5に示す、立上り領域Bを有さない弾性膜500を用い、上記と同じ条件で半導体ウェハを実際に研磨した時の研磨速度分布を比較例2〜4として示している。なお、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、及び実施例4と比較例4の研磨条件は同じであり、エッジ圧力室8の圧力は、実施例2、実施例3、実施例4の順に小さくなっている。
【0059】
図6から、この例の弾性膜4を用いた研磨では、半導体ウェハの端部の研磨速度を精密に制御するために、エッジ圧力室8の圧力を様々に変化させた場合でも、比較例の弾性膜500を用いた研磨に比べて、立上り領域Bの研磨速度を局所的に下げることが可能であることが判る。
【0060】
以上により、この例の弾性膜4を用いることで、以下のような効果が得られることが判る。
(1)立上り領域Bに対応する基板端部の研磨レートを局所的に下げることができる。これは、パターンウェハのエッジカット部で過研磨が生じてしまうこと等を防止する上で特に有効となる。
(2)平坦領域Aは、従来の一般的な弾性膜と変わらないので、今までに条件出しした弾性膜の最外周だけ研磨レートを落としたい場合に容易に適用できる。
(3)立上り領域Bに対応する部分の研磨レートを下げられているので、立上り領域Bの幅を変えることにより、基板端部の研磨レートを下げる領域(幅)を変えることができる。
【0061】
(4)立上り領域Bに対応する基板端部の研磨レートを局所的に下げることができるため、弾性膜の外径をリテーナリングの内径とほぼ同等に設定することにより、基板押圧部と基板の同芯を維持することができる。これは単純に弾性膜全体の外径を小さくした場合には得られない効果である。
【0062】
(5)平坦領域Aと立上り領域Bとの間に段差402を設けることにより、テーパ形状やラウンド形状で平坦領域Aと立上り領域Bとを区画する場合と異なり、押圧力が変化した時に平坦領域Aの外径が変化することを防止できる。
(6)圧力室内の加圧によって弾性膜が外径方向に膨らんだ場合に、弾性膜とリテーナリングとが接触する接触範囲が狭い。このため、基板の押圧力に対する摩擦損失が小さく、周方向の押圧力のバラツキなどを小さく抑えることが可能となる。
【0063】
図7は、本発明の他の実施形態の弾性膜4aを示す。この例の弾性膜4aの図3に示す弾性膜4と異なる点は、平板状部400aの代わりに、センタ周壁部314aと中間周壁部314bとの間に薄肉部400cを有する平板状部400dを、立上り部400bの代わりに、平板状部400dの肉厚より厚肉で、かつ立上り部400bの肉厚より厚肉の厚肉立上り部400eをそれぞれ使用している点にある。薄肉部400cは円周方向に均等に複数個配置された円形状となっており、その中心に当接部400を貫通する孔400gが形成されている。
【0064】
このように、当接部400の外周部に厚肉立上り部400eを設けることにより、厚肉立上り部400eの弾性力によって該厚肉立上り部400eの変形を調整することができる。
【0065】
図8は、本発明の更に他の実施形態の弾性膜4bを示す。この例の図3に示す弾性膜と異なる点は、平板状部400aと該平板状部400aの外周部に一体に連接した径方向に徐々に厚肉となる厚肉端部400fで基板に当接する当接部400を構成している点にある。
【0066】
そして、特に制御したい範囲に厚肉端部400fを設け、この厚肉端部400fに第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cを接続し、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cとの間にエッジ圧力室8(図2参照)を形成し、このエッジ圧力室により、厚肉端部400fに対応する部分の研磨速度を制御するようにしている。
【0067】
このように、当接部400の外周部に厚肉端部400fを設けることにより、厚肉端部400fの弾性力によって基板端部への押圧力を緩和して下げることができる。厚肉端部400fの幅Dは、半径300mmの基板の場合、一般に15mm以下、または基板半径の10%以下である。当接部400の外周部に厚肉端部400fを設けることにより、特許文献5に記載の発明のように、弾性膜の外周部が変形してしまうことを防ぐことができ、基板端部へ所望の圧力をかけることが可能となる。
【0068】
また、図1に示す、研磨パッド101と基板Wとの間に作用する摩擦力による弾性膜への負荷は、弾性膜の外周ほど高くなる。このため、この例では、厚肉端部400fの肉厚が外周に行くほど徐々に厚肉となる形状を採用している。厚肉端部400fは、例えばエアバッグ圧力が作用した場合でも、外径方向への弾性膜の膨らみを抑制することが可能であり、従って、例えばリテーナリングとの接触による意図しない圧力の損失を防ぐことが可能となる。また、厚肉端部400fを設けることで、比較的広い範囲の研磨レートを制御することが可能となる。更に、この例では、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部314cとの間に形成されるエッジ圧力室8(図2参照)の圧力を調整することで、基板端部の研磨レートを独立に制御可能であり、特許文献5に記載の発明のような差圧を考慮する必要が無く、研磨条件の設定が非常に容易になる。
【0069】
図9は、本発明の更に他の実施形態の弾性膜4cを示す。この例の弾性膜4cの図3に示す弾性膜4と異なる点は、以下の通りである。すなわち、平板状部400aの代わりに、センタ周壁部314aと中間周壁部314bとの間に薄肉部400cを有する平板状部400dを使用している。薄肉部400cは円周方向に均等に複数個配置された円形状になっており、その中心に当接部400を貫通する孔400gが形成されている。また、第2エッジ周壁部314cの代わりに、当接部400との接続部から径方向内側に向けて略斜め上方に延びる上方傾斜部404aと、該上方傾斜部404aから径方向内側に向けて略水平方向に延びる水平部404bと、該水平部404bから略垂直方向に向けて上方に延びる鉛直部404cを有する第2エッジ周壁部404を使用している。更に、第2エッジ周壁部404の半径方向内側に位置して、第3エッジ周壁部406を平坦状部400dの上面に接続して、第2エッジ周壁部404と第3エッジ周壁部406との間に第2エッジ圧力室を形成するようにしている。
【0070】
このように、第2エッジ周壁部404に径方向内側に向けて略斜め上方に延びる上方傾斜部404aを設けることで、第1エッジ周壁部314dと第2エッジ周壁部404との間に形成されるエッジ圧力室8(図2参照)によって基板を押圧する領域を狭くし、更に、第3エッジ周壁部406を設けて、第2エッジ周壁部404と第3エッジ周壁部406との間に第2エッジ圧力室を設けることで、複数の圧力室を基板外周部に集中して配置することが可能となる。これにより、基板端部の研磨速度分布の精密な制御が可能となる。
【0071】
第1エッジ周壁部314d、第2エッジ周壁部404及び第3エッジ周壁部406は、基板の外周付近、通常、例えば基板エッジから30mm程度の範囲に形成され、第1エッジ周壁部314d、第2エッジ周壁部404及び第3エッジ周壁部406の各間隔は、20mm以下であることが望ましい。この例では、略水平方向に延びる部分により弾性膜の縦方向の伸縮性を確保している。
【0072】
図10は、本発明の更に他の実施形態の弾性膜4dを示す。この例の弾性膜4dの図9に示す弾性膜4cと異なる点は、下面に立上り領域Bを有さない、つまり立上り端部400bを有さない当接部400を使用し、この当接部400の外周部に、第1エッジ周壁部314d、第2エッジ周壁部404及び第3エッジ周壁部406を接続している点にある。
【0073】
これまで本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 基板保持装置
3 リテーナリング
4,4a,4b,4c,4d 弾性膜
5 センタ圧力室
6 リプル圧力室
7 アウタ圧力室
8 エッジ圧力室
100 研磨テーブル
101 研磨パッド
101a 研磨面
102 研磨液供給ノズル
110 研磨ヘッド
124 上下動機構
314a センタ周壁部
314b 中間周壁部
314c 第2エッジ周壁部
314d,404 第1周壁部
400 当接部
400a,400d 平板状部
400b 立上り部
400e 厚肉立上り部
400f 厚肉部
402 段差
406 第3エッジ周壁部
A 平坦領域
B 立上り領域
C 圧力室形成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、
前記当接部の下面は、平坦な平坦領域と該平坦領域の外周部に位置して上方に立上る立上り領域を有することを特徴とする弾性膜。
【請求項2】
前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項1記載の弾性膜。
【請求項3】
基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、
前記当接部の下面は、該当接部の圧力室形成領域の外径よりも小さい外径の平坦領域を有することを特徴とする弾性膜。
【請求項4】
前記当接部の平坦領域は、該平坦領域の外周部に設けた段差で区画されていることを特徴とする請求項3記載の弾性膜。
【請求項5】
基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、
前記当接部は、下面に平坦な平坦領域を有する平板状部と、該平板状部の外周部に位置し前記平坦領域から上方に立上る立上り領域を有する立上り部とを有し、
前記立上り部には、該立上り部から上方に延びる第1エッジ周壁部と、該第1エッジ周壁部の径方向内側に位置して前記立上り部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続されていることを特徴とする弾性膜。
【請求項6】
前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項5記載の弾性膜。
【請求項7】
基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、
前記当接部は、肉厚が略一定の平板状部と、該平板状部の外周部に位置し径方向外方に向けて徐々に厚肉となる厚肉端部とを有し、
前記厚肉端部には、該厚肉端部から上方に延びる第1エッジ周壁部と、該第1エッジ周壁部の径方向内側に位置して前記厚肉端部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続されていることを特徴とする弾性膜。
【請求項8】
基板保持装置に用いられる弾性膜であって、
前記弾性膜は、基板に当接して該基板を研磨パッドに向けて押圧する当接部を有し、
前記当接部には、該当接部から上方に延びて該当接部の外周に配置される第1エッジ周壁部と、前記第1エッジ周壁部の径方向内側に配置されて前記当接部から上方に延びる第2エッジ周壁部が接続され、
前記第2エッジ周壁部は、前記当接部との接続部から径方向内側に向けて略斜め上方に延びる上方傾斜部と、該上方傾斜部から径方向内側に向けて略水平方向に延びる水平部と、該水平部から略垂直方向に向けて上方に延びる鉛直部を有することを特徴とする弾性膜。
【請求項9】
前記当接部の下面は、平坦な平坦領域と該平坦領域の外周部に位置して上方に立上る立上り領域を有することを特徴とする請求項8記載の弾性膜。
【請求項10】
前記当接部の前記平坦領域と前記立上り領域との間に段差が設けられていることを特徴とする特徴とする請求項9記載の弾性膜。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の弾性膜を有することを特徴とする基板保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−111679(P2013−111679A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258833(P2011−258833)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】