説明

情報処理システム、方法およびプログラム

【課題】ネットワーク上で提供される番組のチャプタに対するコメント情報から、ユーザの嗜好に合致したものを効率よく収集する。
【解決手段】第1の端末は、第1のチャプタと番組の識別情報を抽出してネットワークに送信するための抽出手段を備え、第2の端末は、少なくとも1つの第2のチャプタと特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と番組の識別情報を抽出してネットワークに送信するための抽出手段を備え、サーバはチャプタと識別情報とアドレス情報を受信し、チャプタを所定のテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換手段と、変換手段により第1のチャプタから変換された第1のデータと、第2のチャプタから変換された第2のデータとを比較する照合手段とを備え、第1のデータと最も類似する第2のデータから、そのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を第1の端末へ通知するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線網やネットワーク回線網を介して、番組の内容を識別するための情報であるメタデータを収集する番組メタ情報収集装置、番組メタ情報収集方法、番組メタ情報収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク等の大容量化に伴い、TV番組を全局録画できるような録画機能を有する製品が市場に登場するようになってきた。このように番組を大量に蓄積できるようになるとユーザは見たい番組の選択に頭を悩ませることになる。そこで例えば特許文献1に開示されているように、番組内容の変化点やシーンチェンジ点から番組の内容的な区切りとなるチャプターを生成して利用することや、特許文献2に開示されているように、番組をすでに視聴したユーザがその番組中の特定のシーンについてのコメントを、シーンの時刻情報とともにネットワーク上に掲載して視聴支援を行う技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−324770号公報
【特許文献2】特開2003−339006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のチャプタはユーザの見たい部分と必ずしも合致しているとは限らないし、特許文献2に開示されているようにネットワーク上にコメントを掲載しただけでは、ユーザはコメントをいちいち確認しなければならない。既に番組を視聴したユーザが複数おり、それらのユーザから異なるシーンにおけるコメントがネットワーク上に掲載される場合や、それがネットワーク上の異なるアドレスに分散して掲載されるような場合には、それらを利用しようとすると非常に手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はユーザ側での番組中の所望のシーンの時刻情報とネットワーク上に提供された番組中のシーンのコメント情報に付された時刻情報とのマッチングをとることによってユーザの手間を大幅に軽減し、効率的にコメント情報の利用を行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の情報処理システムは、所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出手段を備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出手段を備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換手段と、
前記第1のチャプタデータから前記変換手段により変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換手段により変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合手段とを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の情報処理方法は、所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理方法であって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出ステップを備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出ステップを備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換ステップと、
前記第1のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合ステップとを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理システムを構成する情報処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出ステップを備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出ステップを備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換ステップと、
前記第1のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合ステップとを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワーク上で提供されるコメント情報から、ユーザの番組中の所望のチャプタに応じたコメント情報を効率よく抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。まず、図1を参照すると、本実施の形態の情報処理システム1は、情報処理端末10、情報処理端末20、サーバ30、を備え、それぞれネットワーク40、例えばインターネットを介して接続されている。情報処理端末10および情報処理端末20はそれぞれ図示しない外部より番組を含む信号の入力を受け独自に1又は複数の番組コンテンツを受信して格納し、サーバ30を介して情報処理端末20から提供される番組のチャプタコメント情報から最も情報処理端末10のユーザの嗜好に合致するものが選択され情報処理端末10へ通知されるものである。情報処理端末10および情報処理端末20の数は図1に記載された数に限定されるものではない。
【0011】
次に図2を参照すると、情報処理端末10はユーザが使用するパソコンなどの装置であり送受信手段106によりネットワーク40に接続される。情報処理端末10は、制御部100及び記憶部130を備える。記憶部130は制御部100に接続され、制御部100の制御によりデータを記憶したり読み出されるものであり、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体にて構成される。情報処理端末10は、図示しない外部より番組を含む信号の入力を受け、これを番組情報として記録手段104により記憶部130に蓄積する。再生手段105は記録部130に蓄積された番組等を再生する。
【0012】
番組解析手段102は蓄積された番組から番組名、番組ID、放送日時、番組時間長、チャンネルに関する情報、字幕情報、映像の場面ごとのシーン等を解析する。
【0013】
チャプタ情報生成手段103は番組解析手段102により抽出された番組の場面ごとのシーン等から入出力部110からのユーザによる入力にてチャプタを選択する。なお、番組解析手段102を使用せずに、ユーザが入出力部110から直接チャプタの選択を行なってもよい。
【0014】
抽出手段101は、番組解析手段102により解析された番組に関する情報やチャプタ情報生成手段103にて生成されたチャプタの時間情報や情報処理端末10のメールアドレス等のネットワーク上のアクセス情報を抽出する。制御部100の抽出手段101、番組解析手段102、チャプタ情報生成手段103は情報処理端末10にあらかじめ構成されていてもよいし、プログラムが格納されたダウンロードファイル131をネットワークより受信してインストールすることにより構成されてもよい。
【0015】
送受信手段107はネットワーク40との送受信をおこなう。
【0016】
表示制御手段106は記憶部130に録画された番組等の表示を行なう。録画ファイル(a)132には番組コンテンツやチャプタの時間情報等が格納されるが詳細については後述する。
【0017】
次に図3を参照すると、情報処理端末20は、インターネット上で番組関連情報を提供する事業者が使用するパソコンなどの装置であり送受信手段206によりネットワーク40に接続される。情報処理端末20は、制御部200及び記憶部230を備える。記憶部230は制御部200に接続され、制御部200の制御によりデータを記憶したり読み出されるものであり、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体にて構成される。情報処理端末20は、図示しない外部より番組を含む信号の入力を受け、これを番組情報として記録手段204により記憶部230に蓄積する。再生手段205は記録部230に蓄積された番組等を再生する。
【0018】
番組解析手段202は蓄積された番組から番組名、番組ID、放送日時、番組時間長、チャンネルに関する情報、字幕情報、映像の場面ごとのシーン等を解析する。
【0019】
チャプタ情報生成手段203は番組解析手段202により抽出された番組の場面ごとのシーン等から入出力部210からの提供者による入力にてチャプタを選択する。なお、番組解析手段202を使用せずに、提供者が入出力部210から直接チャプタの選択を行なってもよい。
【0020】
抽出手段201は、情報処理端末20からネットワーク40へ提供すべき情報を抽出するものであり、チャプタ情報生成手段203にて生成されたチャプタの時間情報や情報処理端末20のアクセスアドレス等の情報を抽出する。
【0021】
制御部200の抽出手段201、番組解析手段202、チャプタ情報生成手段203は情報処理端末10にあらかじめ構成されていてもよいし、プログラムが格納されたダウンロードファイル231をネットワーク40より受信してインストールすることにより構成されてもよい。録画ファイル(b)232には番組コンテンツやチャプタの時間情報やチャプタコメント等が格納されるが詳細については後述する。
【0022】
次に図4を参照すると、サーバ30は、送受信手段306によりネットワーク40に接続されている。サーバ30は、制御部300及び記憶部330を備える。記憶部330は制御部300に接続され、制御手段300の制御によりデータを記憶したり読み出されるものであり、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体にて構成される。制御部300は記憶部330や図示しない記憶手段に格納されたプログラムを読み込み、このプログラムを実行することにより量子化手段301、照合手段302、アドレス管理手段303を論理的に備えてもよい。
【0023】
量子化手段301は、ネットワーク40を介して受信した情報処理端末10および情報処理端末20から抽出して送信された番組コンテンツのチャプタ時間情報を、記憶部330に予め記録された量子化マップテーブル334を参照してチャプタ構成情報に変換して録画ファイル(A)332、録画ファイル(B)333に格納するが詳細は後述する。
【0024】
照合手段302は量子化手段301により生成されたチャプタ構成情報を比較照合する。
【0025】
アドレス管理手段はネットワーク40を介して情報処理端末10および情報処理端末20から抽出して送信されたユーザ端末10および情報処理端末20から抽出して送信されたアドレス情報を管理する。
【0026】
制御部300はプロセッサ等により構成される。なお、ダウンロードファイル331はサーバ30に格納しておき、情報処理端末10や情報処理端末20へネットワークを介して提供してもよい。
【0027】
次に図5を参照して、情報処理端末10に格納された録画ファイル(a)132の生成について説明する。情報処理端末10で録画した番組が番組51であり、番組解析情報手段102により番組ID50、番組時間長、字幕情報、映像の場面ごとのシーン等を抽出し、字幕情報を含む抽出したシーン等の中から、ユーザによる入出力部110からの選択にてチャプタ情報生成手段103によりチャプタ先頭時間データ52が生成される。また、録画した番組51を再生視聴しながら、ユーザの入力部110からの入力により直接にチャプタ先頭時間データ52を生成してもよい。先頭時間データ52から図示しない制御部100を構成するプロセッサ等の演算機能よりチャプタの差分時間データ53を生成する。このようにして番組ID52、番組時間長、チャプタ数(4つ)、チャプタ差分時間データ53、および情報処理端末10のメール情報等のアクセス情報から成る録画ファイル(a)132を生成する。
【0028】
次に図6を参照して、情報処理端末20に格納された録画ファイル(b)232の生成について説明する。情報処理端末20で録画した番組内容から、番組中の特定のシーンに対する説明のコメントを作成することにより、ユーザがそのコメントにより見たいシーンを判別できるようにして、効率的に番組の視聴をサポートできることが好ましい。
【0029】
まず情報処理端末20で録画した番組が番組61であれば、番組解析情報手段202により番組ID60、番組時間長、字幕情報、映像の場面ごとのシーン等を抽出し、字幕情報を含む抽出したシーン等の中から、提供者の入出力部210からの入力にて、ユーザの見たいシーンや興味のあるシーンであると想定されるチャプタ先頭時間データ62を生成してもよい。また、録画した番組61を再生視聴しながら、提供者の入力部210からの選択により直接にチャプタ先頭時間データ62を生成してもよい。さらに提供者にてチャプタ毎に解説コメントデータ64を「コメント1」〜「コメント4」のように作成して格納する。そしてチャプタ先頭時間データ62から図示しない制御部200を構成するプロセッサ等の演算機能よりチャプタの差分時間データ63を生成する。このようにして番組ID62、番組時間長、チャプタ数(4つ)、チャプタ差分時間データ63、解説コメントデータ64および情報処理端末20のメール情報等のアクセス情報から成る録画ファイル(b)232を生成する。なお、解説コメントデータ64を別ファイルとして独立したアクセスアドレスを備えておくことにより、解説コメントデータ64を単独にアクセスできるようにしてもよい。
【0030】
次に図7において、量子化マップテーブル334について説明する。量子化とは、ばらつきのあるデータを所定の範囲ごとを代表するデータに置き換えて、ばらつきを所定の範囲で収束させる手法である。まず、情報処理端末10において生成されたチャプタ情報を各時間範囲を代表する量子化範囲時間である(0〜1)、(1〜3)、(3〜5)、(5〜7)、(7〜10)、(10〜15)に対してそれぞれを代表するデータである量子化値をA、B、C、D、E、Fとする。量子化範囲時間の設定については例えば、ニュースやバラエティなどの比較的短時間の内容的にまとまったシーンの切れ目が存在する番組においては、比較的短時間の量子化値を設定してもよい。また、ドラマ等の比較的長時間の内容的にまとまったシーンの切れ目が存在する番組においては比較的長時間の量子化値を設定してもよい。
【0031】
次に、図8は情報処理端末10の録画ファイル(a)132に対して図7の量子化マップテーブルを適用した例である。チャプタ差分時間データ53に対して該当する時間範囲の量子化値を当てはめると、A−C−B−Fのチャプタ構成データとなる。
【0032】
図9は情報処理端末20が複数ある場合に、同じ番組IDである01の番組に対して異なるチャプタが設定されている時の例である。図8と同様に図7の量子化マップテーブルを適用すると(1)、(2)、(3)のチャプタ構成データとなり、図8の録画ファイル(A)332のチャプタ構成データと同じパターンになるのは(3)である。
【0033】
次に図10においては、量子化処理後のチャプタ構成データを含むデータの比較についての説明を行う。第1は完全一致のパターンである。第2はチャプタ構成において1文字のみ異なるパターンであり、第3は複数の文字が異なる場合である。
【0034】
第1の完全一致のパターンにおいては、同じ番組、同じ番組の時間長、同じチャプタ数、量子化処理後のチャプタ構成がそれぞれ同じ場合である。このためには情報処理端末10および情報処理端末20にて構成される番組解析手段102、202による番組のシーン検出傾向が同様であり、共通のシーンの中から情報処理端末10および情報処理端末20にて選択されたシーンによりチャプタ情報が生成されるように行われるのが一致の確度が向上するので望ましい。
【0035】
次に、第2の1文字だけが異なるパターンであるが、チャプタ構成データ中のどれかの1文字が異なる。このケースでは楕円で示す(A、B)や(B,C)のような量子化範囲時間の近い量子化値にて異なり、さらには不一致の位置がユーザの特に見たい位置とは異なっている方を一致の優先度として高く設定することが好ましい。このためには情報処理端末10の録画ファイル(a)132に番組コンテンツのどの部分(前半、中盤、終盤)に興味があるかの情報を格納してサーバ30における照合時に利用できるようにしてもよい。
【0036】
第3は複数の文字が異なる場合であるが、ここでは2文字が異なる場合を説明する。この2文字は隣り合っており楕円で示す(B-F、F-B)のようにチャプタ構成が入れ替わっているケースでは2文字の時間長が前後で変わらないので、一致の優先度として高く設定することが好ましい。チャプタ構成データの比較においては、不一致の文字が少ない方を優先度として高く設定するのは当然である。
【0037】
次に、図11によりサーバ30によりネットワークを介して情報処理端末10および情報処理端末20からの録画ファイル(a)132、録画ファイル(b)232を受信して量子化処理を行い、量子化後のデータを比較し、一致度の評価を行い、優先度の高い所定のレベルのデータを選択する処理を説明する。サーバ30にてネットワーク40より受信した情報処理端末10、情報処理端末20からの録画ファイルに含まれるチャプタの差分時間を図8および9のチャプタ構成データに変換する(ステップS1)。次に情報処理端末10から生成された図8のチャプタ構成データと情報処理端末20から生成された図9のチャプタ構成データとを比較する(ステップS2)。次に比較した結果により図10で述べた一致度の評価を行う(ステップS3)。そして図10で説明したように優先度を判定して優先度の高いチャプタ構成データを選択する(ステップS4)。そして選択されたデータの提供元である情報処理端末20のアクセス情報を情報処理端末10へ通知する。このアクセス情報は解説コメントデータを独立したファイルとしてアクセスできるようにしてもよい。また、情報処理端末10への通知のしかたについては、一致度の評価において所定のレベルに達していないと判定される場合は、情報処理端末10に対して該当する情報処理端末20情報はないと判定する場合は「該当情報なし」と通知してもよい。
【0038】
次に、図12を参照して、シーケンスチャートにより情報処理端末10と情報処理端末20とサーバ30との動作を説明する。まず、本実施形態の情報処理システムを構築するにあたり、サーバ30の運用者がサーバ30を立ち上げる。具体的には、情報処理端末10や情報処理端末20がアクセス可能なWebサイトを立ち上げる。このサイトに情報処理端末10、20がアクセスして制御部100、200の必要な構成手段を構成するためのプログラムであるダウンロードファイルをダウンロードしてもよい(S1、S2)。
【0039】
次に、情報処理端末10の記憶部130に格納された録画ファイル(a)132から抽出手段101により番組ID、チャプタ数、番組時間長、チャプタ差分時間および情報処理端末10のアドレス情報が抽出されネットワーク40を介してサーバ30へ送信される(S3)。情報処理端末20では、例えば複数の提供者ごとに情報処理端末20が所持されていれば、提供者ごとの情報処理端末20に格納された録画ファイル(b)、(c)、(d)からそれぞれの抽出手段201ごとにより各録画ファイルの番組ID、チャプタ数、番組時間長、チャプタ差分時間および解説コメントデータの格納先アドレス情報が抽出されネットワーク40を介してサーバ30へ送信される(S4)。
【0040】
次にサーバ30においては、番組のジャンルに応じてあらかじめ用意されている量子化マップテーブル334により各番組IDより最適な量子化マップテーブルにより各チャプタ差分時間をチャプタ構成情報に変換する。そして情報処理端末10より受信したチャプタ差分時間から変換されたチャプタ構成情報と、各提供者の情報処理端末20から受信したチャプタ差分時間から変換されたチャプタ構成情報とを同じ番組IDごとにチャプタ数、番組時間長も含めて照合手段302により比較照合し一致度の最も高い提供者からのチャプタ構成情報を選択し、そこから解説コメントデータの格納先アドレス情報と番組IDを抽出する。そしてアドレス管理手段303により抽出した解説コメントデータの格納先アドレス情報と番組IDを情報処理端末10へ送信する(S5)。
【0041】
情報処理端末10ではサーバ30より受信した解説コメントデータの格納先アドレス情報へ直接アクセスして、格納された解説コメント情報を入手することができる(S6)。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態のシステムの構成について説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の情報処理端末10の構成について説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の情報処理端末20の構成について説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のサーバの構成について説明するためのブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の情報処理端末10に格納された番組の録画ファイルを説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態の情報処理端末20に格納された番組の録画ファイルを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の量子化マップテーブルについて説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態の情報処理端末10に格納されたデータの量子化処理後のデータを説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態の情報処理端末20に格納されたデータの量子化処理後の図である。
【図10】本発明の実施形態のデータの一致の判定動作を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態の動作を説明するためのシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0043】
10、20 情報処理端末
30 サーバ
40 ネットワーク
50、60 番組ID
51、61 番組コンテンツ
52、62 チャプタ先頭時間データ
53、63 チャプタ差分時間データ
64 解説コメントデータ
100、200、300 制御部
101、201 抽出手段
102、202 番組解析手段
103、203 チャプタ情報生成手段
104、204、304 記録手段
105、205、305 再生手段
106、206、306 送受信手段
107、207、307 表示制御手段
110、210、310 入出力部
120、220、320 表示部
130、230、330 記憶部
301 量子化手段
302 照合手段
303 アドレス管理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理システムであって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出手段を備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出手段を備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換手段と、
前記第1のチャプタデータから前記変換手段により変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換手段により変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合手段とを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記テーブルは番組のジャンルに応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記照合手段においては、前記第1の情報処理端末に格納されたユーザの嗜好情報を参照して特定するデータを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記チャプタデータを第1の情報処理端末と第2の情報処理端末とで共通の番組解析手段にて生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理方法であって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出ステップを備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出ステップを備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換ステップと、
前記第1のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合ステップとを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
所定の番組データ中の特定箇所の第1のチャプタデータを格納する第1の情報処理端末と、少なくとも1の提供者による前記所定の番組データ中の特定箇所の第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報を格納する第2の情報処理端末と、サーバとがネットワークを介して接続された情報処理システムを構成する情報処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記第1の情報処理端末は、前記第1のチャプタデータと前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第1の抽出ステップを備え、
前記第2の情報処理端末は、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータと前記特定箇所に関するコメント情報の格納先アドレス情報と前記所定の番組データを一意に特定するための識別情報を抽出して前記ネットワークに送信するための第2の抽出ステップを備え、
前記サーバは前記チャプタデータと前記識別情報と前記アドレス情報を受信し、
前記チャプタデータを所定の時間範囲ごとに定められたグループに割り付けるためのテーブルによりグループの並びで構成されるデータに変換する変換ステップと、
前記第1のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された第1のデータと、前記少なくとも1つの第2のチャプタデータから前記変換ステップにより変換された少なくとも1つの第2のデータとを比較して照合する照合ステップとを備え、
前記第1のデータと最も類似する前記第2のデータを特定し、
前記第2のデータに変換する前の第2のチャプタデータのコメント情報の格納先アドレス情報を含む情報を前記第1の情報処理端末へ通知することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−49638(P2009−49638A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212852(P2007−212852)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】