説明

情報提供システムと情報提供の方法、及びこの方法を記録したプログラム

【課題】 非接触ICカードを用いて、個人に特化した情報や個別の情報をタイムリー且つリアルタイムに提供することのできる情報提供システムを実現する。
【解決手段】 システム提供者1が、情報提供システムを構築して情報提供者2に供給する。携帯電話加入者3は、会員入会するためにeメールアドレス又は携帯電話番号を情報提供者2に通知する。情報提供者2は、eメールアドレス又は携帯電話番号をデータベース5に格納し、識別情報を記録したRFIDを携帯電話加入者3に配布する。携帯電話加入者3は携帯電話にRFIDを添付する。携帯電話加入者3が情報を取得するとき、携帯電話をRFIDリーダ/ライター4に近づけると、RFIDリーダ/ライター4がRFID情報を読み取り情報提供者2に送信する。情報提供者2は、RFID情報に基づいて、データベース5より最適なeメール文章または音声情報を検索して携帯電話加入者3へ提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイムリー且つリアルタイムに情報を提供する情報提供システムに関し、さらに詳しくは、非接触ICカードなどを媒体として、個人や個別の対象物に特化した情報をリアルタイムに提供する情報提供システムや情報提供の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、大衆向けの案内情報は、ポスターや案内文などを紙に印刷した張り紙や、電光掲示板などによって伝達されている。ところが、張り紙による案内情報の場合は、画一的な情報しか伝達できない上に、情報が古くなるたびに張り紙を取り替えなければならないので労力が必要となる。さらには、掲示されている情報と最新情報との間でタイムラグが発生するおそれがある。したがって、情報の伝達速度を速めるために電光掲示板による情報伝達が行われているが、しかし、この伝達方法でも画一的な情報しか提供することができない。つまり、電光掲示板では個人向けの情報を提供することはできない。
【0003】一方、近年、非接触ICカードが各方面に盛んに利用し始めている。例えば、ハイウエイなどの料金所では、非接触ICカードを利用したETC(ElectronicToll Collection)システムが導入され始めている。このETCシステムによれば、料金所で車両を停止させて料金やハイウエイカードによる支払いをしなくても、車両を走行させたまま料金決済を行うことができる。また、鉄道の改札口などにおいても、非接触ICカードを鞄やポケットにしまったまま通過ができるシステムが開発され始めている。このような非接触ICカードを用いた情報通信システムは個人ごとの情報に対応して迅速に情報の送受信ができるので広く普及し始めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような非接触ICカードによる情報通信システムは、主に個人に対する料金決済などに利用されているものであって、各個人が所望する情報を多方面に亘って提供するようなシステムにはなっていない。すなわち、個人に特化した情報を収集する場合は、個人が情報源に対して個別に電話するとか、インターネットを通して情報収集しなければならない。しかし、物流情報とか製造ラインにおける製造管理情報などのように個別の物品情報を管理する場合は、電話やインターネットを通して情報収集を行うことは難しい。例えば、工場の出荷ラインにおいて、梱包された箱の中の製品が正しいか否かを、箱の外から情報収集してチェックできるような情報収集システムあるいは情報提供システムは未だ開発されていない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触ICカードを用いて、個人に特化した情報や個別の情報をタイムリー且つリアルタイムに提供することのできる情報提供システムを実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明の情報提供システムは、帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供システムにおいて、非接触型の情報媒体によって構成されたRFID(Radio Frequency Identification)との間でデータを授受すると共に、RFIDから読み取られたデータに基づいてコンテンツを選択して出力する情報提供手段と、RFIDと一体に移動すると共に、情報提供手段から供給されたコンテンツを再生する携帯端末とを備え、情報提供手段が、携帯端末に付設されたRFIDを媒体として、携帯端末へ所望のコンテンツを提供することを特徴とする。
【0007】つまり、本発明の情報提供システムによれば、情報を取得したい携帯電話加入者が携帯電話にFRIDを取り付ければ、このRFIDを介して、個人に特化したコンテンツを電子メールまたは音声情報によってリアルタイムで取得することができる。
【0008】また、本発明の情報提供システムは、情報提供手段は、非接触でRFIDに記録された情報の読み書きを行う読書装置を備え、この読書装置が、RFIDに記録された情報を非接触で読み書きすることにより、情報提供手段から携帯端末へ提供されるコンテンツの仲介を行うことを特徴とする。
【0009】つまり、本発明の情報提供システムによれば、読書装置を屋外、屋内の各所に設置しておけば、携帯電話加入者が情報を収集したいときは、自己の携帯端末を読書装置に近づければ、タイムリー且つリアルタイムで所望する情報を入手することができる。
【0010】また、本発明の情報提供システムは、情報提供手段が、携帯端末を特定するための識別情報が付与されたRFIDを携帯端末に提供し、RFIDに付与された識別情報に基づいて、所望のコンテンツを選択して携帯態端末へ送信することを特徴とする。
【0011】つまり、本発明の情報提供システムによれば、情報提供手段は、個々の識別情報に対応した個別のコンテンツを予め格納しているので、携帯端末のRFIDから取得した識別情報に基づいて、その携帯端末に最適なコンテンツを選び出して送信することができる。
【0012】また、本発明の情報提供システムは、情報提供手段が、携帯端末の電子メールアドレスまたは電話番号を格納する第1のデータベースと、個別の電子メールアドレスまたは電話番号に対応する文字情報または音声情報を格納する第2のデータベースとを備え、情報提供手段が、携帯端末のRFIDから取得した識別情報に基づいて、第1のデータベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索し、第2のデータベースから電子メールアドレスまたは電話番号に最適な文字情報または音声情報を検索して、携帯電話へ送信することを特徴とする。
【0013】つまり、本発明の情報提供システムによれば、情報提供手段のデータベースが、個々の識別情報に対応した電子メールアドレスまたは電話番号と、その電子メールアドレスまたは電話番号に最適な文字情報または音声情報を格納している。したがって、情報提供手段が携帯電話の識別情報を取得すれば、直ちに、その携帯電話の電子メールアドレスまたは電話番号に最適な文字情報または音声情報をサーチして送信することができる。
【0014】また、本発明の情報提供システムは、情報提供手段に構築されたRFIDの読み書きと電子メールとの連携システム、及び提供可能なコンテンツは、システムのハードウエアを製造するシステム提供手段によって提供されることを特徴とする。
【0015】つまり、本発明の情報提供システムによれば、RFIDや端末装置を製造したり、情報提供システムのハードウエアを製造したり、各種のコンテンツを構築することのできるメーカであるシステム提供手段が、通信事業者などの情報提供手段に情報提供システムを提供すれば、情報提供手段は、情報提供システムを最適な環境で運用することができる。
【0016】また、本発明の情報提供の方法は、携帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供の方法において、非接触型の情報媒体によって構成されたRFIDと一体に移動する携帯端末が、RFIDに記録された情報を非接触で読み書きできる読書装置に接近するステップと、読書装置が、RFIDに記録された識別情報を非接触で読み取り、識別情報を読書装置の上位装置であるサーバへ送信するステップと、サーバが、取得した識別情報に基づいて、データベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索して取得するステップと、サーバが、取得した電子メールアドレスまたは電話番号に基づいて、データベースから最適な文字情報または音声情報を検索して取得するステップと、サーバが、取得した文字情報または音声情報を、読書装置を介して、携帯端末へ送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0017】また、本発明の情報提供の方法をコンピュータに実行させるプログラムは、携帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供の方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、非接触型の情報媒体によって構成されたRFIDを備える携帯端末が、RFIDに記録された情報を非接触で読み書きできる読書装置に接近するステップと、読書装置が、RFIDに記録された識別情報を非接触で読み取り、識別情報を読書装置の上位装置であるサーバへ送信するステップと、サーバが、取得した識別情報に基づいて、データベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索して取得するステップと、サーバが、取得した電子メールアドレスまたは電話番号に基づいて、データベースから最適な文字情報または音声情報を検索して取得するステップと、サーバが、取得した文字情報または音声情報を、読書装置を介して、携帯端末へ送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明における情報提供システムの実施の形態を詳細に説明する。本発明における情報提供システムは、RFID(Radio Frequency Identification)を情報媒体として、情報提供者と情報取得者との間で情報の送受信を行うものである。したがって、先ず、RFIDの技術について述べる。
【0019】RFIDとは、非接触ICチップなどの非接触型の媒体を用いて、無線で情報を読み取る自動認識技術に使用される非接触タグであり、無線タグとも呼ばれている。このようなRFIDは、RFIDリーダ/ライターによって要求電波を受信すると、ICチップが起動して、ICチップ内部のデータに応じて要求電波に対応する反射波を非接触タグのアンテナより放射する。したがって、このRFIDを携帯電話などに付設すれば、携帯電話の所持者は、RFIDを媒体として情報提供者から個人に特化した情報をリアルタイムに取得することができる。
【0020】また、このようなRFIDには次のような種々の長所がある。先ず、一つ目は、距離的に離れたところからでも、無線によって自動的にRFIDに書かれた情報を読み取ることができる。二つ目は、箱などの中に商品と共にRFIDを保管しておけば、箱などに梱包されている商品を開けることなく、一括して商品に関する情報を読み取ることができる。三つ目は、RFIDのICチップには多くの情報を書き込むことができるし、また、情報内容を自由に書き換えたりすることができる。四つ目は、RFIDのICチップに書かれた情報に対しては、高度なセキュリティを維持することができる。したがって、このようなRFIDを用いれば、個人に特化した情報を容易に収集することができるのは勿論のこと、物流作業のコスト削減やスピード化や物流品チェックの精度の向上などを図ることができる。
【0021】また、RFIDの長所としては、10万回程度の書き換えが可能であり、使用済みのものでも、過去の情報を消して新たな情報を書き込めば、新品として再生させることができるのでリサイクル性に適している。さらに、水や油などの汚れに対する耐性を備えているので、人がポケットなどに携帯しても書き込まれている情報が消滅することはない。また、無線通信距離は約1m程度と長いので、人間の通常の行動範囲であれば通信エラーを起こすことはない。さらに、動作可能な環境温度は−40℃〜85℃と広いので、通常の環境条件であれば屋内、屋外を問わず年中使用することができる。
【0022】さらに、RFIDの標準化については、米国ANSI(アメリカ規格協会)でインテリタグ技術がRFIDの標準化に採用されている。また、RFIDの標準化を国際標準機構ISO18000シリーズで現在審議中である。また、RFIDの送受信電波の周波数帯域は2.45GHzを中心に標準化されているので、無線通信距離が1m前後の場合は最も電波感度がよい。
【0023】このようなRFIDの具体的な使用方法としては、携帯電話などの個人が持ち歩く携帯情報端末にRFIDを添付する。つまり、携帯電話などの裏面にRFIDを貼り付けるとか、モールドしたRFIDを携帯電話に内蔵する電池などに装着する。そして、携帯電話などが情報提供地点であるRFIDリーダ/ライターを通過すると、RFIDを媒体として情報の送受信が無線で行われる。その結果、携帯電話などによって、個人に特化した情報を文字や音声によってリアルタイムに取得することができる。
【0024】つまり、RFIDを装着した携帯電話がRFIDリーダ/ライターに近づくと、RFIDリーダ/ライターによってRFID内の情報の読み取りが行われ、RFIDリーダ/ライターから上位装置のサーバへ転送される。すると、サーバは、RFIDの情報とRFIDリーダ/ライターの情報とに基づいて、携帯電話の所持者に特化した情報を、RFIDリーダ/ライターを介して、送信元の携帯電話へメール配信する。これによって、携帯電話の所持者は、自分向けのeメール文章あるいは音声情報を取得することができる。つまり、本発明の情報提供システムによれば、携帯電話の所持者に対して、RFIDを媒体として個人に特化した必要情報をリアルタイムで提供することができる。
【0025】次に図面を用いて本発明における情報提供システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明における情報提供システムを実現するための概念図である。図1において、情報提供システムは、RFIDの読み取りとeメール、cメールの送信の連動システムを開発して提供したり、所望のコンテンツを開発して提供するシステム提供者1と、会員のeメールアドレスや携帯電話番号を登録するデータベース5を備えて、会員に対してコンテンツの配信を行う情報提供者2と、RFIDを備えた携帯電話を所持し、RFIDリーダ/ライター4を介して、情報提供者2から所望のコンテンツの配信を受ける携帯電話加入者3とによって構成されている。尚、コンテンツの開発は、システム提供者1の代わりに情報提供者2が行ってもよい。また、会員とは、情報提供者2からコンテンツの配信を受ける権利を取得した携帯電話加入者3である。
【0026】図2は、会員が行う携帯電話の操作の概念を示すイメージ図であり、(a)は携帯電話にRFIDを取り付けるイメージ図、(b)は携帯電話をRFIDリーダ/ライターに近づけるイメージ図である。したがって、図1、図2を用いて、本発明の情報提供システムを実現するための動作の流れを、図1に示す情報の流れの番号順に説明する。
【0027】先ず、■情報提供者2が、システム提供者1に対して、RFIDの読み取りとeメール、cメール送信の連動システムの開発や希望するコンテンツに関するシステムの開発を委託する。すると、■システム提供者1が、情報提供者2に対して、FIDの読み取りとメールの連動システム及び所望するコンテンツのシステムを提供する。
【0028】このようにして、システム提供者1の開発した情報提供システムのハードウエアが、情報提供者2側においてシステムアップされると、情報提供サービスが可能となる。その一方、■携帯電話加入者3は、会員組織に入会するための手続きを情報提供者2に対して行う。このとき、携帯電話加入者3は、携帯電話番号やeメールアドレスや個人情報を情報提供者2へ登録する。すると、■情報提供者2は、携帯電話加入者3から登録された携帯電話番号やeメールアドレスをデータベース5に登録すると共に、RFIDに個別のRFID識別情報を登録し、そのRFIDを該当する携帯電話加入者3に配布する。すると、携帯電話加入者3は、図2(a)に示すように、配布されたRFID12を携帯電話11の裏面などに貼るか、またはモールドされたRFID12を電池の裏などにはめ込む。尚、携帯電話加入者3が独自に購入したRFIDに対し、登録完了を条件として、各種データを書き込んで使用可能な状態とするようにしてもよい。
【0029】図1に戻って、■携帯電話加入者3が、情報提供を請求するためにRFIDリーダ/ライター4の近くに移動すると、RFIDリーダ/ライター4が、携帯電話に付設されたRFIDに記録されているRFID識別情報を読み取って情報提供者2に送信する。つまり、図2(b)に示すように、携帯電話加入者3が道路わきなどに設置されたRFIDリーダ/ライター4に携帯電話11を近づけると、RFIDリーダ/ライター4は携帯電話11に付設されたRFID12の識別情報データを認識して情報提供者2に送信する。尚、RFIDリーダ/ライター4は屋内、屋外の何れの場所に設置してもよい。
【0030】再び図1に戻って、■情報提供者2は、RFIDリーダ/ライター4から受信したRFID識別情報に基づいて、データベース5から携帯電話番号またはeメールアドレスを検索する。そして、検索された携帯電話番号またはeメールアドレスの情報に基づいて、データベース5に格納されている個人情報を参照して最適な情報を選択し、RFIDリーダ/ライター4を介して、会員のeメールアドレス宛てにeメール文章で情報を提供するか、または、会員の携帯電話番号宛てに音声メッセージで情報を提供する。つまり、図2(b)に示すように、情報提供者2からRFIDリーダ/ライター4に送信された文字データまたは音声データは、携帯電話11のRFIDに読み取られて文字情報または音声情報として再生される。
【0031】図3は、本発明における情報提供システムを機能的に表現したブロック図である。図3において、情報提供システムは、携帯電話21及びそれに付設されたRFID22と、RFID22の情報を読み書きするRFIDリーダ/ライター23と、Aデータベース24内に会員のeメールアドレスや会員の携帯電話番号を格納して、会員のRFID識別情報を管理するAサーバ25と、Bデータベース26内の各エリアに、各会員に提供するためのeメール文章や音声情報を格納しておき、会員のeメールアドレスや会員の携帯電話番号に基づいて所望のeメール文章や音声情報を選択して送信するBサーバ27とによって構成されている。尚、RFIDリーダ/ライター23は複数の地域に設置されている。
【0032】図4は、図3の情報提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。したがって、図3及び図4を用いて情報提供システムの動作の流れを説明する。先ず、携帯電話21をRFIDリーダ/ライター23に近づけると(ステップS1)、RFIDリーダ/ライター23が、RFID22内に書かれたRFID識別情報を非接触で読み取る(ステップS2)。すると、RFIDリーダ/ライター23は、読み取ったRFID識別情報とRFIDリーダ/ライター23自身の識別情報とを併せて、上位装置であるAサーバ25へネットワークを通して送信する(ステップS3)。
【0033】すると、Aサーバ25は、取得したRFID識別情報が会員のものであるか否かを判定し(ステップS4)、会員のものでなければ(ステップS4でNOの場合)、その後の処理を終了し(エンド)、RFID識別情報が会員のものであれば(ステップS4でYESの場合)、Aサーバ25は、取得したRFID識別情報に基づいてAデータベース24を検索し、送信元のeメールアドレスあるいは携帯電話番号を取得する(ステップS5)。
【0034】そして、Bサーバ27は、Aサーバ25から送信されたeメールアドレスあるいは携帯電話番号と共にRFIDリーダ/ライター識別情報を取得する(ステップS6)。さらに、Bサーバ27は、eメールアドレスあるいは携帯電話番号とRFIDリーダ/ライター識別情報とに基づいてBデータベース26を検索し、情報提供を依頼した携帯電話21に最適なeメール文章あるいは音声情報を取得する(ステップS7)。そして、Bサーバ27は、Bデータベース26から取得したeメール文章を、RFIDリーダ/ライター23を介して、送信元のeメールアドレス宛てである携帯電話21に送信する。あるいは、Bデータベース26から取得した音声情報を、RFIDリーダ/ライター23を介して、送信元の携帯電話番号宛てである携帯電話21に送信する(ステップS8)。
【0035】以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明の情報提供システムを応用すれば、様々な分野に適用することができる。例えば、物流のパレットにRFIDを取り付ければ、RFIDリーダ/ライターによってRFIDを読み取ることにより物流管理を行うことができる。さらには、輸送物品にRFIDを取り付ければ、宅配便などの輸送管理を効率的に行うことができる。その他、RFIDとRFIDリーダ/ライターとを組み合わせることによってレンタル品の物品管理やアパレル・流通業の物流管理などを効率的且つ効果的に行うことができる。
【0036】さらには、博物館や美術館や展示会場などにおいて、それぞれの顧客が個別の情報を取得したい場合は、本発明の情報提供システムを応用すれが容易に実現することができる。また、屋内においては、スーパーマーケットやデパートや量販店などにおいて、フロア別や販売エリア別や時間帯別の商品管理やバーゲンセールの案内などに適用することができる。あるいは、病院や役所などにおいてバリアフリーの案内などに応用することもできる。また、屋外においては、日本語版や外国語版に分けて観光地案内に応用することもできるし、空港案内や物流システムとして配送ドライバへの情報提供にも適用することができる。その他、視力や聴力の障害者への案内手段のインフラ設備に応用することもできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報提供システム及び情報提供の方法によれば、予め、システム提供者が情報提供システムを構築しておき、この情報提供システムを情報提供者に管理させる。さらに、システム提供者は、FRIDのデータを読み書きすることのできるRFIDリーダ/ライターを適当な箇所に設置しておく。一方、情報を取得したい会員である携帯電話加入者は、情報提供者から送られたFRIDを携帯電話に取り付ける。これによって、会員である携帯電話加入者は、携帯電話をRFIDリーダ/ライターに近づけば、所望の情報をeメールまたは音声によってリアルタイムで取得することができる。つまり、情報を取得したい携帯電話加入者が、携帯電話とRFIDとを一体にして移動すれば、RFIDを媒体として、個人に特化したコンテンツを電子メールや音声情報によってリアルタイムで取得することができる。
【0038】また、本発明の情報提供システムによれば、RFIDリーダ/ライターを屋外や屋内の各所に設置しておけば、携帯電話加入者が情報を収集したいときは、自己の携帯端末をRFIDリーダ/ライターに近づければ、タイムリー且つリアルタイムで所望する情報を入手することができる。
【0039】また、本発明の情報提供システムによれば、情報提供手段が、個々の識別情報に対応した個別のコンテンツを予め格納しているので、携帯端末のRFIDから取得した識別情報に基づいて、その携帯端末に最適なコンテンツを選び出して送信することができる。つまり、携帯電話加入者は最適なコンテンツを取得することができる。
【0040】また、本発明の情報提供システムによれば、情報提供手段のデータベースが、個々の識別情報に対応した電子メールアドレスまたは電話番号と、その電子メールアドレスまたは電話番号に最適な文字情報または音声情報を格納している。したがって、情報提供手段が携帯電話の識別情報を取得すれば、直ちに、その携帯電話の電子メールアドレスまたは電話番号に最適な文字情報または音声情報をサーチして送信することができる。つまり、携帯電話加入者の電子メールアドレスまたは電話番号ごとに最適な文字情報または音声情報が得られる。
【0041】また、本発明の情報提供システムによれば、RFIDや端末装置を製造したり、情報提供システムのハードウエアを製造したり、各種のコンテンツを構築することのできるメーカであるシステム提供手段が、通信事業者などの情報提供手段に情報提供システムを提供している。したがって、通信事業者などの情報提供手段は、最適状態で構築された情報提供システムを最適な環境で運用することができる。
【0042】また、本発明の情報提供システムの応用として、RFIDを物流品に添付すれば、これらの物流品の梱包を解いたり出荷の流れを止めることなく、RFIDリーダ/ライターによって正確且つ迅速に物流管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における情報提供システムを実現するための概念図である。
【図2】 会員が行う携帯電話の操作の概念を示すイメージ図であり、(a)は携帯電話にRFIDを取り付けるイメージ図、(b)は携帯電話をRFIDリーダ/ライターに近づけるイメージ図である。
【図3】 本発明における情報提供システムを機能的に表現したブロック図である。
【図4】 図3の情報提供システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…システム提供者、2…情報提供者、3…携帯電話加入者、4、23…RFIDリーダ/ライター、5…データベース、11、21…携帯電話、12、22…RFID、24…Aデータベース、25…Aサーバ、26…Bデータベース、27…Bサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供システムにおいて、非接触型の情報媒体によって構成されたRFIDとの間でデータを授受すると共に、前記RFIDから読み取られたデータに基づいてコンテンツを選択して出力する情報提供手段と、前記RFIDと一体に移動すると共に、前記情報提供手段から供給されたコンテンツを再生する携帯端末とを備え、前記情報提供手段が、前記携帯端末に付設されたRFIDを媒体として、該携帯端末へ所望のコンテンツを提供することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】 前記情報提供手段は、非接触で前記RFIDに記録された情報の読み書きを行う読書装置を備え、前記読書装置が、前記RFIDに記録された情報を非接触で読み書きすることにより、前記情報提供手段から前記携帯端末へ提供されるコンテンツの仲介を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】 前記情報提供手段は、前記携帯端末を特定するための識別情報が付与されたRFIDを該携帯端末に提供し、該RFIDに付与された識別情報に基づいて、所望のコンテンツを選択して前記携帯態端末へ送信することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】 前記情報提供手段は、前記携帯端末の電子メールアドレスまたは電話番号を格納する第1のデータベースと、個別の電子メールアドレスまたは電話番号に対応する文字情報または音声情報を格納する第2のデータベースとを備え、前記情報提供手段が、前記携帯端末のRFIDから取得した識別情報に基づいて、前記第1のデータベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索し、前記第2のデータベースから前記電子メールアドレスまたは前記電話番号に最適な文字情報または音声情報を検索して、前記携帯電話へ送信することを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】 前記情報提供手段に構築されたRFIDの読み書きと電子メールとの連携システム、及び提供可能なコンテンツは、システムのハードウエアを製造するシステム提供手段によって提供されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の情報提供システム。
【請求項6】 携帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供の方法において、非接触型の情報媒体によって構成されたRFIDと一体に移動する携帯端末が、前記RFIDに記録された情報を非接触で読み書きできる読書装置に接近するステップと、読書装置が、RFIDに記録された識別情報を非接触で読み取り、該識別情報を前記読書装置の上位装置であるサーバへ送信するステップと、前記サーバが、取得した識別情報に基づいて、データベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索して取得するステップと、前記サーバが、取得した電子メールアドレスまたは電話番号に基づいて、前記データベースから最適な文字情報または音声情報を検索して取得するステップと、前記サーバが、取得した文字情報または音声情報を、前記読書装置を介して、前記携帯端末へ送信するステップとを含むことを特徴とする情報提供の方法。
【請求項7】 携帯端末加入者へ文字または音声によって情報を提供する情報提供の方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、非接触型の情報媒体によって構成されたRFIDを備える携帯端末が、前記RFIDに記録された情報を非接触で読み書きできる読書装置に接近するステップと、読書装置が、RFIDに記録された識別情報を非接触で読み取り、該識別情報を前記読書装置の上位装置であるサーバへ送信するステップと、前記サーバが、取得した識別情報に基づいて、データベースから電子メールアドレスまたは電話番号を検索して取得するステップと、前記サーバが、取得した電子メールアドレスまたは電話番号に基づいて、前記データベースから最適な文字情報または音声情報を検索して取得するステップと、前記サーバが、取得した文字情報または音声情報を、前記読書装置を介して、前記携帯端末へ送信するステップとを含む情報提供の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2003−244059(P2003−244059A)
【公開日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−36997(P2002−36997)
【出願日】平成14年2月14日(2002.2.14)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】