説明

情報記録装置

【課題】すぐに撮影をできない、或いは撮影を開始したのに記録できないという使用者のストレスを最低限に抑えられ、使い勝手の良い情報記録装置を提供する。
【解決手段】撮影SW7により撮影開始の指示がされたら、ディスク9の有無を検出する手段及びディスク9の記録容量の残量を検出する手段の動作後に撮影を開始する第一のモードと、撮影SW7により撮影開始の指示がされたら、撮影を開始すると共にディスク9の有無を検出する手段及びディスク9の記録容量の残量を検出する手段の動作を行う第二のモードとを選択するモードSW6を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に画像、音声等の情報を記録する装置、特に、装置の電源を投入してから記録可能な状態になるまでの時間短縮技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスク等のディスクに画像等の情報を記録する装置では、電源を投入してからディスクへの記録が可能となるまでの時間が長いことが問題となっている。特に、動画像を記録するビデオカメラでは、電源を投入してからすぐに記録できないことにより、撮影チャンスを逃す等の問題がおきていた。
【0003】
この問題を解決する方法として、例えば、特開2001−210002号公報に提案された方法がある(特許文献1)。同公報の方法は、電源を投入した後、まず、画像等の情報をメモリ等のディスクとは異なる記憶手段へ記録を行い、ディスクへの記録動作が可能となった後、最初に記憶していたメモリ等からディスクへ記録を行うというものである。
【0004】
そして、同公報の方法では、ディスクへの記録がすぐにできない場合でも、メモリ等の記憶手段に先にためておくことで、ビデオカメラ等の用途においても撮影チャンスを逃すことなく電源投入後すぐに撮影できるとしている。
【0005】
しかしながら、上記方法では、ディスクの準備ができるまでメモリ等の記憶手段に記録しているが、メモリに記憶開始した時点では、ディスクの残り容量の情報は得られない。実際には、ディスクの準備の過程におけるかなり後半のファイル情報取得後に、そのディスクの記録可能残容量が分かることになる。
【0006】
この時点でディスクの残容量が無い、もしくは、少ないことが判明すると、メモリに記憶したデータすべてもしくは一部がディスクへ記録できないという事態が生じる。このような事態は、撮影開始と同時にディスクに記録できていると思っているユーザ(一時的にメモリに記録していることを知らないユーザ)に著しいストレスを与えることになる。
【0007】
また、撮影していたデータが、決定的チャンスであり、それがディスクに記録することができなかった場合は、そのストレスは計り知れないものがある。
【0008】
このような事態を回避するため、ディスクの残容量を確認後に撮影可能となるようにすると、電源投入後すぐに撮影することができないということになる。
【0009】
例えば、ユーザが新品のディスクを装置に装着して撮影を開始しようとしても、新品で残容量は十分あるにも拘わらず、ディスクの情報を読んで残容量を確認するまでは撮影可能とはならないことになる。
【0010】
そこで、例えば、特開2003−317389号公報には、そのような問題を解決するための方法が提案されている(特許文献2)。同公報の方法では、記録媒体の挿抜監視手段を用いて、電源遮断から再度電源投入までの間に挿抜が認められなかった場合にのみ、ディスクが記録可能となる前に撮影を開始している。
【特許文献1】特開2001−210002号公報
【特許文献2】特開2003−317389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献2の方法では、ディスクを装置に装着したままの状態で再度電源を投入し撮影を開始する場合には、ディスクの残容量等の情報が内部に保持されているため、ストレス無く撮影が可能となるが、ディスク交換時にはやはり同様の問題が生じることになる。
【0012】
本発明の目的は、ユーザへのストレスを最小限に抑えることが可能で使い勝手の良い情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するため、撮影開始を指示する指示手段と、ディスク記録媒体の装着状況を検出する記録媒体検出手段と、前記ディスク記録媒体の記録容量の残量を検出する残量検出手段とを有する情報記録装置において、前記指示手段により撮影開始の指示がされたら、前記ディスク記録媒体検出手段及び前記残量検出手段の動作後に前記撮影を開始する第一のモードと、前記撮影を開始すると共に前記ディスク記録媒体検出手段及び前記残量検出手段の動作を行う第二のモードとを選択する選択手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、撮影開始の指示がされたら、ディスク記録媒体の装着状況を検出手段及びディスク記録媒体の記録容量の残量を検出する手段の動作後に撮影を開始する第一のモードを有する。また、撮影開始の指示がされたら、撮影を開始すると共にディスク記録媒体の装着状況を検出する手段及びディスク記録媒体の記録容量の残量を検出する手段の動作を行う第二のモードを有し、第一のモードと第二のモードを選択できるようにする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、すぐに撮影をできない、或いは撮影を開始したのに記録できないというような使用者のストレスを最低限に抑えることができ、使い勝手の良い情報記録装置を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る情報記録装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態では、情報記録装置として映像を記録するビデオカメラの例を示す。図中1は被写体を撮影するカメラ部、2はカメラ部1からの映像信号を処理する信号処理部、3は装置の各部を制御するコントローラ、4は映像データを一時蓄えるバッファメモリ、5は光ディスク等のディスク9に対して記録を行う記録装置である。ディスク9は装置本体に対して交換が可能である。
【0018】
また、6はモードSW、7は撮影SWである。カメラ部1から出力された映像信号は、信号処理部2でMPEG2等の圧縮データに変換される。変換されたデータはコントローラ3の制御によりバッファメモリ4や記録装置5に出力される。
【0019】
モードSW6は、「高速起動」、「通常起動」の2つの状態を切り換えるスイッチである。撮影SW7は「撮影」、「停止」の2つの状態を切り換えるスイッチである。撮影SW7はコントローラ3の割り込み入力端子に接続され、割り込みにより撮影SW7が「撮影」状態であることをいつも検出できるようになっている。
【0020】
次に、本実施形態の動作を図2のフローチャートに沿って説明する。まず、図示しないスイッチ等により電源が投入されると(S1)、コントローラ3は各部の初期化を行う(S2)。その初期化によりカメラ部1、信号処理部2、バッファメモリ4はすぐに動作可能状態となるが、記録装置5はディスク9の認識動作に入る。即ち、ディスク9が装置内に装着されているか否かの検出を行う。
【0021】
続いて、コントローラ3はモードSW6のチェックを行う(S3)。この時、モードSW6は「通常起動」状態であったとする。その場合、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9の認識が終了したかどうか確かめる(S4)。記録装置5はディスク9を検出するスイッチ等を用いてディスク9の有無を検出する。
【0022】
ディスク9が装着されている事がわかると、コントローラ3はディスク9の記録容量の残り容量をチェックする(S5)。残り容量がまだあることが確認され、且つ、この時点までに撮影SW7が「撮影」状態であった場合には、コントローラ3はカメラ部1の出力を信号処理回路2で圧縮処理したデータを、バッファメモリ4へ蓄積開始する(S6)。
【0023】
更に、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9への記録が可能になったかどうかを確かめる(S7)。記録装置5でディスク9への記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスク9に記録を開始する(S8)。
【0024】
次に、モードSW6が「高速起動」状態であった場合の動作を説明する。装置の電源が投入され(S1)、コントローラ3による各部の初期化動作(S2)までは同じである。続いて、コントローラ3はモードSW6のチェックを行い(S3)、この時、モードSW6が「高速起動」状態であったとする。
【0025】
この時点までに、撮影SW7が「撮影」状態であった場合には、コントローラ3はカメラ部1の出力を信号処理回路2で圧縮処理したデータを、バッファメモリ4へ蓄積開始する(S9)。蓄積を続けながら、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9の認識が終了したかどうかを確かめる(S10)。
【0026】
ディスク9が装着されている事がわかると、コントローラ3は同様にディスク9の残り容量をチェックする(S11)。残り容量がまだあることが確認されると、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9への記録が可能になったかを確かめる(S12)。
【0027】
ディスク9への記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスク9に記録を開始する(S13)。
【0028】
なお、モードSW6が「通常起動」の場合、S5でディスク9の残り容量がない時には、S14でその旨を警告表示する。また、モードSW6が「高速起動」の場合、S11でコントローラ3によりディスク9の残り容量が無いことが確認された時には、S15でバッファメモリ4への蓄積を停止(撮影停止)し、S14でディスクの残容量がないことを警告表示する。
【0029】
以上のようにモードSW6が「通常起動」状態の場合は、撮影SW7が「撮影」状態となり、且つ、ディスク9が認識され、ディスク9の残り容量があることが確認されてから撮影を開始する。また、モードSW6が「高速起動」状態の場合は、撮影SW7が「撮影」状態となれば、ディスク9を認識することなく、すぐに撮影を開始できる。
【0030】
一般的に、ディスクを認識する時間は、数秒かかるので電源を入れてから実際に撮影できるまでの時間は、「高速起動」状態に比べ、「通常起動」状態では数秒遅れることになる。例えば、使用者が、ビデオカメラ内に入っているディスクの残容量があることがわかっていて撮影を行う場合、モードSW6は、「高速起動」状態として行えば、撮影開始までの時間を短縮でき、ストレスの無い撮影が可能となる。
【0031】
逆に、使用者が、ビデオカメラ内に入っているディスクの空き容量があるかどうかわからない場合は、モードSW6を「通常起動」状態として撮影を開始することで、撮影した映像をディスクに記録できないというようなことが発生しない。
【0032】
本実施形態においては、ビデオカメラの例をあげて説明したが、本発明はマイクを入力とする録音装置でも使用可能である。この場合、撮影SW7を録音SWとして、「録音」と「停止」状態と置き換えて考えればよい。これは、以下の実施形態においても同様である。
【0033】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態を説明するフローチャートである。装置構成は、図1と同様であるので説明は省略する。図3のフローチャートに沿って説明する。
【0034】
まず、電源が入った状態でディスク9が交換されると(S1)、コントローラ3は記録装置5の起動処理を行う(S2)。電源が入った状態なので、カメラ部1、画像処理部2、バッファメモリ4、等の初期化は終了しているが、記録装置5はディスク9が装着されたところなので、起動処理によりディスク9の認識動作に入る。
【0035】
続いて、コントローラ3はモードSW6のチェックを行う(S3)。この時、モードSW6は「通常起動」状態であったとする。コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9の認識が終了したかどうかを確かめる(S4)。
【0036】
ディスク9の認識が終了した事がわかると、コントローラ3はディスク9の残り容量をチェックする(S5)。ディスクの残り容量がまだあることが確認され、且つ、この時点までに撮影SW7が「撮影」状態であった場合には、コントローラ3はカメラ部1の出力を信号処理回路2で圧縮処理したデータを、バッファメモリ4へ蓄積開始する(S6)。
【0037】
更に、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9への記録が可能になったかどうかを確かめる(S7)。ディスク9への記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスク9に記録を開始する(S8)。
【0038】
次に、モードSW6が「高速起動」状態であった場合の動作を説明する。電源が入った状態でディスクが交換され(S1)、コントローラ3による記録装置5の起動処理動作(S2)までは同じである。
【0039】
続いて、コントローラ3はモードSW6のチェックを行う(S3)。この時、モードSW6は「高速起動」状態であったとする。この時点までに、撮影SW7が「撮影」状態であった場合には、コントローラ3はカメラ部1の出力を信号処理回路2で圧縮処理したデータを、バッファメモリ4へ蓄積開始する(S9)。
【0040】
蓄積を続けながら、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9の認識が終了したかどうかを確かめる(S10)。ディスクの認識が終了した事がわかると、コントローラ3はディスク9の残り容量をチェックする(S11)。
【0041】
ディスク9の残り容量がまだあることが確認されると、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9への記録が可能になったかどうかを確かめる(S12)。ディスク9への記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスク9に記録を開始する(S13)。
【0042】
なお、モードSW6が「通常起動」の場合、S5でコントローラ3によりディスク9の残り容量が無いことが確認された場合には、S14でディスク9の残り容量がないことを警告表示する。また、モードSW6が「高速起動」の場合、S11でディスク9の残り容量がないことが確認された場合には、S15でバッファメモリ4への蓄積を停止(撮影停止)した後、S14でその旨を警告表示する。
【0043】
以上のように、モードSW6が「通常起動」状態の場合は、撮影SW7が「撮影」状態となり、且つ、ディスク9が認識され、ディスク9の残容量があることが確認されてから、撮影を開始する。また、モードSW6が「高速起動」状態の場合は、撮影SW7が「撮影」状態となれば、ディスク9を認識することなく、すぐに撮影を開始できる。
【0044】
一般的に、ディスクを認識する時間は数秒かかるので、ディスクを交換してから実際に撮影できるまでの時間は、「高速起動」状態に比べ、「通常起動」状態では数秒遅れることになる。例えば、使用者が、新品のフォーマット済みディスクもしくは、ディスクの残容量があることがわかっているディスクを装置に装着し、撮影をする場合、モードSW6を「高速起動」状態として行えば、撮影開始までの時間を短縮でき、ストレスの無い撮影が可能となる。
【0045】
また、空き容量があるかどうかわからないディスクを使用する場合は、モードSW6を「通常起動」状態として撮影を開始することで、撮影した映像をディスクに記録できないというようなことが発生しない。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図4は第3の実施形態を示すブロック図、図4はその動作を示すフローチャートである。ブロック構成は図1とほぼ同じであるが、フォーマットSW8を追加した点が異なっている。その他の構成は図1と同様である。
【0047】
フォーマットSW8は、ディスクを「フォーマットする」、「フォーマットしない」の2つの状態を切り換えるスイッチである。
【0048】
次に、図5のフローチャートに沿って動作を説明する。本実施形態では、モードSW6が「通常起動」状態の場合の動作は、第2の実施形態と同じであるので、図5のフローチャートではSW6の状態が「高速起動」の場合だけを示す。
【0049】
電源が入った状態でディスク9が交換されると(S1)、コントローラ3は記録装置5の起動処理を行う(S2)。電源が入った状態なのでカメラ部1、画像処理部2、バッファメモリ4等の初期化は終了しているが、記録装置5はディスク9が装着されたところなので、起動処理によりディスク9の認識動作に入る。
【0050】
続いて、コントローラ3はモードSW6のチェックを行う。本実施形態ではモードSW6は「高速起動」状態とする。この時点までに、撮影SW7が「撮影」状態であった場合、コントローラ3はカメラ部1の出力を信号処理回路2で圧縮処理したデータを、バッファメモリ4へ蓄積開始する(S3)。
【0051】
蓄積を続けながら、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスク9の認識が終了したかどうかを確かめる(S4)。次に、フォーマットSW8の状態をチェックする(S5)。その時、SW8が「フォーマットする」状態であった場合には、ディスクがフォーマットが可能なディスクか否かを確認する(S6)。ディスクがフォーマットが可能なディスクであった場合には、コントローラ3は記録装置5を制御してディスクのフォーマットを行う(S6)。
【0052】
また、S6でフォーマットが可能なディスクでない場合には、S10でバッファメモリ4への記録を停止した後に警告表示を行う(S11)。フォーマットが不可能なディスクには、例えば、1回しか記録できないディスクやプロテクトがかけられたディスク等がある。
【0053】
また、S6の処理が終了すると、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、フォーマットが終了し、ディスクへの記録が可能になったかを確かめる(S7)。ディスクへの記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスクに記録を開始する(S8)。
【0054】
一方、S5でフォーマットSW8の状態をチェックし、「フォーマットしない」状態であった場合には、コントローラ3はディスクの残り容量をチェックする(S9)。ディスクの残り容量がまだあることが確認されると、コントローラ3は記録装置5の状態をチェックし、ディスクへの記録が可能になったか確かめる(S7)。
【0055】
ディスクへの記録が可能となると、コントローラ3はバッファメモリ4に蓄積されているデータを記録装置5へ送り、内部のディスクに記録を開始する(S8)。なお、S9でディスクの残り容量が無いことが確認された場合には、S10でバッファメモリ4への蓄積を停止(撮影停止)した後、ディスクの残容量がないことを警告する(S11)。
【0056】
以上のようにモードSW6が「高速起動」状態の場合に、フォーマットSW8を「フォーマットする」状態にしておくことで、撮影を続けながらディスクをフォーマットし、フォーマット後にディスクへの記録を開始する。そのため、消去可能なディスクに交換したときや、未フォーマットの新品ディスクを挿入したときにも、ストレス無くすぐに撮影が開始できる。
【0057】
また、ディスクのフォーマット動作を行うので、繰り返し使用可能なディスクを使用する場合には、ディスクの空き容量を気にしないで撮影が可能となる。
【0058】
一般的に、ディスクをフォーマットする時間は数秒から数十秒かかるので、ディスクを交換してから実際に撮影できるまでの時間は、「フォーマットする」状態ではそれらの時間を待つ必要なく撮影できることになる。
【0059】
また、フォーマットしてよいかどうかわからないディスクを使用する場合は、フォーマットSW8を「フォーマットしない」状態として撮影を開始することで、大事な映像をフォーマットにより消してしまうというようなことが発生しない。
【0060】
本発明においては、画像若しくは音声等の情報をディスクに記録する場合、使用者の記録指示後、ディスクの残容量を取得する以前に情報をバッファメモリに蓄積開始し、残容量を取得した後にバッファメモリからディスクへの記録を開始するように制御する第1のモードを有する。また、使用者の記録指示後、ディスクの残容量取得した後に情報をバッファメモリに蓄積開始し、後にバッファメモリからディスクへ記録を開始するように制御する第2のモードを備えている。第1、第2のモードは使用者によって選択可能とすることで、使用者へのストレスを最低限に抑えることが可能な情報記録装置を提供することができる。
【0061】
例えば、ビデオカメラの場合、第1のモードを選択することで、撮影開始がなかなかできないというようなことがなくなる。また、第2のモードを選択することで、撮影開始後にディスクの記録容量が無いというようなことがなくなる。
【0062】
また、第1と第2のモードが電源オン時に使用者が選択可能であることで、例えば、使用者が、ビデオカメラ内に入っているディスクの残容量があることがわかっていて撮影を行う場合、第1のモードを選択することで、撮影開始までの時間を短縮できる。
【0063】
逆に、使用者が、ビデオカメラ内に入っているディスクの空き容量があるかどうかわからない場合には、第2のモードを選択することで、撮影した映像をディスクに記録できないというようなことが発生しない。
【0064】
更に、第1と第2のモードが、ディスクの交換時に選択可能であることで、例えば、使用者が新品のフォーマット済みディスクを装置に入れて撮影を開始した場合、第1のモードを選択することで、撮影開始までの時間を短縮できる。
【0065】
また、空き容量があるかどうかわからないディスクを装置に入れて撮影を開始した場合には、第2のモードを選択することで、撮影した映像をディスクに記録できないというようなことが発生しない。
【0066】
更に、記録開始とともにディスクのフォーマット動作を行い、その後、バッファメモリからディスクへの記録を開始するように制御する第3のモードを使用者によって選択可能としている。そのため、例えば、使用者が新品の未フォーマットディスクまたは消去してもよいことがわかっているディスクを装置に入れて撮影を開始した場合、第3のモードを選択することで、撮影開始までの時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る情報記録装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図5】図4の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 カメラ部
2 信号処理部
3 コントローラ
4 バッファメモリ
5 記録装置
6 モードSW
7 撮影SW
8 フォーマットSW
9 ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影開始を指示する指示手段と、ディスク記録媒体の装着状況を検出するディスク記録媒体検出手段と、前記ディスク記録媒体の記録容量の残量を検出する残量検出手段とを有する情報記録装置において、前記指示手段により撮影開始の指示がされたら、前記ディスク記録媒体検出手段及び前記残量検出手段の動作後に前記撮影を開始する第一のモードと、前記撮影を開始すると共に前記ディスク記録媒体検出手段及び前記残量検出手段の動作を行う第二のモードとを選択する選択手段を有することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記第一、第二のモードは、電源オン時に選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記第一、第二のモードは、前記ディスク記録媒体の交換時に選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記情報記録装置は、バッファメモリを備えており、前記第二のモードでは前記撮影で得られた情報を、前記バッファメモリに蓄積することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記ディスク記録媒体のフォーマットを指示する手段を有し、前記選択手段により前記第二のモードが選択され、且つ、前記指示手段によりディスク記録媒体のフォーマットが指示された場合には、撮影を開始すると共に前記記録媒体をフォーマットすることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−184039(P2007−184039A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1445(P2006−1445)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】