説明

折り畳み扉

【課題】 折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることが可能な折り畳み扉を提供することである。
【解決手段】 折り畳み扉1は、上下端部と両側端部とを有する扉20と、上下端部と両側端部とを有する扉30と、扉20の一方側端部21と扉30の一方側端部31との間を連結する上端ヒンジ部材51と、扉20の一方側端部21と他方側端部22との間の位置で上端部23および下端部24に取り付けられた上ローラ61および下ローラ62と扉30の一方側端部31と他方側端部32との間の位置で上端部33および下端部34に取り付けられた上ローラ71および下ローラ72と、上ローラ61、71および下ローラ62、72の移動を案内するための上レール80および下レール90とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には折り畳み扉に関し、特定的には、たとえば、機械、機器等を保護するために用いられる折り畳み扉の開閉移動構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の開閉扉、建物内の間仕切り等に折り畳み扉が用いられている。折り畳み扉には、一組の扉を折り曲げ自在に連結して構成されるもの、3枚以上の扉をそれぞれ折り畳み伸縮自在に連結して構成されるアコーディオン型のものがある。
【0003】
図12は、たとえば、実開昭55−118882号公報(特許文献1)に開示された従来の一組の扉からなる折り畳み扉の開閉装置を示す斜視図である。
【0004】
図12に示すように、折り畳み扉200は、2枚の扉201と、これらの扉201を折り曲げ自在に連結するヒンジ202と、右の扉201の右端の上部および下部に設けられた滑り金具203と、左の扉201の左端の上部および下部に取り付けられた支点ピン204とを備える。開閉用取っ手205を手前に引きながら、滑り金具203を案内溝に沿って滑らせることにより、2枚の扉201を折り重ねるようにして折り畳み扉200を開くことができる。また、取っ手205を右の扉201の右端方向に引きながら滑り金具203を案内溝に沿って滑らせ、取っ手205を前方に押すことにより折り畳み扉200を閉じることができる。
【0005】
このように構成された折り畳み扉の開閉装置は、一組の扉からなる折り畳み扉に適用して折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができるが、3枚以上の扉からなる折り畳み扉に適用することができないという問題がある。
【0006】
また、図13は、たとえば、実開平4−30690号公報(特許文献2)に開示された従来の折り畳み扉の連結装置を示す斜視図である。
【0007】
図13に示すように、間仕切りを構成する折り畳み扉100は、複数枚の扉パネル101と、これらの扉パネル101が相互に折り曲げ自在になるように扉パネル101間を連結する連結具102と、折り畳み扉100の両側端部の位置における上端部とその両側端部より一つ置きに位置する連結具102の上端部に設けられた吊り下げランナー103と、それらの下端部に設けられたガイドランナー104とを備えている。吊り下げランナー103が上レール105にスライド自在に係止され、ガイドランナー104が下レール106にスライド自在に係止されることによって、間仕切りを構成する折り畳み扉100は折り畳み開閉自在に吊り下げ支持されている。また、ラッチ片107が上レール105に着脱自在に係止されることによって折り畳み扉100の伸展状態が保持される。
【0008】
このように構成された折り畳み扉100では、複数枚の扉パネル101を折り畳んで間仕切りを開放する際には、まず、連結具102を介して扉パネル101を折り重ねた後、吊り下げランナー103およびガイドランナー104のスライド移動により、折り重ねられた扉パネル101を間仕切りの一方側端に移動させる必要がある。また、折り重ねられた複数枚の扉パネル101を拡げて折り畳み扉100を伸展させて間仕切りを形成する際には、まず、折り重ねられた扉パネル101を連結具102を介して拡げた後、吊り下げランナー103およびガイドランナー104のスライド移動により、拡げられた扉パネル101を間仕切りの一方側端に向かって移動させる必要がある。したがって、折り畳み扉100の折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができないという問題がある。
【0009】
さらに、図14は、たとえば、実開昭57−181887号公報(特許文献3)に開示された従来の折り畳みドアの蝶番構造を示す部分拡大断面図である。
【0010】
図14に示すように、折り畳み扉300は、2枚のパネル301と、これらのパネル301の間に配置されたヒンジ柱302と、ヒンジ柱302のヒンジ軸303の外周に沿って回動することができるように嵌められて2枚のパネル301のそれぞれに取り付けられたフック304とを備える。二つのフック304の先端部に形成された歯305が噛み合うように配置されている。この歯305の噛み合わせによって、二つのパネル301の開閉を連動させ、ヒンジ柱302に対して等しい角度で二つのパネル301が開閉するようになっている。
【0011】
このように構成された折り畳みドアの蝶番構造では、二つのパネルの開閉移動を連動させることができるが、開閉頻度の増加に伴って歯の噛み合わせがずれたり、歯の外周面が摩耗する。このため、開閉頻度が増加するにつれて二つのパネルの開閉移動を円滑に連動させることができなくなるという問題がある。
【特許文献1】実開昭55−118882号公報
【特許文献2】実開平4−30690号公報
【特許文献3】実開昭57−181887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、この発明の目的は、折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることが可能な折り畳み扉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に従った折り畳み扉は、上下端部と両側端部とを有する第1の扉と、上下端部と両側端部とを有する第2の扉と、第1の扉の一方側端部と第2の扉の一方側端部との間を連結する第1のヒンジ部材と、第1の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部または下端部の少なくともいずれか一方に取り付けられた第1の滑動部材と、第2の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部または下端部の少なくともいずれか一方に取り付けられた第2の滑動部材と、第1および第2の滑動部材の移動を案内するための案内部材とを備える。
【0014】
この発明の折り畳み扉においては、第1のヒンジ部材を介して第1の扉が第2の扉に向かって移動して折り重ねられようとすると、その力の作用に対する反作用の力が第1の滑動部材に働く。この反作用の力に応じて第1の滑動部材は、その移動が案内部材によって拘束されて、第1の扉の折り重なる方向への回動方向と同じ方向に第1の扉を移動させようとする。また、第1のヒンジ部材を介して第1の扉が第2の扉から離れて移動して拡げられようとすると、その力の作用に対する反作用の力が第1の滑動部材に働く。この反作用の力に応じて第1の滑動部材は、その移動が案内部材によって拘束されて、第1の扉の拡げられる方向への回動方向と同じ方向に第1の扉を移動させようとする。同様に、第1のヒンジ部材を介して第2の扉が第1の扉に向かって移動して折り重ねられようとするとき、または、第2の扉が第1の扉から離れて移動して拡げられようとするときも同様にして、その力の作用に対する反作用の力が第2の滑動部材に働き、上記の作用を果たす。このようにして、第1の扉と第2の扉の折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができる。
【0015】
この発明に従った折り畳み扉は、上下端部と両側端部とを有する第3の扉と、第1の扉の他方側端部または第2の扉の他方側端部の少なくともいずれかと第3の扉の一方側端部との間を連結する第2のヒンジ部材とを備えるのが好ましい。この場合、3枚以上の扉からなる折り畳み扉において扉の折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができる。
【0016】
また、この発明に従った折り畳み扉は、第1の扉の一方側端部と第2の扉の一方側端部との間の間隔を調整するための間隔調整部材をさらに備えるのが好ましい。この場合、折り畳み扉が閉じた状態、すなわち、折り畳み扉を伸展させた状態において、第1と第2の扉の間の間隔を間隔調整部材によって調整することにより、第1と第2の扉から構成される折り畳み扉の直線性を保つことができる。
【0017】
さらに、この発明に従った折り畳み扉において、間隔調整部材は第1の扉の一方側端部に取り付けられた磁石を含み、間隔調整部材に対向するように第2の扉の一方側端部に配置された磁性部材をさらに備えるのが好ましい。この場合、第1と第2の扉の間の間隔を間隔調整部材によって調整した後、磁石を含む間隔調整部材と第2の扉の一方側端部に配置された磁性部材とを磁力によって常に接触した状態に保つことができる。このため、第1と第2の扉の間隔が外部の振動等によって拡大するのを防止することができる。
【0018】
この発明に従った折り畳み扉において、第1の滑動部材は第1の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部に取り付けられ、第2の滑動部材は第2の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部に取り付けられ、第1のヒンジ部材は、第1の扉の上端部と第2の扉の上端部とを連結する上端ヒンジ部材と、第1の扉の下端部と第2の扉の下端部とを連結する下端ヒンジ部材とからなる場合、間隔調整部材は、第1および第2の扉の上端部と第1および第2の扉の下端部との間の位置に設けられた2つの間隔調整部材を含むのが好ましい。
【0019】
この場合、第1と第2の滑動部材によって案内部材に吊り下げられた状態で支持されているときに、開閉頻度が増加するにつれて第1または第2のヒンジ部材を構成する回転支点における滑節部材が摩耗し、滑節部材間に隙間が生じ、いわゆるヒンジ部材にガタが生じる。これにより、たとえば、第1の扉に対して第2の扉が一方側に傾いた状態でヒンジ部材により連結されることになる。すなわち、第1と第2の扉の間隔が上下方向に沿って広い箇所と狭い箇所が生じる。このとき、2つの間隔調整部材の少なくともいずれかを調整することにより、第1と第2の扉の間隔を上下方向に沿ってほぼ一定になるように調整することができる。
【0020】
また、この発明の折り畳み扉において、第1の扉と第2の扉は、外側表面と、この外側表面と反対側の内側表面とを有し、かつ、相対的に厚みの小さい扉板部材と、この扉板部材を取り囲むように周縁部に配置された相対的に厚みの大きい枠部材とを含み、枠部材の内側表面と扉板部材の内側表面との間の段差は、枠部材の外側表面と扉板部材の外側表面との間の段差よりも大きくなっているのが好ましい。
【0021】
この場合、枠部材の外側表面と扉板部材の外側表面との間の相対的に小さい段差によって形成される空間を利用して比較的小さい操作部品等を収容することができ、枠部材の内側表面と扉板部材の内側表面との間の相対的に大きい段差によって形成される空間を利用して比較的大きい機構部品等を収容することができる。
【0022】
さらに、この発明の折り畳み扉において、案内部材は第1および第2の滑動部材の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、外方向にほぼ直立して延びる直立壁面を有するのが好ましい。この場合、案内部材の一部が第1および第2の滑動部材の外表面を被っていないので、案内部材に対して、滑動部材の取り付けられた扉を組み立てることが容易であり、また、案内部材の凹部に溜まる埃等を容易に除去することができる。
【0023】
この発明の折り畳み扉において、案内部材は第1および第2の滑動部材の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、内方向に傾斜して延びる傾斜壁面を有するのが好ましい。この場合、第1および第2の滑動部材と案内部材の凹部との間において相互に接触する面積を小さくすることができるので、滑動部材の移動抵抗を減少させることができ、案内部材に沿って滑動部材を円滑に移動させることができる。また、案内部材の凹部に溜まる埃、油等を傾斜壁面に沿って逃がすことができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、この発明によれば、折り畳み扉において折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0026】
図1はこの発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態を折り曲げられた状態で示す斜視図、図2はこの発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態を閉じた状態で示す斜視図、図3はこの発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【0027】
図1と図2に示すように、折り畳み扉1は、たとえば、4枚の扉10、扉20、扉30および扉40から構成される。第1の扉としての扉20は、一方側端部21と他方側端部22と上端部23と下端部24とを有する。第2の扉としての扉30は、一方側端部31と他方側端部32と上端部33と下端部34とを有する。第3の扉としての扉10は、一方側端部11と他方側端部12と上端部13と下端部14とを有する。第3の扉としての扉40は、一方側端部41と他方側端部42と上端部43と下端部44とを有する。
【0028】
図1、図2および図3に示すように、扉20の一方側端部21と扉30の一方側端部31とを連結するために、扉20と扉30とが相互に折り曲げ自在になるように、上端ヒンジ部材51が上端部23、33に近い位置に取り付けられ、下端ヒンジ部材52が下端部24、34に近い位置に取り付けられている。扉20の他方側端部22と扉10の一方側端部11とを連結するために、扉20と扉10とが相互に折り曲げ自在になるように、上端ヒンジ部材51が上端部23、13に近い位置に取り付けられ、下端ヒンジ部材52が下端部24、下端部14に近い位置に取り付けられている。扉30の他方側端部32と扉40の一方側端部41とを連結するために、扉30と扉40とが相互に折り曲げ自在になるように、上端ヒンジ部材51が上端部33、43に近い位置に取り付けられ、下端ヒンジ部材52が下端部34、44に近い位置に取り付けられている。
【0029】
扉20の一方側端部21と他方側端部22との間の位置で、この実施の形態では一方側端部21側に近い位置で、上端部23に第1の滑動部材としての上ローラ61が取り付けられ、下端部24に第1の滑動部材としての下ローラ62が取り付けられている。扉30の一方側端部31と他方側端部32との間の位置で、この実施の形態では一方側端部31側に近い位置で、上端部33に第2の滑動部材としての上ローラ71が取り付けられ、下端部34に第2の滑動部材としての下ローラ72が取り付けられている。
【0030】
また、扉10の一方側端部11と他方側端部12との間の位置で、この実施の形態では他方側端部12側に近い位置で、上端部13に上ローラ61(図示せず)が取り付けられ、下端部14に下ローラ62が取り付けられている。さらに、扉40の一方側端部41と他方側端部42との間の位置で、この実施の形態では他方側端部42側に近い位置で、上端部43に上支点部材73(図示せず)が取り付けられ、下端部44に下支点部材74が取り付けられている。
【0031】
上ローラ61および上ローラ71が案内されて回転することができるように案内部材としての上レール80が直線状に配置されている。また、下ローラ62および下ローラ72が案内されて回転することができるように案内部材としての下レール90が直線状に配置されている。上ローラ61、71の上レール80に沿った回転移動と下ローラ62、72の下レール90に沿った回転移動により、折り畳み扉1がスライド移動できるようになっている。このとき、扉40は上支点部材73および下支点部材74によって上レール80および下レール90に支持されているので、折り畳み扉1は上支点部材73および下支点部材74を基点として、折り畳み・拡げ移動とスライド移動を行う。
【0032】
扉10の一方側端部11と扉20の他方側端部22との間、扉20の一方側端部21と扉30の一方側端部31との間、および、扉30の他方側端部32と扉40の一方側端部41との間のそれぞれの間隔を調整するために間隔調整部材としての上調整ボルト53と下調整ボルト54が、上端ヒンジ部材51と下端ヒンジ部材52の間の位置に2個、ほぼ等しい間隔をあけて配置されている。上調整ボルト53と下調整ボルト54は、扉10の一方側端部11または扉20の他方側端部22のいずれか、扉20の一方側端部21または扉30の一方側端部31のいずれか、および、扉30の他方側端部32または扉40の一方側端部41のいずれかにねじ部が螺合するように取り付けられていればよい。
【0033】
この実施の形態では、扉10は、相対的に厚みの小さい透明なプラスチックス製の扉板部材15と、扉板部材15を取り囲むように周縁部に配置されてボルト等によって取り付けられた相対的に厚みの大きいアルミニウム製の枠部材としての側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18とから構成されている。同様にして、扉20は扉板部材25と側枠部材26、上枠部材27および下枠部材28とから構成され、扉30は扉板部材35と側枠部材36、上枠部材37および下枠部材38とから構成され、扉40は扉板部材45と側枠部材46、上枠部材47および下枠部材48とから構成されている。扉板部材15、25、35、45は、不透明のプラスチックス製、または、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属製でもよい。
【0034】
なお、折り畳み扉1を開閉移動するために扉10の一方側端部11側に近い位置、すなわち、扉20寄りの位置で側枠部材16に取っ手部材400が取り付けられている。
【0035】
図4は、この発明に従った折り畳み扉のもう一つの実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【0036】
図3に示すように上端ヒンジ部材51と下端ヒンジ部材52は扉20の側枠部材26と扉30の側枠部材36に取り付けられているが、図4に示すように上端ヒンジ部材57が扉20の側枠部材26の外側表面または内側表面に取り付けられ、下端ヒンジ部材58が扉20の側枠部材36の外側表面または内側表面に取り付けられてもよい。この場合、上調整ボルト53は上端ヒンジ部材57の取付け位置とほぼ同じ位置で扉20の側枠部材26または扉30の側枠部材36のいずれかに取り付けられてもよい。また、下調整ボルト54は下端ヒンジ部材58の取り付け位置とほぼ同じ位置で扉20の側枠部材26または扉30の側枠部材36のいずれかに取り付けられてもよい。
【0037】
図5は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、折り畳み・拡げ移動とスライド移動の連動機構を概念的に示す概略平面図である。
【0038】
図5に示すように、第1のヒンジ部材としての上端ヒンジ部材51および下端ヒンジ部材52(C点)を介して第1の扉としての扉20が第2の扉としての扉30に向かって矢印で示すように移動して折り重ねられようとすると、すなわち、E点を中心にして扉20が回動すると、その力の作用に対する反作用の力が第1の滑動部材としての上ローラ61および下ローラ62に働く。この反作用の力に応じて第1の滑動部材としての上ローラ61および下ローラ62は、その回転中心であるD点にてその移動が案内部材としての上レール80および下レール90によって拘束されて、扉20の折り重なる方向への回動方向と同じ方向に矢印で示す方向に扉20を移動させようとする。
【0039】
同様にして、第2のヒンジ部材としての上端ヒンジ部材51および下端ヒンジ部材52(C点)を介して第3の扉としての扉10が第1の扉としての扉20に向かって矢印で示すように移動して折り重ねられようとすると、すなわち、C点を中心にして扉10が回動すると、その力の作用に対する反作用の力が第1の滑動部材としての上ローラ61および下ローラ62に働く。この反作用の力に応じて第1の滑動部材としての上ローラ61および下ローラ62は、その回転中心であるB点にてその移動が案内部材としての上レール80および下レール90によって拘束されて、扉10の折り重なる方向への回動方向と同じ方向に矢印で示す方向に扉10を移動させようとする。
【0040】
また、上端ヒンジ部材51および下端ヒンジ部材52(G点)を介して扉30が扉40に向かって移動して折り重ねられようとするときも同様にして、すなわち、G点を中心にして扉30が回動すると、その力の作用に対する反作用の力が第2の滑動部材としての上ローラ71および下ローラ72に働く。この反作用の力に応じて第2の滑動部材としての上ローラ71および下ローラ72は、F点にてその移動が案内部材としての上レール80および下レール90によって拘束されて、扉30の折り重なる方向への回動方向と同じ方向に矢印で示す方向に扉30を移動させようとする。その力の作用に対する反作用の力が上ローラ71および下ローラ72に働き、上記の作用を果たす。
【0041】
このようにして、扉10、扉20、扉30および扉40が折り重ねられるように回動すると同時に、折り畳み扉1全体が上レール80および下レール90に沿って直線移動する。これにより、扉10、20、30および40を一方側に折り畳まれた状態で移動させることによって折り畳み扉1を開の状態にすることができる。
【0042】
反対に、上端ヒンジ部材51および下端ヒンジ部材52(E点)を介して扉20が扉30から離れて移動して拡げられようとすると、すなわち、E点を中心にして扉20が扉30から離れる方向に回動すると、その力の作用に対する反作用の力が上ローラ61および下ローラ62に働く。この反作用の力に応じて上ローラ61および下ローラ62は、D点にてその移動が上レール80および下レール90によって拘束されて、扉20の拡げられる方向への回動方向と同じ方向に扉20を移動させようとする。
【0043】
また、扉30が扉40から離れて移動して拡げられようとするときも同様にして、その力の作用に対する反作用の力が上ローラ71および下ローラ72に働き、上記の作用を果たす。さらに、扉10が扉20から離れて移動して拡げられようとするときも同様にして、その力の作用に対する反作用の力が上ローラ61および下ローラ62に働き、上記の作用を果たす。
【0044】
このようにして、扉10、扉20、扉30および扉40が拡げられるように回動すると同時に、折り畳み扉1全体が上レール80および下レール90に沿って直線移動する。これにより、扉10、20、30および40を一方側から他方側に拡げられた状態で移動させることによって折り畳み扉1を閉の状態にすることができる。
【0045】
このようにして、折り畳み扉1の折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができる。
【0046】
なお、上記の実施の形態では、上レール80と下レール90とを用いて折り畳み扉1をスライド移動させているが、上レール80のみを用いて、扉10、20、30および40が上支点部材73によって上レール80に吊り下げられた状態でも、上記と同様にして折り畳み扉1の折り畳み・拡げ移動とスライド移動とを連動させることができる。
【0047】
図6は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、間隔調整部材の一つの実施の形態(A)、もう一つの実施の形態(B)および別の実施の形態(C)を示す部分断面図である。図6は、図3において上調整ボルト53が取り付けられた箇所を拡大して示す部分断面図である。
【0048】
図6の(A)に示すように、上調整ボルト53は、そのボルト頭部が扉30を構成する側枠部材36の側面に当接し、雄ねじ部が扉20を構成する側枠部材26の側面に形成された雌ねじ部に螺合している。上調整ボルト53を回動させて側枠部材36の側面に向かって移動させることによって、上調整ボルト53のボルト頭部が側枠部材36の側面を押して扉20と扉30との間の間隔を拡げることができる。これにより、折り畳み扉1が閉じた状態、すなわち、折り畳み扉1を伸展させた状態において、扉20と扉30との間の間隔を間隔調整部材としての上調整ボルト53によって調整することにより、同様にして、扉10と扉20との間隔、扉30と扉40との間の間隔を調整することにより、扉10、20、30および40から構成される折り畳み扉1の直線性を保つことができる。この場合、上記の実施の形態では、上調整ボルト53と下調整ボルト54の二つの間隔調整部材を設けているが、一つの間隔調整部材のみ、上調整ボルト53または下調整ボルト54を設けてもよい。また、間隔調整部材は、ボルト以外の直線移動する機械要素部材で構成されてもよい。
【0049】
また、上記の実施の形態の折り畳み扉1において、上ローラ61が扉10、20の一方側端部11、21と他方側端部12、22との間の位置で上端部13、23に取り付けられ、上ローラ71が扉30の一方側端部31と他方側端部32との間の位置で上端部33に取り付けられ、下ローラ62、72が取り付けられていない、すなわち、上支点部材73を用いて扉10、20、30および40が上レール80に吊り下げられた状態になっているとする。扉10、20、30および40のそれぞれの側端部間は、上端ヒンジ部材51と下端ヒンジ部材52とによって連結され、2つの間隔調整部材として上調整ボルト53と下調整ボルト54とが配置されている。
【0050】
この場合、折り畳み扉1が上支点部材73によって上レール80に吊り下げられた状態で支持されているときに、開閉頻度が増加するにつれて上端ヒンジ部材51または下端ヒンジ部材52を構成する回転支点における滑節部材が摩耗し、滑節部材間に隙間が生じ、いわゆるヒンジ部材にガタが生じる。これにより、たとえば、扉20に対して扉30が一方側に傾いた状態でヒンジ部材により連結されることになる。すなわち、扉20と扉30との間の間隔が上下方向に沿って広い箇所と狭い箇所が生じる。このとき、2つの間隔調整部材の少なくともいずれか、上調整ボルト53または下調整ボルト54を調整することにより、扉間の間隔を上下方向に沿ってほぼ一定になるように調整することができる。
【0051】
さらに、図1と図2に示すように、上ローラ61、71だけでなく、下ローラ62、72が取り付けられており、上ローラ80と下レール90に沿って折り畳み扉1がスライド移動する場合においても、上調整ボルト53または下調整ボルト54を用いて扉間の間隔を上下方向に沿ってほぼ一定になるように調整することにより、下レール90と下ローラ62、72との間の隙間をほぼ一定に保つことができるので、折り畳み扉1をより円滑にスライド移動させることができる。
【0052】
なお、図1において、折り畳み扉1の端部に位置する扉10に取り付けられた下ローラ62と下レール90との間では隙間がなく下ローラ62が下レール90に接触して摺動するようにし、折り畳み扉1の中間部に位置する扉20、30に取り付けられた下ローラ62、72と下レール90との間には隙間が存在するように調整してもよい。
【0053】
図6の(B)に示すように、上記の実施の形態の折り畳み扉1において、間隔調整部材は、扉20の一方側端部としての側枠部材26に取り付けられた、頭部が少なくとも磁性材、たとえば、磁性金属材からなる第1の間隔調整部材としての調整ボルト53と、調整ボルト53の頭部に対向するように扉30の一方側端部としての側枠部材36に取り付けられた、頭部が少なくとも磁石、たとえば、金属製、ゴム製または合成樹脂製の磁石からなる第2の間隔調整部材としての磁石調整ボルト55とから構成される。この場合、扉20と扉30との間の間隔を間隔調整部材によって調整した後、調整ボルト53と磁石調整ボルト55とを磁力によって常に接触した状態に保つことができる。このため、扉20と扉30の間隔が外部の振動等によって拡大するのを防止することができる。
【0054】
図6の(C)に示すように、間隔調整部材は扉20の側枠部材26に取り付けられた頭部が少なくとも磁石、たとえば、金属製、ゴム製または合成樹脂製の磁石からなる調整ボルト53を用い、調整ボルト53の頭部に対向するように扉30の一方側端部としての側枠部材36の表面に磁性材56を配置してもよく、たとえば、鉄等の磁性金属材を側枠部材36の表面に固着してもよい。このようにしても、扉20と扉30との間隔が外部の振動等によって拡大するのを防止することができる。
【0055】
図7は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、滑動部材と案内部材の係合状態を示す部分断面図である。
【0056】
図7に示すように、扉20を構成する上枠部材27の上端面には滑動部材としての上ローラ61が取り付けられ、下枠部材28の下端面には滑動部材としての下ローラ62が取り付けられている。案内部材としての上レール80は上ローラ61の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、外方向にほぼ直立して延びる直立壁面81を有する。また、案内部材としての下レール90は下ローラ62の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、外方向にほぼ直立して延びる直立壁面91を有する。この場合、上レール80と下レール90の一部がそれぞれ上ローラ61と下ローラ62の外表面を被っていないので、上レール80と下レール90に対して、上ローラ61と下ローラ62の取り付けられた扉20を組み立てることが容易であり、また、上レール80と下レール90の凹部に溜まる埃等を容易に除去することができる。
【0057】
また、上レール80と下レール90の凹部は、それぞれ、内方向に傾斜して延びる傾斜壁面82と傾斜壁面92を有する。傾斜壁面82と傾斜壁面92のそれぞれは、接続して内方向にほぼ直立して延びる直立壁面83と直立壁面93に連なり、底壁面84と底壁面94に達する。この場合、凹部が傾斜壁面82、92を有することにより、上ローラ61、下ローラ62と上レール80、下レール90の凹部との間において相互に接触する面積を小さくすることができるので、上ローラ61、下ローラ62の移動抵抗を減少させることができ、上レール80、下レール90に沿って上ローラ61、下ローラ62を円滑に移動させることができる。また、上レール80、下レール90の凹部に溜まる埃、油等を傾斜壁面82、92に沿って逃がすことができる。
【0058】
図8は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、滑動部材の取付け構造を示す部分平面図(A)と部分断面図(B)である。図8の(A)は滑動部材の一例として上ローラ61の上方から上枠部材27に向かって見た部分平面図、図8(B)は上ローラ61と上枠部材27とを含む部分側断面図である。
【0059】
図8の(A)に示すように、上ローラ61の直径を上枠部材27の幅よりも大きくなるように構成する。図示されていないが、上ローラ61の直径は側枠部材26の幅よりも大きくなるように構成する。同様にして、上ローラ71、下ローラ62、72の直径も側枠部材、上枠部材、下枠部材の幅よりも大きくなるように構成する。このようにすることにより、滑動部材の回転を円滑にすることができる。
【0060】
図8(B)に示すように、滑動部材の一例として上ローラ61は、外輪63と、内輪64と、外輪63と内輪64との間に介在する球65とから構成されるボールベアリング付きのローラで構成されている。上ローラ61は支持軸66を有し、支持軸66の雄ねじ部が上枠部材27に形成された雌ねじ部に螺合することにより、扉20の上枠部材27に取り付けられている。この実施の形態では、滑動部材としてのローラは、ボールベアリング付きのローラで構成されているが、軸受け部材付きのローラに限定されず、少なくとも扉を案内部材に沿ってスライド移動させることができるように回転自在に取り付けられる部材であればよい。なお、図8の(B)に示すように上ローラ61の直径Dは上枠部材27の幅Wよりも大きい。
【0061】
図9は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において一つの扉の断面を示す平面断面図である。
【0062】
図9に示すように、折り畳み扉の実施の形態において、たとえば、扉10は、外側表面(図において右側)と、この外側表面と反対側の内側表面(図において左側)とを有し、かつ、相対的に厚みの小さい扉板部材15と、扉板部材15を取り囲むように周縁部に配置された相対的に厚みの大きい側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18(図示せず)とを含む。側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18の内側表面と扉板部材15の内側表面との間の段差Lは、側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18の外側表面と扉板部材15の外側表面との間の段差Lよりも大きくなっている。
【0063】
この場合、側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18の外側表面と扉板部材15の外側表面との間の相対的に小さい段差によって形成される空間を利用して比較的小さい操作部品等、たとえば、開閉自動化のための押しボタン、検知スイッチ、鍵穴部品を収容することができ、側枠部材16、上枠部材17および下枠部材18の内側表面と扉板部材15の内側表面との間の相対的に大きい段差によって形成される空間を利用して比較的大きい機構部品等、電装品、機構部品、キーのロックシリンダを収容することができる。
【0064】
図10は、この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において折り重ねられた状態の扉の断面を示す平面断面図である。
【0065】
図10に示すように、折り畳み扉の折り重ねられた状態では、扉10の内側表面と扉20の内側表面とが重ね合わせられ、扉30の内側表面と扉40の内側表面とが重ね合わせられる。また、扉20の外側表面と扉30の外側表面とが重ね合わせられる。これにより、枠部材の内側表面と扉板部材の内側表面との間の相対的に大きい段差によって形成される空間を利用して比較的大きい機構部品等が配置されても、隣り合う扉の内側表面同士が重ね合わせられた状態では相対的に大きな空間が形成されるので、折り畳み扉の折り重ねられた状態でも折り畳み扉の扉板部材等の表面に接触しないように機構部品等を配置することができる。
【0066】
図11は、この発明に従った折り畳み扉の別の実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【0067】
図11に示すように、図3に示された構成と異なり、扉20の一方側端部21と扉30の一方側端部31とを連結するために、扉20と扉30とが相互に折り曲げ自在になるように、1つのヒンジ部材51が上端部23、33から下端部24、34に向かって延在するように取り付けられている。ヒンジ部材51は上端ヒンジ部51aと中央ヒンジ部51bと下端ヒンジ部51cとから構成されている。
【0068】
この実施の形態では、中央ヒンジ部51bが上述した間隔調整部材の役割を果たすので、折り畳み扉1が閉じた状態、すなわち、折り畳み扉1を伸展させた状態において、扉20と扉30との間の間隔をほぼ一定になるように保持することができる。同様にして、扉10と扉20との間隔、扉30と扉40との間の間隔をほぼ一定になるように保持することができるので、扉10、20、30および40から構成される折り畳み扉1の直線性を保つことができる。
【0069】
また、上述した上支点部材73と下支点部材74とを強固に固定し、扉10、20、30および40間の平行性を保つように、各扉間に上端ヒンジ部51aと中央ヒンジ部51bと下端ヒンジ部51cとから構成されるヒンジ部材51を取り付ける際に調整することにより、ヒンジ部材51を構成する回転支点における滑節部材間に隙間が生じないように、いわゆるヒンジ部材にガタが生じないように扉間の間隔を上下方向に沿ってほぼ一定にすることができる。
【0070】
さらに、図11に示される実施の形態では、図3に示される構成と異なり、扉20の一方側端部21と他方側端部22との間の位置で、一方側端部21側により近い位置で、上端部23に第1の滑動部材としての上ローラ61が取り付けられ、下端部24に第1の滑動部材としての下ローラ62が取り付けられている。扉30の一方側端部31と他方側端部32との間の位置で、この実施の形態では一方側端部31側により近い位置で、上端部33に第2の滑動部材としての上ローラ71が取り付けられ、下端部34に第2の滑動部材としての下ローラ72が取り付けられている。すなわち、上ローラ61と上ローラ71は側枠部材26と側枠部材36のそれぞれ上端面に取り付けられ、下ローラ62と下ローラ72は側枠部材26と側枠部材36のそれぞれ下端面に取り付けられている。この場合、隣り合う扉同士が折り重ねられたときに、たとえば図14において扉20と扉30とが折り重ねられたときに、上ローラ61と上ローラ71、下ローラ62と下ローラ72とが接触しないように上ローラ61、71および下ローラ62、72の直径が定められている。
【0071】
上記の実施の形態では、機械、機器等を保護するために用いられる折り畳み扉の開閉移動構造に本発明を適用した例について説明したが、クリーンルーム、窓、出入り口、間仕切り等の建築構造物の開口部に本発明の折り畳み扉を適用することができる。
【0072】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態を折り曲げられた状態で示す斜視図である。
【図2】この発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態を閉じた状態で示す斜視図である。
【図3】この発明に従った折り畳み扉の一つの実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【図4】この発明に従った折り畳み扉のもう一つの実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【図5】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、折り畳み・拡げ移動とスライド移動の連動機構を概念的に示す概略平面図である。
【図6】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、間隔調整部材の一つの実施の形態(A)、もう一つの実施の形態(B)および別の実施の形態(C)を示す部分断面図である。
【図7】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、滑動部材と案内部材の係合状態を示す部分断面図である。
【図8】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において、滑動部材の取付け構造を示す部分平面図(A)と部分断面図(B)である。
【図9】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において一つの扉の断面を示す平面断面図である。
【図10】この発明に従った折り畳み扉の実施の形態において折り重ねられた状態の扉の断面を示す平面断面図である。
【図11】この発明に従った折り畳み扉の別の実施の形態において2枚の扉の連結構造を示す斜視図である。
【図12】従来の一組の扉からなる折り畳み扉の開閉装置を示す斜視図である。
【図13】従来の折り畳み扉の連結装置を示す斜視図である。
【図14】従来の折り畳みドアの蝶番構造を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1:折り畳み扉、10,20,30,40:扉、11,21,31,41:一方側端部、12,22,32,42:他方側端部、13,23,33,43:上端部、14,24,34,44:下端部、15,25,35,45:扉板部材、16,26,36,46:側枠部材、17,27,37,47:上枠部材、18,28,38,48:下枠部材、51,57:上端ヒンジ部材、52,58:下端ヒンジ部材、53:上調整ボルト、54:下調整ボルト、55:磁石調整ボルト、56:磁性材、61,71:上ローラ、62,72:下ローラ、80:上レール、81,91:直立壁面、82,92:傾斜壁面、90:下レール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下端部と両側端部とを有する第1の扉と、
上下端部と両側端部とを有する第2の扉と、
前記第1の扉の一方側端部と前記第2の扉の一方側端部との間を連結する第1のヒンジ部材と、
前記第1の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部または下端部の少なくともいずれか一方に取り付けられた第1の滑動部材と、
前記第2の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部または下端部の少なくともいずれか一方に取り付けられた第2の滑動部材と、
前記第1および第2の滑動部材の移動を案内するための案内部材と
を備えた、折り畳み扉。
【請求項2】
上下端部と両側端部とを有する第3の扉と、
前記第1の扉の他方側端部または前記第2の扉の他方側端部の少なくともいずれかと前記第3の扉の一方側端部との間を連結する第2のヒンジ部材と
を備えた、請求項1に記載の折り畳み扉。
【請求項3】
前記第1の扉の一方側端部と前記第2の扉の一方側端部との間の間隔を調整するための間隔調整部材をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の折り畳み扉。
【請求項4】
前記間隔調整部材は前記第1の扉の一方側端部に取り付けられた磁石を含み、前記間隔調整部材に対向するように前記第2の扉の一方側端部に配置された磁性部材をさらに備える、請求項3に記載の折り畳み扉。
【請求項5】
前記第1の滑動部材は前記第1の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部に取り付けられ、前記第2の滑動部材は前記第2の扉の一方側端部と他方側端部との間の位置で上端部に取り付けられており、
前記第1のヒンジ部材は、前記第1の扉の上端部と前記第2の扉の上端部とを連結する上端ヒンジ部材と、前記第1の扉の下端部と前記第2の扉の下端部とを連結する下端ヒンジ部材とからなり、
前記間隔調整部材は、前記第1および第2の扉の上端部と前記第1および第2の扉の下端部との間の位置に設けられた2つの間隔調整部材を含む、請求項3に記載の折り畳み扉。
【請求項6】
前記第1の扉と前記第2の扉は、外側表面と、この外側表面と反対側の内側表面とを有し、かつ、相対的に厚みの小さい扉板部材と、この扉板部材を取り囲むように周縁部に配置された相対的に厚みの大きい枠部材とを含み、
前記枠部材の内側表面と前記扉板部材の内側表面との間の段差は、前記枠部材の外側表面と前記扉板部材の外側表面との間の段差よりも大きい、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の折り畳み扉。
【請求項7】
前記案内部材は前記第1および第2の滑動部材の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、外方向にほぼ直立して延びる直立壁面を有する、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の折り畳み扉。
【請求項8】
前記案内部材は前記第1および第2の滑動部材の移動を案内するための凹部を有し、この凹部は、内方向に傾斜して延びる傾斜壁面を有する、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の折り畳み扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−104871(P2006−104871A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296044(P2004−296044)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)
【Fターム(参考)】