説明

搬送装置及び検査装置

【課題】ウェハの裏面に形成されたパターンに接触することなくこのウェハを搬送することができる搬送装置、及び、この搬送装置を有する検査装置を提供する。
【解決手段】搬送装置100は、略円板形状のウェハ91の外周の対向する少なくとも2箇所の外周部を支持する支持部10d,10eを有するフィーダアーム10と、このフィーダアーム10を駆動するアーム駆動部14と、ウェハ91の対向する方向と略直交する方向の少なくとも2箇所の外周部を保持可能なウェハ載置部22,23、及び、フィーダアーム10に支持された状態のウェハ91をウェハ載置部22,23に移載する時に、これらが干渉しないように設けられるアーム退避空間21aを有するパレット20と、ウェハ91をこのパレット20と共に搬送するチェンジアーム50と、アーム駆動部14とチェンジアーム50とを制御する制御部80と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及びこの搬送装置を有する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばウェハを検査する検査装置において、ウェハカセット(キャリア)からウェハを引き出すための従来の搬送装置は、ロボットアームの先端でウェハの裏面を吸着して搬送を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−012033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウェハの裏面にもパターンが形成されている場合には、このウェハの裏面を吸着して搬送することができないという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ウェハの裏面に形成されたパターンに接触することなくこのウェハを搬送することができる搬送装置、及び、この搬送装置を有する検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る搬送装置は、略円板形状の被搬送物の外周の対向する少なくとも2箇所の外周部を支持する支持部を有する搬送アームと、この搬送アームを駆動するアーム駆動部と、被搬送物の対向する方向と略直交する方向の少なくとも2箇所の外周部を保持可能な保持部、及び、搬送アームに支持された状態の被搬送物を保持部に移載する時に、搬送アームと保持部とが干渉しないように設けられる逃げ部を有する保持部材と、保持部材に保持された状態の被搬送物を保持部材と共に搬送する搬送部と、アーム駆動部と搬送部とを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このような搬送装置において、アーム駆動部は、移載時に被搬送物の支持を解除した後に、搬送時に保持部材と搬送アームとが干渉しない位置まで搬送アームを駆動することが好ましい。
【0008】
また、このような搬送装置において、搬送アームは、被搬送物の位置を検出する検出部を備え、制御部は、検出部からの情報に基づいて、被搬送物の所定の位置で支持を行うことが好ましい。
【0009】
また、このような搬送装置は、保持部材と係合する係合部を有し、保持部材を少なくとも上下方向に駆動する保持部材駆動部を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る検査装置は、被搬送物を上下方向に間隔をもって保管する保管部材が載置され、上下方向に移動可能な載置部と、被搬送物を検査する顕微鏡装置と、保管部材と顕微鏡装置との間で被搬送物を搬送する上述の搬送装置のいずれかと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る搬送装置及びこの搬送装置を有する検査装置を以上のように構成すると、ウェハの裏面に形成されたパターンに接触することなくこのウェハを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】搬送装置及び顕微鏡装置を有するウェハ検査装置の構成を示す説明図であって、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】フィーダアームの構成を示す説明図であって、このフィーダアームの平面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】上記フィーダアームにコマ部を取り付けた状態を示す平面図である。
【図6】パレットの構成を示す説明図であって、このパレットの平面図である。
【図7】図6の断面図であって、(a)はVIIa−VIIa断面を示し、(b)はVIIb−VIIb断面を示す。
【図8】バッファ部の構成を示す説明図であって、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図9】チェンジアームの構成を示す説明図であって、このチェンジアームの平面図である。
【図10】制御部による制御を説明するためのフローチャートである。
【図11】フィーダアームとパレットとの関係を示す説明図であって、(a)はパレットの上にウェハが移動された状態を示し、(b)はフィーダアームを後方に退避した状態を示し、(c)はパレットを回転させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を用いてウェハを検査するための検査装置300の構成について説明する。この検査装置300は、搬送装置100と、顕微鏡装置200と、から構成されている。搬送装置100は、ウェハカセット90に格納された被搬送物であるウェハ91を取り出して顕微鏡装置200に渡し、また、顕微鏡装置200から受け取ったウェハ91をウェハカセット90に収納するものであり、フィーダアーム10と、パレット20と、バッファ部30と、ステージ40と、チェンジアーム50と、ウェハセンサー60(60a,60b)と、エレベータ部70と、制御部80と、から構成される。また顕微鏡装置200は、顕微鏡を用いてステージ40に載置されているウェハの表面を検査するものである。なお、以降の説明では、図1に示すように、ウェハカセット90に対してフィーダアーム10が移動する方向をX軸とし、この検査装置300の載置面に対して水平方向であってX軸と直交する方向をY軸とし、載置面に直交する方向をZ軸とし、図1において左右方向をX′軸とし、このX′軸に直交する方向をY′軸として説明する。
【0014】
ウェハカセット90には、複数のウェハ91が水平に保持された状態で上下方向に並んで収容されている。フィーダアーム10は、このウェハカセット90からウェハ91を取り出し、また、格納するための第1の搬送部である。このフィーダアーム10は、図1に示す通り、駆動部14によりX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成されている。なお、ウェハカセット90は、エレベータ部70の上面に載置されており、このエレベータ部70により上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成されている。また、図2に示すように、X軸上には、ウェハカセット90及びフィーダアーム10を挟んで、発光部60a及び受光部60bからなるウェハセンサー60が配置されている。このウェハセンサー60は、発光部60aから射出された光が受光部60bで受光されるように構成されており、ウェハカセット90に格納されているウェハ91の下方にフィーダアーム10を挿入するときにこのウェハ91の下端位置を検出し、また、ウェハカセット90にウェハ91を格納するときに、格納スペースがあるか否かを検出する(上下のウェハ91の間隔を検出する)ために用いられる。
【0015】
フィーダアーム10は、板状の部材で構成されており、駆動部14からY軸方向に延びる基部10aと、この基部10aからX軸方向に延びるアーム部10bと、から構成されている。また、このアーム部10bの先端側の上面には、Z軸方向から見たとき、このアーム部10bの左右方向(Y軸方向)略中間部に位置する点O(以下、「基準点O」と呼ぶ)を中心とした、ウェハ91の直径よりもやや大きい直径の円と重なる部分が削り取られた形状を有する支持部10d,10eと、その周りを囲む壁部10c,10gと、支持部10d,10eの間であって、上記基準点Oを中心とし、ウェハ91の直径よりもやや小さい直径の円と重なる部分がさらに削り取られ一段低くなった凹状部である逃げ部10fと、が形成されている。すなわち、図4に示すように、円形形状の平面の一部をなす逃げ部10fのX軸方向外側に、階段状に、この逃げ部10fより高さの高い支持部10d,10eが対向するように形成され、さらにX軸方向外側に、支持部10d,10eより高さの高い壁部10c,10gが対向するように形成されている(支持部10d,10eの、壁部10c,10gとの境界はウェハ91の直径よりも大きい直径の円の一部の形状を有し、逃げ部10fとの境界はウェハ91の直径よりも小さい直径の円の一部の形状を有している)。そのため、X軸方向に基準点Oを挟んで形成された支持部10d,10e上にウェハ91を載置することにより、ウェハ91の裏面の周縁部をこの支持部10d,10eで支持することができる。このとき、逃げ部10fはこの支持部10d,10eよりも低く形成されているため、ウェハ91の裏面のうち、支持部10d,10eと接触する周縁部以外は、このフィーダアーム10と接触することはない。また、フィーダアーム10は、ウェハ91と支持部10d,10eとの静止摩擦力でこのウェハ91を保持するが、壁部10c,10gにより、ウェハ支持部10d,10eに載置されたウェハ91のXY平面内ので移動が規制されるので、このウェハ91を安定して保持することができる。
【0016】
なお、このフィーダアーム10は、後述するようにウェハ91の下方において、上述の基準点Oとウェハ91の中心とが略一致する位置に配置された状態で、ウェハ91を下方に移動させることによりこのウェハ91が支持部10d,10eに載置される。そのため、支持部10d,10eの外周(壁部10c,10gの内周)を形成する円の直径は、フィーダアーム10の位置決め時の誤差を考慮して基準点Oとウェハ91の中心とがずれても支持部10c,10d上にウェハ91が載る大きさでなければならない。以上より、例えば、直径が5インチのウェハ91を支持する場合、このウェハ91よりもX軸方向の両端側にそれぞれ1mmずつ余裕を持たせる、すなわち、支持部10d,10eの外周を形成する円の直径は、ウェハ91の直径(5インチ)よりも2mm長くなるように設定されている。また、支持部10d,10eの幅(外周円と内周円との差)は、上述の余裕を考慮して、この支持部10d,10eが接するウェハ91の裏面の外周部の領域のうち、パターンが形成されない部分になるように設定しなければならない。そのため、直径が5インチのウェハ91を支持する場合、逃げ部10fを形成する円の直径(支持部10d,10eの内周の直径)は、ウェハ91の直径(5インチ)よりも4mm短くなるように(点Oとウェハ91の中心が一致しているときに、X軸方向両端側でそれぞれ2mm内側まで支持部10c,10dが接するように)設定されている。このように、支持部10d,10eの外周を形成する円の直径をウェハ91の直径(5インチ)よりも1mm大きくし、同じく内径を形成する円の直径を2mm小さくしたので、ウェハ91が偏心してこの支持部10d,10e上に載置されたとしても、この支持部10d,10eから逃げ部10fに落ちることはない。なお、ウェハ91の裏面においてパターンが形成されていない部分が狭い場合、支持部10d,10eの外周を形成する円の直径をウェハ91の直径(5インチ)よりも0.5mm大きくし、同じく内径を形成する円の直径を1mm小さくなるように設定することもできる。
【0017】
また、ウェハ91には、結晶方位を判別でき位置合わせの基準となるように、端部の円弧状部分が削り取られて平坦に形成された直線状の弦部であるオリエンテーションフラット91aを有している。そのため、このオリエンテーションフラット91aが、図3に示すように、Y軸方向に延びるような位置にあるとき、すなわち、支持部10eもしくは支持部10d側に位置するときでも、ウェハ91の周縁部を支持部10d,10eで支持するために、このアーム部10bの左右方向幅(特に支持部10d,10eの逃げ部10fとの境界の幅、もしくは、この境界を形成する円弧の弦の長さであって、支持部10d、10eが対向する方向と直交する方向の幅)は、オリエンテーションフラット91aの幅よりも広く形成しなくてはならない。例えば、直径が5インチのウェハ91の場合は、オリエンテーションフラット91aの長さが42.5〜45mmであるため、アーム部10bの幅(支持部10d,10eのY軸方向幅)は、48mmに設定される。
【0018】
ところで、このフィーダアーム10に形成された支持部10d,10eは、所定の直径を有するウェハ91(例えば、5インチのウェハ)に合わせてその大きさが決められている。そのため、図5に示すように、この搬送装置100においては、ウェハ91よりも小さな直径のウェハ91′(例えば、4インチのウェハ)を搬送する場合には、逃げ部10fの基端側にコマ部材(アダプター)11を取り付けて対応するように構成されている。このコマ部材11は、フィーダアーム10のアーム部10bと左右方向(Y軸方向)の幅が略同一の部材であって、支持部10dの内周面と接触するように取り付けられる。また、コマ部材11の裏面側には、下方に突出する円柱状の係合ピン11dが設けられており、アーム部10bの逃げ部10fに設けられた孔部10hとこの係合ピン11dとが勘合してガタツキなく取り付けられる。このとき、この支持部10dの内周面と接触する接触部11bは、支持部10dの内周面と略同一形状に形成されている。また、支持部10eと対向するコマ部材11の端部には、X軸上の点O′(ウェハ91′の基準点O′)を中心とし、このウェハ91′の直径よりもやや大きな直径の円と重なる部分が切り取られた支持部11aが形成されている。なお、このコマ部材11がアーム部10bに取り付けられたときに、互いに対向する支持部11a及び支持部10eの上面は略同一平面上に位置するように構成されている。また、基準点O′は、X軸上の支持部10eの外周面(壁部10gの内周面)までの距離が、ウェハ91′の半径に上述の所定の余裕を加えた大きさになる位置である。同様に、支持部11aの外周面(壁部11cの内周面)を形成する円は、ウェハ91′の半径に上述の余裕を加えた大きさの半径に設定されている。なお、このコマ部材11は、真空吸着により逃げ部10f上に固定されるため、真空度を検出することで、コマ部材11の有無を検出可能となり、対象ウェハの径(本実施形態の場合、5インチのウェハ91または4インチのウェハ91′)の自動認識が可能となる。また、コマ部材11の着脱は容易であり、簡単な操作でサイズの異なるウェハ91,91′に対応することができる。また、本実施形態では逃げ部10f内の片側(基端側)にコマ部材11を配置しているが、両側にコマ部材を配置するように構成すれば、基準位置Oと基準位置O′とを略一致させることができ、5インチウェハ91を扱う場合と4インチウェハ91′を扱う場合の制御の差を少なくすることができる。
【0019】
なお、この小さな直径のウェハ91′にもオリエンテーションフラット91a′が形成されているため、支持部11a,10eの幅(外周円と内周円との差)を、上述の余裕を考慮し、オリエンテーションフラット91a′が、図5に示すように、Y軸方向に延びるような位置にあるときでも、ウェハ91′の外周部を支持部11a,10eで支持できる長さとする必要がある。
【0020】
また、このフィーダアーム10を構成するアーム部10bの上面には、Y軸方向に並んで配置された2つのウェハ端部検出センサー(検出部)12a,12bと、2つのウェハ位置合わせ突起部13a,13bとが配設されている。これらの使用方法は後述する。
【0021】
パレット20は、フィーダアーム10によりウェハカセット90から取り出されたウェハ91,91′を保持する部材であり、図6及び図7に示すように、略円板形状の本体部21と、この本体部21の上面に形成されたウェハ載置部22,23から構成される。対向するように配置されたウェハ載置部22,23は、内側に行くほど高さが低くなる5重円筒の一部として構成されており、最も外周側の円筒から順に、壁部22a,23aと、第1支持部22b,23bと、第1逃げ部22c,23cと、第2支持部22d,23dと、第2逃げ部22e,23eと、から構成されている。ここで、第1支持部22b,23bは、上述の直径の大きなウェハ(例えば5インチウェハ)の周縁部を支持し、第2支持部22d,23dは直径の小さなウェハ(例えば4インチウェハ)の周縁部を支持するように構成されている。また、壁部22a,23aは、第1支持部22b,23bにより支持されているウェハのXY平面内での移動を規制し、第1逃げ部22c,23cは、第2支持部22d,23dにより支持されているウェハのXY平面内での移動を規制するため、ウェハを安定して支持することができる。なお、第1支持部22b,23bの内側に形成された第1逃げ部22c,23cは第1支持部22b,23bよりも低いため、この第1支持部22b,23bに支持されたウェハの裏面に接触することはない。同様に、第2支持部22d,23dの内側に形成された第2逃げ部22e,23eは第2支持部22d,23dよりも低いため、この第2支持部22d,23dに支持されたウェハの裏面に接触することはない。なお、第1支持部22b,23bの幅は、5インチウェハ91のオリエンテーションフラット91aの長さよりも広くなっているため、オリエンテーションフラット91aの位置に関わらずウェハ91を支持することができる。同様に、第2支持部22d,23dの幅は4インチウェハ91′のオリエンテーションフラット91a′の幅よりも広くなっているため、オリエンテーションフラット91a′の位置に関わらずウェハ91′を支持することができる。
【0022】
また、このウェハ載置部22,23の間には、フィーダアーム10の幅(Y軸方向長さ)よりも大きく形成されたアーム退避空間21aが形成されており、さらに、本体部21には、フィーダアーム10の先端側の少なくとも一部が上下方向(Z軸方向)に通り抜けることができる切り欠き部21bが形成されている。ここで、Z軸方向から見たパレット20のアーム退避空間21aをX軸方向に延びるように配置したときに、切り欠き部21bが開口する方向(切り欠き部21bが延びる方向)は、X軸に対して略35°傾いて配置されている。
【0023】
このように、このパレット20は、異なる大きさの2種類のウェハを保持することができる。なお、本体部21には、このパレット20を後述するバッファ部30に取り付けるときに位置決めをするための位置決め孔21c,21dが形成されている。これらの位置決め孔のうち、位置決め孔21cは長孔形状に形成されているため、後述するバッファ部30の位置決めピンとの係合が容易である。
【0024】
バッファ部30は、図8に示すように、上方に突出する2つの吸着部31,32を有し、この吸着部31,32に載置されたパレット20を、吸着口31b,32bを介して真空吸着して保持するとともに、保持したパレット20をZ軸方向に移動させ、また、Z軸方向に延びる回転軸を中心に回転させるものである。このバッファ部30は、フィーダアーム10の移動線上に配置されている。また、吸着部31,32の上面には、上方に突出して、上述のパレット20の位置決め孔21c,21dに挿入される位置決めピン31a,32aが形成されている。この位置決めピン31a,32aは、上方に行くほどその径が小さくなるテーパー状に形成されている。なお、吸着部31,32の間に形成されたアーム挿入空間33の幅(吸着部31と32の間隔)は、フィーダアーム10の幅よりも大きくなっており、パレット20が取り付けられたときに、吸着部31,32が切り欠き部21bを挟むように配置(切り欠き部21bの延在方向が、吸着部31と32の対向方向に対して略直交となるように配置)される。そのため、後述するように、切り欠き部21bを通り抜けてパレット20の下方に位置したフィーダアーム10は、このアーム挿入空間33に挿入されることにより、バッファ部30と干渉せずに、前後方向(X軸方向)に移動させることができる。
【0025】
ステージ40は、パレット20に支持されたウェハ90,90′を受け取って、顕微鏡装置200の観察位置に(X′軸方向に)移動させるとともに、観察位置において、水平面内(X′Y′平面内)で移動させ、さらに、垂直方向に延びる回転軸を中心にウェハ90,90′を回転させるための装置である。
【0026】
チェンジアーム50は、バッファ部30とステージ40との間で、パレット20に保持されたウェハ90,90′を移動させる第2の搬送部であり、図1に示すように、2つのチェンジアーム本体51,52と、これらのチェンジアーム本体51,52を移動させるレール53と、から構成されている。チェンジアーム本体51,52は、図9に示すように、レール53に沿って延びる基部51a,52aと、この基部51a,52aからY′軸方向に延びるアーム部51b,52bと、このアーム部51b,52bの先端部からC字状に延びてX′軸方向(搬送装置100から見て顕微鏡装置200側)に開口する支持部51c,52cと、から構成される。このチェンジアーム本体51,52は、バッファ部30とステージ40との間を交互に移動するように構成され、また、図1(a)に示すように、Z軸方向から見たときにバッファ部30と重なる位置(このバッファ部30に載置されているパレット20の下方)にあるときは、支持部51c,52cの開口部51d,52dがバッファ部30を囲むように位置し、ステージ40と重なる位置(このステージ40に載置されているパレット20の下方)にあるときは、開口部51d,52dがステージ40を囲むように位置している。これらのチェンジアーム本体51,52は、レール53に沿って水平方向に移動可能であるとともに、上下方向(Z軸方向)にも移動可能に構成されているが、チェンジアーム本体51,52の各々を水平方向に移動するときの軌道(レール53)は、上下に間隔をおいて並んで配置されているため、これらのチェンジアーム本体51,52及びチェンジアーム本体51,52に支持されているパレット20が干渉することはない。また、チェンジアーム本体51,52のZ軸方向の移動は、レール53全体をZ軸方向に移動させることにより行われる。さらに、パレット20は、このパレット20の下面が支持部51c,52cの上面に載置され、この支持部51c,52cの基端側に形成された吸着口51e,52eを介して真空吸着して支持される。また、図1に示すように、チェンジアーム本体51,52のアーム部51b,52bとフィーダアーム10とは干渉しない位置に配置されている。
【0027】
制御部80は、予め決められた動作シーケンスに従って、上述のフィーダアーム10、バッファ部30、ステージ40、チェンジアーム50及びエレベータ部70を作動させることにより、搬送装置100により、ウェハカセット90と顕微鏡装置200との間でウェハ91,91′を搬送する。なお、この制御部80には、観察者(顕微鏡装置200でウェハ91,91′を観察して検査する作業者)からの動作指示を入力する入力部や、現在の動作状況等を表示する出力部等が設けられている。
【0028】
それでは、このような搬送装置100において、ウェハカセット90からウェハ91,91′を取り出して顕微鏡装置200に渡し、また、顕微鏡装置200から受け取ったウェハ91,91′をウェハカセット90に格納する動作について図10及び図11を合わせて用いて説明する。なお、図1に示すように、バッファ部30及びステージ40上にはそれぞれパレット20が載置されている。また、以降の説明では5インチのウェハ91に対する検査作業を行う場合について説明する。さらに、ウェハ91は、オリエンテーションフラット91aがY軸方向に延びて、最も奥側(図1(a)おいて紙面下側)に位置するようにしてウェハカセット90に格納されいているものとする。
【0029】
まず、初期設定として、制御部80は、バッファ部30及びチェンジアーム50を下方に移動させる(フィーダアーム10よりも下方に移動させる)。また、制御部80は、バッファ部30上に載置されているパレット20のアーム退避空間21aがX軸方向に延びるようにこのバッファ部30を回転させる(ステップS400)。このとき、制御部80は、エレベータ部70を上端位置から下端位置まで移動させ、ウェハセンサー60を用いてウェハカセット90内でのウェハ91の状態(どの位置に格納されているのか)を確認する。
【0030】
次に、制御部80は、エレベータ部70を上方若しくは下方に移動させて、取り出したいウェハ91の下方にフィーダアーム10が挿入される位置にウェハカセット90を移動させる(ステップS410)。このとき、ウェハ91の位置は、上述のウェハセンサー60を用いて検出される。そして、制御部80は、フィーダアーム10を前方(X軸方向)に移動させて、取り出すウェハ91の下方に、このフィーダアーム10のアーム部10bを挿入し(ステップS420)、更に、アーム部10bの基準点Oがウェハ91の中心と一致するようにこのフィーダアーム10を移動させる(ステップS430)。
【0031】
ここで、フィーダアーム10のアーム部10bに設定された基準点Oとウェハ91の中心との位置合わせの方法について説明する。上述のようにフィーダアーム10のアーム部10bの上面には、左右(Y軸方向)に並んで配置された2つのウェハ端部検出センサー12a,12bが配置されている。このウェハ端部検出センサー12a,12bの各々は発光部と受光部を有しており、発光部から出射した光がウェハ91の裏面で反射して受光部で受光されるときは、このウェハ端部検出センサー12a,12bの上方にウェハ91があると判断し、反射光が受光されないときは、ウェハ91がないと判断するものである。そのため、フィーダアーム10を作動させて、ウェハ端部検出センサー12a,12bで反射光が検出される位置、すなわち、これらのウェハ端部検出センサー12a,12bがウェハ91の下方に位置するまでアーム部10bを挿入する。そして、フィーダアーム10を後方(ウェハ91の下から抜き出す方向)に移動させ、ウェハ端部検出センサー12a,12bのいずれもが、反射光を受光できない位置まで移動させる。なお、ウェハ端部検出センサー12a,12bは、それぞれ独立してウェハ91の端部を検出する。このフィーダアーム10には、エンコーダが設けられており、上述の検出結果により、各々のウェハ端部検出センサー12a,12bと、ウェハ91の端部との相対位置が検出可能である。また、アーム部10b上のウェハ端部検出センサー12a,12bの位置は既知であり、さらに、ウェハ91の大きさ(直径)は既知であるため、これらの情報から、アーム部10bの基準点Oとウェハ91の中心との差を算出することができる。そのため、制御部80はこの差が無くなるようにフィーダアーム10をX軸方向及びY軸方向に移動させることにより、基準点Oをウェハ91の中心に位置合わせすることができる。なお、このように、ウェハ端部検出センサー12a,12bがウェハ91の裏面にある状態から抜き出して端部を検出することにより、受光部で検出される光のSN比が大きくなり、端部の検出が容易になる。なお、本実施形態では基準点Oとウェハ91の中心とを合わせるために、フィーダアーム10をX軸方向及びY軸方向に移動させているが、エレベータ部70をX軸方向及びY軸方向に移動させても良い。
【0032】
なお、ウェハ91の状態によっては、ウェハ端部検出センサー12a,12bでウェハ91の端部を検出できない場合がある(例えば、発光部から出射した光を受光部以外の方向に反射してしまうような場合)。そのため、本実施形態に係る搬送装置100においては、フィーダアーム10のアーム部10bの基準点Oとウェハ91の中心とを位置合わせする方法として、制御部80に、上述のウェハ端部検出センサー12a,12bを用いる方法に加えて、2つのウェハ位置合わせ突起部13a,13bを用いる方法が設けられている。
【0033】
ウェハカセット90またはパレット20に保持されているウェハ91の位置は、所定の誤差範囲において既知であり、また、この誤差範囲でXY平面内において移動可能に保持されている。そのため、制御部80は、フィーダアーム10を前方に移動させてウェハ位置合わせ突起部13a,13bをウェハ91の側部に当接させ、上述の誤差の範囲で前方(バッファ部30からエレベータ部70に向かう方向)に押し出す。図3に示すように、2つのウェハ位置合わせ突起部13a,13bは、X軸(アーム部10bの左右方向略中心線)を挟んで左右対称に配置されているため、この2つの突起に当接して位置規制されることにより、ウェハ91がウェハカセット90内の所定の位置に移動する。ここで、フィーダアーム10上のウェハ位置合わせ突起部13a,13bの位置は既知であり、また、ウェハ91の大きさ(直径)は既知であり、さらに、ウェハ位置合わせ突起部13a,13bで押し出されたウェハ91の位置は既知であるため、これらの情報から、アーム部10bの基準点Oとウェハ91の中心との差を算出することができ、制御部80はこの差が無くなるようにフィーダアーム10をX軸方向に移動させることにより、基準点Oをウェハ91の中心に位置合わせすることができる。また、ウェハ位置合わせ突起部13a,13bは不図示の弾性部材とリミットスイッチとに接続されており、フィーダアーム10が移動中にウェハ91と当接した後に、ウェハ91が例えばウェハカセット90の端面に当たるなどして移動が妨げられた場合、弾性部材によってウェハ91が保護されるとともに、リミットスイッチによって移動が妨げられたことを検出する。この場合、リミットスイッチがオンとなる位置を予め記憶しておくことで、上述と同様に基準点Oをウェハ91の中心に位置合わせすることができる。
【0034】
なお、アーム部10bの基準点Oとウェハ91の中心とを位置合わせする方法は、制御部80の入力部から設定することも可能であるし、制御部80が、ウェハ端部検出センサー12a,12bでウェハ91の端部を検出できないと判断したときに、ウェハ位置合わせ突起部13a,13bを用いる方法に自動的に切り換えるように構成することも可能である。
【0035】
以上のようにしてフィーダアーム10のアーム部10に設定された基準点Oとウェハ91の中心との位置合わせが完了すると、制御部80はエレベータ部70を制御して下方に移動させる。すると、ウェハ91も下方に移動して、このウェハ91は、フィーダアーム10の支持部10d,10eに載置され支持される(ステップS440)。この状態で、フィーダアーム10を後方(エレベータ部70からバッファ部30に向かう方向)に移動させると、支持部10d,10eに支持されてウェハカセット90からウェハ91が抜き出される。制御部80は、フィーダアーム10をそのまま、基準点Oがバッファ部30の中心(パレット20に形成されたウェハ載置部22,23の中心)と一致するまで移動させる(ステップS450)。そして、制御部80は、バッファ部80をZ軸方向に上昇させることにより、パレット20の第1支持部22b,23bでウェハ91を支持し、且つ、フィーダアーム10の支持部10d,10eからウェハ91が離れる位置までこのバッファ部30を移動させる(ステップS460)。ここで、図11(a)に示すように、パレット20のアーム退避空間21aは、X軸方向に延びるように位置しているため、バッファ部30を上昇させても、フィーダアーム10はこのアーム退避空間21a内に入り、パレット20のウェハ載置部22,23と干渉することはない。
【0036】
次に、制御部80は、図11(b)に示すように、フィーダアーム10をその先端がパレット20の略中心部に位置するまで後方に移動させて退避させ(ステップS470)、この状態で、図11(c)に示すように、バッファ部30を反時計方向に35度だけ回転させることにより、切り欠き部21bの開口方向をX軸方向に合わせ、アーム部10bと切り欠き部21bとをZ軸方向から見たときに(平面視において)位置整合させる(ステップS480)。そして、バッファ部30を上昇させると、フィーダアーム10のアーム部10bは切り欠き部21bを通ってパレット20の下方に位置される(ステップS490)。さらに、チェンジアーム50のレール53とフィーダアーム10の基端部30aとが干渉しない位置までこのフィーダアーム10を前進させた後、レール53を上昇させることにより、バッファ部30上に載置されているパレット20をこのチェンジアーム50の2つのチェンジアーム本体51,52のいずれかの一方の支持部(例えば支持部51c)で支持する(ステップS500)。このとき、ステージ40に載置されているパレット20も、チェンジアーム本体51,52の他方の支持部(例えば支持部52c)で支持される。なお、パレット20の下方にフィーダアーム10があるときに、このフィーダアーム10を前方に移動させても、上述のように、アーム部10bがバッファ部30のアーム挿入空間33に挿入されるため、フィーダアーム10とバッファ部30とが干渉することはない。
【0037】
さらに、制御部80は、チェンジアーム本体51,52を水平方向に移動させて、これらの位置を入れ替える(ステップS510)。すなわち、バッファ部30から受け取ったパレット20をステージ40上に移動させ、ステージ40から受け取ったパレット20をバッファ部30上に移動させる。この状態で、チェンジアーム50のレール53を下降させて、それぞれのパレット20をバッファ部30及びステージ40上に載置する(ステップS520)。以上の一連の動作により、ウェハカセット90から取り出されたウェハ91がパレット20に載せられてステージ40に渡される。観察者は、このステージ40を顕微鏡装置200に移動させることにより、ウェハ91上に形成されたパターンの検査を行うことができる。なお、検査後のウェハ91のオリエンテーションフラット91aの方向は、不図示の移動機構により検査前の状態に戻されている。
【0038】
一方、ステージ40からバッファ部30に移動されたパレット20にウェハ91が保持されている場合には、制御部80により、さらにこのウェハ91をウェハカセット90に戻すための搬送が行われる(ステップS530)。すなわち、まず、制御部80は、フィーダアーム10を後方に移動させてパレット20の切り欠き部21bと位置整合させた後、バッファ部30を下方に移動させて、フィーダアーム10を切り欠き部21bを通過させて、ウェハ91とパレット20との間に位置させる(ステップS540)。上述のように、チェンジアーム50によりバッファ部30からステージ40に渡されたパレット20の切り欠き部21bは、フィーダアーム10と干渉しない方位、すなわち、X軸方向を向いているため、ステージ40から戻ってきたパレット20の切り欠き部21bもX軸方向を向いており、バッファ部30を下降させてもフィーダアーム10と干渉しない。なお、顕微鏡装置200では、ステージ40を回転させてウェハ91の観察可能であるため、前述の移動機構が正常に作動しなかった場合は、制御部80は、ステージ40の方位が予め決められた方向に戻されていない状態と判断し、チェンジアーム50を動作させないように構成されている。また、上述のように、バッファ部30の吸着部31,32にパレット20を載置するためには、位置決めピン31a,32aと位置決め孔21c,21dとが係合することが必要であり、パレット20の方向がずれているときにはパレット20がバッファ部30の吸着部31,32に吸着されない。なお、吸着部31,32の吸引系(不図示)には気圧センサが接続されており、吸引系の気圧が所定値以上の場合も、制御部80はチェンジアーム50を動作させないように構成されている。
【0039】
そして、制御部80は、アーム退避空間21aがX軸方向に延びるようにバッファ部30を時計方向に回転させ(ステップS550)、その後、ウェハ端部検出センサー12a,12bを用いて上述の方法により、フィーダアーム10の基準点Oとウェハ91の中心との位置合わせを行い(ステップS560)、さらにバッファ部30を下降させて、ウェハ91をフィーダアーム10の支持部10d,10eで支持させる(ステップS570)。なお、パレット20上に載置されているウェハ91は、2つの載置部22,23により周縁部の対向する部分が支持されているため、中央部(ウェハ91におけるアーム退避空間21aの上方に位置する部分)が下方に撓んでいる(垂れ下がっている)可能性がある。ウェハ91にこのような撓みがあると、ウェハ端部センサー12a,12bでウェハ91の端部を検出する際にウェハ91と壁部10c,10gとが接触したり、このウェハ91をパレット20からフィーダアーム10に受け渡すときに、フィーダアーム10とウェハ91とが接触する際の相対速度が大きくなり、受け渡しに支障を来す可能性がある。そのため、制御部80は、ウェハ91をフィーダアーム10に渡す前に、バッファ部30を上下方向に移動させて、ウェハセンサー60を用いてパレット20上にあるウェハ91の位置(垂れ下がり量)を計測し、この位置に応じてバッファ部30のフィーダアーム10に対する相対的な下降量を制御するように構成されている。そして、制御部80はエレベータ部70を動作させて、ウェハカセット90のウェハ91を戻す位置とフィーダアーム10との高さを調整し(ステップS580)、フィーダアーム10を前進させて、このウェハカセット90内にウェハ91を移動させる(ステップS590)。最後に、エレベータ部70を上昇させてフィーダアーム10に支持されているウェハ91をウェハカセット90で支持し(ステップS600)、フィーダアーム10を後方に移動させて最初の位置に戻すことにより(ステップS610)、ウェハ91の格納が完了する。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る搬送装置100によれば、裏面にパターンが形成されているウェハであっても、ウェハカセット90と顕微鏡装置20との間でウェハの搬送を確実に行うことができる。すなわち、第1の搬送部であるフィーダアーム10によりウェハ91,91′がパレット20に移し替えられると、以降は、ウェハ91,91′をパレット20と一体として扱うことができ、パレット20を保持(吸着)する部分の制約が無くなるため、第2の搬送部としては上述のチェンジアーム50に限らず、従来からある搬送手段を用いることができる。また、図1に示すように、平面視において矩形形状の搬送装置100に対してウェハカセット90からウェハ91を取り出すフィーダアーム10が斜めに移動するように配置することによりこの搬送装置100を小型化できる。同様に、バッファ部30においてフィーダアーム10からパレット20にウェハ91を載置するときに、パレット20の切り欠き部21bを通してこのパレット20の下方にフィーダアーム10を移動させるように構成することにより、フィーダアーム10の移動範囲を狭くすることができ、この搬送装置100をさらに小型化することができる。また、バッファ部30でパレット20に載置されたウェハ91を回転させることにより、顕微鏡装置200に渡されたウェハ91のオリエンテーションフラット91aが観察者側に向くため、観察者はウェハ91の方位を容易に確認することができる。
【0041】
なお、フィーダアーム10、バッファ部30及びチェンジアーム50の動作は、いずれかが相対移動して所望の位置関係になれば良いため、これらの動作は上述の説明に限定されることはない。例えば、フィーダアーム10とパレット20との間でウェハを受け渡しするときに、バッファ部30によりパレット20を上下方向に移動させる代わりに、フィーダアーム10を上下方向に移動させても良いし、バッファ部30とチェンジアーム50との間でパレット20を受け渡しするときに、チェンジアーム50を上下方向に移動させる代わりに、バッファ部30を上下方向に移動させても良い。
【符号の説明】
【0042】
10 フィーダアーム(搬送アーム)
10b アーム部 10c,10d 支持部
12a,12b ウェハ端部検出センサー(検出部) 14 アーム駆動部
20 パレット(保持部材)
21 本体部 21a アーム退避空間(逃げ部)
22,23 ウェハ載置部(保持部)
30 バッファ部(保持部材駆動部) 31a,32a 位置決めピン(係合部)
50 チェンジアーム(搬送部) 80 制御部
70 エレベータ部(載置部)
90 ウェハカセット(保管部材) 91 ウェハ(被搬送物)
100 搬送装置 200 顕微鏡装置 300 検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円板形状の被搬送物の外周の対向する少なくとも2箇所の外周部を支持する支持部を有する搬送アームと、
前記搬送アームを駆動するアーム駆動部と、
前記被搬送物の前記対向する方向と略直交する方向の少なくとも2箇所の外周部を保持可能な保持部、及び、前記搬送アームに支持された状態の前記被搬送物を前記保持部に移載する時に、前記搬送アームと前記保持部とが干渉しないように設けられる逃げ部を有する保持部材と、
前記保持部材に保持された状態の前記被搬送物を前記保持部材と共に搬送する搬送部と、
前記アーム駆動部と前記搬送部とを制御する制御部と、を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記アーム駆動部は、前記移載時に前記被搬送物の支持を解除した後に、前記搬送時に前記保持部材と前記搬送アームとが干渉しない位置まで前記搬送アームを駆動することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送アームは、前記被搬送物の位置を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部からの情報に基づいて、前記被搬送物の所定の位置で前記支持を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記保持部材と係合する係合部を有し、前記保持部材を少なくとも上下方向に駆動する保持部材駆動部を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記被搬送物を上下方向に間隔をもって保管する保管部材が載置され、上下方向に移動可能な載置部と、
前記被搬送物を検査する顕微鏡装置と、
前記保管部材と前記顕微鏡装置との間で前記被搬送物を搬送する請求項1〜4いずれか一項に記載の搬送装置と、を有する検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−40452(P2011−40452A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184132(P2009−184132)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】