説明

携帯端末機器

【課題】 様々な使用状態において良好な受信品質を確保できるとともに、小型化が可能な内蔵アンテナを備えた携帯端末機器を提供する。
【解決手段】 テレビ放送受信用の第1アンテナ41と通信優先の第2アンテナ42を混載するとともに、テレビ放送受信用の外部アンテナ43を接続可能なTV機能内蔵の折畳式の携帯電話機であって、外部アンテナ43が電気的に接続されていない状態では、第1アンテナ41と第2アンテナ42の何れか一方を選択または同時に用いてテレビ放送を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信用のアンテナを搭載した放送受信機能付きの携帯電話機等の携帯端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばアナログテレビジョン放送用チューナを搭載した携帯電話機が発売されている。更に、移動体(携帯端末機器)向けの1セグメント地上デジタルテレビ放送が開始される予定である。このため、鮮明な画質、迫力のある大型表示装置を備えた携帯電話機が市場から要望されている。その一方で、コンパクトな形状の携帯電話機も市場から要望されている。
【0003】
このように、携帯電話機にテレビジョン放送(以下、「テレビ放送」と略す)用の受信機能を付加したことにより、テレビ放送受信用のアンテナも新たに必要となっている。従来のテレビ放送受信機能(以下、「TV機能」と略す)付き携帯電話機に搭載されたテレビ放送受信用アンテナとしては、例えば図7に示すように、上部筐体101及び下部筐体102が2軸回転構造の連結部103で連結された折畳式携帯電話機において、収縮型のホイップアンテナ104と外部アンテナであるイヤホンケーブルアンテナ105を併用し、特にUHF帯はホイップアンテナ104、VHF帯はイヤホンアンテナ105を使用するものが知られている。
【0004】
また、現在は、大型の表示装置を備えることができ、かつ、携帯性に優れたコンパクトな形状を有する携帯端末機器として、上部筐体が下部筐体に対して平行に移動(若しくは旋回)可能なスライド式(若しくは旋回式)の携帯電話機や、上部筐体と下部筐体をヒンジ部で互いに回動可能に連結した折畳式の携帯電話機が主流となってきている。
例えば、スライド式の携帯電話機としては、特許文献1に記載のように、上部筐体にアンテナと高周波部品を配置するとともに、下部筐体に電源とキー等の主要部を配置し、上部筐体と下部筐体が平行方向にスライド(旋回)可能とするようなものが知られている。
【0005】
また、スライド式の携帯電話機のアンテナとしては、例えば特許文献2に記載のように、下部筐体にアンテナを配置することで、上部筐体の突出部分をなくし、上部筐体の薄型化を可能としたものが知られている。このようなアンテナの場合、テレビ放送視聴の際には、ユーザーが、ホイップアンテナであればそのアンテナを伸長させることが必要であり、またイヤホン型アンテナであればイヤホンを接続する必要がある。
【特許文献1】特開平11−331332号公報
【特許文献2】特開2003−298695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなスライド式の携帯電話機では、ホイップアンテナが筐体内に収納されている場合、アンテナの利得が大幅に低下しアンテナとして機能しない。更に、外部アンテナであるイヤホン型アンテナにイヤホンが接続されていない場合には、テレビ放送を受信できないといった問題点があった。なお、イヤホン型アンテナは、例えば収納のために携帯電話機などに巻き付けられた状態となっていた場合でも、同様に機能しないおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、様々な使用状態において良好な放送受信品質を確保できるとともに、小型化が可能な内蔵アンテナを備えた携帯端末機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末機器は、放送受信用の第1アンテナと、放送受信および通信送受信可能に構成される第2アンテナと、放送受信用の外部アンテナとを備え、異なる無線方式により通信と放送受信とを行う携帯端末機器であって、前記外部アンテナが電気的に接続されていない状態では、前記第1アンテナと前記第2アンテナの何れか一方を選択または同時に用いて前記放送受信を行う。上記構成により、例えばテレビ放送などの放送受信に必要なアンテナを確保することができ、良好な受信特性が得られる。
【0009】
また、前記第2アンテナは、前記通信用の給電手段とともに前記放送受信用の給電手段を有する。上記構成により、通信用と放送受信用でアンテナを共用することが可能となり、テレビ放送などの放送受信に必要なアンテナをさらに別に確保することができ、良好な放送受信特性が得られる。
【0010】
また、前記通信を行う際に、通信状態があらかじめ設定した状態よりも悪い場合には、前記第2アンテナを前記通信に使用するとともに、通信状態があらかじめ設定した状態よりも良好な場合には、前記第2アンテナを前記放送受信に使用するための選択手段を備えた。上記構成により、通信用とテレビ放送などの放送受信用でアンテナを共用することが可能となり、通信状態があらかじめ設定した状態よりも良好な場合には、放送受信機能に必要なアンテナをさらに別に確保することができ、良好な受信特性が得られる。
【0011】
また、第1筐体及び第2筐体と、前記第1、第2筐体を折畳可能に連結する連結部とを備えた折畳構造を有し、前記第1、第2筐体を折畳んだ状態の時に、前記第2アンテナはループアンテナを構成する。上記構成により、様々な使用状態において良好な放送受信品質を確保でき、かつ、小型化が可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、様々な使用状態において良好な受信品質を確保できるとともに、小型化が可能な内蔵アンテナを備えた携帯端末機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係るTV機能内蔵の折畳式の携帯電話機を示すものであり、この携帯電話機は、筐体部分が、第1筐体(以下、「上部筐体」とよぶ)1及び第2筐体(以下、「下部筐体」とよぶ)2と、これらの上部筐体1及び下部筐体2を開閉可能及び旋回可能に連結する2軸構造の連結部3とを有するものである。また、この携帯電話機には、第1アンテナ41乃至第4アンテナ44と、第1給電部51乃至第5給電部55と、第1選択スイッチ61及び第2選択スイッチ62と、携帯電話部7と、フィルタ8と、テレビ受信部9とを備えている。
【0014】
このうち、上部筐体1には、図3に示す第1ショート電極11と、図4に示す液晶表示部12とのほかに、第2アンテナ42の一部と、第4アンテナ44と、第5給電部55と、携帯電話部7とを備えている。なお、第1ショート電極11は、第1筐体1及び第2筐体2を閉じたときに、後述する第2ショート電極21と接触通電することで、前述の第2アンテナ42の一部と後述する第2アンテナ42の一部とを電気的に接続する。
【0015】
一方、下部筐体2には、図3に示す第2ショート電極21と、図4に示す操作部22とのほかに、第1のアンテナ41と、第2アンテナ42の一部と、第3アンテナ43と、第1給電部51乃至第4給電部54と、フィルタ8と、テレビ受信部9とを備えている。なお、第2ショート電極21は、第1筐体1及び第2筐体2を閉じたときに、第1ショート電極11と接触通電することで、上部筐体1内の第2アンテナ42の一部と下部筐体2内の第2アンテナ42の一部とを電気的に接続する。
【0016】
次に、各構成要素の詳細について、図1乃至図3を用いて説明する。
第1アンテナ41は、図2に示すように、下部筐体2に収納された伸縮型のホイップアンテナであり、第1給電部51、第1選択スイッチ61及びフィルタ8を介してテレビ受信部9と接続されており、テレビ放送受信用(専用)アンテナとして使用する。
【0017】
第2アンテナ42は、通信優先のアンテナであって、上部筐体1と下部筐体2のそれぞれに収納された2つの導体からなり、第1筐体1及び第2筐体2が開いた「オープン状態」の場合は、ダイポールアンテナやモノポールアンテナなどの電界型アンテナを構成する。一方、第1筐体1及び第2筐体2が閉じた「クローズ状態」及び液晶表示部12を外部に向けて表示させた状態で閉じた「ビューワ状態」の場合は、第1及び第2ショート電極11、21によりループアンテナなどの磁界型アンテナとして動作する。即ち、本実施形態の場合、第2アンテナ42は、図2に示すように、第2給電部52、第1選択スイッチ61及びフィルタ8を介してテレビ受信部9と接続することによりテレビ放送受信用アンテナとして、また、第3給電部53及び第2選択スイッチ62を介して携帯電話部7と接続することにより携帯電話用アンテナとして使用することができる。なお、この携帯電話機で用いられる内蔵ダイポールアンテナとしては、上部筐体1内のアンテナ素子を筐体内部の表面に沿って配設するとともに、下部筐体2内のアンテナ素子を回路基板のグランドパターンで構成してもよい。
【0018】
第3アンテナ43は、外部アンテナ端子61Aを経由して接続されるイヤホン型アンテナであり、本実施形態では、第4給電部54、第1選択スイッチ61及びフィルタ8を介してテレビ受信部9と接続されており、テレビ放送受信用(専用)アンテナとして使用する。
【0019】
第4アンテナ44は、携帯電話通信用(専用)として第2アンテナ42以外に設けられたアンテナであり、本実施形態では、例えば携帯電話機で一般的に用いられる内蔵アンテナとして逆Fアンテナを用いており、第5給電部55及び第2選択スイッチ62を介して携帯電話部7と接続されている。
【0020】
第1給電部51は第1アンテナ41の給電手段、第2給電部52は第2アンテナ42の携帯電話用の給電手段、第3給電部53は第2アンテナ42のテレビ放送受信用の給電手段、第4給電部54は第3アンテナ43の給電手段、第5給電部55は第4アンテナ44の給電手段であり、各アンテナと接続される図示しない高周波回路のインピーダンス整合をとっている。
【0021】
第1選択スイッチ61は、第1アンテナ41、第2アンテナ42、第3アンテナ43から動作可能なアンテナの信号に切り替えてテレビ受信部9に出力する。第2選択スイッチ62は、第2アンテナ42と第4アンテナ44の信号を切り替えて携帯電話部7に出力する。
【0022】
次に、本実施形態に係る携帯電話機の使用形態とアンテナとの関係について、図3、図4を用いて説明する。なお、ここでは、受信機能は1セグメント地上デジタルテレビ放送(以下1seg DTV)、通信機能はW−CDMAであるTV機能内蔵の携帯電話機を例に説明する。
本実施形態では、上部筐体1と下部筐体2は2軸ヒンジ構造の連結部3により接続されており、この連結部3により下部筐体2が閉じ動作、開き動作及び回転(旋回)動作が可能な折畳式のテレビ機能内蔵タイプの携帯電話機を例に挙げて説明する。
【0023】
本実施形態の携帯電話機は、図4(A)に示す上部筐体1と下部筐体2が開いた「オープン状態」と、同図(B)に示す上部筐体1と下部筐体2が閉じた「クローズ状態」と、同図(C)に示す上部筐体1を反転させて閉じた「ビューワ状態」の都合3状態が代表的な形態となる。
(I)図4(A)のようなオープン状態の場合、上部筐体1と下部筐体2に内蔵されたアンテナ導体により、第2アンテナ42がダイポールアンテナとなり、
(II)図4(B)のようなクローズ状態またはビューワ状態の場合、ショート電極11、21は、上部筐体1上部と下部筐体2下部に配置されており、上部筐体1と下部筐体2に内蔵されたアンテナ導体がラッチ状の電極でショートする。このとき、ショート電極11、21とアンテナ42との間が容量結合する。そこで、ラッチされた状態をショート電極11、21で電気的に検出することで、オープン状態とクローズ状態およびビューワ状態を検出することも可能である。
【0024】
第1アンテナ41であるホイップアンテナは、伸長している場合には良好な利得を示すが、下部筐体2に収納された場合にはアンテナとしての効果を期待できない。
第2アンテナ42は、上部筐体1と下部筐体2が開いた状態では携帯電話通信との共用となるため、その通信中はテレビ放送受信用のアンテナとして使用できない場合がある。一方、クローズ状態での携帯電話通信には、第4アンテナ44を使用するようになっており、第2アンテナ42がテレビ放送受信用のループアンテナとして動作するようになっている。
第3のアンテナ43は、外部に接続される脱着可能なイヤホン型アンテナであり、外部アンテナを構成しており、携帯電話機の外部アンテナ端子61Aから外されているときには、(テレビ放送受信用)アンテナとしての機能は全くない。
【0025】
ここで、それぞれの使用形態と使用するアンテナとの組み合わせを、図5に示す。この図5に示す表の組み合わせであれば、全ての状態で必ず1つ以上の選択可能なアンテナが存在することになる。これら、アンテナのなかでもっとも受信に適したアンテナを選択することで安定した受信を行うことができる。
【0026】
次に、本実施形態に係るアンテナを選択する手段について説明する。
1seg DTVでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing直交周波数分割多重)変調による連続した信号であり、受信中に任意タイミングでアンテナを物理的に切り換えると、受信信号の連続性が保証できなくなり、画像品質の低下を招く可能性が高い。
【0027】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、オープン、クローズ、ビューワなどの使用する状態に対して、テレビ放送受信用アンテナの優先順位付けを行い、アンテナを切り替えることで良好な受信が実現できるようになっている。
即ち、オープン状態のときの優先使用順位を、
ホイップアンテナ>イヤホン型アンテナ>通信優先のアンテナ
・・・(1)
と構成すると、電気的または機械的な、ホイップアンテナ伸長検出機能とイヤホン型アンテナ接続検出機能とにより、アンテナ使用可能状態が判別できる。従って、この構成順位では、ホイップアンテナが収納でイヤホン型アンテナが未接続の場合にのみ、通信優先のアンテナを携帯電話アンテナ用のダイポールアンテナとして使用することになる。
【0028】
一方、クローズおよびビューワ状態のときのテレビ放送受信用アンテナの優先使用順位を、
ホイップアンテナ>ループアンテナ ・・・(2)
と構成すると、ホイップアンテナが収納状態ではループアンテナを使用することになる。
【0029】
例えば、図5に示す表において、4)の構成(オープン状態)の場合、W−CDMAが通信動作する場合でテレビ放送受信を行っているときには、第2アンテナ42でのW−CDMA受信信号強度があらかじめ設定された強度よりも高い場合、例えば受信信号強度を示すアンテナバーが2本以上の時には、W−CDMA通信には、第4アンテナ44を用いる。しかしながら、本来割り当てられるべき第2アンテナ42がW−CDMA通信用として必要な場合、すなわち受信信号強度を示すアンテナバーが1本以下(受信信号強度が弱い場合)では、テレビ放送受信用として、「ホイップアンテナ(第1アンテナ41)を伸ばすか、イヤホン型アンテナ(第3アンテナ43)を接続する」ことを促す内容を液晶表示部12に表示し、第2アンテナ42は通信用で優先的に使用する。このとき、TV受信機にはW−CDMA信号が干渉するため、十分な感度が確保できなくなるおそれがあるので、TV受信機にW−CDMA信号を除去するフィルタ8を配置しており、感度低下を緩和することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、携帯電話機の形態がオープン状態、クローズ状態及びビューワ状態のいずれの状態においても、上記した構成により、イヤホン型アンテナが装着されていない状況や、ホイップアンテナが収納した状態でも、必ず1系統以上のアンテナが機能する構成を取ることができることから、いつでも、確実で安定した受信が実現できる。
【0031】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図6を用いて説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分に同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態では、図6に示すように、図2に示す第1の実施形態と異なり、第1選択スイッチ61の替わりに、第3選択スイッチ63を設けている。
【0032】
本実施形態の第3選択スイッチ63は、2入力1出力のものを2組並列的に用いた構成となっている。即ち、この第3選択スイッチ63は、第1アンテナ41と第2アンテナ42とをフィルタ8を介してテレビ受信部9に同時に接続するか、第2アンテナ42と第3アンテナ43とをフィルタ8を介してテレビ受信部9に同時に接続するかのいずれかの状態とするため、いずれか一方の状態に選択的に切り替えるものである。
【0033】
従って、図5に示す表1により、選択可能なアンテナは、4)と8)の構成以外では、複数アンテナが選択可能である。例えば、テレビ受信部9が2ブランチのダイバーシチテレビ受信機である場合は、携帯電話機の形態で使用可能なアンテナによりダイバーシチ受信を行うことで、安定した受信特性が確保できる。このように、使用するアンテナ選択は、第3のアンテナ選択スイッチ63を2入力1出力として2組用いることで、2ブランチのアンテナを構成できる。
【0034】
ダイバーシチで使用するアンテナの優先使用順位を、例えばオープン状態では、前述したように、
ホイップアンテナ>イヤホン型アンテナ>通信優先のアンテナ
・・・(1)
とすると、(I)ホイップアンテナが伸長でイヤホン型アンテナが接続されていることを検出すると、ホイップアンテナとイヤホン型アンテナの組み合わせでダイバーシチを行う。(II)また、ホイップアンテナが伸長でイヤホン型アンテナが未接続では、ホイップアンテナと携帯電話アンテナの組み合わせでダイバーシチを行う。(III)さらに、ホイップアンテナが収納でイヤホン型アンテナが接続では、イヤホン型アンテナと携帯電話アンテナの組み合わせでダイバーシチを行う。(IV)さらに、ホイップアンテナが収納でイヤホン型アンテナが未接続、すなわち表1の4)の構成では、通信優先のアンテナである携帯電話アンテナのみで単ブランチで受信を行う。
【0035】
次に、表1の4)の構成の場合では、W−CDMAによる通信動作において、あらかじめ設定された受信信号強度が高い場合、たとえば、受信信号強度を示すバーが2本以上の時には、第4アンテナ44を用いる。しかし、本来割り当てられるべき第2アンテナ42がW−CDMAによる通信に必要な場合、すなわち受信信号強度を示すバーが1本以下(受信信号強度が弱い場合)では、第1の実施形態と同様に、テレビ放送受信用アンテナとして「ホイップアンテナ(第1アンテナ41)を伸ばすか、イヤホン型アンテナ(第3アンテナ43)を接続する」ようにマークまたは文字で液晶表示部12又はテレビ画面上に表示し、第2アンテナ42は通信機能で優先的に使用する。このとき、テレビ受信部9には、W−CDMA信号が干渉するため、十分な感度が確保できなくなる場合があるが、テレビ受信機にW−CDMA信号を除去するフィルタ8を配置し、感度低下を緩和することができる。これにより、単ブランチで受信を継続する。
【0036】
次に、テレビ放送受信用としてダイバーシチで使用するアンテナの優先使用順位を、クローズ状態およびビューワ状態では、
ホイップアンテナ>ループアンテナ>イヤホン型アンテナ
・・・(3)
とすると、(I)ホイップアンテナが伸長を検出すると、ホイップアンテナとループアンテナの組み合わせでダイバーシチを行う。(II)ホイップアンテナが収納でイヤホン型アンテナが接続では、イヤホン型アンテナとループアンテナの組み合わせでダイバーシチを行う。(III)ホイップアンテナが収納でイヤホン型アンテナが未接続すなわち表1の8)の構成では、ループアンテナのみで単ブランチで受信を行う。
表1の8)の構成の場合では、「ホイップアンテナを伸ばすか、イヤホン型アンテナを接続する」ことを促す内容またはマークを液晶表示部12に表示し、ホイップアンテナ(第1アンテナ41)を伸ばすか、イヤホン型アンテナ(第3アンテナ43)の接続が行われない場合には、単ブランチで受信を継続する。
【0037】
従って、本実施形態によれば、上記構成により、クローズ状態では携帯電話アンテナをループアンテナに変化させることで、1seg DTVでは、少なくとも1系統のアンテナにより受信が可能であり、2系統のアンテナが選択可能な場合には、ダイバーシチ受信をすることで、安定した受信を行うことが可能となる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の携帯受信装置は、テレビ専用アンテナ以外に携帯電話用アンテナを併用することができるとともに、携帯電話アンテナは筐体がオープン状態、クローズ状態及びビューワ状態の場合で形状を変化させることができ、常にアンテナが1つ以上使用できる状態を保つので、様々な使用状態において良好な受信品質を確保でき、かつ、小型化が実現できるという効果を有し、テレビ機能を搭載する折畳式の携帯電話機などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明第1の実施形態に係るTV機能内蔵の折畳式の携帯電話機におけるアンテナの構成を示す概略図
【図2】その携帯電話機におけるアンテナの構成を示すブロック図
【図3】その携帯電話機の使用状態を示すものであり、(A)はオープン状態でのアンテナを示す概略構成図、(B)はクローズ図/ビューワ状態でのアンテナを示す概略構成図
【図4】その携帯電話機の使用状態を示すものであり、(A)はオープン状態の筐体を示す概略平面図、(B)はクローズ状態の筐体を示す平面図、(C)はビューワ状態の筐体を示す平面図
【図5】本発明に係る携帯電話機の各アンテナの使用形態の組み合わせを示す表
【図6】本発明第2の実施形態に係るダイバーシチ受信機の構成を示す概略図
【図7】従来の携帯電話機のアンテナ構成を示す構成図
【符号の説明】
【0041】
1 第1筐体(上部筐体)
11、21 ショート電極
2 第2筐体(下部筐体)
41 第1アンテナ(ホイップアンテナ)
42 第2アンテナ(通信用アンテナ)
43 第3アンテナ(イヤホン型アンテナ;外部アンテナ)
44 第4アンテナ(逆Fアンテナ)
61A 外部アンテナ端子
51 第1給電手段
52 第2給電手段(給電手段)
53 第3給電手段(給電手段)
54 第4給電手段
55 第5給電手段
61 第1選択スイッチ(選択手段)
62 第2選択スイッチ(選択手段)
63 第2選択スイッチ(選択手段)
7 携帯電話部
8 フィルタ
9 テレビ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送受信用の第1アンテナと、放送受信および通信送受信可能に構成される第2アンテナと、放送受信用の外部アンテナとを備え、異なる無線方式により通信と放送受信とを行う携帯端末機器であって、
前記外部アンテナが電気的に接続されていない状態では、前記第1アンテナと前記第2アンテナの何れか一方を選択または同時に用いて前記放送受信を行う携帯端末機器。
【請求項2】
前記第2アンテナは、前記通信用の給電手段ととともに前記放送受信用の給電手段を有する請求項1に記載の携帯端末機器。
【請求項3】
前記通信を行う際に、通信状態があらかじめ設定した状態よりも悪い場合には、前記第2アンテナを前記通信に使用するとともに、通信状態があらかじめ設定した状態よりも良好な場合には、前記第2アンテナを前記放送受信に使用するための選択手段を備えた請求項1に記載の携帯端末機器。
【請求項4】
第1筐体及び第2筐体と、前記第1、第2筐体を折畳可能に連結する連結部とを備えた折畳構造を有し、
前記第1、第2筐体を折畳んだ状態の時に、前記第2アンテナはループアンテナを構成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−74491(P2007−74491A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260486(P2005−260486)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】