説明

撮像装置、およびレンズユニット

【課題】 レンズ交換式でレンズ側に駆動系を持たせたデジタル一眼レフカメラのコントラストAFにおいて、レンズ駆動中の加減速処理への影響を避けつつ、より高速およびより精度の高いコントラストAFを可能にする。
【解決手段】 レンズ側に負荷を判定する負荷判定手段を有し、レンズ側の処理に余裕が有ると判定された場合に、前記フォーカスレンズ位置情報または前記コントラスト信号を通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子の出力に基づくコントラスト情報を用いた焦点調節技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子を二次元状に配置した撮像素子を用い、撮影レンズにより結像させた像をデジタル的に読み込むデジタルカメラでは、オートフォーカス(以下、単にAFとも呼ぶ)のための情報を撮像素子から得ることが一般的に行われている。こうした撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)あるいはそれに類するものが一般的である。またAF以外にも、自動露出制御(以下、AEとも呼ぶ)、ホワイトバランス(以下、単にWBとも呼ぶ)のための情報を撮像素子から得ることが一般的に行われている。
【0003】
AFについては、いわゆるコントラスト方式と呼ばれる技術(または山登り方式、TV−AF方式とも呼ばれる)が適用されている。このコントラスト方式は、撮像レンズに含まれるフォーカシングレンズ、または撮像素子を光軸方向に駆動させつつ各駆動段階で得られる撮像画像のコントラストを評価値として取得する。そして、最も評価値の高いレンズ位置をもって合焦位置とする方式である。コントラスト方式のAFについては、たとえば特許文献1に詳細に述べられている。
【0004】
画面全体のコントラスト情報を使ってAFを行うと撮影距離の異なる複数の被写体による遠近競合の影響を受けやすくなるため、通常、自動または手動により画面内の一部を選択して、コントラスト方式AFを行う。
【0005】
デジタル方式の一眼レフカメラでは、ミラーやシャッタにより、露光時を除いて撮像素子は遮光されているが一般である。したがって、AFやAE用には撮像素子を使うのではなく、それぞれの用途に対応した別のセンサを搭載し、撮影レンズから入射した光を光路分割してそれらのAF用センサやAE用センサに受光する。近年、デジタル一眼レフにおいても撮像素子上の画像を背面液晶パネルなどの表示素子に表示して、構図やピントを確認するライブビュー機能が要求されてきている。ライブビュー時には、ミラーが跳ね上げられ、シャッタが開き、撮像素子が露光状態になる。この状態では前記AF用センサやAE用センサには光が届かない状態になり、これらのセンサによるAFやAEが行えない。そこで、ライブビュー中にAF、AEを行おうとすると、撮像素子を用いたコントラストAFや撮像面AEの機能が必要となる。
【0006】
一眼レフカメラのコントラストAFでは、レンズを駆動しながら、コントラスト評価値を得るが、合焦位置を求めるためには、コントラスト評価値とその評価値を取得した際のレンズ位置情報が必要となる。
【0007】
AF動作が可能な一眼レフカメラでは、交換レンズ側にフォーカスレンズ駆動用モータを搭載し、カメラ側よりレンズ駆動量をレンズ側に通信で伝達することにより、レンズを駆動するよう構成されたものがある。
【0008】
このような一眼レフカメラシステムでは、レンズの位置情報は交換レンズ側のパルスエンコーダーなどにより取得され、カメラ側は、レンズ側からの通信によってレンズ位置情報を得ることになる。
【0009】
位相差AFセンサではあるが、AFセンサの蓄積タイミングとレンズ位置情報の同期を取る公知技術としては、特許文献2が提案されている。
【特許文献1】特登録02821214
【特許文献2】特開2002−131621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
コントラストAFでは、前記のように、合焦位置を求めるためには、コントラスト評価値とその評価値を取得した際のレンズ位置情報が必要となる。
【0011】
コントラスト評価値は、撮像素子で蓄積された画像ごと、すなわち毎フレーム得ることが可能である。その毎フレームに対応したレンズ位置情報を得ることが望ましい。
【0012】
コントラストAFの高速化や高精度化のためにはレンズをより速く動かしたり、コントラスト評価値の取得頻度を増やしたりする必要が有る。
【0013】
しかしながら、レンズ側にレンズ位置情報用のパルスエンコーダーを持つシステムでは、レンズ位置情報はレンズ側からカメラ側への通信によって送られている。そのため、コントラスト評価値の取得頻度、すなわちAF動作中のフレームレートを上げるとレンズとカメラ間の通信量が増えることになる。
【0014】
本発明の目的は、レンズユニット側にレンズ位置情報を有する場合において、より高速およびより精度の高いコントラストAFを可能にする焦点調節技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決し目的を達成するために本発明の一の側面は、レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記コントラスト検出手段による前記評価値の取得と同期せずに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する。
【0016】
また、別の一の側面は、レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズユニットの負荷の少ないと判定したときに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する。
【0017】
また、別の一の側面は、レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズが停止しているときに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する。
【0018】
また、別の一の側面は、撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記評価値の取得と同期せずに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有する。
【0019】
また、別の一の側面は、撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を当該レンズユニットの負荷が少ないと判定したときに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有する。
【0020】
また、別の一の側面は、撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズが停止しているときに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有する。
【0021】
また、別の一の側面は、撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を前記被写体像の取得と同期させて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記被写体像の取得タイミングと関連させて記憶されている複数のレンズ位置情報を前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、レンズユニット側にレンズ位置情報を有する場合において、より高速およびより精度の高いコントラストAFを可能にする焦点調節技術を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図1から図11を用いて説明する。
【0024】
図1は本実施例の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本実施例のデジタルカメラ200には、撮影レンズ100が不図示のマウント部のレンズ装着機構を介して着脱可能に取り付けられる。マウント部には、電気接点ユニット107が設けられている。この電気接点ユニット107には、通信クロックライン、データ送信ライン、データ受信ラインなどからなる通信バスライン用の端子が有る。これらによりデジタルカメラ200と撮影レンズ100が通信可能となっている。デジタルカメラ200は、撮影レンズ100とこの電気接点ユニット107を介して通信を行い、撮影レンズ100内のフォーカスレンズ101および光量を調節する絞り102の駆動を制御する。なお、図1には、撮影レンズ100内のレンズとしてフォーカスレンズ101のみを示しているが、このほかに変倍レンズや固定レンズが設けられ、これらを含めてレンズユニットを構成する。
【0026】
また、電気接点ユニット107には、通信用バスラインと、カメラ側から画像の蓄積タイミングをレンズ側に伝達するための同期信号ラインも設けられている。
【0027】
不図示の被写体からの光束は、撮影レンズ100内のフォーカスレンズ101を含むレンズユニットおよび絞り102を介して、デジタルカメラ200内のクイックリターンミラー203に導かれる。クイックリターンミラー203は、撮影光路内に光軸に対して斜めに配置されて、被写体からの光束を上方のファインダー光学系に導く第1の位置(図示した位置)と、撮影光路外に退避する第2の位置とに移動が可能である。
【0028】
クイックリターンミラー203の中央部はハーフミラーになっており、クイックリターンミラー203が第1の位置にダウンしているときには、被写体からの光束の一部が該ハーフミラー部を透過する。そして、この透過した光束は、クイックリターンミラー203の背面側に設けられたサブミラー204で反射される。そして、焦点検出回路206とともに自動焦点調整ユニットを構成する位相差AFセンサ205に導かれる。焦点検出回路206は、位相差AFセンサ205を用いて、撮影レンズ100の焦点状態の検出(焦点検出)を行う。一方、クイックリターンミラー203で反射された光束は、ピント面に存在するファインダースクリーン202、およびペンタプリズム201、接眼レンズ207により構成されるファインダー光学系を介して撮影者の目に至る。
【0029】
また、クイックリターンミラー203が第2の位置にアップした際には、撮影レンズ100からの光束は、機械シャッタであるフォーカルプレーンシャッタ210および光学フィルタ211を介して撮像素子212に至る。光学フィルタ211は、赤外線をカットして可視光線のみを撮像素子212へ導く機能と、光学ローパスフィルタとしての機能とを有する。
【0030】
また、フォーカルプレーンシャッタ210は、先幕および後幕を有して構成されており、撮影レンズ100からの光束の透過および遮断を制御する。
【0031】
なお、クイックリターンミラー203が第2の位置にアップしたときには、サブミラー204もクイックリターンミラー203に対して折り畳まれて撮影光路外に退避する。
【0032】
静止画撮影時のみならず、ライブビュー時もクイックリターンミラー203は第2の位置にアップする。
【0033】
また、本実施例のデジタルカメラ200は、当該デジタルカメラ全体の制御を司るシステムコントローラ230を有する。システムコントローラ230は、CPUやMPU等により構成され、後述する各回路等の動作を制御する。
【0034】
システムコントローラ230は、電気接点ユニット107を介して、通信バスラインにより、撮影レンズ100内のレンズコントローラ108に対して通信を行う。
【0035】
レンズコントローラ108もシステムコントローラ230と同様にCPUやMPU等により構成され、レンズ100内の各回路等の動作を制御する。
【0036】
システムコントローラ230とレンズコントローラ108間の通信では、レンズ100内のフォーカスレンズ101の駆動命令や停止命令および駆動量や絞り102の駆動量、およびレンズ側の各種データの送信要求がシステムコントローラ230から送信される。レンズコントローラ108からは、フォーカスレンズ101や絞り102などが駆動中かどうかを示すステータス情報や、開放F値や焦点距離などのレンズ側の各種パラメータが送信される。
【0037】
フォーカス制御の際、システムコントローラ230はレンズコントローラ108に対して、レンズ駆動方向や駆動量についての指令を通信によって行う。
【0038】
レンズコントローラ108は、システムコントローラ230からのレンズ駆動命令を受信すると、レンズ駆動制御回路104を介して、フォーカスレンズ101を光軸方向に駆動してピント合わせを行うレンズ駆動機構103を制御する。レンズ駆動機構103は、ステッピングモータやDCモータを駆動源として有する。
【0039】
レンズコントローラ108は、システムコントローラ230からの絞り駆動命令を受信すると、絞り制御駆動回路106を介して、絞り102を駆動する絞り駆動機構105を制御し、指令された値まで絞り102を駆動する。
【0040】
また、システムコントローラ230は、シャッタ制御回路215と測光回路209とにも接続されている。シャッタ制御回路215は、システムコントローラ230からの信号に応じて、フォーカルプレーンシャッタ210の先幕および後幕の走行駆動を制御する。
【0041】
また、システムコントローラ230は、レンズコントローラ108にレンズ駆動命令を送信してレンズ駆動制御回路104を介してレンズ駆動機構103を制御する。このことにより、被写体像を撮像素子212上に結像させる。
【0042】
また、カメラDSP227の内部にはコントラストAFのためのコントラスト値算出のための回路ブロックも内蔵されている。このコントラスト値算出用回路ブロックについては詳しくは後述する。
【0043】
カメラDSP227には、タイミングジェネレータ219、セレクタ222を介してA/Dコンバータ217、ビデオメモリ221、ワークメモリ226が接続されている。
【0044】
ここで、撮像素子212は、全体の駆動タイミングを決定しているタイミングジェネレータ219からの信号に基づき、画素毎の水平駆動並びに垂直駆動のためのドライバ回路218からの出力で駆動されることにより、画像信号を発生して出力する。
【0045】
A/Dコンバータ217からの出力は、システムコントローラ230からの信号に基づいて信号を選択するセレクタ222を介してメモリコントローラ228に入力し、フレームメモリであるDRAM229に全て転送される。
【0046】
ビデオやコンパクトデジタルカメラでは、撮影前状態時に、この結果をビデオメモリ221に定期的(毎フレーム)に転送することで、モニタ表示部220によりファインダー表示(ライブビュー)等を行っている。一眼レフ方式のデジタルカメラでは、通常、撮影前時点ではクイックリターンミラー203やフォーカルプレーンシャッタ210により撮像素子212は遮光されているため、ライブビュー表示は行えない。
【0047】
この点、クイックリターンミラー203をアップし撮影光路より退避させてからフォーカルプレーンシャッタ210を開いた状態にすることで、ライブビュー動作が可能となる。また、ライブビュー時に撮像素子212からの画像信号をカメラDSP227もしくはシステムコントローラ230が処理することでコントラスト評価値を得ることができる。そして、該評価値を用いてコントラスト方式のAFを行うことが可能である。
【0048】
撮影時には、システムコントローラ230からの制御信号によって、1フレーム分の各画素データをDRAM229から読み出し、カメラDSP227で画像処理を行ってから、一旦、ワークメモリ226に記憶する。そして、ワークメモリ226のデータを圧縮・伸張回路225で所定の圧縮フォーマットに基づいて圧縮し、その結果を外部不揮発性メモリ(外部メモリ)224に記憶する。外部不揮発性メモリ224として、通常、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを使用する。また、ハードディスク、磁気ディスク等などであってもよい。
【0049】
さらに、システムコントローラ230と接続されている動作表示回路231は、上記各スイッチ類により設定又は選択されたカメラの動作状態を、液晶素子やLED(発光ダイオード)、有機EL等の表示素子により表示する。
【0050】
レリーズスイッチSW1(233)は、測光・焦点検出エリアなどの撮影準備動作を開始させるためのスイッチである。レリーズスイッチSW2(234)は、撮影動作(静止画像を取得するための電荷蓄積および電荷読み出し動作)を開始させるためのスイッチである。
【0051】
一方、レンズユニットとしての撮影レンズ100において、レンズコントローラ108には、メモリ109が設けられている。メモリ109には、該撮影レンズ100の焦点距離や開放絞り値等の性能情報、該撮影レンズ100を識別するための固有の情報であるレンズID(識別)情報が記憶されている。また、システムコントローラ230から通信により受け取った情報を記憶する。
【0052】
詳細については後述するが、コントラストAF動作中に同期信号ラインからの蓄積タイミング信号によってレンズ位置情報がラッチされ、この複数のレンズ位置情報をストアするためにも用いられる。
【0053】
なお、性能情報およびレンズID情報は、デジタルカメラ200への装着時における初期通信により、システムコントローラ230に送信され、システムコントローラ230はこれらをEEPROM223に記憶させる。
【0054】
また、撮影レンズ100には、フォーカスレンズ101の位置情報を検出するためのレンズ位置情報検出回路110が設けられている。レンズ位置情報検出回路110で検出されたレンズ位置情報はレンズコントローラ108に読み取られる。この複数のレンズ位置情報は、フォーカスレンズ101の駆動制御等に用いられたり、電気接点ユニット107を介してシステムコントローラ230にレンズ位置情報として送られたりする。
【0055】
レンズ位置情報検出回路110は、たとえばレンズ駆動機構を構成するモータの回転パルス数を検出するパルスエンコーダ等により構成される。その出力はレンズコントローラ108内の図示されないハードウェアカウンタに接続され、レンズが駆動されるとその位置情報はハード的にカウントされる。レンズコントローラ108がレンズ位置情報を読み取る際には、内部のハードウェアカウンタのレジスタにアクセスし、記憶されているカウンタ値を読み込む。
【0056】
次に前記のカメラDSP227内のコントラスト値算出用回路ブロックについて図2を用いて説明する。図2はコントラスト値算出用回路ブロックを説明するためのブロック図である。
【0057】
撮像素子212からの画像電気信号は、前記のようにCDS/AGC回路216で増幅され、A/Dコンバータ217でデジタル信号に変換される。デジタル化された画像データはセレクタ222を介してカメラDSP227に入力される。
【0058】
カメラDSP227に入力された画像データは、コントラスト検出としてのコントラスト値算出のためには、まずカメラDSP227内のAF枠設定ブロック241に入力される。AF枠設定ブロック241は、全画面の画像データから主被写体近傍の領域だけの画像をトリミングして、次のコントラスト値算出ブロックに送るためのブロックである。AF枠の大きさとしては、画面の外枠に対して長さ方向で1/5〜1/10程度が望ましい。なお、AF枠の画面内の位置、縦方向、横方向の大きさは、システムコントローラ230よりAF枠設定ブロック241に対して設定が行えるように構成される。
【0059】
図3はそのAF枠の画面全体に対する大きさを説明するための図である。図3では、画面外枠長さに対して、1/5にしたAF枠を中央に表示している場合を示している。
【0060】
図示されるように、図3では、撮影画面に対して、中央部にAF枠が存在する。
【0061】
図4はコントラスト評価方法を模式的に説明するための図である。AF枠に対応したAF領域内に三角錐を捕らえたところを示している。この場合の水平方向A、B、Cの各ラインのコントラスト値を右側に示す。このように各ラインのコントラストのピーク値が求められ、そのピーク値を縦方向に積算して、AF枠内のコントラスト評価値が求められる。
【0062】
次に本実施例のコントラスト方式AFの概要について図5を用いて簡単に説明する。
【0063】
コントラスト方式AFは、ビデオカメラやコンパクトデジタルカメラなどの映像機器に使用されている自動焦点検出方式である。CCDやCMOSなどの撮像素子からの映像信号中の高周波成分を焦点信号として抽出する。そして、コントラスト評価値としての、この焦点信号(合焦評価値)が最大となるように、撮像光学系のフォーカシングレンズを駆動制御して合焦位置に移動させるものである。この方式は山登り方式、またはTV−AF方式と呼ばれ、焦点調節用の特殊な光学部材が不要であり、遠方でも近くでも距離に依存せずに正確にピント合わせを行うことができるという長所がある。
【0064】
図5はコントラスト方式AFによる焦点検出の説明図であり、合焦点近傍をしている。横軸がレンズの位置、縦軸がコントラスト評価値を示している。
【0065】
グラフ下の矢印で示すように、レンズを移動させながらコントラスト評価値を取得し、評価値を取得したタイミングのレンズ位置情報を記憶する。
【0066】
コントラスト評価値が大きくなる場合は同一方向に移動し続ける(図5中のE1〜E4)。また、評価値が小さくなる場合(図5中のE5)は、合焦位置を通過したことが判るので、レンズを停止する。そして、それまでに取得した複数のレンズ位置情報およびコントラスト評価値から合焦点のレンズ位置情報を補間演算子、その位置(図5中のPF)までフォーカシングレンズを駆動することにより合焦動作を行う。
【0067】
補間は例えば合焦点近傍の4点(E2〜E5)から3次多項式の近似式を求め、その近似式の極大位置を演算することにより求めることができる。極大位置は近似式の微分値(傾き)が0になる位置として求められる。
【0068】
次に本実施例の動作について説明する。まず、図6を用いて、ライブビューの起動および終了のシークエンスを説明する。このシークエンスは、システムコントローラ230がプログラムに従って実行するものである。なお、後述する各シークエンスについても同様である。
【0069】
本実施例では、ライブビューモードSW(235)が操作されるごとにライブビューが開始、または終了となる。本シークエンスは、ライブビューモードSW(235)が操作されると呼び出されるシークエンスである。
【0070】
ライブビューモードSW(235)が操作されると、まずシステムコントローラ230は、ステップS101において、システムコントローラ230上のRAM内のライブビューフラグを参照し、現在ライブビューモードであるかどうかを調べる。ライブビューモードでなかった場合はステップS102に進み、ライブビューモードを起動する。
【0071】
ステップS102では、システムコントローラ230の指令により、ミラー駆動機構213により、まずクイックリターンミラー203が撮影用の位置へ跳ね上げられる。またサブミラー204もクイックリターンミラー203に連動して撮影時用の待機位置にたたまれる。
【0072】
次に、ステップS103に進み、シャッタチャージ機構214によりチャージされたフォーカルプレーンシャッタ210がシステムコントローラ230の指令により、シャッタ制御回路215を通じてシャッタの開放動作が行われる。
【0073】
次にステップS104に進み、システムコントローラ230は、カメラDSP227、セレクタ222、タイミングジェネレータ219、ドライバー218、CDS/AGC回路216,A/Dコンバータ217を使って、撮像動作を開始する。これは、所定の蓄積時間に従って撮像素子212の蓄積動作、および画像情報の読みだしによる撮像動作である。ここでは、ライブビュー用画像の読み出しなので、所定の表示レートに間に合うように適宜間引いて画像情報の読み込み処理を行う。読み出された画像情報はメモリコントローラ228を介してDRAM229上に格納される。
【0074】
次にステップS105に進み、システムコントローラ230は、カメラDSP227とともに、DRAM229上の画像情報に対して、ホワイトバランス、ガンマ処理、色変換等を行い、ビデオメモリ221を通じてモニタ表示部220への撮影画像表示を行う。
【0075】
以降、ライブビューモード中は、連続的に撮像と表示の動作が繰り返される。
【0076】
次に、システムコントローラ230はライブビューモード中であることを示すシステムコントローラ230のRAM内にあるライブビューフラグをセットする。そして、ライブビュー起動の処理を終了する。
【0077】
また、ステップS101において、ライブビューモードであった場合には、ステップS107に進み、ライブビューモードの終了処理を行う。
【0078】
まず、ステップS107では、システムコントローラ230は、撮像素子212の蓄積、読み出し動作を終了し、撮像動作を終了させる。
【0079】
次に、ステップS108に進み、システムコントローラ230は、モニタ表示部220への表示更新を停止し、モニタ表示220の照明を消灯するなど、ライブビューの表示動作を終了させる。
【0080】
次にステップS109では、システムコントローラ230の指令により、シャッタ制御回路215を通じてシャッタの閉じ動作が行われる。
【0081】
次に、ステップS110で、システムコントローラ230の指令により、ミラー駆動機構213により、クイックリターンミラー203をダウンさせ、通常位置に復帰させる。
【0082】
次に、ステップS110で、システムコントローラ230のRAM内のライブビューフラグをライブビューモードが終了したことを記憶するためにクリアする。
【0083】
以上で、ライブビューモードの終了処理が完了する。
【0084】
次に図7を用いて、ライブビュー中にSW1が押されてから撮影に至るシークエンスについて説明する。
【0085】
ライブビュー中は、まずステップS201において、撮像素子212の蓄積動作を行う。
【0086】
次に、ステップS202において、所定の蓄積動作が終了したかどうかがチェックされる。蓄積が終了しない場合はステップS202チェックを繰り返し行い、蓄積が終了した場合は次のステップS203に進む。
【0087】
ステップS203では、システムコントローラ230は、DRAM229上にライブビュー表示に使用する範囲の撮像素子212に蓄積された画像情報を読み込む。これは、システムコントローラ230がカメラDSP227に対する指令により、タイミングジェネレータ219を駆動して、ドライバー218,CDS/AGC回路216、A/Dコンバータ217、セレクタ222、メモリコントローラ228等を使い行う。このとき、読み出し速度を上げ、ライブビュー表示のフレームレートを上げるようにしている。これは、撮像素子212上で隣接する2〜3画素の同色画素の画像情報をハード的に加算平均したり、または読み出しの際に、適宜縦方向や横方向の画像情報を間引くことによって行う。
【0088】
次のステップS204において、システムコントローラ230は、カメラDSP227とともに、DRAM229上の画像情報に対して、ホワイトバランス、ガンマ処理、色変換などの現像処理を行う。
【0089】
次のステップ205で、システムコントローラ230は、現像処理を行った画像をビデオメモリ221を通じてモニタ表示部220へのライブビュー画像表示を行う。
【0090】
ステップS206ではライブビューモードSW235がONされたかどうかがチェックされる。ONされていた場合は、前記のライブビュー起動/終了処理に進み、ライブビューモードを終了させる。ライブビューモードSW235がONされていない場合は、次のステップS207に進む。
【0091】
ステップS207では、SW1(233)の状態がチェックされる。SW1(233)がONされていれば、次のステップS208に進む。SW1(233)がONされていなければ、ステップS201に戻り、ライブビュー表示動作を繰り返す。
【0092】
ステップS208では、前述の公知のコントラスト方式AFに基づいて、フォーカスレンズ101を微少駆動させながらコントラスト評価値をカメラDSP227やシステムコントローラ230が算出する。算出されたコントラスト評価値が極大値となる箇所にレンズを停止させることによりAFを行う。コントラストAF時の動作の詳細については別途後述する。
【0093】
次にステップS209に進み、撮影用の露出を決定する撮影用AE動作を行う。非ライブビュー時の通常撮影においてはファインダー部の測光センサ208が使用されるが、ライブビュー時にはクイックリターンミラー203が跳ね上げられファインダー側に光束が行かないため、撮像素子212からの画像情報を元に撮影用露出が決められる。
【0094】
次にステップS210に進み、SW1(233)の状態がチェックされる。SW1(233)がOFFされた場合はSW1 on状態のシークエンスを停止してステップS201のライブビュー動作状態に戻る。SW1(233)がONされたままならば次のステップS211に進む。
【0095】
S211では、SW2(234)の状態がチェックされる。SW2(234)がONされているとステップS212に進み、撮影用シークエンスが開始される。SW2(234)がONされていない場合は、ONされるまでS210、S211を繰り返す。
【0096】
ステップS212以降はライブビューからの撮影シークエンスである。ステップS212では、システムコントローラ230は、シャッタ制御回路215を介して、ライブビューのために開放状態になっているシャッタ210を閉じる。
【0097】
次に、ステップS213に進み、システムコントローラ230は、電気接点ユニット107を介した通信によって、レンズコントローラ108に先のステップS209での撮影用AEで決定された絞り値への絞り駆動命令を送信する。
【0098】
レンズコントローラ108は、絞り駆動命令を受信すると、絞り制御駆動回路106を介して、絞り102を駆動する絞り駆動機構105を制御し、指令された値まで絞り102を駆動する。
【0099】
次に、ステップS214では、システムコントローラ230の指令により、シャッタチャージ機構214によりチャージされたフォーカルプレーンシャッタ210の開放動作がシャッタ制御回路215を通じて行われる。
【0100】
次に、ステップS215において、撮像素子212の蓄積動作が行われる。
【0101】
次に、ステップS216において、ステップS209の撮影用AEで予め決められたシャッタ速度に相当する時間経過後、システムコントローラ230の指令によりシャッタ制御回路215を通じてフォーカルプレーンシャッタ210の閉じ動作が行われる。
【0102】
次に、ステップS217において、システムコントローラ230は、DRAM229上に撮像素子212に蓄積された画像情報を読み込む。これは、カメラDSP227に対する指令により、タイミングジェネレータ219を駆動して、ドライバー218,CDS/AGC回路(216)、A/Dコンバータ217、セレクタ222、メモリコントローラ228などを使う。
【0103】
そしてステップS217において、システムコントローラ230は、形成された画像をワークメモリ226に記録する。これは、カメラDSP227とともに、DRAM229上の画像情報に対して、ホワイトバランス、ガンマ処理、色変換、JPEGなどへの変換、サムネイル作成、ビデオメモリ221を通じてモニタ表示部220への撮影画像表示などの一連の撮影後処理である。
【0104】
次に、ステップS219において、システムコントローラ230は、S219の撮影後処理によって形成されたワークメモリ226上の画像データを、圧縮・伸張回路225での圧縮処理を行い、不揮発メモリ224へと記録する。
【0105】
そして、ステップS220に進み、ライブビューを再開するために、システムコントローラ230の指令により、シャッタチャージ機構214によりチャージされたフォーカルプレーンシャッタ210の開放動作がシャッタ制御回路215を通じて行われる。そして、ステップS201に進み、ライブビュー動作が再開される。
【0106】
次にコントラストAF中の動作について図8、図9を用いて説明する。
【0107】
図8は、コントラストAF中のシステムコントローラ230の動作を説明するフローチャートである。
【0108】
コントラストAF動作が開始されると、システムコントローラ230は電気接点ユニット107を介して、レンズコントローラ108にコントラストAF動作用にレンズ駆動命令を送信する(ステップS301)。この段階では、合焦位置すなわち目標位置は不明なので、レンズを所定量駆動させる命令ではなく、駆動量は与えずに指定した方向にレンズを駆動するという命令を送信する。この命令の場合、レンズ側は停止命令を受けるか、駆動可能な端に行き着くまでレンズ駆動を継続する。
【0109】
次に、システムコントローラ230は撮像素子212の蓄積を開始する(ステップS302)。
【0110】
そして、ステップS303に進み、電気接点ユニット107に設けられている同期信号ラインを使って、レンズコントローラ108に被写体像の蓄積タイミング信号を送信する。
【0111】
そして、あらかじめライブビュー中の測光動作等により決定された所定の蓄積時間が終了したかどうかを待つ(ステップS304)。
【0112】
被写体像の電荷の蓄積が終了したなら、次に図7のライブビュー時のシークエンスで説明したように、画像の読みだし、現像、表示が行われる。
【0113】
コントラストAF動作としては、並行して読み出された画像データは、図2で説明したカメラDSP227内のAF枠設定ブロック241、およびコントラスト値算出ブロック242に送られ、図4で説明したコントラスト値(評価値)の算出が行われる。そして、その評価値がシステムコントローラ230に送られる。
【0114】
送信された評価値は、システムコントローラ230により読み込まれ(ステップS305)、あとでレンズから送信されてくるレンズ位置情報と対応させるために、評価値が読み込まれるたびに順次DRAM229内にストアされていく(ステップS306)。
【0115】
次に評価値のピークが検出されたかどうかをチェックする(ステップS307)。ピークであるかどうかは、評価値が極大値を取った後に低下しはじめたかどうかで検出出来る。
【0116】
ピークが検出されなかった場合は、ステップS302に戻り、以上説明したステップを繰り返す。
【0117】
以上の動作における被写体像の蓄積と、蓄積タイミング信号、評価値の取得タイミングを示したタイミングチャートが図11である。
【0118】
図11(a)は被写体像の蓄積タイミングを表している。Hの時が蓄積中を示す。H→Lで蓄積が終了する。
【0119】
図11(b)は、ステップS303でレンズ側に送られる蓄積タイミング信号である。(a)の蓄積開始のタイミングでL→Hに変化する。レンズ側では、後述するようにこの立ち上がりエッジで、レンズの位置情報をラッチする。
【0120】
図11(c)は、画像読み出しのタイミングを示す。Hのときが読み出し中であることを示す。(a)蓄積が終了して、信号が立ち下がると、読み出しが開始され、信号(c)がHになる。
【0121】
図11(d)は、評価値をシステムコントローラ230が読み込むタイミングを示している。カメラDSP227内のコントラスト値算出ブロック242はハードウェアで構成されており、画像の読み出されると同時にカメラDSP内のコントラスト値算出ブロック242で演算が行われる。画像の読み出しが終了すると((c)がH→Lに立ち下がると)ほぼ同時にコントラスト値の演算は終了し、評価値がシステムコントローラ230に読み込まれる((d)がL→Hになる)。
【0122】
次に、ステップS307で評価値ピークが検出された場合のシークエンスについて説明する。ステップS307で評価値ピークが検出された場合は、ステップS308に進み、システムコントローラ230は電気接点ユニット107を介して、レンズコントローラ108にレンズ停止命令を送信する。
【0123】
次にステップS309に進む。後述するように、レンズ側では被写体像の電荷の蓄積タイミング信号に同期してレンズ位置情報をレンズ内のメモリ109にストアされている。レンズが停止するとレンズ側よりストアされているレンズ位置情報がまとめて送信されてくる。そのレンズ位置情報をシステムコントローラは電気接点ユニット107を介して取得する。ここでのレンズ位置情報は、システムコントローラ230から要求指令に基づく。この要求に対して、レンズコントローラ108が応える形で行われる。この点、レンズコントローラがレンズコントローラ108がステップS308でのレンズ停止命令を受けて送信するようにしてもよい。
【0124】
次にステップS310に進み、システムコントローラ230はDRAM229内にストアされている評価値と、ステップS309でレンズより取得したレンズ位置情報をほぼ同じタイミングで得られた両者の対応付けを行う。
【0125】
次に、ステップS311に進む。ステップS311では、合焦位置に対応するレンズ位置の算出が行われる。ここで評価値のピーク位置が補間で演算され、ステップS310で対応づけた評価値とレンズ位置情報との関係から、評価値のピーク位置に相当するレンズ位置が算出される。
【0126】
次にステップS312において、算出された合焦位置に対応するレンズ位置へレンズを駆動する命令が電気接点ユニット107を介してレンズコントローラ108に対して送信される。
【0127】
以上でコントラストAF動作時のカメラ側(システムコントローラ230)の動作は終了する。
【0128】
図9は、コントラストAF中のレンズ側のレンズコントローラ108の動作を説明するフローチャートである。
【0129】
まず、コントラストAFの開始により、ステップS401において、レンズコントローラ108は、先に説明したステップS301の通り、システムコントローラ230より電気接点ユニット107を介し、レンズコントローラ108に駆動命令が送信されるまで待機状態を続ける。
【0130】
レンズ駆動命令を受信したなら次のステップS402に進み、レンズ駆動制御回路104を介してレンズ駆動機構103を駆動し、これによりフォーカスレンズ101を移動させて、フォーカス位置を変更するようレンズ駆動を開始する。
【0131】
次にステップS403に進む。ステップS403ではカメラ側からのレンズ停止命令を受信したかどうかがチェックされる。受信していない場合は、次のステップS404に進む。
【0132】
ステップS404では、電気接点ユニット107に設けられている同期信号端子をチェックし、前記ステップS303でカメラ側から送られる蓄積タイミング信号が立ち上がったかどうかをチェックする。
【0133】
蓄積タイミング信号の立ち上がりが検出できなかった場合は、ステップS403に戻り、以上のS403、S404のループをレンズ停止命令を受信するか、蓄積タイミング信号が立ち上がるかまで繰り返す。
【0134】
蓄積タイミング信号の立ち上がりを検出した場合は、次のステップS405に進む。
【0135】
ステップS405では、レンズコントローラ108は、レンズ位置情報検出回路110を介して、フォーカスレンズ101の位置情報を取得する。
【0136】
次にステップS406に進み、取得したレンズ位置情報をメモリ109内に順次ストアする。そして、ステップS403に戻る。
【0137】
ステップS403において、レンズ停止命令を受信した場合は、ステップS407に進む。
【0138】
ステップS407では、レンズコントローラ108は、レンズ駆動制御回路104を介してレンズ駆動機構103のブレーキ通電を行ったり、通電を停止したりすることでフォーカスレンズ101の移動を停止させる。
【0139】
フォーカスレンズ101の移動が停止すると次のステップS408に進み、レンズコントローラ108はメモリ109内にストアされたレンズ位置情報を電気接点ユニット107を介して、カメラ側システムコントローラ230に送信する。ここでのレンズ位置情報は、システムコントローラ230から要求指令に基づく。この要求に対して、レンズコントローラ108が応える形で行われる。この点、レンズコントローラがレンズコントローラ108がステップS308でのレンズ停止命令を受けて送信するようにしてもよい。
【0140】
そして、合焦位置への駆動命令を待つステップS409に進む。
【0141】
システムコントローラ230が合焦位置に相当するレンズ位置の算出を終え、前記説明したステップS312で合焦位置へのレンズ駆動命令をレンズコントローラ108に送信する。レンズコントローラ108は受信したレンズ駆動命令に従って、ステップS410に進み、指定された位置にレンズ駆動制御回路104、レンズ駆動機構103を介してフォーカスレンズ101を移動させる。これによりフォーカス位置が合焦位置に移動する。
【0142】
以上で、コントラストAF動作が終了する。
【0143】
次に図10を用いて、コントラスト評価値とレンズ位置情報のストア状態と対応後の状態をより具体的に説明する。
【0144】
図10(a)は前記ステップS306でのコントラスト評価値のカメラ側でのストアの状態を示している。
【0145】
システムコントローラ230はコントラスト評価値が得られるたびにDRAM229内に順次ストアする。後でレンズ位置情報を対応させるために、得られた各コントラスト評価値にはIDが付せられる。合焦動作が開始されてから順にIDは1、2・・・とインクリメントされていき、コントラスト評価値(E1、E2〜)はIDと1対1対応するよう得られた順にDRAM229にストアされていく。
【0146】
図10(b)は前記ステップS406でのレンズ位置情報のレンズ側でのストアの状態を示している。
【0147】
レンズコントローラ108はカメラからの蓄積タイミング信号に応じてレンズ位置情報をレンズ位置情報検出回路110から取得し、レンズ位置情報が得られるたびにメモリ109内に順次ストアする。後でコントラスト評価値と同様に、得られた各レンズ位置情報にはIDが付せられる。合焦動作が開始されてから順にIDは1、2・・・とインクリメントされていき、レンズ位置情報(P1、P2〜)はIDと1対1対応するよう得られた順にメモリ109にストアにされていく。このようなストアはAF枠ごとに行われる。また、AF枠が選択されている場合には、当該選択されたAF枠に対して行われる。
【0148】
レンズ停止後、カメラ側には図10(b)に示すようにストアされているレンズ位置情報が送られてくる。システムコントローラ230は、前記のステップS309において、レンズ側からレンズ位置情報を受け取る。それから、同じIDのレンズ位置情報とコントラスト評価値を対応させて、DRAM229内に記憶する。
【0149】
図10(c)は前記ステップS310でのレンズ位置情報とコントラスト評価値対応後のカメラ側DRAM229内での対応状況を示している。ここから、システムコントローラ230は合焦点を示すコントラスト評価値のピーク近傍のレンズ位置情報を用いて、補間処理により、合焦位置を算出する(ステップS311)。このような合焦位置の算出はAF枠ごとに行われる。また、AF枠が選択されている場合には、当該選択されたAF枠に対して行われる。
【0150】
以上説明したように、コントラストAF時のレンズの移動中はレンズからカメラ側へのレンズ位置情報の通信を行わない。レンズの移動中、レンズ側は蓄積タイミングが送られてきたときの位置情報を当該蓄積タイミングに関連づけてメモリ内にストアしておく。これによりカメラ側で蓄積されている評価値の取得タイミングと同期を後からとることができる。そして、レンズが停止していて、加減速制御などレンズコントローラが忙しくないときにまとめてレンズ位置情報をカメラ側システムコントローラ230に送信するように構成するようにしている。
【0151】
前記のようにレンズコントローラ108に関していうとレンズ位置情報の読み込みは実際には内部のハードウェアカウンタの値を読み込むことに等しく、通信に比べると負荷としては非常に軽い処理である。
【0152】
レンズ駆動の加減速処理のようにレンズコントローラ108の負荷が重いと判定したときには、レンズ位置情報を読んでメモリ109内に保存するだけにしておく。そして、レンズが停止して加減速処理の負荷が無くなったと判定してから、ストアしておいたレンズ位置情報をカメラ側に送信するようにする。このことで、レンズの駆動処理に影響を与えることなく、また高速化、高精度化のためにコントラスト評価値取得の頻度を高くした場合でも、レンズ側は十分対応可能な自動合焦装置が提供できる。
【0153】
本実施例では、蓄積開始の際に蓄積タイミング信号を送る例を説明したが、蓄積タイミング信号は蓄積終了時に送るようにしても良い。
【0154】
(実施例2)
第1の実施例では、カメラ側の被写体像による電荷の蓄積の度に同期信号ラインを使って蓄積タイミングをレンズ側に送る実施例であった。
【0155】
しかし、コントラスト評価値とレンズ位置情報の取得タイミングを同期させるにはこれ以外の方法を用いても良い。第2の実施例はそのような実施例である。
【0156】
通常、コントラストAF動作中の画像蓄積タイミングは一定間隔である。そのため、あらかじめ被写体像の蓄積周期をレンズ側に設定するものである。ここでは、レンズ駆動開始の際、被写体像の蓄積に同期したトリガ信号をレンズに送り、以下はあらかじめ設定した蓄積周期間隔でレンズ側がレンズ位置情報を取得するよう構成する。このことにより、直接の同期を取るわけではないが、同一のタイミングでコントラスト評価値をカメラ側が取得し、レンズ側ではレンズ位置情報を取得することができる。
【0157】
以下、第2の実施例について、図12から図14を使って説明する。
【0158】
以降の説明において、第1の実施例と同様の働きをするブロックやステップについては同じ番号を付し説明を省略する。
【0159】
図12は、第2の実施例の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0160】
第1の実施例の図1とは、同期信号ラインがコントラストAF開始の際にレンズ側にAF開始のタイミングを与えるトリガ信号ラインになっていることが異なる。また、レンズ側に、タイマ111が設けられていて、あらかじめ設定されている時間毎にレンズコントローラ108にタイミング信号を与えることができることが異なっている。
【0161】
次に第2の実施例のコントラストAF中の動作について図13、図14を用いて説明する。
【0162】
図13は、第2の実施例のコントラストAF中のカメラボディー側のシステムコントローラ230の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図8に相当する。
【0163】
システムコントローラ230はコントラストAF動作が開始されると、まずステップS315において、あらかじめ設定されている蓄積間隔をレンズ側に電気接点ユニット107に設けられている通信端子を介してレンズ側に送信する。ここではたとえば秒30コマ(30FPS)であれば33.3msecに相当する値を送信するようにしてもいいし、またはフレームレートとして秒30コマを表す「30」に相当する値を送信するようにしても良い。
【0164】
次にシステムコントローラ230はレンズ駆動命令を送信し(ステップS301)、そして電気接点ユニット107に設けられているトリガ信号端子を介して、トリガ信号をレンズに送信する。
【0165】
以下の動作は第1の実施例図8において説明した動作と同一なので説明を省略する。
【0166】
図14は、第2の実施例のコントラストAF中のレンズ側のレンズコントローラ108の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図9に相当する。
【0167】
レンズコントローラ108は、コントラストAF動作が開始されると、まずステップ415において、カメラ側より蓄積間隔が送信されてくるのを待つ。
【0168】
カメラ側より蓄積間隔を受信すると、次にステップS416に進み、レンズコントローラ108に接続されているタイマ111に対して、受信した蓄積間隔毎にタイミング信号を発するようタイマ111に設定を行う。
次にレンズ駆動命令がカメラ側より送信されるのを待つ(ステップS401)。
【0169】
以下、第1の実施例図9で説明した動作とほぼ同一の動作を行う。以降の相違点は、図9のステップS404で蓄積タイミング信号を待っていたステップが、タイマ111から設定した蓄積間隔毎のタイミング信号を待つステップS417に置き換わっていることである。
【0170】
以上述べたように第2の実施例では、コントラスト評価値をカメラ側が取得する毎に蓄積タイミング信号が送られるわけではない。レンズ側ではカメラからの蓄積タイミング信号を待ったり、割り込みによって処理する必要が無いので、よりレンズの加減速時の負荷を減らせる効果がある。なお、当該タイマ111がレンズコントローラ108に与えるタイミング(蓄積間隔)は、デジタルカメラとの装着の際、あるいは装着後の電源ONの際の初期通信により、システムコントローラ230との通信により指示されるものであってもよい。
【0171】
(実施例3)
第1、第2の実施例では、レンズ停止時にコントラストAF動作中にストアされていたレンズ位置情報を全てカメラ側に送るようにしていた。
【0172】
しかし、実際に必要になるのは合焦点近傍、すなわちコントラスト評価値がピークを示す近傍のレンズ位置情報である。よって、合焦点近傍のレンズ位置情報を選択して通信するようにしても良い。第3の実施例はそのような実施例である。
【0173】
第3の実施例のブロック図は第1の実施例の図1と同一であるので説明を省略する。
【0174】
次に第3の実施例のコントラストAF中の動作について図15、図16を用いて説明する。
図15は、第3の実施例のコントラストAF中のカメラボディー側のシステムコントローラ230の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図8に相当する。
【0175】
第3の実施例においては、システムコントローラ230はピークを検出し(S307)、レンズ停止命令を送信する(S308)までは、第1の実施例図8と同様のシークエンスを実行する。
【0176】
ステップS308の次に、システムコントローラ230は検出したピーク近傍のレンズ位置情報をレンズに対して要求する(ステップS320)。これは例えばピーク近傍のID番号を通信により指定することによって行われる。
【0177】
システムコントローラ230は、補間演算に必要なデータを要求する。たとえば3次式で補間する場合は、ピークを挟む4点のレンズ位置情報を指定して要求するようにすればいい。
次に、ステップS321に進み、システムコントローラ230はレンズから要求したレンズ位置情報を受信する。
次に、ステップS322に進み、システムコントローラ230側でストアしているコントラスト評価値と受信したレンズ位置情報とを対応させる。
次に第1の実施例と同様にして、合焦位置を算出し(S311)、合焦位置へレンズを駆動する(S312)ことによりカメラ側のコントラストAF動作が完了する。
次にレンズ側の動作について説明する。
【0178】
図16は、第3の実施例のコントラストAF中のレンズ側のレンズコントローラ108の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図9に相当する。
レンズコントローラ108も、レンズが停止されるまで(S407)は、第1の実施例図9と同様のシークエンスを実行する。
【0179】
次に、レンズコントローラ108は、ステップS420に進み、カメラ側からのピーク近傍レンズ位置情報要求を受信するまで待つ。
ピーク近傍レンズ位置情報要求を受信したらステップS421に進み、メモリ109にストアしているレンズ位置情報の中から要求された位置情報を選択する。
【0180】
次にステップS422において選択したレンズ位置情報をカメラ側に送信する。
【0181】
以下、カメラ側からの駆動命令を待ち(S409)、駆動命令を受信したなら、合焦位置へのレンズ駆動を行って(S410)、レンズ側のコントラストAF動作を終了する。
【0182】
以上述べたように第3の実施例では、合焦点近傍のレンズ位置情報のみを通信するので、通信量を減らせる効果が有る。
【0183】
(実施例4)
第1から第3の実施例では、ピーク検出してからレンズを停止させた後、レンズ側からレンズ位置情報をカメラ側に送り、カメラ側で合焦位置を算出するよう構成していた。この点、レンズ停止後にレンズ側にカメラ側からコントラスト評価値情報を送信し、レンズ側で合焦位置を算出してその位置にフォーカスレンズを駆動することによって合焦動作を行うこともできる。
【0184】
第4の実施例はそのような実施例である。
第4の実施例のブロック図は第1の実施例の図1と同一であるので説明を省略する。
次に第4の実施例のコントラストAF中の動作について図17、図18を用いて説明する。
【0185】
図17は、第4の実施例のコントラストAF中のカメラボディー側のシステムコントローラ230の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図8に相当する。
【0186】
第4の実施例においては、システムコントローラ230はピークを検出し(S307)、レンズ停止命令を送信する(S308)までは、第1の実施例図8と同様のシークエンスを実行する。
【0187】
次にシステムコントローラ230は、ステップS330において、レンズに対してDRAM229内にストアしておいたコントラスト評価値を電気接点ユニット107に設けられた通信端子を介して送信する。
【0188】
次にステップS331に進み、レンズより合焦動作終了の通信が送られてくるのを待つ。レンズより合焦動作終了の通信が送られてくるとカメラ側のコントラストAF動作は終了する。
次にレンズ側の動作について説明する。
【0189】
図18は、第4の実施例のコントラストAF中のレンズ側のレンズコントローラ108の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図9に相当する。
【0190】
レンズコントローラ108も、レンズが停止されるまで(S407)は、第1の実施例図9と同様のシークエンスを実行する。
【0191】
次にレンズコントローラ108は、カメラ側からコントラスト評価値が送られてくるのを待つ。カメラ側システムコントローラ230のステップS330においてコントラスト評価値が送信されると、レンズコントローラ108はコントラスト評価値を受信して、次のステップS431へと進む。
【0192】
ステップS431では、レンズコントローラ108はメモリ109内にストアされているレンズ位置情報とカメラ側より送られてきたコントラスト評価値をID情報を元に対応づける。
【0193】
次に、ステップS432に進み、対応付けされたレンズ位置情報とコントラスト評価値より、コントラスト評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として算出する。
【0194】
次にステップS433に進み、レンズコントローラ108は、レンズ駆動制御回路104を介して、レンズ駆動機構103を制御し、フォーカスレンズ101をステップS432で算出された合焦位置へと駆動する。
【0195】
駆動が完了するまで待ち(ステップS434)、完了したならステップS435にて、カメラ側に合焦駆動が完了したことを通信により通知する。
以上でレンズ側のコントラストAF動作が終了する。
【0196】
以上述べたように第4の実施例では、レンズ側で合焦点の算出を行う。交換レンズはそれぞれ使用するモータや駆動系の相違により、目標位置に駆動するためのガタ取り制御方法などが異なるが、レンズ側で合焦駆動を行うことにより、それらの違いを吸収できる効果が有る。
【0197】
(実施例5)
第1から第4の実施例では、レンズが停止している間は、レンズコントローラ108の負荷は少ないとみなして、その間にレンズ位置情報やコントラスト評価値の通信を行うよう構成していた。
【0198】
しかしながらレンズコントローラ108の負荷の判定を行い、余裕があると半田したときには、レンズ駆動中であってもレンズ位置情報等の通信を行うよう構成しても良い。
第5の実施例はそのような実施例である。
以下、第5の実施例について、図19から図21を使って説明する。
【0199】
図19は、第5の実施例の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0200】
第1の実施例の図1とは、レンズコントローラ108に、レンズコントローラ108の負荷の度合いを判定する負荷判定回路112が接続されていること、およびレンズコントローラ108がカメラ側にデータ送信したいことを通知するために用いるレンズ側送信要求信号ラインが電気接点ユニット107部に設けられていることが異なる。
いる。
【0201】
負荷判定回路112は、たとえば、レンズコントローラ108のCPU使用率を求めることで負荷の判定を行う。
次に第5の実施例のコントラストAF中の動作について図20、図21を用いて説明する。
【0202】
図20は、第5の実施例のコントラストAF中のカメラボディー側のシステムコントローラ230の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図8に相当する。
【0203】
第5の実施例においては、システムコントローラ230は、レンズ駆動命令を送信するステップS301からコントラスト評価値をDRAM内にストアするステップS306までは、第1の実施例図8と同様のシークエンスを実行する。
【0204】
次に、ステップS340に進み、レンズ側送信要求信号ラインをチェックし、レンズ側よりデータの送信要求が有るか否かがチェックされる。
【0205】
送信要求が有った場合は、ステップS341に進み、レンズより送られてくるレンズ位置情報を読み込む。
【0206】
次に、受信したレンズ位置情報を、ストアされているコントラスト評価値情報と対応づけてDRAM内にストアする。そして、ピーク検出を行うステップS307へと進む。
【0207】
ステップS340において、レンズ送信要求が無かった場合はステップS307へと進む。
【0208】
ステップS307でピークが検出されるとシステムコントローラ230はレンズ停止命令をレンズ側に送信する。
【0209】
そしてステップS343に進み、レンズ側からまだ送信されていないレンズ位置情報があるかどうかを確認する。
未送信レンズ位置情報がない場合はステップS345に進む。
未送信レンズ位置情報がある場合は、ステップS344に進み、レンズ側より未送信のレンズ位置情報を取得する。そしてステップS345に進む。
【0210】
ステップS345では、DRAM内にストアされているコントラスト評価値とレンズより送信されたレンズ位置情報の対応付けがまだ済んでいない部分に関して対応付けを行う。
【0211】
そして合焦位置を算出し(S311)、算出された合焦位置へのレンズ駆動命令をレンズ側に送信する(S312)。そしてカメラ側のコントラストAF動作を終了する。
次にレンズ側の動作について説明する。
【0212】
図21は、第5の実施例のコントラストAF中のレンズ側のレンズコントローラ108の動作を説明するフローチャートであり、第1の実施例の図9に相当する。
【0213】
レンズコントローラ108は、コントラストAF動作を開始すると、まずカメラ側より駆動命令が送信されるのを待つ(ステップS401)。
駆動命令を受信すると、レンズ駆動を開始する(ステップS402)。
【0214】
次に、ステップS440に進み、負荷判定回路112により、レンズコントローラ108の負荷判定を行う。
【0215】
負荷が大きい場合は、ステップS403に進み、レンズ停止命令を受信したかがチェックされる。
ステップS440で負荷が小さいと判定された場合にはステップS441に進む。
ステップS441では、レンズコントローラ108は、カメラ側にレンズ位置情報を送信するためにまずレンズ側送信要求信号ラインを用いてカメラ側に送信要求を送出する。
そしてステップS442に進み、カメラ側が送信要求に応えて、受信状態になるのを待つ。
【0216】
カメラ側が受信状態になるとステップS443に進み、レンズ位置情報をカメラ側に送信し、ステップS403に進む。
【0217】
ステップS403以降、レンズ停止をおこなうステップS407までは、図9で説明した動作と同一なので説明を略する。
【0218】
レンズ停止後、ステップS444に進み、カメラ側より未送信のレンズ位置情報があるか確認の通信があるのを待つ。
【0219】
確認通信を受信するとステップS445に進み、未送信のレンズ位置情報の有無をチェックする。
【0220】
未送信レンズ位置情報が無い場合はステップS446に進み、未送信レンズ位置情報が無いことを通信にてカメラ側に送信する。そしてステップS409に進む。
【0221】
未送信レンズ位置情報が有る場合はステップS447に進み、未送信のレンズ位置情報をカメラ側に送信する。そしてステップS409に進む。
【0222】
ステップS409では合焦位置への駆動命令がカメラ側より送られてくるのを待ち、そして駆動命令を受信するとステップS410に進み、合焦位置へのフォーカスレンズの駆動を行う。
以上でレンズ側のコントラストAF動作が終了する。
【0223】
以上述べたように第5の実施例では、レンズコントローラの負荷が少ないときに通信を行うので、ピーク検出してレンズを停止してからの通信量が少なくて済み、最後の合焦駆動をより高速に行えるという効果が有る。
以上、図1から図21を用いて本発明の実施例の説明を行った。
本発明においては、本実施例で説明した以外にも種々の変形が可能である。
さらに上記以外に本発明の趣旨に沿った範囲でさまざまな変形例の形態をとってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の実施例1の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成ブロック図。
【図2】本発明の実施例1のコントラスト値算出用回路ブロックを説明するためのブロック図。
【図3】本発明の実施例1のAF枠について説明するための図。
【図4】本発明の実施例1のコントラスト評価方法を説明するための図。
【図5】本発明の実施例1のコントラスト方式AFによる焦点検出の説明図。
【図6】本発明の実施例1のライブビューの起動および終了のシークエンスを説明するためのフローチャート。
【図7】本発明の実施例1のライブビュー中にSW1が押されてから撮影に至るシークエンスについて説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の実施例1のコントラストAF時動作時のシステムコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の実施例1のコントラストAF時動作時のレンズコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図10】本発明の実施例1のコントラスト評価値、レンズ位置情報のストアの状態を説明する図。
【図11】本発明の実施例1のコントラストAF時動作時のタイミングチャート。
【図12】本発明の実施例2の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成ブロック図。
【図13】本発明の実施例2のコントラストAF時動作時のシステムコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図14】本発明の実施例2のコントラストAF時動作時のレンズコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図15】本発明の実施例3のコントラストAF時動作時のシステムコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図16】本発明の実施例3のコントラストAF時動作時のレンズコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図17】本発明の実施例4のコントラストAF時動作時のシステムコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図18】本発明の実施例4のコントラストAF時動作時のレンズコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図19】本発明の実施例5の自動合焦装置を用いたデジタルカメラの構成ブロック図。
【図20】本発明の実施例5のコントラストAF時動作時のシステムコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【図21】本発明の実施例5のコントラストAF時動作時のレンズコントローラの動作シークエンスを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0225】
100 撮影レンズ
101 フォーカスレンズ
103 レンズ駆動機構
104 レンズ駆動制御回路
108 レンズコントローラ
109 メモリ
110 レンズ位置情報検出回路
111 タイマ
112 負荷判定回路
212 撮像素子
227 カメラDSP
230 システムコントローラ
242 コントラスト値算出ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、
前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、
前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記コントラスト検出手段による前記評価値の取得と同期せずに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記通信手段により前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズユニットの負荷の少ないときに取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記通信手段により前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズが停止しているときに取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の記憶手段では、レンズの位置情報が被写体像の蓄積タイミングと関連されて記憶されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、
前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、
前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズユニットの負荷の少ないと判定したときに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する撮像装置。
【請求項6】
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する第1の記憶手段とを有するレンズユニットと通信可能な通信手段と、
前記レンズを通過した光に応じて撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段と、
前記コントラスト検出手段により異なるタイミングで取得された複数の評価値を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズが停止しているときに前記通信手段により取得するとともに、当該複数のレンズ位置情報の取得の後に前記第2の記憶手段に記憶された評価値と対応付けて、前記レンズのフォーカス位置を制御する制御手段とを有する撮像装置。
【請求項7】
撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、
当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記評価値の取得と同期せずに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有するレンズユニット。
【請求項8】
撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、
当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を当該レンズユニットの負荷が少ないと判定したときに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有するレンズユニット。
【請求項9】
撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、
当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のレンズ位置情報を前記レンズが停止しているときに前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有するレンズユニット。
【請求項10】
撮像素子より出力された信号から被写体像のコントラストに対応する評価値を取得するコントラスト検出手段を有する撮像装置と通信可能な通信手段と、
レンズを移動させてフォーカス位置を変更するレンズ駆動手段と、
当該レンズの位置情報を検出し当該位置情報を前記被写体像の取得と同期させて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記被写体像の取得タイミングと関連させて記憶されている複数のレンズ位置情報を前記通信手段により前記撮像装置へ通信する制御手段とを有するレンズユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−128785(P2009−128785A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306001(P2007−306001)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】