説明

撮影装置、撮影方法及びプログラム

【課題】立体撮影を行う際に、容易にブレの少ない3D画像を撮影可能にする。
【解決手段】撮影装置は、撮影した画像信号の信号処理を行う画像処理部13と、画像処理部13の入力画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部18と、入力画像の動きベクトルに基づいて撮影可否を判断する撮影可否判断部19と、立体撮影における一枚目画像及び二枚目画像の撮影制御を行うカメラ・レンズ制御部15と、一枚目画像の撮影時の一枚目画像情報を取得し、一枚目画像情報に基づいて撮影装置の静止状態検出用の閾値T1を算出して決定する閾値算出部21とを備え、撮影可否判断部19は、一枚目画像撮影後の移動量が所定の視差が得られる二枚目撮影場所の撮影可能位置に相当するものであって、動きベクトルが閾値T1以下である場合に、撮影装置の静止状態を判断して二枚目画像を撮影可能であると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視画像(3D画像)を撮影可能な撮影装置、撮影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3D画像を生成するための立体撮影の方法として、二つの撮影光学系を持つカメラによって左右用の二枚の画像を一度に撮影する方法(複眼3D撮影)と、一つの撮影光学系を持つカメラによって視差のある二枚の画像を連続して撮影する方法(単眼3D撮影)とがある。単眼3D撮影の場合、左用画像または右用画像の一方を撮影した後、水平方向にカメラを所定量移動させて他方の画像を撮影する。なお、所定量とは、視差に該当する。
【0003】
単眼3D撮影に関する従来技術としては、ユーザがカメラを水平方向に移動(パンニング)している間に連続して撮影動作を行い、両眼視差に最も近い位置で撮影された画像の中から、最も立体視画像に適した二枚組の画像を抽出し、左目側画像と右目側画像に振り分けて記録する撮影装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−103980号公報
【特許文献2】特許第3931393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単眼3D撮影では、従来は上記特許文献1のように、ユーザが撮影装置を水平方向に移動させている間に撮影した二枚の画像を用いて3D画像を生成していた。このため、移動中の撮影画像となり、例えば暗い場所での撮影や近景の撮影など、撮影条件によっては3D画像がブレることがあった。
【0006】
なお、一般の撮影装置としては、カメラ一体型ビデオレコーダにおいてパノラマ撮影を行う際に、撮影画像の動き検出結果を累積し、累積結果が所定の値を超えた後に静止を検出し、所定の時間以内に静止が検出されたら撮影を行うことによって、ブレの少ない画像を得るものがある(例えば特許文献2参照)。
【0007】
しかし、上記のパノラマ撮影の方法を単眼3D撮影に応用したとしても、ユーザが目標とする視差が得られる撮影位置において撮影装置を静止させなければならないため、撮影が難しいという課題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、立体撮影を行う際に、容易にブレの少ない3D画像を撮影可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮影装置は、所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置であって、前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出する動き検出部と、前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得する撮影条件取得部と、前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断する撮影可否判断部と、前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御する撮影制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、立体撮影を行う際に、容易にブレの少ない3D画像を撮影可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャート
【図3】(A)〜(C)は、第1の実施形態における撮影装置の操作説明及び画面表示の例を示した図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図
【図5】第2の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャート
【図6】静止状態検出用の閾値T1の設定例を示す図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図
【図8】第3の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャート
【図9】二枚目撮影場所判定用の閾値T2の設定例を示す図
【図10】(A)〜(C)は、第3の実施形態における撮影装置の操作説明及び画面表示の例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態では、撮影装置の一例として、デジタルスチルカメラ、携帯電話装置またはスマートフォン等のカメラ機能付き携帯端末など、静止画像の撮影機能を有する電子機器に適用した構成例を示す。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【0014】
撮影装置は、被写体を結像するレンズ部11と、レンズ部11にて結像した被写体像を撮像する撮影素子部12と、撮影素子部12にて撮像した画像の画像処理を行う画像処理部13とを備えている。また、撮影装置は、ユーザ操作による撮影指示を入力するシャッタボタン14と、シャッタボタン14からの撮影指示に従ってレンズ部11及び撮影素子部12を制御して撮影制御を行うカメラ・レンズ制御部15とを備えている。また、撮影装置は、画像データを記憶する記憶部16と、画像の表示を行うディスプレイ17とを備えている。
【0015】
レンズ部11は、一つまたは複数のレンズを有する撮影光学系であり、被写体像を撮影素子部12の撮像面にて合焦状態とするフォーカシングレンズを含んでいる。撮影素子部12は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等を有して構成され、撮像面の被写体像を光電変換して撮像画像の画像信号を出力する。
【0016】
画像処理部13は、画像信号の信号処理を行うシグナルプロセッサを有して構成され、撮像画像に対して明るさ調整、コントラスト調整、色補正、エッジ強調等の所定の画像処理を行う。カメラ・レンズ制御部15は、シャッタボタン14からの撮影指示に従って、撮影制御として、レンズ部11のフォーカシング制御、撮影素子部12のシャッタ制御等を行い、静止画の撮影を実行する。記憶部16は、揮発的もしくは不揮発的なメモリを有して構成され、撮影した静止画の撮影画像を記憶する。すなわち、記憶部16は、撮影した画像データを一時記憶する内蔵メモリ、撮影完了後の画像データを記録する内蔵メモリまたはメモリカードなどが相当する。このカメラ・レンズ制御部15が撮影制御部の機能を実現する。ディスプレイ17は、液晶ディスプレイ等により構成され、撮影動作前の被写体の動画像の入力画像(カメラスルー画像)、撮影動作後の静止画の入力画像(撮影画像)等を表示する。
【0017】
本実施形態の撮影装置は、単眼3D撮影による立体撮影を行う機能を有している。立体撮影を行う場合は、左用画像または右用画像の一方を任意の位置(一枚目撮影場所)にて撮影した後、ユーザが水平方向に撮影装置を所定量移動させ、所定の視差を有する位置(二枚目撮影場所)において、他方の画像を撮影する。
【0018】
また、本実施形態の撮影装置は、入力画像の動きベクトルを算出する動きベクトル算出部18と、入力画像の動きベクトルに基づいて撮影可否を判断する撮影可否判断部19とを備えている。
【0019】
動きベクトル算出部18は、静止画の撮影動作前において、被写体を映した動画像の入力画像(カメラスルー画像)の動きベクトルを算出し、画像の動きを検出する。本実施形態では、動きベクトル算出部18において、左用画像または右用画像の一枚目画像を撮影した後の撮影装置の動き量を検出することになる。この動きベクトル算出部18が動き検出部の機能を実現する。なお、動き検出部としては、入力画像の動きベクトルなどの画像の動きを検出するものに限らず、加速度センサなど、撮影装置自体の動きを検出するものを用いてもよい。
【0020】
撮影可否判断部19は、算出された入力画像の動きベクトルに基づいて、一枚目画像撮影後の移動量が所定の視差が得られる二枚目撮影場所の位置(撮影可能位置)に相当するものであって、動きベクトルが所定の閾値以下である場合に、二枚目画像の撮影可能と判断する。カメラ・レンズ制御部15は、撮影制御を行って一枚目画像の撮影を実行し、その後撮影可否判断部19により撮影可能と判断された場合、再度撮影制御を行って二枚目画像の撮影を実行する。
【0021】
カメラ・レンズ制御部15、動きベクトル算出部18、撮影可否判断部19は、各種情報処理を行うプロセッサ及びメモリ等を有して構成されるコンピュータ等からなる処理部において、所定のプログラムを実行することにより、各部の機能が実現される。
【0022】
次に、第1の実施形態における撮影装置の動作について説明する。図2は第1の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャートである。
【0023】
撮影装置が立体撮影の動作を開始すると、初めに、カメラ・レンズ制御部15は、シャッタボタン14の押下がなされたかを判定し、一枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS11)。ここで、シャッタボタン14が押下された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って一枚目画像を撮影する(ステップS12)。
【0024】
次に、動きベクトル算出部18は、画像処理部13からカメラスルー画像を取得する(ステップS13)。そして、動きベクトル算出部18は、二つのフレームの入力画像において、一つ前の画像とのフレーム間の動きベクトルV1を算出する(ステップS14)。そして、撮影可否判断部19は、算出された動きベクトルV1に基づいて、二枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS15)。この際、撮影可否判断部19は、一枚目画像の撮影時からの水平方向の累積移動距離が目標量であって、かつ、現在の動きベクトルV1の大きさが所定の閾値以下であるかを判断する。累積移動距離の目標量は、一枚目画像撮影場所から最適な立体視が可能な所定の視差が得られる二枚目撮影場所(撮影可能位置)までの距離に相当する。
【0025】
ステップS15において撮影可否判断部19により二枚目画像の撮影可能と判断された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って二枚目画像を撮影する(ステップS16)。撮影した一枚目画像及び二枚目画像は、それぞれ記憶部16に記憶しておく。そして、画像処理部13は、一枚目画像及び二枚目画像によって3D画像を生成し、記憶部16に記録する(ステップS17)。
【0026】
次に、第1の実施形態における、立体撮影時の撮影装置の操作とディスプレイ17の画面表示について説明する。図3(A)〜(C)は、第1の実施形態における撮影装置の操作説明及び画面表示の例を示した図である。本実施形態では、一枚目画像として左用画像を撮影した後、二枚目画像として右用画像を撮影するものとする。
【0027】
図3(A)に示すように、ユーザが撮影装置10を被写体に向けて構えて、一枚目撮影場所においてシャッタボタン14を押下して一枚目画像を撮影する。一枚目画像の撮影時にシャッタボタン14を押下すると、ディスプレイ17の表示画面50には、カメラスルー画像による被写体のプレビュー画像51とともに、二枚目撮影場所を示すガイダンス画像52が表示される。ガイダンス画像52は、水平方向に延出したバー表示の指標であり、現在の撮影場所の位置を示す現在位置マーク53と、二枚目撮影場所の位置を示す撮影位置マーク54とが示される。ガイダンス画像52は、所定の視差が得られる二枚目撮影場所までの距離に応じてバーの長さが変化する。ユーザは、二枚目画像を撮影するために、撮影装置10を水平右方向に移動(パン)させる。
【0028】
図3(B)に示すように、撮影装置10の水平方向の移動状況に応じて、表示画面50に表示されたガイダンス画像52のバー表示内の現在位置マーク53が右方向へ移動する。ユーザは、二枚目撮影場所の位置に撮影装置10が向くまで、撮影装置10をさらに水平右方向に移動(パン)させる。
【0029】
図3(C)に示すように、ユーザは、ガイダンス画像52を目安にして、現在位置マーク53が撮影位置マーク54に重なるように、撮影装置10を二枚目撮影場所の位置まで水平右方向に移動させ、静止させる。撮影装置10は、入力画像の動きベクトルV1に基づき、一枚目画像の撮影時からの水平方向の累積移動距離によって二枚目撮影場所まで移動したことを判定し、さらに、動きベクトルV1の大きさが所定の閾値以下でほぼ静止したことを判定する。撮影装置10は、上記二つの条件を満たす場合に、二枚目撮影場所で静止したと判断し、撮影制御を行って自動的に二枚目画像を撮影する。なお、1枚の動きベクトルV1だけではなく、時間軸上連続している複数のフレームにおける動きベクトルがすべて閾値以下になった場合に静止したと判定するようにしてもよい。
【0030】
なお、カメラ・レンズ制御部15は、二枚目画像を自動的に撮影せず、二枚目撮影場所でのユーザによるシャッタボタンの押下によって手動で撮影するような構成としてもよい。
【0031】
また、二枚目撮影場所をユーザに認識させるための撮影場所提示部は、上記のようなガイダンス画像の表示に限定されない。例えば、表示画面における表示としては、ガイダンス画像の他に、「右に動かしてください」「止めてください」などの文字または記号の表示などでもよい。
【0032】
また、撮影場所提示部は、音または音声による通知でもよい。例えば、「右に動かしてください」「止めてください」などのガイド音声を用いる、あるいは、ビープ音を用いることなどが考えられる。ビープ音を用いる場合、水平移動中は間欠のビープ音、二枚目撮影場所に入ると連続ビープ音としたり、水平移動中は低い音のビープ音、二枚目撮影場所に入ると高い音のビープ音などとすればよい。
【0033】
また、撮影場所提示部は、バイブレータ等の振動による通知でもよい。バイブレータを用いる場合、水平移動中はバイブレータが振動し、二枚目撮影場所に入ると振動が止まるなどとすればよい。また、撮影場所提示部は、ランプ等の光による通知でもよい。光を用いる場合、水平移動中はランプの点滅、二枚目撮影場所に入ると連続点灯などとすればよい。また、ランプの位置等によって、「右に動かしてください」の意味のランプと「止めてください」の意味のランプを設ける、などとしてもよい。
【0034】
このように、本実施形態によれば、二枚目画像の撮影は撮影装置が静止している状態で行うことができ、撮影画像が手ブレする可能性が低くなり、安定した3D画像が得られるようになる。また、動きベクトルが所定値以下の場合に静止を検出することによって、撮影装置を容易に静止状態として二枚目画像を撮影できる。したがって、容易にブレの少ない3D画像を撮影することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【0036】
第2の実施形態の撮影装置は、静止状態を判断するための動きベクトルの閾値を算出する閾値算出部21を備え、静止状態検出用の閾値を変更可能とした例である。その他の構成は第1の実施形態と同様であり、同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0037】
閾値算出部21は、カメラ・レンズ制御部15から一枚目画像の撮影時の撮影条件(一枚目画像情報)を取得し、この一枚目画像情報に基づいて撮影装置の静止状態検出用の閾値T1を算出して決定する。一枚目画像情報としては、例えば、一枚目画像の撮影時の測光結果、シャッタスピード・絞り値などによる明るさ情報を用いる。また、一枚目画像の撮影時のオートフォーカス(図示しない)により計測された被写体との距離を用いても良い。すなわち、閾値算出部21が入力画像の撮影条件を取得する撮影条件取得部の機能を実現する。なお、一枚目画像情報は、一枚目画像撮影後(二枚目画像撮影前)のプレビュー画像の情報を用いてもよい。
【0038】
撮影可否判断部19は、動きベクトル算出部18にて算出された入力画像の動きベクトルV1と閾値算出部21にて算出された閾値T1とを用いて、動きベクトルV1が所定の閾値T1以下である場合に、静止状態を検出して二枚目画像の撮影可能と判断する。一枚目画像情報として一枚目画像の明るさ情報を用いる場合、閾値算出部21は、画像の明るさに応じて、所定値よりも明るい場合は閾値T1を暗い場合よりも大きく設定する。そして、撮影可否判断部19は、一枚目画像が明るい場合は多少の動きがあっても静止と判断して二枚目画像の撮影を行う。
【0039】
次に、第2の実施形態における撮影装置の動作について説明する。図5は第2の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャートである。
【0040】
撮影装置が立体撮影の動作を開始すると、初めに、カメラ・レンズ制御部15は、シャッタボタン14の押下がなされたかを判定し、一枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS21)。ここで、シャッタボタン14が押下された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って一枚目画像を撮影する(ステップS22)。
【0041】
次に、閾値算出部21は、カメラ・レンズ制御部15から一枚目画像情報を取得し、一枚目画像情報に応じて撮影装置の静止状態検出用の閾値T1を決定する(ステップS23)。ここでは、一枚目画像の明るさ情報に基づいて、例えば所定値よりも明るくてシャッタスピードが短く設定できる場合は閾値T1を暗い場合よりも大きく設定する。
【0042】
図6は、静止状態検出用の閾値T1の設定例を示す図である。図の例では、一枚目画像の明るさ情報として、一枚目画像撮影時のシャッタスピードを用いている。シャッタスピードが1/100秒以下で画像が明るい場合、閾値T1を10ピクセルとする。シャッタスピードが1/100秒〜1/25秒の場合は、閾値T1を10ピクセルから4ピクセルまでシャッタスピードの長さに比例して徐々に小さくする。シャッタスピードが1/25秒以上で画像が暗い場合、閾値T1を4ピクセルとする。
【0043】
続いて、動きベクトル算出部18は、画像処理部13からカメラスルー画像を取得する(ステップS24)。そして、動きベクトル算出部18は、二つのフレームの入力画像において、一つ前の画像とのフレーム間の動きベクトルV1を算出する(ステップS25)。そして、撮影可否判断部19は、算出された動きベクトルV1と閾値T1に基づいて、二枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS26)。この際、撮影可否判断部19は、一枚目画像の撮影時からの水平方向の累積移動距離が目標量であって、かつ、現在の動きベクトルV1の大きさが所定の閾値T1以下であるかを判断する。
【0044】
ステップS26において撮影可否判断部19により二枚目画像の撮影可能と判断された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って二枚目画像を撮影する(ステップS27)。撮影した一枚目画像及び二枚目画像は、それぞれ記憶部16に記憶しておく。そして、画像処理部13は、一枚目画像及び二枚目画像によって3D画像を生成し、記憶部16に記録する(ステップS28)。
【0045】
以上、明るさ情報に基づいて説明したが、閾値算出部21は、明るさ情報だけではなく、オートフォーカスにより計測された被写体との距離に応じて閾値T1の設定を変更してもよい。例えば、所定値よりも遠い場合は閾値T1を近い場合よりも大きく設定する。そして、撮影可否判断部19は、一枚目画像が遠景の場合は多少の動きがあっても静止と判断して二枚目画像の撮影を行う。
【0046】
このように、本実施形態では、撮影装置の静止状態を判断する閾値を、撮影条件によって、すなわち一枚目画像または一枚目画像撮影後のプレビュー画像の情報によって、変化させる。これにより、撮影条件によっては、二枚目画像の撮影のために撮影装置を完全に静止させる必要が無くなるため、3D画像の撮影が容易になる。例えば、撮影画像が明るくシャッタスピードが短くてもよい場合や遠景を撮影する場合は、多少撮影装置が動いていても二枚目画像を撮影できるため、容易にブレの少ない3D画像を撮影することができる。
【0047】
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【0048】
第3の実施形態の撮影装置は、閾値算出部31の機能を変更した例であり、静止状態検出用の閾値T1とともに、二枚目撮影場所判定用の閾値T2を設定し、これらの閾値T1、T2を変更可能とした例である。その他の構成は第1及び第2の実施形態と同様であり、同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略し、第1及び第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0049】
閾値算出部31は、カメラ・レンズ制御部15から一枚目画像の撮影時の情報(一枚目画像情報)を取得し、この一枚目画像情報に基づいて撮影装置の静止状態検出用の閾値T1と、二枚目撮影場所判定用の閾値T2とを算出して決定する。一枚目画像情報として、閾値T1については、例えば、一枚目画像の撮影時の測光結果、シャッタスピードなどによる明るさ情報を用いる。また、閾値T2については、例えば、一枚目画像の撮影状況に応じて、適切な立体視が可能な目標の視差情報などを用いる。また、オートフォーカスにより計測された被写体との距離を用いても良い。
【0050】
3D画像の二枚の画像間の視差は、被写体の状況などによって変化させて設定することにより、被写体に関わらず適切な立体視が可能になる。例えば、被写体までの距離が近い場合は視差を小さくし、距離が遠い場合は視差を大きくすることで、自然な立体感が得られる。閾値T2は、目標とする視差の量に応じた二枚目画像の撮影可能位置の許容範囲を決定するものである。
【0051】
撮影可否判断部19は、動きベクトル算出部18にて算出された入力画像の動きベクトルV1と閾値算出部31にて算出された閾値T1、T2とを用いて、二枚目画像の撮影可否を判断する。この際、撮影可否判断部19は、一枚目画像撮影後の移動量が所定の視差が得られる二枚目撮影場所の位置に対して閾値T2の幅の範囲(撮影可能位置)にあり、動きベクトルV1が所定の閾値T1以下である場合に、二枚目画像の撮影可能と判断する。つまり、撮影可否判断部19は、二枚目撮影場所の許容範囲内での静止状態を検出することによって、二枚目画像の撮影可能と判断する。
【0052】
閾値T1算出用の一枚目画像情報として一枚目画像の明るさ情報を用いる場合、第2の実施形態と同様、閾値算出部31は、画像の明るさに応じて、所定値よりも明るい場合は閾値T1を暗い場合よりも大きく設定する。そして、撮影可否判断部19は、一枚目画像が明るい場合は多少の動きがあっても静止と判断して二枚目画像の撮影を行う。
【0053】
また、閾値T2算出用の一枚目画像情報として目標の視差情報を用いる場合、閾値算出部31は、目標とする視差に応じて、所定値よりも視差が小さい場合は閾値T2を小さくし、所定値よりも視差が大きい場合は閾値T2を大きく設定する。そして、撮影可否判断部19は、目標とする視差の大きさによって幅を変化させた距離の範囲を二枚目撮影場所と判断する。
【0054】
次に、第3の実施形態における撮影装置の動作について説明する。図8は第3の実施形態の撮影装置における立体撮影時の処理動作を示すフローチャートである。
【0055】
撮影装置が立体撮影の動作を開始すると、初めに、カメラ・レンズ制御部15は、シャッタボタン14の押下がなされたかを判定し、一枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS31)。ここで、シャッタボタン14が押下された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って一枚目画像を撮影する(ステップS32)。
【0056】
次に、閾値算出部31は、カメラ・レンズ制御部15から一枚目画像情報を取得し、一枚目画像情報に応じて撮影装置の静止状態検出用の閾値T1、及び二枚目撮影場所判定用の閾値T2を決定する(ステップS33)。閾値T1は、前述した第2の実施形態と同様、例えば図6に示す例のように設定する。閾値T2は、一枚目画像の撮影状況に応じて、例えば目標とする視差が小さい場合は閾値T2を小さくし、視差が大きい場合は閾値T2を大きく設定する。この場合、二枚目画像の撮影位置について、目標とする視差が大きい場合は比較的広い範囲を許容し、視差が小さい場合は狭い範囲のみ許容することで、最適視差の量に応じた適切な二枚目撮影位置の位置制御が可能となる。
【0057】
図9は、二枚目撮影場所判定用の閾値T2の設定例を示す図である。図の例では、一枚目画像の撮影状況情報として、一枚目画像に対する二枚目画像の目標とする視差の設定レベルを用いている。視差の設定レベルは、画像の横幅に対する一枚目画像と二枚目画像のずれ量の割合を%で示したものである。目標とする視差の設定レベルが5%以下の場合、閾値T2を5ピクセルとする。目標とする視差の設定レベルが5%〜10%の場合は、閾値T2を5ピクセルから10ピクセルまで視差の設定レベルに比例して徐々に大きくする。目標とする視差の設定レベルが10%〜20%の場合は、閾値T2を10ピクセルから30ピクセルまで視差の設定レベルに比例して徐々に大きくする。目標とする視差の設定レベルが20%以上の場合、閾値T2を30ピクセルとする。
【0058】
続いて、動きベクトル算出部18は、画像処理部13からカメラスルー画像を取得する(ステップS34)。そして、動きベクトル算出部18は、二つのフレームの入力画像において、一つ前の画像とのフレーム間の動きベクトルV1を算出する(ステップS35)。そして、撮影可否判断部19は、算出された動きベクトルV1と閾値T1、T2に基づいて、二枚目画像の撮影可否を判断する(ステップS36)。この際、撮影可否判断部19は、一枚目画像の撮影時からの水平方向の累積移動距離が目標量±T2の範囲であって、かつ、現在の動きベクトルV1の大きさが所定の閾値T1以下であるかを判断する。
【0059】
ステップS36において撮影可否判断部19により二枚目画像の撮影可能と判断された場合、カメラ・レンズ制御部15は、レンズ部11及び撮影素子部12の撮影制御を行って二枚目画像を撮影する(ステップS37)。撮影した一枚目画像及び二枚目画像は、それぞれ記憶部16に記憶しておく。そして、画像処理部13は、一枚目画像及び二枚目画像によって3D画像を生成し、記憶部16に記録する(ステップS38)。
【0060】
以上最適視差の量に応じて閾値T2を変更することを記載したが、閾値算出部31は、オートフォーカスのレンズを使用して計測した被写体との距離に応じて、閾値T2の設定を変更してもよい。例えば、被写体との距離が短い場合は閾値T2を小さくし、距離が長い場合は閾値T2を大きく設定する。この場合、二枚目画像の撮影位置について、目標とする距離が長い場合は比較的広い範囲を許容し、距離が短い場合は狭い範囲のみ許容することで、被写体との距離に応じた適切な二枚目撮影位置の位置制御が可能となる。
【0061】
次に、第3の実施形態における、立体撮影時の撮影装置の操作とディスプレイ17の画面表示について説明する。図10(A)〜(C)は、第3の実施形態における撮影装置の操作説明及び画面表示の例を示した図である。本実施形態では、一枚目画像として左用画像を撮影した後、二枚目画像として右用画像を撮影するものとする。
【0062】
図10(A)に示すように、ユーザが撮影装置10を被写体に向けて構えて、一枚目撮影場所においてシャッタボタン14を押下して一枚目画像を撮影する。一枚目画像の撮影時にシャッタボタン14を押下すると、ディスプレイ17の表示画面50には、カメラスルー画像による被写体のプレビュー画像51とともに、二枚目撮影場所を示すガイダンス画像62が表示される。ガイダンス画像62は、水平方向に延出したバー表示の指標であり、現在の撮影場所の位置を示す現在位置マーク63と、二枚目撮影場所として許容される位置の範囲を示す撮影位置ゾーン表示64とが示される。ガイダンス画像62は、所定の視差が得られる二枚目撮影場所の許容範囲までの距離に応じてバーの長さが変化する。ユーザは、二枚目画像を撮影するために、撮影装置10を水平右方向に移動(パン)させる。
【0063】
図10(B)に示すように、撮影装置10の水平方向の移動状況に応じて、表示画面50に表示されたガイダンス画像62のバー表示内の現在位置マーク63が右方向へ移動する。ユーザは、二枚目撮影場所の位置に撮影装置10が向くまで、撮影装置10をさらに水平右方向に移動(パン)させる。
【0064】
図10(C)に示すように、ユーザは、ガイダンス画像62を目安にして、現在位置マーク63が撮影位置ゾーン表示64内に入るように、撮影装置10を二枚目撮影場所の許容範囲Dまで水平右方向に移動させ、静止させる。撮影装置10は、入力画像の動きベクトルV1に基づき、一枚目画像の撮影時からの水平方向の累積移動距離によって二枚目撮影場所の許容範囲まで移動したことを判定し、さらに、動きベクトルV1の大きさが所定の閾値以下でほぼ静止したことを判定する。撮影装置10は、上記二つの条件を満たす場合に、二枚目撮影場所の範囲で静止したと判断し、撮影制御を行って自動的に二枚目画像を撮影する。
【0065】
このように、本実施形態によれば、二枚目撮影場所の許容範囲を設定し、最適な視差が得られる二枚目画像の撮影位置の前後に一定の余裕を設けることにより、ユーザが撮影装置を静止させるべき位置が多少ずれても撮影可能となる。このため、容易に所定の視差を持つブレの少ない3D画像を撮影することができる。また、二枚目撮影場所の許容範囲を、撮影状況によって変化させることにより、撮影条件によっては、撮影装置を静止させるべき二枚目画像の撮影位置の許容幅を広く取ることができるため、3D画像の撮影が容易になる。例えば、距離の近い被写体を撮影する場合は、視差を小さくして許容範囲を狭くし、距離の遠い被写体を撮影する場合は、視差を大きくして許容範囲を広くする。これにより、視差に対して敏感でない撮影条件においては二枚目撮影場所の余裕を大きくでき、3D画像の撮影が容易になる。
【0066】
本発明に係る実施形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置であって、前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出する動き検出部と、前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得する撮影条件取得部と、前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断する撮影可否判断部と、前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御する撮影制御部と、を備える撮影装置。
上記構成により、撮影装置の動き量と撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる二枚目撮影場所における撮影装置の静止状態を検出することによって、例えば撮影条件として明るさ情報を用いる場合、入力画像が明るい場合は動き量が所定量以下となった場合に静止状態と判断でき、容易に静止状態での二枚目画像の撮影が可能となる。このため、立体撮影を行う際に、容易にブレの少ない3D画像を撮影することが可能になる。
【0067】
上記の撮影装置であって、前記撮影可否判断部は、前記撮影装置の動き量が、前記撮影条件に応じて設定した静止状態検出用の閾値以下となった場合に、撮影装置が静止状態であることを判断する、撮影装置。
上記構成により、撮影条件に応じて設定した静止状態検出用の閾値を用いて、撮影装置の静止状態の判断が可能であり、容易に静止状態での二枚目画像の撮影ができるようになる。
【0068】
上記の撮影装置であって、前記撮影条件とは、前記入力画像の明るさ情報である撮影装置。
上記構成により、撮影装置の動き量と入力画像の明るさ情報に応じて、例えば入力画像が明るい場合は動き量が所定量以下となった場合に静止状態と判断でき、容易に静止状態での二枚目画像の撮影が可能となる。
【0069】
上記の撮影装置であって、前記明るさ情報に応じて前記静止状態検出用の閾値を算出する閾値算出部を備え、前記閾値算出部は、前記明るさ情報が所定値より明るい場合は、前記所定値より暗い場合に比べて前記静止状態検出用の閾値を大きくする、撮影装置。
上記構成により、入力画像が所定値より明るい場合は静止状態検出用の閾値を大きくすることによって、画像が明るいときは多少の動きがあっても静止状態であると判断でき、容易に二枚目画像の撮影が可能となる。
【0070】
上記の撮影装置であって、前記撮影条件とは、撮影時の前記被写体との距離である撮影装置。
上記構成により、撮影装置の動き量と被写体との距離に応じて、例えば被写体との距離が大きい場合は動き量が所定量以下となった場合に静止状態と判断でき、容易に静止状態での二枚目画像の撮影が可能となる。
【0071】
上記の撮影装置であって、前記被写体との距離に応じて前記静止状態検出用の閾値を算出する閾値算出部を備え、前記閾値算出部は、前記距離が所定値より大きい場合は、前記所定値より小さい場合に比べて前記静止状態検出用の閾値を大きくする、撮影装置。
上記構成により、被写体との距離が所定値より大きい場合は静止状態検出用の閾値を大きくすることによって、遠景撮影の場合は多少の動きがあっても静止状態であると判断でき、容易に二枚目画像の撮影が可能となる。
【0072】
上記の撮影装置であって、前記撮影可否判断部は、前記撮影装置の動き量に基づき、前記一枚目画像の撮影位置からの移動量が所定量となった場合に、前記所定の視差が得られる二枚目画像の撮影可能位置にあることを判断する、撮影装置。
上記構成により、撮影装置の動き量に基づいて、所定の視差が得られる二枚目撮影場所の位置を判断することが可能となる。
【0073】
上記の撮影装置であって、前記撮影可否判断部は、前記一枚目画像の撮影位置からの移動量が所定の許容範囲内となった場合に、前記所定の視差が得られる二枚目画像の撮影可能位置にあることを判断する、撮影装置。
上記構成により、一枚目画像の撮影位置からの移動量が所定の許容範囲内となった場合に二枚目画像の撮影可能位置であると判断でき、容易に所定の視差が得られる二枚目画像の撮影が可能となる。
【0074】
上記の撮影装置であって、前記移動量の許容範囲を決定する二枚目撮影場所判定用の閾値を算出する閾値算出部を備え、前記閾値算出部は、前記所定の視差として設定する立体視に適した最適視差の量に応じて、前記二枚目撮影場所判定用の閾値を変化させる、撮影装置。
上記構成により、最適視差の量に応じて変化させるように設定した二枚目撮影場所判定用の閾値を用いて、二枚目撮影場所の位置判断が可能であり、容易に所定の視差が得られる二枚目画像の撮影が可能となる。
【0075】
上記の撮影装置であって、前記閾値算出部は、前記最適視差が所定量より大きい場合は、前記所定量より小さい場合に比べて前記二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくする、撮影装置。
上記構成により、最適視差が所定量より大きい場合は二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくすることによって、例えば被写体までの距離等に応じた最適視差が大きくなるときはある程度の幅をもたせた視差の範囲で二枚目画像を撮影できるため、容易に二枚目画像の撮影が可能となる。
【0076】
上記の撮影装置であって、前記移動量の許容範囲を決定する二枚目撮影場所判定用の閾値を算出する閾値算出部を備え、前記閾値算出部は、前記撮影条件としての撮影時の前記被写体までの距離に応じて、前記二枚目撮影場所判定用の閾値を変化させる、撮影装置。
上記構成により、被写体までの距離に応じて変化させるように設定した二枚目撮影場所判定用の閾値を用いて、二枚目撮影場所の位置判断が可能であり、容易に所定の視差が得られる二枚目画像の撮影が可能となる。
【0077】
上記の撮影装置であって、前記閾値算出部は、前記被写体までの距離が所定量より大きい場合は、前記所定量より小さい場合に比べて前記二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくする、撮影装置。
上記構成により、被写体までの距離が所定量より大きい場合は二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくすることによって、遠景撮影時に最適視差が大きくなる場合にある程度の幅をもたせた視差の範囲で二枚目画像を撮影できるため、容易に二枚目画像の撮影が可能となる。
【0078】
上記の撮影装置であって、前記二枚目画像を撮影可能な撮影場所を提示する撮影場所提示部を、さらに備える撮影装置。
上記構成により、二枚目画像の撮影場所を提示することによって、ユーザが容易に二枚目画像を撮影可能な撮影場所を認識し、その場所に撮影装置を合わせるように移動させて二枚目画像の撮影を行うことができる。
【0079】
上記の撮影装置であって、前記撮影場所提示部は、画像、音、音声、振動、光のうちの少なくとも一つによって前記二枚目画像の撮影場所を通知するものである、撮影装置。
上記構成により、画像、音、音声、振動、光などを用いて二枚目画像の撮影場所を提示することによって、ユーザが容易に二枚目画像を撮影可能な撮影場所を認識可能となる。
【0080】
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置における撮影方法であって、前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出するステップと、前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得するステップと、前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断するステップと、前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御するステップと、を有する撮影方法。
【0081】
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置において、前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出するステップと、前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得するステップと、前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断するステップと、前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【0082】
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、立体撮影を行う際に、容易にブレの少ない3D画像を撮影することができる効果を有し、例えばデジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯端末などにおいて立体視画像の撮影機能を設けた撮影装置等として有用である。
【符号の説明】
【0084】
10 撮影装置
11 レンズ部
12 撮影素子部
13 画像処理部
14 シャッタボタン
15 カメラ・レンズ制御部
16 記憶部
17 ディスプレイ
18 動きベクトル算出部
19 撮影可否判断部
21、31 閾値算出部
50 表示画面
51 プレビュー画像
52、62 ガイダンス画像
53、63 現在位置マーク
54 撮影位置マーク
64 撮影位置ゾーン表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置であって、
前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出する動き検出部と、
前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得する撮影条件取得部と、
前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断する撮影可否判断部と、
前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御する撮影制御部と、
を備える撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影装置であって、
前記撮影可否判断部は、前記撮影装置の動き量が、前記撮影条件に応じて設定した静止状態検出用の閾値以下となった場合に、撮影装置が静止状態であることを判断する、撮影装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影装置であって、
前記撮影条件とは、前記入力画像の明るさ情報であることを特徴とする撮影装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影装置であって、
前記明るさ情報に応じて前記静止状態検出用の閾値を算出する閾値算出部を備え、
前記閾値算出部は、前記明るさ情報が所定値より明るい場合は、前記所定値より暗い場合に比べて前記静止状態検出用の閾値を大きくする、撮影装置。
【請求項5】
請求項2に記載の撮影装置であって、
前記撮影条件とは、撮影時の前記被写体との距離であることを特徴とする撮影装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮影装置であって、
前記被写体との距離に応じて前記静止状態検出用の閾値を算出する閾値算出部を備え、
前記閾値算出部は、前記距離が所定値より大きい場合は、前記所定値より小さい場合に比べて前記静止状態検出用の閾値を大きくする、撮影装置。
【請求項7】
請求項1に記載の撮影装置であって、
前記撮影可否判断部は、前記撮影装置の動き量に基づき、前記一枚目画像の撮影位置からの移動量が所定量となった場合に、前記所定の視差が得られる二枚目画像の撮影可能位置にあることを判断する、撮影装置。
【請求項8】
請求項7に記載の撮影装置であって、
前記撮影可否判断部は、前記一枚目画像の撮影位置からの移動量が所定の許容範囲内となった場合に、前記所定の視差が得られる二枚目画像の撮影可能位置にあることを判断する、撮影装置。
【請求項9】
請求項8に記載の撮影装置であって、
前記移動量の許容範囲を決定する二枚目撮影場所判定用の閾値を算出する閾値算出部を備え、
前記閾値算出部は、前記所定の視差として設定する立体視に適した最適視差の量に応じて、前記二枚目撮影場所判定用の閾値を変化させる、撮影装置。
【請求項10】
請求項9に記載の撮影装置であって、
前記閾値算出部は、前記最適視差が所定量より大きい場合は、前記所定量より小さい場合に比べて前記二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくする、撮影装置。
【請求項11】
請求項8に記載の撮影装置であって、
前記移動量の許容範囲を決定する二枚目撮影場所判定用の閾値を算出する閾値算出部を備え、
前記閾値算出部は、前記撮影条件としての撮影時の前記被写体までの距離に応じて、前記二枚目撮影場所判定用の閾値を変化させる、撮影装置。
【請求項12】
請求項11に記載の撮影装置であって、
前記閾値算出部は、前記被写体までの距離が所定量より大きい場合は、前記所定量より小さい場合に比べて前記二枚目撮影場所判定用の閾値を大きくする、撮影装置。
【請求項13】
請求項1に記載の撮影装置であって、
前記二枚目画像を撮影可能な撮影場所を提示する撮影場所提示部を、さらに備える撮影装置。
【請求項14】
請求項13に記載の撮影装置であって、
前記撮影場所提示部は、画像、音、音声、振動、光のうちの少なくとも一つによって前記二枚目画像の撮影場所を通知するものである、撮影装置。
【請求項15】
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置における撮影方法であって、
前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出するステップと、
前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得するステップと、
前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断するステップと、
前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御するステップと、
を有する撮影方法。
【請求項16】
所定の視差を有する二枚の画像を撮影する立体撮影を行う撮影装置において、
前記立体撮影における一枚目画像の撮影後の撮影装置の動きを検出するステップと、
前記一枚目画像の撮影時または撮影後の入力画像の撮影条件を取得するステップと、
前記撮影装置の動き量と前記撮影条件とに応じて、所定の視差が得られる位置における撮影装置の静止状態を検出し、前記立体撮影における二枚目画像の撮影可否を判断するステップと、
前記一枚目画像及び前記二枚目画像の撮影を制御するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−189944(P2012−189944A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55308(P2011−55308)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】