説明

映像再生装置及び映像再生プログラム

【課題】映像情報に含まれる音声情報に関連する内容の資料情報を映像情報とともに再生する映像再生装置及び映像再生プログラムを提供する。
【解決手段】映像再生装置1Aは、映像情報に含まれる音声情報から語彙を抽出する語彙抽出手段102と、語彙抽出手段102が抽出した語彙に基づいて当該語彙に関連する内容を有する資料情報を読み出す資料情報読出手段104と、映像情報を再生することで表示される映像のうち、語彙が抽出された音声情報の再生時刻の映像と、資料情報読出手段104に読み出された資料情報を再生することで表示される資料とを合成して合成映像を生成する合成映像生成手段105とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置及び映像再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像情報又は音声情報の内容に関連する資料情報を出力する技術が提案されている。
【0003】
これに関連する技術として、特許文献1には、映像情報又は音声情報から単語を抽出して記憶手段に一定時間蓄積し、記憶手段に蓄積された単語から視聴者の操作に応じてある単語が選択されると、選択された単語についてアプリケーション等によって関連する資料を検索させて、映像情報又は音声情報とともに資料を映像又は音声によって再生する映像再生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−294253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、映像情報に含まれる音声情報に関連する内容の資料情報を映像情報とともに再生する映像再生装置及び映像再生プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]コンピュータを、映像情報に含まれる音声情報から語彙を抽出する抽出手段と、前記語彙抽出手段が抽出した語彙に基づいて当該語彙に関連する内容を有する資料情報を読み出す読出手段と、前記映像情報を再生することで表示される映像のうち、前記語彙が抽出された前記音声情報の再生時刻の映像と、前記読出手段に読み出された前記資料情報を再生することで表示される資料とを合成する合成手段として機能させるための映像再生プログラム。
【0007】
[2]前記読出手段は、前記資料情報に関連付けられた情報が予め定めた条件を満たす場合に、当該資料情報を読み出す前記[1]に記載の映像再生プログラム。
【0008】
[3]前記映像情報を視聴する視聴者を識別する識別手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記読出手段は、前記識別された視聴者毎に予め定められた条件に基づいて当該条件を満たす資料情報を読み出す前記[2]に記載の映像再生プログラム。
【0009】
[4]前記合成手段は、前記映像情報の再生時刻について予め定めた時間中に、前記読出手段に読み出された資料情報の数が予め定めた数を超える場合、前記読み出された資料情報を表示し終えるまで前記映像情報の再生を一時停止する前記[1]に記載の映像再生プログラム。
【0010】
[5]前記読出手段が読出した前記資料情報を資料候補として表示する資料候補表示手段と、視聴者の要求に応じて前記資料候補表示手段によって表示された前記資料候補から使用する資料情報を選択する選択手段として前記コンピュータをさらに機能させる前記[1]に記載の映像再生プログラム。
【0011】
[6]映像情報に含まれる音声情報から語彙を抽出する抽出手段と、前記語彙抽出手段が抽出した語彙に基づいて当該語彙に関連する内容を有する資料情報を読み出す読出手段と、前記映像情報を再生することで表示される映像のうち、前記語彙が抽出された前記音声情報の再生時刻の映像と、前記読出手段に読み出された前記資料情報を再生することで表示される資料とを合成する合成手段とを有する映像再生装置。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び6に係る発明によれば、映像情報に含まれる音声情報に関連する内容の資料情報を映像情報とともに再生することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、映像情報に含まれる音声情報に関連する内容の資料情報のうち、予め定めた条件を満たすものを映像情報とともに再生することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、視聴者を識別して、映像情報に含まれる音声情報に関連する内容の資料情報のうち、視聴者毎に予め定められた条件を満たすものを映像情報とともに再生することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、読み出された資料情報が予め定めた数を超える場合、映像情報の再生を一時停止して資料情報を表示することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、読み出された資料情報から視聴者の要求する資料情報を選択して映像情報とともに再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る映像再生システムの構成例を示す概略図である。
【図2】図2は、映像再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、資料情報DBに格納される資料管理テーブルの一例を示す概略図である。
【図4】図4は、映像再生装置の動作の一例を示す概略図である。
【図5】図5は、映像再生装置の動作の変形例を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る映像再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は、記憶部に格納される個人用資料設定情報の一例を示す概略図である。
【図8】図8は、映像再生装置の動作の一例を示す概略図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る映像再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】図10は、映像再生装置の動作の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
(映像再生システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る映像再生システムの構成例を示す概略図である。
【0019】
この映像再生システム5は、映像再生装置1Aと、映像情報データベースサーバ(DB)2と、資料情報DB3とをネットワーク4によって互いに通信可能に接続することで構成される。
【0020】
映像再生装置1Aは、情報を処理するための機能を備えたCPU(Central Processing Unit)や記憶部等の電子部品を備え、映像情報DB2の映像情報20及び資料情報DB3の資料情報30を再生する情報処理装置である。また、映像再生装置1Aは、画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示部12と、操作に応じた操作信号を発するキーボード、マウス、タッチパッド等の操作部13とを備える。なお、映像再生装置1Aは、例えば、パーソナルコンピュータであり、その他にPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等を用いることもできる。
【0021】
映像情報DB2は、映像を再生表示するためのMPEG(Moving Picture Experts Group)やVOB(Video Objact)形式等の動画データである映像情報20を格納する。
【0022】
資料情報DB3は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像情報やリッチテキストやHTML(Hyper Text Markup Language)等の文書情報、MPEGやVOB等の動画データの資料情報30と、資料情報30に予め設定される属性を示す資料管理テーブル31とを格納する。
【0023】
ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)、インターネット等の通信網であり、有線、無線は問わない。
【0024】
(映像再生装置の構成)
図2は、映像再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0025】
映像再生装置1Aは、CPU等から構成され各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって情報を記憶する記憶部11と、液晶ディスプレイ等であって文字や画像を表示する表示部12と、キーボードやマウス等であって操作に応じた操作信号を発する操作部13とを備える。
【0026】
なお、映像再生装置1Aは、例えば、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話等の電子機器であるが、表示部12や操作部13を備えないサーバ装置のようなものでもよく、その場合はネットワーク等により接続された端末装置の操作部や表示部がそれらの機能を代替する。
【0027】
制御部10は、後述する映像再生プログラム110を実行することで、映像読出手段100、音声抽出手段101、語彙抽出手段102、読出語彙選択手段103、資料情報読出手段104及び合成映像生成手段105等として機能する。
【0028】
映像読出手段100は、利用者の映像再生要求に応じて映像情報DB2から映像情報20を予め定めた再生時間毎に読み出す。
【0029】
音声抽出手段101は、映像読出手段100が読み出したある再生時刻区間の映像情報20から音声情報を抽出する。
【0030】
語彙抽出手段102は、音声抽出手段101が抽出した音声情報を、例えば、テキスト情報等に変換し、テキスト情報から自立語等の語彙を抽出する。
【0031】
読出語彙選択手段103は、映像再生装置1Aを利用する視聴者の情報や映像情報20の内容等に基づいて条件を定め、語彙抽出手段102が抽出した語彙から条件に合致する語彙を選択する。
【0032】
資料情報読出手段104は、読出語彙選択手段103が選択した語彙及び資料管理テーブル31に基づいて資料情報DB3から資料情報30を読み出す。
【0033】
合成映像生成手段105は、映像読出手段100が読み出した映像情報20と資料情報読出手段104が読み出した資料情報30とを合成して合成映像を生成して表示用バッファ12Aに出力する。
【0034】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100〜105として動作させる映像再生プログラム110を記憶する。
【0035】
図3は、資料情報DB3に格納される資料管理テーブル31の一例を示す概略図である。
【0036】
資料管理テーブル31は、資料情報30の識別子を示す資料ID欄31aと、資料情報30の見出しとなる語彙を示す資料見出欄31bと、資料情報30の格納先を示す資料パス欄31cと、資料情報30に設定された難易度や頻出度等のレベルを示す資料レベル欄31dと、複数の資料情報30が同時に読み出された場合に表示する優先度を示す優先度欄31eと、同一の映像情報20中で資料情報30が再度読み出された場合に表示しない時間間隔を示す再表示間隔欄31fと、再表示する際の資料情報30の内容に対する省略の有無等の対応を示す再表示内容欄31gとを有する。
【0037】
(第1の実施の形態の映像再生装置の動作)
以下に、映像再生装置1Aの動作例を図1〜図5を参照しつつ、(1)基本動作、(2)資料情報読出動作、(3)再生動作に分けて説明する。
【0038】
(1)基本動作
まず、視聴者は、映像再生装置1Aの操作部13を操作して、映像情報20の再生を指示する。操作部13は、映像情報20の再生を指示する操作信号を制御部10に出力する。
【0039】
映像再生装置1Aの制御部10が操作部13から操作信号を受け付けると、映像読出手段100は、映像情報20を読み出す。
【0040】
(2)資料情報読出動作
図4は、映像再生装置1Aの動作の一例を示す概略図である。
【0041】
映像200a、200b、200c…は、それぞれ再生時刻「00:01:00」、「00:03:02」、「00:07:00」から映像読出手段100によって予め定めた再生時刻の区間だけ読み出された映像情報である。
【0042】
また、音声抽出手段101は、映像読出手段100が読み出した映像200a、200b、200cから音声201a、201b、201c…を読み出す。
【0043】
次に、語彙抽出手段102は、音声201a、201b、201c…をテキスト化し、例えば、音声201aから自立語である語彙210a、211aを、音声201bから語彙210b、211b、212bを、音声201cから語彙210c、211cを抽出する。なお、語彙抽出手段102が抽出する語彙は、自立語に限らず設計者又は視聴者が予め定めた条件を満たすものを抽出してもよい。
【0044】
次に、読出語彙選択手段103は、語彙抽出手段102が抽出した語彙210a、211a、210b、211b、212bから、例えば、映像情報20の内容等に基づいて条件を定め、条件に合致する語彙を選択する。図4に示す例においては、語彙211a、210b、211b、212b、211cが選択され、他は選択されない。これは、例えば、「年号は無視する」、「名詞を選択する」といったような条件によって選択される。なお、読出語彙選択手段103は、設計者又は視聴者が予め定めた他の条件で選択してもよい。
【0045】
次に、資料情報読出手段104は、読出語彙選択手段103が選択した語彙211aが、図3に示す資料管理テーブル31の資料見出欄31bの「ルイ15世」に一致するため、資料パス欄31cに示すパス「A001.txt」に格納される資料300aを資料情報DB3から読み出す。
【0046】
また、資料情報読出手段104は、読出語彙選択手段103が選択した語彙210b、211b、212bが、資料管理テーブル31の資料見出欄31bに一致するが、「ルイ15世」の語彙210bについては、再表示間隔欄31fが「00:15:00」であるため、前回表示された資料300aの再生時刻が「00:01:00」であり、15分以内という条件を満たさず資料は読み出されない。また、資料情報読出手段104は、語彙211b、212bに基づいて資料300b、301bを読み出す。
【0047】
また、資料情報読出手段104は、読出語彙選択手段103が選択した語彙211cが、資料管理テーブル31の資料見出欄31bの「人口増加」に一致するため、資料パス欄31cに示すパス「A004.jpg」に格納される資料300cを資料情報DB3から読み出す。
【0048】
なお、以上に説明した資料300a、300b、301b、300cは、資料管理テーブル31の優先度欄31eの数値の大きいものから優先的に表示される。また、資料が再表示される場合であって、再表示間隔欄31fの条件を満たす資料は、再表示内容欄31gが「オリジナル」の場合は前回表示した資料を再度表示するが、「省略」と記載されている場合は併記されたパスの省略バージョンの資料情報を読み出して表示する。
【0049】
次に、合成映像生成手段105は、映像200aと資料300a、映像200bと資料300b及び301b、映像200cと資料300cを合成して合成映像120a、120b、120c…を生成し、表示用バッファ12Aに出力する。
【0050】
以上に説明した(2)資料情報読出動作は、映像情報20の再生時刻について予め定めた時間毎、例えば、3〜10秒毎に繰り返し行う。また、音声情報を先に抽出し、音声の区切れる無音部分毎に映像情報20を読み出してもよい。
【0051】
(3)再生動作
表示用バッファ12Aに予め定めた時間分の合成映像が蓄積されると、表示部12に合成映像が表示される。
【0052】
[変形例]
合成映像生成手段105は、(2)資料情報読出動作を実行する予め定めた時間内において語彙が複数選択され、語彙に該当する資料が合成映像中に一度に表示しきれない場合に、例えば以下のように動作する。
【0053】
図5は、映像再生装置1Aの動作の変形例を示す概略図である。
【0054】
音声抽出手段101によって抽出された音声201dから、語彙抽出手段102によって語彙210d〜214dが抽出され、読出語彙選択手段103によってすべての語彙が選択された場合、資料情報読出手段104は、資料300d〜304dを読み出す。
【0055】
合成映像生成手段105は、資料300d〜304dのすべてを一度に映像200dと合成できないと判断した場合、例えば、予め定めた数以上の資料が読み出された場合、合成可能な資料の数以下の任意の数、例えば、1つの資料300dを映像200dに合成して合成映像120dを生成し、残りの資料301d〜304dのみで合成映像121dを生成する。
【0056】
これらの合成映像120d、121dは、表示用バッファ12Aに出力され、再生されて表示部12に表示されるが、合成映像121dの表示中は映像200の再生は一時停止され、合成映像121dを予め定めた時間表示した後に、再び映像200dの次の映像200eから再生される。
【0057】
なお、表示しきれない資料情報30が読み出されたタイミングに限らず、映像情報20の区切りの良いタイミング、例えば、音声が途切れるタイミングや映像のシーン切り替えのタイミング等において映像情報20を一時停止して、読み出された資料301d〜304dを含む合成映像121dを表示してもよい。ただし、資料情報30が読み出されたタイミングから予め定めた時間以内において表示するものとする。
【0058】
また、映像200e以降の映像において、語彙が抽出されない時間がある場合は、映像200dの再生を一時停止せずに資料301d〜304dを映像200e以降の映像とともに順次合成してもよい。
【0059】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る映像再生装置の構成例を示すブロック図である。なお、第2の実施の形態は、映像情報20を視聴する視聴者を識別する点及び視聴者が書込みを行える点で第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態の映像再生装置1Aと異なる構成について説明する。
【0060】
映像再生装置1Bの制御部10は、映像再生プログラム111を実行することで、手段100〜105に加えて視聴者識別手段106及び資料書込手段107として機能する。
【0061】
視聴者識別手段106は、例えば、映像再生装置1Bで映像を視聴する視聴者に対して視聴者ID及びパスワード等の情報の入力を要求し、入力された内容に応じて視聴者を識別する。
【0062】
資料書込手段107は、表示部12に合成映像とともに表示されるメモ用の書込用領域に、視聴者によって書き込まれた内容を後述する書込用資料情報113として記憶部11に格納する。
【0063】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100〜107として動作させる映像再生プログラム111、資料情報読出手段104が資料を読み出す際の条件が設定される個人用資料設定情報112及び視聴者の書込みに基づいて資料書込手段107によって生成される書込用資料情報113等を記憶する。
【0064】
図7は、記憶部11に格納される個人用資料設定情報112の一例を示す概略図である。
【0065】
個人用資料設定情報112は、映像再生装置1Bを利用中の視聴者毎に用意される情報であって、資料情報読出手段104が読み出す資料の識別子を示す使用資料ID欄112、図3に示す資料管理テーブル31の資料レベル欄31dに対応して使用する資料のレベルを示す使用資料レベル欄112b、資料管理テーブル31の優先度欄31eに対応して使用する資料の優先度の閾値を示す使用優先度欄112c、資料管理テーブル31の再表示間隔欄31fの値に代えて強制的に設定される再表示間隔欄112d及び資料管理テーブル31の再表示内容欄31gの値に代えて強制的に設定される再表示内容欄112eを有する。
【0066】
(第2の実施の形態の映像再生装置の動作)
まず、視聴者識別手段106は、視聴者に視聴者ID及びパスワード等の入力を要求し、視聴者を識別した後、資料情報読出手段104は、識別した視聴者に対応する個人用資料設定情報112を参照する。
【0067】
第2の実施の形態において、資料情報読出手段104は、(2)資料情報読出動作において、資料情報30を読み出す際に図7の個人用資料設定情報112を参照し、個人用資料設定情報112の各欄112a〜112eの内容に基づいて資料情報30を読み出す。
【0068】
図7に示す例においては、資料情報読出手段104は、使用資料ID欄112aの内容に従って資料のIDが「001〜101、501〜705」のみ読み出し、他のIDの資料は読み出さない。また、使用資料レベル欄112bに従って資料管理テーブル31の資料レベル欄31dが「中」又は「下」に設定されている資料のみ用い、資料ID欄31aが「005」の資料については用いない。また、使用優先度欄112cに基づいて資料管理テーブル31の優先度欄31eが「50」以上に設定されている資料のみ用い、資料ID欄31aが「005」の資料については用いない。
【0069】
また、再表示間隔欄112dの内容は、資料管理テーブル31の再表示間隔欄31fの値に代えて強制的に設定されるものであり、再表示間隔はすべて「00:01:00」に設定される。また、再表示内容欄112eの内容は、資料管理テーブル31の再表示内容欄31gの値に代えて強制的に設定されるものであり、再表示内容はすべて省略用の資料が用いられる。なお、省略用の資料が存在しない場合はオリジナルを用いる。
【0070】
図8は、映像再生装置1Bの動作の一例を示す概略図である。
【0071】
表示部12に表示される合成映像120fは、映像200fと、映像200fの音声情報から読み出された資料300fと、操作部13の出力する操作信号に応じて文字等を書き込む書込用領域350fと、操作部13の出力する操作信号に応じて移動及び決定を実行するカーソル130とを有する。
【0072】
資料書込手段107は、合成映像120f中に書込用領域350fを表示し、操作部13の出力する操作信号に応じて書込用領域350fに書き込まれた内容を視聴者識別手段106が識別した視聴者に関連付けて書込用資料情報113として生成し、記憶部11に格納する。
【0073】
また、資料書込手段107は、カーソル130によって指示されて選択された資料300fを書込用資料情報113の書き込まれた内容及び映像情報20の再生時刻に関連付けて記録してもよい。
【0074】
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る映像再生装置の構成例を示すブロック図である。なお、第3の実施の形態は、資料情報読出手段104が読み出した資料情報から視聴者が表示したい資料を選択できる点、映像情報20に資料情報30を合成した合成映像を表示部12に直接表示せずに、編集済映像情報として生成し、記憶部11に格納する点で第1の実施の形態と異なる。
【0075】
映像再生装置1Cの制御部10は、映像再生プログラム114を実行することで、手段100〜105に加えて資料候補表示手段108及び資料情報選択手段109として機能する。
【0076】
資料候補表示手段108は、資料情報読出手段104が読み出した複数の資料を表示する資料の候補として後述する候補表示画面に表示する。
【0077】
資料情報選択手段109は、操作部13の出力する操作信号に応じて、資料候補表示手段108が表示する候補表示画面の資料情報から使用する資料情報を選択する。
【0078】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100〜105、108及び109として動作させる映像再生プログラム114及び資料情報選択手段109が選択した資料と映像とを合成映像生成手段105によって合成することで生成される合成映像を含む編集済映像情報115等を記憶する。
【0079】
(第3の実施の形態の映像再生装置の動作)
図10は、映像再生装置1Cの動作の一例を示す概略図である。
【0080】
映像200g、200h…は、再生時刻が「00:01:00」、「00:05:00」の映像であって、映像読出手段100によって読み出された映像情報20の内容を代表して示している。
【0081】
また、音声抽出手段101は、映像読出手段100が映像200g、200h…読み出すと同時に、映像情報20から音声201g、201h…を読み出す。
【0082】
次に、語彙抽出手段102は、音声201g、201h…をテキスト化し、例えば、音声201gから語彙210gを、音声201hから語彙210hを抽出する。
【0083】
次に、資料情報読出手段104は、資料管理テーブル31の資料見出欄31bから語彙210g及び210hに一致する資料300g〜301g及び資料300h〜301hのすべてを、資料パス欄31cに示すパスを参照して資料情報DB3から読み出す。
【0084】
次に、資料候補表示手段108は、資料情報読出手段104が読出した資料300g〜301g及び資料300h〜301hをそれぞれ候補表示画面125g及び125hに表示する。
【0085】
次に、資料情報選択手段109は、資料候補表示手段108が表示した候補表示画面125g及び125hから操作部13の出力する操作信号に基づいてカーソル125g及び125hを移動し、カーソル125g及び125hによって選択された資料を合成映像生成手段105に出力する。図10に示す例では、候補表示画面125gにおいて資料301gが選択され、候補表示画面125hにおいて資料300h、301h、302hが選択される。
【0086】
次に、合成映像生成手段105は、映像200gと資料301gを合成して合成映像120gとし、また、映像200hを単独で合成映像120hとして、資料300h、301h及び302hから合成映像120iを生成し、すべての映像について同様の処理を行い編集済映像情報115を生成する。
【0087】
なお、本実施の形態において資料情報30は、画像、映像、HTML等の文書に限らず、例えば、映像200g、200h…に対する画質補正処理であったり、映像のシーン切り替えをつなぐ映像効果等であってもよい。
【0088】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、映像を伴わない音声情報のみからなる情報から本発明により資料情報を読み出し、音声情報の再生に同期して資料情報を表示部に表示してもよい。
【0089】
また、上記映像再生プログラム110、111及び114をCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供することも可能であり、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ装置等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。また、映像読出手段100、音声抽出手段101、語彙抽出手段102、読出語彙選択手段103、資料情報読出手段104、合成映像生成手段105、視聴者識別手段106、資料書込手段107、資料候補表示手段108及び資料情報選択手段109の一部又は全部をASIC等のハードウェアによって実現してもよい。なお、上記実施の形態の動作説明で示した各ステップは、順序の変更、ステップの省略、追加が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1A…映像再生装置、1B…映像再生装置、1C…映像再生装置、2…映像情報DB、3…資料情報DB、4…ネットワーク、5…映像再生システム、10…制御部、11…記憶部、12…表示部、12A…表示用バッファ、13…操作部、20…映像情報、30…資料情報、31…資料管理テーブル、100…映像読出手段、101…音声抽出手段、102…語彙抽出手段、103…読出語彙選択手段、104…資料情報読出手段、105…合成映像生成手段、106…視聴者識別手段、107…資料書込手段、108…資料候補表示手段、109…資料情報選択手段、110…映像再生プログラム、111…映像再生プログラム、112…個人用資料設定情報、113…書込用資料情報、114…映像再生プログラム、115…編集済映像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
映像情報に含まれる音声情報から語彙を抽出する抽出手段と、
前記語彙抽出手段が抽出した語彙に基づいて当該語彙に関連する内容を有する資料情報を読み出す読出手段と、
前記映像情報を再生することで表示される映像のうち、前記語彙が抽出された前記音声情報の再生時刻の映像と、前記読出手段に読み出された前記資料情報を再生することで表示される資料とを合成する合成手段として機能させるための映像再生プログラム。
【請求項2】
前記読出手段は、前記資料情報に関連付けられた情報が予め定めた条件を満たす場合に、当該資料情報を読み出す請求項1に記載の映像再生プログラム。
【請求項3】
前記映像情報を視聴する視聴者を識別する識別手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記読出手段は、前記識別された視聴者毎に予め定められた条件に基づいて当該条件を満たす資料情報を読み出す請求項2に記載の映像再生プログラム。
【請求項4】
前記合成手段は、前記映像情報の再生時刻について予め定めた時間中に、前記読出手段に読み出された資料情報の数が予め定めた数を超える場合、前記読み出された資料情報を表示し終えるまで前記映像情報の再生を一時停止する請求項1に記載の映像再生プログラム。
【請求項5】
前記読出手段が読出した前記資料情報を資料候補として表示する資料候補表示手段と、
視聴者の要求に応じて前記資料候補表示手段によって表示された前記資料候補から使用する資料情報を選択する選択手段として前記コンピュータをさらに機能させる請求項1に記載の映像再生プログラム。
【請求項6】
映像情報に含まれる音声情報から語彙を抽出する抽出手段と、
前記語彙抽出手段が抽出した語彙に基づいて当該語彙に関連する内容を有する資料情報を読み出す読出手段と、
前記映像情報を再生することで表示される映像のうち、前記語彙が抽出された前記音声情報の再生時刻の映像と、前記読出手段に読み出された前記資料情報を再生することで表示される資料とを合成する合成手段とを有する映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−49670(P2012−49670A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188032(P2010−188032)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】