説明

板材反転装置

【課題】 板材の反転を確実かつ迅速に行いつつ、構造の単純化を図ることができる板材反転装置を提供する。
【解決手段】 板材52の表裏を反転させるための板材反転装置39であって、板材52を搬送する搬送装置4と、その搬送装置4によって搬送される板材52が衝突され、その板材52の慣性力により回転される受け部材8と、上記板材52が上記受け部材8に衝突した時に、その板材52の裏面側に位置するように上記受け部材8に固定された返し部材9であって、上記受け部材8の回転と同時に回転して、板材52を裏面側から押し上げて反転させる返し部材9とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材の表裏を反転する板材反転装置に係り、特に、長尺な板材の反転を自動的に行うことが可能な板材反転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、板材の表裏を反転する板材反転装置として、例えば、製材設備に設けられるものがある。製材設備では、製材工程の一行程として板材の板厚を均一にするためにプレーナ加工が行われることがある。そのプレーナ加工は、例えば、板材の不整面を上側から加工することで行われる。このため、前工程で不整面が下向きに搬出された場合には、板材を反転させて不整面を上向きにしプレーナに搬入させる必要がある。
【0003】
そこで、図7および図8に示すような板材反転装置71が用いられている。
【0004】
板材反転装置71は、前工程の加工装置などから板材72を搬出する第一の搬送装置81と、プレーナ83に板材72を搬入する第二の搬出装置82との間に配置される。板材反転装置71は、板材72を滑らせて搬送するガイド74と、そのガイド74の搬送方向前方かつ下方に設けられた固定傾斜板75とを備える。図8に示すように、ガイド74は、く字状に形成され、その上側部分74aが第一の搬送装置81から下方に傾斜して延出する。固定傾斜板75は、ガイド74の上側部分74aに対して略直交するように傾斜させて配置される。
【0005】
板材72は、図7中点線矢印で示すように、自身の長手方向に沿って搬出された後、図7中実線矢印で示すように、幅方向に沿って板材反転装置71に搬入されて反転し、その後、長手方向に沿ってプレーナ83に搬入される。
【0006】
板材72の反転動作は次のように行われる。板材72を第一の搬送装置81によりガイド74に横送りし、ガイド74の上側部分74aに沿って滑らせる。板材72は、ガイド74から落下して固定傾斜板75に衝突する。衝突した板材72は、衝突部分を中心に搬送方向前方に向かい(図8において時計回りに)回転して、上下面の向きを変えた後、固定傾斜板75に沿って滑り落ちる。以上により板材72の不整面が上向きになる。
【0007】
しかし、従来の板材反転装置71には、以下のような問題があった。
【0008】
衝突により板材72を反転させるには、衝突時の板材72の速度などが所定の条件を満たす必要があるが、板材72はサイズが異なると重量や摩擦抵抗が異なるため、板材72を固定傾斜板75に最適な状態で衝突させることは非常に困難であった。そのために板材72が反転する確率が低いという問題があった。板材72の反転に失敗した場合には、板材72の不整面の再加工がなされず、プレーナー加工後の板厚精度を低下させていた。
【0009】
板材72が固定傾斜板75と衝突した時にその衝撃により割れてしまうという問題があった。そのような割れた板材は製品として使用できないために歩留まりの低下を招いていた。割れた板材を除去するためには、製材ラインを停止させる必要があり、生産性の低下を招いていた。
【0010】
更には、自動運転される製材ラインの中で反転工程が行われる場合には、反転に失敗した板材も自動的にプレーナ83に搬送されてしまい、その搬送の途中などで修正作業を行うことは極めて困難であるという問題があった。
【0011】
特許文献2に開示されている反転装置(旋回レバー機構)は、板材を裏側から付勢することで板材の反転確率を高めている。
【0012】
その反転装置は、反転装置に搬送された板材を、搬送経路上に設けられた旋回レバー上で停止させるためのストッパと、旋回レバーを上方に旋回させる油圧シリンダとを備える。
【0013】
板材の反転動作は次のように行われる。送り込まれた板材は、ストッパに衝突して、旋回レバー上で停止する。板材の停止後、油圧シリンダを作動して旋回レバーを上方に旋回させる。その旋回により板材が回転して、板材の表裏が反転する。
【0014】
【特許文献1】実開平5−24621号公報
【特許文献2】特開平5−193727号公報
【特許文献3】特開平6−48553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献2の反転装置には、以下のような問題があった。
【0016】
特許文献2の反転装置は、板材を反転させるために必要な力を油圧シリンダから得ている。油圧シリンダを設けると、反転装置が大型化、複雑化してしまい、さらには製造コストが増大するという問題があった。
【0017】
また、板材を停止させた後に反転させるため、板材の停止確認から油圧シリンダの作動開始までに無駄な時間が生じてしまうことや、油圧シリンダを伸長させるには比較的長い時間がかかってしまうことから、反転動作を素早く行うことができないという問題があった。
【0018】
また、油圧シリンダが縮退するまでは、次の反転動作を行うことができず、反転作業の効率が低いという問題があった。
【0019】
さらには、ストッパに板材を衝突させるので、その衝撃により板材が割れてしまうという問題があった。
【0020】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、板材の反転を確実かつ迅速に行いつつ、構造の単純化を図ることができる板材反転装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために本発明は、板材の表裏を反転させるための板材反転装置であって、板材を搬送する搬送装置と、その搬送装置によって搬送される板材が衝突され、その板材の慣性力により回転される受け部材と、上記板材が上記受け部材に衝突した時に、その板材の裏面側に位置するように上記受け部材に固定された返し部材であって、上記受け部材の回転と同時に回転して、板材を裏面側から押し上げて反転させる返し部材とを備えたものである。
【0022】
好ましくは、上記受け部材が、上記板材との衝突位置よりも下方に回転中心を有し、上記板材との衝突時に上記搬送装置の搬送方向前方に向かい回転するものである。
【0023】
好ましくは、上記搬送装置が傾斜させて設けられたローラコンベアからなるものである。
【0024】
好ましくは、上記受け部材の回転終了位置を規定するためのストッパであって、回転終了時に上記受け部材にかかる衝撃を緩衝するための衝撃緩衝手段を有するストッパをさらに備えたものである。
【0025】
好ましくは、上記受け部材を原点位置に戻すための復帰手段をさらに備えたものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、板材を確実に反転させると共に、板材反転装置の単純化を図ることができる。板材の反転動作を素早く行うことができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
本実施形態の板材反転装置は、板材の表裏を反転させるためのものであり、例えば、製材設備などに設けられる。その板材反転装置は、前工程の加工装置などから不整面(被処理面)を下向きにして搬出される長尺な板材を、次工程の加工装置などで不整面に処理を施すために、反転させるものである。ここで、板材の表とは、板材反転装置に搬入される板材の上面側をいい、下面側を裏とする。また、不整面とは、起伏を有する面や傾斜面などであり、本実施形態では、後述するように断面半円状の曲面であるが、断面形状はこれに限られるものではなく、例えば四角形でも良い。
【0029】
図1に基づき製材設備の概略構造を説明する。
【0030】
製材設備31は原木(例えば、丸太など)51を加工して製材(板材)53を作製するためのもので、製材設備31には各製材工程を行うための装置35〜40がタンデムに配置される。製材設備31は、上流側から順に、原木投入装置35、原木曲がり測定装置36、原木曲がり削り加工装置37、帯鋸盤加工装置38、板材反転装置39、プレーナ40を備える。さらに、製材設備31は、製材53を集積するための1号〜3号板積機41〜43と板材52および製材53を搬送するための第一〜第四コンベア44〜47(具体的にはローラコンベア)とを備える。
【0031】
原木投入装置35により投入された原木51は、原木曲がり測定装置36と原木曲がり削り加工装置37とで曲がり測定と曲がり削り加工とがなされる。その後、原木51は帯鋸盤加工装置38により長手方向に沿って分割され、略半円状の不整面52aと、平面(切断面)52bと備えたを断面略半月状の板材52に加工される。その板材52の不整面52aがプレーナ40により加工されて、板材52は板厚が均一な製材53となり、その製材53は1号〜3号板積機に集積される。
【0032】
ところで、プレーナ40は板材52に対して上面側から加工を行うものであるが、帯鋸盤加工装置38から搬出される板材52は、不整面(被削面)52aを下向きに搬出される。したがって、プレーナ40に搬入する前に、板材52を反転させて不整面52aを上向きにする必要がある。そこで、本実施形態の板材反転装置39が用いられる。
【0033】
図2および図3に基づき板材反転装置39を説明する。
【0034】
板材反転装置39の上流(前工程)側には、帯鋸盤加工装置38から板材52を搬出するための第一のコンベア44が配置される。板材反転装置39の下流(次工程)側には、板材反転装置39から板材52をプレーナ40へと搬入するための第二のコンベア45が配置される。それら第一および第二のコンベア44、45は略平行に並べて配置されており、板材52を板材52の長手方向に沿って搬送する(第一および第二のコンベア44、45の搬送方向を図2中点線の矢印で示す)。第一のコンベア44には、搬送される板材52の停止位置を規定するためのストッパ44aが設けられる。
【0035】
板材反転装置39は、板材52を搬送する搬送装置4と、板材52を反転させる反転部5とを備える。
【0036】
搬送装置4は、板材52を付勢しつつ、板材52の幅方向に沿って板材52を搬送する(搬送方向を図2中実線の矢印で示す)。本実施形態の搬送装置4は、板材52が自身の自重により付勢されるように、傾斜させて設けられる(図3参照)。具体的には、搬送装置4は、所定の角度で傾斜させて設けられたローラコンベア6からなる。そのローラコンベア6の上流側の端部と同じ高さ位置に、第一のコンベア45が配置され、ローラコンベア6の下流側の端部と同じ高さ位置に、第二のコンベア45が配置される。したがって、第二のコンベア45は、第一のコンベア44よりも低い高さ位置に配置される。
【0037】
さらに、ローラコンベア6の上流側には、第一のコンベア44からローラコンベア6に板材52を搬送する第一の横送りコンベア18が設けられる。ローラコンベア6の下流側には、反転後の板材52をローラコンベア6から第二のコンベア45に搬送する第二の横送りコンベア19が設けられ、その第二の横送りコンベア19は、第一のコンベア44から第二のコンベア45まで延出する。
【0038】
ローラコンベア6は、搬送方向に間隔を隔てて配置された複数のローラ6aを備え、それらローラ6aは、回動自在に支持される。第一および第二の横送りコンベア18、19は、例えば、複数のチェーンコンベアを板材52の長手方向に並べて構成される。
【0039】
反転部5は、ローラコンベア6の下流部分に配置される。図3に示すように、反転部5は、受け部材8とその受け部材8に固定された返し部材9とを備える。
【0040】
受け部材8は、ローラコンベア6によって搬送される板材52が衝突され、その板材52の慣性力により回転される。受け部材8は、板材52との衝突位置よりも下方に回転中心を有する。具体的には、ローラコンベア6の下方に、ローラコンベア6の搬送方向と直交して延出する回転軸10が設けられ、その回転軸10に受け部材8が支持される。受け部材8は、回転軸10から上方に延出してローラコンベア6を貫通し、ローラコンベア6から所定長さ突出する。本実施形態の受け部材8は、図3に実線で示すように、通常(すなわち、板材52が衝突しないときは)、搬送方向に対して略垂直に延出する。この位置を原点位置という。
【0041】
返し部材9は、受け部材8が板材52と衝突する時に板材52の裏面(不整面)52a側に位置するように設けられる。具体的には、返し部材9は、ローラコンベア6よりも下方の受け部材8に固定され、その受け部材8から搬送方向後方に延出する。本実施形態では、返し部材9が受け部材8に対して略垂直に延出し、受け部材8と返し部材9とが全体としてT字状に形成される。したがって、受け部材8が原点位置にある場合に、返し部材9は搬送方向と略平行に延出する。返し部材9は、受け部材8の回転時にローラコンベア6から突出するような長さに形成される。
【0042】
ローラコンベア6には、上述の受け部材8と返し部材9とが、ローラコンベア6よりも上側に突出することを許容するための図示しない穴部が形成されている。
【0043】
板材反転装置39は、受け部材8(反転部5)の回転終了位置を規定するためのストッパ11をさらに備える。そのストッパ11は、回転終了時に受け部材8にかかる衝撃を緩衝するための衝撃緩衝手段を有する。ストッパ11は、受け部材8の回転中心よりも搬送方向前方で、回転中心と略同じ高さ位置に設けられる。したがって、ストッパ11は、受け部材8が略水平となりかつ返し部材9が略鉛直となる回転位置を、回転終了位置として規定する。衝撃緩衝手段は、弾性体やオイルダンパを用いることができる。本実施形態では、ストッパ11が鉛直方向に伸縮可能なコイルばねからなり、ストッパ11自身が衝撃緩衝手段を兼ねる。
【0044】
図3に示すように、板材反転装置39は、受け部材8を原点位置に戻すための復帰手段12をさらに備える。本実施形態では、復帰手段12が、受け部材8の原点位置を規定する。復帰手段12は、原点位置にある返し部材9を下方から支持するための支持部材14と、返し部材9(反転部5)を板材52の衝撃による回転方向と反対方向に付勢する付勢手段15とを有する。付勢手段15は、弾性体を用いることができ、本実施形態では、一端が支持部材14の先端部に取付られると共に他端が返し部材9の下面に取り付けられたコイルばね16からなる。
【0045】
以上の反転部5とストッパ11と復帰手段12とが、板材52の長手方向に間隔を隔てて複数設けられる(図2参照)。回転軸10は各受け部材8毎に設けられる。
【0046】
次に、本実施形態の板材反転装置39の作用を説明する。
【0047】
図2に示すように、第一のコンベア44により帯鋸盤加工装置38から不整面52aが下向きの状態で搬出された板材52は、第一のコンベア44のストッパ44aに突き当たり停止する。停止後、板材52は第一の横送りコンベア18により幅方向に搬送されて板材反転装置39に搬入される。
【0048】
図4に示すように、第一の横送りコンベア18からローラコンベア6に搬入された板材52は、ローラコンベア6に沿って滑り下方へ搬送される。その搬送時に、板材52は自重により付勢される。板材52は、所定の慣性力が付与された後、受け部材8に衝突する。
【0049】
図5に示すように、板材52が衝突された受け部材8は、板材52の慣性力により、回転軸10を中心に搬送装置4の搬送方向前方に向かい回転する。その受け部材8の回転と同時に返し部材9が回転する。その回転により返し部材9の上面が板材52の裏面(不整面)52aに当接し、返し部材9が板材52を裏面52a側かつ下方から押し上げる。押し上げられた板材52は、搬送方向前方側の端部を支点として起こされて反転する(図6参照)。表裏が反転して不整面52aが上向きになった板材52は、第二の横送りコンベア19によりに幅方向に第二のコンベア45まで搬送された後、第二のコンベア45により長手方向に搬送されてプレーナ40に搬入される。
【0050】
一方、回転した受け部材8は、ストッパ11により受け止められて回転が停止する。その回転停止時に、ストッパ11により受け部材8の衝撃が吸収される。
【0051】
回転停止後、受け部材8と返し部材9とがコイルばね16により、反対方向に回転し、原点位置へと引き戻される。このように、本実施形態では、板材反転装置39の原点復帰が自力で自動的に行われる。
【0052】
また、受け部材8が衝突時に回転するので、板材52は受け部材8により緩やかに受け止められることとなり、板材52には衝突による衝撃が加わらない。
【0053】
したがって、板材52には衝突の衝撃による割れが生じない。その結果、歩留まりを向上させることができる。また、割れた板材52を除去する作業が不要となり、生産性を格段に向上させることができる。
【0054】
また、返し部材9が板材52を支持しつつ回転するので、板材52の反転(回転)動作が返し部材9により定められ、板材52は速度などによらず一定した反転動作を行うこととなる。したがって、板材52を確実に反転させることができる。
【0055】
ところで、板材52を反転させるために必要な力(返し部材が板材52を押し上げる力)は、板材52の重量が大きいほど大きくなる。本実施形態では、板材52の慣性力を利用して板材52を反転させるようにしている。板材52の慣性力は、板材52の重量が大きいほど大きくなるので、板材52の重量が大きくなると、その板材52を反転させる力も大きくなる。したがって、板材52の重量(寸法)の違いに関係なく、板材52を確実に反転させることができる。
【0056】
ここで、本実施形態の板材反転装置39と、図7および図8に示した従来の板材反転装置71とを用いて板材の反転不良率を確認したところ、従来の板材反転装置71の反転不良率が415枚/1,000枚の41.5%であったのに対して、本実施形態の板材反転装置39の反転不良率は、24枚/1,000枚の2.4%であった。つまり、本実施形態の板材反転装置39によれば、反転不良率を39.1%低減することができ、板材の反転動作の確率が高められることを確認した。
【0057】
したがって、プレーナ40に搬入される板材52は、不整面52aが確実に上向きとなり、プレーナ加工後の板厚精度を格段に向上させることができる。また、反転不良の修正作業が不要となる。
【0058】
特に、本実施形態の板材反転装置は、板材の慣性力を利用して板材を反転させることを特徴とする。すなわち、受け部材は、搬送される板材の停止位置を規定するためものではなく、板材の自重に基づく慣性力により回転することで返し部材に板材を押し上げさせるためのものである。これにより、本実施形態の板材反転装置は、返し部材を回転させるための積極的な駆動手段が不要となる。また、板材を停止させずに反転させるので、反転動作を素早く行うことができる。
【0059】
したがって、板材反転装置の反転機構の単純化を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0060】
また、衝撃緩衝手段を設けることで、受け部材8や返し部材9の破損を防止することができる。
【0061】
また、復帰手段12を設けることで、板材52の反転を連続して行うことができる。
【0062】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0063】
例えば、搬送装置は、傾斜させて設けることが好ましいが、平行に設けてもよい。その場合、板材が自重により付勢されないので、板材に慣性力を付与する装置が必要となる。
【0064】
また、搬送装置は、ローラコンベアに限定されず、様々なものが可能である。
【0065】
また、復帰手段を、回転軸10に渦巻きばねを設けることで構成しても良い。
【0066】
また、ストッパの衝撃緩衝手段を弾性体で構成した場合に、回転終了時に衝撃を吸収して縮退した弾性体の復元力により、受け部材を原点位置に原点位置に戻すことが考えられる。すなわち、ストッパの衝撃緩衝手段を復帰手段として共用することが考えられる。
【0067】
また、板材反転装置を、フリッチ材にプレーナ加工を施して板厚が均一な製材を作製する製材設備に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による板材反転装置が設けられた製材設備の概略を示す平面図である。
【図2】本実施形態の板材反転装置の平面図を示す。
【図3】本実施形態の板材反転装置の側面図を示す。
【図4】本実施形態の板材反転装置の部分側面図を示し、受け部材が原点位置にある状態を示す。
【図5】本実施形態の板材反転装置の部分側面図を示し、受け部材が回転している状態を示す。
【図6】本実施形態の板材反転装置の部分側面図を示し、受け部材が回転終了位置にある状態を示す。
【図7】従来の板材反転装置の平面図を示す。
【図8】従来の板材反転装置の側面図を示す。
【符号の説明】
【0069】
4 搬送装置
6 ローラコンベア
8 受け部材
9 返し部材
11 ストッパ
12 復帰手段
39 板材反転装置
52 板材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材の表裏を反転させるための板材反転装置であって、
板材を搬送する搬送装置と、
その搬送装置によって搬送される板材が衝突され、その板材の慣性力により回転される受け部材と、
上記板材が上記受け部材に衝突した時に、その板材の裏面側に位置するように上記受け部材に固定された返し部材であって、上記受け部材の回転と同時に回転して、上記板材を裏面側から押し上げて反転させる返し部材とを備えたことを特徴とする板材反転装置。
【請求項2】
上記受け部材が、上記板材との衝突位置よりも下方に回転中心を有し、上記板材との衝突時に上記搬送装置の搬送方向前方に向かい回転する請求項1記載の板材反転装置。
【請求項3】
上記搬送装置が傾斜させて設けられたローラコンベアからなる請求項1または2に記載の板材反転装置。
【請求項4】
上記受け部材の回転終了位置を規定するためのストッパであって、回転終了時に上記受け部材にかかる衝撃を緩衝するための衝撃緩衝手段を有するストッパをさらに備えた請求項1から3いずれかに記載の板材反転装置。
【請求項5】
上記受け部材を原点位置に戻すための復帰手段をさらに備えた請求項1から4いずれかに記載の板材反転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−150531(P2006−150531A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346999(P2004−346999)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】