説明

枠材および枠材を有する保持具

【課題】被研磨物の端部形状を改善し安定した研磨加工を行うことができる枠材を提供する。
【解決手段】保持具10は、テンプレート5とポリウレタンシート2とを備えている。テンプレート5は、複数に分割された分割枠材51が一方の側面で貫通穴6の内周面を形成するように連結されている。分割枠材51の両端部にそれぞれ凹部5aが形成され、分割枠材51間の連結部Sの内周側に凹部5bが形成されている。連結部材7aが隣り合う分割枠材51の凹部5aの両方に嵌合され、突起tがテンプレート5の内側へ向けて突出する軟質部材7bが隣り合う分割枠材の凹部5bの両方に嵌合されている。連結部材7aで複数の分割枠材51が連結され、軟質部材7bの突起tにより被研磨物と分割枠材51とが直接接触することが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は枠材および枠材を有する保持具に係り、特に、枠材を複数に分割した分割枠材を備え、被研磨物の移動範囲を枠内に規制するための枠材および該枠材を有する保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体、半導体デバイス用シリコンウェハ、ハードディスク用基板や液晶ディスプレイ用ガラス基板等の材料では、高精度な平坦性が要求されているため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。通常、研磨加工には、被研磨物の両面を同時に研磨加工する両面研磨機や被研磨物の片面を研磨加工する片面研磨機等が使用されている。両面研磨機では、対向する定盤にそれぞれ貼付した研磨パッドで被研磨物の両面に研磨加工が行われる。一方、片面研磨機では、保持用定盤に被研磨物を一面側で保持させて、研磨用定盤に貼付した研磨パッドにより、被研磨物の他面側に研磨加工が行われる。研磨加工時には、研磨粒子を含む研磨液が供給される。
【0003】
一般に、片面研磨機を使用した研磨加工では、被研磨物が金属製の保持用定盤と直接接触することで生じる被研磨物のスクラッチ(キズ)等を抑制するため、保持用定盤に軟質クロス等の保持パッドが装着される。保持パッドの装着によりスクラッチ等を回避することができる。通常、保持パッドには、湿式成膜法で形成された樹脂シートが使用されている。湿式成膜法では、樹脂を水混和性の有機溶媒に溶解させた樹脂溶液がシート状の成膜基材に塗布され、水系凝固液中で樹脂を凝固再生させることで製造されている。湿式成膜法で形成された樹脂シートは、表面側に微多孔が厚み数μm程度に亘って形成されたスキン層を有している。スキン層の表面が被研磨物との接触性に優れるため、スキン層に水等の液体を含ませておくことで液体の表面張力等により被研磨物の保持が可能となる。
【0004】
ところが、保持パッドおよび被研磨物間の粘着性や静摩擦が不十分なとき、すなわち、保持パッドの被研磨物保持性が不十分なときは、研磨加工中に被研磨物の横ずれが生じるため、被研磨物を平坦に研磨加工することが難しくなる。この横ずれを抑制するため、被研磨物を挿入可能な貫通穴が形成された枠材と保持パッドとを糊剤で貼り合わせた保持具が用いられている。保持具では、枠材の貫通穴に被研磨物を挿入して研磨加工が行われ、研磨加工後に被研磨物が保持具から取り外される。被研磨物の挿入および取り外しを容易にするため、被研磨物および枠材間には、隙間(ギャップ)が形成されている。
【0005】
従来の保持具では、被研磨物および枠材間に形成された隙間により、研磨加工時に定盤が回転したときに被研磨物と枠材とが直接接触して被研磨物の端部形状が損なわれたり、被研磨物および枠材の接触に伴い枠材の内周面側が破損したときに生じる破片により被研磨物にキズを与えてしまうことがある。また、研磨加工時に定盤が回転することで被研磨物に遠心力がかかり、被研磨物が枠材から飛び出してしまうおそれもある。被研磨物の端部形状を改善し、被研磨物へのキズを低減させるため、被研磨物を挿入可能な貫通穴が形成された保持具において、枠材の貫通穴の内周面に軟質部材を配置する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−154280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、被研磨物の端部形状を改善し、被研磨物へのキズを低減させることができるものの、研磨加工時に、保持具が装着された保持用定盤が回転することにより生じるトルクや保持具の枠材および研磨パッドが接触することで生じる摩擦抵抗により、枠材が保持パッド側に反ってしまい、撓みが生じてしまうことがある。この結果、保持具で被研磨物を安定に保持することができず、被研磨物の平坦性が悪化し、保持具の寿命も短いものとなる。また、研磨加工時に定盤が回転し被研磨物および保持具が圧接されることで、保持具の枠材と保持パッドとが貼り合わされた面に応力が集中するため、保持パッドの表面に負荷がかかり、枠材が保持パッドから剥離するおそれがある。
【0008】
本発明は上記事案に鑑み、被研磨物の端部形状を改善し安定した研磨加工を行うことができる枠材および該枠材を有する保持具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被研磨物の移動範囲を枠内に規制するための枠材であって、前記枠材を複数に分割した分割枠材と、前記分割枠材の両端部に形成された第1の凹部に嵌合し、前記分割枠材同士を連結する連結部材と、前記分割枠材の内周部または前記分割枠材間の連結部の内周側に形成された第2の凹部に嵌合し、前記枠材の内側に向けて突出した突起を有する軟質部材と、を備える。
【0010】
第1の態様では、連結部材が第1の凹部に嵌合することで複数の分割枠材が連結されて枠材の機能が発揮され、軟質部材が突起を枠材の内側に向けて突出するように第2の凹部に嵌合することで、研磨加工時に軟質部材の突起が、被研磨物が枠材に直接接触することを抑制するクッションの役割を果たす。
【0011】
第1の態様において、分割枠材の両端面を平面としてもよい。分割枠材を繊維強化樹脂で形成することができる。連結部材および軟質部材はゴム弾性を有する材料で形成されていてもよい。第1および第2の凹部が一体化されていてもよい。このとき、連結部材および軟質部材を一体形成することができる。第1および第2の凹部を貫通孔または未貫通孔としてもよい。連結部材および軟質部材の厚さは、分割枠材の厚さ以下であることが好ましい。軟質部材は、突起の先端部が拡幅されていてもよい。分割枠材は、外周面に沿って分割枠材を覆う軟質部材を更に有していることが好ましい。分割枠材の全ての最外周を覆う軟質部材を更に備えていてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様は、被研磨物を保持するための保持具であって、前記被研磨物を支持する樹脂シート材と、前記シート材の周部に貼着され、前記被研磨物の移動範囲を枠内に規制する枠材と、を備え、前記枠材は第1の態様の構成を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軟質部材により被研磨物の外縁部にかかる応力が緩和されるため、端部形状を改善することができると共に、連結部材が第1の凹部に嵌合されたことで分割枠材が確実に連結されるため、安定した研磨加工を行うことができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した実施形態の保持具を模式的に示す断面図である。
【図2】実施形態の保持具に用いた枠材を模式的に示す平面図である。
【図3】保持具の枠材とポリウレタンシートとの貼着部分を拡大し枠材と被研磨物との位置関係を模式的に示す断面図であり、(A)は2つの軟質部材を用いた実施形態の保持具、(B)は一体成形された1つの軟質部材を用いた別の態様の保持具、をそれぞれ示す。
【図4】片面研磨機で研磨加工するときの保持具、被研磨物および研磨パッドの位置関係を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明を適用可能な別の形態の枠材を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を適用した枠材を備えた保持具の実施の形態について説明する。
【0016】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の保持具10は、被研磨物を保持するための保持面Pを有する樹脂シート材としてのポリウレタンシート2と、被研磨物の移動範囲を枠内に規制するための枠材としてのテンプレート5とを備えている。テンプレート5は分割枠材51が連結されて構成されている。ポリウレタンシート2およびテンプレート5は外径が同じであり、テンプレート5はポリウレタンシート2側の面(接着面)がポリウレタンシート2の保持面Pに円環状の接着フィルム4を介して貼着されている。
【0017】
ポリウレタンシート2は、湿式成膜法により作製されており、100%モジュラス(2倍長に引っ張るときの張力)が20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成されている。ポリウレタンシート2は、厚みを均一化するために、湿式成膜時に形成されたスキン層側の表面にバフ処理が施されている。このバフ処理によりスキン層が除去されている。バフ処理された面が保持面Pを形成する。ポリウレタンシート2の内部には、厚み方向に沿って丸みを帯びた断面三角状の発泡3が略均等に分散した状態で形成されている。発泡3は、保持面P側の孔径が保持面Pの反対の面(以下、裏面と呼称する。)側の孔径より小さく形成されている。すなわち、発泡3は保持面P側で縮径されている。保持面Pでは、バフ処理でスキン層が除去されたため、発泡3の開孔が形成されている。発泡3の間のポリウレタン樹脂中には、発泡3より小さい孔径の図示を省略した微多孔が形成されている。発泡3および図示を省略した微多孔は、不図示の連通孔で網目状につながっている。すなわち、ポリウレタンシート2は連続発泡構造を有している。
【0018】
図2に示すように、テンプレート5は、複数の分割枠材51が連結されており、隣り合う分割枠材51間に連結部Sを有している。分割枠材51は対向する2つの側面を有しており、2つの側面のそれぞれの端同士をつなぐ2つの端面を有している。本例では、複数の分割枠材51を連結したときに円環状となるように分割枠材51の両側面は曲面になっており、分割枠材51の両端面は平面になっている。すなわち、テンプレート5は、分割枠材51の一方の側面が被研磨物を挿入可能な大きさの円環状の貫通穴6の内周面を形成し、分割枠材51の他方の側面が外周面を形成するように、複数の分割枠材51が連結されることで構成されている。テンプレート5を構成する分割枠材51には、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主体とした材質が用いられており、熱硬化性樹脂にガラス繊維等の繊維材を含有させることで強化されている。換言すれば、テンプレート5は繊維強化樹脂製であり、本例では、ガラス繊維強化エポキシ樹脂が用いられている。分割枠材51の両端部にそれぞれ第1の凹部としての凹部5aが形成されている。また、隣り合う分割枠材51間の連結部Sの内周側に第2の凹部としての凹部5bが形成されている。凹部5aは凹部5bより分割枠材51の外周側に形成されており、凹部5aおよび凹部5bはいずれも分割枠材51の厚さ方向で貫通孔を形成している。
【0019】
分割枠材51の凹部5aおよび凹部5bが形成された部分を上側から見たときの形状について説明する。本例では、凹部5aは端面での大きさが内部側の大きさより小さく形成されている。すなわち、凹部5aは分割枠材51の端面から内部側にかけて一定の長さ分までは同じ大きさに形成され、一定の長さを越える内部側では楕円形に形成されている。一方、凹部5bはT文字形に形成されている。すなわち、凹部5bは、分割枠材51の内周面側の端部を矩形状に切り欠き、端部を矩形状に切り欠くことで形成された2つの面のうち端面と平行な面を更に矩形状に切り欠くことで形成されている。
【0020】
複数の分割枠材51の内周面および外周面がそれぞれ連続するように複数の分割枠材51を並べたときに、隣り合う分割枠材51間の連結部Sで向かい合う両方の凹部5aに連結部材7aが嵌合されている。連結部材7aの中央部が連結部Sに位置し、連結部材7aの両端部が凹部5aに位置するように嵌合されている。本例では、連結部材7aは中央部の大きさより両端部の大きさが大きく形成されている。すなわち、連結部材7aは、中央部が平板状で両端部が円柱状に形成されている。連結部材7aの円柱状に形成された両端部が凹部5aに嵌合されることで、複数の分割枠材51が連結されている。また、隣り合う分割枠材51間の連結部Sで向かい合う両方の凹部5bに軟質部材7bが嵌合されている。軟質部材7bは分割枠材51の内周面より貫通穴6の内側へ突出する突起tを有している。本例では、軟質部材7bは、断面十文字形に形成されている。連結部材7aおよび軟質部材7bにはゴム材料等に代表されるゴム弾性を有する材料(エラストマ)が用いられている。連結部材7aおよび軟質部材7bの材料は、同じとしてもよく、異なっていてもよいが、本例では、いずれもポリウレタン樹脂が用いられている。連結部材7aおよび軟質部材7bの厚さは分割枠材51の厚さと同じに形成されている。すなわち、本例では、連結部材7aおよび軟質部材7bが分割枠材51の凹部5aおよび凹部5bに厚さ方向に嵌通している。
【0021】
接着フィルム4の接着剤には、可塑性接着剤(感圧型接着剤)が用いられている。可塑性接着剤としては、アクリル系、ニトリル系、ニトリルゴム系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の各種の接着剤を挙げることができる。本例では、ポリウレタン系の可塑性接着剤が用いられている。テンプレート5の接着面に接着フィルム4の一面側が貼り合わされ、他面側がポリウレタンシート2の保持面Pと貼り合わされている。
【0022】
また、ポリウレタンシート2の裏面側には、保持具10を研磨装置の保持用定盤に装着するために、両面テープ8が貼り合わされている。両面テープ8は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着材やゴム系粘着材等の粘着剤層が形成されている。両面テープ8は、基材の一面側の粘着剤層でポリウレタンシート2の裏面側と貼り合わされており、他面側の粘着剤層が剥離紙9で覆われている。
【0023】
(製造)
保持具10は、湿式成膜法により作製されたポリウレタンシート2、テンプレート5および両面テープ8を貼り合わせることで製造される。湿式成膜法では、ポリウレタン樹脂溶液を調整する準備工程、ポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液中でポリウレタン樹脂をシート状に凝固再生させる凝固再生工程、凝固再生したポリウレタン樹脂を洗浄・乾燥させる洗浄・乾燥工程、厚みを均一化するバフ処理工程を経てポリウレタンシート2が作製される。以下、ポリウレタンシート2およびテンプレート5の製造方法を説明する。
【0024】
まず、ポリウレタンシート2の製造方法について説明する。準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、100%モジュラスが20MPa以下のポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、発泡3の大きさや量(個数)を制御するカーボンブラック等の顔料、発泡形成を促進させる親水性活性剤およびポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡しポリウレタン樹脂溶液を調製する。
【0025】
凝固再生工程では、準備工程で調製したポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液中でポリウレタン樹脂をシート状に凝固再生させる。ポリウレタン樹脂溶液を、塗布装置により常温下で帯状の成膜基材に略均一に塗布する。塗布装置として、本例では、ナイフコータを用いる。このとき、ナイフコータと成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚み(塗布量)を調整する。成膜基材には、可撓性フィルム、不織布、織布等を用いることができるが、本例ではPET製フィルムとして説明する。
【0026】
成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液中に案内する。凝固液中では、まず、塗布されたポリウレタン樹脂溶液の表面側にスキン層が厚み数μm程度に亘って形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFと凝固液との置換の進行によりポリウレタン樹脂がシート状に凝固再生する。DMFがポリウレタン樹脂溶液から脱溶媒し、DMFと凝固液とが置換することにより、スキン層より内側のポリウレタン樹脂中に発泡3および図示を省略した微多孔が形成され、発泡3および図示を省略した微多孔を網目状に連通する不図示の連通孔が形成される。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液の表面側(スキン層側)で脱溶媒が生じて成膜基材側が表面側より大きい発泡3が形成される。
【0027】
洗浄・乾燥工程では、凝固再生した帯状(長尺状)のポリウレタン樹脂(以下、成膜樹脂という。)を洗浄した後乾燥させる。すなわち、成膜樹脂を、成膜基材から剥離した後、水等の洗浄液中で洗浄して成膜樹脂中に残留するDMFを除去する。洗浄後、成膜樹脂をシリンダ乾燥機で乾燥させる。シリンダ乾燥機は内部に熱源を有するシリンダを備えている。成膜樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。乾燥後の成膜樹脂をロール状に巻き取る。
【0028】
バフ処理工程では、洗浄・乾燥工程で乾燥させた成膜樹脂のスキン層側の面にバフ処理を施す。成膜基材に形成された成膜樹脂では、湿式成膜時に厚みバラツキが生じている。成膜基材を剥離した後、裏面(スキン層の反対の面)に、表面が平坦な圧接治具を圧接することで、スキン層側に凹凸が出現する。この凹凸をバフ処理で除去する。本例では、連続的に製造された成膜樹脂が帯状のため、裏面に圧接ローラを圧接しながら、スキン層側の面に連続的にバフ処理を施し、ポリウレタンシート2を得る。得られたポリウレタンシート2では厚みバラツキが低減し厚みが均一化され、保持面Pに開孔が形成される。バフ処理されたポリウレタンシート2の裏面側に両面テープ8の一面側の粘着剤層を貼り合わせる。両面テープ8の他面側には剥離紙9が残されている。円形、角形等の所望の形状に裁断することで、ポリウレタンシート2の裏面側に両面テープ8が貼り合わされた保持シートを得る。
【0029】
ここで、テンプレート5の製造方法について説明する。外形加工機(NCルーター)を用いて複数の分割枠材51の両端面に凹部5aおよび凹部5bを形成する。複数の分割枠材51の一方および他方の側面がそれぞれ連続し、一方の側面で円環状の貫通穴6の内周面を形成し、他方の側面で外周面を形成するように並べる。隣り合う分割枠材51の向かい合う両方の凹部5aに連結部材7aを嵌合させ、複数の分割枠材51を連結させる。同様に、隣り合う分割枠材51の向かい合う両方の凹部5bに軟質部材7bを嵌合させテンプレート5を完成させる。テンプレート5を保持シートの保持面Pに円環状の接着フィルム4を介して貼着する。そして、表面にキズや汚れ、異物等の付着が無いことを確認する等の検査を行い、保持具10を完成させる。
【0030】
保持具10を用いて被研磨物の研磨加工を行うときは、図4に示すように、片面研磨機70の保持用定盤71に装着した保持具10で保持用定盤71に被研磨物30を保持させる。保持用定盤71と対向するように配置された研磨用定盤72には被研磨物30を研磨加工するための研磨パッド20を装着する。保持用定盤71に保持具10を装着するときは、剥離紙8を取り除いて粘着剤層を露出させた後、露出した粘着剤層を保持用定盤71に接触させ押圧する。保持面Pに適量の水を含ませて、テンプレート5の貫通穴6に被研磨物30を挿入する。被研磨物をポリウレタンシート2側に押し付けることで、保持面Pの開孔に浸入した水の表面張力およびポリウレタンシート2のポリウレタン樹脂の弾性により被研磨物を保持具10を介して保持用定盤71に保持させる。研磨加工時には、被研磨物30および研磨パッド20間に研磨粒子を含む研磨液(スラリ)を循環供給すると共に、被研磨物30に圧力をかけながら研磨用定盤72ないし保持用定盤71を回転させることで、被研磨物30を研磨加工する。
【0031】
(作用)
次に、本実施形態の保持具10の作用等について説明する。
【0032】
本実施形態の保持具10では、テンプレート5において、両端部の大きさが中央部の大きさより大きい連結部材7aが、連結部材7aの平板状に形成された中央部が隣り合う分割枠材51の連結部Sに位置し、連結部材7aの円柱状に形成された両端部が凹部5aに位置するように凹部5aに嵌合されたことで、複数の分割枠材51が連結されている。このため、研磨加工時に分割枠材51が離れることなく、テンプレート5が枠材の機能を発揮することができ、安定した研磨加工を行うことができる。軟質部材7bが凹部5bに嵌合されており、軟質部材7bの突起tが分割枠材51の内周面より貫通穴6の内側へ突出している。このため、研磨加工時に軟質部材7bの突起tが被研磨物に接触し、被研磨物がテンプレート5に直接接触することを抑制するクッションの役割を果たす。これにより、被研磨物の外縁部にかかる応力が緩和され端部形状を改善することができる。また、テンプレート5の内周面の破損を軽減でき、これにより生じる破片による被研磨物のキズ等の発生を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態の保持具10では、連結部材7aおよび軟質部材7bの厚さは、テンプレート5を構成する分割枠材51の厚さと同じに形成されている。このため、連結部材7aおよび軟質部材7bがテンプレート5の厚さ方向に突出することがないので、略平坦にポリウレタンシート2に貼着することができ、連結部材7aおよび軟質部材7bが研磨加工を阻害することを防止することができる。
【0034】
更に、本実施形態の保持具10では、テンプレート5において、連結部材7aが、凹部5aに嵌合されたことで、複数の分割枠材51が連結されており、隣り合う分割枠材51間に連結部Sを有している。このため、従来の連続した円環状の枠材と比較して、研磨加工時に定盤が回転し被研磨物および保持具10が圧接されても、連結部材7aがゴム弾性を有する材料で形成されているため、連結部材7aで連結された隣り合う分割枠材51の若干の移動(ずれ)が接着フィルム4に用いた接着剤の弾性の範囲で許容されることで、保持具10にかかる応力が緩和される。このため、テンプレート5とポリウレタンシート2とが貼り合わされた面にかかる負荷も軽減され、テンプレート5がポリウレタンシート2から剥離することを抑制することができる。
【0035】
また更に、本実施形態の保持具10では、分割枠材51に形成された凹部5bに軟質部材7bが嵌合されている。このため、研磨加工時に定盤の回転に伴い、軟質部材7bと被研磨物とが繰り返し接触することで、軟質部材7bの摩耗によりクッション性が低下しても、軟質部材7bのみを交換して使用することができる。また、本実施形態では、テンプレート5が複数の分割枠材51を連結することで構成されているため、研磨加工時にかかる圧力により分割枠材51が劣化しても、劣化した部分の分割枠材51のみを交換して使用することができる。これに対して、従来の連続した円環状の枠材では、被研磨物が貫通穴の内周面に繰り返し接触することで枠材が破損した場合、枠材を全て交換することとなる。従って、本実施形態では、テンプレート5を全てを一緒に交換する頻度が減少するため、従来の枠材より低コスト化を図ることができる。
【0036】
更にまた、本実施形態では、ポリウレタンシート2は100%モジュラスが20Mpa以下のポリウレタン樹脂で形成されている。このため、保持面Pが被研磨物の形状に合うように密着して追従性を発揮するので、保持用定盤に接着した保持具10に被研磨物を押しつけることで、被研磨物保持性を向上させることができる。
【0037】
なお、本実施形態では、連結部材7aおよび軟質部材7bの材料としてポリウレタン樹脂を使用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゴム弾性を有する材料であれば他の材料を用いることができる。このような材料として、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、水酸化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、多硫化ゴム等を挙げることができる。連結部材7aおよび軟質部材7bの材料には、同じものを用いても異なるものを用いてもよい。また、本実施形態では、連結部材7aは、中央部が平板状で両端部が円柱状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部材7aが分割枠材51を連結させることができるものであればどのような形状に形成されていてもよい。例えば、連結部材7aの中央部が平板状で両端部が三角柱状や四角柱状等の多角柱状に形成されていてもよく、連結部材7aの全体が平板状に形成されていてもよい。更に、本実施形態では、軟質部材7bは、断面十文字形に形成されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起tを有していれば十文字形に形成されていなくてもよい。例えば、凸形に形成されていてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、連結部材7aと軟質部材7bとを別個の部材とする例を示したが、図3(B)に示すように、連結部材7aおよび軟質部材7bを一体成形し、軟質部材7としてもよい。この場合、軟質部材7を嵌合させる凹部5を軟質部材7の形状に合わせて形成する必要がある。このため、凹部5aおよび凹部5bを一体化して凹部5を形成する。連結部材7aおよび軟質部材7bを一体成形し、凹部5aおよび凹部5bを一体化させると、テンプレート5の製造を簡素化することができる。
【0039】
更に、本実施形態では、連結部材7aおよび軟質部材7bの厚さが、分割枠材51の厚さと同じとなる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部材7aおよび軟質部材7bの厚さが、分割枠材51の厚さより小さく形成されていてもよい。この場合、連結部材7aおよび軟質部材7bは分割枠材51の厚さ方向に貫通しないため、軟質部材7bは分割枠材51を嵌合させる凹部5aおよび凹部5bは未貫通孔となる。また、軟質部材7bにおいて、軟質部材7bの突起tのみの厚さを分割枠材51の厚さより小さく、突起t以外の厚さを分割枠材51の厚さと同じに形成することもできる。
【0040】
また更に、本実施形態では、軟質部材7bが分割枠材51間の連結部Sの内周側に形成された凹部5bに嵌合され、突起tが貫通穴6の内周面から貫通穴6の内側に突出している例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、軟質部材7bの突起tが貫通穴6の内周面の他の部分から突出するように、軟質部材7bを配置してもよい。この場合、軟質部材7bを嵌合させる凹部5bを分割枠材51の内周部に形成することで軟質部材7bを配置することができる。また、図5に示すように、軟質部材7bの突起tの先端部は貫通穴6の内周面に沿って拡幅されていてもよい。このようすれば、軟質部材7bを貫通穴6の内周面に沿って部分的に配置することや、貫通穴6の内周面の全体を被覆することもできる。
【0041】
更にまた、本実施形態では、分割枠材51の材質として、ガラス繊維強化エポキシ樹脂を例示したが、本発明は樹脂や繊維材に限定されるものではない。研磨加工時の物理的耐性や研磨液に対する化学的耐性を考慮すれば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂にガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、紙繊維等の繊維材が含有されることで強化された繊維強化樹脂を用いることが好ましい。また、本実施形態では、分割枠材51の両端面を平面とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、両端面が曲面であってもよく、または、凹凸が交互に並んでいる面であってもよい。
【0042】
また、本実施形態では、連結部材7aおよび軟質部材7bを備えたテンプレート5を例示したが、分割枠材51の外周面に沿って分割枠材51を覆う軟質部材を更に有してもよい。また、分割枠材の全ての最外周を覆う軟質部材を更に有していてもよい。このようにすれば、軟質部材が研磨加工中にテンプレート5の外周面が研磨加工機と直接接触することを抑制するクッションの役割を果たすため、テンプレート5の外周面側の破損を抑制することができる。また、分割枠材51の両端面側をポリウレタン樹脂等の軟質樹脂でコーティングしてもよい。このようにすれば、研磨加工時に隣り合う分割枠材51同士が直接接触することによる分割枠材51の損傷を抑制することができ、分割枠材51の破片等による被研磨物へのスクラッチ等も減少させることができる。
【0043】
更に、本実施形態では、円環状のテンプレート5を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被研磨物の形状に合わせて矩形状や楕円形状としてもよい。テンプレート5を矩形状とした場合、連結させる分割枠材51には、対向する2つの側面が平行のものや、2つの側面が直角に曲がっているものを用いることができ、テンプレート5の縦横にそれぞれ連結させる分割枠材51の数を調整することで、被研磨物の大きさに合わせてテンプレート5の大きさも変えることができる。
【0044】
また更に、本実施形態では、テンプレート5に接着フィルム4を介してポリウレタンシート2を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PET製フィルム等の基材の両面に接着剤が塗工された両面テープを使用することも可能である。更に、本実施形態では、接着フィルム4の接着剤としてポリウレタン系の可塑性接着剤を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
更にまた、本実施形態では、樹脂シートとしてポリウレタン樹脂製のものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の樹脂を使用してもよい。例えば、ポリエステル樹脂等を使用してもよい。ポリウレタン樹脂を用いるようにすれば、湿式成膜法により連続状の発泡構造を容易に形成することができる。
【0046】
また、本実施形態では、ポリウレタンシート2の裏面に基材を有する両面テープ8を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリウレタンシート2と両面テープ8との間にPET、不織布、織布等の支持材を貼り合わせるようにしてもよい。また、両面テープ8としては、基材を有することなく粘着剤のみで構成されてもよい。更に、本実施形態では、湿式成膜法により作製された成膜樹脂のスキン層側にバフ処理を施しポリウレタンシート2を得る例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、バフ処理に代えてスライス処理を施すようにしてもよく、ポリウレタンシート2の表面側ないし裏面側にバフ処理やスライス処理を施してもよい。バフ処理やスライス処理を施すことでポリウレタンシート2の厚みを均一化させることができる。もちろん、被研磨物の種類によっては、バフ処理やスライス処理を施さなくてもよい。
【実施例】
【0047】
以下、本実施形態に従い製造した保持具10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の保持具についても併記する。
【0048】
(実施例1)
実施例1では、ポリウレタン樹脂として、100%モジュラスが10MPaのポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。このポリウレタン樹脂を30%含むDMF溶液100部に対して、粘度調整用のDMFの35部、顔料のカーボンブラックを30%含むDMF分散液の40部、疎水性活性剤の3部を混合してポリウレタン樹脂溶液を調製した。ポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に塗布し、湿式成膜後にスキン層側をバフ処理してポリウレタンシート2を得た。得られたポリウレタンシート2に両面テープ8を貼り合わせた。連結部材7aおよび軟質部材7bがそれぞれ凹部5aおよび凹部5bに嵌合されたテンプレート5を、ポリウレタンシート2と貼り合わせ、実施例1の保持具10を製造した。
【0049】
(比較例1)
比較例1では、軟質部材を備えておらず、連続した円環状のテンプレートにポリウレタンシートを貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の保持具を製造した。すなわち、比較例1は従来の保持具である。
【0050】
(研磨性能評価)
次に、各実施例および比較例の保持具を用いた3.5インチアルミニウム製磁気基板の研磨加工を以下の条件で行い、ロールオフおよびスクラッチの発生の有無により研磨性能を評価した。ロールオフは、被研磨物の周縁部が中心部より過度に研磨加工されることで生じ、平坦性を評価するための測定項目の1つである。測定方法としては、例えば、光学式表面粗さ計にて外周端部から中心に向かい0.3mmの位置より半径方向に2mmの範囲で2次元プロファイル像を得る。得られた2次元プロファイル像において、半径方向をX軸、厚み方向をY軸としたときに、外周端部からX=0.5mmおよびX=1.5mmの座標位置のY軸の値がY=0となるようにレベリング補正し、このときの2次元プロファイル像のX=0.5〜1.5mm間におけるPV値をロールオフ値(指数)で表した。ロールオフの測定には、表面粗さ測定機(Zygo社製、型番New View 5022)を使用した。また、研磨後のアルミニウム製磁気基板に対して高輝度ハロゲンランプを照射し、目視でアルミニウム製磁気基板の表面に対するスクラッチの有無を外観評価した。ロールオフおよびスクラッチの有無の評価結果を下表1に示す。
使用研磨機:不二越株式会社製、MCP−150X
回転数:(定盤)100r/m、(トップリング)75r/m
研磨圧力:330g/cm
揺動幅:10mm(揺動中心値より200mm)
揺動移動:1mm/min
研磨剤:コロイダルシリカ(平均粒径50nm)
被研磨物:3.5インチアルミニウム製磁気基板
研磨時間:3分間
【0051】
【表1】

【0052】
表1に示すように、軟質部材を備えていない連続した円環状のテンプレートを用いた比較例1の保持具では、ロールオフ値が10.2nmであった。これに対して、連結部材7aおよび軟質部材7bを備えたテンプレート5を用いた実施例1の保持具10では、ロールオフ値が7.1nmと、大きく向上した。これは、実施例1では、軟質部材7bの突起tが分割枠材51の内周面から貫通穴6の内側へ突出するように凹部5bに嵌合させたことで、研磨加工時に被研磨物がテンプレート5と直接接触することが抑制されたため、被研磨物の外縁部にかかる応力が軽減され、端部形状が改善されたと考えられる。テンプレート5の破損も抑制できたため、被研磨物にスクラッチ等の発生も抑制された。また、テンプレート5が連結部材7aにより分割枠材51が連結して形成されているため、テンプレート5が研磨加工中に分解することなく安定した研磨加工を行うことができた。
【0053】
本発明は被研磨物の端部形状を改善し安定した研磨加工を行うことができる枠材および該枠材を有する保持具を提供するものであるため、枠材の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0054】
5 テンプレート(枠材)
7a 連結部材
7b 軟質部材
5a 凹部(第1の凹部)
5b 凹部(第2の凹部)
51 分割枠材
S 連結部
t 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨物の移動範囲を枠内に規制するための枠材であって、
前記枠材を複数に分割した分割枠材と、
前記分割枠材の両端部に形成された第1の凹部に嵌合し、前記分割枠材同士を連結する連結部材と、
前記分割枠材の内周部または前記分割枠材間の連結部の内周側に形成された第2の凹部に嵌合し、前記枠材の内側に向けて突出した突起を有する軟質部材と、
を備えた枠材。
【請求項2】
前記分割枠材の両端面が平面であることを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項3】
前記分割枠材は、繊維強化樹脂で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項4】
前記連結部材および軟質部材がゴム弾性を有する材料で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項5】
前記第1および第2の凹部が一体化されたことを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項6】
前記連結部材および軟質部材が一体形成されたことを特徴とする請求項5に記載の枠材。
【請求項7】
前記第1および第2の凹部が貫通孔または未貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項8】
前記連結部材および軟質部材の厚さが、前記分割枠材の厚さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項9】
前記軟質部材は、前記突起の先端部が拡幅されたことを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項10】
前記分割枠材は、外周面に沿って前記分割枠材を覆う軟質部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の枠材。
【請求項11】
前記分割枠材のすべての最外周を覆う軟質部材をさらに備えた請求項1に記載の枠材。
【請求項12】
被研磨物を保持するための保持具であって、
前記被研磨物を支持する樹脂シート材と、
前記シート材の周部に貼着され、前記被研磨物の移動範囲を枠内に規制する枠材と、
を備え、前記枠材は請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の構成を有することを特徴とする保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−235373(P2011−235373A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107182(P2010−107182)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000005359)富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Fターム(参考)】