説明

水田作業機

【課題】農用資材の繰出し量を調節する調節機構の操作性及びメンテナンス性に優れた水田作業機を提供する。
【解決手段】運転席12を備えた機体1の背面に取り付けられるリンク機構21と、農用資材を田面に供給する供給部81を有し、リンク機構21に連結される作業装置3と、ホース82を介して供給部81に農用資材を繰り出し、運転席12の後方で機体1のステップ20の上方に搭載される農用資材供給装置2とを有する水田作業機において、エンジン16の動力の伝動比を変更し、農用資材供給装置2に伝動して農用資材の繰出し量を調節する調節機構70を、農用資材供給装置2の右側面または左側面のいずれかに、且つ、ステップ20の上方に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥料や種苗等の農用資材を田面に供給する農用資材供給装置を備えた水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
農用資材供給装置を備えた従来からの水田作業機としては、例えば特許文献1の施肥装置(農業資材供給装置)を運転席の後方に搭載した田植機(水田作業機)が知られている。この施肥装置は、肥料を肥料ホッパーから繰り出すための繰出し機構を備えている。繰出し機構は、ミッションケースからの動力が施肥駆動軸、クランクアーム、操作ロッド及び操作アームを経て、繰出し操作軸に伝達されることにより駆動する。操作ロッドの往復上下運動によって、操作アームが揺動し、そして繰出し操作軸が回転駆動される。
【0003】
また、肥料の繰出し量を調節するため、操作アームと連係ロッドとの連係位置を、操作アームの下面に設けられた位置決め用の複数の係合凹部に変更できるよう構成されている。このような構成により、操作ロッドの上下往復運動のストローク量が変わらなくとも、操作アームの往復揺動のストローク量を変更することができ、その結果、繰出し操作軸の回転角度が変化し、肥料の繰出し量を調節できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−267615号公報(図1,2,3,11参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の田植機においては、操作アームや操作具等からなる調節機構が、肥料ホッパーの下後方で、且つ機体幅方向の中央付近に配置されている。したがって、施肥装置の後方に苗植付け装置が搭載されると、繰出し量の調節(すなわち、操作アームと連係ロッドとの連係位置の変更)を運転席から行う場合、操作性の面で改善の余地があった。また、調節機構が施肥装置から後方に突出しているため、農作業時に調節機構に泥がかかりやすく、メンテナンスの面でも問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたもので、農用資材の繰出し量を調節する調節機構の操作性及びメンテナンス性に優れた水田作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る水田作業機の第一特徴構成は、運転席を備えた機体の背面に取り付けられるリンク機構と、農用資材を田面に供給する供給部を有し、前記リンク機構に連結される作業装置と、ホースを介して前記供給部に農用資材を繰り出し、前記運転席の後方で前記機体のステップの上方に搭載される農用資材供給装置とを有する水田作業機において、エンジンの動力の伝動比を変更し、前記農用資材供給装置に伝動して農用資材の繰出し量を調節する調節機構を、前記農用資材供給装置の右側面または左側面のいずれかに、且つ、前記ステップの上方に設けた点にある。
【0008】
第一特徴構成のごとく、調節機構を農用資材供給装置の右側面または左側面のいずれかに設けることによって、水田作業中に農用資材の繰出し量を変更する場合に、作業員が運転席に座ったまま調節機構を操作することが可能となるので、作業を中断する必要が少なく作業効率が向上する。また、作業員が機体から降りている場合にも、調節機構が農用資材供給装置の右側面または左側面のいずれかにあれば、調節機構に手が届きやすいので、調節機構の操作性やメンテナンス性が向上する。さらに、調節機構がステップの上方に位置するので、田面から跳ね上げられた泥がステップで遮られ、調節機構への泥かかりを抑制することができる。
【0009】
第二特徴構成は、前記農用資材供給装置の後端部よりも前方に、前記調節機構を配置した点にある。
【0010】
第二特徴構成のごとく、調節機構を農用資材供給装置の後端部よりも前方に配置することにより、農用資材供給装置の後方に搭載される作業装置と調節機構との干渉を防止することができる。このため、調節機構の操作性やメンテナンス性が向上する。また、この配置によれば、調節機構がステップよりも後方に突出する部分が少なくなるので、泥かかりの抑制効果がさらに期待できる。
【0011】
第三特徴構成は、支点周りに天秤状に揺動する揺動部材と、前記支点の位置を前記揺動部材の長手方向に沿って変更する移動部材とを備え、前記エンジンの動力が往復動作として入力される入力端部を前記揺動部材の一方の端部に備え、前記往復動作を前記農用資材供給装置に伝達する出力端部を前記揺動部材の他方の端部に備えて、前記調節機構を構成した点にある。
【0012】
第三特徴構成によれば、移動部材を動かして揺動部材の支点位置を変更するだけで入力と出力との比が変化し、入力端部と出力端部との伝動比を連続的あるいは段階的に容易に変化させることが可能となる。このため、調節機構の操作性が向上するとともに、農用資材の繰出し量の調節自由度が高いものとなる。
【0013】
第四特徴構成は、前記揺動部材の長手方向が前記機体の前後方向に沿うように、前記調節機構を配置した点にある。
【0014】
第四特徴構成によれば、揺動部材及び移動部材が農用資材供給装置の右側面または左側面に沿った状態となるので、調節機構の機体幅方向への突出を抑えることができる。このため、水田作業機の車庫や運搬車への収納性を悪化させることがない。
【0015】
第五特徴構成は、前記農用資材供給装置の前側に配置され、農用資材を前記供給部に送るための搬送風を前記農用資材供給装置に供給する送風ダクトと、前記農用資材供給装置の後側に配置され、農用資材を前記農用資材供給装置から回収する排出ダクトとを設け、前記調節機構を設けた前記農用資材供給装置の側面とは反対側の側面が位置する側に、前記送風ダクトと前記排出ダクトを連結する連結ダクトとを設けた点にある。
【0016】
連結ダクトは搬送風を送風ダクトから排出ダクトに供給して、搬送風を農用資材の回収用に利用するためのものである。第五特徴構成のごとく、送風ダクトと排出ダクトを連結する連結ダクトを、調節機構を設けた農用資材供給装置の側面とは反対側の側面が位置する側に設けると、連結ダクトと調節機構とが互いに干渉することなく配置可能となるとともに、重量バランスの点において好ましいものとなる。
【0017】
第六特徴構成は、搬送風を前記送風ダクトから前記農用資材供給装置に供給し且つ前記送風ダクトから前記排出ダクトへの搬送風の流れを遮断する作業状態と、搬送風を前記送風ダクトから前記連結ダクトを介して前記排出ダクトに送る回収状態とに切り換え自在なシャッタを設けてある点にある。
【0018】
第六特徴構成のごとく、作業状態と回収状態とに切り換え自在なシャッタを設けることによって、農用資材の供給時と回収時のそれぞれにおいて搬送風を利用する状態を、シャッタの操作により容易に得ることができるようになり、作業状態と回収状態の両状態において作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る田植機の全体側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る田植機の全体平面図である。
【図3】施肥装置の全体を示す正面図である。
【図4】繰出し機構の配置を示す平面図である。
【図5】調節機構を示す側面図である。
【図6】調節機構の動作を説明する側面図である。
【図7】調節機構の動作を説明する側面図である。
【図8】図6のVIII−VIII面における調節機構の断面図である。
【図9】図6のIX−IX面における調節機構の断面図である。
【図10】表示部の詳細を示す上面図である。
【図11】作業状態における搬送風の流れを示す概略図である。
【図12】回収状態における搬送風の流れを示す概略図である。
【図13】繰出し機構の詳細を示す断面図である。
【図14】シャッタの開閉を行う操作レバーの動作を示す側面図である。
【図15】繰出しロールの駆動切換構造を説明する断面図である。
【図16】繰出しケースの開状態を示す側面図である。
【図17】排出ダクトの接続部に設けた突起部を示す拡大図である。
【図18】送風ダクトに取り付けた導入部材を示す拡大図である。
【図19】連結ダクトに設けた連結シャッタの動作を示す拡大図である。
【図20】送風ダクトに設けた分岐シャッタの動作を示す拡大図である。
【図21】本発明の別実施形態に係る調節機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る水田作業機の実施形態の一例として、施肥装置を備えた田植機について説明する。
【0021】
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る水田作業機は、機体1の運転部ステップ18上にステアリングハンドル10等を装備した操縦部11と運転席12とを備える。機体1は操向操作自在な左右一対の前輪14及び後輪15を備えており、車体フレーム13の前部側にエンジン16及びミッションケース17が配設される。運転部ステップ18の両外側には、運転部ステップ18と連続的なステップ面をなす前部補助ステップ19が設けられ、さらにその両外側に予備苗のせ台22が設置される。また、前部補助ステップ19の後端付近から、後部補助ステップ20が後方に迫り上がるように配設される。
【0022】
肥料(農用資材)を供給する施肥装置2(農用資材供給装置)は、運転席12の後方且つ後部補助ステップ20の上方に配設される。機体1の背面にはリフトシリンダ21aを備えたリンク機構21を昇降操作自在に連結してあり、このリンク機構21の後端側に苗植付装置3(作業装置)が装着される。施肥装置2の繰出し機構32から繰り出された肥料は、ホース82を通って苗植付装置3の作溝器81(供給部)から田面に供給される。
【0023】
〔苗植付装置〕
図1及び図2に示すように、本実施形態においては、苗植付装置3は8条植えに構成されている。4個の植付伝動ケース83、植付伝動ケース83の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース84、回転ケース84の両端に配備される植付爪85、5個の接地フロート86、及び苗のせ台87等によって構成してある。各植付爪85による苗植付け箇所の横側付近には、接地フロート86に取付けた作溝器81が1個ずつ配置され、その上端部にはホース82が接続されている。繰出し機構32から繰り出された肥料は、ホース82を通って作溝器81より田面に供給される。
【0024】
〔施肥装置〕
図3に示すように、施肥装置2は肥料を貯留するホッパー31とホッパー31の下側に配置された4つの繰出し機構32とからなる。ホッパー31は肥料を貯留するための透明樹脂製の容器であり、上部に取り付けられた蓋を開けて肥料が投入できるように構成されている。本実施形態の場合、ホッパー31は機体幅方向に沿った長辺を有するほぼ直方体形状となっており、内部は4つの部屋に仕切られている。これらの各部屋に対応する位置に繰出し機構32が4箇所に配設され、ホッパー31から繰出し機構32に肥料が送られる。
【0025】
ホッパー31はホッパー支持フレーム33に固定される。図4に示すように、ホッパー支持フレーム33は、ホッパー31の前面及び側面を支持する前側面フレーム33a、後面を支持する後面フレーム33b、及びホッパー31の各部屋の境界部近傍を支持する補助フレーム33cから構成される。
【0026】
図13に示すように、繰出し機構32は繰出しケース34及び繰出しロール37を備える。繰出しケース34は上部繰出しケース35と下部繰出しケース36とからなり、ホッパー31と連結されている上部繰出しケース35には、ホッパー31に貯留されている肥料が流入する。繰出しロール37は上部繰出しケース35と下部繰出しケース36との境界部に配設され、繰出しロール37の外周には肥料入り込み用の凹部37aが周方向に沿って多数形成されている。繰出し軸65が図13の時計回りに回転すると、凹部37a内にある肥料が下部繰出しケース36に送られる。このとき、すり切り用のブラシ38により、凹部37aに入り込んでいない肥料は下部繰出しケース36に送られないため、凹部37aに入り込んでいる一定量の肥料が繰り出し可能となる。なお、繰出しケース34は樹脂製の透明な材料から作製されており、外部から内部を視認することができる。
【0027】
下部繰出しケース36の下端部の前側(図13の右側)に設けられた送風部36aは、送風ダクト101と連結され、送風ダクト101からの搬送風を下部繰出しケース36に送る。また、下部繰出しケース36の下端部の後側(図13の左側)に設けられた搬送部36bは、肥料を苗植付装置3の作溝器81に搬送するためのホース82と連結される。このように構成することにより、上部繰り出しケース35から繰出しロール37を介して下部繰出しケース36に送られた肥料は、送風ダクト101からの搬送風によって滞りなくホース82に送られ、作溝器81から田面に供給される。
【0028】
上部繰出しケース35の後側には排出口35aが設けられ、切換板39が横軸芯周りに揺動可能に取り付けられている。排出口35aは、排出ダクト102の接続部102aと連結される。通常の田植作業時には、切換板39は図13の実線で示す閉状態で維持されており、肥料は排出ダクト102に排出されず、繰出しロール37を経て下部繰出しケース36に繰り出される。一方、田植作業の終了後等に肥料をホッパー31から回収する場合、切換板39を図13の点線で示す開状態に操作すると、ホッパー31に残っている肥料が排出口35aから排出ダクト102に排出される。このとき、排出ダクト102の側が低くなるよう接続部102aに形成された段部102bにより、肥料が排出されやすくなるとともに、搬送風によって肥料が排出ダクト102から上部繰出しケース35に逆流するのを防止する。なお、排出ダクト102の平面配置や切換板39の切換え操作については後述する。
【0029】
図16に示すように、上部繰出しケース35と下部繰出しケース36は分割可能に構成されている。分割面は、側面視において後側(図16の左側)から前側(図16の右側)に向かって高くなっており、上部繰出しケース35の下端部をなす傾斜面Yと一致する。上部繰出しケース35と下部繰出しケース36とは、上部繰出しケース35に形成した係合孔35bと下部繰出しケース36に形成した係合片36cとが係合して連結し、この係合部を中心に下部繰出しケース36の前側が下がるように開く。繰出しケース34を閉状態とするには、下部繰出しケース36を持ち上げた状態で、下部繰出しケース36に回動自在に取り付けられている開閉レバー40を操作し、開閉レバー40の係合凹部40aを、上部繰出しケース35の係合凸部35cに係合させればよい。
【0030】
従来、繰出しケース34の分割面はほぼ水平に構成されていたが、本実施形態のごとく分割面の前側が高くなるように構成すると、繰出しケース34を開状態としたときの前面開口角度が大きくなるため、内部の視認性やメンテナンス性が向上する。また、繰出しケース34を閉状態としている場合においても、図13に示すように下部繰出しケース36の前面が広くなるため、繰出しロール37の外部からの内部視認性が向上し、繰り出し状況を確認しながらの作業や不具合の早期発見が可能となる。
【0031】
図15に基づいて、1つの繰出し機構32に左右一対装備される繰出しロール37の駆動切換構造について説明する。繰出し軸65は、駆動軸62に固定された駆動ギア63から動力伝達を受ける受動ギア部65A、受動ギア部65Aに連なる筒状保持部65B、及び長尺の軸状部65Cから構成される。繰出し軸65内に形成されている孔部は、受動ギア部65Aに形成してある大径孔部65a、筒状保持部65Bに形成してある中径孔部65b、及び軸状部65Cに形成してある小径孔部65cからなる。この孔部に動力伝達用のキー部材66が挿入される。また、軸状部65Cには、キー部材66の位置決め用のスプリングボール機構65Dが設けられている。
【0032】
繰出し軸65に外嵌される左右の中間ボス体67は、大径筒状部67Aと小径筒状部67Bとで構成され、同一仕様のものが左右対称に突合せ状態で配設される。中間ボス体67の内部には、大径保持孔67a、小径保持孔67b及びキー溝67cが連続的に形成される。受動ギア部65A側に位置する中間ボス体67においては、大径保持孔67aは筒状保持部65Bを内嵌保持し、小径保持孔67bは軸状部65Cを内嵌保持する。また、受動ギア部65A側とは反対側端部に位置する中間ボス体67においては、小径保持孔67bは軸状部65Cを内嵌保持する。キー溝67cは、左右の中間ボス体67の突合せたときに一体的な溝を形成し、その溝内にキー部材66の係合部66Dが位置するよう構成されている。
【0033】
キー部材66は、長尺の棒状部材であり、大径の円盤状の摘み部66Aと、棒状の支持部66Bと、半円弧状の位置決め部66Cと、係合部66Dとを連続的に形成してなる。支持部66Bには、位置決めのための表示部66a,66b,66cを3箇所に設けてある。この表示部66a,66b,66cに対応して、位置決め部66Cの下向き面に3つの係合穴66d,66e,66fが設けてある。スプリングボール機構65Dのボールが係合穴66d,66e,66fに係合することにより、キー部材66の位置決めがなされる。
【0034】
次に、キー部材66の操作方法を説明する。摘み部66Aから最も遠い位置に設けられている表示部66cを、受動ギア部65Aの端部に対応する位置に合わせると、キー部材66の係合部66Dは、受動ギア部65A側の中間ボス体67のキー溝67cのみに係合する。したがって、受動ギア部65Aを介して繰出し軸65に伝達された動力は、キー部材66、受動ギア部65A側の中間ボス体67を介して、受動ギア部65A側の繰出しロール37のみに伝達される。このとき、係合穴66fにスプリングボール機構65Dのボールが係合して、キー部材66の位置決めが維持される。
【0035】
キー部材66の摘み部66Aを持って一段押し込み、図15に示すように、中間に位置する表示部66bを受動ギア部65Aの端部に対応する位置に合わせると、キー部材66の係合部66Dは両中間ボス体67のキー溝67cに係合する。したがって、受動ギア部65Aを介して繰出し軸65に伝達された動力は、キー部材66、両中間ボス体67を介して両繰出しロール37に伝達される。このとき、係合穴66eにスプリングボール機構65Dのボールが係合して、キー部材66の位置決めが維持される。
【0036】
キー部材66の摘み部66Aを持って更に一段押し込み、摘み部66Aに最も近い位置に設けられている表示部66aを受動ギア部65Aの端部に対応する位置に合わせると、キー部材66の係合部66Dは、受動ギア部65Aとは反対側に位置する中間ボス体67のキー溝67cのみに係合する。したがって、受動ギア部65Aを介して繰出し軸65に伝達された動力は、キー部材66、受動ギア部65Aとは反対側に位置する中間ボス体67を介して、受動ギア部65Aとは反対側に位置する繰出しロール37のみに伝達される。このとき、係合穴66dにスプリングボール機構65Dのボールが係合して、キー部材66の位置決めが維持される。
【0037】
以上のように、キー部材66を中間ボス体67に対して出退することによって、繰出しロール37のいずれか一方、あるいは両方を駆動するよう切換可能となる。また、キー部材66は繰出し軸65の軸内に装着してあるので、肥料の荷重を受けることなく出退操作が行え、操作が容易に行える。
【0038】
〔駆動・伝達機構〕
繰出し機構32に動力を伝達して駆動する駆動・伝達機構について説明する。繰出し機構32を操作する動力は、図1に示すミッションケース17から後方に延出されたPTO軸51から伝達される。図3に示すように、PTO軸51及び回転アーム52は機体1の左右中央に配置されて、左右の車体フレーム13の間に配置されている。図5に示すように、PTO軸51に回転アーム52が連結され、回転アーム52の偏芯位置に連係ロッド53が上方に延出するように連結される。このような構成により、PTO軸51の回転により回転アーム52が回転駆動すると、連係ロッド53が上下往復運動を行う。
【0039】
図4及び図8に示すように、連係軸55は施肥装置2の右後側部に沿って配置され、後面フレーム33bに回転自在に支持されている。図4〜図8に示すように、この連係軸55の一端は受けアーム54を介して連係ロッド53の上端部に連結され、他端は駆動アーム56を介して上下方向に延びる連動ロッド57の下端部に連結される。以上の構成により、連係ロッド53の上下往復運動が、受けアーム54、連係軸55及び駆動アーム56を介して連動ロッド57に伝達され、連動ロッド57は上下往復運動する。
【0040】
図6に示すように、連動ロッド57の上端は、後述する調節機構70の一部をなす揺動部材58の入力端部58aに連結される。揺動部材58は可動式の連結ピン73を支点として天秤揺動し、入力端部58aと反対側の出力端部58bから下方に延出している駆動ロッド59を上下往復運動させる。駆動ロッド59の下端は入力アーム60に連結され、この入力アーム60を介して、駆動ロッド59の上下往復運動がワンウェイクラッチ61に回転運動として伝達される。ワンウェイクラッチ61が回転すると、軸芯をワンウェイクラッチ61と同じくする駆動軸62が回転する。図14及び図15に示すように、駆動軸62の回転運動が、駆動ギア63を介して繰出し軸65の受動ギア部65Aに伝達され、繰出し機構32を駆動させる。
【0041】
〔調節機構〕
肥料の繰出し量の調節を行う調節機構70の構成について説明する。図8及び図9に示すように、調節機構70は、ホッパー31を支持する前側面フレーム33a及び後面フレーム33bに溶接されているブラケット95、及びブラケット95とボルト固定されている固定ブラケット94に固定されている。
【0042】
図6に示すように、調節機構70は、揺動部材58と、揺動部材58の支点Xを変更する支点変更手段71とからなる。揺動部材58は長手方向が機体前後方向に沿うように配設され、揺動部材58には長孔58cが形成されている。揺動部材58の入力端部58aに入力される連動ロッド57からの上下往復運動は、長孔58cに嵌入されている連結ピン73を支点Xとした天秤揺動により出力端部58bに伝達される。
【0043】
図6,7,9に示すように、位置決め用アーム91が、固定端部91aを介して固定ブラケット94に回動自在に取り付けられる。この位置決め用アーム91のもう一方の端部である揺動端部91bは、揺動部材58の入力端部58aと連結される。位置決め用アーム91は、連動ロッド57からの上下往復運動によって揺動部材58が機体前後方向(図6,7の左右方向)に移動するのを規制する。入力端部58aの揺動軌跡の半径は、揺動端部91bの揺動軌跡の半径よりも大きいので、入力端部58aが揺動端部91bとともに揺動する際に、揺動部材58は機体前後方向(図6,7の左右方向)にわずかながら往復運動する。
【0044】
図6に示すように、連結ピン73の位置が揺動部材58の長手方向中心付近であれば、入力端部58aの入力側揺動範囲Mとほぼ同じ出力側揺動範囲Nが出力端部58bで得られる。そして、この出力側揺動範囲Nに対応して、ワンウェイクラッチ回転角Oが得られる。一方、図7に示すように、連結ピン73を出力端部58bの側に移動すると、入力側揺動範囲Mに比して出力側揺動範囲Nが小さくなる。その結果、ワンウェイクラッチ回転角Oは図6の場合よりも小さくなるため、肥料の繰出し量が減少する。すなわち、支点位置変更手段71によって連結ピン73を、揺動部材58の長孔58c内及び固定ブラケット94の長孔94a内で移動調節することにより、肥料の繰出し量が調節可能な構成となっている。
【0045】
次に、支点位置変更手段71について説明する。図6に示すように、支点位置変更手段71は、雄ねじ部74aを形成したねじ軸74と、雄ねじ部74aに螺合してねじ軸74に沿って往復移動する移動部材75と、ねじ軸74の細径部74bに着脱自在に装着される調節操作具76とを備える。調節操作具76を手動で回してねじ軸74を回転させると、移動部材75がねじ軸74に沿って移動し、支点Xの位置が変更されるよう構成されている。
【0046】
ねじ軸74は、2つの支持ブラケット77に設けたボス部77aの間に亘って、ベアリング78により軸芯W周りに回動自在に支持してある。移動部材75は、ねじ軸74に移動自在に外嵌された円筒状のホルダー部75aと、ホルダー部75aから下方に向けて延出された吊り下げ部材75bと、ホルダー部75aから上方に向けて延出する表示部材75cとを備える。
【0047】
図7〜図9に示すように、断面視で逆U字状となる吊り下げ部材75bは、その下端部で揺動部材58を挟み込むように構成されるとともに、連結ピン73が取り付けられている。連結ピン73は、揺動部材58の長孔58c内に配置され、揺動部材58の支点Xを構成する。また、表示部材75cの上端部は、取付カバー93の上面に設けた表示部材用孔93aから突出するよう構成してある。図10に示すように、取付カバー93の上面には肥料の繰出し量を表示する目盛りが表示されており、移動部材75の位置に応じて、表示部材75cが適切な値を指標する。
【0048】
次に調節機構70の配置について説明する。本実施形態においては、揺動部材58及び支点位置変更手段71からなる調節機構70は、図1,2,5から分かるように、ホッパー31の右側面に配置される。また、調節操作具76を含む一部分を除いて、調節機構70はホッパー31の後端部31aと前端部31bとの間でホッパー31の開閉自在な蓋部31cよりも下側に、且つ車両前後方向に沿うように配置される。調節操作具76は前端部31bよりも前方に突出し、運転席12からでも調節操作具76に手が届くため、機体1を降車しなくとも調節作業を行うことが可能となる。
【0049】
また、図1及び図2に示すように、調節機構70は平面視で後部補助ステップ20と重複(後部補助ステップ20の外端部20aよりも機体1の左右中央側に位置)し、且つ後部補助ステップ20の上方に位置する。このため、後部補助ステップ20が泥よけの役割を果たすことによって、田面から飛散する泥等が調節機構70にかかりにくくなるという効果も得られる。
【0050】
〔起風・搬送手段〕
肥料の供給あるいは回収の際に利用される搬送風の起風手段及び搬送手段について説明する。図1に示すように、起風手段である電動ブロア104は、運転席12の下後方に配設される。また、図2に示すように、外気を導入する導入ダクト105の吸気口105aは、エンジン16の近傍且つマフラー25の後方に配設されている。このように配設することで、エンジン16からの熱気やマフラー25からの排熱を吸引して、搬送風により肥料を乾燥させ、肥料の搬送を促進する効果が期待できる。
【0051】
導入ダクト105から導入された搬送風は、図11に示すように、電動ブロア104により送風ダクト101に搬送される。送風ダクト101は右側送風ダクト101a、左側送風ダクト101b及び分岐ダクト101cから構成され、繰出し機構32の前側(図11の下側)に配設される。分岐ダクト101cには右側送風ダクト101aと左側送風ダクト101bがそれぞれ連結され、右側送風ダクト101a及び左側送風ダクト101bには各繰出し機構32が連結される。また、分岐ダクト101cには、分岐ダクト101cから右側送風ダクト101aへの搬送風の流入の許容及び遮断可能な分岐シャッタ106が設けられている。
【0052】
肥料回収時に利用される排出ダクト102は、繰出し機構32の後側(図11の上側)に配設され、各繰出し機構32と連結される。排出ダクト102の右端(図11の左側)には、肥料を回収するための回収口102cが設けられている。送風ダクト101と排出ダクト102とは、それぞれのダクトの左端部(調節機構70を配置したホッパー31の右側面と反対側)にて、平面視でコ字状の連結ダクト103により連結される(図2,3参照)。連結ダクト103には連結シャッタ107が設けられ、搬送風の流入の許容及び遮断を切り換えることができる。
【0053】
図11に示すように、繰出し機構32の排出口35aに取り付けられた切換板39、分岐シャッタ106及び連結シャッタ107の開閉は、切換レバー26を操作することによって、切換軸27が回転して同時に切り換えられるよう構成してある。切換レバー26は回収口102cの近傍に設けられているので、作業者が肥料の回収状況を確認しながら切換レバー26の操作を行うことができる。
【0054】
図14は切換板39の開閉操作について、詳細を示したものである。切換レバー26は切換軸27の右端に設けられており(図11参照)、切換軸27には複数の切換アーム28が固定されている。切換レバー26と前側面フレーム33aとの間にはスプリング24が設けられている。また、切換アーム28と切換部材30との間にはスプリングロッド29が設けられている。
【0055】
図14に示すように、切換レバー26を実線で示す作業位置から点線で示す回収位置に操作すると、切換アーム28が点線で示す位置に回動し、切換アーム28に連結されたスプリングロッド29が切換部材30を回動させる。その結果、切換部材30と連動する切換板39が開状態となる。なお、切換レバー26にはスプリング24による引張力が常時作用しており、切換レバー26が回収位置と作業位置との間にある場合には、上記引張力により回収位置か作業位置のいずれかが択一的に選択されるよう構成されている。
【0056】
次に、図19に基づいて連結シャッタ107の動作を説明する。上記切換レバー26を回収位置に操作すると、切換軸27の回転によって回動アーム45が回動し、回動アーム45に連結されている操作ロッド46が実線から点線に示す位置に移動する。すると、操作ロッド46に連結されている操作アーム47が回動軸47aを中心に回動し、回動軸47aに固定された連結シャッタ107が点線で示す開状態となる。
【0057】
同様に、図20に基づいて分岐シャッタ106の動作を説明する。上記切換レバー26を回収位置に操作すると、切換軸27の回転によって回動アーム41が回動し、回動アーム41に連結されている操作ロッド42が実線から点線に示す位置に移動する。すると、操作ロッド42に連結されている操作アーム43が回動軸43aを中心に回動し、回動軸43aに固定された分岐シャッタ106が点線で示す閉状態となる。すなわち、切換板39を開状態とする操作により、分岐シャッタ106は開状態から閉状態に、連結シャッタ107は閉状態から開状態に同時に切り換えられるよう構成されている。
【0058】
図17に示すように、排出ダクト102を上部繰出しケース35と接続している接続部102aに、平面視で三角形状の突起部102dを形成している。この突起部102dは、搬送風の流れにおいて下流側となる接続部102aの側面に形成されており、搬送風が上部繰出しケース35に流れ込んだり、接続部102aで搬送風が拡散して渦を作ったりするのを防止する。
【0059】
図18に示すように、繰出し機構32の送風部36aと送風ダクト101とを接続する箇所に、導入部材108を取り付けてある。導入部材108は、送風ダクト101内に突出する椀状の導入部108aを備えている。導入部108aは送風ダクト101の上流側に開口部を向けるように配置され、搬送風が送風ダクト101から送風部36aに流入しやすくなるよう構成されている。
【0060】
田植作業時(作業状態)には、切換レバー26を作業位置に維持して、図11に示すように、切換板39を閉状態、分岐シャッタ106を開状態、そして連結シャッタ107を閉状態とする。すると、電動ブロア104からの搬送風は、右側送風ダクト101a及び左側送風ダクト101bに送られるが、連結シャッタ107により排出ダクト102には送られない。このため、搬送風は送風ダクト101から繰出し機構32に送られ、田面への肥料供給を促進するために利用されることになる。
【0061】
一方、肥料回収時(回収状態)には、切換レバー26を開位置に維持して、図12に示すように、切換板39を開状態、分岐シャッタ106を閉状態、そして連結シャッタ107を開状態とする。すると、電動ブロア104からの搬送風は右側送風ダクト101aには送られず、左側送風ダクト101bにのみ送られる。連結シャッタ107が開いているため、左側送風ダクト101bに送られた搬送風は、連結ダクト103を経て排出ダクト102に送られる。また、切換板39が開いているため、肥料は繰出し機構32から排出ダクト102に排出される。その結果、排出ダクト102に排出された肥料が、搬送風によって肥料回収口102cへと運ばれ、肥料回収を簡単に行うことができる。
【0062】
〔他の実施形態〕
前述の実施形態においては、肥料の繰出し量を調節するために、調節機構70の調節操作具76を手動で回転させる必要があったが、図21に示すように、ねじ軸74が駆動モータ99で回転駆動される構成としてもよい。このとき、駆動モータ99の駆動スイッチを操縦部11に設ければ、田植作業を中断することなく繰出し量を変更することができ、さらに好ましい実施形態となる。駆動モータ99に代えて、油圧シリンダや電動シリンダを用いてもよい。なお、図21には調節操作具76や表示部材75cも示してあるが、これらは駆動モータ99に不具合が発生した場合の緊急手段として用いられるものである。
【0063】
一般的に、適正施肥量は一反あたりの重量により規定されている。調節機構70を手動で操作する場合には、施肥量が適正値から外れていたとしても、田植作業を続行したまま繰出し量を修正することは困難である。しかし、上記のように操縦部11に設けられた駆動スイッチで繰出し量の調節が可能となれば、田植作業を中断することなく適切に施肥量を調節することが可能となる。
【0064】
また、ホッパー31内の肥料の変化量を検出する目盛り又は残量センサを備えてもよい。ホッパー31に残存している肥料の重量は、上記目盛り又は残量センサから肥料の体積を読み取り、これに比重を乗じて求めることができる。当初投入肥料量から残存重量を減じ、車輪回転数等から算出した作業面積で除すれば、それまでの一反あたりの施肥量(重量)が求められる。この施肥量と適正施肥量との差分を修正すべく、自動的に駆動モータ99を駆動して繰出し量を調節する制御又は手動で調節を行えば、正確な施肥作業を行うことができる。その結果、施肥量にムラがなくなり、作物の生育がよくなることが期待される。
【0065】
他の実施形態として、調節機構70をホッパー31の左側の側面に設け、連結ダクト103を右側に設けてもよいし、電動ブロア104を車幅方向中央付近ではなく、ホッパー31の右側面あるいは左側面の下方付近に配置してもよい。この場合、電動ブロア104を、調整機構70を配置した側の反対側に配置すれば、重量バランスの点において好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、苗植付装置を搭載した水田作業機だけでなく、種籾を直接田面に施す直播装置、液状の肥料を施す液状供給装置、薬剤散布装置あるいは育苗装置に使用される種籾繰出し装置を搭載した水田作業機に適用することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1 機体
2 施肥装置(農用資材供給装置)
3 苗植付装置(作業装置)
12 運転席
16 エンジン
21 リンク機構
31 ホッパー
32 繰出し機構
58 揺動部材
58a 入力端部
58b 出力端部
70 調節機構
75 移動部材
81 作溝器(供給部)
82 ホース
101 送風ダクト
102 排出ダクト
103 連結ダクト
106 分岐シャッタ(シャッタ)
107 連結シャッタ(シャッタ)
X 支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を備えた機体の背面に取り付けられるリンク機構と、
農用資材を田面に供給する供給部を有し、前記リンク機構に連結される作業装置と、
ホースを介して前記供給部に農用資材を繰り出し、前記運転席の後方で前記機体のステップの上方に搭載される農用資材供給装置とを有する水田作業機であって、
エンジンの動力の伝動比を変更し、前記農用資材供給装置に伝動して農用資材の繰出し量を調節する調節機構を、前記農用資材供給装置の右側面または左側面のいずれかに、且つ、前記ステップの上方に設けてある水田作業機。
【請求項2】
前記農用資材供給装置の後端部よりも前方に、前記調節機構を配置してある請求項1に記載の水田作業機。
【請求項3】
支点周りに天秤状に揺動する揺動部材と、前記支点の位置を前記揺動部材の長手方向に沿って変更する移動部材とを備え、
前記エンジンの動力が往復動作として入力される入力端部を前記揺動部材の一方の端部に備え、前記往復動作を前記農用資材供給装置に伝達する出力端部を前記揺動部材の他方の端部に備えて、前記調節機構を構成してある請求項1または2に記載の水田作業機。
【請求項4】
前記揺動部材の長手方向が前記機体の前後方向に沿うように、前記調節機構を配置してある請求項3に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記農用資材供給装置の前側に配置され、農用資材を前記供給部に送るための搬送風を前記農用資材供給装置に供給する送風ダクトと、
前記農用資材供給装置の後側に配置され、農用資材を前記農用資材供給装置から回収する排出ダクトとを設け、
前記調節機構を設けた前記農用資材供給装置の側面とは反対側の側面が位置する側に、前記送風ダクトと前記排出ダクトとを連結する連結ダクトを設けた請求項1〜4のいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項6】
搬送風を前記送風ダクトから前記農用資材供給装置に供給し且つ前記送風ダクトから前記排出ダクトへの搬送風の流れを遮断する作業状態と、搬送風を前記送風ダクトから前記連結ダクトを介して前記排出ダクトに送る回収状態とに切り換え自在なシャッタを設けてある請求項5に記載の水田作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−120482(P2011−120482A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278441(P2009−278441)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】