水田作業機
【課題】詰まりを容易に除去でき、作業負担の低減を図ることができる水田作業機を提供する。
【解決手段】粉粒体mを貯留可能なホッパと、ホッパに貯留された粉粒体mを所定量づつ繰り出す繰出部と、繰出部から繰り出された粉粒体mを搬送する管部28と、管部28によって搬送された粉粒体mを田面に供給する供給部83と、管部28と供給部83とを接続する接続部84と、を備え、粉粒体mの詰まりを検出するセンサ部93を供給部83または接続部84に設けると共に、開閉可能な蓋95を有する開口96を供給部83または接続部84に設けてある。
【解決手段】粉粒体mを貯留可能なホッパと、ホッパに貯留された粉粒体mを所定量づつ繰り出す繰出部と、繰出部から繰り出された粉粒体mを搬送する管部28と、管部28によって搬送された粉粒体mを田面に供給する供給部83と、管部28と供給部83とを接続する接続部84と、を備え、粉粒体mの詰まりを検出するセンサ部93を供給部83または接続部84に設けると共に、開閉可能な蓋95を有する開口96を供給部83または接続部84に設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を貯留可能なホッパと、前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備えた水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の水田作業機では、供給部としての作溝器の内壁に、粉粒体としての肥料の詰まりを検出するセンサ部を設けてあるものがあった(例えば、特許文献1の図3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3479474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作溝器は、機体走行に伴って田面に埋設溝を形成するために田面に入り込んでいる。このため、作溝器によって肥料を埋設溝に供給するときに、水分を吸収して塊状になった肥料が作溝器の内部に付着して、作溝器の内部に詰まりを生じることがある。センサ部が詰まりを検出すると、作業者は、作溝器の内部の詰まりを除去するために作溝器の下側から作溝器の内部の掃除を行ったり、作溝器から接続部を取り外して作溝器の上側から作溝器の内部の掃除を行っていた。
【0005】
しかしながら、作溝器の下側から作溝器の内部の掃除を行なう場合には、作業者は、体を左右に傾けた姿勢で作溝器の下側から作溝器の内部に手指等を差し込んで、手探り状態で作溝器の内部の詰まりを掻き出すことになるので、作業が煩雑になるものであった。また、手探り状態で作溝器の内部の詰まりを掻き出すため、作溝器の内部の詰まりを完全に除去したかどうか確認できないものであった。さらに、作溝器の下側から作溝器の内部の詰まりを掻き出そうとしても、手指等が作溝器の内部の詰まりに届かないことがあるため、作溝器の内部の詰まりを完全には除去し難いことがあった。
【0006】
また、作溝器から接続部を取り外して作溝器の上側から作溝器の内部の掃除を行なう場合には、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で作溝器から接続部を取り外して、作溝器の上側から作溝器の内部のセンサ部を視認しつつ作溝器の内部の詰まりを除去できるので、作業が容易になる。また、作溝器の内部の詰まりを完全に除去したかどうか確認したり、センサ部の異常を発見し易くなる。しかしながら、作溝器から接続部を取り外し、作溝器の内部の掃除を行ったのちに、作溝器に接続部を取り付ける必要がある等、作業工程が複雑になるものであった。
【0007】
本発明の目的は、詰まりを容易に除去でき、作業負担の低減を図ることができる水田作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の水田作業機の第1特徴構成は、粉粒体を貯留可能なホッパと、前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備え、粉粒体の詰まりを検出するセンサ部を前記供給部または前記接続部に設けると共に、開閉可能な蓋を有する開口を前記供給部または前記接続部に設けてある点にある。
【0009】
本構成によれば、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で蓋を開けて、供給部または接続部に設けられた開口から供給部または接続部の内部のセンサ部を視認しつつ供給部または接続部の内部の掃除やメンテナンス等を行うことができるので、作業が容易になる。また、供給部または接続部の内部の詰まりを除去したかどうか確認したり、センサ部の異常を発見し易くなる。しかも、供給部または接続部の内部の掃除を行なうためには、蓋を開けるだけでよいので、接続部から管部を取り外したり、供給部から接続部を取り外す必要がない等、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記センサ部のセンサ面と前記開口とを互いに対向する位置に設けてある点にある。
【0011】
本構成によれば、蓋を開けると、開口の前面にセンサ部が露出するので、センサ部を一層視認し易く、センサ部周りの掃除やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記センサ部は、粉粒体の詰まりを検出する平板状の衝撃センサと、上面に前記衝撃センサが設置されたホルダと、を備えて構成され、粉粒体が前記衝撃センサに衝突する位置に、前記衝撃センサおよび前記ホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置し、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも上側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも下側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも低くするようにしてある点にある。
【0013】
近年、粉粒体の詰まりを検出するセンサとして衝撃センサを採用するようになってきた。この衝撃センサは、粉粒体が衝撃センサのセンサ面に衝突したときの振動を検出し、その振動によって正常状態と詰まり状態とを判別するものである。
【0014】
しかし、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留すると、センサ面の近傍の粉粒体によって衝撃センサのセンサ面に向かう粉粒体が遮られて、粉粒体が衝撃センサのセンサ面に衝突するときのスピードが減少する。これにより、衝撃センサの検出感度が落ちて、衝撃センサの誤検出を招いてしまうことがある。また、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留してセンサ面に付着すると、その付着した粉粒体の質量によって衝撃センサの振動数が変化する。これにより、衝撃センサの検出誤差が生じて、衝撃センサの誤検出を招いてしまうことがある。
【0015】
そこで、衝撃センサおよびホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置する。これにより、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍をスムーズに流れ易くなり、センサ面の近傍の粉粒体によってセンサ面に向かう粉粒体が遮られずにセンサ面に衝突し易くなる。よって、粉粒体がセンサ面に衝突するときのスピードを維持し易くなり、衝撃センサの検出感度を良好に維持できる。また、長時間の使用時においても粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留し難くセンサ面に付着し難くなるので、衝撃センサの検出誤差が生じ難くなる。その結果、衝撃センサの検出精度の向上を図ることができる。
【0016】
さらに、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分の高さを、衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さを、衝撃センサのセンサ面よりも低くする。
【0017】
例えば、ホルダの上面の凹部に衝撃センサを嵌め込んだ場合、衝撃センサの厚みがホルダの上面の凹部の深さよりも小さいと、衝撃センサのセンサ面がホルダの上面から引退する。このとき、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さが衝撃センサのセンサ面よりも高くなり、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の下側部分の近傍に滞留してセンサ面の下側部分に付着することがある。
【0018】
また、衝撃センサの厚みがホルダの上面の凹部の深さよりも大きいと、衝撃センサのセンサ面がホルダの上面から突出する。このとき、衝撃センサのセンサ面の高さがホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分よりも高くなり、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分の近傍に滞留してセンサ面の上側部分に付着することがある。
【0019】
これに対し、本構成では、衝撃センサのセンサ面の高さをホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分よりも低くしてあるので、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分を流れる粉粒体は、衝撃センサのセンサ面に落下して斜め下向きに流れる。また、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さを衝撃センサのセンサ面よりも低くしてあるので、衝撃センサを流れる粉粒体は、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分に落下して斜め下向きに流れる。
【0020】
これにより、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分および下側部分の近傍をスムーズに流れ易くなり、長時間の使用時においても粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分および下側部分の近傍に滞留し難くセンサ面の上側部分および下側部分に付着し難くなるので、衝撃センサの検出誤差が生じ難くなる。その結果、衝撃センサの検出精度の一層の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、前記接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、前記接続部に前記センサ部を設けてある点にある。
【0022】
本構成によれば、接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、接続部にセンサ部を設けてあるので、ゴム製の接続部が供給部や管部からの振動を吸収して衝撃センサの検出精度の向上を図ることができる。
【0023】
本発明の第5特徴構成は、前記供給部は、2つの対向する側面部と、それら側面部の前部同士を接続する折曲部と、を備えて構成され、前記センサ部を前記折曲部の上方に配置し、前記衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように前記側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してある点にある。
【0024】
本構成によれば、衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してあるので、供給部に詰まりが生じている場合において、管部から接続部に粉粒体が供給されて接続部の内部圧力が高まったとしても、突出部が接続部を衝撃センサのセンサ面の左右横側から補強して、接続部が左右横側へ膨出することを防止できる。よって、接続部と供給部との間に隙間が生じて、その隙間から粉粒体が外部に漏れ出すことを防止できる。
【0025】
本発明の第6特徴構成は、前記管部の終端部を前記衝撃センサのセンサ面に向けるように、前記管部の終端部の向きを設定してある点にある。
【0026】
本構成によれば、管部の終端部を衝撃センサのセンサ面に向けるように、管部の終端部の向きを設定してあるので、粉粒体を衝撃センサのセンサ面に確実に衝突させることができる。よって、少量の粉粒体であっても粉粒体の詰まりを良好に検出することができる。
【0027】
本発明の第7特徴構成は、前記衝撃センサのセンサ面と前記管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、前記衝撃センサおよび前記管部を設けてある点にある。
【0028】
本構成によれば、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、衝撃センサおよび管部を設けてあるので、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面との面間隔を一定にすることができる。よって、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面との間に局所的に幅狭な部分が生じて、その幅狭部分に詰まりが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】水田直播機を示す全体側面図である。
【図2】水田直播機の後部を示す側面図である。
【図3】播種装置の繰出機構を示す縦断面図である。
【図4】播種状態を示す平面図である。
【図5】接続部および供給部を示す縦断面図である。
【図6】水田直播機の後部を示す平面図である。
【図7】水田直播機の後部を示す背面図である。
【図8】接続部および供給部を示す縦断面図である。
【図9】接続部および供給部を示す横断面図である。
【図10】接続部および作溝器を示す縦断面図である。
【図11】衝撃センサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る水田作業機の一例である水田直播機について説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、前記水田直播機は、播種および施肥を同時に行うものであって、4輪駆動型に構成された乗用走行機体1の後部に平行四連リンク構造の昇降リンク機構3を介して昇降可能に連結された播種装置4、乗用走行機体1の後部に装備された施肥装置5等を備えている。
【0031】
図1,図2,図6,図7に示すように、昇降リンク機構3は、平行四連リンク構造で構成してある。昇降リンク機構3の後端には、縦長の連結枠6が連結され、この連結枠6の下端ボス6aに横長角パイプ製の主フレーム7が前後向き軸心X1周りにローリング可能に連結支持されている。主フレーム7の左右からは支柱8が立設されるとともに、これら支柱8の上下中間部位に亘って横フレーム9が架設されている。横フレーム9には、播種装置4が取り付けられている。
〔播種装置〕
図1〜図3,図5,図8,図9に示すように、前記播種装置4は、横フレーム9に並列支持された種籾m(粉粒体の一例)収容用のホッパ10と、そのホッパ10の下部に装備された繰出機構11(繰出部の一例)と、繰出機構11から繰り出された種籾mを搬送する種籾搬送用の合成樹脂製の供給ホース28(管部の一例)と、機体走行に伴って田面Tに溝を形成する金属製の溝切り部27と、供給ホース28によって搬送された種籾mを溝切り部27によって形成された田面Tの溝に供給する金属製の供給部83と、供給ホース28と供給部83とを接続する弾性変形可能なゴム製の接続部84と、を備えている。
(繰出機構)
図1〜図3に示すように、前記繰出機構11は、ホッパに貯留された種籾mを所定量づつ繰り出すものであって、ホッパ10の下端に連通接続された繰出ケース12に、横軸心周りに回転可能に繰出ロール13(繰出回転体)を内装軸支して構成されている。各繰出機構11に亘って水平横架された繰出駆動軸14と繰出ロール13の支軸15とがギヤ16,17を介して連動連結されている。
【0032】
前記主フレーム7の左右中間部位には入力軸18が前後水平に支承されており、この入力軸18の後端に連結したクランク機構19と、繰出駆動軸14に一方向クラッチ20を介して装着した繰出アーム21とが押し引きロッド22を介して連動連結されている。入力軸18が所定方向に1回転して繰出アーム21が1回往復上下揺動する際に、繰出アーム21の上方揺動作動のみが一方向クラッチ20を介して繰出駆動軸14に伝達され、繰出駆動軸14が所定方向(図2では反時計方向)に所定角度だけ回転され、もって繰出ロール13が所定の繰出方向(図2では時計方向)に間欠的にピッチ送り回転駆動されるようになっている。前記入力軸18には、乗用走行機体1から導出された作業動力が伝動軸23を介して伝達されており、走行速度に同調した速度で入力軸18が回転駆動されるようになっている。
【0033】
前記繰出ロール13の外周には周方向に所定のピッチ(45°)で8個の繰出凹部29が形成されるとともに、繰出アーム21の1回の往復上下揺動によって繰出ロール13が繰出凹部の形成ピッチ(45°)だけ間欠回動されるように、入力軸18から繰出駆動軸14へのクランク式伝動構造のレバー比が設定されている。
【0034】
前記繰出アーム21が下方揺動作動する間は繰出ロール13が停止しており、この停止状態において、先行する繰出凹部29の全体が繰出ケース12に形成された排出口30に臨み、排出口30に開放された繰出凹部29の後続の繰出凹部29の全体が繰出ケース12の周壁で閉塞されるよう設定されている。これにより、繰出ロール13が1ピッチ回動するごとに、一つの繰出凹部29だけが排出口30に開放されて所定量づつの間欠繰出しが行われることになる。
(ホース)
図3,図5に示すように、前記供給ホース28は、始端部28aが前記繰出ケース12の排出口30に接続されると共に、終端部28bが接続部84の供給口85に接続されている。これにより、繰出機構11から繰り出された種籾mは、供給ホース28を通って接続部84に供給されることになる。
(供給部)
図5、図8,図9に示すように、前記供給部83は、下方に向かうほど幅狭な側面部88の2つを対向するように配置し、それら側面部88の前部同士を接続する断面コ字状の折曲部89を備えて構成してある。側面部88の夫々の上端の後側には、上方に延びる矩形状の突出部90が形成されている。
(接続部)
図5,図8,図9,図11に示すように、前記接続部84は、筒状の上側の蛇腹部分91と下方が開口した箱状の下側の本体部分92とを備えて一体的に形成されている。蛇腹部分91は、供給ホース28の終端部28bが入り込む態様で供給ホース28に接続されている。本体部分92は、ねじ98によって供給部83の折曲部89に固定されている。
【0035】
前記本体部分92の前側には、矩形状の開口94が形成され、その開口94には、種籾mの詰まりを検出する直方体状の籾詰まりセンサ93(センサ部の一例)が取り付けられている。本体部分92の後側の斜め後方下方に傾斜した傾斜部には、円状の開口96が形成され、その開口96には、種籾mの詰まりを除去するためのゴム製の蓋95が開閉可能に取り付けられている。これにより、蓋95を開けて機体後方側から開口96を覗き込むと、開口96の直前方に籾詰まりセンサ93が位置するため、籾詰まりセンサ93の異常の発見が行い易い。
【0036】
接続部84の本体部分92の後側と供給部83の側面部88とに亘って、種籾mを案内する案内部材97が取り付けられている。案内部材97は、斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に沿って延びかつ側面部88の間に突出する断面コ字状の樋部99を備えている。
【0037】
前記籾詰まりセンサ93は、種籾mの詰まりを検出する矩形板状の衝撃センサ100と、上面101aに衝撃センサ100が設置された直方体状のホルダ101と、を備えている。衝撃センサ100およびホルダ101を斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)の傾斜姿勢に配置してある。
【0038】
開口96も衝撃センサ100およびホルダ101とほぼ同じ又はやや大きい傾斜角である斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)の傾斜姿勢に配置してある。これにより、衝撃センサ100のセンサ面100aと開口96とは、互いに対向しかつ上下高さが同じ位置に設けられることになる。
【0039】
前記籾詰まりセンサ93を折曲部89の上方に配置し、衝撃センサ100のセンサ面100aの左右横側に臨ませるように側面部88の夫々の上端に上方に延びる突出部90を形成してある。これにより、供給部83や接続部84の内部に詰まりが生じている場合において、供給ホース28から接続部84に種籾mが供給されて接続部84の内部圧力が高まったとしても、突出部90が接続部84を衝撃センサ100のセンサ面100aの左右横側から補強して、接続部84が左右横側へ膨出することを防止できる。よって、接続部84と供給部83との間に隙間を生じて、その隙間から種籾mが外部に漏れ出すことを防止できる。
(溝切り部)
図2,図4〜図6に示すように、前記主フレーム7の中央および左右の3個所に固着された前後向きの支持フレーム25の後部には、整地フロート26が後部支点X2周りに所定範囲内で上下揺動可能に枢支連結されている。各整地フロート26の下部でかつ供給部83の下方には、溝切り部27が左右一対づつ取付けられている。
【0040】
図4,図5に示すように、前記溝切り部27は、前後方向から下側に傾斜する傾斜面86aを有する前側溝切り板86と、斜め後方外側に拡がる一対の傾斜面87aを有する後側溝切り板87と、を備えている。これにより、機体走行に伴って、前側溝切り板86によって溝を形成すると共に、後側溝切り板87によってその溝の幅を押し広げることになる。
(覆土部材)
図1,図2,図6,図7に示すように、各整地フロート26の底面には、溝切り部27で田面Tに形成された埋設溝を埋め戻す覆土部材43が各条ごとに備えられている。この覆土部材43は縦支点X3周りに水平回動して、機体進行方向に対する傾斜角度を変更するよう構成してある。
【0041】
図1,図2,図6に示すように、前記主フレーム7から前方に延出された支持アーム44の前端部に、横支点X4周りに上下揺動可能な揺動アーム45が後ろ向きに設けられ、この揺動アーム45の先端部に、田面Tに突入するディスク46が遊転可能に装着されている。揺動アーム45の変位に基づいてディスク46の上下位置を検知する位置検出センサ50が支持アーム44に装備されている。整地フロート26の上方には、縦支点X3周りに覆土部材43と一体に回動する操作レバー47が連結されており、この操作レバー47の前端に装着したバネ48によって覆土部材43が機体前進方向に沿う姿勢に付勢されるとともに、図示しない操作機構によって操作レバー47の後端に連結した操作ワイヤ49が引き操作されることで、覆土部材43がバネ48に抗して機体前進方向と交差する方向に揺動されるようになっている。
【0042】
位置検出センサ50や操作機構は、図示しない制御装置に接続されており、位置検出センサ50からの情報に基づいて、ディスク46の田面Tへの突入量を割り出し、田面Tへのディスク突入量が大きいほど圃場の泥が軟らかいと判断して、覆土部材43の機体進行方向に対する角度が小さくなるように操作機構を操作し(覆土部材43が機体前後方向に沿う状態)、田面Tへのディスク突入量が小さいほど圃場の泥が硬いと判断して、覆土部材43の機体進行方向に対する角度が大きくなるように操作機構を操作するように構成してある(覆土部材43が機体左右方向に沿う状態)。
(種籾の流れ)
前記種籾mが播種装置4の各部位を流れる構成について説明する。繰出ロール13が1ピッチ回動されるごとに、種籾mが供給ホース28の始端部28aに供給される。供給ホース28の始端部28aに供給された種籾mは供給ホース28を通って下方に流れる。供給ホース28の終端部28bの径方向内方側を流れる種籾mは、そのまま衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突する(図5の軌跡t1を参照)。供給ホース28の終端部28bを衝撃センサ100のセンサ面100aに向けるように、供給ホース28の終端部28bの向きを設定してあるので(供給ホース28の終端部28bの内面側にセンサ面100aに向けて湾曲する湾曲面を形成してあるので)、供給ホース28の終端部28bの径方向外方側のうち後側(図5の紙面右側)箇所を流れる種籾mは、供給ホース28の終端部28bの内周面に当たってその向きを斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に変え、衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突する(図5の軌跡t2を参照)。いずれにせよ、種籾mを衝撃センサ100のセンサ面100aに確実に衝突させることができる。
【0043】
また、衝撃センサ100のセンサ面100aと供給ホース28の終端部28bの開口面とが平行になる位置に、衝撃センサ100および供給ホース28を設けてあるので、衝撃センサ100のセンサ面100aと供給ホース28の終端部28bの開口面との面間隔が一定になり、局所的な幅狭部分を生じないので、詰まりが生じることを防止できる。
【0044】
衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突した種籾mは、衝撃センサ100のセンサ面100aを斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)に流れて、樋部99に衝突する。樋部99に衝突した種籾mは、樋部99の底面99aを斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に流れて、供給部83の側面部88によって左右方向への広がりが規制されつつ溝切り部27によって田面Tに形成された溝部にまとまって撒かれる(図4を参照)。
(衝撃センサの掃除)
供給部83や接続部84の内部に詰まりを生じたときには、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で蓋95を開けて、接続部84に設けられた開口96から供給部83や接続部84の内部を視認しつつ供給部83や接続部84の内部の掃除や籾詰まりセンサ93のメンテナンス等を行う。このとき、衝撃センサ100のセンサ面100aと開口96とを互いに対向する位置に設けてあるので、掃除やメンテナンスがし易くなる。
(衝撃センサおよびホルダ)
図5,図11に示すように、前記衝撃センサ100は、圧電素子にステンレス板を張り合わせて構成してある。ホルダ101の上面101aには、傾斜方向の下側が開放した正面視でコ字状の縁部102が形成され、その縁部102の内方側には、長辺方向に沿う矩形状の溝部103が形成されている。溝部103は、底面103a、傾斜方向の上側の側面103b、右側の側面103c、左側の側面103dを備えている。
【0045】
前記ホルダ101の側面101bには、開口94の縁部に密着するリブ106(突条)が全周に亘って形成されている。ホルダ101の短辺方向の両側面101bの中央には、開口94の縁部に形成された2つの穴104を貫通する2つのピン105が着脱可能に設けられている。これにより、開口94の縁部に形成された凹部にリブ106を嵌め込んでピン105を穴104に差し込むことによって、籾詰まりセンサ93を開口94に隙間無く嵌まり込む状態で簡単に取り付けることができる。
【0046】
前記ホルダ101の溝部103に衝撃センサ100を設置する。このとき、衝撃センサ100の厚みをホルダ101の溝部103の上下深さよりも小さく設定してあるので、ホルダ101の上面101aにおける傾斜方向での衝撃センサ100よりも上側の部分(縁部102の傾斜方向の上側の部分)の高さが、衝撃センサ100のセンサ面100aよりも高くなると共に、ホルダ101の上面101aにおける傾斜方向での衝撃センサ100よりも下側の部分(溝部103の底面103a)の高さが、衝撃センサ100のセンサ面100aよりも低くなる。
【0047】
これにより、種籾mが衝撃センサ100のセンサ面100aの上側部分および下側部分の近傍をスムーズに流れ易くなり、種籾mが衝撃センサ100のセンサ面100aの上側部分および下側部分の近傍に滞留し難く付着し難くなるので、衝撃センサ100の検出誤差が生じ難くなる。
(施肥装置)
前記施肥装置5は、乗用走行機体1における運転座席24の後部に、粉粒状の肥料を貯留するホッパ61を配備し、その下部に備えた回転式の繰出機構62によって繰出した肥料を、電動ブロワ63からの送風によって風力搬送し、供給ホース64を介して各整地フロート26に左右一対づつ備えた作溝器65に供給するよう構成されており、繰出機構62は走行系動力によって駆動されるようになっている。また、田面Tに形成された肥料埋設溝を埋め戻す覆土部材66が整地フロート26の底面に固定装備されている。
【0048】
作溝器65は、下部が整地フロート26から下方に突出しており、下方に向かうほど幅狭な側面部67の2つを対抗するように配置し、それら側面部67の前部同士を接続する断面コ字状の折曲部68を備えて構成してある。折曲部68には、導電式の肥料詰まりセンサ69が取り付けられている。各整地フロート26の下部でかつ折曲部68の前部には、側面視で三角状の溝切り部70が取り付けられている。
【0049】
尚、播種装置4の供給部83に取り付けられた籾詰まりセンサ93、および、施肥装置5の作溝器65に取り付けられた肥料詰まりセンサ69は、制御装置に接続されており、それら籾詰まりセンサ93および肥料詰まりセンサ69によって籾詰まりや肥料詰まりが検知されると、図示しない警報ランプや警報ブザーが作動することになる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、接続部84に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成が例示したが、供給部83に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成でもよい。さらに、接続部84に籾詰まりセンサ93が取り付けられかつ供給部83に蓋95が取り付けられる構成や、接続部84に蓋95が取り付けられかつ供給部83に籾詰まりセンサ93が取り付けられる構成でもよい。
(2)上記実施形態では、播種装置4の接続部84に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成が例示したが、施肥装置5の作溝器65に蓋95が取り付けられる構成でもよい。
(3)上記実施形態では、籾詰まりセンサ93が衝撃式である構成を例示したが、籾詰まりセンサ93が特許文献1のような導電式であってもよい。さらに、肥料詰まりセンサ69が導電式である構成を例示したが、籾詰まりセンサ93が衝撃式であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の粉粒体としては、種籾の他、肥料等が挙げられる。また、本発明は、粉粒体を貯留可能なホッパと、ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、管部と供給部とを接続する接続部と、を備える各種の水田作業機に適応可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 ホッパ
11 繰出部
28 管部
28b 終端部
83 供給部
84 接続部
88 側面部
89 折曲部
90 突出部
93 センサ部
95 蓋
96 開口
100 衝撃センサ
100a センサ面
101 ホルダ
101a 上面
m 粉粒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を貯留可能なホッパと、前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備えた水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の水田作業機では、供給部としての作溝器の内壁に、粉粒体としての肥料の詰まりを検出するセンサ部を設けてあるものがあった(例えば、特許文献1の図3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3479474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作溝器は、機体走行に伴って田面に埋設溝を形成するために田面に入り込んでいる。このため、作溝器によって肥料を埋設溝に供給するときに、水分を吸収して塊状になった肥料が作溝器の内部に付着して、作溝器の内部に詰まりを生じることがある。センサ部が詰まりを検出すると、作業者は、作溝器の内部の詰まりを除去するために作溝器の下側から作溝器の内部の掃除を行ったり、作溝器から接続部を取り外して作溝器の上側から作溝器の内部の掃除を行っていた。
【0005】
しかしながら、作溝器の下側から作溝器の内部の掃除を行なう場合には、作業者は、体を左右に傾けた姿勢で作溝器の下側から作溝器の内部に手指等を差し込んで、手探り状態で作溝器の内部の詰まりを掻き出すことになるので、作業が煩雑になるものであった。また、手探り状態で作溝器の内部の詰まりを掻き出すため、作溝器の内部の詰まりを完全に除去したかどうか確認できないものであった。さらに、作溝器の下側から作溝器の内部の詰まりを掻き出そうとしても、手指等が作溝器の内部の詰まりに届かないことがあるため、作溝器の内部の詰まりを完全には除去し難いことがあった。
【0006】
また、作溝器から接続部を取り外して作溝器の上側から作溝器の内部の掃除を行なう場合には、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で作溝器から接続部を取り外して、作溝器の上側から作溝器の内部のセンサ部を視認しつつ作溝器の内部の詰まりを除去できるので、作業が容易になる。また、作溝器の内部の詰まりを完全に除去したかどうか確認したり、センサ部の異常を発見し易くなる。しかしながら、作溝器から接続部を取り外し、作溝器の内部の掃除を行ったのちに、作溝器に接続部を取り付ける必要がある等、作業工程が複雑になるものであった。
【0007】
本発明の目的は、詰まりを容易に除去でき、作業負担の低減を図ることができる水田作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の水田作業機の第1特徴構成は、粉粒体を貯留可能なホッパと、前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備え、粉粒体の詰まりを検出するセンサ部を前記供給部または前記接続部に設けると共に、開閉可能な蓋を有する開口を前記供給部または前記接続部に設けてある点にある。
【0009】
本構成によれば、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で蓋を開けて、供給部または接続部に設けられた開口から供給部または接続部の内部のセンサ部を視認しつつ供給部または接続部の内部の掃除やメンテナンス等を行うことができるので、作業が容易になる。また、供給部または接続部の内部の詰まりを除去したかどうか確認したり、センサ部の異常を発見し易くなる。しかも、供給部または接続部の内部の掃除を行なうためには、蓋を開けるだけでよいので、接続部から管部を取り外したり、供給部から接続部を取り外す必要がない等、作業工程の簡素化を図ることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、前記センサ部のセンサ面と前記開口とを互いに対向する位置に設けてある点にある。
【0011】
本構成によれば、蓋を開けると、開口の前面にセンサ部が露出するので、センサ部を一層視認し易く、センサ部周りの掃除やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、前記センサ部は、粉粒体の詰まりを検出する平板状の衝撃センサと、上面に前記衝撃センサが設置されたホルダと、を備えて構成され、粉粒体が前記衝撃センサに衝突する位置に、前記衝撃センサおよび前記ホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置し、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも上側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも下側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも低くするようにしてある点にある。
【0013】
近年、粉粒体の詰まりを検出するセンサとして衝撃センサを採用するようになってきた。この衝撃センサは、粉粒体が衝撃センサのセンサ面に衝突したときの振動を検出し、その振動によって正常状態と詰まり状態とを判別するものである。
【0014】
しかし、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留すると、センサ面の近傍の粉粒体によって衝撃センサのセンサ面に向かう粉粒体が遮られて、粉粒体が衝撃センサのセンサ面に衝突するときのスピードが減少する。これにより、衝撃センサの検出感度が落ちて、衝撃センサの誤検出を招いてしまうことがある。また、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留してセンサ面に付着すると、その付着した粉粒体の質量によって衝撃センサの振動数が変化する。これにより、衝撃センサの検出誤差が生じて、衝撃センサの誤検出を招いてしまうことがある。
【0015】
そこで、衝撃センサおよびホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置する。これにより、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍をスムーズに流れ易くなり、センサ面の近傍の粉粒体によってセンサ面に向かう粉粒体が遮られずにセンサ面に衝突し易くなる。よって、粉粒体がセンサ面に衝突するときのスピードを維持し易くなり、衝撃センサの検出感度を良好に維持できる。また、長時間の使用時においても粉粒体が衝撃センサのセンサ面の近傍に滞留し難くセンサ面に付着し難くなるので、衝撃センサの検出誤差が生じ難くなる。その結果、衝撃センサの検出精度の向上を図ることができる。
【0016】
さらに、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分の高さを、衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さを、衝撃センサのセンサ面よりも低くする。
【0017】
例えば、ホルダの上面の凹部に衝撃センサを嵌め込んだ場合、衝撃センサの厚みがホルダの上面の凹部の深さよりも小さいと、衝撃センサのセンサ面がホルダの上面から引退する。このとき、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さが衝撃センサのセンサ面よりも高くなり、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の下側部分の近傍に滞留してセンサ面の下側部分に付着することがある。
【0018】
また、衝撃センサの厚みがホルダの上面の凹部の深さよりも大きいと、衝撃センサのセンサ面がホルダの上面から突出する。このとき、衝撃センサのセンサ面の高さがホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分よりも高くなり、長時間の使用時において粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分の近傍に滞留してセンサ面の上側部分に付着することがある。
【0019】
これに対し、本構成では、衝撃センサのセンサ面の高さをホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分よりも低くしてあるので、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも上側の部分を流れる粉粒体は、衝撃センサのセンサ面に落下して斜め下向きに流れる。また、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分の高さを衝撃センサのセンサ面よりも低くしてあるので、衝撃センサを流れる粉粒体は、ホルダの上面における傾斜方向での衝撃センサよりも下側の部分に落下して斜め下向きに流れる。
【0020】
これにより、粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分および下側部分の近傍をスムーズに流れ易くなり、長時間の使用時においても粉粒体が衝撃センサのセンサ面の上側部分および下側部分の近傍に滞留し難くセンサ面の上側部分および下側部分に付着し難くなるので、衝撃センサの検出誤差が生じ難くなる。その結果、衝撃センサの検出精度の一層の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の第4特徴構成は、前記接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、前記接続部に前記センサ部を設けてある点にある。
【0022】
本構成によれば、接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、接続部にセンサ部を設けてあるので、ゴム製の接続部が供給部や管部からの振動を吸収して衝撃センサの検出精度の向上を図ることができる。
【0023】
本発明の第5特徴構成は、前記供給部は、2つの対向する側面部と、それら側面部の前部同士を接続する折曲部と、を備えて構成され、前記センサ部を前記折曲部の上方に配置し、前記衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように前記側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してある点にある。
【0024】
本構成によれば、衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してあるので、供給部に詰まりが生じている場合において、管部から接続部に粉粒体が供給されて接続部の内部圧力が高まったとしても、突出部が接続部を衝撃センサのセンサ面の左右横側から補強して、接続部が左右横側へ膨出することを防止できる。よって、接続部と供給部との間に隙間が生じて、その隙間から粉粒体が外部に漏れ出すことを防止できる。
【0025】
本発明の第6特徴構成は、前記管部の終端部を前記衝撃センサのセンサ面に向けるように、前記管部の終端部の向きを設定してある点にある。
【0026】
本構成によれば、管部の終端部を衝撃センサのセンサ面に向けるように、管部の終端部の向きを設定してあるので、粉粒体を衝撃センサのセンサ面に確実に衝突させることができる。よって、少量の粉粒体であっても粉粒体の詰まりを良好に検出することができる。
【0027】
本発明の第7特徴構成は、前記衝撃センサのセンサ面と前記管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、前記衝撃センサおよび前記管部を設けてある点にある。
【0028】
本構成によれば、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、衝撃センサおよび管部を設けてあるので、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面との面間隔を一定にすることができる。よって、衝撃センサのセンサ面と管部の終端部の開口面との間に局所的に幅狭な部分が生じて、その幅狭部分に詰まりが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】水田直播機を示す全体側面図である。
【図2】水田直播機の後部を示す側面図である。
【図3】播種装置の繰出機構を示す縦断面図である。
【図4】播種状態を示す平面図である。
【図5】接続部および供給部を示す縦断面図である。
【図6】水田直播機の後部を示す平面図である。
【図7】水田直播機の後部を示す背面図である。
【図8】接続部および供給部を示す縦断面図である。
【図9】接続部および供給部を示す横断面図である。
【図10】接続部および作溝器を示す縦断面図である。
【図11】衝撃センサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る水田作業機の一例である水田直播機について説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、前記水田直播機は、播種および施肥を同時に行うものであって、4輪駆動型に構成された乗用走行機体1の後部に平行四連リンク構造の昇降リンク機構3を介して昇降可能に連結された播種装置4、乗用走行機体1の後部に装備された施肥装置5等を備えている。
【0031】
図1,図2,図6,図7に示すように、昇降リンク機構3は、平行四連リンク構造で構成してある。昇降リンク機構3の後端には、縦長の連結枠6が連結され、この連結枠6の下端ボス6aに横長角パイプ製の主フレーム7が前後向き軸心X1周りにローリング可能に連結支持されている。主フレーム7の左右からは支柱8が立設されるとともに、これら支柱8の上下中間部位に亘って横フレーム9が架設されている。横フレーム9には、播種装置4が取り付けられている。
〔播種装置〕
図1〜図3,図5,図8,図9に示すように、前記播種装置4は、横フレーム9に並列支持された種籾m(粉粒体の一例)収容用のホッパ10と、そのホッパ10の下部に装備された繰出機構11(繰出部の一例)と、繰出機構11から繰り出された種籾mを搬送する種籾搬送用の合成樹脂製の供給ホース28(管部の一例)と、機体走行に伴って田面Tに溝を形成する金属製の溝切り部27と、供給ホース28によって搬送された種籾mを溝切り部27によって形成された田面Tの溝に供給する金属製の供給部83と、供給ホース28と供給部83とを接続する弾性変形可能なゴム製の接続部84と、を備えている。
(繰出機構)
図1〜図3に示すように、前記繰出機構11は、ホッパに貯留された種籾mを所定量づつ繰り出すものであって、ホッパ10の下端に連通接続された繰出ケース12に、横軸心周りに回転可能に繰出ロール13(繰出回転体)を内装軸支して構成されている。各繰出機構11に亘って水平横架された繰出駆動軸14と繰出ロール13の支軸15とがギヤ16,17を介して連動連結されている。
【0032】
前記主フレーム7の左右中間部位には入力軸18が前後水平に支承されており、この入力軸18の後端に連結したクランク機構19と、繰出駆動軸14に一方向クラッチ20を介して装着した繰出アーム21とが押し引きロッド22を介して連動連結されている。入力軸18が所定方向に1回転して繰出アーム21が1回往復上下揺動する際に、繰出アーム21の上方揺動作動のみが一方向クラッチ20を介して繰出駆動軸14に伝達され、繰出駆動軸14が所定方向(図2では反時計方向)に所定角度だけ回転され、もって繰出ロール13が所定の繰出方向(図2では時計方向)に間欠的にピッチ送り回転駆動されるようになっている。前記入力軸18には、乗用走行機体1から導出された作業動力が伝動軸23を介して伝達されており、走行速度に同調した速度で入力軸18が回転駆動されるようになっている。
【0033】
前記繰出ロール13の外周には周方向に所定のピッチ(45°)で8個の繰出凹部29が形成されるとともに、繰出アーム21の1回の往復上下揺動によって繰出ロール13が繰出凹部の形成ピッチ(45°)だけ間欠回動されるように、入力軸18から繰出駆動軸14へのクランク式伝動構造のレバー比が設定されている。
【0034】
前記繰出アーム21が下方揺動作動する間は繰出ロール13が停止しており、この停止状態において、先行する繰出凹部29の全体が繰出ケース12に形成された排出口30に臨み、排出口30に開放された繰出凹部29の後続の繰出凹部29の全体が繰出ケース12の周壁で閉塞されるよう設定されている。これにより、繰出ロール13が1ピッチ回動するごとに、一つの繰出凹部29だけが排出口30に開放されて所定量づつの間欠繰出しが行われることになる。
(ホース)
図3,図5に示すように、前記供給ホース28は、始端部28aが前記繰出ケース12の排出口30に接続されると共に、終端部28bが接続部84の供給口85に接続されている。これにより、繰出機構11から繰り出された種籾mは、供給ホース28を通って接続部84に供給されることになる。
(供給部)
図5、図8,図9に示すように、前記供給部83は、下方に向かうほど幅狭な側面部88の2つを対向するように配置し、それら側面部88の前部同士を接続する断面コ字状の折曲部89を備えて構成してある。側面部88の夫々の上端の後側には、上方に延びる矩形状の突出部90が形成されている。
(接続部)
図5,図8,図9,図11に示すように、前記接続部84は、筒状の上側の蛇腹部分91と下方が開口した箱状の下側の本体部分92とを備えて一体的に形成されている。蛇腹部分91は、供給ホース28の終端部28bが入り込む態様で供給ホース28に接続されている。本体部分92は、ねじ98によって供給部83の折曲部89に固定されている。
【0035】
前記本体部分92の前側には、矩形状の開口94が形成され、その開口94には、種籾mの詰まりを検出する直方体状の籾詰まりセンサ93(センサ部の一例)が取り付けられている。本体部分92の後側の斜め後方下方に傾斜した傾斜部には、円状の開口96が形成され、その開口96には、種籾mの詰まりを除去するためのゴム製の蓋95が開閉可能に取り付けられている。これにより、蓋95を開けて機体後方側から開口96を覗き込むと、開口96の直前方に籾詰まりセンサ93が位置するため、籾詰まりセンサ93の異常の発見が行い易い。
【0036】
接続部84の本体部分92の後側と供給部83の側面部88とに亘って、種籾mを案内する案内部材97が取り付けられている。案内部材97は、斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に沿って延びかつ側面部88の間に突出する断面コ字状の樋部99を備えている。
【0037】
前記籾詰まりセンサ93は、種籾mの詰まりを検出する矩形板状の衝撃センサ100と、上面101aに衝撃センサ100が設置された直方体状のホルダ101と、を備えている。衝撃センサ100およびホルダ101を斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)の傾斜姿勢に配置してある。
【0038】
開口96も衝撃センサ100およびホルダ101とほぼ同じ又はやや大きい傾斜角である斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)の傾斜姿勢に配置してある。これにより、衝撃センサ100のセンサ面100aと開口96とは、互いに対向しかつ上下高さが同じ位置に設けられることになる。
【0039】
前記籾詰まりセンサ93を折曲部89の上方に配置し、衝撃センサ100のセンサ面100aの左右横側に臨ませるように側面部88の夫々の上端に上方に延びる突出部90を形成してある。これにより、供給部83や接続部84の内部に詰まりが生じている場合において、供給ホース28から接続部84に種籾mが供給されて接続部84の内部圧力が高まったとしても、突出部90が接続部84を衝撃センサ100のセンサ面100aの左右横側から補強して、接続部84が左右横側へ膨出することを防止できる。よって、接続部84と供給部83との間に隙間を生じて、その隙間から種籾mが外部に漏れ出すことを防止できる。
(溝切り部)
図2,図4〜図6に示すように、前記主フレーム7の中央および左右の3個所に固着された前後向きの支持フレーム25の後部には、整地フロート26が後部支点X2周りに所定範囲内で上下揺動可能に枢支連結されている。各整地フロート26の下部でかつ供給部83の下方には、溝切り部27が左右一対づつ取付けられている。
【0040】
図4,図5に示すように、前記溝切り部27は、前後方向から下側に傾斜する傾斜面86aを有する前側溝切り板86と、斜め後方外側に拡がる一対の傾斜面87aを有する後側溝切り板87と、を備えている。これにより、機体走行に伴って、前側溝切り板86によって溝を形成すると共に、後側溝切り板87によってその溝の幅を押し広げることになる。
(覆土部材)
図1,図2,図6,図7に示すように、各整地フロート26の底面には、溝切り部27で田面Tに形成された埋設溝を埋め戻す覆土部材43が各条ごとに備えられている。この覆土部材43は縦支点X3周りに水平回動して、機体進行方向に対する傾斜角度を変更するよう構成してある。
【0041】
図1,図2,図6に示すように、前記主フレーム7から前方に延出された支持アーム44の前端部に、横支点X4周りに上下揺動可能な揺動アーム45が後ろ向きに設けられ、この揺動アーム45の先端部に、田面Tに突入するディスク46が遊転可能に装着されている。揺動アーム45の変位に基づいてディスク46の上下位置を検知する位置検出センサ50が支持アーム44に装備されている。整地フロート26の上方には、縦支点X3周りに覆土部材43と一体に回動する操作レバー47が連結されており、この操作レバー47の前端に装着したバネ48によって覆土部材43が機体前進方向に沿う姿勢に付勢されるとともに、図示しない操作機構によって操作レバー47の後端に連結した操作ワイヤ49が引き操作されることで、覆土部材43がバネ48に抗して機体前進方向と交差する方向に揺動されるようになっている。
【0042】
位置検出センサ50や操作機構は、図示しない制御装置に接続されており、位置検出センサ50からの情報に基づいて、ディスク46の田面Tへの突入量を割り出し、田面Tへのディスク突入量が大きいほど圃場の泥が軟らかいと判断して、覆土部材43の機体進行方向に対する角度が小さくなるように操作機構を操作し(覆土部材43が機体前後方向に沿う状態)、田面Tへのディスク突入量が小さいほど圃場の泥が硬いと判断して、覆土部材43の機体進行方向に対する角度が大きくなるように操作機構を操作するように構成してある(覆土部材43が機体左右方向に沿う状態)。
(種籾の流れ)
前記種籾mが播種装置4の各部位を流れる構成について説明する。繰出ロール13が1ピッチ回動されるごとに、種籾mが供給ホース28の始端部28aに供給される。供給ホース28の始端部28aに供給された種籾mは供給ホース28を通って下方に流れる。供給ホース28の終端部28bの径方向内方側を流れる種籾mは、そのまま衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突する(図5の軌跡t1を参照)。供給ホース28の終端部28bを衝撃センサ100のセンサ面100aに向けるように、供給ホース28の終端部28bの向きを設定してあるので(供給ホース28の終端部28bの内面側にセンサ面100aに向けて湾曲する湾曲面を形成してあるので)、供給ホース28の終端部28bの径方向外方側のうち後側(図5の紙面右側)箇所を流れる種籾mは、供給ホース28の終端部28bの内周面に当たってその向きを斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に変え、衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突する(図5の軌跡t2を参照)。いずれにせよ、種籾mを衝撃センサ100のセンサ面100aに確実に衝突させることができる。
【0043】
また、衝撃センサ100のセンサ面100aと供給ホース28の終端部28bの開口面とが平行になる位置に、衝撃センサ100および供給ホース28を設けてあるので、衝撃センサ100のセンサ面100aと供給ホース28の終端部28bの開口面との面間隔が一定になり、局所的な幅狭部分を生じないので、詰まりが生じることを防止できる。
【0044】
衝撃センサ100のセンサ面100aに衝突した種籾mは、衝撃センサ100のセンサ面100aを斜め後下向き(図5の紙面右下の方向)に流れて、樋部99に衝突する。樋部99に衝突した種籾mは、樋部99の底面99aを斜め前下向き(図5の紙面左下の方向)に流れて、供給部83の側面部88によって左右方向への広がりが規制されつつ溝切り部27によって田面Tに形成された溝部にまとまって撒かれる(図4を参照)。
(衝撃センサの掃除)
供給部83や接続部84の内部に詰まりを生じたときには、作業者は、立ち姿勢または座り姿勢で蓋95を開けて、接続部84に設けられた開口96から供給部83や接続部84の内部を視認しつつ供給部83や接続部84の内部の掃除や籾詰まりセンサ93のメンテナンス等を行う。このとき、衝撃センサ100のセンサ面100aと開口96とを互いに対向する位置に設けてあるので、掃除やメンテナンスがし易くなる。
(衝撃センサおよびホルダ)
図5,図11に示すように、前記衝撃センサ100は、圧電素子にステンレス板を張り合わせて構成してある。ホルダ101の上面101aには、傾斜方向の下側が開放した正面視でコ字状の縁部102が形成され、その縁部102の内方側には、長辺方向に沿う矩形状の溝部103が形成されている。溝部103は、底面103a、傾斜方向の上側の側面103b、右側の側面103c、左側の側面103dを備えている。
【0045】
前記ホルダ101の側面101bには、開口94の縁部に密着するリブ106(突条)が全周に亘って形成されている。ホルダ101の短辺方向の両側面101bの中央には、開口94の縁部に形成された2つの穴104を貫通する2つのピン105が着脱可能に設けられている。これにより、開口94の縁部に形成された凹部にリブ106を嵌め込んでピン105を穴104に差し込むことによって、籾詰まりセンサ93を開口94に隙間無く嵌まり込む状態で簡単に取り付けることができる。
【0046】
前記ホルダ101の溝部103に衝撃センサ100を設置する。このとき、衝撃センサ100の厚みをホルダ101の溝部103の上下深さよりも小さく設定してあるので、ホルダ101の上面101aにおける傾斜方向での衝撃センサ100よりも上側の部分(縁部102の傾斜方向の上側の部分)の高さが、衝撃センサ100のセンサ面100aよりも高くなると共に、ホルダ101の上面101aにおける傾斜方向での衝撃センサ100よりも下側の部分(溝部103の底面103a)の高さが、衝撃センサ100のセンサ面100aよりも低くなる。
【0047】
これにより、種籾mが衝撃センサ100のセンサ面100aの上側部分および下側部分の近傍をスムーズに流れ易くなり、種籾mが衝撃センサ100のセンサ面100aの上側部分および下側部分の近傍に滞留し難く付着し難くなるので、衝撃センサ100の検出誤差が生じ難くなる。
(施肥装置)
前記施肥装置5は、乗用走行機体1における運転座席24の後部に、粉粒状の肥料を貯留するホッパ61を配備し、その下部に備えた回転式の繰出機構62によって繰出した肥料を、電動ブロワ63からの送風によって風力搬送し、供給ホース64を介して各整地フロート26に左右一対づつ備えた作溝器65に供給するよう構成されており、繰出機構62は走行系動力によって駆動されるようになっている。また、田面Tに形成された肥料埋設溝を埋め戻す覆土部材66が整地フロート26の底面に固定装備されている。
【0048】
作溝器65は、下部が整地フロート26から下方に突出しており、下方に向かうほど幅狭な側面部67の2つを対抗するように配置し、それら側面部67の前部同士を接続する断面コ字状の折曲部68を備えて構成してある。折曲部68には、導電式の肥料詰まりセンサ69が取り付けられている。各整地フロート26の下部でかつ折曲部68の前部には、側面視で三角状の溝切り部70が取り付けられている。
【0049】
尚、播種装置4の供給部83に取り付けられた籾詰まりセンサ93、および、施肥装置5の作溝器65に取り付けられた肥料詰まりセンサ69は、制御装置に接続されており、それら籾詰まりセンサ93および肥料詰まりセンサ69によって籾詰まりや肥料詰まりが検知されると、図示しない警報ランプや警報ブザーが作動することになる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、接続部84に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成が例示したが、供給部83に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成でもよい。さらに、接続部84に籾詰まりセンサ93が取り付けられかつ供給部83に蓋95が取り付けられる構成や、接続部84に蓋95が取り付けられかつ供給部83に籾詰まりセンサ93が取り付けられる構成でもよい。
(2)上記実施形態では、播種装置4の接続部84に籾詰まりセンサ93および蓋95が取り付けられる構成が例示したが、施肥装置5の作溝器65に蓋95が取り付けられる構成でもよい。
(3)上記実施形態では、籾詰まりセンサ93が衝撃式である構成を例示したが、籾詰まりセンサ93が特許文献1のような導電式であってもよい。さらに、肥料詰まりセンサ69が導電式である構成を例示したが、籾詰まりセンサ93が衝撃式であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の粉粒体としては、種籾の他、肥料等が挙げられる。また、本発明は、粉粒体を貯留可能なホッパと、ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、管部と供給部とを接続する接続部と、を備える各種の水田作業機に適応可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 ホッパ
11 繰出部
28 管部
28b 終端部
83 供給部
84 接続部
88 側面部
89 折曲部
90 突出部
93 センサ部
95 蓋
96 開口
100 衝撃センサ
100a センサ面
101 ホルダ
101a 上面
m 粉粒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留可能なホッパと、
前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、
前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、
前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、
前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備え、
粉粒体の詰まりを検出するセンサ部を前記供給部または前記接続部に設けると共に、開閉可能な蓋を有する開口を前記供給部または前記接続部に設けてある水田作業機。
【請求項2】
前記センサ部のセンサ面と前記開口とを互いに対向する位置に設けてある請求項1に記載の水田作業機。
【請求項3】
前記センサ部は、粉粒体の詰まりを検出する平板状の衝撃センサと、上面に前記衝撃センサが設置されたホルダと、を備えて構成され、
粉粒体が前記衝撃センサに衝突する位置に、前記衝撃センサおよび前記ホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置し、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも上側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも下側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも低くするようにしてある請求項1又は2に記載の水田作業機。
【請求項4】
前記接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、前記接続部に前記センサ部を設けてある請求項3に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記供給部は、2つの対向する側面部と、それら側面部の前部同士を接続する折曲部と、を備えて構成され、
前記センサ部を前記折曲部の上方に配置し、前記衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように前記側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してある請求項3又は4に記載の水田作業機。
【請求項6】
前記管部の終端部を前記衝撃センサのセンサ面に向けるように、前記管部の終端部の向きを設定してある請求項3〜5のいずれか1項に記載の水田作業機。
【請求項7】
前記衝撃センサのセンサ面と前記管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、前記衝撃センサおよび前記管部を設けてある請求項3〜6のいずれか1項に記載の水田作業機。
【請求項1】
粉粒体を貯留可能なホッパと、
前記ホッパに貯留された粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出部と、
前記繰出部から繰り出された粉粒体を搬送する管部と、
前記管部によって搬送された粉粒体を田面に供給する供給部と、
前記管部と前記供給部とを接続する接続部と、を備え、
粉粒体の詰まりを検出するセンサ部を前記供給部または前記接続部に設けると共に、開閉可能な蓋を有する開口を前記供給部または前記接続部に設けてある水田作業機。
【請求項2】
前記センサ部のセンサ面と前記開口とを互いに対向する位置に設けてある請求項1に記載の水田作業機。
【請求項3】
前記センサ部は、粉粒体の詰まりを検出する平板状の衝撃センサと、上面に前記衝撃センサが設置されたホルダと、を備えて構成され、
粉粒体が前記衝撃センサに衝突する位置に、前記衝撃センサおよび前記ホルダを斜め下向きの傾斜姿勢に配置し、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも上側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも高くすると共に、前記ホルダの上面における傾斜方向での前記衝撃センサよりも下側の部分の高さを、前記衝撃センサのセンサ面よりも低くするようにしてある請求項1又は2に記載の水田作業機。
【請求項4】
前記接続部を弾性変形可能なゴムにて構成し、前記接続部に前記センサ部を設けてある請求項3に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記供給部は、2つの対向する側面部と、それら側面部の前部同士を接続する折曲部と、を備えて構成され、
前記センサ部を前記折曲部の上方に配置し、前記衝撃センサのセンサ面の左右横側に臨ませるように前記側面部の夫々の上端に上方に延びる突出部を形成してある請求項3又は4に記載の水田作業機。
【請求項6】
前記管部の終端部を前記衝撃センサのセンサ面に向けるように、前記管部の終端部の向きを設定してある請求項3〜5のいずれか1項に記載の水田作業機。
【請求項7】
前記衝撃センサのセンサ面と前記管部の終端部の開口面とが平行になる位置に、前記衝撃センサおよび前記管部を設けてある請求項3〜6のいずれか1項に記載の水田作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−83245(P2011−83245A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239610(P2009−239610)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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