説明

永久レジスト層の形成方法

【課題】平行光露光機を用いた推奨露光量程度の平行光露光で、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件のもとに、所要の裾引き傾斜部を永久レジスト層の側壁部に形成すること。
【解決手段】ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層13上にマスクフィルム14を配置し、更にマスクフィルム14上に、光透過性の光拡散シート15を配置し、光拡散シート15を通して平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリント配線板等の絶縁カバーコートとして用いられる永久レジスト層の形成方法に関し、特に、ネガ型の感光性レジストによる永久レジスト層の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
永久レジスト層は、プリント配線板やプリント回路基板の絶縁カバーコートとして、その簡便さ、コート被覆厚さの均一性という利点から広く利用されている。
【0003】
通常広く用いられている永久レジスト層は、ネガ型の感光性レジスト(ネガティブレジスト)であり、露光・現像プロセスを伴う写真法によって所定パターンに形成される。
【0004】
プリント配線板やプリント回路基板の絶縁カバーコートとして用いられる永久レジスト層は、基板上の導体回路間に固体・液体を問わず、異物が介在するのを防ぎ、導体回路がショートしないようにする、導体回路同士または導体回路と異なる物体との機械的な接触・摩擦が生じるのを防ぐよう保護する、電子部品の実装時にはんだ等が導体回路間に侵入するのを防ぐ等の効果がある。
【0005】
プリント配線板やプリント回路基板の表面に所定パターンで形成された永久レジスト層の耐熱衝撃性を改善するために、永久レジスト層の側壁を裾引き状に傾斜させることが有効であることが知られている。このことに鑑み、永久レジスト層の厚みtに対する裾引き傾斜部(すそ部)の突出長sの比(s/t)を、0.2よりも大きい値に設定することにより、耐熱衝撃性保持回数が200回を上回る性能を得る提案がなされている(例えば、特許文献1)。
【0006】
裾引き傾斜部の長さにかかわらず、永久レジスト層の側壁を裾引き状に傾斜させることにより、永久レジスト層と基板上の導体回路の間のめっき潜りや、密着強度低下を抑えることができる。
【0007】
しかし、従来技術では、露光をオーバにするとか、現像条件をアンダにするなど、永久レジスト層の露光・現像プロセスの条件変更によって、すそ部の引き方、すそ部の引く量を調整するから、次のような問題点が生じる。
【0008】
(1)平行光露光機を用いて形成された永久レジスト層の裾引き傾斜部の長さと露光量との関係は、永久レジスト層厚さが50μmであると、図8に例示されているようになる。永久レジスト層の推奨露光量が100〜150mJであっても、この永久レジストに関し、(s/t)>0.2となるような裾引き傾斜部(裾長さ10μm以上)を形成するには、400mJ以上の露光量を必要とする。これにより、露光時間が長くなり、価格上昇の原因になる。
【0009】
また、露光量が推奨露光量の2.5倍〜4倍になることから、レジスト上層が過照射となり、過度にレジスト表層部が収縮する。これによってフレキシブルプリント回路基板が被覆対象である場合には、基板の著しい反りを生じる。特に、永久レジスト現像前の露光を長くすると、急激な永久レジスト層の硬化が生じるため、硬化による歪み応力が大きくなる。この歪み応力は、永久レジスト層の密着強度を低下し、薬品耐性やはんだ耐性、耐熱衝撃性の低下を招く。
【0010】
また、使用する永久レジスト層によっては、内部応力によりレジスト底部と回路面間にてアンダーカットを助長してしまう可能性がある。この場合には、後工程にめっき(金、はんだ等)が存在すると、レジスト回路間にめっきが潜り込んでしまう虞れがある。
【0011】
(2)現像条件をアンダにすると、レジスト開口部、特に端子や部品実装部の銅箔上にレジスト現像残渣が残る。このため、電装部品内での接続不良や端子部のめっき不良、部品実装不具合が生じる可能性が高くなる。
【0012】
このことに対して、平行光露光ではなく、散乱光露光機によって露光を行うことが考えられる。散乱光露光機では、推奨露光量による露光でも、(s/t)>0.2にすることができる。
【0013】
しかし、散乱光露光の拡散率が高すぎ、それを制御をできないため、(s/t)が0.3程度まで大きくなりすぎ、精密細小なレジストパターンや開口を形成することの障害になる。
【0014】
近年、電子機器の高性能化、小型化に伴い、プリント配線板には精密細小なパターン形成が求められるようになっており、電子部品実装部の開口は100μm以下になり、(s/t)>0.2〜0.3では、実装面積が顕著に減少してしまう。このため、精密細小なレジストパターンや開口を形成するのに、散乱光露光機を使用することには無理がある。細小なレジストパターンや開口を形成するには、平行光露光機を用いて裾引き傾斜部の長さは5μm以上10μm程度以下に制御する必要がある。
【特許文献1】特開2002−118348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この発明が解決しようとする課題は、平行光露光機を用いた推奨露光量程度の平行光露光で、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件のもとに、所要の裾引き傾斜部を永久レジスト層の側壁部に形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、更に前記マスクフィルム上に、光透過性の光拡散シートを配置し、前記光拡散シートを通して平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む。
【0017】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、好ましくは、前記光拡散シートとして、ヘイズXが45%≦X≦60%となる光拡散シートを用いて前記露光プロセスを実行する。
【0018】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、更に前記マスクフィルム上に、レンチキュラレンズ、複数の球面レンズあるいは複数の非球面レンズを備えた拡散系の光学レンズシートを配置し、前記光学レンズシートを通して平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む。
【0019】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、前記マスクフィルム上の特定部分にのみ、前記光拡散シートあるいは前記光学レンズシートを配置して前記露光プロセスを実行する。
【0020】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、前記永久レジスト層の露光面を光軸に対して、あるいは光軸を前記露光面に対して所定角度傾斜させた状態で、前記光軸を回転中心として光源を回転させながら平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む。
【0021】
この発明による永久レジスト層の形成方法は、好ましくは、永久レジスト層の厚さtと、永久レジスト層の側壁に形成する裾引き傾斜部の突出長sのと比(s/t)が、0.10≦(s/t)≦0.20を満たすべく、前記露光プロセスを実行する。
【発明の効果】
【0022】
この発明による永久レジスト層の形成方法では、平行露光を光拡散シートあるいは拡散系の光学レンズシートを通して露光するから、露光プロセスにおいて、光拡散シートあるいは光学レンズシートの光拡散度(光拡散率)に応じた斜光(露光面に対して垂直でない傾斜した光線)が永久レジスト層に照射され、この斜光の傾斜度に応じて永久レジスト層(感光性レジスト)の露光部外周縁が、推奨露光量程度の平行光露光で、裾引き状に拡大露光される。
【0023】
これにより、推奨露光量程度の平行光露光のもとに、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件による現像で、光拡散シートのヘイズ、光学レンズシートの拡散度の調整によって裾引き傾斜部の大きさを制御でき、所要の裾引き傾斜部を永久レジスト層の側壁部に形成することができる。
【0024】
また、この発明による永久レジスト層の形成方法では、永久レジスト層の露光面に対して光軸を所定角度傾斜させた状態で、露光面に垂直な軸線周りに露光面あるいは光源を回転させながら平行光露光を行うから、露光面に対する光軸の傾斜角度に応じた斜光が永久レジスト層に照射され、この斜光の傾斜度に応じて永久レジスト層(感光性レジスト)の露光部外周縁が、推奨露光量程度の平行光露光で、裾引き状に拡大露光される。
【0025】
これにより、推奨露光量程度の平行光露光のもとに、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件による現像で、露光面に対する光軸の傾斜角度の調整によって裾引き傾斜部の大きさを制御でき、所要の裾引き傾斜部を永久レジスト層の側壁部に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
この発明による永久レジスト層の形成方法の一つの実施形態を、図1(a)〜(e)を参照して説明する。
【0027】
まず、図1(a)に示されているように、露光プロセスの前処理として、絶縁層11の一方の面に、銅箔等の導体12によって導体パターンを形成されたプリント配線板(基板)10の酸洗浄、水洗浄、防錆処理、乾燥を行う。
【0028】
次に、図1(b)に示されているように、プリント配線板10の導体パターン形成面10Aに、ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層13を密着形成する。この永久レジスト層13の形成は、ドライフィルムのラミネートによって、導体パターン形成面10Aの全面に対して行う。
【0029】
次に、図1(c)に示されているように、永久レジスト層13上に、露光部Aが光透過性で、非露光部Bが光非透過性のマスクフィルム14を密着配置する。更に、マスクフィルム14上に光透過性の光拡散シート15を密着配置する。光拡散シート15は、液晶ディプレイのバックライト等に用いられる樹脂フィルム製のものであり、光拡散率(ヘイズ:HAZE)によって光拡散度を定義される。
【0030】
そして、露光プロセスとして、平行光露光機を用いて平行露光光を光拡散シート15に照射し、光拡散シート15を通して平行光露光を行う。露光量は永久レジスト層13を構成する感光性レジストの標準的推奨露光量とする。
【0031】
平行露光光は、光拡散シート15を透過する際に拡散され、光拡散シート15の光拡散率、つまり、ヘイズに応じた露光面fに対して垂直でない傾斜した光線、すなわち、斜光kが永久レジスト層13の露光部Aに照射される。この斜光kの傾斜度に応じて永久レジスト層(感光性レジスト)13の露光部Aの外周縁が、推奨露光量程度の平行光露光で、符号aで示されているように裾引き状に拡大露光され、露光部分の感光性レジストが硬化する。
【0032】
露光プロセス完了後に、図1(c)に示されているように、マスクフィルム14、光拡散シート15を基板10より取り除き、現像プロセスとして、NaCo水溶液によって非露光部Bの未硬化の永久レジスト層13を除去し、水洗・乾燥を行う。この現像プロセスは、レジスト現像残渣が残ることがない通常の適正現像条件によって行う。
【0033】
その後、必要に応じて加熱等によって永久レジスト層13の完全硬化処理を行う。これにより、図1(e)に示されているように、推奨露光量程度の平行光露光のもとに、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件による現像で、永久レジスト層13の側壁部に裾引き傾斜部13aが形成される。
【0034】
この裾引き傾斜部13aの大きさは、光拡散シート15のヘイズの調整によって制御でき、所要の裾引き傾斜部13aを永久レジスト層13の側壁部に形成することができる。
【0035】
上述の工程による同一の平行光露光による露光プロセス(標準的推奨露光量(150mJ))、現像プロセスでの永久レジスト層形成で、光拡散シート15を用いない場合(ヘイズO%)と、ヘイズが20%、45%、60%、75%、90%の拡散シート15を用いた場合の永久レジスト層を形成結果を表1に示す。この永久レジスト層形成の評価は、図2に示されている裾引き傾斜部13aの長さs(μm)、永久レジスト層13の厚みtに対する裾引き傾斜部の突出長sの比(s/t)、めっき試験、開口部寸法精度(100±20μm)について行った。めっき試験は、永久レジスト層を形成した銅箔試験片に無電解Niめっき(めっき条件:めっき液ICPニコロン、浴温度90℃、浸漬時間20分)を行い、永久レジスト層の開口部におけるNiめっきが永久レジスト層と銅箔の間に潜り込んでいないか否か(めっき潜りの有無)を見た。
【表1】

【0036】
光拡散シート15の光拡散率(ヘイズ)を変更することにより、永久レジスト層の裾引き傾斜部の長さsを制御することが可能であることが分かる。長さsならびに比(s/t)が負の値の場合、永久レジスト層の側壁部がアンダーカット形状となっており、逆台形をなしていることを示す。めっき液耐性については、ヘイズ45%以上では、十分なめっき液耐性を示し、本発明方法で作成した構造が、十分な密着性を示していることが明らかになった。ヘイズ75%以上では、開口部が許容できなくなるほど減少した。
【0037】
従来技術の問題点と併せて光拡散シートのヘイズXは、図3に示されているように、45%≦X≦60%で、0.10≦(s/t)≦0.20であることが好ましい。
【0038】
上述した実施形態による永久レジスト層の形成方法によれば、下記の効果が得られる。
【0039】
(1)レジスト内部の応力を低減し、強い密着力を有する永久レジスト層を形成できる。
【0040】
(2)レジスト層表面に光線を過照射することを避けながら、必要充分量のレジスト端部の裾引き傾斜部分を形成することができ、露光時間を短縮し、コスト増を防ぐことができる。
【0041】
(3)現像条件を変更する必要がないので、現像アンダによる永久レジスト残渣を生じることがなく、永久レジスト残渣による接続不良、めっき不良や実装不良を防ぐことができる。
【0042】
(4)散乱光露光機では不可能な高細小の永久レジストパターン・開口を形成することができる。
【0043】
(5)露光量を変更することなく、ヘイズの異なる光拡散シート15を状況に応じて選ぶことによって、任意の裾引き傾斜部長さに制御するが可能である。
【0044】
(6)光拡散シート15は、任意の形状、大きさに切断(裁断)加工することができるから、図4に示されているように、マスクフィルム14上の特定部分にのみ光拡散シート15を配置して露光プロセスを実行することにり、精密さが優先されるパターン部は裾引き傾斜部を作らず、必要最小限の部分のみに裾引き傾斜部形成することができる。
【0045】
また、図5に示されているように、マスクフィルム14上に、光拡散シート15に代えて、レンチキュラレンズ、複数の球面レンズあるいは複数の非球面レンズを備えた拡散系の光学レンズシート16を配置し、光学レンズシート16を通して上述の実施形態と同様に平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを行ってもよい。
【0046】
この実施形態では、光学レンズシート16の光拡散度に応じた斜光(露光面に対して垂直でない傾斜した光線)kが永久レジスト層13に照射され、この斜光kの傾斜度に応じて永久レジスト層13の露光部外周縁が、推奨露光量程度の平行光露光で、符号aで示すように、裾引き状に拡大露光される。
【0047】
これにより、この実施形態でも、推奨露光量程度の平行光露光のもとに、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件による現像で、光学レンズシート6の拡散度の調整によって裾引き傾斜部13aの大きさを制御でき、所要の裾引き傾斜部13aを、好ましくは、0.10≦(s/t)≦0.20の裾引き傾斜部13aを永久レジスト層13の側壁部に形成することができる。
【0048】
光学レンズシート16も、任意の形状、大きさに切断(裁断)加工することができるから、マスクフィルム14上の特定部分にのみ光学レンズシート16を配置して露光プロセスを実行することにり、精密さが優先されるパターン部は裾引き傾斜部を作らず、必要最小限の部分のみに裾引き傾斜部形成することができる。
【0049】
この発明による永久レジスト層の形成方法の他の実施形態を、図6を参照して説明する。なお、図6において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0050】
この実施形態では、ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層13上にマスクフィルム14を配置し、永久レジスト層13の露光面fに対して平行光露光機の光軸Lを所定角度θだけ傾斜させた状態で、露光面fに垂直な軸線M周りに、基板10、マスクフィルム14、永久レジスト層13の積層体を回転させながら平行光露光を行う。
【0051】
これにより、光軸Lの傾斜角度θに応じた斜光kが永久レジスト層13に照射され、この斜光kの傾斜度に応じて永久レジスト層13の露光部外周縁が、推奨露光量程度の平行光露光で、符号aで示すように、裾引き状に拡大露光される。
【0052】
これにより、この実施形態でも、推奨露光量程度の平行光露光のもとに、レジスト現像残渣が残ることがない適正現像条件による現像で、光軸Lの傾斜角度θの調整によって裾引き傾斜部13aの大きさを制御でき、所要の裾引き傾斜部13aを、好ましくは、0.10≦(s/t)≦0.20の裾引き傾斜部13aを永久レジスト層13の側壁部に形成することができる。
【0053】
これにより、過照射による大きい内部応力の発生や、レジスト現像残渣による電気的信頼性の低下を招くことなく、機械的強度、耐薬品性を向上させる所要の裾引き傾斜部13aを永久レジスト層13の側壁部に生成して細小なレジストパターンや開口の形成が可能になる。
【0054】
平行光露光機の光軸Lを永久レジスト層13の露光面fに対して所定角度θだけ傾斜させることは、図6に示されているように、水平配置の基板10に対して光源21を傾斜配置する以外に、図7に示されているように、垂直水平配置の光源21に対して基板10を傾斜配置してもよく、この場合も、永久レジスト層13の露光面fに対して平行光露光機の光軸Lを所定角度θだけ傾斜させた状態で、露光面fに垂直な軸線M周りに、基板10、マスクフィルム14、永久レジスト層13の積層体を回転させながら平行光露光を行えばよい。
【0055】
また、図6、図7のいずれの実施形態でも、露光面fに代えて光源21を、露光面fに垂直な軸線M周りに回転させながら平行光露光を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)〜(e)は、この発明による永久レジスト層の形成方法の一つの実施形態を示す工程図である。
【図2】永久レジスト層の側壁部に形成する裾引き傾斜部を示す拡大図である。
【図3】永久レジスト層の厚みtに対する裾引き傾斜部の突出長sの比(s/t)と光拡散シートの光拡散率(ヘイズ)との関係を示すグラフである。
【図4】この発明による永久レジスト層の形成方法の他の実施形態の露光プロセスを示す工程図である。
【図5】この発明による永久レジスト層の形成方法の他の実施形態の露光プロセスを示す工程図である。
【図6】この発明による永久レジスト層の形成方法の他の実施形態の露光プロセスを示す工程図である。
【図7】この発明による永久レジスト層の形成方法の他の実施形態の露光プロセスを示す工程図である。
【図8】従来の永久レジスト層の形成方法における裾引き傾斜部長さ寸法と露光量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
10 プリント配線板(基板)
10A 導体パターン形成面
11 絶縁層
12 導体
13 永久レジスト層
13a 裾引き傾斜部
14 マスクフィルム
15 光拡散シート
16 光学レンズシート
21 光源
A 露光部
B 非露光部
L 光軸
M 垂直軸線
a 裾引き状に拡大露光された部分
k 斜光
f 露光面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、更に前記マスクフィルム上に、光透過性の光拡散シートを配置し、前記光拡散シートを通して平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む永久レジスト層の形成方法。
【請求項2】
前記光拡散シートとして、ヘイズXが45%≦X≦60%となる光拡散シートを用いて前記露光プロセスを実行する請求項1記載の永久レジスト層の形成方法。
【請求項3】
ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、更に前記マスクフィルム上に、レンチキュラレンズ、複数の球面レンズあるいは複数の非球面レンズを備えた拡散系の光学レンズシートを配置し、前記光学レンズシートを通して平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む永久レジスト層の形成方法。
【請求項4】
前記マスクフィルム上の特定部分にのみ、前記光拡散シートあるいは前記光学レンズシートを配置して前記露光プロセスを実行する請求項1〜3の何れか1項記載の永久レジスト層の形成方法。
【請求項5】
ネガティブタイプの感光性レジストによる未硬化の永久レジスト層上にマスクフィルムを配置し、前記永久レジスト層の露光面に対して光軸を所定角度傾斜させた状態で、前記露光面に垂直な軸線周りに前記露光面あるいは光源を回転させながら平行光露光を行い、露光部分の感光性レジストを硬化させる露光プロセスを含む永久レジスト層の形成方法。
【請求項6】
永久レジスト層の厚さtと、永久レジスト層の側壁に形成する裾引き傾斜部の突出長sのと比(s/t)が、0.10≦(s/t)≦0.20を満たすべく、前記露光プロセスを実行する請求項1〜5の何れか1項記載の永久レジスト層の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−162886(P2006−162886A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353200(P2004−353200)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】