説明

海上ブイ

【課題】気象状況に影響されずに発光機を継続的に発光させることが可能な海上ブイ。
【解決手段】ブイ本体に搭載される電力監視制御器と、ブイ本体に電力監視制御器と接続されるように取り付けられる波力発電装置と、ブイ本体に電力監視制御器と接続されるように取り付けられる太陽光発電装置と、ブイ本体に電力監視制御器と接続されるように搭載される放電制御器と、ブイ本体に放電制御器と接続されるように取り付けられる発光機と、ブイ本体に電力監視制御器と接続されるように取り付けられ、大電流の電力を放電するキャパシタと、ブイ本体にキャパシタに接続されるとともに、放電制御器にスイッチを通して接続されるように装填され、リチウムチタン酸化物を負極活物質として含む負極およびγ−ブチルラクトンを含む電解液を有するリチウムイオン二次電池とを備え、放電制御器は、電力監視制御器から供給される電力量を検出し、その検出電力量が前記発光機を発光させるのに必要な電力量未満のときに前記スイッチをオンさせる機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋上に設置される灯浮標、いわゆる海上ブイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶の安全な航行、海上事故の察知、宇宙から信号受信、緊急時の信号発信、気象情報の収集などを目的にさまざまな海上ブイが設置されている。この海上ブイに組み込まれる発電システムとしては、一般的に太陽光発電装置、波力発電装置および空気電池などの一次電池を組み合せて構成されている。
【0003】
しかしながら、一次電池の場合は充電ができないことより大洋上に設置される海上ブイのメンテナンスに費用と労苦が必要である。
【0004】
一方、特許文献1には太陽電池装置、燃料電池装置および信号発信、表示発光を行う電気を逐電する蓄電池を備えたブイが開示されている。また、特許文献2には蓄電池(二次電池)およびこの蓄電池を充電するための発電機を備えた自己充電式観測ブイが開示されている。
【0005】
しかしながら、従来の二次電池、例えば負極活物質に炭素材料を使用したリチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池またはニッケルカドミウム二次電池のような蓄電池は、通常その充電に1時間から2時間を要するため、太陽光発電装置、波力発電装置からの余剰の電力を効率よく充電できない。また、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池または一次電池である空気電池は水溶液系電解液が収容されているため、マイナスの温度に達する洋上の環境下において電解液の一部が凍結して電池本来の動作が制限される。その結果、海上ブイの動作に支障を来たす。
【特許文献1】特開2001−278183
【特許文献2】特開平7-223583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、気象状況に影響されずに発光機を継続的に発光させることが可能な海上ブイを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、海洋上に設置されるブイ本体と、
前記ブイ本体に搭載される電力監視制御器と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられる波力発電装置と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられる太陽光発電装置と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように搭載される放電制御器と、
前記ブイ本体に前記放電制御器と接続されるように取り付けられる発光機と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられ、大電流の電力を放電するキャパシタと、
前記ブイ本体に前記キャパシタに接続されるとともに、前記放電制御器にスイッチを通して接続されるように装填され、リチウムチタン酸化物を負極活物質として含む負極およびγ−ブチルラクトンを含む電解液を有するリチウムイオン二次電池と
を備え、
前記放電制御器は、前記電力監視制御器から供給される電力量を検出し、その検出電力量が前記発光機を発光させるのに必要な電力量未満のときに前記スイッチをオンさせる機能を有することを特徴とする海上ブイが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、気象状況により波力発電装置および太陽光発電装置のいずれからも長い時間に亘って電力を取得できない場合やマイナスの温度(例えばマイナス20℃)に達する洋上の環境下に曝された場合おいても発光機を安定的に発光させることが可能な海上ブイを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る海上ブイを図1および図2を参照して詳細に説明する。図1は、実施形態に係る海上ブイの概略断面図、図2は図1の海上ブイの等価回路図である。
【0010】
ブイ本体1は、中空円形体2とこの中空円形体2の中心を貫通して垂直方向に延びるに支持軸3と、前記中空円形体2上に前記支持軸3に同軸的に固定された円筒体4と、前記中空円形体2内に配置され、前記支持軸3に上下に軸着された第1支持台5および第2支持台6とを有する。このブイ本体1の中空円形体2底部には、接続環7が取り付かれ、ワイヤ8を通して水底の錘9に連結することにより海上の一定位置に浮遊する。
【0011】
太陽光発電装置10は、前記ブイ本体1の前記円筒体4上部に取り付けられた太陽光パネル11と、前記円筒体4に内蔵されて発電制御器12とから構成されている。波力発電装置13は、前記ブイ本体1の中空円形体2上に取り付けられている。波力発電装置12は、図2に示す回路図に示すようにエアータービン14および発電機15とから構成されている。アンテナ16は、前記ブイ本体1の前記円筒体4頂部に取り付けられている。このアンテナ16は図示しない信号の送受信装置に接続されている。
【0012】
リチウムイオン二次電池17は、前記ブイ本体1の中空円形体2内の第2支持台6上に装填されている。この二次電池17は、リチウムチタン酸化物を負極活物質として含む負極およびγ−ブチルラクトンを含む電解液を有する。発光機18は、前記ブイ本体1の前記円筒体4側面に取り付けられている。電力監視制御器19は、前記ブイ本体1の中空円形体2内の第1支持台5上に取り付けられている。電力監視制御器19には、前記太陽光発電装置10、波力発電装置12、二次電池17および発光機18が接続されている。
【0013】
前述した海上ブイを図2に示すブロック図を参照して説明する。
【0014】
波力で動作するエアータービン14によって発電する発電機15は、電力監視制御器19に接続され、発電された交流電力をその電力監視制御器19に供給する。太陽光で直流電力を発生する太陽光パネル11は、発電制御器12を通して前記電力監視制御器19に接続され、発電された直流電力をその電力監視制御器19に供給する。この電力監視制御器19は、波力発電装置13および太陽光発電装置10での発生電力に応じていずれか一方または両方を選択する機能、それらの電力を安定化する機能、波力発電装置13からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータを備えている。
【0015】
前記電力監視制御器19は、放電制御器20および第1充電制御器21に接続されている。この放電制御器20は、発光機18に接続され、その発光機18を発光させるための直流電力を供給する。前記第1充電制御器21は大電流の放電がなされるキャパシタ22に接続されている。このキャパシタ22は、第2充電制御器23を通してリチウム二次電池17に接続されている。
【0016】
前記放電制御器20は、また前記二次電池17と接続されている。例えばFETからなるスイッチ24は、前記放電制御器20と前記二次電池17の間に介装され、通常時(充電時)においてはオフ状態になっている。前記放電制御器20は、前記電力監視制御器19から供給される直流電力量を検出し、その検出電力量が前記発光機18を発光させるのに必要な電力量(しきい値)未満のときに、前記スイッチ24に所定の電圧を印加してオンさせる機能を有する。つまり、前記電力監視制御器19から供給される直流電力量が前記発光機18を発光させるのに必要な電力量に満たないとき、または前記電力監視制御器19から前記放電制御器20に電力が供給されないとき、二次電池17の放電で発生した直流電力が放電制御器20を経由して発光機18に供給されて発光がなされる。
【0017】
前記第1充電制御器21は、前記電力監視制御器19から前記放電制御器20に供給される電力量が余剰のときにその電力を前記キャパシタ22に供給するとともに、このキャパシタ22を充電する際の充電制御をなす。前記第2充電制御器23は、上流側の前記キャパシタ22の放電タイミングおよび前記二次電池17の充電状態を制御するとともに、前記二次電池17が満充電状態のときに二次電池への電力供給を制限する機能を有する。
【0018】
なお、前記電力監視制御器19は図示しない信号の送受信装置に接続され、この装置の駆動のための電力が供給される。
【0019】
このような構成の海上ブイにおいて、海上に波が発生し、かつ太陽光が降り注ぐ気象状況の場合には波力エネルギーは波力発電装置13により交流電力に変換され、電力監視制御器19に供給され、ここでAC/DCコンバータにより直流電力に変換される。また、太陽光のエネルギーは太陽光発電装置10により直流電力に変換されて電力監視制御器19に供給される。電力監視制御器19に供給された直流電力は、ここで安定化され、その電力は放電制御器20および第1充電制御器21にそれぞれ供給される。
【0020】
前記放電制御器20では、前記電力監視制御器19から供給される直流電力量を検出し、その検出電力量が前記発光機18を発光させるのに必要なしきい値以上であるか、しきい値未満であるかを判定する。供給される直流電力量がしきい値以上である場合には、二次電池17と放電制御器20の間のスイッチ24をオンすることなく、つまり二次電池17からの電力供給(放電電力)を受けることなく、前記電力監視制御器19から供給される直流電力を発光機18に供給して発光させる。
【0021】
前記第1充電制御器21では、供給された直流電力量が余剰であるかを判定し、余剰である場合にはその電力をキャパシタ22に供給して電荷として充電する。ここで、『余剰』とは前記発光機18を発光させるのに必要な電力量を超えていることを意味する。このキャパシタ22への電荷蓄積において、第2充電制御器23によりキャパシタ22から目的とする大電流の放電がなされる十分な電荷が蓄積されたことを検出すると、キャパシタ22から大電流が第2充電制御器23を通してリチウムチタン酸化物を負極活物質として含む負極を有する急速充電が可能なリチウムイオン二次電池17に放電され、急速充電される。前記キャパシタ22から大電流を第2充電制御器23を通して二次電池17に放電し、急速充電する操作を複数回繰り返し、前記二次電池17が満充電状態のときには、前記第2充電制御器23により二次電池17への電力供給が制限される。
【0022】
一方、海上が凪状態で、曇天のような気象状況に変化した場合には波力発電装置13および太陽光発電装置10から電力監視制御器19への電力供給が僅かになる。このような状況では、前記第1充電制御器21に供給される電力量を余剰と判定されず、キャパシタ22への電力供給がなされない。また、前記放電制御器20で検出される直流電力量がしきい値未満になるため、二次電池17と放電制御器20の間のスイッチ24がオンする。このスイッチ24のオンにより、二次電池17の放電電力が放電制御器20を通して発光機18に供給され、気象状況が変化しても発光機18を継続的に発光させる。
【0023】
前記リチウム二次電池は、リチウムチタン酸化物を活物質として含む負極およびγ−ブチルラクトンを含む電解液(例えばγ−ブチルラクトンとエチレンカーボネートを有機溶媒として含む電解液)を備えている。
【0024】
活物質である前記リチウムチタン酸化物は、特開2005−123183に開示されるとおり、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、リチウムイオンの挿入・離脱が1.4Vから1.7V/Li付近で行われる。このため、この二次電池は大電流での急速充電を行っても、従来の負極活物質に炭素材料を用いた場合と比べてリチウムの析出が起こらずに安全性を確保できる。また、リチウムの吸蔵放出に伴う膨張収縮が生じるのを抑制することができるため、20C電流の急速充電を繰り返し行った際にも負極活物質の構造破壊を抑えることができる。その結果、充放電を繰り返し行った場合においても長い寿命を維持できる。
【0025】
また、電解液中の有機溶媒であるγ−ブチルラクトンは、低温特性に優れているため、この電解液を有するリチウムイオン二次電池はマイナスの温度(例えばマイナス20℃)に達する洋上の環境下においても正常な充放電を行うことが可能になる。
【0026】
具体的には、以下のような方法で組み立てたリチウムイオン二次電池は−10℃の環境下にて20Cで3分間充電することにより約80%の電池容量まで充電することが可能な急速充電二次電池であることを確認した。ここで、『C』は充放電率を表す単位であり、完全放電から完全充電(または完全充電から完全放電)までを定電流充電した場合に計算上1時間で行えるレートを1Cとして表現する。1/10時間の場合、10Cと表現する。したがって、例えば20C充電とは、1C充電の20倍の電流が必要になる。
【0027】
<負極の作製>
活物質として、平均粒子径5μmでLi吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のチタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒子径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。
【0028】
なお、活物質の粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所株式会社 型番SALD−300)を用いた。まず、ビーカー等に試料約0.1gを入れた後、界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌し、攪拌水槽に注入した。2秒間隔で、64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析し、累積度数分布が50%の粒径(D50)を平均粒子径とした。
【0029】
次いで、厚さ10μmのアルミニウム箔(純度99.99%)を負極集電体に前記スラリーを塗布し、乾燥した後、プレスを施すことにより電極密度2.4g/cm3の負極を作製した。
【0030】
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを調製した。厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.99%)にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
【0031】
<二次電池の組み立て>
容器(外装部材)の形成材料として、厚さが0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを用意した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、膜厚約0.03mmであった。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。このラミネートフィルムを熱融着で貼り合わせることにより、容器(外装部材)を得、さらに金属アルミニウムの容器に収めた。
【0032】
次いで、前記正極に帯状の正極端子を電気的に接続すると共に、前記負極に帯状の負極端子を電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器(外装部材)に扁平状に成形した電極群を挿入した。
【0033】
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチルラクトン(GBL)が体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒にリチウム塩であるLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を前記容器内に注液し、リチウム二次電池を組み立てた。
【0034】
直流電源に第1充電制御器、100Fのキャパシタおよび第2充電制御器をこの順序で接続し、最後に得られた二次電池を第2充電制御器に接続した。直流電源から−10℃の環境下にて直流電力を20Cで3分間、第1充電制御器を通してキャパシタに供給し、このキャパシタから大電流の電力を第2充電制御器を通して二次電池に供給した。その結果、約80%の電池容量まで充電することが可能であった。なお、この二次電池は満充電時電圧2.8V、放電終止電圧1.5Vで使用できた。
【0035】
以上説明した実施形態によれば、リチウムチタン酸化物を活物質として含む負極を有するリチウムイオン二次電池17、つまり大電流での急速充電が可能なリチウムイオン二次電池17をキャパシタ22と組み合わせてブイ本体1に装填することによって、気象状況に影響されることなく発光機18を継続的に発光させることができるため、船舶の安全な航行等に寄与できる。
【0036】
すなわち、波力発電装置13および太陽光発電装置10での発電電力量が余剰であるときには、その余剰電力を電力監視制御器19から第1充電制御器21、キャパシタ22、第2充電制御器23を通して前記二次電池17に急速充電でき、海上が凪状態で、曇天のような気象状況に変化した場合にその二次電池17からの放電電力により発光機18を発光できる。
【0037】
また、例えば海上が凪状態で、晴れたり、曇たりする気象状況のように太陽光発電装置10で発電した余剰電力を電力監視制御器19から第1充電制御器21、キャパシタ22、第2充電制御器23を通して二次電池17に十分に長い時間に亘って供給できない場合においても、前記二次電池17は急速充電が可能(例えば20Cで3分間充電することにより約80%の電池容量まで充電することが可能)であるため、二次電池17に満充電に近い状態まで充電できる。つまり、充電に1時間から2時間を要する二次電池が装填された従来の海上ブイではこのような気象状況下で二次電池を満充電に近い状態まで充電することは実質的に困難であり、発光機のバックアップ電源として十分に機能させることができなくなる。
【0038】
したがって、大電流での急速充電が可能なリチウムイオン二次電池17をキャパシタ22と組み合わせてブイ本体1に装填することによって、気象状況に影響されることなく発光機18を継続的に発光させることができるため、船舶の安全な航行等に寄与できる。
【0039】
さらに、前記リチウムイオン二次電池17は従来使用されている炭酸ジメチルや炭酸ジエチルに比べてマイナス温度(例えばマイナス20℃)での電気伝導度が高く低温特性に優れたγ−ブチルラクトンを含む電解液を有するため、マイナスの温度(例えばマイナス20℃)に達する洋上の環境下においても正常な充放電でなされ、発光機18のバックアップ電源として機能させることができる。
【0040】
さらに、大電流での急速充電が可能なリチウムイオン二次電池17をキャパシタ22と組み合わせにおいて、電力監視制御器から前記放電制御器に供給される電力量が余剰のときにその電力を前記キャパシタに供給するための第1充電制御器21をキャパシタ22の上流側に設け、かつ前記二次電池17の充電状態を制御するとともに、前記二次電池17が満充電状態のときに二次電池17への電力供給を制限するための第2充電制御器23を前記キャパシタ22と二次電池17の間に介装することによって、波力発電装置13および太陽光発電装置10での発電電力を二次電池17に効率よく充電できるとともに、二次電池17の寿命を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る海上ブイを示す概略断面図。
【図2】図1の海上ブイのブロック図。
【符号の説明】
【0042】
1…ブイ本体、10…太陽光発電装置、12…波力発電装置、17…リチウムイオン二次電池、18…発光機、19…電力監視制御器、20…放電制御器、21…第1充電制御器、22…キャパシタ、23…第2充電制御器、24…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋上に設置されるブイ本体と、
前記ブイ本体に搭載される電力監視制御器と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられる波力発電装置と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられる太陽光発電装置と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように搭載される放電制御器と、
前記ブイ本体に前記放電制御器と接続されるように取り付けられる発光機と、
前記ブイ本体に前記電力監視制御器と接続されるように取り付けられ、大電流の電力を放電するキャパシタと、
前記ブイ本体に前記キャパシタに接続されるとともに、前記放電制御器にスイッチを通して接続されるように装填され、リチウムチタン酸化物を負極活物質として含む負極およびγ−ブチルラクトンを含む電解液を有するリチウムイオン二次電池と
を備え、
前記放電制御器は、前記電力監視制御器から供給される電力量を検出し、その検出電力量が前記発光機を発光させるのに必要な電力量未満のときに前記スイッチをオンさせる機能を有することを特徴とする海上ブイ。
【請求項2】
前記電力監視制御器から前記放電制御器と前記キャパシタとに分岐される分岐部と前記キャパシタの間に介装され、前記電力監視制御器から前記放電制御器に供給される電力量が余剰のときにその電力を前記キャパシタに供給するための第1充電制御器と、前記キャパシタと二次電池の間に介装され、前記二次電池の充電状態を制御するとともに、前記二次電池が満充電状態のときに二次電池への電力供給を制限するための第2充電制御器とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の海上ブイ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−237823(P2007−237823A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60655(P2006−60655)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000003539)東芝電池株式会社 (109)
【Fターム(参考)】