説明

液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム及び移動ロボットの液体供給方法

【課題】 移動ロボットの使い勝手の良さ及び使用時間の延長のため、移動ロボットに使われる水やメタノールのような液体を自動的に供給する液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム及び移動ロボットの液体供給方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム1は、自ら走行する移動ロボット30と、移動ロボット30に設けられ、移動ロボット30が使う液体を保存する液体タンク37と、移動ロボット30の供給信号に応じて、液体タンク37に液体を供給する液体供給ステーション10とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動ロボットに係り、特に、移動ロボットに水またはメタノールのような液体を供給する液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム及び移動ロボットの液体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移動ロボットは、自ら走行しながら指示された作業を行うロボットをいう。このような移動ロボットは、移動及び作業を行うのに必要な電気を供給する電源供給装置を搭載している。電源供給装置として、充電バッテリや燃料電池が使われる。このとき、燃料電池として、メタノールを用いたメタノール燃料電池が多く使われている。メタノール燃料電池を使う移動ロボットは、燃料電池が消耗するメタノールを保存する液体タンクを備える。メタノール燃料電池を使う移動ロボットが移動したり作業を行ったりすると、液体タンクに保存されたメタノールが消耗される。したがって、移動ロボットが移動及び作業を行い続けるためには、液体タンクのメタノールが使い果たされる前にメタノールを供給しなければならない。
【0003】
また、一般に蒸気掃除ロボット、水拭きロボット、水掃除ロボット、加湿器ロボットのように、水を必要とする作業を行う移動ロボットは、作業用水を保存する液体タンクを搭載する。このように、水を使う移動ロボットが作業を行うにつれ、液体タンクに保存された水が消耗される。したがって、移動ロボットが水を使って作業を行い続けるためには、消耗された液体タンクの水を補給しなければならない。
【0004】
このため、従来は人が直接移動ロボットの液体タンクにメタノールや水を供給しなければならなかった。この場合、常にユーザが液体タンクのメタノールや水の残量を確認し、足りないと思ったら補給しなければならない不便さがあった。
【0005】
また、ユーザが外出中にメタノールや水が使い果たされた場合、移動ロボットを使用することができなくなって、移動ロボットの使用時間が制限される問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような問題点を鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、移動ロボットの使い勝手の良さ及び使用時間の延長のため、移動ロボットに使われる水やメタノールのような液体を自動的に供給する液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム及び移動ロボットの液体供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、自ら走行する移動ロボットと、前記移動ロボットに設けられ、前記移動ロボットが使う液体を保存する液体タンクと、前記移動ロボットの供給信号に応じて、前記液体タンクに前記液体を供給する液体供給ステーションとを含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムが提供される。
【0008】
ここで、前記液体供給ステーションは、液体貯留槽と、前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存された液体を供給するポンプと、前記ポンプと連通され、前記液体タンクに供給される液体の通路をなす供給ノズルユニットと、前記移動ロボットの供給信号に応じて、前記ポンプと供給ノズルユニットを制御して前記液体を供給するステーション制御部とを含む。
【0009】
また、前記供給ノズルユニットは、供給ノズルと、前記供給ノズルとポンプとを連通する連結管と、前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、を含み、前記供給ノズルが下方に移動すると、その先端が前記液体タンクの引入口に挿入される。
【0010】
そして、前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含むことが好ましい。
【0011】
また、前記液体供給ステーションは、前記液体貯留槽に保存された液体の水位を検出するレベルセンサーと、前記液体貯留槽に保存されている液体量を表示するディスプレイ部と、をさらに含むことが好ましい。
【0012】
本発明の他の側面から前記の目的を達成するため、メタノール燃料電池を使って自ら走行する移動ロボットと、前記移動ロボットに設けられ、前記燃料電池に使われるメタノールを保存する液体タンクと、上下に直線移動する供給ノズルを備え、前記移動ロボットから供給信号を受信すると前記供給ノズルを下方に移動させ、前記液体タンクにメタノールを供給する液体供給ステーションと、を含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムが提供される。
【0013】
ここで、前記液体供給ステーションは、液体貯留槽と、前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存されたメタノールを前記液体タンクに供給するポンプと、前記ポンプと前記供給ノズルとを連通する連結管と、前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記ノズル駆動部を制御して前記供給ノズルを前記液体タンクの引入口に挿入し、前記ポンプを制御して前記メタノールを供給するステーション制御部と、を含む。
【0014】
このとき、前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含む。
【0015】
本発明の他の側面から前記の目的を達成するため、自ら走行し、水を使う作業を行う移動ロボットと、前記移動ロボットに設けられ、水を保存する液体タンクと、水道管と連結され、前記移動ロボットから供給信号を受信すると前記液体タンクに前記水を供給する液体供給ステーションと、を含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムが提供される。
【0016】
このとき、前記液体供給ステーションは、前記水道管と連結された液体貯留槽と、前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存された水を前記液体タンクに供給するポンプと、前記ポンプと連通され、前記液体タンクに供給される水の供給通路をなす供給ノズルユニットと、前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記ポンプと供給ノズルユニットを制御して前記水を供給するステーション制御部と、を含む。
【0017】
または、前記液体供給ステーションは、前記水道管に設けられ、水道管を選択的に開閉する自動弁と、前記自動弁と連通され、前記水道管から供給される水の供給通路をなす供給ノズルユニットと、前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記供給ノズルユニットと自動弁を制御して水を前記水道管から前記液体タンクに直接供給させるステーション制御部と、を含む。
【0018】
このとき、前記供給ノズルは、供給ノズルと、前記供給ノズルとポンプとを連通する連結管と、前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、を含み、前記供給ノズルが下方に移動すると、その先端が前記液体タンクの引入口に挿入される。
【0019】
または、前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含む。
【0020】
本発明の他の側面から前記の目的を達成するため、メタノール燃料電池を使って自ら走行し、水を使う作業を行う移動ロボットと、前記移動ロボットに設けられ、前記燃料電池に使われるメタノールを保存するメタノールタンクと、前記移動ロボットに設けられ、作業に使われる水を保存する水タンクと、前記移動ロボットからの供給信号に応じて、前記メタノールタンク及び水タンクにそれぞれメタノールと水を供給する液体供給ステーションと、を含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムが提供される。
【0021】
このとき、前記液体供給ステーションは、メタノールと水がそれぞれ保存されるメタノール貯留槽及び水貯留槽と、前記メタノール貯留槽及び水貯留槽とそれぞれ連通され、前記メタノール貯留槽及び水貯留槽に保存されたメタノールと水を供給する第1及び第2ポンプと、前記第1及び第2ポンプとそれぞれ連通され、メタノールと水の供給通路をなす第1及び第2供給ノズルユニットと、前記移動ロボットからの供給信号に応じて、前記第1ポンプと第1供給ノズルユニット及び前記第2ポンプと第2供給ノズルユニットを制御して前記メタノールと水を前記移動ロボットに供給するステーション制御部と、を含む。
【0022】
または、前記第1及び第2供給ノズルユニットはそれぞれ、第1及び第2供給ノズルと、前記第1及び第2供給ノズルと第1及び第2ポンプとをそれぞれ連通する第1及び第2連結管と、前記第1及び第2供給ノズルを上下に移動させる第1及び第2ノズル駆動部と、を含み、前記第1及び第2供給ノズルが下降すると、その先端がそれぞれ前記メタノールタンク及び水タンクの引入口に挿入される。
【0023】
ここで、前記メタノール及び水タンクは、前記メタノールタンク及び水タンクの引入口に設けられ、前記第1及び第2供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含む。
【0024】
本発明の他の側面から前記の目的を達成するため、液体タンクに液体を供給する必要があるかについて移動ロボットが判断するステップと、液体を供給する必要があれば、前記移動ロボットが液体供給ステーションの供給位置に位置するステップと、前記移動ロボットが前記供給位置に位置すると、前記液体供給ステーションが前記移動ロボットに液体を供給するステップと、を含む移動ロボットの液体供給方法が提供される。
【0025】
ここで、前記液体供給ステップは、前記移動ロボットが前記液体供給ステーションに供給信号を伝送するステップと、前記供給信号を受信すると、前記液体供給ステーションが供給ノズルを前記移動ロボットの液体タンク引入口に挿入するステップと、前記液体供給ステーションが前記供給ノズルを介して前記液体タンクに液体を供給するステップと、液体供給が完了すると、前記液体供給ステーションが前記供給ノズルを元の位置に復帰させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0026】
以上、本発明によれば、移動ロボットが使う水やメタノールのような液体が保存された液体タンクの液体が使い果たされると、液体供給ステーションが液体を自動的に供給するため、移動ロボットの使い勝手が良くなる。
【0027】
また、本発明によれば、移動ロボットにより消耗される液体の保存された液体タンクの液体が使い果たされた場合、液体供給ステーションが液体タンクに液体を自動的に供給するため、移動ロボットの使用時間が延長される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。ただし、以下の本発明の説明において、関連した公知機能あるいは構成要素に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁す恐れがあると判断されれば、その詳細な説明及び具体的な図示を省略する。以下、移動ロボットの代表的な例として、真空掃除機能を持つ掃除ロボットを例にとって説明する。
【0029】
本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムは、液体供給ステーションと、液体タンクを備えた移動ロボットとから構成される。
【0030】
液体供給ステーションは、移動ロボットに設けられた液体タンクに液体を供給するものであって、液体貯留槽、ポンプ、供給ノズルユニット、ステーション制御部、ハウジングを含む。ステーション制御部は、ポンプ、供給ノズルユニットを制御して、液体貯留槽の液体を移動ロボットの液体タンクに供給する。
【0031】
移動ロボットは、自ら走行しながら、掃除や監視のような特定の作業を行うロボットをいう。特に、本発明は、液体を使いながら作業を行う移動ロボットを対象とする。そのうち一つは、メタノールのような液体燃料を使う燃料電池から必要な電気を得る移動ロボットである。もう一つは、水掃除作業、蒸気掃除作業、水拭き作業、加湿器機能のように水が使われる作業を行う移動ロボットである。したがって、本発明の移動ロボットは、作業に必要な液体を保存するための液体タンクを備える。
【0032】
液体タンクは、移動ロボットが作業中に使う液体を保存するものであって、移動ロボットに設けられる。このとき、液体タンクに保存される液体は、移動ロボットの機能に応じて決められる。例えば、メタノール燃料電池を使って電気を得る移動ロボットの場合は、移動ロボットが移動したり作業を行ったりするとメタノールが消耗される。よって、このような移動ロボットは、メタノールを保存する液体タンクを備える。また、水掃除、蒸気掃除、加湿器機能を持つ移動ロボットの場合は、移動ロボットが作業を行うと水が消耗される。よって、このような移動ロボットの液体タンクには水が保存される。
【0033】
上述したように、本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの実施例について、図1〜9に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0034】
図1〜3は、本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの一実施例を示す図である。本実施例は、メタノール燃料電池を使う移動ロボットを含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムに関する。
【0035】
図1〜3に示すように、本発明の一実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム1は、液体供給ステーション10と、液体タンク37を備えた移動ロボット30とを含む。
【0036】
液体供給ステーション10は、移動ロボット30の液体タンク37にメタノールを供給するものであって、液体貯留槽11、ポンプ12、供給ノズルユニット13、ステーション制御部20、ハウジング19を含む。
【0037】
液体貯留槽11は、移動ロボット30の液体タンク37に供給するメタノールを一定量保存する。液体貯留槽11は、移動ロボット30の液体タンク37を数回も満たせるメタノールを保存できる。
【0038】
ポンプ12は液体貯留槽11と連通され、液体貯留槽11に保存されたメタノールを液体タンク37に供給する。このとき、ポンプ12は液体貯留槽11の下部に設けられることが好ましい。
【0039】
供給ノズルユニット13はポンプ12と連通され、液体タンク37にメタノールを供給する通路をなす。このような供給ノズルユニット13は、連結管14、供給ノズル16、ノズル駆動部15を含む。
【0040】
連結管14は、供給ノズル16とポンプ12との間に設けられ、ポンプ12により排出されるメタノールが供給ノズル16に供給されるようガイドする。供給ノズル16は、ノズル駆動部15により上下方向に直線移動し、その先端が液体タンク37の引入口37aに挿入される。ノズル駆動部15は、駆動モータ15aと駆動機構15bとを含む。駆動機構15bは、駆動モータ15aの回転力を供給ノズル16の上下直線運動に変換できる機構であれば如何なる機構でも使える。ノズル駆動部15により供給ノズル16が下方に移動すると、供給ノズル16の先端は液体タンク37の引入口37aに挿入される。したがって、液体貯留槽11のメタノールが漏れず液体タンク37に供給される。
【0041】
ステーション制御部20は、移動ロボット30の供給信号に応じて、ポンプ12と供給ノズルユニット13を制御して液体貯留槽11に保存されたメタノールを液体タンク37に供給する。すなわち、ステーション制御部20は、受信部21を介して移動ロボット30から供給信号を受信すると、供給ノズルユニット13の駆動モータ15aを制御して供給ノズル16を液体タンク37の引入口37aに挿入する。その後、ポンプ12を稼動して液体貯留槽11のメタノールを液体タンク37に供給する。このとき、ポンプ12は時間当たり一定量の液体を供給する定量ポンプであって、ポンプ12の稼動時間を制御することで液体タンク37に供給される液体の量を制御することができる。または、移動ロボット30のロボット制御部40からの中断信号によりポンプ12を止めることができる。
【0042】
ハウジング19は液体貯留槽11、ポンプ12、供給ノズルユニット13、ステーション制御部20を収納し、液体供給ステーション10を一定の位置に固定させる。
【0043】
また、液体供給ステーション10はレベルセンサー23とディスプレイ部22をさらに含むことが好ましい。レベルセンサー23は、液体貯留槽11に設けられ、液体貯留槽11に保存されている液体、すなわち、メタノールの水位を検出する。ディスプレイ部22は、液体貯留槽11に保存されたメタノールの量と液体供給ステーション10の作動状態を表示する。したがって、ステーション制御部20は、レベルセンサー23により測定した液体貯留槽11の水位が適正水位より下であると、ディスプレイ部22に警告のメッセージを表示してユーザが液体貯留槽11に液体を補給するようにする。
【0044】
移動ロボット30は、メタノール燃料電池36から電気を得て自ら走行しながら真空掃除を行う。このような移動ロボット30は、吸塵部31、駆動部32、送受信部33、位置検出部35、ステーション検出部34、燃料電池36、液体タンク37、メタノール残量検出部39、及びロボット制御部40を含む。
【0045】
吸塵部31は、移動ロボット30が走行する床のゴミを吸込んで掃除を行うものであって、吸引力を発生する真空発生源と吸込まれたゴミを分離/収集する集塵ユニットを含む。
【0046】
駆動部32は、移動ロボット30を前後左右に移動させるものであって、一般に複数の車輪32aと複数の車輪32aを駆動させる複数のモータ(図示せず)とから構成される。
【0047】
送受信部33は、遠隔制御装置(図示せず)から送信された制御信号を受信し、ロボット制御部40から伝送された供給信号を液体供給ステーション10に送信する。
【0048】
位置検出部35は、移動ロボット30の現位置を検出するものであって、ビジョンカメラとビジョンボードなどを用いる位置検出方法等公知の位置検出方法が使用される。
【0049】
ステーション検出部34は、液体ステーション10の位置を検出する。ステーション検出部34として、ビジョンカメラとビジョンボードが用いられる。または、超音波センサーやレーザセンサーなどが用いられる。この場合、超音波センサーやレーザセンサーの送信部は、液体ステーション10に設けられる。
【0050】
燃料電池36は、移動ロボット30が動作するための必要な電気を供給する。燃料電池には多様なものが用いられるが、本実施例の場合は、メタノールを使う燃料電池36が適用される。
【0051】
液体タンク37は、移動ロボット30が動作すると消耗されるメタノールを一定量保存するものであって、上側には供給ノズル16が挿入される引入口37aが設けられる。また、引入口37aには供給ノズル16により開閉される引入口キャップ38をさらに設けることが好ましい。引入口キャップ38は、供給ノズル16の直線上下運動により引入口37aを開閉できる構造を有する。すなわち、供給ノズル16が下降すると、引入口キャップ38が開いて供給ノズル16が引入口37a内側に挿入される。また、供給ノズル16が上昇すると、引入口キャップ38は、自動的に閉まって液体タンク37に保存された液体が引入口37aを介して排出されたり蒸発されることを防止する。本実施例による引入口キャップ38は、2つのキャップドア38aを備え、キャップドア38aは弾性部材(図示せず)により弾性支持される。したがって、供給ノズル16が下降すると、キャップドア38aが下方に押され供給ノズル16が引入口37aに挿入される。供給ノズル16が上昇すると、キャップドア38aが弾性部材により上昇して図1のように引入口37aが閉まる。引入口キャップ38として車の燃料タンクなどに用いられるものを使ってもよい。
【0052】
メタノール残量検出部39は、液体タンク37に保存されたメタノール残量を検出しロボット制御部40に伝送する。
【0053】
ロボット制御部40は、送受信部33が受信した制御信号の内容を判断し、受信した制御信号に応じて吸塵部31、駆動部32、位置検出部35、ステーション検出部34などを制御して作業を行う。このとき、ロボット制御部40が上述した構成要素を制御するのは従来のロボット制御部と類似しているので、詳細な説明は省略する。
【0054】
また、ロボット制御部40は、メタノール残量検出部39を介して液体タンク37のメタノール量を認識する。もし、液体タンク37のメタノールが決められた水位以下に下がると、移動ロボット30を液体供給ステーション10に移動させ液体貯留槽11からメタノールが供給される。すなわち、ロボット制御部40は、ステーション検出部34を介して液体供給ステーション10の位置を認識し、駆動部32を制御して液体供給ステーション10に移動し、移動ロボット30を供給位置に止める。ここで、供給位置は、移動ロボット30の液体タンク37の引入口37aが液体供給ステーション10の供給ノズル16の真下に位置する場所である。その後、ロボット制御部40は、液体供給ステーション10に供給信号を発信する。すると、ステーション制御部20がポンプ12と供給ノズルユニット13を制御して、液体貯留槽11のメタノールを液体タンク37に供給する。液体タンク37のメタノール量が設定値に達すると、ロボット制御部40は中断信号を送信し、液体供給ステーション10のメタノール供給を中断させる。
【0055】
以下、上記のような構造を有する本発明の一実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム1の作用について、図1〜3に基づいて説明する。
【0056】
移動ロボット30は、メタノール残量検出部39を介して液体タンク37に保存されたメタノール量が基準量以下に下がったか判断する。ここで、基準量は、液体タンク37にメタノールを補給する必要があるメタノール量であって、液体タンク37と燃料電池36の仕様によって予め決められる。
【0057】
メタノールの補給が必要な場合、移動ロボット30のロボット制御部40のステーション検出部34を介して液体供給ステーション10の位置を認識する。その後、ロボット制御部40は、移動ロボット30を液体供給ステーション10の供給位置に移動させる。このとき、液体供給ステーション10の供給ノズル16は、図1のように上側に位置する。ここで、ロボット制御部40が移動ロボット30を供給位置に移動させるには、公知の多様な移動ロボットの充電装置の位置への復帰方法が使用される。よって、これに対する詳細な説明は省略する。
【0058】
移動ロボット30が供給位置に止まると、ロボット制御部40は、送受信部33を介して液体供給ステーション10に供給信号を発信する。
【0059】
液体供給ステーション10の受信部21は、移動ロボット30の供給信号を受信し、ステーション制御部20に伝送する。すると、ステーション制御部20は、供給ノズルユニット13のノズル駆動部15を稼動させ供給ノズル16を下降させる。供給ノズル16が下降すると、図2に示すように、供給ノズル16の先端が引入口キャップ38のキャップドア38aを押して液体タンク37の引入口37aに挿入される。
【0060】
供給ノズル16が引入口37aに挿入されると、ステーション制御部20はポンプ12を動作させる。ポンプ12が作動すると、液体貯留槽11のメタノールは、連結管14と供給ノズル16を介して液体タンク37に供給される。その後、一定の時間が過ぎるか、ロボット制御部40からの中断信号を受信すると、ステーション制御部20はポンプ12を止める。メタノール供給が完了すると、移動ロボット30のロボット制御部40は、駆動部32を制御し作業を行い続ける。
【実施例2】
【0061】
図4〜6は、本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの他の実施例を示す図である。本実施例においては、充電バッテリで電気を供給し、水を使って作業を行う移動ロボット80を含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム50に関する。
【0062】
図4〜6に示すように、本発明の他の実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム50は、液体供給ステーション60と、液体タンク87とを備えた移動ロボット80を含む。
【0063】
液体供給ステーション60は、移動ロボット80の液体タンク87に水を供給するものであって、液体貯留槽61、ポンプ62、供給ノズルユニット63、充電部74、ステーション制御部70、及びハウジング69を含む。
【0064】
液体貯留槽61は、移動ロボット80の液体タンク87に供給する水を一定量保存する。液体貯留槽61には、水を供給するための水道管68を連結することができる。水道管68には、水道管68を開閉できる自動弁67が設けられる。このように、液体貯留槽61に水道管68と自動弁67とを連結すると、液体貯留槽61に水を供給することが便利になる。また、液体貯留槽61には一定量の水が溜まっているため、ポンプ12に供給される水の圧力は一定範囲内を保つ。したがって、ポンプ62は、液体貯留槽61から液体タンク87に供給される水の量を一定に保つことができる。
【0065】
充電部74は、ステーション制御部70の信号に応じて移動ロボット80の充電バッテリ86を充電する。充電部74は、充電バッテリ端子86aと接続される充電端子75を備える。
【0066】
その他、ポンプ62、供給ノズルユニット63、ステーション制御部70、ハウジング69は上述した実施例と同じなので、詳細な説明は省略する。供給ノズルユニット63のノズル駆動部65は、駆動モータ65aと駆動機構65bとを含む。但し、液体貯留槽61の水が足りないと、ステーション制御部70は、自動弁67を制御することで水道管68から液体貯留槽61に水を供給する。
【0067】
図7及び図8は、液体供給ステーションの他の例を示す図である。液体供給ステーション60´は、水道管68と供給ノズルユニット63とが直接連通されている。その間には水道管68を開閉する自動弁67が設けられる。すなわち、上述した液体供給ステーション60に設けられた液体貯留槽61とポンプ62とを含んでいない。したがって、移動ロボット80の液体タンク87に水を供給する時、水が水道管68から液体タンク87に直接供給される。
【0068】
移動ロボット80は、充電バッテリ86から電気を得て自ら走行し、真空掃除を行う。このような移動ロボット80は、吸塵部81、駆動部82、送受信部83、位置検出部85、ステーション検出部84、充電バッテリ86、液体タンク87、水残量検出部89、加湿器91、及びロボット制御部90を含む。
【0069】
充電バッテリ86は、移動ロボット80が動作するのに必要な電気を供給し、充電バッテリ86の状態を検出するための充電量検出部88を備える。充電量検出部88は充電バッテリ86の充電量が基準値以下に下がると、ロボット制御部90に信号を送信し充電バッテリ86を充電させる。
【0070】
液体タンク87は移動ロボット80が作業を行いながら使う水を保存する。液体タンク87の上部には、供給ノズル66が挿入される引入口87aが設けられる。本実施例においては、引入口87aは漏斗状に形成されている。また、本実施例では図示していないが、必要により、上述した実施例のように引入口87aに引入口キャップ38を設ける。
【0071】
水残量検出部89は、液体タンク87に保存された水の量を検出しロボット制御部90に伝送する。
【0072】
加湿器91は、ロボット制御部90の信号に応じて水滴を生じさせ室内の湿度を調節する。加湿器91には、必要な水が液体タンク87から供給される。
【0073】
ロボット制御部90は、送受信部83が受信した制御信号の内容を判断し、受信した制御信号に応じて吸塵部81、駆動部82、位置検出部85、ステーション検出部84などを制御して作業を行う。このとき、ロボット制御部90が上述した構成要素を制御するのは従来のロボット制御部と類似しているので、詳細な説明は省略する。
【0074】
また、ロボット制御部90は、水残量検出部89を介して液体タンク87の水の量を認識する。もし、液体タンク87の水が基準水位以下に下がると、移動ロボット80を液体供給ステーション60に移動させ液体貯留槽61からの水の供給を受ける。ロボット制御部90が移動ロボット80を制御して液体供給ステーション60から水が供給されるのは、上述した実施例のメタノールが供給されることと同じなので、詳細な説明は省略する。
【0075】
以下、上記のような構造を有する本発明の他の実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム50の作用について図4〜6に基づいて説明する。
【0076】
移動ロボット80は、水残量検出部89を介して液体タンク87に保存された水の量が基準量以下に下がったか判断する。ここで、基準量は、液体タンク87に水を補給する必要がある場合の水の量であって、液体タンク87と加湿器91の規格によって予め決められる。
【0077】
液体タンク87に水を補給する必要がある場合、移動ロボット80のロボット制御部90は、ステーション検出部84を介して液体供給ステーション60の位置を認識する。その後、ロボット制御部90は、移動ロボット80を液体供給ステーション60の供給位置に移動させる。このとき、液体供給ステーション60の供給ノズル66は図4のように上側に位置する。ここで、ロボット制御部90が移動ロボット80を供給位置に移動させるには、公知の移動ロボットの充電装置の位置への復帰方法が使用される。よって、これに対する詳細な説明は省略する。
【0078】
移動ロボット80が供給位置に位置すると、ロボット制御部90は送受信部83を介して液体供給ステーション60に供給信号を発信する。
【0079】
液体供給ステーション60の受信部71は、移動ロボット80の供給信号を受信し、ステーション制御部70に伝送する。すると、ステーション制御部70は、供給ノズルユニット63のノズル駆動部63を稼動させ供給ノズル66を下降させる。供給ノズル66が下降すると、図5に示すように、供給ノズル66の先端が液体タンク87の引入口87aに挿入される。
【0080】
供給ノズル66が引入口87aに挿入されると、ステーション制御部70はポンプ62を動作させる。ポンプ62が作動すると、液体貯留槽61の水は、連結管64と供給ノズル66を介して液体タンク87に供給される。その後、一定の時間が過ぎるか、ロボット制御部90からの中断信号を受信すると、ステーション制御部70はポンプ62を止める。水供給が完了すると、移動ロボット80のロボット制御部90は駆動部82を制御し作業を行い続ける。
【0081】
移動ロボット80の液体タンク87に水を供給するにつれ、液体供給ステーション60の液体貯留槽61の水の貯留量が減少する。ステーション制御部70は、レベルセンサー73を介して液体貯留槽61の水量を感知する。液体貯留槽61の水が基準水位以下に下がると、ステーション制御部70は自動弁67を開放する。すると、水道管68を介して水が供給され液体貯留槽61を満たす。液体貯留槽61の水位が一定値以上に上昇すると、ステーション制御部70は、自動弁67を閉めて水の供給を遮断する。
【0082】
図7及び図8のような液体供給ステーション60´の場合は、水道管68と供給ノズルユニット63とが直接連結されているので、移動ロボット80からの供給信号が受信されると、ステーション制御部70´は自動弁67を開放し、水を水道管68から液体タンク87に供給させる。その後、ロボット制御部90からの中断信号が受信されると、ステーション制御部70´は、自動弁67を閉めて水道管68からの水の供給を遮断する。
【0083】
以上では、液体タンク87の水を使う装置であって、加湿器91を持つ移動ロボット80について説明したが、これに限定されず、移動ロボット80には加湿器91のみならず水掃除装置、蒸気掃除装置、水拭き装置などが設けられる。
【実施例3】
【0084】
図9及び図10は、本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの他の実施例を示す図である。本実施例は、メタノール燃料電池で電気を供給し、水を使う作業を行う移動ロボットを含む液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム100に関する。
【0085】
図9及び図10に示すように、本発明の他の実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム100は、液体供給ステーション110と、メタノールタンク147及び水タンク151を備えた移動ロボット140とを含む。
【0086】
液体供給ステーション110は、移動ロボット140のメタノールタンク147と水タンク151にメタノールと水を供給するものであって、メタノール貯留槽111、水貯留槽121、第1及び第2ポンプ112、122、第1及び第2供給ノズルユニット113、123、ステーション制御部130、ハウジング119を含む。
【0087】
メタノール貯留槽111は、移動ロボット140のメタノールタンク147に供給するメタノールを一定量保存する。
【0088】
水貯留槽121は、移動ロボット140の水タンク151に供給する水を一定量保存する。水貯留槽121には、水を供給するための水道管128を連結することができる。水道管128には、水道管128を開閉できる自動弁127が設けられる。このように、水貯留槽121に水道管128と自動弁127とを連結すると、水貯留槽121に水を供給することが便利になる。
【0089】
第1ポンプ112は、メタノール貯留槽111と連通され、メタノール貯留槽111に保存されたメタノールをメタノールタンク147に供給する。このとき、第1ポンプ112は、メタノール貯留槽111の下部に設けられることが好ましい。第2ポンプ122は、水貯留槽121と連通され、水貯留槽121に保存された水を水タンク151に供給する。このとき、第2ポンプ122は、水貯留槽121の下部に設けられることが好ましい。
【0090】
第1及び第2供給ノズルユニット113、123は、それぞれ第1及び第2ポンプ112、122と連通され、メタノールタンク147及び水タンク151にメタノールと水とを供給する通路をなす。このような第1及び第2供給ノズルユニット113、123は、それぞれ第1及び第2連結管114、124、第1及び第2供給ノズル(図示せず)、第1及び第2ノズル駆動部115、125を含む。
【0091】
第1連結管114は、第1供給ノズルと第1ポンプ112との間に設けられ、第1ポンプ112により排出されるメタノールが第1供給ノズルに供給されるようガイドする。第2連結管124は、第2供給ノズルと第2ポンプ122との間に設けられ、第2ポンプ122により排出される水が第2供給ノズルに供給されるようガイドする。
【0092】
第1及び第2供給ノズルは、第1及び第2ノズル駆動部115、125により上下に直線移動し、その先端がメタノールタンク147及び水タンク151の引入口に挿入される。第1及び第2ノズル駆動部115、125は、それぞれ駆動モータと駆動機構とを含む。駆動機構は、駆動モータの回転力を供給ノズルの上下直線運動に変換できる機構であれば如何なる機構でも使える。第1及び第2ノズル駆動部115、125により第1及び第2供給ノズルが下方に移動すると、第1及び第2供給ノズルの先端は、それぞれメタノールタンク147及び水タンク151の引入口に挿入される。したがって、メタノール貯留槽111及び水貯留槽121のメタノールと水が漏れず、メタノールタンク147及び水タンク151に供給される。
【0093】
ステーション制御部130は、移動ロボット140の供給信号に応じて、第1及び第2ポンプ112、122と第1及び第2供給ノズルユニット113、123を制御し、メタノール貯留槽111及び水貯留槽121に保存されたメタノールと水をメタノールタンク147及び水タンク151に供給する。すなわち、ステーション制御部130は、受信部131を介して移動ロボット140からメタノール供給信号を受信すると、第1供給ノズルユニット113の第1ノズル駆動部115を制御して第1供給ノズルをメタノールタンク147の引入口に挿入する。その後、第1ポンプ112を稼動してメタノール貯留槽111のメタノールをメタノールタンク147に供給する。ステーション制御部130が受信部131を介して移動ロボット140から水供給信号を受信すると、第2供給ノズルユニット123の第2ノズル駆動部125を制御して第2供給ノズルを水タンク151の引入口に挿入する。その後、第2ポンプ122を稼動して水貯留槽121の水を水タンク151に供給する。このとき、第1及び第2ポンプ112、122が時間当たり一定量の液体を供給する定量ポンプである場合は、第1及び第2ポンプ112、122の動作時間を制御することで供給されるメタノール及び水の量を制御することができる。または、移動ロボット140のロボット制御部150からの中断信号により、第1及び第2ポンプ112、122を止めることで供給されるメタノール及び水の量を制御することができる。
【0094】
ハウジング119は、メタノール貯留槽111、水貯留槽121、第1及び第2ポンプ112、122、第1及び第2供給ノズルユニット113、123、ステーション制御部130を収納し、液体供給ステーション110を一定の位置に固定させる。
【0095】
また、液体供給ステーション110は、第1及び第2レベルセンサー133、134とディスプレイ部132とをさらに含むことが好ましい。第1及び第2レベルセンサー133、134は、それぞれメタノール貯留槽111及び水貯留槽121に設けられ、メタノール貯留槽111及び水貯留槽121に保存されているメタノールと水の水位を検出する。ディスプレイ部132は、メタノール貯留槽111及び水貯留槽121に保存されたメタノールと水の量、及び液体供給ステーション110の作動状態を表示する。したがって、ステーション制御部130は、第1及び第2レベルセンサー133、134により測定したメタノール貯留槽111または水貯留槽121の水位が適正水位より下であると、ディスプレイ部132に警告のメッセージを表示することで、ユーザにメタノール貯留槽111または水貯留槽121へのメタノールまたは水の補給を促す。
【0096】
移動ロボット140は、メタノール燃料電池146から電気を得て自ら走行し、真空掃除を行う。また、移動ロボット140は加湿器153を備える。このような移動ロボット140は、吸塵部141、駆動部142、送受信部143、位置検出部145、ステーション検出部144、メタノール燃料電池146、メタノールタンク147、メタノール残量検出部148、水タンク151、水残量検出部152、加湿器153、及びロボット制御部150を含む。
【0097】
移動ロボット140がメタノール燃料電池146により電気を得るので、メタノールタンク147及びメタノール残量検出部148を備えることを除いては、上述した他の実施例による移動ロボット80と同じなので詳細な説明は省略する。また、メタノール燃料電池146、メタノールタンク147、メタノール残量検出部148の説明は上述した実施例を参照するとよい。
【0098】
以下、上記のような構造を有する本発明の他の実施例による液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム100の作用について、図9及び図10に基づいて説明する。
【0099】
移動ロボット140は、水残量検出部152を介して水タンク151に保存された水の量が基準量以下に下がったか判断する。また、移動ロボット140は、メタノール残量検出部148を介してメタノールタンク147に保存されたメタノールの量が基準量以下であるか判断する。ここで、基準量は、水タンク151またはメタノールタンク147に補給する必要がある水またはメタノールの量であって、水タンク151と加湿器153の仕様、メタノールタンク147と燃料電池146の仕様によって決められる。
【0100】
移動ロボット140が水またはメタノールを補給する過程は、上述した実施例と同じなので、詳細な説明は省略する。但し、移動ロボット140が水タンク151に水を補給する時、メタノールタンク147にもメタノールを補給することができる。したがって、移動ロボット140が水またはメタノールの補給のため液体供給ステーション110の位置に復帰する回数が減少するため、移動ロボット140の作業時間が増加する。
【実施例4】
【0101】
以下、本発明の他の側面から液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムによる移動ロボットの液体供給方法について、図11及び図12に基づいて説明する。
【0102】
液体供給ステーション10、60、110を備えた移動ロボットシステム1、50、100において、移動ロボット30、80、140は、液体タンク37、87、147、151に保存された液体の水位を検出して液体タンク37、87に液体を供給する必要があるか判断する(S10)。このとき、メタノールのような液体燃料を使う燃料電池36、146の設けられた移動ロボット30、140は、メタノールを保存するための液体タンク37、147を有する。また、水を使う作業を行う移動ロボット80、140は、水を保存するための液体タンク87、151を有する。
【0103】
液体タンク37、87、147、151に液体を供給する必要がある場合、移動ロボット30、80、140は、液体供給ステーション10、60、110の供給位置に移動し停止する(S20)。このとき、移動ロボット30、80、140が液体供給ステーション10、60、110の位置を認識し供給位置に位置する方法は、公知の移動ロボットの充電装置位置への復帰方法が使用されるので詳細な説明は省略する。
【0104】
移動ロボット30、80、140が液体供給ステーション10、60、110の供給位置に位置すれば、液体供給ステーション10、60、110は、移動ロボット30、80、140に液体を供給する(S30)。以下、図12に基づいてこれについて詳細に説明する。
【0105】
移動ロボット30、80、140が供給位置に位置すれば、移動ロボット30、80、140のロボット制御部40、90、150は液体供給ステーション10、60、110に供給信号を伝送する(S31)。
【0106】
液体供給ステーション10、60、110が供給信号を受信すれば、供給ノズル16、66を移動ロボット30、80、140の液体タンク37、87、147、151の引入口に挿入する(S32)。すなわち、液体供給ステーション10、60、110のステーション制御部20、70、130が供給信号を受信すれば、供給ノズルユニット13、63、113、123のノズル駆動部を制御して供給ノズル16、66を下方に移動させる。すると、供給ノズル16、66が移動ロボット30、80、140の液体タンク37、87、147、151の引入口に挿入される。
【0107】
供給ノズル16、66が液体タンク37、87、147、151の引入口に挿入されると、液体供給ステーション10、60、110は供給ノズル16、66を介して液体タンク37、87、147、151に液体を供給する(S33)。すなわち、液体供給ステーション10、60、110のステーション制御部20、70、130がポンプ12、62、112、122を動作させると、液体貯留槽11、61、111、121の液体が連結管14、64、114、124と供給ノズル16、66を介して移動ロボット30、80、140の液体タンク37、87、147、151に供給される。
【0108】
液体供給が完了すると、液体供給ステーション10、60、110は供給ノズル16、66を移動ロボット30、80、140の引入口から抜く(S34)。すなわち、移動ロボット30、80、140の液体タンク37、87、147、151に液体が満ちると、液体供給ステーション10、60、110のステーション制御部20、70、130は、ノズル駆動部を制御して供給ノズル16、66を上側に移動させる。すると、供給ノズル16、66が液体タンク37、87、147、151の引入口から抜ける。供給ノズル16、66が抜けると、移動ロボット30、80、140は移動し中断された作業を行い続ける。
【0109】
以上、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではない。実際、当業者であれば、上記の説明に基づき、特許請求の範囲に記載されている本発明の技術的範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態に対し、種々の変更及び修正を施すことが可能であろう。したがって、そのような変更及び修正は当然に、本発明の技術的範囲に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの一実施例を概略的に示す図である。
【図2】図1の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの供給ノズルユニットを示す図である。
【図3】図1の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの機能ブロック図である。
【図4】本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの他の実施例を概略的に示す図である。
【図5】図4の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの供給ノズルユニットを示す図である。
【図6】図4の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの機能ブロック図である。
【図7】図4の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの液体供給ステーションの他の例を示す図である。
【図8】図7の液体供給ステーションの機能ブロック図である。
【図9】本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの他の実施例を概略的に示す図である。
【図10】図9の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの機能ブロック図である。
【図11】本発明に係る液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステムの移動ロボットの液体供給方法を示すフローチャートである。
【図12】図11の液体供給方法において液体供給段階を具体的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1、50、100 液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム
10、60、60´、110 液体供給ステーション
11、61 液体貯留槽
12、62、112、122 ポンプ
13、63、113、123 供給ノズルユニット
14、64、114、124 連結管
15、65、115、125 ノズル駆動部
16、66 供給ノズル
20、70、130 ステーション制御部
21、71、131 受信部
30、80、140 移動ロボット
36、146 燃料電池
37、87 液体タンク
38 引入口キャップ
39 メタノール残量検出部
40、90、150 ロボット制御部
67、127 自動弁
68、128 水道管
111 メタノール貯留槽
121 水貯留槽
147 メタノールタンク
151 水タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自ら走行する移動ロボットと、
前記移動ロボットに設けられ、前記移動ロボットが使う液体を保存する液体タンクと、
前記移動ロボットの供給信号に応じて、前記液体タンクに前記液体を供給する液体供給ステーションと、
を含むことを特徴とする液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項2】
前記液体供給ステーションは、
液体貯留槽と、
前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存された液体を供給するポンプと、
前記ポンプと連通され、前記液体タンクに供給される液体の通路をなす供給ノズルユニットと、
前記移動ロボットの供給信号に応じて、前記ポンプと供給ノズルユニットを制御して前記液体を供給するステーション制御部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項3】
前記供給ノズルユニットは、
供給ノズルと、
前記供給ノズルとポンプとを連通する連結管と、
前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、を含み、
前記供給ノズルが下方に移動すると、その先端が前記液体タンクの引入口に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項4】
前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項5】
前記液体供給ステーションは、
前記液体貯留槽に保存された液体の水位を検出するレベルセンサーと、
前記液体貯留槽に保存されている液体量を表示するディスプレイ部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項6】
メタノール燃料電池を使って自ら走行する移動ロボットと、
前記移動ロボットに設けられ、前記燃料電池に使われるメタノールを保存する液体タンクと、
上下に直線移動する供給ノズルを備え、前記移動ロボットから供給信号を受信すると前記供給ノズルを下方に移動させ、前記液体タンクにメタノールを供給する液体供給ステーションと、
を含むことを特徴とする液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項7】
前記液体供給ステーションは、
液体貯留槽と、
前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存されたメタノールを前記液体タンクに供給するポンプと、
前記ポンプと前記供給ノズルとを連通する連結管と、
前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、
前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記ノズル駆動部を制御して前記供給ノズルを前記液体タンクの引入口に挿入し、前記ポンプを制御して前記メタノールを供給するステーション制御部と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項8】
前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項9】
自ら走行し、水を使う作業を行う移動ロボットと、
前記移動ロボットに設けられ、水を保存する液体タンクと、
水道管と連結され、前記移動ロボットから供給信号を受信すると前記液体タンクに前記水を供給する液体供給ステーションと、
を含むことを特徴とする液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項10】
前記液体供給ステーションは、
前記水道管と連結された液体貯留槽と、
前記液体貯留槽と連通され、前記液体貯留槽に保存された水を前記液体タンクに供給するポンプと、
前記ポンプと連通され、前記液体タンクに供給される水の供給通路をなす供給ノズルユニットと、
前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記ポンプと供給ノズルユニットを制御して前記水を供給するステーション制御部と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項11】
前記液体供給ステーションは、
前記水道管に設けられ、水道管を選択的に開閉する自動弁と、
前記自動弁と連通され、前記水道管から供給される水の供給通路をなす供給ノズルユニットと、
前記移動ロボットから供給信号を受信すると、前記供給ノズルユニットと自動弁を制御して水を前記水道管から前記液体タンクに直接供給させるステーション制御部と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項12】
前記供給ノズルユニットは、
供給ノズルと、
前記供給ノズルとポンプとを連通する連結管と、
前記供給ノズルを上下に移動させるノズル駆動部と、を含み、
前記供給ノズルが下方に移動すると、その先端が前記液体タンクの引入口に挿入されることを特徴とする請求項10又は11に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項13】
前記液体タンクは、前記液体タンクの引入口に設けられ、前記供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項14】
メタノール燃料電池を使って自ら走行し、水を使う作業を行う移動ロボットと、
前記移動ロボットに設けられ、前記燃料電池に使われるメタノールを保存するメタノールタンクと、
前記移動ロボットに設けられ、作業に使われる水を保存する水タンクと、
前記移動ロボットからの供給信号に応じて、前記メタノールタンク及び水タンクにそれぞれメタノールと水を供給する液体供給ステーションと、
を含むことを特徴とする液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項15】
前記液体供給ステーションは、
メタノールと水がそれぞれ保存されるメタノール貯留槽及び水貯留槽と、
前記メタノール貯留槽及び水貯留槽とそれぞれ連通され、前記メタノール貯留槽及び水貯留槽に保存されたメタノールと水を供給する第1及び第2ポンプと、
前記第1及び第2ポンプとそれぞれ連通され、メタノールと水の供給通路をなす第1及び第2供給ノズルユニットと、
前記移動ロボットからの供給信号に応じて、前記第1ポンプと第1供給ノズルユニット及び前記第2ポンプと第2供給ノズルユニットを制御して前記メタノールと水を前記移動ロボットに供給するステーション制御部と、
を含むことを特徴とする請求項14に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2供給ノズルユニットはそれぞれ、
第1及び第2供給ノズルと、
前記第1及び第2供給ノズルと第1及び第2ポンプとをそれぞれ連通する第1及び第2連結管と、
前記第1及び第2供給ノズルを上下に移動させる第1及び第2ノズル駆動部と、を含み、
前記第1及び第2供給ノズルが下降すると、その先端がそれぞれ前記メタノールタンク及び水タンクの引入口に挿入されることを特徴とする請求項15に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項17】
前記メタノールタンク及び水タンクは、前記メタノールタンク及び水タンクの引入口に設けられ、前記第1及び第2供給ノズルにより開閉される引入口キャップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の液体供給ステーションを備えた移動ロボットシステム。
【請求項18】
液体タンクに液体を供給する必要があるかについて移動ロボットが判断するステップと、
液体を供給する必要があれば、前記移動ロボットが液体供給ステーションの供給位置に移動するステップと、
前記移動ロボットが前記供給位置に位置すると、前記液体供給ステーションが前記移動ロボットに液体を供給する液体供給ステップと、を含むことを特徴とする移動ロボットの液体供給方法。
【請求項19】
前記液体供給ステップは、
前記移動ロボットが前記液体供給ステーションに供給信号を伝送するステップと、
前記供給信号を受信すると、前記液体供給ステーションが供給ノズルを前記移動ロボットの液体タンク引入口に挿入するステップと、
前記液体供給ステーションが前記供給ノズルを介して前記液体タンクに液体を供給するステップと、
液体供給が完了すると、前記液体供給ステーションが前記供給ノズルを元の位置に復帰させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項18に記載の移動ロボットの液体供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−69983(P2007−69983A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35402(P2006−35402)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(595072848)三星光州電子株式会社 (134)
【Fターム(参考)】