説明

液浸露光用レジスト保護膜組成物およびレジストパターンの形成方法

【課題】撥液性とアルカリ溶解性に優れた液浸露光用レジスト保護膜材料の提供。
【解決手段】下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)、好ましくは下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)を含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。ただし、Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。n:0、1または2。R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液浸露光用レジスト保護膜組成物およびレジストパターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体等の集積回路の製造においては、露光光源の光をマスクに照射して得られたマスクのパターン像を基板上の感光性レジスト層に投影して、該パターン像を感光性レジスト層に転写するリソグラフィー法が用いられる。通常、前記パターン像は、感光性レジスト層上を移動する投影レンズを介して、感光性レジスト層の所望の位置に投影される。
【0003】
近年では、液浸露光(イマージョンリソグラフィー、immersion lithography)法、すなわち、投影レンズ下部と感光性レジスト層上部との間を屈折率の高い液状媒体(超純水等の液状媒体)(以下、イマージョン液ともいう。)で満たしつつ、マスクのパターン像を投影レンズを介して感光性レジスト層に投影する液浸露光法が検討されている。
【0004】
液浸露光法においては、投影レンズと感光性レジスト層との間がイマージョン液で満たされるため、感光性レジスト層中の成分(光酸発生剤等)がイマージョン液に溶出したり、感光性レジスト層がイマージョン液により膨潤する懸念がある。
【0005】
そのため、液浸露光法においては、感光性レジスト層上にレジスト保護膜層を設け、感光性レジスト層の溶出、膨潤を抑制する試みがある。
【0006】
液浸露光用レジスト保護膜材料として、特許文献1には、極性基を有する重合性化合物(下記化合物等)の繰り返し単位(アルカリ溶解性部位)を含むアルカリ可溶性のレジスト保護膜重合体と、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレートの繰り返し単位(撥水性部位)のみからなる含フッ素重合体とを含むレジスト保護膜組成物が記載されている。
【0007】
【化1】

【0008】
また、特許文献2と3には、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレートの繰り返し単位(撥水性部位)と、CF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CHまたはCF=CFCHCH(C(CFOH)CHCH=CHの繰り返し単位(アルカリ溶解性部位)とを含むイマージョンリソグラフィー用レジスト保護膜重合体が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−352384号公報
【特許文献2】特開2007−078744号公報
【特許文献3】特開2007−078745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
液浸露光用レジスト保護膜材料は、イマージョン液に対する撥液性が高いだけでなく、液浸露光工程後の現像工程において水性アルカリ現像液によって溶解除去できるようにアルカリ溶解性が高いことが望ましい。しかし、撥液性とアルカリ溶解性がバランスした液浸露光用レジスト保護膜材料は、知られていない。
【0011】
つまり、液浸露光用レジスト保護膜材料に要求される撥液性とアルカリ溶解性の関係は、トレードオフにあると考えられていた。
【0012】
すなわち、特許文献1に記載されるようなレジスト保護膜組成物を用いて高撥液性のレジスト保護膜層を形成するためには、レジスト保護膜層表面に含フッ素重合体を効果的に偏析させるために、アルカリ不溶性の含フッ素重合体を用いる必要があった。しかし、前記含フッ素重合体を用いた場合には、水性アルカリ現像液によるレジスト保護膜層の除去が容易でなかった。そのため、前記レジスト保護膜組成物を用いたイマージョンリソグラフィー法は、現像工程において欠陥が発生しやすく、歩留が低下しやすかった。
【0013】
また、特許文献2と3に記載されるような、アルカリ溶解性部位と撥水性部位とを含むレジスト保護膜重合体のみからなるレジスト保護膜材料は、撥液性とアルカリ溶解性をバランスさせることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、撥液性とアルカリ溶解性がバランスした液浸露光用レジスト保護膜材料を得るべく、鋭意検討を行った。
【0015】
その結果、アルカリ溶解性が高くアルカリ溶液により除去しやすいレジスト保護膜組成物に、アルカリ溶解性部位と撥水性部位とを有する、アルカリ溶液にある程度溶解する含フッ素重合体を配合することにより、特に前記レジスト保護膜組成物に、前記含フッ素重合体を多量配合することにより、撥液性とアルカリ溶解性がバランスした液浸露光用レジスト保護膜組成物が得られるという知見を得た。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の要旨を有するものである。
【0017】
<1>下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
【0018】
<2>下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)を含む、上記<1>に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
【0019】
<3>液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜100モル%含む組成物である上記<1>または<2>に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0020】
<4>下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
【0021】
<5>下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含み、さらに、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【0022】
<6>下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【0023】
<7>液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、繰り返し単位(B)または(B1)または(A3)を5〜80モル%含む組成物である上記<4>から<6>のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0024】
<8>下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)と、下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0025】
<9>下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0026】
<10>下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0027】
<11>液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、繰り返し単位(A3)または(B)または(B1)を4〜75モル%含み、繰り返し単位(C)を0.5〜30モル%含む組成物である上記<8>から<10>のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0028】
<12>液浸露光用レジスト保護膜組成物の重量平均分子量が、1,000〜50,000である上記<1>〜<11>のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0029】
<13>式(c)で表される化合物が、下式(fc1)から下式(fc4)からなる群から選ばれる化合物である上記<8>〜<10>のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0030】
【化2】

【0031】
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のフルオロアルキル基。
また、化合物(fc1)〜(fc4)中のフッ素原子は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ基に置換されていてもよい。
【0032】
<14>さらに有機溶媒を含む上記<1>〜<13>のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【0033】
<15>液浸露光法によるレジストパターンの形成方法であって、上記<10>に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物を基板上の感光性レジスト表面に塗布し、次に基板を乾燥して感光性レジスト表面にレジスト保護膜を形成する工程、液浸露光工程、および現像工程を順に行うことにより基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、撥液性とアルカリ溶解性に優れた液浸露光用レジスト保護膜材料が提供される。本発明の液浸露光用レジスト保護膜組成物を用いることにより、マスクのパターン像を高解像度に転写可能な液浸露光法の安定実施が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本明細書において、式(a1)で表される化合物の重合により形成された化合物を繰り返し単位(A1)と記す。他の化合物も同様に記す。
【0036】
本発明は、下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
【0037】
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
本発明は、下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)を含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
本発明の前記液浸露光用レジスト保護膜組成物は、全繰り返し単位に対して前記繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜100モル%含むことが好ましい。
【0038】
本発明は、下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
【0039】
本発明は、下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含み、さらに、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【0040】
本発明は、下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【0041】
本発明の前記液浸露光用レジスト保護膜組成物は、全繰り返し単位に対して前記繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、前記繰り返し単位(B)またはまたは(B1)または(A3)を5〜80モル%含むことが好ましい。
【0042】
本発明は、下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)と、下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0043】
本発明は、下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0044】
本発明は、下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物を提供する。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0045】
本発明の前記液浸露光用レジスト保護膜組成物は、全繰り返し単位に対して前記繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、前記繰り返し単位(A3)または(B)または(B1)を4〜75モル%含み、前記繰り返し単位(C)を0.5〜30モル%含むことが好ましい。
【0046】
本発明の前記液浸露光用レジスト保護膜組成物の重量平均分子量は、1,000〜50,000であることが好ましく、1,000〜20,000であることがさらに好ましく、5,000〜15,000が特に好ましい。
【0047】
本発明の前記式(c)で表される化合物は、下式(fc1)から下式(fc4)からなる群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0048】
【化3】

【0049】
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のフルオロアルキル基。
また、化合物(fc1)〜(fc4)中のフッ素原子は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ基に置換されていてもよい。
【0050】
本発明の液浸露光用レジスト保護膜組成物は、ポリマーαを含む。ポリマーαとは、前記繰り返し単位(A1)、(A2)および/または(A3)を有するポリマーである。ポリマーαは、(A1)、(A2)、(A3)以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。本発明の組成物中のポリマーαの含有量は、10〜100質量%が好ましい。
【0051】
さらに本発明の組成物は、前記繰り返し単位(C)を有することが好ましい。本発明の組成物が前記繰り返し単位(C)を有する場合とは、前記ポリマーαが繰り返し単位(C)を有する場合か、または、本発明の組成物がポリマーγを含む場合が例示できる。ただしポリマーγとは、繰り返し単位(C)を有するポリマーであって、繰り返し単位(A1)、(A2)および(A3)を有していないポリマーである。
【0052】
本発明の組成物が、前記ポリマーαおよび前記ポリマーγを含む組成物である場合は、ポリマーαとポリマーγとの合計の質量が組成物中で占める割合は、20〜100質量%が好ましい。またこの場合、ポリマーαとポリマーγの合計に占めるポリマーαの割合は、20〜99質量%が好ましい。
【0053】
本発明の組成物において、前記ポリマーαが繰り返し単位(C)を有する場合(コポリマーである場合)は、繰り返し単位(A1)、(A2)、(A3)および(C)との合計の質量が組成物中に占める割合は、30〜100モル%が好ましい。またこの場合、繰り返し単位(A1)、(A2)、(A3)と繰り返し単位(C)との合計に占める繰り返し単位(C)の割合は、0.5〜30モル%が好ましい。
本発明の前記液浸露光用レジスト保護膜組成物は、さらに有機溶媒を含むことが好ましい。
【0054】
前記有機溶媒としては、前記繰り返し単位(A1)、(A2)、(A3)、(B)、(B1)および/または(C)に対する相溶性の高い溶媒であれば特に限定されない。
フッ素系有機溶媒の具体例としては、CClFCH、CFCFCHCl、CClFCFCHClF等のハイドロクロロフルオロカーボン類;CFCHFCHFCFCF、CF(CFH、CF(CF、CF(CF、CF(CF等のハイドロフルオロカーボン類;1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライド等のハイドロフルオロベンゼン類;ハイドロフルオロケトン類;ハイドロフルオロアルキルベンゼン類;CFCFCFCFOCH、(CFCFCF(CF)CFOCH、CFCHOCFCHF等のハイドロフルオロエーテル類;CHFCFCHOH等のハイドロフルオロアルコール類が挙げられる。
【0055】
非フッ素系有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エチルブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノまたはジアルキルエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類などが挙げられる。
【0056】
また、本発明のレジスト保護膜組成物は、通常は感光性レジスト層上にスピンコート法などによって塗布されて用いられる。有機溶媒は、感光性レジスト層を溶解しない溶媒がより好ましく、アルコール類、フルオロエーテル類、フルオロアルコール類、フルオロケトン、またはフルオロベンゼン類が特に好ましい。
【0057】
アルコール類は、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、または2−オクタノールが好ましく、2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノールが特に好ましい。
【0058】
フルオロアルコール類は、CCHOHまたはCCHCHOHが好ましい。フルオロベンゼン類は、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンが好ましい。
【0059】
本発明のレジスト保護膜組成物は、さらに他の成分を含んでいてもよい。該成分の具体例としては、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤が挙げられる。
【0060】
本発明のレジスト保護膜組成物は、イマージョンリソグラフィー法における感光性レジスト層の保護膜材料に用いられる。イマージョンリソグラフィー法としては、基板上に感光性レジスト材料を塗布して基板上に感光性レジスト膜を形成する工程、有機溶媒を含む本発明のレジスト保護膜組成物を感光性レジスト膜の表面に塗布して感光性レジスト膜の表面にレジスト保護膜を形成する工程、イマージョンリソグラフィー工程、および現像工程をこの順に行う、基板上にレジストパターンを形成する方法が好ましい。
【0061】
感光性レジスト材料は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体と、光酸発生剤とを含む感光性レジスト組成物であれば、特に限定されない。感光性レジスト材料の具体例としては、特開2005−234178号公報等に記載の感光性レジスト材料が挙げられる。より具体的には、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレートを含み、かつ前記重合体として下記3種の化合物の共重合体を含む感光性レジスト組成物が挙げられる。
【0062】
【化4】

【0063】
イマージョンリソグラフィー工程としては、露光光源の光をマスクに照射して得られたマスクのパターン像を、投影レンズとレジスト膜の間をイマージョン液で満たしつつ、レジスト膜上を相対的に移動する投影レンズを介してレジスト膜の所望の位置に投影する工程が挙げられる。
【0064】
露光光源は、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)またはFエキシマレーザー光(波長157nm)が好ましく、ArFエキシマレーザー光またはFエキシマレーザー光がより好ましく、ArFエキシマレーザー光が特に好ましい。
【0065】
イマージョン液は、油性液状媒体(デカリン等。)であってもよく、水性液状媒体(超純水等。)であってもよく、水を主成分とする液状媒体が好ましく、超純水が特に好ましい。
【0066】
現像工程としては、レジスト膜の露光部分とレジスト保護膜層とをアルカリ溶液により除去する工程が挙げられる。アルカリ溶液としては、特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドおよびトリエチルアミンからなる群から選ばれるアルカリ化合物を含むアルカリ水溶液が挙げられる。
【実施例】
【0067】
本発明を、実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例において、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートをIPPと、テトラヒドロフランをTHFと、ジクロロペンタフルオロプロパンをAK−225と、前記式(fc3)で表わされる化合物においてR=CHである化合物をFNBMAと、記す。
【0068】
また、重合体の数平均分子量をMnと、重合体の重量平均分子量をMwと、記す。MnとMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(展開溶媒:THF、内部標準:ポリスチレン(Pst))(以下、GPCともいう。)によって求めた。重合体の組成は、19F−NMRとH−NMRの測定により決定した。
【0069】
[例1]共重合の製造例
(例1−1)重合体(A−1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.3g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.2g、酢酸エチルの4.4gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.19gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で18時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.42g(重合体(A−1)という)THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6800、重量平均分子量(Mw)14700であり、Mw/Mn=2.16であった。
【0070】
重合体(A−1)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位=72/28モル%であった。
【0071】
(例1−2)重合体(A−2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.2g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.39g、酢酸エチルの5.2gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.24gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で18時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.32g(重合体(A−2)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6600、重量平均分子量(Mw)13900であり、Mw/Mn=2.10であった。
【0072】
重合体(A−2)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位=46/54モル%であった。
【0073】
(例1−3)重合体(A−3)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.1g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.45g、酢酸エチルの4.8gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.22gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で18時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.39g(重合体(A−3)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6500、重量平均分子量(Mw)11600であり、Mw/Mn=1.77であった。
【0074】
重合体(A−3)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位=28/72モル%であった。
【0075】
(例1−4)重合体(A−4)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.1g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.46g、FNBMAの0.096g、酢酸エチルの2.6gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.13gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.51g(重合体(A−4)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)8300、重量平均分子量(Mw)14500であり、Mw/Mn=1.75であった。
【0076】
重合体(A−4)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=32/59/9モル%であった。
【0077】
(例1−5)重合体(A−5)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.08g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.37g、FNBMAの0.18g、酢酸エチルの2.6gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.125gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.35g(重合体(A−5)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)6400、重量平均分子量(Mw)11300であり、Mw/Mn=1.77であった。
【0078】
重合体(A−5)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=26/57/17モル%であった。
【0079】
(例1−6)重合体(A−6)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.05g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.4g、FNBMAの0.07g、酢酸エチルの2.1gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.11gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.38g(重合体(A−6)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)7200、重量平均分子量(Mw)13400であり、Mw/Mn=1.87であった。
【0080】
重合体(A−6)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=16/75/9モル%であった。
【0081】
(例1−7)重合体(A−7)
CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHの0.02g、CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHの0.35g、FNBMAの0.055g、酢酸エチルの1.7gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.087gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、90℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー0.11g(重合体(A−7)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)8300、重量平均分子量(Mw)15600であり、Mw/Mn=1.87であった。
【0082】
重合体(A−7)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCFCH(C(O)OH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/CF=CFCFCH(C(O)OCH(CH)CHC(CFOH)CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=14/78/8モル%であった。
【0083】
(例1−8)重合体(C−1)
CF=CFCHCH(C(CF(OH))CHCH=CHの20g、FNBMAの4.36g、R225の93.4gおよび2−プロパノール2.21gを内容積100mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の3.66gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー22.5g(重合体(C−1)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)7800、重量平均分子量(Mw)14,000であり、Mw/Mn=1.79であった。
【0084】
重合体(C−1)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCHCH(C(CF(OH))CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=87/13モル%であった。
【0085】
(例1−9)重合体(C−2)
CF=CFCHCH(C(CF(OH))CHCH=CHの4.0g、FNBMAの0.58g、R225の17.5gおよび2−プロパノール0.43gを内容積30mLのガラス製耐圧反応器に仕込んだ。次に、重合開始剤としてIPP(50質量%AK−225溶液)の0.69gを添加した。系内を減圧脱気した後、恒温槽内(40℃)で18時間重合させた。重合後、反応溶液をヘキサン中に滴下して、ポリマーを再沈させた後、100℃で24時間真空乾燥を実施した。その結果、主鎖に含フッ素環構造を有する非結晶性ポリマー3.55g(重合体(C−2)という)を得た。THFを溶媒として用いてGPCにより測定したPSt換算分子量は、数平均分子量(Mn)8600、重量平均分子量(Mw)13800であり、Mw/Mn=2.28であった。
【0086】
重合体(C−2)は室温で白色粉末状のポリマーであり、19F−NMRおよびH−NMR測定により計算されたポリマー組成は、CF=CFCHCH(C(CF(OH))CHCH=CHを環化重合して得られる繰り返し単位/FNBMAを重合して得られる繰り返し単位=90/10モル%であった。
【0087】
[例2]組成物の製造例
[例2−1]組成物(1)の製造例
4質量%の重合体(A−1)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−1)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−1)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−1)を含む組成物(1)を得た。
【0088】
[例2−2]組成物(2)の製造例
4質量%の重合体(A−1)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−2)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−1)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−2)を含む組成物(2
)を得た。
【0089】
[例2−3]組成物(3)の製造例
4質量%の重合体(A−2)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−1)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−2)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−1)を含む組成物(3
)を得た。
【0090】
[例2−4]組成物(4)の製造例
4質量%の重合体(A−2)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−2)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−2)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−2)を含む組成物(4
)を得た。
【0091】
[例2−5]組成物(5)の製造例
4質量%の重合体(A−3)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−1)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−3)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−1)を含む組成物(5
)を得た。
【0092】
[例2−6]組成物(6)の製造例
4質量%の重合体(A−3)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−1)を含む溶液(0.22g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−3)の総量に対して11.1質量%の重合体(C−1)を含む組成物(6
)を得た。
【0093】
[例2−7]組成物(7)の製造例
4質量%の重合体(A−3)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−1)を含む溶液(0.13g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−3)の総量に対して5.3質量%の重合体(C−1)を含む組成物(7
)を得た。
【0094】
[例2−8]組成物(8)の製造例
4質量%の重合体(A−3)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)と、4質量%の重合体(C−2)を含む溶液(0.35g)とを混合して均一な重合体溶液を得た。該重合体溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(A−3)の総量に対して17.6質量%の重合体(C−2)を含む組成物(8
)を得た。
【0095】
[例2−9]組成物(9)の製造例
4質量%の重合体(A−1)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(9)を得た。
【0096】
[例2−10]組成物(10)の製造例
4質量%の重合体(A−2)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(10)を得た。
【0097】
[例2−11]組成物(11)の製造例
4質量%の重合体(A−3)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(11)を得た。
【0098】
[例2−12]組成物(12)の製造例
4質量%の重合体(A−4)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(12)を得た。
【0099】
[例2−13]組成物(13)の製造例
4質量%の重合体(A−5)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(13)を得た。
【0100】
[例2−14]組成物(14)の製造例
4質量%の重合体(A−6)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(14)を得た。
【0101】
[例2−15]組成物(15)の製造例
4質量%の重合体(A−7)を含む4−メチル−2−ペンタノール溶液(2.0g)を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、組成物(15)を得た。
【0102】
[例3]組成物の撥水性評価例
表面に反射防止膜(ROHM AHD HAAS Electronic Materials社製 商品名AR26)が形成されたシリコン基板上に、組成物(1)を回転塗布した。次に、シリコン基板を100℃にて60秒間加熱処理し、重合体(A−1)と重合体(C−1)からなる樹脂薄膜(膜厚100nm)をシリコン基板上に形成した。つづいて、該樹脂薄膜の水に対する、静的接触角、動的転落角、動的後退角、動的前進角をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。静的接触角、動的転落角、動的後退角、動的前進角の単位は、それぞれ角度(度)である。以下同様。
【0103】
組成物(1)のかわりに組成物(2)〜(15)をそれぞれ用いる以外は同様にして、シリコン基板上に樹脂薄膜を形成し、水に対する静的接触角、動的転落角、動的後退角、動的前進角を測定した。結果をまとめて表1に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
[例4]組成物の現像速度評価例
組成物(1)を水晶振動子上に回転塗布し、加熱処理して水晶振動子上に重合体(A−1)と重合体(C−1)からなる薄膜を形成する。次に該水晶振動子をテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを2.38質量%含む水溶液に浸漬し、水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を用いて水溶液中での該薄膜の減膜速度(単位:nm/sec)を、現像速度として測定した。
【0106】
組成物(2)〜(15)に関しても、組成物(1)のかわりに組成物(2)〜(15)をそれぞれ用いる以外は同様にして、シリコン基板上に樹脂薄膜を形成し、水溶液中での該薄膜の減膜速度をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
【0107】
【表2】

【0108】
表1の結果からは、本願発明の組成物は動的転落角および動的前進角が小さく、動的後退角の大きいことから、撥水性に優れることがわかる。また、表2の結果からは、本願発明の組成物は減膜速度、すなわち現像速度が速いものが得られることがわかる。
【0109】
以上の結果からも明らかであるように、本願発明の組成物から形成される薄膜は、撥水性とアルカリ溶解性がバランスしており、液浸露光用レジスト保護膜材料として好適であることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明によれば、レジスト保護膜特性(水の侵入による感光性レジストの膨潤抑制、感光性レジスト成分のイマージョン液中への溶出抑制等。)を備えた液浸露光用レジスト保護膜組成物が提供される。本発明の組成物を用いることにより、マスクのパターン像を高解像度に転写可能な液浸露光法の安定実施が可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
【請求項2】
下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)を含む、請求項1に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
【請求項3】
液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜100モル%含む組成物である請求項1または2に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【請求項4】
下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
【請求項5】
下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)を含み、さらに、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【請求項6】
下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、下式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
【請求項7】
液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、繰り返し単位(B)または(B1)または(A3)を5〜80モル%含む組成物である請求項4から6のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【請求項8】
下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する重合性化合物(b)の重合により形成された繰り返し単位(B)と、下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【請求項9】
下式(a1)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A1)と、式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)(CHCR=CHR (a1)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【請求項10】
下式(a2)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A2)と、式(a3)で表される化合物の環化重合により形成された繰り返し単位(A3)または、下式(b1)で表わされる化合物の重合により形成された繰り返し単位(B1)と、式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む液浸露光用レジスト保護膜組成物。
CF=CFCFCH(C(O)OZ)CHCH=CH (a2)
CF=CFCFCH(C(O)OH)(CHCR=CHR (a3)
CH=CWC(O)O−X (b1)
CH=CWC(O)O−Y (c)
式中の記号は、下記の意味を示す。
Z:式−C(CFOH で表される基を1つ以上有する炭素数3から20の有機基。
n:0、1または2。
R:水素原子または炭素数1〜20の1価有機基であって、2個のRは同一であってもよく異なっていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
X:水素原子または、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、スルホニルアミド基、アミノ基およびリン酸基からなる群から選ばれる極性基を有する炭素数2から20の有機基。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
Y:炭素数2〜20の含フッ素炭化水素基を含む有機基。また、Y中の炭素原子には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【請求項11】
液浸露光用レジスト保護膜組成物が、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A1)または(A2)を20〜95モル%含み、繰り返し単位(A3)または(B)または(B1)を4〜75モル%含み、繰り返し単位(C)を0.5〜30モル%含む組成物である請求項8から10のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【請求項12】
液浸露光用レジスト保護膜組成物の重量平均分子量が、1,000〜50,000である請求項1〜11のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【請求項13】
式(c)で表される化合物が、下式(fc1)から下式(fc4)からなる群から選ばれる化合物である請求項8〜11のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【化1】

:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のフルオロアルキル基。
また、化合物(fc1)〜(fc4)中のフッ素原子は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基または炭素数1〜6のペルフルオロアルコキシ基に置換されていてもよい。
【請求項14】
さらに有機溶媒を含む請求項1〜13のいずれかに記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物。
【請求項15】
液浸露光法によるレジストパターンの形成方法であって、請求項10に記載の液浸露光用レジスト保護膜組成物を基板上の感光性レジスト表面に塗布し、次に基板を乾燥して感光性レジスト表面にレジスト保護膜を形成する工程、液浸露光工程、および現像工程を順に行うことにより基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法。

【公開番号】特開2010−85637(P2010−85637A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253655(P2008−253655)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】