無線基地局及び通信制御方法
【課題】 本発明は、タイムスロット毎に異なる局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う処理において、同一の端末装置に対して同一周波数の連続タイムスロットを割当てても、当該同一の端末装置との間で送受信される情報のエラーの発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】 接続制御部206は、同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる。選択制御部209は、連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【解決手段】 接続制御部206は、同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる。選択制御部209は、連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時分割多重方式を用い、端末装置に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からのPHSの無線基地局は、時分割多重方式(TDMA/TDD)を用い、端末装置(例えば、携帯電話機)に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置と行っている。
【0003】
図15に示すように、無線基地局は、例えば1フレームを8つのタイムスロットに分割し、端末装置から無線基地局への上り通信では8つのタイムスロットのうちの4つのタイムスロット(受信用)を用い、無線基地局から端末装置への下り通信では残りの4つのタイムスロット(送信用)を用いている。そして、無線基地局は、タイムスロット毎に異なる周波数の局部発振信号に切替え、切替え後の局部発振信号を用いて信号の送受信を端末装置と行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、無線基地局は、第1局部発振信号を生成する第1局部発振器と、第2局部発振信号を生成する第2局部発振器とを備える。無線基地局は、各タイムスロットの開始(終了)のタイミングで第1局部発振器及び第2局部発振器のいずれかを交互に選択することにより、タイムスロット毎に異なる周波数の局部発振信号を用いている。
【0005】
これにより、一の局部発振器で生成された局部発振信号が、一のタイムスロットで用いられているときに、それとは異なる周波数の局部発振信号が、他の局部発振器で生成されているため、無線基地局は、一のタイムスロットに続く次のタイムスロットの開始のタイミングで、当該一の局部発振器を当該他の局部発振器に切替えることにより、局部発振信号の周波数を異なる周波数に高速に切替えることができる。
【0006】
また、上記無線基地局は、送信用又は受信用の伝送レートを向上させるために、同一の端末装置に対して同一周波数の連続した複数のタイムスロットからなる連続タイムスロットを割当てることができる。
【特許文献1】特開平6−152510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記無線基地局は、同一の端末装置に対して上記連続タイムスロットを割当てた場合でも、上記連続タイムスロットに含まれるタイムスロットの開始(終了)のタイミングで、同一周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器及び第2局部発振器のいずれかを交互に切替えることとなる。このため、上記無線基地局は、端末装置との間で送受信される情報のエラーを当該切替時に発生させていた。
【0008】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、タイムスロット毎に異なる局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う処理において、同一の端末装置に対して同一周波数の連続タイムスロットを割当てても、当該同一の端末装置との間で送受信される情報のエラーの発生を抑制することができる無線基地局及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に複数の局部発振器のうちの異なる局部発振器を選択し、選択した局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局であって、同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる割当部と、連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器を選択する選択部とを備えることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器が選択される。すなわち、当該連続タイムスロットの期間では一方の局部発振器が他方の局部発振器に切替えられない。
【0011】
このため、無線基地局は、連続タイムスロットを割当てても、当該局部発振器の切替えに伴なう情報のエラーを抑止することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、選択部が同一の端末装置との信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴は、連続タイムスロットが送信用及び受信用のいずれか一方の端末装置に割当てられており、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、選択部が一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を他方のタイムスロットで選択することを要旨とする。
【0014】
本発明の第4の特徴は、連続タイムスロットが送信用及び受信用の端末装置に割当てられており、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、選択部が送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを要旨とする。
【0015】
本発明の第5の特徴は、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えていない場合には、選択部が特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止し、選択部が特定のタイムスロット以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロットを用いた信号の送受信を実行することを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特徴によれば、タイムスロット毎に異なる局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う処理において、同一の端末装置に対して同一周波数の連続タイムスロットを割当てても、当該同一の端末装置との間で送受信される情報のエラーの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
本実施形態における無線基地局及び端末装置について図面を参照しながら説明する。図1は、無線基地局200と端末装置A,Bとを示す図である。
【0018】
図1に示すように、無線基地局200は、時分割多重方式(TDMA/TDD)を用い、端末装置A,B(例えば、携帯電話機)に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置A,Bと行う。
【0019】
本実施形態における無線基地局200は、互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器(後述する図3に示す第1局部発振器202−20,第2局部発振器202−30)を備え、タイムスロット毎に当該複数の局部発振器のうちの異なる局部発振器を選択し、選択した局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置A,Bと行う。
【0020】
なお、本実施形態では、2つの端末装置A,Bしか用いられないが、これに限定されないのは勿論のことである。
【0021】
次に、本実施形態における無線基地局200の内部構造について図2を参照しながら説明する。
【0022】
図2に示すように、無線基地局200は、アンテナ201A,201Bと、RF部202と、復調部203と、変調部204と、TDMA/TDD処理部205と、接続制御部206と、IF部207と、通信品質検出部208と、選択制御部209とを備えている。
【0023】
アンテナ201A,201Bは、信号の送受信を端末装置A,Bと行う。RF部202は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号(又は変調部204により変調された信号)を所定周波数の信号に順次変換する。
【0024】
復調部203は、RF部202により変換された信号をベースバンド信号に復調する。変調部204は、送信するベースバンド信号を高周波信号に変調する。TDMA/TDD処理部205は、端末装置に割当てられたタイムスロットに対応する処理を実行する。
【0025】
接続制御部206は、CPU(図示せず)に記憶されたプログラムを実行して各部を制御する。本実施形態における接続制御部206は、端末装置A,Bからの要求により、フレームを構成する各タイムスロットのうちの空タイムスロットの存在を確認する。接続制御部206は、複数の連続した空タイムスロットである連続タイムスロットが存在する場合には、同一の端末装置に対して連続タイムスロットを割当てる。なお、接続制御部206は、割当部を構成する。
【0026】
IF部207は、他の部と信号の送受信を行う。通信品質検出部208は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号の通信品質を検出する。通信品質には、アンテナ201A,201Bにより受信された信号の単位時間当りの電力値(受信レベル)、アンテナ201A,201Bにより受信された信号のフレームの単位時間当りのエラー数(FER)などが含まれる。
【0027】
選択制御部209は、接続制御部206により連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器(第1局部発振器202−20又は第2局部発振器202−30のいずれか一方)を選択するようにSW202−40を制御する。
【0028】
また、選択制御部209は、同一の端末装置との信号の送受信では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0029】
例えば、選択制御部209は、端末装置Aに対して送信用(無線基地局→端末装置への送信;下り)のタイムスロットが割当てられたことに基づいて第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御した場合を考える。この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対して受信用のタイムスロットが割当てられたときにも第1局部発振器202−20を選択するように制御する。
【0030】
次に、本実施形態におけるRF部202の内部構造について図3を参照しながら説明する。
【0031】
図3に示すように、RF部202は、アンテナSW202−1と、受信アンプ202−2,送信アンプ202−11と、第1中間周波数変換部202−3,16と、第1中間増幅部202−4,15と、発振器202−5と、第2中間周波数変換部202−6,14と、第2中間増幅部202−7,13と、第3中間周波数変換部202−8,12と、第1局部発振器202−20,第2局部発振器202−30,第3局部発振器202−60と、シンセサイザ回路202−21,31,50と、TCXO202−51とを備えている。
【0032】
アンテナSW202−1は、受信アンプ202−2及び送信アンプ202−11のいずれかを選択する。受信アンプ202−2は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号を増幅する。第1中間周波数変換部202−3は、第1局部発振器202−20が発生した第1局部発振信号(又は第2局部発振器202−30が発生した第2局部発振信号)を用いて、受信アンプ202−2により増幅された信号を所定周波数の信号に変換する。
【0033】
第2中間周波数変換部202−6は、発振器202−5が発生した発振信号を用いて、第1中間増幅部202−4により増幅された信号を所定周波数の信号に変換する。第3中間周波数変換部202−8は、第3局部発振器202−60が発生した第3局部発振信号を用いて、第2中間増幅部202−7により増幅された信号を所定周波数に変換する。
【0034】
これらの第1中間周波数変換部202−3、第2中間周波数変換部202−6及び第3中間周波数変換部202−8により信号が所定周波数の信号に順次変換されることにより、復調部203は、第3中間周波数変換部202−8からの信号を復調することができる。
【0035】
また、変調部204により変調された信号は、第1中間周波数変換部202−16、第2中間周波数変換部202−14及び第3中間周波数変換部202−12により所定周波数に順次変換され、アンテナ210A,210Bを介して端末装置に送信される。変調された信号が端末装置に送信されるまでの処理は、上述した受信された信号が復調されるまでの処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0036】
次に、上記第1局部発振器202−20、上記第2局部発振器202−30及びSW202−40について図3を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
第1局部発振器202−20は、信号を送受信するための第1局部発振信号を生成する。第1局部発振器202−20は、シンセサイザ回路202−21(ループフィルタ202−21a、PLL202−21b)に接続されている。シンセサイザ回路202−21は、第1局部発振信号の周波数の位相を検出し、第1局部発振信号の周波数を所定の発振周波数にロックするための制御を行う。これは後述するシンセサイザ回路202−31も同様である。
【0038】
上記第2局部発振器202−30は、第1局部発振信号の周波数とは異なる周波数の第2局部発振信号を生成する。第2局部発振器202−30は、シンセサイザ回路202−31(ループフィルタ202−31a、PLL202−31b)に接続されている。TCXO202−51は、水晶発振器により構成されている。
【0039】
上述した第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30は、選択制御部209にも接続されている。第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30は、選択制御部209からの指示により、タイムスロットの開始のタイミングで当該タイムスロットに割当てられている端末装置に対応する局部発振信号を生成する。
【0040】
SW202−40は、選択制御部209からの指示により、タイムスロットの開始(終了)のタイミングで第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30のうちのいずれか一方を選択する。なお、SW202−40及び選択制御部209は、選択部を構成する。
【0041】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作(通信制御方法)について図4を参照しながら説明する。
【0042】
図4に示すように、S1において、接続制御部206は、連続スロットを要求するための要求信号が端末装置A,Bから受信されたか否か判定する。また、接続制御部206は、この判定がYESである場合にはS3の処理に移り、NOである場合には本処理を繰り返す。
【0043】
S3において、接続制御部206は、フレームを構成する複数のタイムスロットのうちの空タイムスロットが存在するか否か確認する。
【0044】
S5において、接続制御部206は、フレームを構成する複数のタイムスロットのうちの空タイムスロットが存在し、同一の端末装置に対して連続タイムスロットを割当てることができる場合には、当該同一の端末装置に対して連続スロットを割当てる。また、接続制御部206は、当該同一の端末装置に対して連続スロットの割当が可能であることを示す連続スロット可能信号を送信する。
【0045】
ここで、図5は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図5に示すように、1フレームでは、送信用(無線基地局→端末装置への送信;下り)のタイムスロットと受信用(端末装置→無線基地局での受信;上り)のタイムスロットとが同数で構成されている。
【0046】
例えば、1フレームは、送信用の4つのタイムスロット、及び受信用の4つのタイムスロットにより構成されている。また、1フレームでは、送信用及びそれに対応する送信用のタイムスロット(例えば、タイムスロット(0)及び(4))には同一の端末装置(例えば、端末装置A)が割当てられる。
【0047】
図5に示すように、例えば、接続制御部206は、端末装置Aに対して送信用又は受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1)からなる送信用の連続タイムスロット、又はタイムスロット(4)及び(5)からなる受信用の連続タイムスロット;図5に示す太い枠内参照)を割当てることができる場合には、端末装置Aに対して送信用又は受信用の連続タイムスロットを割当てる。
【0048】
さらに、接続制御部206は、端末装置Bに対しても送信用又は受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(2)及び(3)からなる送信用の連続タイムスロット、又はタイムスロット(6)及び(7)からなる受信用の連続タイムスロット;図5に示す太い枠内参照)を割当てることができる場合には、端末装置Bに対して送信用又は受信用の連続タイムスロットを割当てる。
【0049】
この場合には、接続制御部206は、上記連続スロットの割当が可能であることを示す連続スロット可能信号を端末装置A又は端末装置Bに送信する。
【0050】
S7において、接続制御部206は、該当する連続タイムスロットで用いられる局部発振器を選択にするように指示する選択指示信号を選択制御部209に送信する。
【0051】
S9において、選択制御部209は、上記選択指示信号を受信したか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合にはS11の処理に移り、NOである場合には本処理を繰り返す。
【0052】
S11において、選択制御部209は、1フレームを構成する複数のタイムスロットを参照し、接続制御部206により指示された送信用又は受信用の連続タイムスロットを特定する(図5に示す太い枠内参照)。
【0053】
S13において、選択制御部209は、連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30のいずれかを選択するようにSW202−40を制御する。
【0054】
この場合に選択制御部209は、「送信用及び受信用」のタイムスロット(連続タイムスロット)が「同一の端末装置」に割当てられたことに基づいて、「送信用及び受信用」のそれぞれのタイムスロット(連続タイムスロット)の期間では「同一の局部発振器」を選択するようにSW202−40を制御する。
【0055】
図5に示すように、例えば、端末装置Aに対して割当てられた送信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(0)及び(1)により構成され、さらに当該端末装置Aに対して割当てられた受信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(4)及び(5)により構成されている場合を考える。
【0056】
この場合には、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1)からなる連続タイムスロット)、及び受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(4)及び(5)からなる連続タイムスロット)の期間では、第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。また、選択制御部209は、当該送信用及び当該受信用の連続タイムスロットの期間では、第1局部発振器202−20に対して同一の周波数の局部発振信号を生成するように指示する。
【0057】
同様にして、図5に示すように、端末装置Bに対して割当てられた送信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(2)及び(3)により構成され、さらに当該端末装置Bに対して割当てられた受信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(6)及び(7)により構成されている場合を考える。
【0058】
この場合には、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(2)及び(3)からなる連続タイムスロット)、及び受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(6)及び(7)からなる連続タイムスロット)の期間では、第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する。また、選択制御部209は、当該送信用及び当該受信用の連続タイムスロットの期間では、第2局部発振器202−30に対して同一の周波数の局部発振信号を生成するように指示する。
【0059】
かかる特徴によれば、連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器が選択される。すなわち、当該連続タイムスロットの期間では一方の局部発振器が他方の局部発振器に切替えられない。このため、無線基地局200は、連続タイムスロットを割当てても、当該局部発振器の切替えに伴なう情報のエラーを抑止することができる。
【0060】
ここで、無線基地局200が同一の端末装置との信号の送受信するときに異なる局部発振器が選択された場合(例えば、タイムスロット(0)では第1局部発振器202−20が選択され、更にはタイムスロット(4)では第2局部発振器202−30が選択された場合)を考える。
【0061】
この場合には、送信時及び受信時のそれぞれで用いられる局部発振器において生成される信号の位相が互いに異なる。このため、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化する。
【0062】
本実施形態では、無線基地局200は、送信時及び受信時では同一の端末装置に対して「同一」の局部発振器を用いる。このため、無線基地局200は、アダプティブアレイ処理により形成されるビームを所望する端末装置に対して適切に向けることができ、当該所望する端末装置との通信経路における通信品質を劣化させないようにすることができる。
【0063】
(変更例)
なお、上記実施形態では、1フレームでは、送信用のタイムスロットと受信用のタイムスロットとが同数により構成されているが、これに限定されないのは勿論のことである。すなわち、1フレームでは、以下の各パターンに示すように、送信用のタイムスロットと受信用のタイムスロットとが異なる数により構成されてもよい。
【0064】
<パターン1>
図6に示すように、例えば、1フレームは、送信用の6つのタイムスロット、及び受信用の2つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0065】
また、連続タイムスロットは、2つの連続したタイムスロットにより構成されていることに限定されずに、3つ以上の連続したタイムスロット(例えば、タイムスロット(0)〜(4))により構成されてもよい。
【0066】
この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対してタイムスロット(0)〜(4)からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。
【0067】
また、選択制御部209は、上記タイムスロット(0)〜(4)からなる連続タイムスロットが経過した場合には、それ以外に連続タイムスロットが存在しないため、第2局部発振器202−30,第1局部発振器202−20の順に、それ以降のタイムスロットの開始(終了)のタイミングで交互に局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0068】
さらに、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0069】
<パターン2>
図7に示すように、1フレームは、上記パターン1とは異なり、例えば、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0070】
また、連続タイムスロットは、端末装置毎に異なる数のタイムスロットにより構成されてもよい。例えば、端末装置Aに割当てられた連続タイムスロットは、連続した3つのタイムスロット(タイムスロット(0)〜(2))により構成される。これに対し、端末装置Bに割当てられた連続タイムスロットは、連続した2つのタイムスロット(送信用のタイムスロット(3)及び(4)、受信用のタイムスロット(6)及び(7))により構成される。
【0071】
この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対してタイムスロット(0)〜(2)からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。
【0072】
また、選択制御部209は、端末装置Bに対してタイムスロット(3)及び(4)(又はタイムスロット(6)及び(7))からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する。
【0073】
さらに、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する(図7参照)。
【0074】
<パターン3>
図8に示すように、上記パターン2と同様に、例えば、1フレームは、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0075】
また、同一の端末装置(例えば、端末装置A)に対して割当てられる連続タイムスロットの数は、送信用及び受信用で異ならせてもよい。例えば、端末装置Aに対して割当てられた「送信用」の連続タイムスロットは、タイムスロット(0)〜(2)の3つで構成される。これに対し、端末装置Aに対して割当てられた「受信用」の連続タイムスロットは、タイムスロット(5)及び(6)の2つで構成される。
【0076】
なお、選択制御部209がいずれか一方の局部発振器を選択する制御は上記パターン1及び上記パターン2と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0077】
[第2実施形態]
第1実施形態では、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットにおいて同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御している。これに対し、第2実施形態では、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットのそれぞれにおいて、所定条件下(後述するS113のYES参照)で異なる局部発振器を選択するようにSW202−40を制御している。
【0078】
本実施形態における無線基地局200を構成する各部のうち、図2に示す同一名称の部については、特段の説明をしていない限り同様の機能を有する。以下、具体的に説明する。
【0079】
選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが割当てられているときに、当該端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、当該一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、他方のタイムスロットで選択する(後述する図10及び図11参照)。
【0080】
例えば、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))が同一の端末装置(例えば、端末装置A)に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えていることに基づいて、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))に対応する受信用のタイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(5))で選択する。
【0081】
又は、選択制御部209は、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))が同一の端末装置(例えば、端末装置A)に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えていることに基づいて、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))に対応する送信用のタイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(0))で選択する。
【0082】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作について図9を参照しながら説明する。図9に示すS101乃至S111の処理は上述した図4に示すS1乃至S11の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では端末装置A,B,Cの3つが存在するものとして説明するが、これに限定されないのは勿論のことである。
【0083】
S113において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが同一の端末装置に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えているか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合にはS115の処理に移り、NOである場合にはS117の処理に移る。
【0084】
S115において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、当該一方の連続タイムスロットに対応する他方のタイムスロットで選択するようにSW202−40を制御する。
【0085】
ここで、図10は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図10に示すように、例えば、1フレームは、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されている。
【0086】
図10に示すように、例えば、端末装置Aに割当てられた送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)〜(2))に対応する局部発振器が第1局部発振器202−20である場合には、選択制御部209は、端末装置Aに割当てられた受信用のタイムスロット(5)では、当該第1局部発振器202−20とは異なる第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する(図10に示す斜線部分を参照)。
【0087】
同様にして、端末装置Bに割当てられた送信用のタイムスロット(3)に対応する局部発振器が第2局部発振器202−30である場合には、選択制御部209は、端末装置Bに割当てられた受信用のタイムスロット(6)では、当該第2局部発振器202−30とは異なる第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する(図10に示す斜線部分を参照)。
【0088】
このことは、端末装置Cに割当てられた送信用のタイムスロット(4)についても同様である。また、1フレームの構成が図11に示す構成である場合にも、上記と同様の処理により選択制御部209はSW202−40を制御する。
【0089】
S117において、選択制御部209は、同一の端末装置に割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では、同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0090】
ここで、上記第1実施形態で説明したように、送信用のタイムスロットとそれに対応する受信用のタイムスロットとのそれぞれの局部発振器が異なることにより、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが当該所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化する。
【0091】
ところが、S115では、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが割当てられた端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えている場合に「のみ」、無線基地局200は、当該一方の連続タイムスロットで用いる局部発振器と、それに対応する他方のタイムスロットで用いる局部発振器とを異ならせている。
【0092】
このため、無線基地局200は、上記連続タイムスロットが割当てられた端末装置へのビームを適切に向けさせることができないが、当該端末装置から受信した信号の受信レベルが閾値を超えており、当該端末装置との電界強度が大きいため、当該端末装置への送信信号の通信品質を劣化させ難くすることができる。
【0093】
[第3実施形態]
第2実施形態では、送信用及び受信用のいずれか「一方」に連続タイムスロットが同一の端末装置に対して割当てられている場合について説明したが、第3実施形態では、送信用及び受信用の「双方」に連続タイムスロットが同一の端末装置に対して割当てられている場合について説明する。
【0094】
本実施形態における無線基地局200を構成する各部のうち、図2に示す同一名称の部については、特段の説明をしていない限り同様の機能を有する。以下、具体的に説明する。
【0095】
選択制御部209は、送信用及び受信用の端末装置に連続タイムスロットが割当てられたときに、当該端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(0)及び(1))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(4))で選択する。
【0096】
また、選択制御部209は、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えていない場合には、上記特定のタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(4))を用いた信号の送受信を中止し、当該特定のタイムスロット以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(5))を用いた信号の送受信を実行する。
【0097】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作について図12を参照しながら説明する。図12に示すS201乃至S211の処理は上述した図4に示すS1乃至S11の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0098】
S213において、選択制御部209は、送信用及び受信用の連続タイムスロットが同一の端末装置に割当てられ、当該端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えているか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合には、S215の処理に移り、NOである場合にはS217の処理に移る。
【0099】
S215において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択する。
【0100】
ここで、図13は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図13に示すように、例えば、1フレームは、送信用の4つのタイムスロット、及び受信用の4つのタイムスロットにより構成されている。
【0101】
図13に示すように、例えば、端末装置Aに割当てられた送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1))に対応する局部発振器が第1局部発振器202−20である場合には、選択制御部209は、端末装置Aに割当てられた受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(4)及び(5))を構成する特定のタイムスロット(4)の期間では、当該第1局部発振器202−20とは異なる第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する(図13に示す斜線部分を参照)。
【0102】
S217において、選択制御部209は、送信用及び受信用の連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)を用いた通信を行うようにSW202−40を制御する。
【0103】
ここで、上記の通り特定のタイムスロットの期間では異なる局部発振器が用いられることにより、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが当該所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化することがある。
【0104】
ところが、S215では、送信用及び受信用の連続タイムスロットが割当てられている端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えている場合に「のみ」、無線基地局200は、送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択している。
【0105】
このため、無線基地局200は、上記特定のタイムスロットが割当てられた端末装置へのビームを適切に向けさせることができないが、当該端末装置から受信した信号の受信レベルが閾値を超えており、当該端末装置との電界強度が大きいため、当該端末装置への送信信号の通信品質を劣化させ難くすることができる。
【0106】
(変更例1)
なお、S217において、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(例えば、図13に示す特定のタイムスロット(4)、図14に示す特定のタイムスロット(1))を用いた信号の送受信を中止してもよい。例えば、選択制御部209は、特定のタイムスロットで用いられる局部発振器の動作を停止させることにより、当該特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止する。
【0107】
一方、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(例えば、図13に示す特定のタイムスロット(4)、図14に示す特定のタイムスロット(1))以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロットを用いた信号の送受信を実行する。
【0108】
この場合には、無線基地局200は、特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止することにより、当該特定のタイムスロットに対応する送信用又は受信用のタイムスロットで用いられる局部発振器とは異なる局部発振器を用いることが無くなる。
【0109】
このため、無線基地局200は、上記特定のタイムスロットを含む連続タイムスロットに割当てられた端末装置に対してビームを適切に向けることができ、当該端末装置との通信経路における通信品質を劣化させないようにすることができる。
【0110】
なお、S217において、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットのうち、通信速度を向上させる必要のないタイムスロットを上記特定のタイムスロットとして決定し、当該特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止してもよい。
【0111】
(変更例2)
なお、上記実施形態では、選択制御部209は、所定条件を満たす場合(S213のYES)には、「受信用」の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロットで用いられる局部発振器を、「送信用」の連続タイムスロットで用いられる局部発振器とは異ならせている(上記S215参照)。
【0112】
これに対し、図14に示すように、本変更例では、選択制御部209は、所定条件を満たす場合(S213のYES)には、「送信用」の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(ここでは、タイムスロット(1))で用いられる局部発振器を、「受信用」の連続タイムスロット(ここでは、タイムスロット(4)及び(5))で用いられる局部発振器とは異ならせてもよい(図14に示す斜線部分を参照)。
【0113】
[プログラム]
上記無線基地局200において動作するプログラムは、コンピュータを接続制御部206及び選択制御部209として機能させることができる。接続制御部206及び選択制御部209は上記各実施形態及び上記各変更例と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0114】
上記プログラムは、記録媒体に記録されてもよい。当該記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどが挙げられる。
【0115】
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、各実施形態の構成及び各変更例の構成もそれぞれ組み合わせることが可能である。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】第1実施形態における無線基地局及び複数の端末装置を示す図である。
【図2】第1実施形態における無線基地局の内部構成を示す図である。
【図3】第1実施形態におけるRF部の内部構成を示す図である。
【図4】第1実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図5】第1実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図6】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図7】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図8】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図9】第2実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図10】第2実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図11】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図12】第3実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図13】第3実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図14】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図15】従来における無線基地局の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
200…無線基地局、201…アンテナ、202…RF部、203…復調部、204…変調部、205…TDMA/TDD処理部、206…接続制御部、207…I/F部、208…通信品質検出部、209…選択制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、時分割多重方式を用い、端末装置に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からのPHSの無線基地局は、時分割多重方式(TDMA/TDD)を用い、端末装置(例えば、携帯電話機)に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置と行っている。
【0003】
図15に示すように、無線基地局は、例えば1フレームを8つのタイムスロットに分割し、端末装置から無線基地局への上り通信では8つのタイムスロットのうちの4つのタイムスロット(受信用)を用い、無線基地局から端末装置への下り通信では残りの4つのタイムスロット(送信用)を用いている。そして、無線基地局は、タイムスロット毎に異なる周波数の局部発振信号に切替え、切替え後の局部発振信号を用いて信号の送受信を端末装置と行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、無線基地局は、第1局部発振信号を生成する第1局部発振器と、第2局部発振信号を生成する第2局部発振器とを備える。無線基地局は、各タイムスロットの開始(終了)のタイミングで第1局部発振器及び第2局部発振器のいずれかを交互に選択することにより、タイムスロット毎に異なる周波数の局部発振信号を用いている。
【0005】
これにより、一の局部発振器で生成された局部発振信号が、一のタイムスロットで用いられているときに、それとは異なる周波数の局部発振信号が、他の局部発振器で生成されているため、無線基地局は、一のタイムスロットに続く次のタイムスロットの開始のタイミングで、当該一の局部発振器を当該他の局部発振器に切替えることにより、局部発振信号の周波数を異なる周波数に高速に切替えることができる。
【0006】
また、上記無線基地局は、送信用又は受信用の伝送レートを向上させるために、同一の端末装置に対して同一周波数の連続した複数のタイムスロットからなる連続タイムスロットを割当てることができる。
【特許文献1】特開平6−152510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記無線基地局は、同一の端末装置に対して上記連続タイムスロットを割当てた場合でも、上記連続タイムスロットに含まれるタイムスロットの開始(終了)のタイミングで、同一周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器及び第2局部発振器のいずれかを交互に切替えることとなる。このため、上記無線基地局は、端末装置との間で送受信される情報のエラーを当該切替時に発生させていた。
【0008】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、タイムスロット毎に異なる局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う処理において、同一の端末装置に対して同一周波数の連続タイムスロットを割当てても、当該同一の端末装置との間で送受信される情報のエラーの発生を抑制することができる無線基地局及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に複数の局部発振器のうちの異なる局部発振器を選択し、選択した局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局であって、同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる割当部と、連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器を選択する選択部とを備えることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器が選択される。すなわち、当該連続タイムスロットの期間では一方の局部発振器が他方の局部発振器に切替えられない。
【0011】
このため、無線基地局は、連続タイムスロットを割当てても、当該局部発振器の切替えに伴なう情報のエラーを抑止することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、選択部が同一の端末装置との信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴は、連続タイムスロットが送信用及び受信用のいずれか一方の端末装置に割当てられており、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、選択部が一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を他方のタイムスロットで選択することを要旨とする。
【0014】
本発明の第4の特徴は、連続タイムスロットが送信用及び受信用の端末装置に割当てられており、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、選択部が送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを要旨とする。
【0015】
本発明の第5の特徴は、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えていない場合には、選択部が特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止し、選択部が特定のタイムスロット以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロットを用いた信号の送受信を実行することを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特徴によれば、タイムスロット毎に異なる局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う処理において、同一の端末装置に対して同一周波数の連続タイムスロットを割当てても、当該同一の端末装置との間で送受信される情報のエラーの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
本実施形態における無線基地局及び端末装置について図面を参照しながら説明する。図1は、無線基地局200と端末装置A,Bとを示す図である。
【0018】
図1に示すように、無線基地局200は、時分割多重方式(TDMA/TDD)を用い、端末装置A,B(例えば、携帯電話機)に割当てられたタイムスロットを用いて信号の送受信を端末装置A,Bと行う。
【0019】
本実施形態における無線基地局200は、互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器(後述する図3に示す第1局部発振器202−20,第2局部発振器202−30)を備え、タイムスロット毎に当該複数の局部発振器のうちの異なる局部発振器を選択し、選択した局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置A,Bと行う。
【0020】
なお、本実施形態では、2つの端末装置A,Bしか用いられないが、これに限定されないのは勿論のことである。
【0021】
次に、本実施形態における無線基地局200の内部構造について図2を参照しながら説明する。
【0022】
図2に示すように、無線基地局200は、アンテナ201A,201Bと、RF部202と、復調部203と、変調部204と、TDMA/TDD処理部205と、接続制御部206と、IF部207と、通信品質検出部208と、選択制御部209とを備えている。
【0023】
アンテナ201A,201Bは、信号の送受信を端末装置A,Bと行う。RF部202は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号(又は変調部204により変調された信号)を所定周波数の信号に順次変換する。
【0024】
復調部203は、RF部202により変換された信号をベースバンド信号に復調する。変調部204は、送信するベースバンド信号を高周波信号に変調する。TDMA/TDD処理部205は、端末装置に割当てられたタイムスロットに対応する処理を実行する。
【0025】
接続制御部206は、CPU(図示せず)に記憶されたプログラムを実行して各部を制御する。本実施形態における接続制御部206は、端末装置A,Bからの要求により、フレームを構成する各タイムスロットのうちの空タイムスロットの存在を確認する。接続制御部206は、複数の連続した空タイムスロットである連続タイムスロットが存在する場合には、同一の端末装置に対して連続タイムスロットを割当てる。なお、接続制御部206は、割当部を構成する。
【0026】
IF部207は、他の部と信号の送受信を行う。通信品質検出部208は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号の通信品質を検出する。通信品質には、アンテナ201A,201Bにより受信された信号の単位時間当りの電力値(受信レベル)、アンテナ201A,201Bにより受信された信号のフレームの単位時間当りのエラー数(FER)などが含まれる。
【0027】
選択制御部209は、接続制御部206により連続タイムスロットが割当てられた場合には、連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の局部発振器(第1局部発振器202−20又は第2局部発振器202−30のいずれか一方)を選択するようにSW202−40を制御する。
【0028】
また、選択制御部209は、同一の端末装置との信号の送受信では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0029】
例えば、選択制御部209は、端末装置Aに対して送信用(無線基地局→端末装置への送信;下り)のタイムスロットが割当てられたことに基づいて第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御した場合を考える。この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対して受信用のタイムスロットが割当てられたときにも第1局部発振器202−20を選択するように制御する。
【0030】
次に、本実施形態におけるRF部202の内部構造について図3を参照しながら説明する。
【0031】
図3に示すように、RF部202は、アンテナSW202−1と、受信アンプ202−2,送信アンプ202−11と、第1中間周波数変換部202−3,16と、第1中間増幅部202−4,15と、発振器202−5と、第2中間周波数変換部202−6,14と、第2中間増幅部202−7,13と、第3中間周波数変換部202−8,12と、第1局部発振器202−20,第2局部発振器202−30,第3局部発振器202−60と、シンセサイザ回路202−21,31,50と、TCXO202−51とを備えている。
【0032】
アンテナSW202−1は、受信アンプ202−2及び送信アンプ202−11のいずれかを選択する。受信アンプ202−2は、アンテナ201A,201Bにより受信された信号を増幅する。第1中間周波数変換部202−3は、第1局部発振器202−20が発生した第1局部発振信号(又は第2局部発振器202−30が発生した第2局部発振信号)を用いて、受信アンプ202−2により増幅された信号を所定周波数の信号に変換する。
【0033】
第2中間周波数変換部202−6は、発振器202−5が発生した発振信号を用いて、第1中間増幅部202−4により増幅された信号を所定周波数の信号に変換する。第3中間周波数変換部202−8は、第3局部発振器202−60が発生した第3局部発振信号を用いて、第2中間増幅部202−7により増幅された信号を所定周波数に変換する。
【0034】
これらの第1中間周波数変換部202−3、第2中間周波数変換部202−6及び第3中間周波数変換部202−8により信号が所定周波数の信号に順次変換されることにより、復調部203は、第3中間周波数変換部202−8からの信号を復調することができる。
【0035】
また、変調部204により変調された信号は、第1中間周波数変換部202−16、第2中間周波数変換部202−14及び第3中間周波数変換部202−12により所定周波数に順次変換され、アンテナ210A,210Bを介して端末装置に送信される。変調された信号が端末装置に送信されるまでの処理は、上述した受信された信号が復調されるまでの処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0036】
次に、上記第1局部発振器202−20、上記第2局部発振器202−30及びSW202−40について図3を参照しながら具体的に説明する。
【0037】
第1局部発振器202−20は、信号を送受信するための第1局部発振信号を生成する。第1局部発振器202−20は、シンセサイザ回路202−21(ループフィルタ202−21a、PLL202−21b)に接続されている。シンセサイザ回路202−21は、第1局部発振信号の周波数の位相を検出し、第1局部発振信号の周波数を所定の発振周波数にロックするための制御を行う。これは後述するシンセサイザ回路202−31も同様である。
【0038】
上記第2局部発振器202−30は、第1局部発振信号の周波数とは異なる周波数の第2局部発振信号を生成する。第2局部発振器202−30は、シンセサイザ回路202−31(ループフィルタ202−31a、PLL202−31b)に接続されている。TCXO202−51は、水晶発振器により構成されている。
【0039】
上述した第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30は、選択制御部209にも接続されている。第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30は、選択制御部209からの指示により、タイムスロットの開始のタイミングで当該タイムスロットに割当てられている端末装置に対応する局部発振信号を生成する。
【0040】
SW202−40は、選択制御部209からの指示により、タイムスロットの開始(終了)のタイミングで第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30のうちのいずれか一方を選択する。なお、SW202−40及び選択制御部209は、選択部を構成する。
【0041】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作(通信制御方法)について図4を参照しながら説明する。
【0042】
図4に示すように、S1において、接続制御部206は、連続スロットを要求するための要求信号が端末装置A,Bから受信されたか否か判定する。また、接続制御部206は、この判定がYESである場合にはS3の処理に移り、NOである場合には本処理を繰り返す。
【0043】
S3において、接続制御部206は、フレームを構成する複数のタイムスロットのうちの空タイムスロットが存在するか否か確認する。
【0044】
S5において、接続制御部206は、フレームを構成する複数のタイムスロットのうちの空タイムスロットが存在し、同一の端末装置に対して連続タイムスロットを割当てることができる場合には、当該同一の端末装置に対して連続スロットを割当てる。また、接続制御部206は、当該同一の端末装置に対して連続スロットの割当が可能であることを示す連続スロット可能信号を送信する。
【0045】
ここで、図5は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図5に示すように、1フレームでは、送信用(無線基地局→端末装置への送信;下り)のタイムスロットと受信用(端末装置→無線基地局での受信;上り)のタイムスロットとが同数で構成されている。
【0046】
例えば、1フレームは、送信用の4つのタイムスロット、及び受信用の4つのタイムスロットにより構成されている。また、1フレームでは、送信用及びそれに対応する送信用のタイムスロット(例えば、タイムスロット(0)及び(4))には同一の端末装置(例えば、端末装置A)が割当てられる。
【0047】
図5に示すように、例えば、接続制御部206は、端末装置Aに対して送信用又は受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1)からなる送信用の連続タイムスロット、又はタイムスロット(4)及び(5)からなる受信用の連続タイムスロット;図5に示す太い枠内参照)を割当てることができる場合には、端末装置Aに対して送信用又は受信用の連続タイムスロットを割当てる。
【0048】
さらに、接続制御部206は、端末装置Bに対しても送信用又は受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(2)及び(3)からなる送信用の連続タイムスロット、又はタイムスロット(6)及び(7)からなる受信用の連続タイムスロット;図5に示す太い枠内参照)を割当てることができる場合には、端末装置Bに対して送信用又は受信用の連続タイムスロットを割当てる。
【0049】
この場合には、接続制御部206は、上記連続スロットの割当が可能であることを示す連続スロット可能信号を端末装置A又は端末装置Bに送信する。
【0050】
S7において、接続制御部206は、該当する連続タイムスロットで用いられる局部発振器を選択にするように指示する選択指示信号を選択制御部209に送信する。
【0051】
S9において、選択制御部209は、上記選択指示信号を受信したか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合にはS11の処理に移り、NOである場合には本処理を繰り返す。
【0052】
S11において、選択制御部209は、1フレームを構成する複数のタイムスロットを参照し、接続制御部206により指示された送信用又は受信用の連続タイムスロットを特定する(図5に示す太い枠内参照)。
【0053】
S13において、選択制御部209は、連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20及び第2局部発振器202−30のいずれかを選択するようにSW202−40を制御する。
【0054】
この場合に選択制御部209は、「送信用及び受信用」のタイムスロット(連続タイムスロット)が「同一の端末装置」に割当てられたことに基づいて、「送信用及び受信用」のそれぞれのタイムスロット(連続タイムスロット)の期間では「同一の局部発振器」を選択するようにSW202−40を制御する。
【0055】
図5に示すように、例えば、端末装置Aに対して割当てられた送信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(0)及び(1)により構成され、さらに当該端末装置Aに対して割当てられた受信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(4)及び(5)により構成されている場合を考える。
【0056】
この場合には、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1)からなる連続タイムスロット)、及び受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(4)及び(5)からなる連続タイムスロット)の期間では、第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。また、選択制御部209は、当該送信用及び当該受信用の連続タイムスロットの期間では、第1局部発振器202−20に対して同一の周波数の局部発振信号を生成するように指示する。
【0057】
同様にして、図5に示すように、端末装置Bに対して割当てられた送信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(2)及び(3)により構成され、さらに当該端末装置Bに対して割当てられた受信用の連続タイムスロットが、タイムスロット(6)及び(7)により構成されている場合を考える。
【0058】
この場合には、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(2)及び(3)からなる連続タイムスロット)、及び受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(6)及び(7)からなる連続タイムスロット)の期間では、第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する。また、選択制御部209は、当該送信用及び当該受信用の連続タイムスロットの期間では、第2局部発振器202−30に対して同一の周波数の局部発振信号を生成するように指示する。
【0059】
かかる特徴によれば、連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器が選択される。すなわち、当該連続タイムスロットの期間では一方の局部発振器が他方の局部発振器に切替えられない。このため、無線基地局200は、連続タイムスロットを割当てても、当該局部発振器の切替えに伴なう情報のエラーを抑止することができる。
【0060】
ここで、無線基地局200が同一の端末装置との信号の送受信するときに異なる局部発振器が選択された場合(例えば、タイムスロット(0)では第1局部発振器202−20が選択され、更にはタイムスロット(4)では第2局部発振器202−30が選択された場合)を考える。
【0061】
この場合には、送信時及び受信時のそれぞれで用いられる局部発振器において生成される信号の位相が互いに異なる。このため、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化する。
【0062】
本実施形態では、無線基地局200は、送信時及び受信時では同一の端末装置に対して「同一」の局部発振器を用いる。このため、無線基地局200は、アダプティブアレイ処理により形成されるビームを所望する端末装置に対して適切に向けることができ、当該所望する端末装置との通信経路における通信品質を劣化させないようにすることができる。
【0063】
(変更例)
なお、上記実施形態では、1フレームでは、送信用のタイムスロットと受信用のタイムスロットとが同数により構成されているが、これに限定されないのは勿論のことである。すなわち、1フレームでは、以下の各パターンに示すように、送信用のタイムスロットと受信用のタイムスロットとが異なる数により構成されてもよい。
【0064】
<パターン1>
図6に示すように、例えば、1フレームは、送信用の6つのタイムスロット、及び受信用の2つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0065】
また、連続タイムスロットは、2つの連続したタイムスロットにより構成されていることに限定されずに、3つ以上の連続したタイムスロット(例えば、タイムスロット(0)〜(4))により構成されてもよい。
【0066】
この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対してタイムスロット(0)〜(4)からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。
【0067】
また、選択制御部209は、上記タイムスロット(0)〜(4)からなる連続タイムスロットが経過した場合には、それ以外に連続タイムスロットが存在しないため、第2局部発振器202−30,第1局部発振器202−20の順に、それ以降のタイムスロットの開始(終了)のタイミングで交互に局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0068】
さらに、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0069】
<パターン2>
図7に示すように、1フレームは、上記パターン1とは異なり、例えば、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0070】
また、連続タイムスロットは、端末装置毎に異なる数のタイムスロットにより構成されてもよい。例えば、端末装置Aに割当てられた連続タイムスロットは、連続した3つのタイムスロット(タイムスロット(0)〜(2))により構成される。これに対し、端末装置Bに割当てられた連続タイムスロットは、連続した2つのタイムスロット(送信用のタイムスロット(3)及び(4)、受信用のタイムスロット(6)及び(7))により構成される。
【0071】
この場合には、選択制御部209は、端末装置Aに対してタイムスロット(0)〜(2)からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では、同一の周波数の局部発振信号を生成する第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する。
【0072】
また、選択制御部209は、端末装置Bに対してタイムスロット(3)及び(4)(又はタイムスロット(6)及び(7))からなる連続タイムスロットが割当てられたことに基づいて、当該連続タイムスロットの期間では第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する。
【0073】
さらに、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する(図7参照)。
【0074】
<パターン3>
図8に示すように、上記パターン2と同様に、例えば、1フレームは、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されてもよい。
【0075】
また、同一の端末装置(例えば、端末装置A)に対して割当てられる連続タイムスロットの数は、送信用及び受信用で異ならせてもよい。例えば、端末装置Aに対して割当てられた「送信用」の連続タイムスロットは、タイムスロット(0)〜(2)の3つで構成される。これに対し、端末装置Aに対して割当てられた「受信用」の連続タイムスロットは、タイムスロット(5)及び(6)の2つで構成される。
【0076】
なお、選択制御部209がいずれか一方の局部発振器を選択する制御は上記パターン1及び上記パターン2と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0077】
[第2実施形態]
第1実施形態では、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットにおいて同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御している。これに対し、第2実施形態では、選択制御部209は、同一の端末装置に対して割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットのそれぞれにおいて、所定条件下(後述するS113のYES参照)で異なる局部発振器を選択するようにSW202−40を制御している。
【0078】
本実施形態における無線基地局200を構成する各部のうち、図2に示す同一名称の部については、特段の説明をしていない限り同様の機能を有する。以下、具体的に説明する。
【0079】
選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが割当てられているときに、当該端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、当該一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、他方のタイムスロットで選択する(後述する図10及び図11参照)。
【0080】
例えば、選択制御部209は、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))が同一の端末装置(例えば、端末装置A)に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えていることに基づいて、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、送信用の連続タイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(0)〜(2))に対応する受信用のタイムスロット(例えば、図10に示すタイムスロット(5))で選択する。
【0081】
又は、選択制御部209は、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))が同一の端末装置(例えば、端末装置A)に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えていることに基づいて、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、受信用の連続タイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(3)〜(5))に対応する送信用のタイムスロット(例えば、図11に示すタイムスロット(0))で選択する。
【0082】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作について図9を参照しながら説明する。図9に示すS101乃至S111の処理は上述した図4に示すS1乃至S11の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では端末装置A,B,Cの3つが存在するものとして説明するが、これに限定されないのは勿論のことである。
【0083】
S113において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが同一の端末装置に割当てられ、当該端末装置(例えば、端末装置A)から受信された信号の受信レベルが閾値を超えているか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合にはS115の処理に移り、NOである場合にはS117の処理に移る。
【0084】
S115において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、当該一方の連続タイムスロットに対応する他方のタイムスロットで選択するようにSW202−40を制御する。
【0085】
ここで、図10は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図10に示すように、例えば、1フレームは、送信用の5つのタイムスロット、及び受信用の3つのタイムスロットにより構成されている。
【0086】
図10に示すように、例えば、端末装置Aに割当てられた送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)〜(2))に対応する局部発振器が第1局部発振器202−20である場合には、選択制御部209は、端末装置Aに割当てられた受信用のタイムスロット(5)では、当該第1局部発振器202−20とは異なる第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する(図10に示す斜線部分を参照)。
【0087】
同様にして、端末装置Bに割当てられた送信用のタイムスロット(3)に対応する局部発振器が第2局部発振器202−30である場合には、選択制御部209は、端末装置Bに割当てられた受信用のタイムスロット(6)では、当該第2局部発振器202−30とは異なる第1局部発振器202−20を選択するようにSW202−40を制御する(図10に示す斜線部分を参照)。
【0088】
このことは、端末装置Cに割当てられた送信用のタイムスロット(4)についても同様である。また、1フレームの構成が図11に示す構成である場合にも、上記と同様の処理により選択制御部209はSW202−40を制御する。
【0089】
S117において、選択制御部209は、同一の端末装置に割当てられた送信用及び受信用のタイムスロットの期間では、同一の局部発振器を選択するようにSW202−40を制御する。
【0090】
ここで、上記第1実施形態で説明したように、送信用のタイムスロットとそれに対応する受信用のタイムスロットとのそれぞれの局部発振器が異なることにより、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが当該所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化する。
【0091】
ところが、S115では、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットが割当てられた端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えている場合に「のみ」、無線基地局200は、当該一方の連続タイムスロットで用いる局部発振器と、それに対応する他方のタイムスロットで用いる局部発振器とを異ならせている。
【0092】
このため、無線基地局200は、上記連続タイムスロットが割当てられた端末装置へのビームを適切に向けさせることができないが、当該端末装置から受信した信号の受信レベルが閾値を超えており、当該端末装置との電界強度が大きいため、当該端末装置への送信信号の通信品質を劣化させ難くすることができる。
【0093】
[第3実施形態]
第2実施形態では、送信用及び受信用のいずれか「一方」に連続タイムスロットが同一の端末装置に対して割当てられている場合について説明したが、第3実施形態では、送信用及び受信用の「双方」に連続タイムスロットが同一の端末装置に対して割当てられている場合について説明する。
【0094】
本実施形態における無線基地局200を構成する各部のうち、図2に示す同一名称の部については、特段の説明をしていない限り同様の機能を有する。以下、具体的に説明する。
【0095】
選択制御部209は、送信用及び受信用の端末装置に連続タイムスロットが割当てられたときに、当該端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(0)及び(1))で選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(4))で選択する。
【0096】
また、選択制御部209は、端末装置からの信号の受信レベルが閾値を超えていない場合には、上記特定のタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(4))を用いた信号の送受信を中止し、当該特定のタイムスロット以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロット(例えば、図13に示すタイムスロット(5))を用いた信号の送受信を実行する。
【0097】
次に、本実施形態における無線基地局200の動作について図12を参照しながら説明する。図12に示すS201乃至S211の処理は上述した図4に示すS1乃至S11の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0098】
S213において、選択制御部209は、送信用及び受信用の連続タイムスロットが同一の端末装置に割当てられ、当該端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えているか否か判定する。また、選択制御部209は、この判定がYESである場合には、S215の処理に移り、NOである場合にはS217の処理に移る。
【0099】
S215において、選択制御部209は、送信用及び受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)とは異なる局部発振器(例えば、第2局部発振器202−30)を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択する。
【0100】
ここで、図13は、本実施形態における1フレームを構成する複数のタイムスロットを示す図である。図13に示すように、例えば、1フレームは、送信用の4つのタイムスロット、及び受信用の4つのタイムスロットにより構成されている。
【0101】
図13に示すように、例えば、端末装置Aに割当てられた送信用の連続タイムスロット(タイムスロット(0)及び(1))に対応する局部発振器が第1局部発振器202−20である場合には、選択制御部209は、端末装置Aに割当てられた受信用の連続タイムスロット(タイムスロット(4)及び(5))を構成する特定のタイムスロット(4)の期間では、当該第1局部発振器202−20とは異なる第2局部発振器202−30を選択するようにSW202−40を制御する(図13に示す斜線部分を参照)。
【0102】
S217において、選択制御部209は、送信用及び受信用の連続タイムスロットの期間では同一の局部発振器(例えば、第1局部発振器202−20)を用いた通信を行うようにSW202−40を制御する。
【0103】
ここで、上記の通り特定のタイムスロットの期間では異なる局部発振器が用いられることにより、アダプティブアレイ処理により形成されるビームが当該所望の端末装置に対して向かなくなることがあり、当該所望の端末装置との通信経路における通信品質が劣化することがある。
【0104】
ところが、S215では、送信用及び受信用の連続タイムスロットが割当てられている端末装置から受信された信号の受信レベルが閾値を超えている場合に「のみ」、無線基地局200は、送信用又は受信用のいずれか一方の連続タイムスロットで選択される局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択している。
【0105】
このため、無線基地局200は、上記特定のタイムスロットが割当てられた端末装置へのビームを適切に向けさせることができないが、当該端末装置から受信した信号の受信レベルが閾値を超えており、当該端末装置との電界強度が大きいため、当該端末装置への送信信号の通信品質を劣化させ難くすることができる。
【0106】
(変更例1)
なお、S217において、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(例えば、図13に示す特定のタイムスロット(4)、図14に示す特定のタイムスロット(1))を用いた信号の送受信を中止してもよい。例えば、選択制御部209は、特定のタイムスロットで用いられる局部発振器の動作を停止させることにより、当該特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止する。
【0107】
一方、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(例えば、図13に示す特定のタイムスロット(4)、図14に示す特定のタイムスロット(1))以外の連続タイムスロットに含まれる残りのタイムスロットを用いた信号の送受信を実行する。
【0108】
この場合には、無線基地局200は、特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止することにより、当該特定のタイムスロットに対応する送信用又は受信用のタイムスロットで用いられる局部発振器とは異なる局部発振器を用いることが無くなる。
【0109】
このため、無線基地局200は、上記特定のタイムスロットを含む連続タイムスロットに割当てられた端末装置に対してビームを適切に向けることができ、当該端末装置との通信経路における通信品質を劣化させないようにすることができる。
【0110】
なお、S217において、選択制御部209は、送信用又は受信用の連続タイムスロットのうち、通信速度を向上させる必要のないタイムスロットを上記特定のタイムスロットとして決定し、当該特定のタイムスロットを用いた信号の送受信を中止してもよい。
【0111】
(変更例2)
なお、上記実施形態では、選択制御部209は、所定条件を満たす場合(S213のYES)には、「受信用」の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロットで用いられる局部発振器を、「送信用」の連続タイムスロットで用いられる局部発振器とは異ならせている(上記S215参照)。
【0112】
これに対し、図14に示すように、本変更例では、選択制御部209は、所定条件を満たす場合(S213のYES)には、「送信用」の連続タイムスロットを構成する特定のタイムスロット(ここでは、タイムスロット(1))で用いられる局部発振器を、「受信用」の連続タイムスロット(ここでは、タイムスロット(4)及び(5))で用いられる局部発振器とは異ならせてもよい(図14に示す斜線部分を参照)。
【0113】
[プログラム]
上記無線基地局200において動作するプログラムは、コンピュータを接続制御部206及び選択制御部209として機能させることができる。接続制御部206及び選択制御部209は上記各実施形態及び上記各変更例と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0114】
上記プログラムは、記録媒体に記録されてもよい。当該記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ICチップ、カセットテープなどが挙げられる。
【0115】
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、各実施形態の構成及び各変更例の構成もそれぞれ組み合わせることが可能である。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】第1実施形態における無線基地局及び複数の端末装置を示す図である。
【図2】第1実施形態における無線基地局の内部構成を示す図である。
【図3】第1実施形態におけるRF部の内部構成を示す図である。
【図4】第1実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図5】第1実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図6】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図7】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図8】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図9】第2実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図10】第2実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図11】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図12】第3実施形態における無線基地局の動作を示す図である。
【図13】第3実施形態における1フレームの構成を示す図である。
【図14】変更例における1フレームの構成を示す図である。
【図15】従来における無線基地局の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
200…無線基地局、201…アンテナ、202…RF部、203…復調部、204…変調部、205…TDMA/TDD処理部、206…接続制御部、207…I/F部、208…通信品質検出部、209…選択制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に前記複数の局部発振器のうちの異なる前記局部発振器を選択し、選択した前記局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局であって、
同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる割当部と、
前記連続タイムスロットが割当てられた場合には、前記連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の前記局部発振器を選択する選択部と
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記選択部は、前記同一の端末装置との前記信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用のいずれか一方の前記端末装置に割当てられており、
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる前記局部発振器を、他方の前記タイムスロットで選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用の前記端末装置に割当てられており、
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記送信用又は前記受信用のいずれか一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の前記連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが前記閾値を超えていない場合には、前記特定のタイムスロットを用いた前記信号の送受信を中止し、前記特定の前記タイムスロット以外の前記連続タイムスロットに含まれる残りの前記タイムスロットを用いた前記信号の送受信を実行することを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に前記複数の局部発振器のうちの異なる前記局部発振器を選択し、選択した前記局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局において動作する通信制御方法であって、
同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる第1ステップと、
前記連続タイムスロットが割当てられた場合には、前記連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の前記局部発振器を選択する第2ステップと
を備えることを特徴とする通信制御方法。
【請求項7】
前記第2ステップでは、前記同一の端末装置との前記信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用のいずれか一方の前記端末装置に割当てられており、
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる前記局部発振器を、他方の前記タイムスロットで選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項9】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用の前記端末装置に割当てられており、
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記送信用又は前記受信用のいずれか一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の前記連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが前記閾値を超えていない場合には、前記特定のタイムスロットを用いた前記信号の送受信を中止し、前記特定の前記タイムスロット以外の前記連続タイムスロットに含まれる残りの前記タイムスロットを用いた前記信号の送受信を実行することを特徴とする請求項9に記載の通信制御方法。
【請求項1】
互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に前記複数の局部発振器のうちの異なる前記局部発振器を選択し、選択した前記局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局であって、
同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる割当部と、
前記連続タイムスロットが割当てられた場合には、前記連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の前記局部発振器を選択する選択部と
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記選択部は、前記同一の端末装置との前記信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用のいずれか一方の前記端末装置に割当てられており、
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる前記局部発振器を、他方の前記タイムスロットで選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用の前記端末装置に割当てられており、
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記送信用又は前記受信用のいずれか一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の前記連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記選択部は、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが前記閾値を超えていない場合には、前記特定のタイムスロットを用いた前記信号の送受信を中止し、前記特定の前記タイムスロット以外の前記連続タイムスロットに含まれる残りの前記タイムスロットを用いた前記信号の送受信を実行することを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
互いに異なる周波数の局部発振信号を生成する複数の局部発振器を備え、タイムスロット毎に前記複数の局部発振器のうちの異なる前記局部発振器を選択し、選択した前記局部発振器を用いて信号の送受信を端末装置と行う無線基地局において動作する通信制御方法であって、
同一の端末装置に対して複数の連続したタイムスロットである連続タイムスロットを割当てる第1ステップと、
前記連続タイムスロットが割当てられた場合には、前記連続タイムスロットの期間では同一の周波数の局部発振信号を生成する同一の前記局部発振器を選択する第2ステップと
を備えることを特徴とする通信制御方法。
【請求項7】
前記第2ステップでは、前記同一の端末装置との前記信号の送受信では同一の局部発振器を選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用のいずれか一方の前記端末装置に割当てられており、
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる前記局部発振器を、他方の前記タイムスロットで選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項9】
前記連続タイムスロットは、送信用及び受信用の前記端末装置に割当てられており、
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが閾値を超えている場合には、前記送信用又は前記受信用のいずれか一方の前記連続タイムスロットで選択される前記局部発振器とは異なる局部発振器を、他方の前記連続タイムスロットに含まれる特定のタイムスロットで選択することを特徴とする請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記第2ステップでは、前記端末装置からの前記信号の受信レベルが前記閾値を超えていない場合には、前記特定のタイムスロットを用いた前記信号の送受信を中止し、前記特定の前記タイムスロット以外の前記連続タイムスロットに含まれる残りの前記タイムスロットを用いた前記信号の送受信を実行することを特徴とする請求項9に記載の通信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−129483(P2007−129483A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320038(P2005−320038)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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