説明

無線通信システム、無線受信装置、無線送信装置、およびCQI量子化方法

【課題】無線送信装置から無線受信装置にフィードバックするCQIビット数を低減すること。
【解決手段】ストリーム毎に適応変調を行うSDM方式の無線通信システムの無線受信装置(100)において、チャネル推定部(102)はチャネル推定を行いチャネル推定値を生成し、ランキング順位決定部(105)は、チャネル推定値を用いて各ストリームの受信品質推定値の順位を決定し、CQIビット数決定部(108)は、各ストリームの受信品質推定値の順位に応じて各ストリームにCQI量子化ビット数を配分し、CQI量子化部(109)は、各ストリームのCQI量子化ビット数に従って各ストリームの受信品質推定値を量子化し、各ストリームのCQI(Channel Quality Indicator)を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDM(Space Division Multiplexing:空間分割多重)方式の無線通信システムに用いる無線受信装置、無線送信装置、およびCQI量子化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等に代表される無線通信システムにおいては、サービス形態が多様化し、音声データだけではなく、静止画像、動画像等の大容量データを伝送することが要求される。これに対して、高い周波数利用効率を実現するMIMOシステムの研究が盛んに行われている。MIMOシステムは、送受信双方に複数アンテナを用い、複数の独立な信号(ストリーム)を同一帯域において同時に送受信するシステムであって、周波数帯域の拡大なしにシステムのスループットの拡大を図ることができる。
【0003】
MIMOシステムにおいて伝送レートを向上させる技術の1つとして、SDM方式がある。SDM方式とは、複数のアンテナにより送信される複数の信号を空間的に多重して送信し、受信装置で信号を分離する技術である。SDM方式によれば、SISO(Single Input Single Output)システムと比較して送信アンテナ数倍の伝送容量を実現することができる。
【0004】
SDM方式においては、さらにストリーム毎に適応変調を行うことでシステムのスループットを向上させることができる(例えば特許文献1参照)。適応変調とは、受信装置が受信品質を示すCQI(Channel Quality Indicator)を送信装置にフィードバックして、送信装置ではこのCQIに応じて、誤りが発生せずに最大のスループットが達成できる符号化率と変調方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を選択する技術である。すなわち、受信装置はパイロット信号などを用いてチャネル推定を行い、得られたチャネル推定値を用いて受信品質を推定する。そして得られた受信品質推定値を数ビットの情報に量子化し、CQIを生成する。本明細書では、このような量子化をCQI量子化と呼ぶとする。
【特許文献1】特表2004−533169号公報(第1−5頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、SDM方式においてストリーム毎に適応変調を行う場合にはストリーム毎のCQIをフィードバックする必要があり、システムのスループットを拡大させるためにアンテナ数を増加させると、これに伴いフィードバックするCQIビット数も増加する。フィードバックするCQIビット数が増加するとフィードバック回線が逆回線におけるデータ伝送回線を圧迫し、データ伝送のスループットを低下させるという問題が発生する。
【0006】
また、フィードバックするCQIビット数を削減するために単純に各ストリームのCQIビット数を削減すると、CQIで示した品質と実際の品質との間の誤差が大きくなる。この誤差が大きくなったCQIに応じて適応変調を行うと、データ伝送効率が劣化し、システムのスループットが低下するという問題が発生する。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ストリーム毎に適応変調を行うSDM方式において、フィードバックするCQIビット数を抑えつつ、スループットを高く維持することができる無線通信システム、無線受信装置、無線送信装置、およびCQI量子化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線通信システムは、複数のストリームを複数アンテナを用いて送信する無線送信装置と、複数アンテナを用いて複数の前記ストリームを受信する無線受信装置と、を具備する無線通信システムであって、前記無線受信装置は、前記ストリーム毎の受信品質を推定し、ストリーム毎の受信品質推定値の順位を決定する順位決定手段と、前記順位に応じて、前記ストリーム毎に量子化ビット数を配分するビット配分手段と、前記量子化ビット数に従って、前記受信品質推定値を量子化し、前記ストリーム毎のCQIを生成する量子化手段と、前記ストリーム毎のCQIを前記無線送信装置に通知する通知手段と、を具備し、前記無線送信装置は、通知される前記ストリーム毎のCQIを逆量子化し、前記受信品質推定値を再現する逆量子化手段と、再現された前記受信品質推定値に応じて、前記ストリーム毎の適応変調パラメータを決定して、適応変調を行う適応変調手段と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、システムのスループットに影響が少ない、受信品質推定値がより低いストリームにCQI量子化ビット数をより少なく配分するため、無線受信装置から無線送信装置にフィードバックするCQIビット数を抑えつつ、スループットを高く維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、CQIとスループットとの関係を示す図である。具体的にはこの図は、3GPP TS25.214で示されているHSDPAにおけるCQIと送信ブロックサイズとの関係を示す図である。
【0012】
CQIは受信装置がパイロット信号などを使って受信品質を推定し、この推定した受信品質を数ビットの情報に量子化したものである。従って、CQIとスループットとの関係は、受信装置で得られた受信品質推定値とスループットとの関係でもある。ストリーム毎に適応変調を行うSDM方式においては、各ストリームのCQIに基づいてMCSを選択するため、ストリーム毎にスループットが異なる。この複数のストリームのスループットを比較した場合、図1に示すようにCQIが大きいほどストリームのスループットは高い。従って、全てのストリームにより得られるスループットをシステムスループットと称する場合、受信品質が高いストリームのスループットは、システムスループットの中で占める割合が大きく、受信品質が低いストリームのスループットは、システムスループットの中で占める割合が小さい。この図においてEはCQI値の1ステップの変化量を示し、BおよびHはそれぞれCQIの低い領域およびCQIの高い領域においてCQI値の1ステップの変化量Eに対応するスループットの変化量を示す。CQIの増加によるスループットの増加は線形的ではなく、CQIが大きくなるほど、CQIの増加によるスループットの増加傾向は強くなる。すなわち受信品質推定値が低く、CQIが低い場合のスループット変化量Bよりも、受信品質推定値が高く、CQIが大きい場合のスループット変化量Hの方が大きい。要するに高品質ストリームのCQIが変化する場合と、低品質ストリームのCQIが変化する場合とを比較すると、高品質ストリームのCQIの変化がシステムスループットに与える影響はより大きく、低品質ストリームのCQIの変化がシステムスループットに与える影響はより小さい。
【0013】
次いでCQI量子化の精度を考える場合、CQI量子化の粒度より細かな値は表現できないため、CQI量子化には量子化誤差が存在する。高品質ストリームにおけるCQIの変化がシステムスループットに与える影響がより大きいため、高品質ストリームの受信品質をCQI量子化する場合は、より誤差の少ない量子化が必要である。一方、低品質ストリームにおけるCQIの変化がシステムスループットに与える影響は小さいため、低品質ストリームの受信品質をCQI量子化する場合はある程度の量子化誤差を許容することができる。そこで本実施の形態では、低品質ストリームのCQI量子化に用いられるビット数を削減し、無線受信装置から無線送信装置にフィードバックするCQIビット数を抑える。
【0014】
SDMの各ストリームは独立なフェージング変動を受けて受信品質が時々刻々変動するので、高品質ストリームと低品質ストリームとを、受信品質を示す数値の大きさによって一意に決定することはできない。従って、受信装置では、ストリーム間の相対的な品質差により高品質ストリームと低品質ストリームとを決定する。すなわち、受信装置では受信品質の良い順にランキング順位を付け、ランキング上位のストリームを高品質ストリームとし、ランキング下位のストリームを低品質ストリームとする。なお、ランキング順位を用いてCQIの量子化ビット数(以下CQIビット数と略称する)を決定し、低品質ストリームのCQIの量子化粒度を粗くして全体的な量子化ビット数を削減することが実現できる。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る無線受信装置100の主要な構成を示すブロック図である。
【0016】
無線受信装置100は、受信アンテナ101、チャネル推定部102、MIMO受信部103、受信品質推定部104、ランキング順位決定部105、ランキング情報生成部106、ストリーム選択部107、CQIビット数決定部108、CQI量子化部109、およびCQI情報生成部110を備える。
【0017】
チャネル推定部102は、受信アンテナ101が受信したパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、チャネル推定値を生成する。チャネル推定部102は、生成されたチャネル推定値をMIMO受信部103および受信品質推定部104に出力する。MIMO受信部103は、受信アンテナ101が受信した信号から、チャネル推定部102から入力されるチャネル推定値を用いて、受信データを生成する。MIMO受信部103において受信データを生成する方式は、SIC(Successive Interference Cancellation)による受信方式、またはZF(Zero Forcing)やMMSE(Minimum Mean Squared Error)などのフィルタリングによる受信方式がある。受信品質推定部104は、チャネル推定部102から入力されるチャネル推定値を用いて各ストリームの受信品質を推定し、受信品質推定値を生成する。受信品質推定部104は、生成された受信品質推定値をランキング順位決定部105およびCQI量子化部109に出力する。ランキング順位決定部105は、受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質推定値を用いて、受信品質推定値が高い順から各ストリームにランキングを付け、ランキング順位を決定する。ランキング順位決定部105は、ランキング順位をランキング情報生成部106およびストリーム選択部107に出力する。ランキング情報生成部106は、ランキング順位決定部105から入力されるランキング順位を用いて、無線送信装置にフィードバックするランキング情報を生成する。
【0018】
ストリーム選択部107は、すべてのストリームに対してCQI量子化が完了したか否かを判定し、すべて完了しなかった場合、ランキング順位に従ってCQI量子化を行う対象となるストリーム、すなわちCQI量子化対象ストリームを1つ選択する。またストリーム選択部107は、ランキング順位決定部105から入力されるランキング順位に基づきCQI量子化対象ストリームに対応するランキングをCQIビット数決定部108に出力する。CQIビット数決定部108は、ランキングとCQIビット数とが対応付けられたテーブルを備え、ストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームのランキングに対応するCQIビット数を決定する。CQIビット数決定部108は、決定されたCQIビット数をCQI量子化部109に出力する。CQI量子化部109は、CQI量子化テーブルを備え、受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質推定値のうち、CQI量子化対象ストリームの受信品質推定値に対し、CQIビット数決定部108から入力されるCQIビット数を用いてCQI量子化を行う。CQI量子化部109は、CQI量子化により生成されるCQIをCQI情報生成部110に出力する。CQI情報生成部110は、無線送信装置にフィードバックするCQI情報を、CQI量子化部109から入力されるCQIを用いて生成する。
【0019】
図3は、ランキング順位決定部105において決定されるランキング順位の一例を示す図である。この図は、ストリームが1、2、3、4の4本あって、ランキングがA、B、C、Dの4段階に分けられる場合を示す。なおランキングはA、B、C、Dの順に低くなり、ストリームの受信品質推定値が高いほどより高いランキングが付けられる。例えば、ランキングAに対応するストリーム2の受信品質推定値はランキングBに対応するストリーム4の受信品質推定値より高い。
【0020】
図4は、CQIビット数決定部108が備える、ランキングとCQIビット数とが対応付けられたテーブルの一例を示す図である。この図は、図3の場合と同様にランキングがA、B、C、Dの4段階に分けられる場合を示す。図示のように、ランキングが高いほどより多くのCQIビット数が対応付けられ、ランキングA、B、C、Dそれぞれに対応付けられるCQIビット数は5、4、3、2である。
【0021】
図5は、CQI量子化部109が備えるCQI量子化テーブルの一例を示す図である。この図は、受信品質推定値が32個のレベルに分けられ、CQIビット数が図4に示す場合と同様に、それぞれ2、3、4、5の4種である場合を示す。この図において、第1列の「受信品質推定値」は受信品質推定値のレベルを示し、第2列の「CQI」は第1列の「受信品質推定値」を5ビットでCQI量子化して得られるCQIを示し、第3列の「CQIビット列」は第2列の「CQI」をビット列で表す値を示す。同様に、第4〜5列、第6〜7列、および第8〜9列それぞれは、第1列の「受信品質推定値」を4、3、および2ビットでそれぞれCQI量子化して得られるCQIおよびビット列を示す。例えば、「28」レベルの受信品質推定値を5ビットでCQI量子化する場合、「28」レベルの受信品質推定値が該当する行と、CQIビット数「5」が該当する列とが交差する値「28」、「11011」がそれぞれ「CQI」、「CQIビット列」として得られる。また例えば「28」レベルの受信品質推定値を3ビットでCQI量子化する場合、得られる「CQI」、「CQIビット列」はそれぞれ「7」、「110」となる(図中のハッチング部分)。
【0022】
図5に示すように、CQI量子化粒度を粗くすることでCQI量子化ビット数が抑えられる。例えば、同じ32個の受信品質推定値のレベルをCQI量子化する場合、CQIビット数として「4」を用いると16種の「CQI」および「CQIビット列」が得られるに対して、CQIビット数として「2」を用いると4種の「CQI」および「CQIビット列」しか得られない。すなわち4本のストリームが各々2〜5ビットを使用する場合は、4本のストリームが均一に5ビットを使用する場合よりCQI量子化粒度は粗くなるものの、全体的にCQI量子化ビット数を6ビット削減することができる。
【0023】
図6は、本実施の形態に係る無線受信装置100におけるCQI量子化の手順を示すフロー図である。この手順の説明において、再び図3〜5に示すテーブルを流用する。なお、「ステップ」を「ST」と記す。
【0024】
まず、受信アンテナ101は、無線送信装置から送信される信号を受信する(ST1010)。次いでチャネル推定部102は、受信された信号のうちパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、チャネル推定値を生成する(ST1020)。次いで受信品質推定部104は、チャネル推定値を用いてストリーム毎の受信品質を推定し、受信品質推定値を生成する(ST1030)。ここで受信品質の推定は、SINRまたはSNRなどを用いて行う。次いでランキング順位決定部105は、受信品質推定部104から入力される受信品質推定値を用いて、例えば図3に示すようなランキング順位を生成する(ST1040)。次いでランキング情報生成部106は、無線送信装置にフィードバックされるランキング情報を、ランキング順位を用いて生成する(ST1050)。次いでストリーム選択部107は、ランキング順位に従ってCQI量子化対象ストリームを1つ選択し、CQI量子化対象ストリームのランキングをCQIビット数決定部108に出力する(ST1060)。次いでCQIビット数決定部108は、図4に示すテーブルとCQIビット数決定部108から入力されるランキングを用いて、CQI量子化対象ストリーム用のCQIビット数を決定する(ST1070)。次いでCQI量子化部109は、図5に示す量子化テーブルを参照してCQI量子化を行う(ST1080)。すなわち、CQIビット数決定部108から入力されるビット数を用いて、受信品質推定部104から入力される各ストリームのうち、CQI量子化対象ストリームの受信品質推定値に対してCQI量子化を行う。次いでCQI情報生成部110は、無線送信装置にフィードバックされるCQI情報を、CQIビット数決定部108の量子化結果を用いて生成する(ST1090)。次いでストリーム選択部107は、すべてのストリームに対して受信品質推定値のCQI量子化が行われたか否かを判定する(ST1100)。すべてのストリームに対して受信品質推定値のCQI量子化が行われた場合(ST1100:YES)、フィードバック部(図示せず)はランキング情報およびCQI情報を無線送信装置にフィードバックする(ST1110)。一方、すべてのストリームに対して受信品質推定値のCQI量子化が行われなかった場合(ST1100:NO)、無線受信装置100は処理をST1060に戻し、ストリーム選択部107に次のCQI量子化対象ストリームを選択させる。
【0025】
次いで上記の無線受信装置100からフィードバックされるランキング情報およびCQI情報を用いて、各ストリームの受信品質推定値を再現する無線送信装置150について説明する。
【0026】
図7は、本実施の形態に係る無線送信装置150の主要な構成を示すブロック図である。無線送信装置150は、ランキング情報抽出部151、CQI情報抽出部152、ストリーム選択部153、CQIビット数決定部154、CQI逆量子化部155、SDM送信部156、および送信アンテナ157を備える。なお、CQIビット数決定部154は無線受信装置100のCQIビット数決定部108と同様に、図4に示すランキングとビット数とが対応付けられたテーブルを備える。また、CQI逆量子化部155は無線受信装置100のCQI量子化部109と同様に、図5に示す量子化テーブルを備える。
【0027】
ランキング情報抽出部151は、無線受信装置100からフィードバックされるランキング情報およびCQI情報の中からランキング情報を抽出し、ストリーム選択部153に出力する。一方CQI情報抽出部152は、無線受信装置100からフィードバックされるランキング情報およびCQI情報の中からCQI情報を抽出し、CQI逆量子化部155に出力する。ストリーム選択部153は、すべてのストリームに対してCQI逆量子化が行われたか否かを判定し、すべてのストリームに対して逆量子化が行われなかった場合は、次に逆量子化が行われるストリーム、すなわち逆量子化対象ストリームを1つ選択する。ここで、CQI逆量子化とは、無線受信装置100において行われたCQI量子化の処理と逆の処理である。またストリーム選択部153は、選択された逆量子化対象ストリームのランキングを、ランキング情報抽出部151から入力されるランキング情報に基づき決定し、CQIビット数決定部154に出力する。CQIビット数決定部154は、逆量子化対象ストリームのランキングを用い、図3に示すテーブルを参照して逆量子化対象ストリーム用のCQIビット数を決定する。CQIビット数決定部154は、決定されたCQIビット数をCQI逆量子化部155に出力する。CQI逆量子化部155は、CQI情報抽出部152から入力されるCQI情報およびCQIビット数決定部154から入力されるCQIビット数を用い、図5に示す量子化テーブルに基づいて逆量子化を行う。逆量子化により逆量子化対象ストリームの受信品質推定値が再現される。例えば、CQI情報が示す「CQI」が「13」であって、CQIビット数が4である場合、逆量子化対象ストリームの受信品質推定値は「25」と再現される。
【0028】
ここで図5によれば、CQIビット数が4である場合、「13」の「CQI」に該当する「受信品質推定値」は「26」および「25」の2つがあるが、低い方(すなわち最小値)を選択して、「25」が受信品質推定値として再現される。受信品質推定値が低い方を選択することは実際の品質より低い品質として再現されるため、誤りの少ない確実な伝送に繋がる。
【0029】
CQI逆量子化部155は、再現された受信品質推定値をSDM送信部156に出力する。SDM送信部156は、再現された受信品質推定値を用いて高品質ストリームと低品質ストリームとを決定することができる。SDM送信部156は、CQI逆量子化部155から入力される受信品質推定値に基づきストリーム毎の適応変調を行って、得られる送信信号を送信アンテナ157に出力する。送信アンテナ157は、送信信号を無線受信装置100に送信する。
【0030】
図8は、無線受信装置100において各ストリーム用のCQIビット数を等しくしてCQI量子化を行う方法を説明するための図である。これに対して図9は、無線受信装置100において低ランキングストリーム用のCQI量子化ビット数を削減してCQI量子化を行う方法を説明するための図である。なお、無線受信装置100からフィードバックされるCQI情報を用いて受信品質推定値が再現される場合、1つのCQIに該当する複数の受信品質推定値の中から低い方を選択する。図8および図9は両方とも、ストリームの本数が4本であって、ストリーム1、2、3、4の受信品質推定値がそれぞれ20、28、9、26の場合を例にとって、ストリーム番号、受信品質推定値、量子化後のCQI、再現される受信品質推定値(図中のハッチング部分)、及びCQIビット数を示す。図8および図9において、太線の長方形の枠はそれぞれ異なるCQIビット数に対応する量子化の粒度を表す。なお、図9はストリームのランキングをさらに示す点で図8と相違し、ストリーム1、2、3、4のランキングはそれぞれC、A、D、Bであって、ランキングA、B、C、Dのストリーム用のCQIビット数はそれぞれ5、4、3、2である場合を示す。図示のように、無線受信装置100において低ランキングのストリーム用のCQIビット数を削減し、無線受信装置100からフィードバックされるCQI情報を用い、無線送信装置150において受信品質推定値の低い方を選択して受信品質推定値を再現する場合、量子化粒度は大きくなるものの、システム全体に用いられるCQIビット数を削減することができる。
【0031】
このように、本実施の形態によれば、CQI量子化においてシステムのスループットに影響が少なく、受信品質推定値が低いストリーム用のCQIビット数を削減することにより、全体的に受信装置から送信装置にフィードバックするCQIビット数を抑えることができ、フィードバック回線と別回線であるデータ伝送回線のスループットを向上させることができる。
【0032】
なお、本実施の形態では無線送信装置150における下位ストリームの受信品質推定値の再現方法として、フィードバックCQIに該当する複数の受信品質推定値のなかで低い方を選択する場合を例にとって説明したが、誤りが発生したとしても再送が許容される場合においては、フィードバックCQIに該当する複数の受信品質推定値のなかで高い方(すなわち最大値)を選択する方法もある。このように受信品質推定値の高い方を選択することは、実際の品質より高い品質として再現され、より高い受信品質に対応するパラメータ、すなわちより高いスループットに対応するパラメータで通信を行うため、スループットを向上することができる。
【0033】
また、無線送信装置150におけるストリームの受信品質推定値の再現方法として、フィードバックCQIに該当する複数の受信品質推定値のなかで平均的な方を選択しても良い。このように平均的な受信品質推定値を選択することで、スループットと誤り率の両方において平均的な特性が得られる。
【0034】
また、無線送信装置150におけるストリームの受信品質推定値の再現方法を、伝送するデータに応じて変えてもよい。例えば、遅延が許容できるデータを伝送する場合では、再送が許容されるので、受信品質推定値の高い方を選択する方法を使ってスループットを高くして、遅延が許容できないデータを伝送する場合では、受信品質推定値の低い方を選択する方法を使って、スループットは少し落ちるものの、再送の必要性を低減してデータを確実に伝送する。このように受信品質推定値の再現方法を、伝送するデータに応じて変えることで、データに適した伝送ができるのでシステムスループットが向上する。
【0035】
また、無線送信装置150におけるストリームの受信品質推定値の再現方法を、ストリーム毎に変えてもよい。例えば、各ストリームで遅延要求の異なるデータを伝送する場合には、各データの遅延要求に応じてストリーム毎に受信品質推定値の再現方法を変えることで、各データに適した伝送ができるのでシステムスループットが向上する。
【0036】
また、無線送信装置150における下位ストリームの受信品質推定値の再現方法を、前回フィードバックしたCQIに応じて変えてもよい。例えば、前回フィードバックしたCQIよりも低いCQIがフィードバックされた場合には、受信品質推定値の高い方を選択し、前回フィードバックしたCQIよりも品質が高いCQIがフィードバックされた場合には、受信品質推定値の低い方を選択する。フェージング変動による受信品質の変化は、連続的に変化していくので、前回フィードバックしたCQIに近い方を選択することが実際の受信品質に近い再現方法となり、スループットおよび誤り率の両方に適しているのでシステムスループットが向上する。
【0037】
(実施の形態2)
まず、各ストリームの受信品質推定値の一般的な分布について説明する。一般的に、各送信アンテナから各受信アンテナまでの伝搬距離にはほとんど差がないので、各ストリームにおける受信電力の距離減衰には大きな差がない。また、複数受信アンテナにより、各ストリームは受信ダイバーシチ利得が得られる。従って、各ストリームの受信品質推定値は一定の範囲内に集中して分布する特性を示す。以下、この範囲を集中分布範囲と称する。ストリームの受信品質推定値が集中分布範囲よりも低くなる確率は低く、また、集中分布範囲よりも低い受信品質推定値に対応するスループットは低く、システム全体のスループットに与える影響は低い。そこで、このような集中分布範囲の受信品質推定値に対するCQI量子化の粒度を粗くすることで、CQIビット数を削減しても、システムスループットに対する影響は抑えられる。
【0038】
本実施の形態では、集中分布範囲の受信品質推定値に対するCQI量子化の粒度を細かくし、集中分布範囲よりも低い受信品質推定値に対するCQIの量子化粒度を粗くすることで、システムスループットを下げずシステム全体のCQIビット数を削減する。セルラ環境のSDM方式におけるストリームの受信品質は、基地局からの距離や他セルの干渉などにより決まるので、ストリームの集中分布範囲は常に変動する。そこで本実施の形態では、受信品質の一番高いストリーム、すなわち最上位ストリームの受信品質推定値を基準として集中分布範囲を決定することで、セルラ環境における変動に追従する。具体的にはまず、ランキング順位により最上位ストリームを決定して、この最上位ストリームはシステムスループットの占める割合が大きいので、精度の高い量子化を行う。そして、最上位ストリームの受信品質推定値を基準として、この基準から一定レベル低い受信品質推定値に閾値を設定する。例えば、一定レベルとしては、10dB〜15dB程度が考えられる。そして、その閾値より高い受信品質推定値、つまり集中分布範囲の受信品質推定値に対してはより精度の高いCQI量子化を行い、その閾値より低い品質、つまり集中分布範囲外の品質に対してはより精度の低いCQI量子化を行う。
【0039】
図10は、本実施の形態に係る無線受信装置200の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線受信装置200は、実施の形態1に示した無線受信装置100(図2参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置200は、CQIビット数決定部108の代わりに量子化テーブル決定部208を備え、最上位受信品質推定値抽出部201をさらに備える点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また無線受信装置200のCQI量子化部209と、実施の形態1に示した無線受信装置100のCQI量子化部109とはCQI量子化に用いる量子化テーブルが相違するため、異なる符号を付す。
【0040】
最上位受信品質推定値抽出部201は、ランキング順位決定部105から入力されるランキング順位に基づき最上位ストリームを特定し、受信品質推定部104から入力される受信品質推定値の中から最上位ストリームの受信品質推定値(以下、最上位受信品質推定値と称する)を抽出し、量子化テーブル決定部208に出力する。量子化テーブル決定部208は、異なる受信品質推定値のレベルに対応する複数のCQI量子化テーブルを備え、そのうち、最上位受信品質抽出部201から入力される最上位受信品質推定値に対応する量子化テーブルを決定し、CQI量子化部209に出力する。CQI量子化部209は、量子化テーブル決定部208において決定された量子化テーブルを参照し、CQI量子化対象ストリームの受信品質推定値に対してCQI量子化を行う。
【0041】
ここではランキング順位決定部105において生成されるランキング順位の例を、再び図3を用いて示す。最上位受信品質推定値抽出部201は、ランキング順位決定部105から入力される図3に示すテーブルに基づき、最高ランキングAにあたるストリームをストリーム2と特定し、受信品質推定部104から入力される受信品質の中からストリーム2の受信品質推定値、例えば「28」を抽出する。
【0042】
図11は、量子化テーブル決定部208が備えるテーブルのうち、受信品質「28」に対応する量子化テーブルの一例を示す図である。ここでは実施の形態1に示す例と同様に、ランキングA、B、C、Dのストリーム用のCQIビット数がそれぞれ5、4、3、2である場合を例として示す。なお、最上位受信品質推定値「28」を基準としてレベルが「28」より12以上も低い受信品質推定値「16」を集中分布範囲の閾値とする。この図においては、受信品質推定値「16」の上の方の太線でこの閾値を示す。また、最上位ストリームより受信品質推定値が低いストリーム、すなわち下位ストリームを含め、すべてのストリームは最上位受信品質推定値より高い受信品質推定値をとる可能性がないことを、「−」を用いて示す。この図において、2列目の「28」は最上位受信品質推定値「28」を示し、ランキングA、ランキングB、ランキングC、ランキングDそれぞれに該当する2列は、それぞれ5ビット、4ビット、3ビット、2ビットのCQI量子化により得られる「CQI」および「CQIビット列」を示す。このテーブルの参照方法は、実施の形態1に用いられる方法と同様である。例えば、Bランキングストリームの受信品質推定値が「26」レベルである場合は、「26」の受信品質推定値に該当する行と、Bランキングに該当する列とが交差する値「14」および「1101」が、それぞれ「CQI」および「CQIビット列」として得られる(図中のハッチング部分)。
【0043】
図12は、量子化テーブル決定部208が備えるテーブルのうち、受信品質推定値「29」レベルに対応する量子化テーブルの一例を示す図である。量子化テーブル決定部208は、受信品質推定値の32個のレベルに応じて32個の量子化テーブルを備える。
【0044】
図13は、本実施の形態に係る無線受信装置200におけるCQI量子化の手順を示すフロー図である。なお、この図に示す手順は、実施の形態1に示した無線受信装置100におけるCQI量子化の手順(図6参照)と同様のステップを複数有しており、同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置200におけるCQI量子化の手順は、ST2010をさらに有する点、およびST1070の代わりにST2070を有する点で無線受信装置100におけるCQI量子化の手順と相違する。また無線受信装置200におけるCQI量子化ステップ(ST2080)と、無線受信装置100におけるCQI量子化ステップ(ST1080)とは、参照する量子化テーブルが相違するため、ここでは異なる符号を付す。
【0045】
ST2010において、最上位受信品質推定値抽出部201はランキング順位決定部105から入力されるランキング順位を用いて最上位ストリームを特定し、受信品質推定部104から入力される受信品質推定値の中から最上位受信品質推定値を抽出し、量子化テーブル決定部208に出力する。ST2070において、量子化テーブル決定部208は最上位受信品質推定値抽出部201から入力される最上位受信品質推定値に対応する量子化テーブルを決定し、CQI量子化部209に出力する。次いでST2080において、CQI量子化部209は量子化テーブル決定部208が決定した量子化テーブルを用いてCQI量子化を行う。
【0046】
図14は、本実施の形態に係る無線送信装置250の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線送信装置250は、実施の形態1に示した無線送信装置150(図7参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線送信装置250は、CQIビット数決定部154の代わりに量子化テーブル決定部254を備え、最上位受信品質推定値抽出部251をさらに備える点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また無線送信装置250のCQI逆量子化部255と無線送信装置150のCQI逆量子化部155とは、逆量子化に用いる量子化テーブルが相違するため、異なる符号を付す。
【0047】
最上位CQI抽出部251は、CQI情報抽出部152から入力される各ストリームのCQI情報の中から最高ランキングにあたるストリームのCQI(以下最上位CQIと称する場合もある)を、ランキング情報抽出部151から入力されるランキング順位に基づいて抽出する。量子化テーブル決定部254は、無線受信装置200の量子化テーブル決定部208が備える量子化テーブルと同様の複数の量子化テーブルを有し、最上位CQI抽出部251から入力される最上位CQIに対応する量子化テーブルを決定する。CQI逆量子化部255は、量子化テーブル決定部254において決定された量子化テーブルを参照して、CQI逆量子化対象ストリームの受信品質推定値に対するCQI逆量子化を行う。
【0048】
無線送信装置250においてストリームの受信品質推定値を再現する場合、1つのCQIに該当するする複数の受信品質推定値の中から選択を行う方法は、無線送信装置150における選択方法と同様である。
【0049】
図15は、無線受信装置200において集中分布範囲よりも低い受信品質推定値に対するCQI量子化の粒度を粗くして量子化を行う方法を説明するための図である。なお、この図において各情報の示し方は図9と同様である。図9と図15を比較すれば分かるように、実施の形態1よりも本実施の形態の方が同様のCQIビット数を用いて集中分布範囲の量子化精度を高めることができる。すなわち、CQIビット数を同程度に削減しつつ、本実施の形態の方が実施の形態1よりもスループットを向上させることができる。
【0050】
このように、本実施の形態によれば、受信品質推定値が分布する確率が低い範囲におけるCQI量子化の粒度を粗くすることで、受信品質推定値が分布する確率が高い範囲におけるCQI量子化の粒度を細かくすることができる。これにより受信品質推定値が分布する確率が高い範囲におけるCQI量子化の誤差が小さくなるので、システムスループットへの影響を抑えつつ、システム全体のCQIビット数を削減することができる。
【0051】
なお、著しく受信品質が低いストリームは、他ストリームから大きな干渉を受けることや、受信装置のダイナミックレンジが確保できなくなるなどの理由により、品質良く受信できる可能性が低い。このようなストリームはシステムスループットに与える影響は極めて低いので、無視しても許容される。そこで、最上位受信品質推定値より一定レベル以上低い受信品質推定値を閾値として、その閾値より低い受信品質推定値に対しては、CQIビット数を割り当てず、CQI量子化を行わない。すなわち、この閾値より低い受信品質推定値に対しては、CQIのフィードバックを行わない。ここで、一定レベルとしては、20dB程度が考えられる。これにより、システムスループットを大きく下げずに、全システムのCQIビット数を削減することができる。
【0052】
(実施の形態3)
本実施の形態は、各ストリームのCQI量子化において差動符号化を行う点において実施の形態1および実施の形態2と相違する。実施の形態1および実施の形態2では、受信品質推定値を用いてランキング順位を生成する。一般的に下位ストリームの品質は、上位ストリームの品質より高くなることはない。そこで、各ストリームのCQI量子化方法として各ストリームの受信品質推定値の差分をCQI量子化することで、CQI量子化粒度を粗くすることなく、必要なCQIビット数を削減することができる。
【0053】
図16は、本実施の形態に係る無線受信装置300の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線受信装置300は、実施の形態1に示した無線受信装置100(図2参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置300は、CQIビット数決定部108の代わりに差分CQI量子化テーブル決定部308を有する点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また無線受信装置300のCQI量子化部309と、無線受信装置100のCQI量子化部109とはCQI量子化を行う際に参照するテーブルが相違するため、異なる番号を付す。
【0054】
差分CQI量子化テーブル決定部308は、ストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームのランキングに基づいて、差分CQI量子化テーブルを選択し、CQI量子化部309に出力する。CQI量子化部309は、差分CQI量子化テーブル決定部308において決定された差分CQI量子化テーブルを参照してCQI量子化を行う。
【0055】
図17と図18とは、AランキングストリームとBランキングストリームとの差分を4ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図である。図19と図20とは、BランキングストリームとCランキングストリームとの差分を3ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図である。図21と図22とは、CランキングストリームとDランキングストリームとの差分を2ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図である。図17〜図22において、2行目の「32」、「31」、…、「16」は量子化対象ストリームと隣接するより上位ランキングのストリームの受信品質推定値を示し、第1列の「32」、「31」、…、「1」は量子化対象ストリームの受信品質推定値を示す。また、「差分」と示している列は「上位ランキングのストリーム受信品質推定値」と量子化対象ストリームの「受信品質推定値」との差分であって、隣の「ビット」と示している列は上記の「差分」をCQI量子化して得られるビット列である。なお、ハッチングを付している列は、具体的な例として、ランキングA、ランキングB、ランキングC、ランキングDストリームの受信品質推定値がそれぞれ「28」、「26」、「20」、「9」レベルである場合、差分CQI量子化で参照される列を示す。
【0056】
次いで、図23に示すフロー図を用いて無線受信装置300におけるCQI量子化の手順について説明する。図23に示す手順は、実施の形態1に示した無線受信装置100におけるCQI量子化の手順(図6参照)と同様のステップを複数有しており、同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下の説明において再び図5、図17、図18、図19、図20、図21、および図22に示す例を流用する。図23に示す手順は、実施の形態1に示した無線受信装置100におけるCQI量子化の手順と比べ、ST1070およびST1080における処理に相違点があり、これらの相違を示すために番号ST3070およびST3080を付す。
【0057】
ST3070において、差分CQI量子化テーブル決定部308はストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームのランキングに基づいて、差分CQI量子化テーブルを選択しCQI量子化部309に出力する。具体的には、Aランキングストリームに対しては差分CQI量子化テーブルではなくCQI量子化テーブルとして図5に示すテーブルを量子化テーブルと決定し、ランキングB、ランキングC、ランキングDのストリームに対しては差分CQI量子化テーブルとして図17と図18とに示すテーブル、図19と図20とに示すテーブル、図21と図22とに示すテーブルを量子化テーブルと決定する。次いで、ST3080においてCQI量子化部309は差分CQI量子化テーブル決定部308が決定した量子化テーブルを用いてCQI量子化を行う。具体的には、量子化対象ストリームがAランキングストリームである場合、CQI量子化部309は図5に示すテーブルの第2列および第3列を用いて受信品質推定値「28」を5ビットの「11011」に量子化する。次いで量子化対象ストリームがBランキングストリームである場合、「上位ランキングのストリーム受信品質推定値」が「28」であって、量子化対象ストリーム受信品質推定値が「26」であるため、図17と図18とに示すテーブルの第10列および第11列を用いて差分「−2」に対応する4ビットの差分CQI「0010」が得られる。次いで量子化対象ストリームがCランキングストリームである場合、「上位ランキングストリーム受信品質」が「26」で、「量子化対象ストリーム受信品質」が「20」であるため、図19と図20とに示すテーブルの第12列および第13列を用いて差分「−6」に対応する4ビットの差分CQI「010」が得られる。同様にDランキングストリームに対して差分CQI量子化を行い、差分CQI「10」を得る。
【0058】
図24は、本実施の形態に係る無線送信装置350の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線送信装置350は、実施の形態1に示した無線送信装置150(図7参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線送信装置350は、CQIビット数決定部154の代わりに差分CQI量子化テーブル決定部354を有する点において実施の形態1に示した無線送信装置150と相違する。また無線送信装置350のCQI逆量子化部355と無線送信装置150のCQI逆量子化部155とは逆量子化に用いる量子化テーブルが相違するため、異なる符号を付す。
【0059】
差分CQI量子化テーブル決定部354は、無線受信装置300の差分CQI量子化テーブル決定部308が備える差分CQI量子化テーブルと同様のテーブルを備え、ストリーム選択部153から入力されるCQI逆量子化対象ストリームのランキングに基づき、CQI逆量子化に用いられる差分CQI量子化テーブルを決定する。CQI逆量子化部355は、差分CQI量子化テーブル決定部354において決定されたCQI量子化テーブルを参照して逆量子化を行い、CQI逆量子化対象ストリームとその隣の上位のストリームとの受信品質推定値の差分を再現する。CQI逆量子化部355は、再現された差分と、前記の逆量子により得られた上位のストリームの受信品質推定値とを加算することで逆量子化対象ストリームの受信品質推定値を得て出力する。
【0060】
無線送信装置350において受信品質推定値の差分を再現する場合、1つのCQIに対応する複数の受信品質推定値の中から選択を行う方法は、無線送信装置150における選択方法と同様である。
【0061】
図25は、無線受信装置300において差分CQI量子化を行う方法を説明するための図である。なお、この図において各情報の示し方は基本的に図9と同様であり、相違点は「受信品質推定値差分」をさらに示す点と、「量子化後のCQI」の代わりに「量子化後の差分CQI」を示す点である。図9と図25を比較すれば分かるように、実施の形態1よりも本実施の形態の方が同様のCQIビットを用いて量子化誤差をさらに抑えることができる。すなわち、CQIビット数を同程度に削減しつつ、本実施の形態の方が実施の形態1よりもスループットを向上させることができる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、ストリーム間の差分を求めて、このデータ量の少ない差分をCQI量子化することため、CQI量子化の精度を高めることができ、スループットを向上させることができる。
【0063】
(実施の形態4)
移動通信環境では、伝搬路において反射、散乱、回折などの影響を受けるため、受信状況が時間や場所により変動する。複数アンテナを用いて送信を行う場合には、各送信アンテナからのストリームの受信状況が別々に変動するため、各ストリームの受信状況にはバラツキが発生する。また、このバラツキ自体も、時間や場所により変動し、受信状況のバラツキとして、次のような2つの状況が考えられる。1つの状況においては、各ストリームの受信状況を良い方から並べた場合、劣化の仕方が緩やかであり、ほかの1つの状況においては、各ストリームの受信状況を良い方から並べた場合、受信状況が良いストリームに対して受信状況が極端に悪いストリームがある。言い換えれば、この2つの状況におけるストリームの受信状況のバラツキを考える場合、後者よりも前者の状況における受信状況のバラツキが小さい。従って、各ストリームのシステムスループットへの寄与分を考える場合、後者よりも前者の状況において、各ストリームのシステムスループットへの寄与には大差がなく、システムスループットへの寄与分が所定比例以上のストリームの数がより多い。システムスループットへの寄与分が所定比例以上のストリームを有効ストリームと称し、システムスループットへの寄与分が所定比例より小さいストリームを無効ストリームと称す場合、有効ストリーム数を用いて、各送信アンテナからの信号の受信状況のバラツキを示すのが一般的である。
【0064】
本実施の形態では、システムスループットを向上するために、各送信アンテナからの信号の受信状況のバラツキに応じてCQI量子化の方法を切り替える。具体的には、有効ストリームの数が所定値より大きい場合には、実施の形態1に示したCQI量子化方法を用い、有効ストリームの数が所定値以下である場合は、実施の形態1に示したCQI量子化方法よりも、有効ストリームのCQI量子化粒度をさらに細かくし、無効ストリームのCQI量子化粒度をさらに粗くする。すなわち、有効ストリームの数が所定値より小さい場合には、有効ストリームのCQI量子化粒度をより細かくし、無効ストリームのCQI量子化粒度をより粗くする。なお、この有効ストリーム数は、各送信アンテナと受信装置との間の地形状況に起因するものであり、フェージング変動に比べて長い周期で変動するため、本実施の形態にかかる無線受信装置はより長い周期でCQI量子化方法の変化を無線送信装置にフィードバックすれば良い。
【0065】
図26は、本実施の形態に係る無線受信装置400の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線受信装置400は、実施の形態1に示した無線受信装置100(図2参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置400は、CQIビット数決定部108の代わりに量子化テーブル決定部408を有し、有効ストリーム数推定部401、および有効ストリーム数情報生成部402をさらに有する点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また、無線受信装置400のCQI量子化部409と、無線受信装置100のCQI量子化部109とは一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0066】
有効ストリーム数推定部401は、チャネル推定部102から入力されるチャネル推定値を用いて特異値分解を行い、得られる特異値の分布から有効ストリーム数を推定する。ここで得られる特異値の分布は各送信アンテナからの信号の受信状況のバラツキを反映するため、この特異値の分布から有効ストリーム数を推定する。有効ストリーム数推定部401は、推定された有効ストリーム数を有効ストリーム数情報生成部402および量子化テーブル決定部408に出力する。
【0067】
有効ストリーム数情報生成部402は、有効ストリーム数推定部401から入力される有効ストリーム数を用いて、無線送信装置にフィードバックする有効ストリーム数情報を生成する。
【0068】
量子化テーブル決定部408は、有効ストリーム数が所定値より大きい場合に用いられる第1のCQI量子化テーブルと、有効ストリーム数が所定値以下である場合に用いられる第2のCQI量子化テーブルとの2つの量子化テーブルを内蔵しており、有効ストリーム数推定部401から入力される有効ストリーム数に対応する量子化テーブルをCQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定し、CQI量子化部409に出力する。量子化テーブル決定部408が備える量子化テーブルの詳細については後述する。
【0069】
CQI量子化部409は、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを内蔵しておらず、量子化テーブル決定部408から入力される量子化テーブルを参照して、受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質のうち、ストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームに対応する受信品質推定値に対してCQI量子化を行う。
【0070】
図27および図28は、量子化テーブル決定部408が内蔵している第1の量子化テーブルおよび第2の量子化テーブルを例示する図である。上述したように、第1の量子化テーブルは有効ストリーム数が所定値より大きい場合にCQI量子化に用いられるテーブルであり、第2の量子化テーブルは有効ストリーム数が所定値以下である場合にCQI量子化に用いられるテーブルであり、ここでは、所定値が「2」である場合を例にとる。図27を図5と比較すると分かるように、図27を用いたCQI量子化の結果は実施の形態1に示したCQI量子化の結果と等価となる。また、図27と図28とを比較すると、4つのランキングに対応するCQIビット数の総和は両方とも同様に14ビットである。ただし、図28に示す第2のCQI量子化テーブルにおいては、ランキングAのストリームおよびランキングBのストリームには図27の場合よりもより多くのビット数を割り当てられ、ランキングCおよびランキングDの無効ストリームにはより少ないビット数が割り当てられている。これに対し、図27に示す第1のCQIビットテーブルにおいては、ランキングが高いストリームから割り当てられるビット数が順次に減少し、その減少具合が図28の場合よりも緩やかである。要するに、図27と図28に示すように、各送信アンテナからの信号の受信状況のバラツキが大きい場合は、有効ストリームのCQI量子化粒度をより細かくして、無効ストリームのCQI量子化粒度をより粗くする。一方、各送信アンテナからの信号の受信状況のバラツキが小さい場合は、実施の形態1に示したように各送信アンテナ用のCQIの量子化粒度をより緩やかに変化させる。
【0071】
図29は、本実施の形態に係る無線受信装置400におけるCQI量子化の手順を示すフロー図である。なお、この図に示すCQI量子化の手順は、実施の形態1に示したCQI量子化の手順(図6参照)と同様の基本的ステップを有しており、同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す手順は、ST1070の代わりにST4070を有し、ST4010およびST4020をさらに有する点において実施の形態1に示した手順と相違する。また、この図に示す手順のST4110は、実施の形態1に示したST1110と一部の処理において相違し、それを示すために異なる符号を付す。
【0072】
ST4010において、有効ストリーム数推定部401はチャネル推定値を用いて特異値分解を行い、得られる特異値の分布から有効ストリーム数を推定する。
【0073】
ST4020において、有効ストリーム数情報生成部402は、有効ストリーム数を用いて、無線送信装置にフィードバックする有効ストリーム数情報を生成する。
【0074】
ST4070において、量子化テーブル決定部408は、内蔵する第1の量子化データと第2の量子化テーブルのうち、有効ストリーム数に対応する量子化テーブルをCQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定する。
【0075】
ST4110において、無線受信装置400はランキング情報、CQI情報、および有効ストリーム数情報を無線送信装置にフィードバックする。
【0076】
図30は、本実施の形態に係る無線送信装置450の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線送信装置450は、実施の形態1に示した無線送信装置150(図7参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線送信装置450は、CQIビット数決定部154の代わりに量子化テーブル決定部454を有し、有効ストリーム数情報抽出部451をさらに有する点において実施の形態1に示した無線送信装置150と相違する。また、無線送信装置450のCQI逆量子化部455は、無線送信装置150のCQI逆量子化部155と一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0077】
有効ストリーム数情報抽出部451は、無線受信装置400からフィードバックされるランキング情報、CQI情報、および有効ストリーム数情報の中から有効ストリーム数情報を抽出し、有効ストリーム数情報が示す有効ストリーム数を量子化テーブル決定部454に出力する。
【0078】
量子化テーブル決定部454は、量子化テーブル決定部408が備える2つの量子化テーブルと同様なテーブルを備え、有効ストリーム数情報抽出部451から入力される有効ストリーム数に基づき、CQI逆量子化に用いられる量子化テーブルを決定し、決定された量子化テーブルをCQI逆量子化部455に出力する。
【0079】
CQI逆量子化部455は、量子化テーブルを備えず、量子化テーブル決定部454から入力される量子化テーブル、CQI情報抽出部152から入力されるCQI情報、およびストリーム選択部153から入力されるCQI逆量子化対象ストリームを用いて逆量子化を行う。
【0080】
図31は、有効ストリーム数が所定値以下である場合にCQI量子化の粒度を変化させる方法を説明するための図である。具体的には、図31は、有効ストリーム数が所定値「2」以下で場合、有効ストリームのCQI量子化粒度を細かくし、無効ストリームのCQI量子化粒度を粗くする方法を説明するための図である。なお、有効ストリーム数が所定値より大きい場合のCQI量子化方法を説明するための図として図8を流用する。
【0081】
図31においても、ストリームの本数が4本である場合を例にとって説明する。この図においては、有効ストリーム数が「2」であり、各ストリーム1、2、3、4の受信品質推定値がそれぞれ10、28、5、26である場合を例にとって、ランキングAのストリームおよびランキングBのストリームにCQIビットを5ビットずつ割り当て、ランキングCのストリームおよびランキングDのストリームにCQIビットを3ビットおよび1ビット割り当てる。図31を図8と比較すると分かるように、4本のストリームに割り当てるCQIビット数の総和は両方とも14ビットである。ただ、図8に示す方法よりも図31に示す方法において、有効ストリーム用のCQIビット数がより多く、量子化粒度がより細かい。その対価として、無効ストリーム用のCQIビット数がよく少なく、量子化粒度が粗くなるが、有効ストリームよりも無効ストリームのシステムスループットへの寄与分が小さいため、全体的にシステムスループットを向上する効果が得られる。
【0082】
このように、本実施の形態によれば、無線受信装置は、受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、各ストリームの受信状況のバラツキが大きい場合には、無効ストリームに割り当てるCQIビット数をさらに削減し、削減した分のビット数を用いて有効ストリームに割り当てるCQIビット数をさらに増加するため、全体的にシステムスループットをさらに向上させることができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、無線受信装置400が有効ストリーム数情報を無線送信装置450にフィードバックする場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、無線送信装置450は無線受信装置400との間の上り回線のチャネル推定によって有効ストリーム数を推定しても良い。その理由は、有効ストリーム数は無線受信装置400と無線送信装置450との間の地形的な要因によるパラメータであり、上り回線のチャネル推定による結果と上り回線のチャネル推定による結果とは同様になるためである。
【0084】
なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態1に示したように受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、各ストリームの受信状況のバラツキに応じてさらにビット数を調整する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、実施の形態1と組み合わせず単に、システムスループットを向上するように各ストリームの受信状況のバラツキに応じて各ストリームにCQI量子化用のビット数を配分しても良い。
【0085】
(実施の形態5)
パケット通信では、受信パケットに誤りが発生した場合には、そのパケットを再送することが一般的であり、再送の方式として、例えば、再送技術と誤り訂正符号技術とを組み合わせたHARQ(Hybrid-Automatic Repeat Request:ハイブリッド−自動再送要求)方式がある。
【0086】
パケット通信において受信パケットに誤りが発生する要因としては、次のような2つが考えられる。1つ目は、パケット通信の送信仕様自体に起因する。具体的には、パケット通信システムにおいて、無線送信装置は無線受信装置からフィードバックされたCQIに基づき、ターゲット誤り率を満たすMCS(Modulation and Coding Scheme:変調方式および符号化率の組合せ)でパケットを送信する。このターゲット誤り率は、一般には10%程度に設定されている。従って、フィードバックされたCQIに従う伝搬路で送信されるパケットにおいても、ターゲット誤り率程度の確率で誤りは発生することになる。ただ、この場合には誤った受信データ自体にもある程度の信頼性があるため、次回再送されるパケットとともにHARQなどの誤り訂正用に用いられる。
【0087】
受信パケットに誤りが発生する2つ目の要因は、伝搬路状況の変動にある。伝搬路状況が急激に変動する場合、フィードバックされたCQIを測定した時点と、パケットを送信した時点とのパケットの受信品質は大いに異なる。従って、フィードバックされたCQIで決まるMCSで送信されたパケットに誤りが発生する確率は、ターゲット誤り率を超えることになる。この場合には、誤った受信データの信頼性が低く、HARQなどの誤り訂正に用いられることができない。
【0088】
本実施の形態では、パケット誤りの発生要因によってCQI量子化の方法を切り替える。具体的には、パケット通信の送信仕様自体によりパケット誤りが発生した場合には、伝搬路状況の変動がわりと小さくストリームの受信状況の変化も小さく、HARQなどの誤り訂正には次回再送されるパケットだけではなくすでに受信した誤りパケットも利用されるため、誤りパケットを含んだストリームのCQI量子化にはわりと高い精度が要求されない。これに対して、伝搬路変動によりパケット誤りが発生する場合には、ストリームの受信状況の変化が大きく、受信した誤りパケットは利用できず次回再送されるパケットのみを用いてHARQなどの誤り訂正を行うため、誤りパケットを含んだストリームのCQI量子化にはわりと高い精度が要求される。従って、本実施の形態では、システムスループットを向上するために、誤りパケットを含んだストリームの伝搬路状況の変動が大きい場合には、誤りパケットを含んだストリームのCQI量子化粒度を細かくし、伝搬路状況の急激でない場合には、誤りパケットを含んだストリームのCQI量子化粒度を粗くする。以下、誤りパケットを含んだストリームを誤りストリームと略す。なお、無線受信装置は、誤りストリームが発生し誤りストリームの伝搬路変動の大小が変化する際のみに、すなわち、より長い周期でCQI量子化方法の変化を無線送信装置にフィードバックすれば良い。
【0089】
図32は、本実施の形態に係る無線受信装置500の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線受信装置500は、実施の形態1に示した無線受信装置100(図2参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置500は、CQIビット数決定部108の代わりに量子化テーブル決定部508を有し、誤りストリーム判定部501、誤りストリーム受信状況判定部502、および誤りストリーム受信状況情報生成部503をさらに有する点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また、無線受信装置500のCQI量子化部509は、無線受信装置100のCQI量子化部109と一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0090】
誤りストリーム判定部501は、MIMO受信部103から入力される各ストリームに誤りがあるか否かを判定し、誤りストリームを示す情報を誤りストリーム受信状況判定部502に出力する。
【0091】
誤りストリーム受信状況判定部502は、前回の受信処理において受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質推定値を記憶しており、誤りストリームに対して記憶されている前回の受信品質推定値と、受信品質推定部104から入力される受信品質推定値との差分を算出する。誤りストリーム受信状況判定部502は、算出した差分とあらかじめ設定されている閾値とを比較して、差分が閾値以上である場合には伝搬路変動が大きいと判定し、差分が閾値より小さい場合には伝搬路変動が小さいと判定し、伝搬路変動の大小を示す情報と、誤りストリームを示す情報とを誤りストリーム受信状況として、誤りストリーム受信状況情報生成部503および量子化テーブル決定部508に出力する。
【0092】
誤りストリーム受信状況情報生成部503は、誤りストリーム受信状況判定部502から入力される誤りストリーム受信状況を用いて、無線送信装置へフィードバックされる誤りストリーム受信状況情報を生成し出力する。
【0093】
量子化テーブル決定部508は、異なる再送ストリーム状況に対応する複数の量子化テーブルを内蔵しており、そのうち、誤りストリーム受信状況判定部502から入力される誤りストリーム受信状況に対応する量子化テーブルをCQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定し、CQI量子化部509に出力する。量子化テーブル決定部508が備える量子化テーブルの詳細については後述する。
【0094】
CQI量子化部509は、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを内蔵しておらず、量子化テーブル決定部508から入力される量子化テーブルを参照して、受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質のうち、ストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームに対応する受信品質推定値に対してCQI量子化を行う。
【0095】
図33は、量子化テーブル決定部508が内蔵している複数の量子化テーブルの例として、Bランキングストリームが誤りストリームであって、誤りストリームの伝搬路変動が小さい場合、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを例示する図である。また、Bランクストリームが誤りストリームであって、誤りストリームの伝搬路変動が大きい場合には、図28に示す量子化テーブルがCQIに用いられるテーブルとして流用される。図28および図33に示すように、再送ストリームの伝搬路変動が大きい場合には、誤りストリームのCQI量子化粒度を細かくし、誤りストリームの伝搬路変動が小さい場合には、誤りストリームのCQI量子化粒度を粗くする。また、図28および図33に示すように、再送ストリームのCQI量子化粒度を細かくする場合は、その分、ランキングが最も低いストリームのCQI量子化の粒度を粗くし、誤りストリームのCQI量子化の粒度を粗くする場合は、その分、再送ストリームの次のランキングのストリームのCQI量子化の粒度を細かくする。
【0096】
また、量子化テーブル決定部508は、図27に示すような量子化テーブルも備えており、誤りストリーム判定部501において各ストリームに誤りが発生しなかったと判定した場合に、CQI量子化に用いられるテーブルと決定する。
【0097】
図34は、本実施の形態に係る無線受信装置500におけるCQI量子化の手順を示すフロー図である。なお、この図に示すCQI量子化の手順は、実施の形態1に示したCQI量子化の手順(図6参照)と同様の基本的ステップを有しており、同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す手順は、ST1070の代わりにST5070を有し、ST5010、ST5020、およびST5030をさらに有する点において実施の形態1に示した手順と相違する。また、この図に示す手順のST5110は、実施の形態1に示したST1110と一部の処理において相違し、それを示すために異なる符号を付す。
【0098】
ST5010において、誤りストリーム判定部501は、各ストリームに誤りがあるか否かを判定し、誤りストリームを示す情報を誤りストリーム受信状況判定部502に出力する。
【0099】
ST5020において、誤りストリーム受信状況判定部502は、誤りストリームに対し、前回の受信処理で推定された受信品質推定値と今回の受信処理で推定された受信品質推定値との差分を算出する。また、このステップにおいて、誤りストリーム受信状況判定部502は、算出された差分とあらかじめ設定されている閾値とを比較することによって、誤りストリームの伝搬路変動の大小を判定し、誤りストリーム受信状況を求める。
【0100】
ST5030において、誤りストリーム受信状況情報生成部503は、誤りストリーム受信状況を用いて、無線送信装置にフィードバックする誤りストリーム受信状況情報を生成する。
【0101】
ST5070において、量子化テーブル決定部508は、複数の量子化テーブルのなかから、誤りストリーム受信状況判定部502で判定された誤りストリーム受信状況に対応する量子化テーブルを、CQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定する。
【0102】
ST5110において、無線送信装置500は、ランキング情報、CQI情報、および誤りストリーム受信状況情報を無線送信装置にフィードバックする。
【0103】
図35は、本実施の形態に係る無線送信装置550の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線送信装置550は、実施の形態1に示した無線送信装置150(図7参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線送信装置550は、CQIビット数決定部154の代わりに量子化テーブル決定部554を有し、誤りストリーム受信状況情報抽出部551をさらに有する点において実施の形態1に示した無線送信装置150と相違する。また、無線送信装置550のCQI逆量子化部555は、無線送信装置150のCQI逆量子化部155と一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0104】
誤りストリーム受信状況情報抽出部551は、無線受信装置500からフィードバックされるランキング情報、CQI情報、および誤りストリーム受信状況情報の中から誤りストリーム受信状況情報を抽出し、再送ストリームを示す情報と再送ストリームの伝搬路変動の大小を示す情報とを誤りストリーム受信状況として量子化テーブル決定部554に出力する。
【0105】
量子化テーブル決定部554は、量子化テーブル決定部508が備える複数の量子化テーブルと同様なテーブルを備え、誤りストリーム受信状況情報抽出部551から入力される誤りストリーム受信状況に基づき、CQI逆量子化に用いられる量子化テーブルを決定し、決定された量子化テーブルをCQI逆量子化部555に出力する。
【0106】
CQI逆量子化部555は、量子化テーブルを備えず、量子化テーブル決定部554から入力される量子化テーブル、CQI情報抽出部152から入力されるCQI情報、およびストリーム選択部153から入力されるCQI逆量子化対象ストリームを用いて逆量子化を行う。
【0107】
図36および図37は、誤りストリームの伝搬路変動の大小によって誤りストリームのCQI量子化粒度を変化させる方法を説明するための図である。そのうち、図36は、Bランキングストリームが誤りストリームであって、誤りストリームの伝搬路変動が小さい場合に対応する図であり、図37は、Bランキングストリームが誤りストリームであって、誤りストリームの伝搬路変動が大きい場合に対応する図である。図36および図37においては、ストリームの本数が4本であり、各ストリーム1、2、3、4の受信品質推定値がそれぞれ20、28、5、26である場合を例にとる。図36を図9と比較すると分かるように、本実施の形態では、再送ストリームの伝搬路変動が小さい場合には、各ストリームに誤りがない場合よりも、再送ストリームのCQI量子化に用いるビット数をさらに削減し、削減されたビット数、ここでは1ビットは次のランキングのストリームのCQI量子化に用いる。また、図37を図9と比較すると分かるように、本実施の形態では、再送ストリームの伝搬路変動が大きい場合には、各ストリームに誤りがない場合よりも、再送ストリームのCQI量子化に用いるビット数をさら増加し、その分、ここでは1ビット分、最も低いランキングのストリームのCQI量子化に用いられるビット数を削減する。
【0108】
このように、本実施の形態によれば、無線受信装置は、受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、誤りストリームがあり誤りストリームの伝搬路変動が大きい場合には誤りストリームのCQI量子化粒度をさらに細かくし、誤りストリームの伝搬路変動が小さい場合には、誤りストリームのCQI量子化粒度をさらに粗くするため、無線通信システムの誤り訂正の精度を向上することができ、システムスループットをさらに向上させることができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、1つのストリームに誤りが発生した場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、複数のストリームに誤りが発生した場合には、本実施の形態に示したCQI量子化方法を適宜変更して適応しても良い。
【0110】
なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態1に示したように受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、誤りストリームの伝搬路変動に応じてさらにビット数を調整する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、実施の形態1と組み合わせず単に、システムスループットを向上するように誤りストリームの伝搬路変動に応じて各ストリームにCQI量子化用のビット数を配分しても良い。
【0111】
(実施の形態6)
MIMOシステムは、無線送信装置から複数送信アンテナを用いて送信されるデータを受信するユーザの数によってSU−MIMO(Single User−MIMO)とMU−MIMO(Multi User−MIMO)とに分けられる。SU−MIMOシステムにおいては、無線送信装置は、複数の送信アンテナを用いて1つのユーザにデータを送信する。これに対し、MU−MIMOシステムにおいては、無線送信装置は、複数の送信アンテナを用いて複数のユーザにデータを送信し、各ユーザ、すなわち各無線受信装置は、各送信アンテナからのストリームの受信品質を推定し、得られる受信品質推定値を用いてCQI量子化を行い送信側にフィードバックする。ただ、MU−MIMOシステムの無線受信装置は、全てのストリームのCQI量子化を同じ精度で行う必要はない。MU−MIMOシステムにおいて、各無線受信装置向けのデータは、受信品質推定値が所定値以上の複数の送信アンテナ、すなわち上位ランキングの複数のストリームを用いて送信されるため、各無線受信装置は、自装置向けデータを送信するストリームにおいてより高い精度のCQI量子化を行い無線送信装置にフィードバックすれば良く、自装置以外の無線受信装置向けのデータを送信するストリームにおいてはより低い精度でCQI量子化を行い無線送信装置にフィードバックしても良い。
【0112】
本実施の形態では、各無線受信装置は、無線送信装置との接続方式がSU−MIMOであるかまたはMU−MIMOであるかを判定して、接続方式に応じてCQI量子化の方法を切り換える。具体的には、SU−MIMOの場合には実施の形態1に示したCQI量子化方法を用い、MU−MIMOの場合には、自装置向けのデータを送信するストリームのCQI量子化粒度をさらに細かくし、自装置以外の無線受信装置向けのデータを送信するストリームのCQI量子化の粒度をさらに粗くする。
【0113】
図38は、本実施の形態に係る無線受信装置600の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線受信装置600は、実施の形態1に示した無線受信装置100(図2参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線受信装置600は、CQIビット数決定部108の代わりに量子化テーブル決定部608を有し、接続方式制御情報抽出部601および接続方式判定部602をさらに有する点において実施の形態1に示した無線受信装置100と相違する。また、無線受信装置600のCQI量子化部609は、無線受信装置100のCQI量子化部109と一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0114】
接続方式制御情報抽出部601は、受信アンテナ101が受信した信号の中から、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式を制御する接続方式制御情報を抽出し、接続方式判定部602に出力する。
【0115】
接続方式判定部602は、接続方式制御情報抽出部601から入力される接続方式制御情報に基づき、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式がSU−MIMO方式であるかMU−MIMO方式であるかを判定し、判定結果を量子化テーブル決定部608に出力する。
【0116】
量子化テーブル決定部608は、無線受信装置600と無線送信装置との異なる接続方式に対応する複数の量子化テーブルを内蔵しており、そのうち、接続方式判定部602において判定された接続方式に対応する量子化テーブルをCQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定し、CQI量子化部609に出力する。量子化テーブル決定部608が備える量子化テーブルの詳細については後述する。
【0117】
CQI量子化部609は、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを内蔵しておらず、量子化テーブル決定部608から入力される量子化テーブルを参照して、受信品質推定部104から入力される各ストリームの受信品質のうち、ストリーム選択部107から入力されるCQI量子化対象ストリームに対応する受信品質推定値に対してCQI量子化を行う。
【0118】
図39は、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式がMU−MIMOである場合に、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを例示する図である。また、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式がSU−MIMOである場合に、CQI量子化に用いられる量子化テーブルとしては、図5に示す量子化テーブルを流用する。図39と図5とを比較すると分かるように、無線受信装置600は、無線送信装置との接続方式がMU−MIMOである場合には、自装置向けのデータを送信するストリーム、すなわち、ランキングAのストリームおよびランキングBのストリームのCQI量子化粒度を細かくし、自装置以外の無線受信装置向けのデータを送信するストリーム、すなわち、ランキングCのストリームおよびランキングDのストリームに対しては、1ビットのみを用いてCQI量子化を行う。1ビットを用いたCQI量子化によれば、「1」または「0」のCQIビット列が得られる。CQIビット列「1」と「0」は、ランキングCのストリームまたはランキングDのストリームと、ランキングAのストリームまたはランキングBのストリームとの干渉が所定値以上であるか否かを示す。
【0119】
図40は、本実施の形態に係る無線受信装置600におけるCQI量子化の手順を示すフロー図である。なお、この図に示すCQI量子化の手順は、実施の形態1に示したCQI量子化の手順(図6参照)と同様の基本的ステップを有しており、同一のステップには同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す手順は、ST1070の代わりにST6070を有し、ST6010およびST6020をさらに有する点において実施の形態1に示した手順と相違する。
【0120】
ST6010において、接続方式制御情報抽出部601は、受信した信号の中から、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式を制御する接続方式制御情報を抽出する。
【0121】
ST6020において、接続方式判定部602は、接続方式制御情報に基づき、無線受信装置600と無線送信装置との接続方式がSU−MIMO方式であるかMU−MIMO方式であるかを判定する。
【0122】
ST6070において、量子化テーブル決定部608は、複数の量子化テーブルのなかから、接続方式判定部602で判定された接続方式に対応する量子化テーブルを、CQI量子化に用いられる量子化テーブルと決定する。
【0123】
図41は、本実施の形態に係る無線送信装置650の主要な構成を示すブロック図である。なお、無線送信装置650は、実施の形態1に示した無線送信装置150(図7参照)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線送信装置650は、CQIビット数決定部154の代わりに量子化テーブル決定部654を有し、接続方式制御部651および接続方式制御情報生成部652をさらに有する点において実施の形態1に示し無線送信装置150と相違する。また、無線送信装置650のCQI逆量子化部655は、無線送信装置150のCQI逆量子化部155と一部の処理において相違し、それを示すために異なる番号を付す。
【0124】
接続方式制御部651は、無線送信装置650におけるトラフィック量などに基づきSU−MIMO方式またはMU−MIMO方式を決定し、決定された接続方式を用いて無線受信装置600との接続を制御し、決定された接続方式を接続方式制御情報生成部652に出力する。
【0125】
接続方式制御情報生成部652は、接続方式制御部651で決定した接続方式を示す接続方式制御情報を生成して無線受信装置600に送信する。
【0126】
量子化テーブル決定部654は、量子化テーブル決定部608が備える複数の量子化テーブルと同様なテーブルを備え、接続方式制御部651から入力される接続方式に基づき、CQI逆量子化に用いられる量子化テーブルを決定し、決定された量子化テーブルをCQI逆量子化部655に出力する。
【0127】
CQI逆量子化部655は、量子化テーブルを備えず、量子化テーブル決定部654から入力される量子化テーブル、CQI情報抽出部152から入力されるCQI情報、およびストリーム選択部153から入力されるCQI逆量子化対象ストリームを用いて逆量子化を行う。
【0128】
図42は、無線受信装置600と無線送信装置650とがMU−MIMO方式で接続している場合のCQI量子化方法を説明するための図である。なお、無線受信装置600と無線送信装置650とがSU−MIMO方式で接続している場合のCQI量子化方法を説明するための図として図9を流用する。図42に示すように、無線受信装置600と無線送信装置650とがMU−MIMO方式で接続している場合、無線受信装置600は、自装置向けデータを送信するストリーム、すなわち、AランキングのストリームおよびBランキングのストリームのCQI量子化には5ビットずつを用いて、自装置向けデータを送信しないストリーム、すなわち、CランキングのストリームおよびDランキングのストリームのCQI量子化には1ビットずつを用いる。図42を図9と比べると分かるように、無線受信装置600は、無線送信装置650とSU−MIMO方式で接続している場合よりも、無線送信装置650とMU−MIMO方式で接続している場合に、自装置向けデータを送信するストリームのCQI量子化粒度を細かくし、自装置向けデータを送信しないストリームのCQI量子化には1ビットだけ用いる。
【0129】
このように、本実施の形態によれば、無線受信装置は、無線送信装置とMU−MIMO方式で接続する場合には、受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、無線送信装置とMU−MIMO方式で接続する場合には、自装置向けデータを送信するストリームのCQI量子化粒度を細かくし、自装置向けデータを送信しないストリームのCQI量子化粒度を粗くするため、全体的により少ないビット数で効率良くCQI量子化を行うことができ、システムスループットをさらに向上することができる。
【0130】
なお、本実施の形態では、無線送信装置600向けデータを送信するストリームが2本である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、無線送信装置600向けデータを送信するストリームを1本、または3本以上にしても良く、さらにはMU−MIMOにおいて多重されるユーザ数などの条件に応じて適応的に変化させても良い。無線送信装置600向けデータを送信するストリームの本数を適応的に変化させる際、例えば、多重されるユーザ数が少ない場合には、無線送信装置600向けデータを送信するストリームの本数が増加するため、より多い本数のストリームのCQI量子化粒度を細かくする。
【0131】
また、本実施の形態では、各ユーザにおいてストリーム単位でCQI量子化粒度を異ならせる場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、ユーザ単位でCQI量子化粒度を異ならせても良い。具体的には、基地局において、ユーザ毎の平均CQIを保持しておき、多重するユーザ間の平均CQIを比較して、平均CQIがより低いユーザに対して、量子化粒度を粗くするように指示する。これにより、無線送信装置と無線受信装置とがMU−MIMO方式で接続している場合に、システムスループットを下げずに、全体的なCQIビット数を削減することができる。例えば、平均CQIが高いユーザに対しては図43に示す量子化テーブルを用い、平均CQIの低いユーザに対しては図44に示す量子化テーブルを用いてCQI量子化を行うように指示する。ここで、各ユーザの平均CQIは、各ユーザからフィードバックされる下り回線のCQI、また上り回線を測定して得られた上り回線のCQIを、時間的に平均することによって求めることができる。
【0132】
または、基地局において各ユーザの平均CQIをあらかじめ設定されている閾値と比較して各ユーザの量子化方法を指示してもよい。すなわち、平均CQIが閾値より高いユーザに対しては、量子化粒度を細かくするように指示し、平均CQIが閾値より低いユーザに対しては、量子化粒度を粗くするように指示する。これにより、各ユーザのCQIに応じてCQI量子化粒度を異ならせてシステムスループットを向上することができる。なお、平均CQIが低いユーザは、基地局から遠くに存在するか、もしくは、隣接セルからの干渉が大きく通信環境が悪い状況にあると考えられるため、フィードバックされるCQIに誤りが発生する可能性があると想定する。そこで、フィードバックされるCQIビット数が制限されているため、CQI量子化粒度を粗くするよう指示された平均CQIが低いユーザがフィードバックする量子化CQIに対しは、誤り訂正符号化を行うことにより、フィードバックビット数を増やすことなく誤り耐性を強化しても良い。
【0133】
なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態1に示したように受信品質推定値が低いストリームほどCQIビット数を順次に削減したうえに、無線受信装置と無線送信装置との接続方式に応じてさらにビット数を調整する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、実施の形態1と組み合わせず単に、システムスループットを向上するように無線受信装置と無線送信装置との接続方式に応じて各ストリームにCQI量子化用のビット数を配分しても良い。
【0134】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0135】
なお、本発明に係る無線通信システム、無線受信装置、無線送信装置、およびCQI量子化方法は、上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0136】
また、本発明の各実施の形態を組み合わせて実施することも可能である。
【0137】
例えば、実施の形態4と実施の形態6を組み合わせることにより、無線受信装置と無線送信装置とがMU−MIMO方式で接続している場合において、各ストリームの受信品質推定値のバラツキに応じて、すなわち、有効ストリーム数に応じてCQI量子化方法を切り替え、システムスループットをさらに向上することができる。具体的には、無線受信装置は、無線送信装置とMU−MIMO方式で接続していて、有効ストリーム数が所定値以上である場合には、図45に示すように、ストリームのランキング順位に従い5ビット、3ビット、2ビット、1ビットを用いてCQI量子化することにより量子化粒度の劣化具合を緩やかに変化させる。無線送信装置は、無線送信装置とMU−MIMO方式で接続していて、有効ストリーム数が所定値より小さい場合には、図46に示すように、ストリームのランキング順位に従い5ビット、5ビット、1ビット、0ビットを用いてCQI量子化を行うことにより、自装置向けデータを送信するストリームに対しては量子化粒度をさらに細かくし、システムスループットに寄与しない下位ランキングストリームに対してはCQI量子化を行わない。図45および図46においては、主にストリームランキング、ビット数、および量子化粒度などの情報を示している。
【0138】
また、例えば、実施の形態5と実施の形態6を組み合わせることにより、無線受信装置と無線送信装置とがMU−MIMO方式で接続している場合において、誤りストリームの伝搬路変動に応じてCQI量子化方法を切り替え、システムスループットをさらに向上することができる。具体的には、無線受信装置は、無線送信装置とMU−MIMO方式で接続していて、誤りストリームがない場合には図45に示すようにCQI量子化を行うのに対し、誤りストリームがあり、誤りストリームの伝搬路変動は所定値以上である場合には、図47に示すようにCQI量子化を行い、誤りストリームの伝搬路変動は所定値より小さい場合には、図48に示すようにCQI量子化を行う。図47および図48においては、主にストリームランキング、ビット数、および量子化粒度などの情報を示している。図47および図48に示すように、誤りストリームの伝搬路変動が小さい場合には、各ストリームに誤りがない場合よりも、誤りストリームのCQI量子化に用いるビット数をさらに削減し、削減されたビット数、例えばここでは1ビットは次のランキングのストリームのCQI量子化に用いられる。また、図47を図48と比較すると分かるように、本実施の形態では、誤りストリームの伝搬路変動が大きい場合には、各ストリームに誤りがない場合よりも、誤りストリームのCQI量子化に用いるビット数を増加し、その分、例えばここでは1ビット分、最も低いランキングのストリームのCQI量子化に用いられるビット数を削減する。
【0139】
また、本発明において受信品質は、SINRまたはSNRの例を示したが、SIR、CIR、CNR、CINR、RSSI、受信強度、受信電力、干渉電力、誤り率、伝送レート、スループット、干渉量、または、所定の誤り率を達成できるMCS等を用いても良い。
【0140】
また、本発明においては受信品質を、量子化してCQIで表す場合を例にとって説明したが、CSI(Channel State Information)等で表しても良い。
【0141】
また、本発明に係る無線受信装置、無線送信装置は、SDM方式の移動体通信システムにおける通信端末装置および基地局装置に搭載することが可能であり、これにより上記と同様の作用効果を有する通信端末装置、基地局装置、および移動体通信システムを提供することができる。
【0142】
また、ここでは、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明をソフトウェアで実現することも可能である。例えば、本発明に係るCQI量子化方法をプログラミング言語によって記述し、このプログラムをメモリに記憶しておいて情報処理手段によって実行させることにより、本発明に係る無線受信装置、無線送信装置と同様の機能を実現することができる。
【0143】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
【0144】
また、ここではLSIとしたが、集積度の違いによって、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0145】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラム化することが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続もしくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0146】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明に係る無線受信装置、無線送信装置およびCQI量子化方法は、SDM方式のシステムにおけるストリーム毎の適応変調等の用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】CQIとスループットとの関係を示す図
【図2】実施の形態1に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1に係るランキング順位決定部において決定されるランキング順位の一例を示す図
【図4】実施の形態1に係るCQIビット数決定部が備える、ランキングとCQIビット数とが対応付けられたテーブルの一例を示す図
【図5】実施の形態1に係るCQI量子化部が備えるCQI量子化テーブルの一例を示す図
【図6】実施の形態1に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図7】実施の形態1に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図8】実施の形態1に係る無線受信装置において各ストリーム用のCQI量子化ビット数を等しくしてCQI量子化を行う方法を説明するための図
【図9】実施の形態1に係る無線受信装置において低ランキングストリーム用のCQI量子化ビット数を削減してCQI量子化を行う方法を説明するための図
【図10】実施の形態2に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図11】実施の形態2に係る量子化テーブル決定部が備えるテーブルのうち、受信品質「28」に対応する量子化テーブルの一例を示す図
【図12】実施の形態2に係る量子化テーブル決定部が備えるテーブルのうち、受信品質「29」に対応する量子化テーブルの一例を示す図
【図13】実施の形態2に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図14】実施の形態2に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図15】実施の形態2に係る無線受信装置において閾値以下の受信品質に対するCQI量子化の粒度を粗くして量子化を行う方法を説明するための図
【図16】実施の形態3に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図17】実施の形態3に係るAランキングストリームとBランキングストリームとの差分を4ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図18】実施の形態3に係るAランキングストリームとBランキングストリームとの差分を4ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図19】実施の形態3に係るBランキングストリームとCランキングストリームとの差分を3ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図20】実施の形態3に係るBランキングストリームとCランキングストリームとの差分を3ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図21】実施の形態3に係るCランキングストリームとDランキングストリームとの差分を2ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図22】実施の形態3に係るCランキングストリームとDランキングストリームとの差分を2ビットで量子化するのに用いられる差分CQI量子化テーブルの一例を示す図
【図23】実施の形態3に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図24】実施の形態3に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図25】実施の形態3に係る無線受信装置において差分CQI量子化を行う方法を説明するための図
【図26】実施の形態4に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図27】実施の形態4に係る量子化テーブル決定部が内蔵している第1の量子化テーブルを例示する図
【図28】実施の形態4に係る量子化テーブル決定部が内蔵している第2の量子化テーブルを例示する図
【図29】実施の形態4に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図30】実施の形態4に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図31】実施の形態4に係る有効ストリーム数によってCQI量子化の粒度を変化させる方法を説明するための図
【図32】実施の形態5に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図33】実施の形態5に係る量子化テーブル決定部が内蔵している量子化テーブルを例示する図
【図34】実施の形態5に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図35】実施の形態5に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図36】実施の形態5に係る誤りストリームの伝搬路変動の大小によって誤りストリームのCQI量子化粒度を変化させる方法を説明するための図
【図37】実施の形態5に係る誤りストリームの伝搬路変動の大小によって誤りストリームのCQI量子化粒度を変化させる方法を説明するための図
【図38】実施の形態6に係る無線受信装置の主要な構成を示すブロック図
【図39】実施の形態6に係る無線受信装置と無線送信装置との接続方式がMU−MIMOである場合に、CQI量子化に用いられる量子化テーブルを例示する図
【図40】実施の形態6に係る無線受信装置におけるCQI量子化の手順を示すフロー図
【図41】実施の形態6に係る無線送信装置の主要な構成を示すブロック図
【図42】実施の形態6に係る無線受信装置と無線送信装置とがMU−MIMO方式で接続している場合のCQI量子化方法を説明するための図
【図43】実施の形態6のバリエーションに係る量子化テーブルを例示する図
【図44】実施の形態6のバリエーションに係る量子化テーブルを例示する図
【図45】実施の形態4と実施の形態6を組み合わせたCQI量子化方法を説明するための図
【図46】実施の形態4と実施の形態6を組み合わせたCQI量子化方法を説明するための図
【図47】実施の形態5と実施の形態6を組み合わせたCQI量子化方法を説明するための図
【図48】実施の形態5と実施の形態6を組み合わせたCQI量子化方法を説明するための図
【符号の説明】
【0149】
100 無線受信装置
101 受信アンテナ
102 チャネル推定部
103 MIMO受信部
104 受信品質推定部
105 ランキング順位決定部
106 ランキング情報生成部
107 ストリーム選択部
108 CQIビット数決定部
109 CQI量子化部
110 CQI情報生成部
150 無線送信装置
151 ランキング情報抽出部
152 CQI情報抽出部
153 ストリーム選択部
154 CQIビット数決定部
155 CQI逆量子化部
156 SDM送信部
157 送信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストリームを複数アンテナを用いて送信する無線送信装置と、複数アンテナを用いて複数の前記ストリームを受信する無線受信装置と、を具備する無線通信システムであって、
前記無線受信装置は、
前記ストリーム毎の受信品質を推定し、ストリーム毎の受信品質推定値の順位を決定する順位決定手段と、
前記順位に応じて、前記ストリーム毎に量子化ビット数を配分するビット配分手段と、
前記量子化ビット数に従って、前記受信品質推定値を量子化し、前記ストリーム毎のCQIを生成する量子化手段と、
前記ストリーム毎のCQIを前記無線送信装置に通知する通知手段と、
を具備し、
前記無線送信装置は、
通知される前記ストリーム毎のCQIを逆量子化し、前記受信品質推定値を再現する逆量子化手段と、
再現された前記受信品質推定値に応じて、前記ストリーム毎の適応変調パラメータを決定して、適応変調を行う適応変調手段と、
を具備する、
無線通信システム。
【請求項2】
無線送信装置から送信される複数のストリームを、複数アンテナを用いて受信する無線受信装置であって、
前記ストリーム毎の受信品質を推定し、ストリーム毎の受信品質推定値の順位を決定する順位決定手段と、
前記順位に応じて、前記ストリーム毎に量子化ビット数を配分するビット配分手段と、
前記量子化ビット数に従って、前記受信品質推定値を量子化し、前記ストリーム毎のCQIを生成する量子化手段と、
前記ストリーム毎のCQIを前記無線送信装置に通知する通知手段と、
を具備する無線受信装置。
【請求項3】
前記ビット配分手段は、
より多くの量子化ビット数を、前記順位がより高いストリームに配分する、
請求項2記載の無線受信装置。
【請求項4】
前記量子化手段は、
配分された前記量子化ビット数に従いつつ、量子化の精度を前記受信品質推定値に応じて不均一にする、
請求項2記載の無線受信装置。
【請求項5】
前記量子化手段は、
閾値より高い受信品質推定値に対して量子化の精度をより高くし、前記閾値と等しい受信品質推定値、および前記閾値より低い受信品質推定値に対して量子化の精度をより低くする、
請求項4記載の無線受信装置。
【請求項6】
前記順位が最も高いストリームの受信品質推定値を基準として前記閾値を決定する決定手段、
をさらに具備する請求項5記載の無線受信装置。
【請求項7】
前記量子化手段は、
閾値よりも低い受信品質推定値に対して前記ストリーム毎のCQIを生成しない、
請求項4記載の無線受信装置。
【請求項8】
前記量子化手段は、
配分された前記量子化ビット数に従って、前記ストリームの受信品質推定値と、前記ストリームより1つ上の順位のストリームの受信品質推定値と、の差分を量子化する、
請求項3記載の無線受信装置。
【請求項9】
前記無線送信装置からのパイロット信号を用いてチャネル推定を行い、チャネル推定値を得るチャネル推定手段と、
前記チャネル推定値に対して特異値分解を行い、得られる特異値の分布から、前記複数のストリームのうち、システムスループットへの寄与分が所定比例以上である有効ストリームの数を推定する有効ストリーム数推定手段と、
をさらに具備し、
前記ビット配分手段は、
前記有効ストリームの数が所定値以下である場合には、前記有効ストリームにより多くの量子化ビット数を配分する、
請求項2記載の無線受信装置。
【請求項10】
前記複数のストリームのうち、誤りパケットを含む誤りストリームを検出する検出手段と、
前回の受信処理において推定された前記複数のストリームの受信品質推定値を記憶し、前記誤りストリームに対して、記憶されている受信品質推定値と今回推定された受信品質推定値との差分を求める差分算出手段と、
をさらに具備し、
前記ビット配分手段は、
前記差分が所定値以上である場合には、前記誤りストリームに配分する量子化ビット数を増加し、その増加分だけ、最も低い順位のストリームに配分する量子化ビット数を減少し、
前記差分が所定値より小さい場合には、前記誤りストリームに配分する量子化ビット数を減少し、その減少分だけ、前記誤りストリームの次の順位のストリームに配分する量子化ビット数を増加する、
請求項2記載の無線受信装置。
【請求項11】
前記無線受信装置と前記無線送信装置との接続方式がSU−MIMOであるかまたはMU−MIMOであるかを判定する判定手段、
をさらに具備し、
前記ビット配分手段は、
前記接続方式がMU−MIMOである場合には、前記複数のストリームのうち、前記無線受信装置向けのデータを送信するストリームにより多くのビット数を配分し、前記無線受信装置以外の他の無線受信装置向けのデータを送信するストリームには1ビットずつの量子化ビット数を配分する、
請求項2記載の無線受信装置。
【請求項12】
複数のストリームを複数アンテナを用いて送信する無線送信装置であって、
無線受信装置から通知される前記ストリーム毎のCQIを逆量子化し、受信品質推定値を再現する逆量子化手段と、
再現された前記受信品質推定値に応じて、前記ストリーム毎の適応変調パラメータを決定して、適応変調を行う適応変調手段と、
を具備する無線送信装置。
【請求項13】
前記逆量子化手段は、
前記逆量子化において、前記CQIに該当する複数の受信品質推定値の最小値を選択する、
請求項12記載の無線送信装置。
【請求項14】
前記逆量子化手段は、
前記逆量子化において、前記CQIに該当する複数の受信品質推定値の最大値を選択する、
請求項12記載の無線送信装置。
【請求項15】
前記逆量子化手段は、
前記逆量子化において、前記CQIに該当する複数の受信品質推定値の平均値に最も近い値を選択する、
請求項12記載の無線送信装置。
【請求項16】
複数のストリームを複数アンテナを用いて送信する無線送信装置と、複数アンテナを用いて複数の前記ストリームを受信する無線受信装置と、を具備する無線通信システムに用いられるCQI量子化方法であって、
前記ストリーム毎の受信品質を推定し、ストリーム毎の受信品質推定値の順位を決定するステップと、
前記順位に応じて、前記ストリーム毎に量子化ビット数を配分するステップと、
前記量子化ビット数に従って、前記受信品質推定値を量子化し、前記ストリーム毎のCQIを生成するステップと、
を具備するCQI量子化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2007−251924(P2007−251924A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5022(P2007−5022)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】